JPH0317741B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシート状部材を搬送するシート搬送装
置に関する。

第１図は従来シート搬送装置を説明するための
電子写真複写機の要部断面図である。

図中１は矢印方向に回転する感光ドラムで、該
ドラムは光導電層を有する周知のもので、潜像形
成手段・現像手段・及び転写後の残留トナーを除
去するクリーニング手段は図示されていない。上
記感光ドラム１の像に同期して搬送されるシート
材は下部のカセツト又は給紙台２等の公知の常用
自動給紙機構の中底板３上に収積されており、該
中底板３はばねにより上方に押し上げられ、分離
爪５によりシート材６の高さが一定に保たれてい
る。上記シート６は、円周の一部を切欠いたピツ
クアツプローラ７が一回転することにより、上記
カセツトから一枚ずつ送り出される。送り出され
たシート材６はガイド板８，９に案内され、スリ
ツプ搬送手段１０を介し更にガイド板１１，１２
に案内されてレジスターローラ１３に至る。後述
する構成でシート材の斜行送りは修正され、ガイ
ド板１４，１５により感光体１に至り、コロナ放
電器１７からの放電で電位が加えられ、ドラム１
上のトナー像をシート材に転写する。上記感光体
１の軸方向端部には分離ベルト１６が取付けら
れ、感光体１とシート材６の端部との間に狭ま
り、転写後シート材は上記ベルト１６によりドラ
ム１から分離され、吸引機構を有する搬送ベルト
手段１８により定着手段１９に搬送され、転写像
を定着して機外に搬出される。

手差し給紙を行う場合、手差し給紙口２０より
挿入されたシート材６′はガイド板２２に案内さ
れ、従来のスリツプ搬送手段２３を介し更にガイ
ド板２４，２５に案内されてレジスタローラ１３
に至る。以下同様にガイド板１４，１５に案内さ
れてドラム１、搬送ベルト手段１８、定着手段１
９に搬送され機外に搬出される。

次に上記スリツプ搬送手段２３について詳しく
述べる。

第１図において、手差し給紙口２０より挿入さ
れたシート材６′は、スリツプ搬送手段２３を構
成する１対のローラ２３ａ，２３ｂに狭まれ搬送
される。上記ローラ２３ｂの表面は、ゴム等の比
較的摩擦係数の高い部材で構成され、駆動手段に
よりシート材の搬送中は常時駆動されている。上
記ローラ２３ｂに対向するローラ２３ａは第２図
のように回転軸方向の幅が狭い１個又は複数個の
ローラで構成され、軸２６に回転自在に取り付け
てある。これらのローラ２３ａ，２３ｂは先づ手
差しにより搬送されたシート材６′を狭持回転し
ながらレジスタローラ１３に送り込む役割をして
いる。

しかし第１図のようにガイド板２４，２５が直
線状でなく搬送路が曲線状になつていると、軽量
紙のようなコシの弱い紙ではスリツプ搬送手段２
３によつて搬送された紙６′がガイド板２５にな
らいレジスタローラ１３に到達しうるが、官製ハ
ガキのようなコシの強い紙ではスリツプ搬送手段
２３の搬送力よりも紙６′とガイド板２２，２５
との摩擦抵抗が大きくなり、紙が進入せず、レジ
ストローラ１３まで到達し得ない。かといつて、
コシの強い紙に対してスリツプ搬送手段の搬送力
を高めると、今度は逆に軽量紙に対してシワを発
生させたり、紙詰りを起す原因となる欠点があつ
た。

本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消
し、コシが強いシート程搬送力を高めることがで
きるシート搬送装置を提供するものである。

上記目的を達成するための本発明の構成は駆動
力を受けて回転し、第１の小径部と、該第１の小
径部の両側に、前記第１の小径部より径が大き
く、シートに接触して搬送力を与える第１の大径
部が形成された第１の回転体と、 前記第１の回転体に対して従動回転し、前記第
１の大径部に対向し、該第１の大径部と協働して
シートを挾持して搬送する第２の小径部と、前記
第１の小径部に対向し、第２の小径部より径の大
きい第２の大径部を有する第２の回転体と、 前記第１の大径部が前記第２の大径部とオーバ
ーラツプする範囲内で前記第２の回転体を移動可
能に支持する支持手段と、 を有することを特徴とするシート搬送装置であ
る。

以下本発明の一実施例を図面により説明する。

第３図は本発明に係るシート搬送装置実施例の
正面図、第４図はその側面図を示し、特にコシの
弱いシート（例えば、薄手のシート）を搬送する
状態である。一方、第５図は上記実施例に於いて
コシの強いシートを搬送する場合の正面図、そし
て第６図はその側面図である。

