JPH1158806A - サーマルプリント方法及びプリンタ - Google Patents

サーマルプリント方法及びプリンタ

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JPH1158806A
JPH1158806A JP9230945A JP23094597A JPH1158806A JP H1158806 A JPH1158806 A JP H1158806A JP 9230945 A JP9230945 A JP 9230945A JP 23094597 A JP23094597 A JP 23094597A JP H1158806 A JPH1158806 A JP H1158806A
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JP
Japan
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data
heat storage
heat
line
thermal
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Application number
JP9230945A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Katsuma
伸雄 勝間
Hisashi Enomoto
寿 榎本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Priority to US09/120,184 priority patent/US6108019A/en
Publication of JPH1158806A publication Critical patent/JPH1158806A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/315Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material
    • B41J2/32Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material using thermal heads
    • B41J2/35Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material using thermal heads providing current or voltage to the thermal head
    • B41J2/355Control circuits for heating-element selection
    • B41J2/36Print density control
    • B41J2/365Print density control by compensation for variation in temperature

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 原画の濃度が急変する部分のプリントに際
し、摩擦係数の変動に起因する色ずれや濃度むらを防止
する。 【解決手段】 記録材料10を送りローラ対22で送
る。この送りに同期させてサーマルヘッド14の発熱素
子14aを発熱データに基づき駆動し、記録材料10に
画像を記録する。サーマルヘッド14の蓄熱層に蓄えら
れた熱を考慮して発熱データを補正する。補正した発熱
データによりヘッド駆動部12を介してサーマルヘッド
14の各発熱素子14aを駆動する。発熱開始時期補正
部13により、補正した発熱データに基づき記録材料1
0と発熱素子14aとの間の摩擦力を求める。求めた摩
擦力から発熱開始基準信号に対するずらし時間tを求め
る。このずらし時間tで発熱開始時期を補正して熱記録
を行う。発熱開始時期の補正により、摩擦係数の変動に
起因する記録材料送り量の変動が補正される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルプリント
方法及びプリンタに関し、特に色ずれや送りむらの発生
