JP2018190242A - 媒体処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】信頼性を向上する。
【解決手段】小切手処理装置1は、幅寄せローラ搬送方向が搬送方向に対して傾斜して配置され、幅寄せ駆動ローラ軸方向における中央に中央部60が、該中央部60よりも基準面側において中央部60よりも外径が大きい基準面側ゴムリング64Rが、該中央部60よりも反基準面側において中央部60よりも外径が大きい反基準面側ゴムリング64Lが形成された幅寄せ駆動ローラ50と、幅寄せ駆動ローラ50と対向する位置に設けられ、幅寄せローラ搬送方向が搬送方向に対して傾斜して配置され、幅寄せ駆動ローラ50のゴムリング64の間に少なくとも一部が入り込む入り込み部66が形成され、入り込み部66と幅寄せ駆動ローラ50の中央部60とで小切手CKに接触して挟み込み基準面ガイド32に小切手CKを近付けるよう搬送する幅寄せプレスローラ52とを設ける。
【選択図】図9

Description

本発明は媒体処理装置に関し、例えば小切手や有価証券の入金機に適用して好適なものである。
従来、媒体処理装置においては、非整列に挿入される媒体を基準面側に寄せる幅寄せ搬送路において、搬送方向に搬送させながら基準面側に寄せるローラを配置しているものがあった(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第8113511号明細書
しかしながら、一般的な円筒形状のローラでは媒体の挟み力と搬送力が強く、薄くて柔らかい媒体が搬送方向に対して傾いた状態(スキュー状態)で挿入された場合に、媒体が基準面に突き当たっても基準面に沿って傾きを補正することができず、特に媒体の搬送方向先端角部が基準面に突き当たった場合には、その部分が座屈してしまう可能性があった。また、座屈を防ぐためにローラの挟みカを小さくすると、搬送力が弱くなり、厚くて硬い媒体にくせがあった場合、搬送負荷に搬送力が負けて、搬送不足になる可能性があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、信頼性を向上し得る媒体処理装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の媒体処理装置においては、紙葉状の媒体における紙面と対向する案内面により搬送方向に沿って媒体の搬送路を形成し、搬送路に沿って媒体を案内する搬送ガイドと、搬送方向と直交する搬送幅方向の一方に設けられ、媒体における搬送幅方向の搬送範囲を制限する基準面ガイドと、回転軸に沿う軸方向と直交する方向が搬送方向に対して傾斜して配置され、軸方向における中央に中央部が、該中央部よりも軸方向の一方向側において中央部よりも外径が大きい第1の突出部が、該中央部よりも軸方向の他方向側において中央部よりも外径が大きい第2の突出部が形成された第1のローラと、第1のローラと対向する位置に設けられ、軸方向と直交する方向が搬送方向に対して傾斜して配置され、第1のローラの突出部の間に少なくとも一部が入り込む入り込み部が形成され、入り込み部と第1のローラの中央部とで媒体に接触して挟み込み基準面ガイドに媒体を近付けるよう搬送する第2のローラとを設けるようにした。
本発明は、媒体が基準面ガイドに当接した際に該媒体を回転させてスキューを補正できると共に、屈曲状態から通常状態へ戻ろうとする復元力により媒体から第1の突出部及び第2の突出部に加わる力に応じた搬送力で第1のローラが媒体を搬送することにより、媒体の剛性に応じて搬送力を変化させることができる。
本発明によれば、媒体が基準面ガイドに当接した際に該媒体を回転させてスキューを補正できると共に、屈曲状態から通常状態へ戻ろうとする復元力により媒体から第1の突出部及び第2の突出部に加わる力に応じた搬送力で第1のローラが媒体を搬送することにより、媒体の剛性に応じて搬送力を変化させることができる。かくして本発明は、信頼性を向上し得る媒体処理装置を実現できる。
小切手処理装置の構成を示す左側面図である。 第1の実施の形態によるアライナ部の構成(1)を示す斜視図である。 第1の実施の形態によるアライナ部の構成(2)を示す平面図である。 搬送ローラクランプ状態におけるアライナ部の構成を示す左側面図である。 幅寄せローラクランプ状態におけるアライナ部の構成を示す左側面図である。 第1の実施の形態による幅寄せローラ対の構成(1)を示す斜視図である。 第1の実施の形態による幅寄せローラ対の構成(2)を示す正面図である。 第1の実施の形態による噛合部の構成を示す正面図である。 第1の実施の形態による小切手クランプ時の噛合部の構成を示す正面図である。 第1の実施の形態による幅寄せ動作(1)を示す平面図である。 第1の実施の形態による幅寄せ動作(2)を示す平面図である。 第1の実施の形態による幅寄せ動作(3)を示す平面図である。 第1の実施の形態による幅寄せ動作(4)を示す平面図である。 第2の実施の形態による幅寄せローラの構成(1)を示す斜視図である。 第2の実施の形態による幅寄せローラの構成(2)を示す正面図である。 第2の実施の形態による噛合部の構成を示す正面図である。 第2の実施の形態による小切手クランプ時の噛合部の構成を示す正面図である。 第2の実施の形態による幅寄せ動作(1)を示す平面図である。 第2の実施の形態による幅寄せ動作(2)を示す平面図である。 第2の実施の形態による幅寄せ動作(3)を示す平面図である。 第3の実施の形態によるアライナ部の構成を示す平面図である。 第3の実施の形態による幅寄せローラの構成(1)を示す斜視図である。 第3の実施の形態による幅寄せローラの構成(2)を示す正面図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.小切手処理装置の構成]
図1に示すように小切手処理装置1は、例えば金融機関等に設置され、利用者(すなわち金融機関の顧客)との間で入金処理等の小切手に関する取引を行う小切手受付装置の受付機筐体(図示せず)内に配され、小切手に関する種々の処理を行う。この小切手処理装置1は、全体として直方体状に形成された筐体2の内部に、小切手に関する種々の処理を行う複数の処理ユニットが組み込まれている。以下では、小切手処理装置1のうち顧客が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した顧客から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
筐体2内には、小切手処理装置1を制御する制御部3と、利用者との間で小切手を授受するバンドル部11と、小切手を各部へ搬送する搬送路Wと、小切手を所定の基準面へ幅寄せするアライナ部13と、小切手の画像及び磁気情報を読み取ると共に取引情報の印字を行うスキャナ部15と、小切手を一時的に収納するエスクロ部17と、利用者がバンドル部11から取り忘れた小切手を回収して格納するリトラクト部18と、利用済みの小切手を収納する2個のスタッカ部22(22A及び22B)とが設けられている。また筐体2内には、バンドル部11、アライナ部13、スキャナ部15、エスクロ部17、リトラクト部18及びスタッカ部22を支える図示しないフレームが設けられている。
この小切手処理装置1は、制御部3により全体を統括的に制御する。この制御部3は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引に関する種々の処理を行う。また制御部3は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に各種プログラムや入金取引に関する種々の情報を記憶させている。また制御部3は、筐体2内部に設けられた各センサの監視や、各アクチュエータの駆動や、各種判断等を行うと共に、小切手受付装置全体を制御する主制御部との通信を行う。因みに小切手受付装置には、制御部3の制御に基づき利用者に向けて種々の情報を表示する表示部(図示せず)や、該利用者の操作指示を受け付けて該制御部3に通知する操作部(図示せず)等も設けられている。
搬送路Wは、第1搬送路W1、第2搬送路W2、第3搬送路W3、第4搬送路W4、第5搬送路W5、第6搬送路W6及び第7搬送路W7により構成されており、図中に実線で示すように筐体2内の各部を接続し、回転するローラや小切手を案内するガイド等が適宜配置されており、小切手の長手方向を進行方向に沿わせて搬送する。
筐体2の上部における前側約半分の部分には、バンドル部11が配置されている。バンドル部11の前端には、開閉可能なシャッタ11Sが設けられている。制御部3は、上述した操作部(図示せず)を介して利用者から入金取引の開始を指示する操作を受け付けると、バンドル部11に対しシャッタ11Sを開放させるよう制御する。