２３ａ，２３ｂはスリツプローラ対で第２の小
径部としてのローラ２３ｂは軸２７よりも大きい
径の穴により、支持手段としての軸２７に嵌合し
ており、軸２７に対し回転可能であるとともに、
半径方向に所定範囲移動可能である。第１の大径
部としてのローラ２３ａはシート搬送用の駆動軸
２６に固設されて、シートに搬送力を伝達する回
転体であり、シートと接触する接触部を有する。
またローラ２３ｂは図中、上下に約0.5〜１mm程
度揺動可能であり、所謂遊びを有している。ロー
ラ２３ａは駆動軸２６に間隔をおいて設けられて
おり、該ローラ間には見掛け上段差が形成されて
いる。本実施例ではローラ２３ａをゴム等の比較
的摩擦係数の大きな材質を用いて形成し、ローラ
２３ａに対し、上記段差部２３ｃの凹部は約２〜
４mm程へこんでいる。

一方、ローラ２３ｂには、ローラ２３ａの凹部
である第１の小径部としての段差部２３ｃに対応
して第２の大径部としての凸部２３ｄの段差が形
成されている。この凸部２３ｄはローラ２３ｂの
外径より約0.5〜1.5mm大きな外径を有している。
ローラ２３ｂは、その自重Ｇによつてローラ２３
ａに載置付勢され従動可能である。凸部は凹部に
対応し接つすることなく所定の間隙が保たれてい
る。

従つて、スリープローラ対２３にコシの弱いシ
ートが侵入すると、シートは上記凹凸に倣つて変
形する。シートはローラ２３ａとローラ２３ｂの
接触部にのみ狭持されローラ２３ｂの自重に応じ
た摩擦力で搬送力をうける。従つて、段差のない
スリツプローラ対と同機能を有する。

一方、コシの強い紙がスリツプローラ対２３
ａ，２３ｂに侵入した場合、第５図、第６図のよ
うにローラ２３ｂはシート６′の反撥により上方
へ押し上げられる。これはローラ２３ｂの重さよ
りシート６′の曲げ反撥力が大きいためである。
そしてローラ２３ｂは第６図に示されるように移
動可能な範囲の上限まで移動するが、シートは第
５図のようにわん曲し、その反発力によりローラ
２３ａに圧接する。従つてローラ２３ａとシート
との圧接力はローラ２３ｂの自重のみによる圧接
力よりも大きくなり、搬送力も圧接力の大きくな
つた分だけ増加する。

即ち、本発明によれば、コシの弱いシートには
搬送力を増加することはないが、コシの強いシー
トに対してはその搬送力を増加させることができ
る。

第７図は、スリツプローラ２３ｂと凸部２３ｄ
の外径差Ｄと搬送される紙の受ける力Ｗの関係を
示す図である。第７図において、Wa，Wb，
Wc，Wd，We，Wfはそれぞれローラ２３ａ，２
３ｂ，２３ｃ，２３ｄのａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅ，ｆ
点においてローラよりシートに加わる荷重を示し
ている。その荷重を上向きの荷重を＋、下向きの
荷重を−として示したのが上のグラフである。こ
のようにスリツプローラ凸段差部２７ｂの径変化
に従つて紙の受ける力Ｗがほぼ比例することがわ
かる。従つてコシの強い紙に対する搬送力は、段
差径を変えることによりコントロールしうる事が
わかる。

尚、各ローラ２３ａ，２３ｂ及び凸部２３ｄ、
凹部の材質については限定されるもものではな
く、コシの強いシートの搬送力を高めるために凸
部２３ｄとローラ２３ａを同様の材質にしてもよ
い。

以上説明したように本発明においてはコシの強
シートに対しては搬送力を高めることができ紙詰
りを防止することができる。

本発明によればシートの腰の強さに応じた搬送
力でシートを搬送することができ、ジヤムや搬送
不良を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来シート搬送装置を用いた電子写真
複写機の要部断面図、第２図は上記従来シートの
平面拡大図、第３図乃至第７図は本発明の一実施
例の説明図。 １０，１３，２３……ローラ対、１３ａ，１３
ｂ，２３ａ，２３ｂ……ローラ、Ｇ……重力（付
勢手段）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 駆動力を受けて回転し、第１の小径部と、該
   第１の小径部の両側に、前記第１の小径部より径
   が大きく、シートに接触して搬送力を与える第１
   の大径部が形成された第１の回転体と、 前記第１の回転体に対して従動回転し、前記第
   １の大径部に対向し、該第１の大径部と協働して
   シートを挾持して搬送する第２の小径部と、前記
   第１の小径部に対向し、第２の小径部より径の大
   きい第２の大径部を有する第２の回転体と、 前記第１の大径部が前記第２の大径部とオーバ
   ーラツプする範囲内で前記第２の回転体を移動可
   能に支持する支持手段と、 を有することを特徴とするシート搬送装置。