を抑えるためのサーマルプリント方法及びプリンタに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】サーマルプリンタには、サーマルヘッド
で感熱記録材料を加熱して直接に発色させる感熱記録方
式と、記録材料に重ねたインクリボンの背後をサーマル
ヘッドで加熱してインクリボンのインクを記録材料に転
写する熱転写記録方式とがある。このサーマルヘッド
は、セラミック製の基板上に多数の発熱素子がライン状
に形成されている。これらのサーマルプリンタでは、入
力画像データに応じて各発熱素子が駆動されて、これに
より記録材料に例えばフルカラー画像が記録される。
【0003】このようにサーマルプリンタにおいて、プ
リントする画像データの印画率の急変部分では発熱素子
の温度が急変するため、記録材料とサーマルヘッドとの
間の摩擦係数も変化する。例えば、印加された熱エネル
ギが高くなるほど発熱素子の表面温度が高くなるため摩
擦係数が小さくなる。そして、熱エネルギが低くなるほ
ど摩擦係数が大きくなる。これは、記録材料の表面塗布
層が熱エネルギによって温度上昇して表面の状態が変化
することに起因する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、サーマル
ヘッドと記録材料との間の摩擦係数が変化するため、記
録材料の搬送力伝達系、ヘッド保持部分、その他の構造
系が受ける力が変動し、僅かに生じている機構部分の変
形量が記録する画像に応じて変化することになる。この
変形量の変動は、記録材料の送り量の変動として現れ
る。このため、プリント中に原画の画像濃度が急変する
部分では、摩擦係数が変化し機構の変形量が変動するた
め、記録材料送り用の駆動パルス当たりの移動距離が変
動する。例えば、高濃度から低濃度へと変化するところ
では摩擦係数が上昇し、機構が変形し、送り量が小さく
なる。この送り量の変動によって記録される画素(ドッ
ト)の記録材料送り方向における長さが不均一になる。
したがって、送り量が小さいところでは単位面積当たり
の印加エネルギが大きくなるので見かけ上のプリント濃
度は高くなる。逆に、低濃度から高濃度へと変化すると
ころでは摩擦係数が減少するため送り量が大きくなり、
この部分では、単位面積当たりの印加エネルギが小さく
なるので見かけ上でのプリント濃度は低くなる。しか
も、記録する色によって原画の濃度が急変する位置は変
わるため、僅かに色ずれが発生してしまう。このように
原画の濃度が急変する部分では摩擦係数の変動により、
得られるハードコピーの見かけの濃度が高くなったり低
くなったりするという問題があり、プリント品質が低下
するという問題がある。
【0005】このような記録材料の送り量の変動に伴う
濃度変動を抑えるために、例えば、特開昭63−296
976号公報では搬送速度を実測し、これに基づき補正
を行っている。しかしながら、搬送速度を実測する方式
では、搬送速度を測定する機構が必要になる。しかも、
搬送速度の変動はわずかであり、これを精度良く検出す
る必要がある。
【0006】本発明は、搬送速度を検出することなく、
原画の濃度急変部分による搬送量の変動に起因する濃度
変動を抑えることができるようにしたサーマルプリント
方法及びプリンタを提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のサーマルプリント方法では、第Mラ
インのプリントに際して、プリントしようとする第Mラ
インの各発熱データに基づき駆動される各発熱素子の熱
エネルギを予測し、発熱素子の熱エネルギ変動に基づく
記録材料の濃度変動を抑えるように、前記予測した熱エ
ネルギから発熱開始信号のずらし量を求め、このずらし
量に基づき第Mラインのプリントに際して発熱開始時期
をずらすようにしたものである。
【0008】なお、前記予測した各発熱素子の熱エネル
ギから、第Mラインのプリントに際しての記録材料とサ
ーマルヘッドとの間の摩擦力を求め、この摩擦力から前
記発熱開始信号のずらし量を求めることが好ましい。ま
た、サーマルヘッドの押圧分布データを求めておき、こ
の押圧分布データと予測した各発熱素子の熱エネルギと
から第Mラインをプリントする際の摩擦力を求めること
が好ましい。