これに応じてバンドル部11は、利用者に対し束状に集積された小切手CK(以下これを小切手束CKBとも呼ぶ)を内部に挿入させ、その後シャッタ11Sを閉塞することにより、内部に保有する小切手CKを保護する。因みに小切手CKは、長方形の紙により構成され、その表面に金額等の情報が表示されている。また小切手束CKBは、各小切手CKの長辺を前後方向に沿った搬送方向に沿わせ、短辺を搬送方向に直交する左右方向である搬送幅方向に沿わせると共に、金額等が記載された表面を上に向けた姿勢でバンドル部11に挿入される。
バンドル部11は、内部に設けられた束搬送機構により前後方向に沿った束搬送路WBを形成しており、小切手束CKBをこの束搬送路WBに沿って後方向へ搬送し、該バンドル部11の後端近傍に設けられた分離部12の前側に到達させる。分離部12は、小切手束CKBの上面側から小切手CKを1枚ずつに分離し、後方のアライナ部13に順次引き渡していく。
アライナ部13は、主に前後方向に沿う搬送経路である第1搬送路W1を内部に構成しており、分離部12から受け取った小切手CKをこの第1搬送路W1に沿って後方へ順次搬送する。このときアライナ部13は、該小切手CKを第1搬送路W1における幅方向の一方、例えば右側に寄せていき、後方及び下方に配置されたスキャナ部15の第2搬送路W2に引き渡す。
スキャナ部15は、アライナ部13の後方且つ下方に位置しており、上下方向に沿った第2搬送路W2と、前後方向に沿った第3搬送路W3と、上下方向に沿った第4搬送路W4と、第1切替部14とが内部に形成されている。
第1切替部14は、制御部3の制御に基づいて小切手CKの搬送経路を切り替えることにより、第2搬送路W2及び第3搬送路W3、第2搬送路W2及び第4搬送路W4、又は第3搬送路W3及び第4搬送路W4を接続する。すなわち第1切替部14は、アライナ部13から小切手CKが引き渡されると、第2搬送路W2及び第3搬送路W3を接続し、この小切手CKを前方に引き渡す。スキャナ部15は、第1切替部14から第3搬送路W3に沿って小切手CKを前方へ搬送しながら、該小切手CKからMICR(Magnetic ink character recognition)文字を読み取り、また該小切手CKの両面をそれぞれ撮像して画像データを生成した上で、前下側に位置するエスクロ部17に引き渡す。
エスクロ部17は、バンドル部11のほぼ真下に配置されており、その内部に回転するドラムや該ドラムの周側面に巻き付けるテープ、及び小切手CKを搬送するための搬送部等を有している。このエスクロ部17は、スキャナ部15から受け取った小切手CKをドラムの周側面近傍へ搬送し、テープと共にドラムの周側面に順次巻き付けることにより、該小切手CKを一時的に保留していく。説明の都合上、ここまでの一連の処理を入金読取処理と呼ぶ。
制御部3は、バンドル部11に挿入された全ての小切手CKをスキャナ部15により読み取り終えると、読み取った内容を表す画像や文字等を表示部(図示せず)に表示すると共に、利用者に入金取引を継続するか否かを問い合わせる。
ここで利用者から入金取引の中止が指示されると、制御部3は、エスクロ部17に保留している全ての小切手CKを利用者に返却させる返却処理を開始する。すなわちエスクロ部17は、保留していた小切手CKをドラムを逆回転させることにより1枚ずつ繰り出し、スキャナ部15に引き渡していく。スキャナ部15及びアライナ部13は、第3搬送路W3、第2搬送路W2及び第1搬送路W1に沿って小切手CKを入金読取処理と反対方向へ搬送することにより、該小切手CKを分離部12に順次引き渡す。
分離部12は、引き渡された小切手CKを前方へ放出することにより、バンドル部11内に小切手CKを集積していく。バンドル部11は、分離部12により小切手CKが放出されて小切手束CKBが形成されると、シャッタ11Sを開放すると共に集積された小切手束CKBを束搬送路WBに沿って前方へ搬送し、その前側部分を外部に露出させた状態で挟持する。
ここでバンドル部11は、組み込まれたセンサにより小切手束CKBが取り出されたか否か監視している。制御部3は、バンドル部11のセンサにより小切手束CKBが取り出されたことを検出した場合、該小切手束CKBが利用者に返却されたものと判断し、シャッタ11Sを閉塞して返却処理を終了する。
一方、バンドル部11において所定時間内に小切手束CKBが取り出されなかった場合、制御部3は、利用者が小切手束CKBを取り忘れたまま立ち去ったと判断し、この小切手束CKBを取り込む取忘取込処理を開始する。具体的に制御部3は、入金読取処理の場合と同様、バンドル部11により小切手束CKBを後方へ搬送し、分離部12により再び1枚ずつの小切手CKに分離し、アライナ部13及びスキャナ部15により第1搬送路W1及び第2搬送路W2に沿って第1切替部14まで搬送させる。
このとき第1切替部14は、制御部3の制御により第2搬送路W2及び第4搬送路W4を繋ぐように内部の搬送経路を切り替えており、第2搬送路W2から受け取った小切手CKを下方の第4搬送路W4に引き渡す。第4搬送路W4は、上下方向に沿って形成されており、第1切替部14から受け取った小切手CKを下方へ搬送し、下側の第2切替部16に引き渡す。
第2切替部16は、制御部3の制御に基づいて内部の搬送経路を切り替えることにより、第4搬送路W4及びリトラクト部18、又は第4搬送路W4及び第5搬送路W5を繋ぐ。例えば第2切替部16は、第4搬送路W4及び第5搬送路W5を接続するように内部の搬送経路を切り替えていた場合、第4搬送路W4から受け取った小切手CKを後搬送部19に引き渡す。
このとき第2切替部16は、制御部3の制御により第4搬送路W4及びリトラクト部18を繋ぐように内部の搬送経路を切り替えており、スキャナ部15から受け取った小切手CKを前下方のリトラクト部18に引き渡す。リトラクト部18は、スキャナ部15のほぼ真下に配置されており、内部に小切手CKを収納する収納空間を形成すると共に、小切手CKをこの収納空間へ放出する放出機構を有している。このリトラクト部18は、第2切替部16から受け取った小切手CKを放出機構により放出空間内へ順次放出し、該小切手CKを該放出空間内に集積させた状態で収納する。これにより制御部3は、取忘取込処理を終了する。
一方制御部3は、入金読取処理によってエスクロ部17に全ての小切手CKを保留した状態で、利用者から入金取引の継続が指示されると、保留している小切手CKを収納する収納処理を開始する。具体的にエスクロ部17は、ドラムを逆回転させることにより保留していた小切手CKを1枚ずつ繰り出し、スキャナ部15に引き渡していく。
スキャナ部15は、エスクロ部17から順次受け取った小切手CKを第3搬送路W3に沿って後方へ搬送しながら、内蔵するプリンタやスタンプ押印部により該小切手CKに対し取引結果等を表す情報を印字すると共にその画像を撮像して印字状態を認識した上で、該小切手CKを第1切替部14に引き渡す。
このとき第1切替部14は、制御部3の制御により第3搬送路W3及び第4搬送路W4を繋ぐように内部の搬送経路を切り替えており、第3搬送路W3から受け取った小切手CKを第4搬送路W4に引き渡す。第4搬送路W4は、第1切替部14から受け取った小切手CKを下方へ搬送し、下側の第2切替部16に引き渡す。
このとき第2切替部16は、制御部3の制御により第4搬送路W4及び第5搬送路W5を繋ぐように内部の搬送経路を切り替えており、スキャナ部15から受け取った小切手CKを後搬送部19に引き渡す。
後搬送部19は、第4搬送路W4と第6搬送路W6とを結ぶように第5搬送路W5を形成しており、第2切替部16から受け取った小切手CKを前下方へ搬送し、その前下方に設けられた第1スタッカ部22Aに引き渡す。第1スタッカ部22Aは、筐体2に対し着脱可能であり内部に多数の小切手CKを集積した状態で収納可能なスタッカや、該スタッカ内へ小切手CKを放出する放出機構等を有している。また第1スタッカ部22Aは、前後方向に沿った第6搬送路W6が内部に形成されている。この第1スタッカ部22Aは、後搬送部19から小切手CKを受け取ると、該小切手CKを放出機構により放出し、スタッカ内に集積した状態で収納する。
また第1スタッカ部22Aは、制御部3の制御に基づき、第2スタッカ部22Bに小切手CKを収納する場合、後搬送部19から受け取った小切手CKを、第6搬送路W6を搬送させて前側の第2スタッカ部22Bに引き渡す。第2スタッカ部22Bは、第1スタッカ部22Aと同様に構成されており、前後方向に沿った第7搬送路W7が内部に形成されている。第2スタッカ部22Bは、第1スタッカ部22Aから小切手CKを受け取ると、該小切手CKを放出機構により放出し、スタッカ内に集積して収納する。
かくして制御部3は、エスクロ部17に保留していた全ての小切手CKを第1スタッカ部22A又は第2スタッカ部22Bのスタッカ内に収納させると、収納処理を終了する。これにより制御部3は、利用者との間における小切手CKの入金取引を完了する。
[1−2.アライナ部の構成]
