JP2594138B2 - 画像形成装置の重送防止給紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、静電写真複写機やファクシミリ等の画像形
成装置に装備される重送防止給紙装置に関する。

〔従来の技術〕

例えば、静電写真複写機の給紙部に装備される重送防
止機能を備えた給紙装置として、夫々の摩擦係数がシー
トの摩擦係数よりも大なる給紙ローラと重送防止部材を
設けると共に、前記重送防止部材を前記給紙ローラに対
して当接離間自在と成し、かつ、当該重送防止部材を給
紙ローラに付勢当接させる付勢手段を設けたものがあ
る。

かかる構成によれば、シートが二枚重ねの状態で給紙
ローラと重送防止部材との間に送り込まれた際に、前記
重送防止部材側のシート先端が当該重送防止部材に当接
して給紙が阻止されることと、前記摩擦係数の差とによ
り、前記給紙ローラ側のシートのみが給紙されるもの
で、所謂摩擦分離の方式でシートの重送防止が達成され
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

この摩擦分離の方式による重送防止の手段において
は、前記給紙ローラと重送防止部材のニップ圧を適切に
設定することが最も重要である。

即ち、前記ニップ圧が弱いと重送防止の機能が低下
し、ニップ圧が強すぎると、音鳴りを生じたり紙粉が発
生したりすると共に、分離したシートに対する搬送力が
弱くなる上、当該シートを重送防止部から引き抜くよう
に搬送する上で、分離部下流側のレジストローラなどの
搬送手段を強化する必要がある。

このため従来では、特殊な治具を用いてニップ圧を設
定しているが、ニップ圧設定のための構造が複雑である
上、その設定操作に困難を伴い勝ちであった。

本発明は、合理的な改良によって上記の不都合を一挙
に解消することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本発明は、摩擦分離方式
の画像形成装置の重送防止給紙装置にあって、重送防止
ローラが給紙ローラに対して当接離間自在となるように
保持部材に支持され、その重送防止ローラを前記給紙ロ
ーラに対して付勢するための付勢手段を前記保持部材に
設けると共に、相互に当接して前記給紙ローラに対する
重送防止ローラのニップ圧を調整するための搬送ローラ
対の一方を前記給紙ローラの支軸に支持させ、他方を前
記保持部材に支持させてなることを特徴としている。

〔作用〕

付勢手段の付勢力により重送防止ローラ給紙ローラに
付勢圧つまりニップ圧が作用するが、その付勢手段の付
勢力は搬送ローラ同士の当接圧によって減殺されて重送
防止用ローラに作用する。従って、付勢手段の付勢力を
大きく設定して適切なニップ圧を安定に得ることが可能
となり、その結果、効果的に重送の防止を図れ、かつ充
分な給紙搬送力を安定に得ることができる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第２図は画像形成装置の一例の静電写真複写機の概略
を示し、上部に原稿の自動給紙装置１を備えた複写機本
体２に感光体３を横架すると共に、該感光体３のまわり
に、帯電装置４、現像装置５、転写装置６、シート分離
装置７、クリーニング装置８を、その順に感光体３の回
転方向に配置し、かつ、前記複写機本体２の上部空間に
露光装置９を設けると共に、複写機本体２の下部空間に
給紙カセット10の装填部11を配設し、更に、重送防止の
機能を有する重送防止給紙装置12から前記転写装置６に
わたって給紙搬送装置13を設けると共に、該給紙搬送装
置13の経路途中に手差し給紙部14を設ける一方、転写・
分離後のシートを定着装置15に搬送する排紙搬送装置16
と、定着後のシートを繰り出す排紙ローラ対17、及び、
該繰り出されたシートを巻き取りながら受ける排紙トレ
イ18を設けている。