【0009】前記各発熱素子の熱エネルギは、プリント
しようとする画像データに基づき決定された発熱データ
により予測することができる。しかし、単に画像データ
に基づき決定した発熱データのみでは、発熱素子で発生
した熱がプリントに供される他に、グレーズ層、セラミ
ック基板、アルミ板、放熱板等の各蓄熱層に蓄積される
ため、これら蓄熱データの影響を受けて、発熱素子の熱
エネルギを正確に予測することができない。このため、
発熱データの他に蓄熱状態を把握して発熱データを補正
することにより、発熱素子の熱エネルギを精度良く予測
する。
【0010】この蓄熱を考慮した発熱素子の熱エネルギ
の予測は次のようにして行われる。請求項5記載のサー
マルプリント方法では、第Mラインのプリントに際し
て、プリントしようとする第Mラインの各発熱データか
ら第Mラインの各第1蓄熱補正データを対応するデータ
同士で減算して各発熱データを補正し、これを発熱素子
の熱エネルギデータとして用いる。前記第1蓄熱補正デ
ータは次のように求める。まず、第Mラインの各発熱デ
ータと第1蓄熱層の蓄熱状態を示す各第1蓄熱データと
第2蓄熱層の蓄熱状態を示す各第2蓄熱データとのそれ
ぞれに所定の係数を乗算してから対応するデータ同士で
加算することにより新たな第1蓄熱データを求めて記憶
し、この記憶した第1蓄熱データに所定の係数を乗算し
たものを第M+1ラインの第1蓄熱補正データとし、ま
た第J(Jは2〜N)蓄熱層の蓄熱状態を示す第J蓄熱
データとその上層の第(J−1)蓄熱層の蓄熱状態を示
す第(J−1)蓄熱データと下層の第(J+1)蓄熱層
の蓄熱状態を示す第(J+1)蓄熱データとのそれぞれ
に所定の係数を乗算してから対応するデータ同士で加算
することにより新たな第J蓄熱データを各第2〜第N蓄
熱層についてそれぞれ求め記憶し、この記憶した第J蓄
熱データに所定の係数を乗算したものを第(M+1)ラ
インのプリントに際しての第J蓄熱補正データとする。
【0011】なお、上記のように、下層の蓄熱層による
蓄熱の影響を考慮して順次発熱素子に近い側の蓄熱層の
蓄熱補正データを求め、第1蓄熱層の蓄熱補正データで
発熱データを補正する代わりに、請求項6記載のサーマ
ルプリント方法のように、各蓄熱層の蓄熱補正データを
個別に求めて、発熱データからこれら各層毎の蓄熱補正
データを減算することにより蓄熱補正してもよい。
【0012】また、蓄熱補正して各発熱素子の熱エネル
ギを予測する際に、各加算の結果のそれぞれにフィルタ
リング演算を行い、この各演算結果を第1〜第N蓄熱デ
ータとすることが好ましく、この場合には、対象とする
発熱素子のみならず隣接する発熱データも考慮するた
め、熱エネルギをより一層精度よく求めることができ
る。
【0013】また、蓄熱補正して各発熱素子の熱エネル
ギを予測する場合に、第Mラインの各発熱データと第1
蓄熱層の蓄熱状態を示す各第1蓄熱データとのそれぞれ
に所定の係数を乗算した際に、各発熱データから得られ
る各データにフィルタリング演算を行い第1蓄熱層の補
正データを求め、これらの各補正データを第M+1ライ
ンのプリントの際して第M+1ラインの各発熱データか
ら対応するデータ同士で減算してもよい。また、第Mラ
インの各発熱データを前記第1蓄熱補正データ、第1〜
第N蓄熱補正データ,前記第1蓄熱補正データと前記補
正データ、または第1〜第N蓄熱補正データと前記補正
データのいずれかで減算した後に、所定の係数を乗算し
て第Mラインのプリントの際の各発熱素子の蓄熱を補正
してもよく、第Mラインの各発熱データと第1蓄熱層の
蓄熱状態を示す各第1蓄熱データとのそれぞれに所定の
係数を乗算する際には、前記第Mラインのプリントの際
の各発熱素子の蓄熱が補正された各発熱データを用いて
もよい。
【0014】また、請求項7記載のサーマルプリンタ
は、第Mラインのプリントに際して、サーマルヘッドの
蓄熱層による蓄熱補正データと発熱データとに基づき各
発熱素子の熱エネルギを予測する手段と、発熱素子の熱
エネルギ変動に基づく記録材料の濃度変動を抑えるよう
に、前記予測した熱エネルギと前記発熱開始信号のずら
し量との関係を記憶した手段と、前記予測した熱エネル
ギと発熱開始信号のずらし量との関係に基づき、予測し
た熱エネルギから発熱開始信号のずらし量を求める手段
と、発熱開始信号のずらし量に基づき第Mラインのプリ