図2、図3及び図4に示すようにアライナ部13には、小切手CKの厚み方向への移動を規制する、第1搬送路W1の上側に配置された上側搬送ガイド30Uと、第1搬送路W1の下側に配置された下側搬送ガイド30Dと、小切手CKの搬送幅方向の片側の側面の位置を規制する基準面ガイド32とが配置されている。以下では上側搬送ガイド30U及び下側搬送ガイド30Dをまとめて搬送ガイド30とも呼ぶ。搬送ガイド30には、該搬送ガイド30に取り付けられたローラ類を第1搬送路W1上に突出させる孔部が穿設されている。また以下では、アライナ部13における基準面ガイド32に近接する側(すなわち右側)を基準面側とも呼び、基準面ガイド32から離隔する側(すなわち左側)を反基準面側とも呼ぶ。なお図2においては上側搬送ガイド30U及び下側搬送ガイド30Dを図示せず省略し、図3においては上側搬送ガイド30Uを図示せず省略している。
搬送第1ローラ34は、アライナ部13における搬送方向の最上流側において第1搬送路W1の上側に設けられている。この搬送第1ローラ34は、左右方向に沿うドライブシャフト36を軸に回転可能に上側搬送ガイド30Uに取り付けられている。ドライブシャフト36は、図示しない機構により、分離部12のフィードローラ26と駆動力が連結されている。搬送第1ローラ34は、外周面の一部を上側搬送ガイド30Uに形成された孔部から第1搬送路W1に突出させている。
プレスローラ38は、搬送第1ローラ34と対向するよう第1搬送路W1の下側に設けられている。このプレスローラ38は、左右方向を軸に回転可能で且つ上下方向に移動可能に下側搬送ガイド30Dに取り付けられている。プレスローラ38は、外周面の一部を下側搬送ガイド30Dに形成された孔部から第1搬送路W1に突出させている。またプレスローラ38は、図示しない圧縮ばねである付勢部材により上方向に付勢され、搬送第1ローラ34に押し付けられている。
搬送ローラ組40Aは、搬送駆動ローラ42Aと搬送プレスローラ44Aとにより構成されている。搬送駆動ローラ42Aは、基準面側である右側に位置する搬送駆動ローラ42ARと、反基準面側である左側に位置する搬送駆動ローラ42ALとにより構成されている。搬送プレスローラ44Aは、基準面側である右側に位置する搬送プレスローラ44ARと、反基準面側である左側に位置する搬送プレスローラ44ALとにより構成されている。以下では搬送駆動ローラ42AL及び42ARをまとめて搬送駆動ローラ42Aとも呼び、搬送プレスローラ44AL及び44ARをまとめて搬送プレスローラ44Aとも呼ぶ。また以下では搬送駆動ローラ42AL及び搬送プレスローラ44ALをまとめて搬送ローラ対41ALとも呼び、搬送駆動ローラ42AR及び搬送プレスローラ44ARをまとめて搬送ローラ対41ARとも呼ぶ。
搬送ローラ対41AL及び41ARは、小切手処理装置1において取り扱われる小切手CKのうち搬送幅方向の長さが最小の小切手である最小搬送幅小切手の搬送幅方向に沿った幅よりも狭い範囲において、該最小搬送幅小切手がアライナ部13において反基準面側に寄って挿入された場合でも、少なくとも1対は掛かるような搬送幅方向の位置に配置されている。
搬送駆動ローラ42A(搬送駆動ローラ42AL及び42AR)は、搬送第1ローラ34よりも搬送方向下流側において第1搬送路W1の下側に設けられている。この搬送駆動ローラ42Aは、左右方向を軸に回転可能に下側搬送ガイド30Dに取り付けられている。搬送駆動ローラ42Aは、外周面の一部を下側搬送ガイド30Dに形成された孔部から第1搬送路W1に突出させている。
搬送プレスローラ44A(搬送プレスローラ44AL及び44AR)は、搬送駆動ローラ42Aと対向するよう第1搬送路W1の上側に設けられている。この搬送プレスローラ44Aは、左右方向を軸に回転可能で且つ上下方向に移動可能に上側搬送ガイド30Uに取り付けられている。搬送プレスローラ44Aは、外周面の一部を上側搬送ガイド30Uに形成された孔部から第1搬送路W1に突出させている。また搬送プレスローラ44Aは、図示しない圧縮ばねである付勢部材により下方向に付勢され、搬送駆動ローラ42Aに押し付けられている。
搬送駆動ローラ42AR及び搬送プレスローラ44ARの反基準面側には、図3に示すようにテーパーガイドローラ46が配置されている。テーパーガイドローラ46は、円錐台形状であり、搬送幅方向に沿って反基準面側から基準面側に向かうに連れて回転軸に対し周側面が半径方向の外側に向かって広がるよう傾斜する傾斜面が形成されている。このため搬送駆動ローラ42AR及び搬送プレスローラ44ARの反基準面側端部のエッジ部には、テーパー形状が形成されている。これによりアライナ部13は、小切手CKを基準面ガイド32側に寄せる際に、搬送ローラ組40Aに該小切手CKが引っ掛からないようにできる。
搬送ローラ組40Bは、搬送ローラ組40Aよりも、小切手処理装置1において取り扱われる小切手CKのうち搬送方向の長さが最小の小切手である最小搬送長さ小切手の長辺の長さである最小長辺長さよりも搬送方向に沿って短い間隔を空けて搬送方向下流側に配置されている。この搬送ローラ組40Bは、搬送ローラ組40Aと同様に構成されており、搬送駆動ローラ42B(搬送駆動ローラ42BL及び搬送駆動ローラ42BR)と、搬送プレスローラ44B(搬送プレスローラ44BL及び搬送プレスローラ44BR)とにより構成されている。以下では搬送駆動ローラ42BL及び搬送プレスローラ44BLをまとめて搬送ローラ対41BLとも呼び、搬送駆動ローラ42BR及び搬送プレスローラ44BRをまとめて搬送ローラ対41BRとも呼ぶ。また以下では搬送ローラ組40A及び40Bをまとめて搬送ローラ組40とも呼ぶ。さらに以下では搬送駆動ローラ42A及び42Bをまとめて搬送駆動ローラ42とも呼び、搬送プレスローラ44A及び44Bをまとめて搬送プレスローラ44とも呼ぶ。
搬送ローラ組40は、図4に示すように搬送プレスローラ44を搬送駆動ローラ42に押し付けることにより搬送プレスローラ44と搬送駆動ローラ42との間で小切手CKを挟み込む搬送ローラクランプ状態と、図5に示すように図示しないアクチュエータにより搬送プレスローラ44を搬送駆動ローラ42から離隔する上方向へ移動させることにより搬送プレスローラ44と搬送駆動ローラ42との間に間隔を空ける搬送ローラ退避状態とに遷移する。
幅寄せローラ対48は、搬送方向に沿って1対ずつ、幅寄せローラ対48Aと幅寄せローラ対48Bとの2対が配置されており、幅寄せローラ対48の回転中心である中心軸の軸方向である幅寄せローラ軸方向と直交する方向である幅寄せローラ搬送方向が、搬送方向下流側に向かうに連れて搬送方向に対して所定角度で基準面ガイド32に向かうように傾いている。以下では幅寄せローラ対48A及び48Bをまとめて幅寄せローラ対48とも呼ぶ。
幅寄せローラ対48Aは、第1搬送路W1における搬送路幅の中央に配置されている。幅寄せローラ対48Aと幅寄せローラ対48Bとは、最小長辺長さよりも搬送方向に沿って短い間隔を空けて配置されている。
幅寄せローラ対48Aは、幅寄せ駆動ローラ50Aと幅寄せプレスローラ52Aとにより構成されている。幅寄せ駆動ローラ50Aは、搬送第1ローラ34と搬送ローラ組40Aとの間において第1搬送路W1の下側に設けられている。この幅寄せ駆動ローラ50Aは、回転軸に沿う幅寄せ駆動ローラ軸方向を軸に回転可能に下側搬送ガイド30Dに取り付けられており、駆動力を伝達され回転する。幅寄せ駆動ローラ50Aは、外周面の一部を下側搬送ガイド30Dに形成された孔部から第1搬送路W1に突出させている。
幅寄せプレスローラ52Aは、幅寄せ駆動ローラ50Aと対向するよう第1搬送路W1の上側に設けられている。この幅寄せプレスローラ52Aは、回転軸に沿い幅寄せ駆動ローラ軸方向と平行な幅寄せプレスローラ軸方向を軸に回転可能で且つ上下方向に移動可能に上側搬送ガイド30Uに取り付けられており、幅寄せ駆動ローラ50Aに連れて回転する。幅寄せプレスローラ52Aは、外周面の一部を上側搬送ガイド30Uに形成された孔部から第1搬送路W1に突出させている。また幅寄せプレスローラ52Aは、図示しない圧縮ばねである付勢部材により下方向に付勢され、幅寄せ駆動ローラ50Aに押し付けられている。
幅寄せローラ対48Bは、搬送ローラ組40Aと搬送ローラ組40Bとの間において、基準面ガイド32と幅寄せローラ対48Aとの間の搬送幅方向の位置に配置されている。この幅寄せローラ対48Bは、幅寄せローラ対48Aと同様に構成されている。以下では幅寄せ駆動ローラ50A及び50Bをまとめて幅寄せ駆動ローラ50とも呼び、幅寄せプレスローラ52A及び52Bをまとめて幅寄せプレスローラ52とも呼ぶ。