前記重送防止給紙装置12は、シートの重送を防止する
ための重送防止手段19と搬送手段20とから成り、かつ前
記重送防止手段19は、例えばゴム製の上部側給紙ローラ
21と、当該給紙ローラ21に対して当接離間自在な例えば
ゴム製の重送防止用ローラ22,22から成るものであっ
て、詳しくは、第１図および第３図に示すように、前記
複写機本体２の前後側板23,23にわたるローラ支持部材2
4に一対のブラケット25,25を連設すると共に、該ブラケ
ット25,25に給紙ローラ軸26を架設して、この給紙ロー
ラ軸26に前記上部側の給紙ローラ21を設ける一方、前記
給紙ローラ軸26に一対のアーム27,27を枢着し、かつ、
該アーム27,27の遊端側に前送りローラ28を備えた連動
軸29を架設すると共に、この連動軸29と前記給紙ローラ
軸26をベルト式の連動機構30で連動連結してある。

そして、給紙カセット10の乗載板31に連なる傾斜ガイ
ド板32に、前記重送防止用ローラ22,22を上方に突出さ
せる開口33を形成すると共に、該開口33両側の傾斜ガイ
ド板32下面側に一対のブラケット34,34を設けかつ、前
記重送防止用ローラ22,22を固着した支軸35を回動自在
に保持部材36に取り付けると共に、該保持部材36を前記
ブラケット34,34に揺動自在に枢着して、前記重送防止
用ローラ22,22を前記給紙ローラ21に対して当接離間自
在と成し、更に、前記重送防止用ローラ22,22を前記給
紙ローラ21に付勢当接させるための付勢手段37を前記保
持部材36と前記給紙カセット10との間に設けてある。

尚、前記支軸35の軸端部に一方向伝達手段38を介して
被動回動部材39を設けると共に、当該被動回動部材39を
給紙方向に回動付勢させる付勢手段40を、該被動回動部
材39と前記保持部材36との間に設け、かつ、前記カセッ
ト装填部11に対する給紙カセット10の挿入完了直前に、
前記被動回動部材39を反給紙方向に回動させる部材41を
当該被動回動部材39に連設してあって、前記給紙カセッ
ト10をカセット装填部11に挿入するたびに、前記支軸35
ひいては重送防止用ローラ22,22を反給紙方向に所定角
度だけ回動させて、該重送防止用ローラ22,22の重送防
止作用部を位置変更させるようにしてある。図中の42は
ストッパーで、前記被動回動部材39の給紙方向への回動
を規制する機能を有する。43は前記被動回動部材39に摩
擦抵抗を付与する部材であって、前記被動回動部材39と
支軸35とが共回りすることを阻止する機能を有する。

ここで、前記給紙ローラ21の摩擦係数が重送防止用ロ
ーラ22,22の摩擦係数よりも大きく、かつ、前記重送防
止用ローラ22,22の摩擦係数はシートどうしの摩擦係数
よりも大きく設定されており、而して、前記前送りロー
ラ28によってシートが二枚重ねの状態で前記給紙ローラ
21と重送防止用ローラ22,22との間に送りこまれた際
に、前記重送防止用ローラ22,22側のシート先端が当該
重送防止用ローラ22,22に当接して給紙が阻止されるこ
とに加えて上記摩擦係数の差を基にして、前記給紙ロー
ラ21側のシートが給紙されるようになっている。

次に、前記搬送手段20の具体構造について説明する。

この搬送手段20は、互いに当接する２個一対の搬送ロ
ーラ44,45を、前記重送防止手段19の両側で且つ重送防
止部の下流側に配設して成り、詳しくは、一方の搬送ロ
ーラ44を前記給紙ローラ21とほゞ同径にして当該一方の
搬送ローラ44を前記給紙ローラ軸26に設けると共に、前
記重送防止用ローラ22,22を備えた保持部材36に軸46,46
を介して他方の搬送ローラ45を設けて成る。

このような構成により、付勢手段37の付勢力によって
重送防止ローラ22,22から給紙ローラ21に対してニップ
圧が作用するが、その付勢手段37の付勢力は搬送ローラ
44,45同士の当接圧によって減殺されて重送防止ローラ2
2,22に作用することとなる。