ントに際して発熱開始時期をずらす手段とを備えること
が好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】図1において、1ライン分の各発
熱データは、ラインメモリ10に書き込まれる。感熱記
録方式では、各発熱素子で各ドットを記録する場合に、
発熱素子を発色直前の状態まで加熱するバイアス加熱を
してから、その直後に階調加熱をする。バイアス加熱で
は、バイアスデータによって各発熱素子が一様に加熱さ
れる。バイアスデータは、各発熱素子とも共通な値が用
いられるが、各発熱素子に抵抗値等のバラツキがある場
合には、この抵抗値等のバラツキを考慮して各バイアス
データが決められる。階調加熱では、各画像データに応
じて各発熱素子が駆動される。したがって、感熱記録方
式では、発熱データには、バイアスデータと画像データ
の両方がある。なお、熱転写記録では、階調加熱だけが
行われるため、発熱データは画像データである。
【0016】ラインメモリ10に記憶された1ライン分
の発熱データは、蓄熱補正部11に送られて蓄熱補正が
行われる。感熱記録方式では、画像データとバイアスデ
ータの両方に対して蓄熱補正をしてもよいし、あるいは
その一方に対してのみ蓄熱補正をしてもよい。また、こ
の蓄熱補正された発熱データはヘッド駆動部12に送ら
れる他に、発熱開始時期補正部13に送られる。発熱開
始時期補正部13では、この蓄熱補正された発熱データ
を発熱素子の熱エネルギデータとして、発熱開始標準信
号に対するずれ量を求め、発熱開始信号をヘッド駆動部
12に送る。
【0017】ヘッド駆動部12は、感熱記録材料15に
圧接しているサーマルヘッド14を蓄熱補正部11から
の蓄熱補正データに基づき、発熱開始時期補正部13か
らの発熱開始信号によるタイミングで駆動する。図2
(A)に示すように、サーマルヘッド14は、多数の発
熱素子14aを主走査方向にライン状に並べて形成され
ている。なお、各発熱素子14aを個々に識別する場合
には141 〜14n の符号を用いている。
【0018】図2(B)に示すように、サーマルヘッド
14は、アルミ板16の上にセラミック基板17,グレ
ーズ層18を積層したその上に発熱抵抗膜からなる発熱
素子14aと、電極19とを形成し、さらにこれらを保
護膜20で覆った構造になっている。また、アルミ板1
6には、放熱性を良好にするために、放熱板21が取り
付けられている。これらのグレーズ層18,セラミック
基板17,アルミ板16,放熱板21は、発熱素子14
aが発熱することにより、発熱素子14aの熱の一部が
伝わって蓄熱される蓄熱層となり、その蓄熱の一部が画
素の記録に影響する。蓄熱補正部11はこれらの蓄熱層
による蓄熱の影響を考慮して、発熱補正データを補正す
る。
【0019】サーマルヘッド14の各発熱素子14a
は、発熱データに応じた電力を供給することにより、こ
の発熱データに応じた熱エネルギーを発生する。この発
熱素子14aの駆動には、発熱データによってON時間
を決定する方法と、発熱データによって発熱回数を決定
する方法とがある。記録材料15は、発熱素子14aの
駆動に同期して副走査方向に送りローラ対22により送
られる。送りローラ対22は、パルスモータ23により
回転駆動され、このパルスモータ23はドライバ23a
を介してシステムコントローラ24により回転制御され
る。このため、システムコントローラ24は、発熱開始
信号とともにパルスモータ23を回転する駆動パルスを
ドライバ23aに送る。これにより、記録材料15の送
りに同期して各発熱素子14aが駆動され、記録材料1
5に各発熱素子14aにより1ラインずつ画像が記録さ
れる。
【0020】図1に示すように、発熱開始時期補正部1
3は、発熱素子熱エネルギレジスタ30、ヘッド押圧力
レジスタ31、第1及び第2ルックアップテーブルメモ
リ(LUT)32,33、乗算器34、積分器35、タ
イマー36から構成されている。
【0021】発熱素子熱エネルギレジスタ30には、蓄
熱補正部11で蓄熱補正された発熱データが、各発熱素
子141 〜14n の熱エネルギデータE1 〜En として
1ラインの記録毎に書き込まれる。この熱エネルギレジ
スタ30からは、各発熱素子141 〜14n 毎に熱エネ