幅寄せローラ対48は、図5に示すように幅寄せプレスローラ52を幅寄せ駆動ローラ50に押し付けることにより幅寄せプレスローラ52と幅寄せ駆動ローラ50との間で小切手CKを挟み込む幅寄せローラクランプ状態と、図4に示すように図示しないアクチュエータにより幅寄せプレスローラ52を幅寄せ駆動ローラ50から離隔する上方向へ移動させることにより幅寄せプレスローラ52と幅寄せ駆動ローラ50との間に間隔を空ける幅寄せローラ退避状態とに遷移する。図4に示すように搬送ローラ組40が搬送ローラクランプ状態の場合は幅寄せローラ対48は幅寄せローラ退避状態となり、一方、図5に示すように搬送ローラ組40が搬送ローラ退避状態の場合は幅寄せローラ対48は幅寄せローラクランプ状態となる。
第1センサ54は、搬送第1ローラ34よりも搬送方向下流側の直後において、第1搬送路W1における搬送幅方向の中央に配置されており、第1搬送路W1を挟んで上下に対向して構成され、小切手CKを検出する。第1センサ54が小切手CKの搬送方向後端を検出すると、制御部3は、該小切手CKがアライナ部13内に入り切ったと判断することにより、幅寄せ搬送を開始するトリガーとして第1センサ54を用いる。
幅寄せ完了検知センサ56A、56B及び56Cは、基準面ガイド32において搬送方向上流側から搬送方向下流側にかけて搬送方向に沿って3つ配置されており、第1搬送路W1を挟んで上下に対向して構成され、小切手CKを検出する。幅寄せ完了検知センサ56A、56B及び56Cの3つのうち2つ以上が同時に小切手CKを検出すると、制御部3は、該小切手CKの基準面ガイド32への幅寄せが完了したと判断する。以下では幅寄せ完了検知センサ56A、56B及び56Cをまとめて幅寄せ完了検知センサ56とも呼ぶ。
監視センサ58は、幅寄せローラ対48Aと搬送ローラ組40Aとの間において、第1搬送路W1における搬送幅方向の中央に配置されており、第1搬送路W1を挟んで上下に対向して構成され、小切手CKを検出する。監視センサ58が小切手CKを検出すると、制御部3は、該小切手CKがアライナ部13に残留していると判断する。
[1−3.幅寄せローラ対の構成]
図6及び図7に示すように、幅寄せローラ対48Aの幅寄せ駆動ローラ50Aは、中央部60、基準面側外側部62R及び反基準面側外側部62Lを有している。以下では基準面側外側部62R及び反基準面側外側部62Lをまとめて外側部62とも呼ぶ。中央部60は、樹脂により形成されており、外周面が幅寄せローラ軸方向に沿って平面形状である略円筒形状に形成されている。この中央部60は、外周面が外側部62よりも低い摩擦係数の素材の低摩擦部材で形成されている低摩擦部である。また中央部60は、図8に示すように外径が外径φD1となっている。
基準面側外側部62Rは、中央部60よりも基準面側における幅寄せローラ軸方向の外側において中央部60とほぼ同等の幅寄せローラ軸方向の長さの略円筒形状に形成されており、中央部60と一体成形されている。反基準面側外側部62Lは、中央部60よりも反基準面側における幅寄せローラ軸方向の外側において中央部60とほぼ同等の幅寄せローラ軸方向の長さの略円筒形状に形成されており、中央部60と一体成形されている。基準面側外側部62Rにおいて中央部60と隣接する幅寄せローラ軸方向の内側には、断面半円形状の図示しない窪みが全周に亘って形成されており、この窪みに基準面側ゴムリング64Rが嵌め込まれている。反基準面側外側部62Lにおいて中央部60と隣接する幅寄せローラ軸方向の内側には、断面半円形状の図示しない窪みが全周に亘って形成されており、この窪みに反基準面側ゴムリング64Lが嵌め込まれている。以下では基準面側ゴムリング64R及び反基準面側ゴムリング64Lをまとめて突出部としてのゴムリング64とも呼ぶ。
ゴムリング64は、断面円形状のゴム材料のいわゆるOリングであり、外周面が中央部60よりも高い摩擦係数の素材の高摩擦部材で形成されている高摩擦部である。基準面側ゴムリング64Rと反基準面側ゴムリング64Lとの摩擦係数は互いにほぼ同等となっている。またゴムリング64は、図8に示すように外径が中央部60よりも大きく外径φD2となっている。このためゴムリング64は、中央部60よりも幅寄せプレスローラ52に向かって突出している。このように幅寄せ駆動ローラ50Aは、低摩擦部である中央部60の外径φD1よりも高摩擦部であるゴムリング64の外径φD2の方が大きく、外径φD2>外径φD1の関係になっている。またゴムリング64の外径φD2は、外側部62におけるゴムリング64よりも外側の箇所の外径よりも大きくなっている。
幅寄せローラ対48Aの幅寄せプレスローラ52Aは、樹脂により形成されており、入り込み部66、基準面側外側部68R及び反基準面側外側部68Lを有している。以下では基準面側外側部68R及び反基準面側外側部68Lをまとめて外側部68とも呼ぶ。
入り込み部66は、外周面が軸方向に沿って平面形状である略円筒形状に形成されている。この入り込み部66は、幅寄せ駆動ローラ50Aの中央部60とほぼ同等の摩擦係数の素材で形成されている低摩擦部である。入り込み部66は、搬送駆動ローラ42Aの中央部60よりも幅寄せローラ軸方向の幅が短く形成されており、幅寄せ駆動ローラ50Aの基準面側ゴムリング64Rと反基準面側ゴムリング64Lとの間に入り込んでいる。また入り込み部66は、外径が外側部68よりも大きくなっており、外側部68よりも幅寄せ駆動ローラ50に向かって突出している。
基準面側外側部68Rは、入り込み部66よりも基準面側における幅寄せローラ軸方向の外側において入り込み部66とほぼ同等の幅寄せローラ軸方向の長さの略円筒形状に形成されており、入り込み部66と一体成形されている。反基準面側外側部68Lは、入り込み部66よりも反基準面側における幅寄せローラ軸方向の外側において入り込み部66とほぼ同等の幅寄せローラ軸方向の長さの略円筒形状に形成されており、入り込み部66と一体成形されている。
図8及び図9に、図7に示した幅寄せ駆動ローラ50Aと幅寄せプレスローラ52Aとの噛み合い部分であり中央部60と入り込み部66とにより構成された噛合部70付近の拡大図を示すように、幅寄せローラ対48Aは、幅寄せ駆動ローラ50Aの中央部60と幅寄せプレスローラ52Aの入り込み部66とが接触し噛み合い、小切手CKに接触して挟み込むことにより小切手CKを搬送する。
図9に小切手CKを幅寄せローラ対48Aが噛み込んだ状態である小切手クランプ時を示すように、小切手CKを幅寄せローラ対48Aが噛み込むと、小切手CKは、幅寄せプレスローラ52Aの入り込み部66と幅寄せ駆動ローラ50Aの中央部60とに噛合部70において挟み込まれると共に、該中央部60よりも外径が大きいゴムリング64に接触部74において接触し、噛合部70よりも幅寄せローラ軸方向の両側が、通常状態よりも幅寄せプレスローラ52Aに近接するよう屈曲した屈曲状態となる。すなわち小切手CKは、搬送方向正面から見て下側凸形状になるように屈曲する。小切手CKは、素材の弾性により剛性(すなわち紙のコシ)があり、屈曲状態になると通常状態に戻ろうとするため、幅寄せ駆動ローラ50Aのゴムリング64に接触部74において接触する。このとき小切手CKは、該小切手CKの剛性により、接触部74においてゴムリング64に向かう方向へ力F1を加える。このため幅寄せ駆動ローラ50Aは、力F1とゴムリング64の摩擦係数μとにより小切手CKを搬送する。
このような小切手CKの剛性は、主に小切手CKの厚さに応じたものとなる。すなわち、小切手CKの厚さが厚いほど剛性が高くなる傾向となり、小切手CKの厚さが薄いほど剛性が低くなる傾向となる。また小切手CKは、剛性が低いほど(すなわち厚さが薄いほど)、くせで変形した箇所が搬送ガイド30に接触しながら搬送される際の搬送負荷が小さく、且つ基準面ガイド32に寄せられた際に座屈しやすくなり、剛性が高いほど(すなわち厚さが厚いほど)、くせで変形した箇所が搬送ガイド30に接触しながら搬送される際の搬送負荷が大きく、且つ基準面ガイド32に寄せられた際に座屈しにくくなる。
ここで、小切手CKの剛性が高いほど、屈曲状態から普通状態へ戻ろうとする復元力も大きくなるため、力F1も大きくなる。幅寄せ駆動ローラ50Aは、力F1とゴムリング64の摩擦係数μとが大きいほど、小切手CKに対し大きな搬送力を加えるため、小切手CKの剛性が高いほど、小切手CKに対し大きな搬送力を加えることとなる。このように幅寄せローラ対48Aは、小切手CKの剛性に応じて小切手CKの搬送力を変化させ、小切手CKの剛性が高いほど小切手CKの搬送力を大きくし、小切手CKの剛性が低いほど小切手CKの搬送力を小さくする。
これにより幅寄せローラ対48Aは、座屈しやすい剛性が低い小切手CKは弱い搬送力で搬送することにより、基準面ガイド32に小切手CKを接触させた際に座屈しにくくできると共に、座屈しにくいものの搬送負荷が大きい剛性が高い小切手CKは強い搬送力で搬送することにより、小切手CKを詰まらせずに確実に搬送できる。