従って、前記付勢手段37の付勢力を必要十分に強く設
定することができ、前記重送防止用ローラ22,22と給紙
ローラ21との間にシートが送り込まれた際に、当該シー
トによって前記移動自在な重送防止用ローラ22,22をニ
ップ圧が失われる方向に移動しにくいようにすることが
でき、而して、ニップ圧を安定に維持させ得ることか
ら、前記シートの重送防止を所定通りに遂行させること
ができる。

一方、当該両搬送ローラ44,45による搬送機能が重送
防止部に存することで重送防止給紙装置12の搬送力がア
ップし、而して、前記重送防止下におけるシートの給紙
を、ジャム発生防止の下で効果的に達成させることがで
きる。

尚、上記の実施例では、給紙ローラ21と一方の搬送ロ
ーラ44を別体構造としているが、当該両者21,44を一体
構造として実施可能であり、あるいは、前記給紙ローラ
21を軸線方向に延長すると共に、該延長ローラ部分に前
記他方の搬送ローラ45を当接させるようにし、もって、
当該端部のローラ部分によって前記一方の搬送ローラ44
を兼用構成するも良い。

また、前記重送防止用ローラ22,22を重送防止部材の
一例としているが、これに代えてブロック状の摩擦部材
を固定的に設ける構成とするも良い。

更に、前記搬送手段20における他方の搬送ローラ45を
支軸35に遊嵌させる構成にして、シートの重送防止と搬
送を同時的に行わせるも良く、あるいは、シートの重送
防止に先行してシートに搬送作用するように、前記両搬
送ローラ44,45を重送防止部の上流側に設ける構成とす
るも良い。

更には、長径方向の軸線を前記給紙ローラ21の径方向
にほゞ沿わせる状態で前記ブラケット34,34に長孔を形
成すると共に、該長孔に沿わせて摺動自在に支軸35を設
け、この支軸35を保持部材36として当該支軸（保持部
材）35に前記重送防止用ローラ22,22を設ける実施構成
とするも良い。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明の重送防止給紙装置によれ
ば、互いに当接する搬送ローラの一方を給紙ローラ軸に
設けると共に、該搬送ローラの他方を重送防止ローラと
一体に移動自在に設けて、付勢手段による前記給紙ロー
ラに対する重送防止ローラのニップ圧を調整させるよう
に構成したので、付勢手段の付勢力を大きく設定して適
切なニップ圧を設定することができる。

これにより、前記重送防止ローラと給紙ローラとの間
にシートが送り込まれた際に、当該シートによって前記
重送防止ローラがニップ圧が失われる方向に移動するの
を抑制することができ、そのニップ圧を所定通りに維持
させ得ることから、効果的に重送を防止して充分な給紙
搬送力を安定に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は重送防止給紙装置の側面図、第２図は画像形成
装置の一例を示す静電写真複写機の概略縦断側面図、第
３図は重送防止給紙装置の部分斜視図、第４図は一部を
展開した重送防止給紙装置の詳細図である。 19……重送防止手段、21……給紙ローラ、22……重送防
止用ローラ（重送防止ローラ）、26……給紙ローラ軸、
36……保持部材、37……付勢手段、44,45……搬送ロー
ラ。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−130145（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−254441（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−57447（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−282032（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−140355（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭50−107131（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送するシート同士間の摩擦抵抗よりも大
   きい摩擦抵抗をシートと給紙ローラ及び重送防止ローラ
   との間に発生させて重送を防止しつつ給紙できるように
   した摩擦分離方式の画像形成装置の重送防止給紙装置で
   あって、前記重送防止ローラが前記給紙ローラに対して
   当接離間自在となるように保持部材に支持され、前記重
   送防止ローラを前記給紙ローラに対して付勢するための
   付勢手段を前記保持部材に設けると共に、相互に当接し
   て前記給紙ローラに対する前記重送防止ローラのニップ
   圧を調整するための搬送ローラ対の一方を前記給紙ロー
   ラの支軸に支持させ、その他方を前記保持部材に支持さ
   せてなることを特徴とする画像形成装置の重送防止給紙
   装置。