ルギデータE1 〜En が読みだされ、第1LUT32に
送られる。
【0022】第1LUT32には、熱エネルギデータE
1 〜En と摩擦係数μとの関係を示すテーブルデータが
書き込まれている。このテーブルデータは、図3に示す
ように、発熱素子14aの熱エネルギが高くなるほど摩
擦係数は低くなる関係になっている。テーブルデータ
は、予め実験等により記録材料15の種別毎に求められ
ており、システムコントローラ24のROM24aに記
憶されている。そして、記録材料15の変更に合わせて
テーブルデータが対応するものに書き換えられる。した
がって、第1LUT32は、熱エネルギレジスタ30か
らの熱エネルギデータE1 〜En に基づき対応する摩擦
係数データμ1 〜μn を乗算器34に出力する。
【0023】ヘッド押圧力レジスタ31は、サーマルヘ
ッド14の各発熱素子141 〜14 n における記録材料
15への押圧力P1 〜Pn が書き込まれている。このヘ
ッド押圧力P1 〜Pn は工場出荷時の最終調整時に各機
器毎に測定され、これがシステムコントローラ24の不
揮発RAM24aに書き込まれる。図4にこのヘッド押
圧力分布の一例を示す。なお、各機器毎にヘッド押圧力
1 〜Pn を測定して書き込む代わりに予め各機種毎に
定めた平均値を用いてもよい。本実施形態における押圧
力P1 〜Pn はサーマルヘッド14の主走査方向中央部
に位置する発熱素子141 〜14n の押圧力を「1」と
して、これを基準にし各発熱素子141〜14n のもの
が求められている。このヘッド押圧力は、熱エネルギレ
ジスタ30からの熱エネルギデータに基づく摩擦係数デ
ータの出力に同期して、各発熱素子141 〜14n 毎に
乗算器34に出力される。
【0024】乗算器34は、同一発熱素子の摩擦係数デ
ータμ1 〜μn と押圧力データP1〜Pn とを乗じて各
発熱素子141 〜14n 毎に摩擦力f1 〜fn を算出す
る。この摩擦力データf1 〜fn は積分器35に送られ
る。
【0025】積分器35は各発熱素子141 〜14n
の摩擦力f1 〜fn を積分して、1ライン記録時のサー
マルヘッド14全体の摩擦力Fを求める。この全摩擦力
データFは第2LUT33に送られる。
【0026】第2LUT33には、図5に示すような摩
擦力Fと加熱開始信号のずらし時間(ずらし量)tとの
関係を示すテーブルデータが書き込まれている。このテ
ーブルデータは、摩擦力Fが大きくなるほどずらし時間
tが大きくなる関係になっている。テーブルデータは予
め記録材料の種別毎に設定されており、これがシステム
コントローラ24の不揮発RAM24aに記憶されてい
る。したがって、この第2LUT33は、積分器35か
らの1ライン記録時のサーマルヘッド全体の摩擦力Fか
ら加熱開始信号のずらし時間tをタイマー36に出力す
る。
【0027】タイマー36は、ずらし時間tに基づき加
熱指令信号を遅延させ、この遅延した加熱指令信号をヘ
ッド駆動部12に送る。したがって、図6に示すよう
に、1ラインを記録するときのサーマルヘッド14と記
録材料15との間の摩擦力に基づきシステムコントロー
ラ24からの加熱開始基準信号が図中点線で示すように
ずらし時間tc1,tc2でずらされるため、摩擦係数
の変動に伴い記録材料の送り量変動に対応してドットの
記録開始位置がずらされる。したがって、ドットの記録
開始位置が所期の記録開始位置R1,R2に補正される
ため、色ずれや濃度むらの発生が抑えられる。
【0028】次に発熱データに基づく各発熱素子141
〜14n の熱エネルギの予測について説明する。図7
は、蓄熱補正部11の一例を示すものである。蓄熱補正
部11は、補正回路40と、各発熱素子13aに対する
蓄熱補正データを求めるために、サーマルヘッド14の
グレーズ層18,セラミック基板17,アルミ板16、
放熱板21に対応させて4段に設けられた第1演算回路
41〜第4演算回路44とから構成されている。
【0029】第1演算回路41は、グレーズ層18に蓄
積され熱による各発熱素子141 〜14n の影響を考慮
したプリントの蓄熱補正データ(以下の説明では、便宜
上第1蓄熱補正データという)を算出する。第1演算回
路41内のレジスタ45aには、第M回のプリント開始
時点では、第M−1回のプリント終了時点までの各発熱