図8に示すように、幅寄せローラ対48Aが小切手CKを噛み込んでいない場合、幅寄せ駆動ローラ50Aのゴムリング64と幅寄せプレスローラ52Aの外側部68との間は、ギャップG1の隙間が空いている。一方図9に示すように厚さが小切手厚さtである小切手CKを幅寄せローラ対48Aが噛み込むと、幅寄せプレスローラ52Aは幅寄せ駆動ローラ50Aから離隔するよう上方へ移動し、幅寄せ駆動ローラ50Aのゴムリング64と幅寄せプレスローラ52Aの外側部68との間は、ギャップG1に小切手厚さtが加算されたギャップG2の隙間が空くこととなる。すなわちギャップG2は、小切手厚さt+ギャップG1となる。このように幅寄せローラ対48Aは、小切手CKを噛み込んだ際に小切手CKの厚さ分だけ幅寄せプレスローラ52Aが上方へ移動するため、小切手CKの上面と幅寄せプレスローラ52Aの外側部68との間に、常にギャップG1を確保する。このため幅寄せローラ対48Aは、幅寄せ駆動ローラ50Aのゴムリング64によって持ち上げられた小切手CKと幅寄せプレスローラ52Aとを接触させないようにできる。このように幅寄せローラ対48Aは、小切手CKを、幅寄せ駆動ローラ50Aにおける中央部60及びゴムリング64と幅寄せプレスローラ52Aにおける入り込み部66とには当接させるものの、幅寄せプレスローラ52Aにおける入り込み部66よりも幅寄せローラ軸方向の外側、すなわち外側部68には当接させないようにする。
以上は幅寄せローラ対48Aについて説明したが、幅寄せローラ対48Bも幅寄せローラ対48Aと同様に構成されている。
[1−4.動作]
かかる構成において小切手処理装置1は、バンドル部11に小切手束CKBが投入されると、該小切手束CKBを分離部12の前側に到達させ、分離部12におけるピッカプレス(図示せず)、ピッカローラ(図示せず)、フィードローラ26(図4)及びリバースローラ28(図4)により小切手CKを1枚ずつアライナ部13に送出する。
アライナ部13に小切手CKが搬送されたとき、図4に示すように、搬送ローラ組40は搬送ローラクランプ状態に、幅寄せローラ対48は幅寄せローラ退避状態になっている。制御部3は、図10に示すように小切手CKが搬送され、小切手CKの搬送方向後端を第1センサ54により検出すると、幅寄せローラ対48により小切手CKを搬送方向下流側に向かって搬送しつつ、基準面ガイド32に向かう右方である幅寄せ方向に向かって搬送する幅寄せ搬送を開始する。その後制御部3は、小切手CKが基準面ガイド32に沿って突き当たっており幅寄せされているか否かを幅寄せ完了検知センサ56A、56B及び56Cにより確認する。ここで制御部3は、幅寄せ完了検知センサ56A、56B及び56Cの3つのセンサの内2つ以上の幅寄せ完了検知センサ56で小切手CKを検出した場合にのみ、幅寄せ完了と判断する。制御部3は、幅寄せ完了と判断した場合には、そのまま搬送方向下流側へ小切手CKを搬送する。
一方制御部3は、小切手CKが基準面ガイド32に沿って幅寄せされていることを幅寄せ完了検知センサ56A、56B及び56Cにより検出しなかった場合、図5に示すように、搬送ローラ組40を搬送ローラ退避状態にし、幅寄せローラ対48を幅寄せローラクランプ状態にする。
図11に示すように、小切手CKがスキューしている状態で、幅寄せローラ対48によって基準面ガイド32に沿って幅寄せされた小切手CKは、小切手CKの搬送方向先端又は搬送方向後端の角部のみが基準面ガイド32に突き当たる。その後制御部3は、図12に示すように、幅寄せローラ対48により小切手CKを平面視で時計回り又は反時計回りに回転させながら幅寄せ搬送を行い、小切手CKを基準面ガイド32に沿わせて突き当てる。
ここで幅寄せローラ対48は、図9に示したように、低摩擦部である噛合部70の表面に小切手CKを挟み込むと共に、小切手CKの上面と搬送プレスローラ44の外側部68との間に隙間を空けつつ、小切手CKの下面にゴムリング64を当接させている。このため幅寄せローラ対48は、噛合部70における、幅寄せ駆動ローラ50の中央部60と小切手CKとの摩擦力と、幅寄せプレスローラ52の入り込み部66と小切手CKとの摩擦力とを合わせた摩擦力よりも、小切手CKが基準面ガイド32に衝突した際に該小切手CKが基準面ガイド32から受ける回転力の方を大きくできる。これにより幅寄せローラ対48は、噛合部70を中心に小切手CKを容易に回転させることができ、スキューした小切手CKを基準面ガイド32に沿わせながらスキューを補正できる。またアライナ部13は、幅寄せローラ対48の噛合部70が低摩擦部であるため、図12に示すように、2つの幅寄せローラ対48A及び48Bで小切手CKをクランプしている状態であっても、基準面ガイド32に沿ってスキュー補正を行うことができる。
制御部3は、幅寄せ完了検知センサ56の検出結果により幅寄せ完了と判断すると、図4に示すように搬送ローラ組40の搬送ローラ退避状態を解除して搬送ローラクランプ状態にし、幅寄せローラ対48の幅寄せローラクランプ状態を解除して幅寄せローラ退避状態にさせる。小切手CKは、図13に示すように基準面ガイド32に沿って突き当たった状態を保ちながら搬送方向下流側へ搬送される。
[1−5.効果等]
ここで仮に、噛合部70を高摩擦部材で形成した場合、小切手CKの搬送力は十分に発生させることはできるものの、小切手CKを挟み込む力が強くなり過ぎてしまうため、小切手CKが基準面ガイド32に衝突した際に、噛合部70を中心として小切手CKが回転しにくくなってしまい、スキューを補正しにくくなってしまう。
また仮に、噛合部70の摩擦力が弱すぎる場合、小切手CKが基準面ガイド32に衝突した際に、噛合部70を中心として小切手CKが回転しやすくなり、スキューを補正しやすくはできるものの、小切手CKを挟み込む力が弱くなり過ぎてしまうため、小切手CKの搬送力を十分に発生させることができず小切手CKを搬送しにくくなってしまう。
さらに仮に、幅寄せ駆動ローラ50のゴムリング64と幅寄せプレスローラ52の外側部68とで小切手CKを挟み込んだり、ギャップG1が小さ過ぎて小切手CKの上面が幅寄せプレスローラ52の外側部68に接触してしまったりした場合、小切手CKの搬送力は十分に発生させることはできるものの、小切手CKに対する幅寄せローラ対48の摩擦力が強くなり過ぎてしまうため、小切手CKが基準面ガイド32に衝突した際に、噛合部70を中心として小切手CKが回転しにくくなってしまい、スキューを補正しにくくなってしまう。また、小切手CKの剛性に応じて搬送力を変化させることができなくなってしまう。
さらに仮に、幅寄せ駆動ローラ50のゴムリング64の摩擦力が弱すぎる場合、小切手CKが基準面ガイド32に衝突した際に、噛合部70を中心として小切手CKが回転しやすくなり、スキューを補正しやすくはできるものの、小切手CKの下面に対する摩擦力が弱くなり過ぎてしまうため、小切手CKの搬送力を十分に発生させることができず小切手CKを搬送しにくくなってしまう。
これに対しアライナ部13は、噛合部70及びゴムリング64の摩擦力を、小切手CKの搬送力は十分に発生させる程度にしつつ、小切手CKが基準面ガイド32に衝突した際に噛合部70を中心として小切手CKが回転可能な程度にすると共に、噛合部70のみで小切手CKを挟み込み、且つゴムリング64から小切手CKに摩擦力を加えつつ小切手CKと幅寄せプレスローラ52の外側部68との隙間は保つようにした。
これによりアライナ部13は、小切手CKを搬送する際に必要な搬送力を確保しつつ、薄く柔らかい小切手CKが基準面ガイド32に突き当たった場合でも、小切手CKを座屈させたり破損させたりすることなく、スキューを補正しつつ基準面ガイド32に幅寄せを行うことができる。
またアライナ部13は、中央部60よりもゴムリング64の外径を大きくし、屈曲状態から通常状態へ戻ろうとする復元力により小切手CKからゴムリング64に力F1を加えると共に、小切手CKと幅寄せプレスローラ52の外側部68との隙間を保つようにした。このためアライナ部13は、小切手CKの剛性に応じて搬送力を変化させることができる。これによりアライナ部13は、剛性が低い小切手CKは弱い搬送力で搬送することにより、基準面ガイド32に小切手CKを接触させた際に座屈しにくくできると共に、座屈しにくいものの搬送負荷が大きい剛性が高い小切手CKは強い搬送力で搬送することにより、小切手CKを詰まらせずに確実に搬送できる。
以上の構成によれば小切手処理装置1は、紙葉状の媒体としての小切手CKにおける紙面と対向する案内面により搬送方向に沿って小切手CKの第1搬送路W1を形成し、第1搬送路W1に沿って小切手CKを案内する搬送ガイド30と、搬送方向と直交する搬送幅方向の一方に設けられ、小切手CKにおける搬送幅方向の搬送範囲を制限する基準面ガイド32と、回転軸に沿う幅寄せ駆動ローラ軸方向と直交する幅寄せローラ搬送方向が搬送方向に対して傾斜して配置され、幅寄せ駆動ローラ軸方向における中央に中央部60が、該中央部60よりも幅寄せ駆動ローラ軸方向の一方向側である基準面側において中央部60よりも外径が大きい第1の突出部としての基準面側ゴムリング64Rが、該中央部60よりも幅寄せ駆動ローラ軸方向の他方向側である反基準面側において中央部60よりも外径が大きい第2の突出部としての反基準面側ゴムリング64Lが形成された幅寄せ駆動ローラ50と、幅寄せ駆動ローラ50と対向する位置に設けられ、回転軸に沿う幅寄せプレスローラ軸方向と直交する幅寄せローラ搬送方向が搬送方向に対して傾斜して配置され、幅寄せ駆動ローラ50のゴムリング64の間に少なくとも一部が入り込む入り込み部66が形成され、入り込み部66と幅寄せ駆動ローラ50の中央部60とで小切手CKに接触して挟み込み基準面ガイド32に小切手CKを近付けるよう搬送する幅寄せプレスローラ52とを設けるようにした。