素子141 〜14n の発熱によってグレーズ層18の各
発熱素子141 〜14 n に対応する部分毎の蓄熱状態を
示す第1蓄熱データが1ライン分書き込まれている。こ
のレジスタ45aに記憶された1ライン分の第1蓄熱デ
ータは順番に読み出され、乗算器46aと乗算器47a
とに送られる。一方の乗算器46aは、順番に入力され
た各第1蓄熱データに係数「1─K2」を乗算し、グレ
ーズ層18の蓄熱のうちの各発熱素子141 〜14n
伝わってプリントに影響する熱量を示す第1蓄熱補正デ
ータとし、これを補正回路40の減算器40aに送る。
【0030】減算器40aには、今回プリントされる1
ライン分の発熱データが順番に入力されており、発熱デ
ータから第1蓄熱補正データが対応するデータ同士で減
算され、この減算処理が施された各発熱データは、感熱
記録材料15に与えられずグレーズ層18に蓄えられる
蓄熱分を補うために、乗算器40bでそれぞれ係数「K
0(=1/(1−K1))」が乗算される。このように
して、補正回路40で蓄熱補正された1ライン分の発熱
データは、ヘッド駆動部12に送られるとともに、乗算
器48aで係数「K1」が乗算されて、グレーズ層18
に蓄えられる蓄熱を示すデータに変換された後に、加算
器49aに送られる。
【0031】他方の乗算器47aは、順番に入力された
各第1蓄熱データに係数「K2」を乗算して、グレーズ
層18の蓄熱のうちの発熱素子141 〜14n に伝わら
ない熱量を示すデータに変換する。この変換されたデー
タは、乗算器50aと第2演算回路42とに送られる。
乗算器50aは、乗算器47aからの各データに係数
「1−K3」をさらに乗算することにより、グレーズ層
18に蓄えられた熱量のうちで、グレーズ層18に残る
熱量を示すデータに変換して、このデータを加算器49
aに送る。
【0032】加算器49aでは、蓄熱補正がされた発熱
データに係数「K1」を乗算したデータと、係数「K
2」,「1−K3」が乗算された第1蓄熱データと、後
述する第2演算回路42からのセラミック基板17から
グレーズ層18に伝わる熱量を示す第2蓄熱補正データ
とが、それぞれ対応するデータ同士で加算される。この
加算されたデータは、フィルタ51aに送られる。この
フィルタ51aは、後述するフィルタリング演算を行っ
て各発熱素子141 〜14n に対応するグレーズ層18
の各部分の蓄熱に、隣接するグレーズ層18の部分の蓄
熱を考慮して補正したデータをレジスタ45aに送る。
これにより、次回のプリントに対するグレーズ層18の
蓄熱状態を示す1ライン分の第1蓄熱データがレジスタ
45aに書き込まれる。
【0033】次回(第M+1回目)のプリントでは、今
回(第M回目)のプリント終了時点で得られた第1蓄熱
データがレジスタ45aから読み出されて乗算器46
a,47aに送られ、乗算器46aに入力された各第1
蓄熱データは、係数「1−K2」が乗算され、第1蓄熱
補正データとして減算器40aに送られる。また、乗算
器47aに入力された各第1蓄熱データは、係数「K
2」が乗算された後に、乗算器50aと第2演算回路4
2とに送られる。以下、同様にして、レジスタ45aの
第1蓄熱データがプリント毎に書き換えられる。
【0034】フィルタ51aの構成を示す図8におい
て、第M回目のプリント時に加算器49aから出力され
たデータ(以下、加算データという)は、シフトレジス
タ52に送られる。このシフトレジスタ52は、カスケ
ード接続された4個のラッチ回路53〜56からなり、
クロックで加算データを1個ずつシフトさせる。ラッチ
回路53の入力端子(加算器49aの出力端子)と出力
端子から取り出した2個の加算データは、乗算器57,
58にそれぞれ送られる。また、ラッチ回路56の入力
端子(ラッチ回路55の出力端子)と出力端子から取り
出した加算データは、乗算器60,61にそれぞれ送ら
れる。さらに、ラッチ回路54の出力端子から取り出さ
れた加算データは、乗算器59に送られる。
【0035】各乗算器57,61は、入力された加算デ
ータに係数「A2」を乗算し、乗算器59は、入力され
た加算データに係数「A0」を乗算し、各乗算器58,
60は、入力された加算データに係数「A1」を乗算す
る。各係数が乗算された各加算データは加算器62に送
られて加算され、この加算結果がレジスタ45aに送ら