これにより小切手処理装置1は、小切手CKが基準面ガイド32に当接した際に該小切手CKを回転させてスキューを補正できると共に、屈曲状態から通常状態へ戻ろうとする復元力により小切手CKからゴムリング64に加わる力F1に応じた搬送力で幅寄せ駆動ローラ50が小切手CKを搬送することにより、小切手CKの剛性に応じて搬送力を変化させることができる。
[2.第2の実施の形態]
[2−1.小切手処理装置の構成]
図1に示すように、第2の実施の形態による小切手処理装置101は、第1の実施の形態による小切手処理装置1と比較して、アライナ部13に代えてアライナ部113が設けられている点が異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
[2−2.アライナ部の構成]
図13と対応する部材に同一符号を付した図20に示すように、第2の実施の形態によるアライナ部113は、第1の実施の形態によるアライナ部13と比較して、幅寄せローラ対148(幅寄せローラ対148A及び148B)が幅寄せローラ対48(幅寄せローラ対48A及び48B)と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。幅寄せローラ対148Bは幅寄せローラ対148Aと同様に構成されているため、以下では幅寄せローラ対148Aについて説明する。
[2−3.幅寄せローラ対の構成]
図6、図7、図8及び図9と対応する部材に同一符号を付した図14、図15、図16及び図17に示すように、第2の実施の形態による幅寄せローラ対148Aは、第1の実施の形態による幅寄せローラ対48Aと比較して、幅寄せ駆動ローラ150A及び幅寄せプレスローラ152Aが幅寄せ駆動ローラ50A及び幅寄せプレスローラ52Aと異なっている。
幅寄せ駆動ローラ150Aは、幅寄せ駆動ローラ50Aと比較して、外側部162(基準面側外側部162R及び反基準面側外側部62L)及びゴムリング164(基準面側ゴムリング164R及び反基準面側ゴムリング64L)が外側部62(基準面側外側部62R及び反基準面側外側部62L)及びゴムリング64(基準面側ゴムリング64R及び反基準面側ゴムリング64L)と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
基準面側外側部162Rにおいて中央部60と隣接する幅寄せローラ軸方向の内側には、基準面側外側部62R(図7)よりも大きい断面半円形状の図示しない窪みが全周に亘って形成されており、この窪みに基準面側ゴムリング164Rが嵌め込まれている。
基準面側ゴムリング164Rは、基準面側ゴムリング64Rよりも大きい直径の断面円形状のゴム材料であり図16に示すように外径が中央部60及び基準面側ゴムリング64R(図7)よりも大きく外径φD12となっている。このため基準面側ゴムリング164Rは、基準面側ゴムリング64R(図7)と比較して中央部60よりも幅寄せプレスローラ152Aに向かってより一層突出している。
このように幅寄せ駆動ローラ150Aは、低摩擦部である中央部60の外径φD1よりも高摩擦部である反基準面側ゴムリング64Lの外径φD2の方が大きく、外径φD2>外径φD1の関係になっている。また幅寄せ駆動ローラ150Aは、低摩擦部である中央部60の外径φD1よりも高摩擦部である基準面側ゴムリング164Rの外径φD12の方が大きく、外径φD12>外径φD1の関係になっている。さらに幅寄せ駆動ローラ150Aは、反基準面側ゴムリング64Lの外径φD2よりも基準面側ゴムリング164Rの外径φD12の方が大きく、外径φD12>外径φD2の関係になっている。このため幅寄せ駆動ローラ150Aは、外径φD12>外径φD2>外径φD1の関係になっている。
幅寄せプレスローラ152Aは、幅寄せプレスローラ52Aと比較して、外側部168(基準面側外側部168R及び反基準面側外側部68L)が外側部68(基準面側外側部68R及び反基準面側外側部68L)と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。基準面側外側部168Rは、基準面側外側部68R(図7)よりも外径が小さく形成されている。
図17に示すように小切手CKを幅寄せローラ対148Aが噛み込むと、小切手CKは、幅寄せプレスローラ152Aの入り込み部66と幅寄せ駆動ローラ150Aの中央部60とに噛合部70において挟み込まれると共に、それぞれ該中央部60よりも外径が大きい反基準面側ゴムリング64Lに接触部74において接触し、基準面側ゴムリング164Rに接触部174において接触し、屈曲状態となる。このとき小切手CKは、該小切手CKの剛性により、それぞれ接触部74において反基準面側ゴムリング64Lに向かう方向へ力F1を、接触部174において基準面側ゴムリング164Rに向かう方向へ力F11を加える。このため幅寄せ駆動ローラ150Aは、力F1及びF11とゴムリング164の摩擦係数μとにより小切手CKを搬送する。
ここで、噛合部70に対する基準面側の基準面側ゴムリング164Rの方が、反基準面側の反基準面側ゴムリング64Lよりも外径が大きいため、小切手CKは、接触部74よりも接触部174の方が、より一層通常状態よりも幅寄せプレスローラ152Aに近接するよう屈曲する。このため小切手CKは、噛合部70に対する基準面側の方が、反基準面側よりも屈曲状態から強く通常状態へ戻ろうとする。これにより力F11は力F1よりも大きくなる。このため幅寄せ駆動ローラ150Aは、小切手CKにおける噛合部70に対する基準面側と反基準面側との屈曲の差に応じて、噛合部70に対する基準面側の方が、反基準面側よりも、小切手CKに対し大きな搬送力を加えることとなる。
図16に示すように、幅寄せローラ対148Aが小切手CKを噛み込んでいない場合、幅寄せ駆動ローラ150Aの反基準面側ゴムリング64Lと幅寄せプレスローラ152Aの反基準面側外側部68Lとの間と、幅寄せ駆動ローラ150Aの基準面側ゴムリング164Rと幅寄せプレスローラ152Aの基準面側外側部168Rとの間とは、ギャップG1の隙間が空いている。すなわち幅寄せ駆動ローラ150Aのゴムリング164と幅寄せプレスローラ152Aの外側部168との間は、ギャップG1の隙間が空いている。一方図17に示すように厚さが小切手厚さtである小切手CKを幅寄せローラ対148Aが噛み込むと、幅寄せプレスローラ152Aは幅寄せ駆動ローラ150Aから離隔するよう上方へ移動し、幅寄せ駆動ローラ150Aの反基準面側ゴムリング64Lと幅寄せプレスローラ152Aの反基準面側外側部68Lとの間と、幅寄せ駆動ローラ150Aの基準面側ゴムリング164Rと幅寄せプレスローラ152Aの基準面側外側部168Rとの間とは、ギャップG1に小切手厚さtが加算されたギャップG2の隙間が空くこととなる。すなわち幅寄せ駆動ローラ150Aのゴムリング164と幅寄せプレスローラ152Aの外側部168との間は、ギャップG2の隙間が空くこととなる。すなわちギャップG2は、小切手厚さt+ギャップG1となる。このように幅寄せローラ対148Aは、小切手CKを噛み込んだ際に小切手CKの厚さ分だけ幅寄せプレスローラ152Aが上方へ移動するため、小切手CKの上面と幅寄せプレスローラ152Aの外側部168との間に、常にギャップG1を確保する。このため幅寄せローラ対148Aは、幅寄せ駆動ローラ150Aのゴムリング164によって持ち上げられた小切手CKと幅寄せプレスローラ152Aとを接触させないようにできる。このように幅寄せローラ対148Aは、小切手CKを、幅寄せ駆動ローラ150Aにおける中央部60及びゴムリング164と幅寄せプレスローラ152Aにおける入り込み部66とには当接させるものの、幅寄せプレスローラ152Aにおける入り込み部66よりも幅寄せローラ軸方向の外側、すなわち外側部68には当接させないようにする。
[2−4.動作]
かかる構成において制御部3は、バンドル部11に小切手束CKBが投入された際、図10に示したように小切手CKの搬送方向後端を第1センサ54により検出すると、幅寄せ搬送を開始する。制御部3は、小切手CKが基準面ガイド32に沿って幅寄せされていることを幅寄せ完了検知センサ56A、56B及び56Cにより検出しなかった場合、図5に示したように、搬送ローラ組40を搬送ローラ退避状態にし、幅寄せローラ対48を幅寄せローラクランプ状態にする。
ここで、基準面側ゴムリング164Rの方が反基準面側ゴムリング64Lよりも外径が大きいため、基準面側ゴムリング164Rの方が反基準面側ゴムリング64Lよりも小切手CKに対し大きな搬送力を加えることとなる。このため幅寄せローラ対148は、小切手CKを噛み込んだ際に、基準面側ゴムリング164Rの方が反基準面側ゴムリング64Lよりも小切手CKを強く送り出すこととなる。
また基準面側ゴムリング164Rの方が反基準面側ゴムリング64Lよりも外径が大きいため、基準面側ゴムリング164Rの方が反基準面側ゴムリング64Lよりも周速が速くなる。このため幅寄せローラ対148は、小切手CKを噛み込んだ際に、基準面側ゴムリング164Rの方が反基準面側ゴムリング64Lよりも小切手CKを速く送り出すこととなる。
このように幅寄せローラ対148は、基準面側ゴムリング164Rの方が反基準面側ゴムリング64Lよりも小切手CKに対し大きな搬送力を加えることと、基準面側ゴムリング164Rの方が反基準面側ゴムリング64Lよりも小切手CKを速く送り出すこととにより、小切手CKを平面視で反時計回りに回転させる。アライナ部113は、スキューした小切手CKを平面視で反時計回りに回転させることにより、幅寄せ搬送において小切手CKを搬送方向後端の角部から基準面ガイド32に突き当てることができる。
図18に示すように、小切手CKがスキューしている状態で、幅寄せローラ対148によって基準面ガイド32に幅寄せされた小切手CKは、小切手CKの搬送方向後端の角部のみが基準面ガイド32に突き当たる。その後制御部3は、図19に示すように、幅寄せローラ対148により小切手CKを平面視で時計回りに回転させながら幅寄せ搬送を行い、小切手CKを基準面ガイド32に沿わせて突き当てる。
制御部3は、幅寄せ完了検知センサ56の検出結果により幅寄せ完了と判断すると、図4に示したように搬送ローラ組40の搬送ローラ退避状態を解除して搬送ローラクランプ状態にし、幅寄せローラ対148の幅寄せローラクランプ状態を解除して幅寄せローラ退避状態にさせる。小切手CKは、図20に示すように基準面ガイド32に沿って突き当たった状態を保ちながら搬送方向下流側へ搬送される。
[2−5.効果等]
ここで、スキューした小切手CKが搬送方向先端の角部から基準面ガイド32に突き当たると、図11に示すように、小切手CKの搬送方向先端の角部が基準面ガイド32から受ける反力Fr1の向きと、幅寄せローラ対48が小切手CKを幅寄せ搬送する際の搬送力Ff1の向きとがほぼ対向してしまうため、小切手CKの搬送方向先端の角部が座屈しやすくなってしまう。
これに対しアライナ部113は、スキューした小切手CKを平面視で反時計回りに回転させることにより、幅寄せ搬送において小切手CKを搬送方向後端の角部から基準面ガイド32に突き当てるようにした。スキューした小切手CKが搬送方向後端の角部から基準面ガイド32に突き当たると、図18に示すように、小切手CKの搬送方向後端の角部が基準面ガイド32から受ける反力Fr2の向きと、幅寄せローラ対148が小切手CKを幅寄せ搬送する際の搬送力Ff1の向きとは対向しなくなるめ、小切手CKの搬送方向後端の角部は座屈しにくい。
このためアライナ部113は、小切手CKの搬送方向後端の角部を座屈させることなく幅寄せ搬送ができる。これによりアライナ部113は、アライナ部13と比較して、薄く柔らかい小切手CKが基準面ガイド32に突き当たった場合でも、小切手CKが座屈したり破損したりすることをより一層防止し、スキューを補正しつつ基準面ガイド32に幅寄せを行うことができる。
その他第2の実施の形態による小切手処理装置101は、第1の実施の形態による小切手処理装置1とほぼ同様の作用効果を奏する。
[3.第3の実施の形態]
[3−1.小切手処理装置の構成]
図1に示すように、第3の実施の形態による小切手処理装置201は、第1の実施の形態による小切手処理装置1と比較して、アライナ部13に代えてアライナ部213が設けられている点が異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
[3−2.アライナ部の構成]
図3と対応する部材に同一符号を付した図21に示すように、第3の実施の形態によるアライナ部213は、第2の実施の形態によるアライナ部113と比較して、幅寄せローラ対248(幅寄せローラ対248A及び248B)が幅寄せローラ対148(幅寄せローラ対148A及び148B)と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。幅寄せローラ対248Bは幅寄せローラ対248Aと同様に構成されているため、以下では幅寄せローラ対248Aについて説明する。
[3−3.幅寄せローラ対の構成]
図6及び図7と対応する部材に同一符号を付した図22及び図23に示すように、第3の実施の形態による幅寄せローラ対248Aは、第1の実施の形態による幅寄せローラ対48Aと比較して、幅寄せプレスローラ252Aが幅寄せプレスローラ52Aと異なっている。
幅寄せプレスローラ252Aは、幅寄せプレスローラ52Aと比較して、外側部68(図6及び図7)が形成されておらず省略されており、入り込み部66のみが形成されている。このため幅寄せローラ対248Aは、幅寄せプレスローラ252Aにおける入り込み部66よりも幅寄せローラ軸方向の外側、すなわち外側部68を形成しないため、幅寄せ駆動ローラ50Aのゴムリング64によって持ち上げられた小切手CKと幅寄せプレスローラ252Aとを、幅寄せローラ対48Aよりもより一層接触させないようにできる。
これにより幅寄せローラ対248Aは、幅寄せローラ対48Aの場合においてギャップG1が小さ過ぎて小切手CKの上面が幅寄せプレスローラ52の外側部68に接触してしまったりする可能性をなくすことができる。かくして幅寄せローラ対248Aは、小切手CKに対する摩擦力が強くなり過ぎてしまうことを防止し、小切手CKが基準面ガイド32に衝突した際に、噛合部70を中心として小切手CKが確実に回転するようにできる。
その他第3の実施の形態による小切手処理装置201は、第1の実施の形態による小切手処理装置1とほぼ同様の作用効果を奏する。
[4.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、基準面側ゴムリング64Rと反基準面側ゴムリング64Lとの摩擦係数を互いにほぼ同等とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、基準面側ゴムリング64Rの摩擦係数を反基準面側ゴムリング64Lの摩擦係数よりも高くしても良い。その場合、平面視で小切手CKを反時計回りに回転させやすくできる。第2及び第3の実施の形態においても同様である。
またに上述した第1の実施の形態においては、ゴムリング64を中央部60よりも幅寄せローラ軸方向の両外側に設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、反基準面側ゴムリング64Lを省略し基準面側ゴムリング64Rのみを設けても良い。第2及び第3の実施の形態においても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、ゴムリング64を断面円形状とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、断面D字形状や半円形状でも良く、外側部62の外周面の形状を、ゴムリングが嵌め込まれる形状とすれば良い。またゴムリング64は、ゴム材料でなくても良く、要は中央部60よりも摩擦係数が高い、種々の材料であれば良い。第2及び第3の実施の形態においても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、ゴムリング64よりも幅寄せローラ軸方向の外側に外側部62が存在する場合について述べた。本発明はこれに限らず、中央部60よりも軸方向の外側はゴムリング64が占めており、外側部62が存在しなくても良い。要はゴムリング64よりも幅寄せローラ軸方向の外側において、該ゴムリング64の外径よりも大きい外径の箇所が存在しなければ良い。第2及び第3の実施の形態においても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、低摩擦部を中央部60で、高摩擦部をゴム材料であるゴムリング64で構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ゴムリング64と同様の外形となるよう幅寄せ駆動ローラ50における外側部62を形成した上で、ゴムリング64と対応する箇所に高摩擦部となるような表面加工を施しても良い。または、幅寄せ駆動ローラ50の外周面全体を高摩擦部材で形成した上で、中央部60と対応する箇所に、低摩擦部となるような表面加工を施したりリングを嵌め込んだりしても良い。第2及び第3の実施の形態においても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、第1搬送路W1のそれぞれ下側に幅寄せ駆動ローラ50を、上側に幅寄せプレスローラ52を設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、第1搬送路W1のそれぞれ上側に幅寄せ駆動ローラ50を、下側に幅寄せプレスローラ52を設けても良い。また、幅寄せ駆動ローラ50ではなく幅寄せプレスローラ52に高摩擦部が形成されていても良い。但し、幅寄せ駆動ローラ50に連れ回る幅寄せプレスローラ52ではなく、駆動力を有する幅寄せ駆動ローラ50に高摩擦部がある方が、摩擦力を小切手CKに加えやすいため好ましい。