れる。
【0036】図1に示すように、今回プリントされる1
ライン分の発熱データは、ラインメモリ10の端から順
番に読み出される。そして、補正回路40で蓄熱補正さ
れてから乗算器48aで係数「K1」が乗算されてか
ら、係数「K2」,「1−K3」を乗じた第1蓄熱デー
タと、第2蓄熱補正データが加算器49aで加算され、
加算データとしてフィルタ51aに送られる。この端か
ら1番目の発熱データに対応する第1番目の加算データ
は、クロックによってラッチ回路53にラッチされる。
次に端から2番目の発熱データに対応する第2番目の加
算データがシフトレジスタ52に入力される。この状態
でクロックが入力されると、ラッチ回路54に第1番目
の加算データがラッチされ、ラッチ回路53に第2番目
の加算データがラッチされる。
【0037】2個の加算データがシフトレジスタ52に
ラッチされ、そして第3番目の加算データがシフトレジ
スタ52に入力されている状態でフィルタリング処理が
開始される。第1番の加算データは、乗算器59で係数
「A0」が乗算されてから加算器52に送られ、第2番
目の加算データは、乗算器58で係数「A1」が乗算さ
れてから加算器62に送られる。また、第3番目の加算
データは、乗算器57で係数「A3」が乗算されてから
加算器62に送られる。そして、この加算器62で3個
の加算データを加算する。
【0038】このように、第1番目の加算データをその
まま第1蓄熱データとして用いずに、第1番目の加算デ
ータと片側にある2個の発熱素子の加算データと係数倍
して加算するから注目する第1番目の加算データに対応
する発熱素子14aのグレーズ層18の部分の蓄熱の他
に、その周囲にグレーズ層18の蓄熱を考慮した第1番
目の第1蓄熱データが作成される。なお、各乗算器57
〜61で乗算される係数「A0」,「A1」の総和(A
0+2・A1+2・A2)が値「1」となるようにされ
ている。
【0039】第4番目の加算データがシフトレジスタ5
2に入力されているときには、第1番目の加算データが
ラッチ回路55にラッチされ、第2番目の加算データ
は、ラッチ回路54にラッチされ、第3番目の加算デー
タは、ラッチ回路53にラッチされた状態となる。そし
て、第2番目の加算データには係数「A0」が、第1番
目と第3番目の各加算データには係数「A1」が乗算さ
れ、第4番目の加算データには係数「A2」が乗算され
て、これらが加算される。したがって、第2番目の加算
データは、片側に位置する第1番目の加算データと、別
の片側に位置する第2番目と第3番目の加算データとに
応じて補正される。
【0040】第5番目の加算データがシフトレジスタ5
2に入力されている時には、第1番目の加算データがラ
ッチ回路56にラッチされ、第2番目の加算データがラ
ッチ回路55にラッチされる。更に、第3番目の加算デ
ータがラッチ回路54にラッチされ、第4番目の加算デ
ータがラッチ回路53にラッチされる。
【0041】ラッチ回路54にラッチされた第3番目の
加算データは、係数「A0」が乗算されてから加算器6
2に送られる。そして、第1番目と第5番目の加算デー
タには係数「A2」が乗算されてから加算器62に送ら
れ、第2番目と第4番目の加算データには係数「A1」
が乗算されてから加算器62に送られる。したがって、
第3番目の加算データは、左右にそれぞれ位置する2個
の加算データによって補正される。
【0042】同様に、第4番目以降の加算データも左右
2個の加算データを用いてフイルタリング演算が行われ
る。なお、最後の加算データがラッチ回路54でラッチ
した状態でフイルタリング演算をすると、1ライン分の
フイルタリング演算が終了し、このフィルタリング処理
で得られた1ライン分の今回(第M回目)のプリントま
での第1蓄熱データがレジスタ45aに記憶された状態
となる。なお、実際には、1ライン分の発熱データの両
端のそれぞれに、「0」の2個のダミーデータが付加さ
れるとともに、フィルタリング処理は最初の発熱データ
が読み出された時から開始されるようにされている。そ
して、このこのダミーデータにより、左右にそれぞれ位
置する加算データが2個に満たない場合にでも正しくフ
ィルタリング処理が行われるようになっている。もちろ
ん、ダミーデータは、プリント時には無視される。