さらに上述した実施の形態においては、小切手CKの長手方向を搬送方向に沿わせて搬送する小切手処理装置1、101及び201に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、小切手CKの短手方向を搬送方向に沿わせて搬送する小切手処理装置に本発明を適用しても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、幅寄せローラ対48Aと幅寄せローラ対48Bとの2対の幅寄せローラ対48をアライナ部13に配置する場合について述べた。本発明はこれに限らず、小切手処理装置1において取り扱われる小切手CKのうち搬送方向の長さが最大の小切手である最大搬送長さ小切手と最小搬送長さ小切手との大きさの差によっては、1対又は3対以上の任意の個数の幅寄せローラ対48をアライナ部13に配置しても良い。第2及び第3の実施の形態においても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、3つの幅寄せ完了検知センサ56をアライナ部13に配置する場合について述べた。本発明はこれに限らず、最大搬送長さ小切手と最小搬送長さ小切手との大きさの差によっては、2つ又は4つ以上の任意の個数の幅寄せ完了検知センサ56をアライナ部13及び113に配置しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、小切手CKを処理する小切手処理装置1に本発明を適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば種々の紙幣、印刷紙、切符、金券、カードや証券、或いは各種チケットなど、紙葉状の媒体を処理する種々の装置に本発明を適用しても良い。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した実施の形態においては、搬送ガイドとしての搬送ガイド30と、基準面ガイドとしての基準面ガイド32と、第1のローラとしての幅寄せ駆動ローラ50又は150と、第2のローラとしての幅寄せプレスローラ52、152又は252とによって、媒体処理装置としてのアライナ部13、113又は213を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる搬送ガイドと、基準面ガイドと、第1のローラと、第2のローラとによって、媒体処理装置を構成しても良い。
本発明は、例えば基準面側に媒体を寄せつつ媒体のスキューを矯正する装置でも利用できる。
1、101、201……小切手処理装置、2……筐体、3……制御部、11……バンドル部、11S……シャッタ、12……分離部、13、113、213……アライナ部、14……第1切替部、15……スキャナ部、16……第2切替部、17……エスクロ部、18……リトラクト部、19……後搬送部、22A……第1スタッカ部、22B……第2スタッカ部、26……フィードローラ、28……リバースローラ、30……搬送ガイド、30U……上側搬送ガイド、30D……下側搬送ガイド、32……基準面ガイド、34……搬送第1ローラ、36……ドライブシャフト、38……プレスローラ、40……搬送ローラ組、41……搬送ローラ対、42……搬送駆動ローラ、44……搬送プレスローラ、46……テーパーガイドローラ、48、148、248……幅寄せローラ対、50、150……幅寄せ駆動ローラ、52、152、252……幅寄せプレスローラ、54……第1センサ、56……幅寄せ完了検知センサ、58……監視センサ、60……中央部、62、162……外側部、62R、162R……基準面側外側部、62L……反基準面側外側部、64、164……ゴムリング、64R、164R……基準面側ゴムリング、64L……反基準面側ゴムリング、66……入り込み部、68、168……外側部、68R、168R……基準面側外側部、68L……反基準面側外側部、70……噛合部、74、174……接触部、G1、G2……ギャップ、t……小切手厚さ、F1、F11……力、Fr1、Fr2……反力、Ff1……搬送力、CK……小切手、WB……束搬送路、W……搬送路、W1……第1搬送路、W2……第2搬送路、W3……第3搬送路、W4……第4搬送路、W5……第5搬送路、W6……第6搬送路、W7……第7搬送路。

Claims (16)

  1. 紙葉状の媒体における紙面と対向する案内面により搬送方向に沿って前記媒体の搬送路を形成し、前記搬送路に沿って前記媒体を案内する搬送ガイドと、
    前記搬送方向と直交する搬送幅方向の一方に設けられ、前記媒体における前記搬送幅方向の搬送範囲を制限する基準面ガイドと、
    回転軸に沿う軸方向と直交する方向が前記搬送方向に対して傾斜して配置され、前記軸方向における中央に中央部が、該中央部よりも前記軸方向の一方向側において前記中央部よりも外径が大きい第1の突出部が、該中央部よりも前記軸方向の他方向側において前記中央部よりも外径が大きい第2の突出部が形成された第1のローラと、
    前記第1のローラと対向する位置に設けられ、前記軸方向と直交する方向が前記搬送方向に対して傾斜して配置され、前記第1のローラの前記第1の突出部と前記第2の突出部との間に少なくとも一部が入り込む入り込み部が形成され、前記入り込み部と前記第1のローラの前記中央部とで前記媒体に接触して挟み込み前記基準面ガイドに前記媒体を近付けるよう搬送する第2のローラと
    を有する媒体処理装置。
  2. 前記第1の突出部は、前記第2の突出部よりも前記基準面ガイドに近接するよう配され、前記中央部よりも外周部表面の摩擦係数が高い
    請求項1に記載の媒体処理装置。
  3. 前記第2の突出部は、前記中央部よりも外周部表面の摩擦係数が高い
    請求項2に記載の媒体処理装置。
  4. 前記第1の突出部と前記第2の突出部とは、外周部表面の摩擦係数がほぼ同等である
    請求項2に記載の媒体処理装置。
  5. 前記第1の突出部は、前記第2の突出部よりも外周部表面の摩擦係数が高い
    請求項2に記載の媒体処理装置。
  6. 前記媒体は、前記第1の突出部及び前記第2の突出部と当接した接触部が通常状態よりも前記第2のローラ側に向かって変形する
    請求項1に記載の媒体処理装置。
  7. 前記第1のローラは、駆動力を発生するローラであり、
    前記第2のローラは、前記第1のローラに連れて回るローラである
    請求項1に記載の媒体処理装置。
  8. 前記媒体は、前記第1のローラの前記中央部、前記第1の突出部及び前記第2の突出部と、前記第2のローラの前記入り込み部とに当接し、前記第2のローラにおける前記入り込み部よりも前記軸方向の両側には当接しない
    請求項1に記載の媒体処理装置。
  9. 前記第1のローラ及び前記第2のローラは、前記媒体の剛性によって前記媒体の搬送力が変化する
    請求項1に記載の媒体処理装置。
  10. 前記第1のローラ及び前記第2のローラは、剛性が低い前記媒体では前記搬送力が弱く、剛性が高い前記媒体では前記搬送力が強くなる
    請求項9に記載の媒体処理装置。
  11. 前記第1の突出部及び前記第2の突出部は、剛性が低い前記媒体よりも剛性が高い前記媒体の方から、強く押し付けられる力を受ける
    請求項9に記載の媒体処理装置。
  12. 前記第2のローラは、前記第1のローラにおける前記中央部と接触する箇所よりも前記軸方向の両外側が省略されている
    請求項1に記載の媒体処理装置。
  13. 前記第1の突出部は、ゴム材料により形成されている
    請求項2に記載の媒体処理装置。
  14. 前記第1の突出部及び前記第2の突出部は、ゴム材料により形成されている
    請求項3に記載の媒体処理装置。
  15. 前記第1の突出部及び前記第2の突出部は、ゴムリングである
    請求項14に記載の媒体処理装置。
  16. 前記第1の突出部は、前記第2の突出部よりも外径が大きい
    請求項1に記載の媒体処理装置。
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