【0043】図7に示すように、第2段目〜第4段目の
第2〜第4演算回路42〜44については、第1演算回
路41と同様な構成となっており、第2演算回路42
は、レジスタ45b,乗算器46b〜48b,50b、
加算器49b、フィルタ51bから構成されている。ま
た、第3演算回路43は、レジスタ45c,乗算器46
c〜48c,50c、加算器49c、フィルタ51cか
ら、第4演算回路44は、レジスタ45d,乗算器46
d〜48d,50d、加算器49d、フィルタ51dか
ら構成されている。
【0044】第2演算回路42のレジスタ45bには、
第M回目のプリント開始時点では、第M−2回目のプリ
ント終了時点までの各発熱素子14aの発熱によってセ
ラミック基板17に蓄えられた各発熱素子14aに対応
する部分毎の蓄熱状態を示す各第2蓄熱データが書き込
まれている。この第2演算回路42は、第M回目のプリ
ント時に、この第2蓄熱データを基にして、セラミック
基板17からグレーズ層18に伝わる熱量を示す第2蓄
熱補正データを求めて、これを第1演算回路41に送
る。また、第2蓄熱データを基にして、セラミック基板
17からアルミ板16に伝わる熱量を示すデータを求め
て、これを第3演算回路43に送る。さらに、レジスタ
45bの内容は、第1演算回路41と同様にして、第M
回のプリント時に第M−1回目のプリント終了時点まで
の各発熱素子14aの発熱によってセラミック基板17
に蓄えられた各発熱素子14a毎の蓄熱状態を示す1ラ
イン分の第2蓄熱データに書き換えられる。
【0045】第3演算回路43のレジスタ45cには、
第M回目のプリント開始時点では、第M−3回目のプリ
ント終了時点までの各発熱素子14aの発熱によってア
ルミ板16に蓄えられた各発熱素子14aに対応する部
分毎の蓄熱状態を示す各第3蓄熱データが書き込まれて
いる。この第3演算回路43は、第M回目のプリント時
に、この第3蓄熱データを基にして、アルミ板16から
セラミック基板17に伝わる熱量を示す第3蓄熱補正デ
ータを求めて、これを第2演算回路42に送る。また、
第3蓄熱データを基にして、アルミ板16から放熱板2
1に伝わる熱量を示すデータを求めて、これを第4演算
回路44に送る。さらに、レジスタ45cの内容は、第
M回のプリント時に第M−2回目のプリント終了時点ま
での各発熱素子14aの発熱によってアルミ板16に蓄
えられた各発熱素子14a毎の蓄熱状態を示す1ライン
分の第3蓄熱データに書き換えられる。
【0046】第4演算回路44のレジスタ45dには、
第M回目のプリント開始時点では、第M−4回目のプリ
ント終了時点までの各発熱素子14aの発熱によって放
熱板21に蓄えられた各発熱素子14aに対応する部分
毎の蓄熱状態を示す各第4蓄熱データが書き込まれてい
る。この第4演算回路44は、第M回目のプリント時
に、この第4蓄熱データを基にして、放熱板21からア
ルミ基板16に伝わる熱量を示す第4蓄熱補正データを
求めて、これを第3演算回路43に送る。さらに、レジ
スタ45dの内容は、第M回のプリント時に、第M−3
回目のプリント終了時点までの各発熱素子14aの発熱
によって放熱板21に蓄えられた各発熱素子14a毎の
蓄熱状態を示す1ライン分の第4蓄熱データに書き換え
られる。
【0047】なお、第2演算回路42の各乗算器46b
〜48b,50bには、それぞれ係数「1−K4」,
「K4」,「K3」,「1−K5」が設定されている。
また第3演算回路43の各乗算器46c〜48c,50
cには、それぞれ係数「1−K6」,「K6」,「K
5」,「1−K7」が設定され、第4演算回路44の各
乗算器46d〜48d,50dには、それぞれ係数「1
−K8」,「K8」,「K7」,「1−K9」が設定さ
れている。
【0048】係数「K1」,「1/(1−K1)」の値
K1は、サーマルヘッド14の形状,感熱記録材料15
の材質,発熱素子14aからグレーズ層18への熱の伝
わりやすさ等に応じて決められている。係数「K2」,
「1−K2」の値K2は、グレーズ層18の材質等に応
じて決められ、係数「K3」,「1−K3」の値K3
は、グレーズ層18からセラミック基板17への熱の伝
わりやすさ等に応じて決められている。以下同様に、各
乗算器の係数中の値K4〜K9は、それぞれ対応するセ
ラミック基板17,アルミ板16,放熱板21の材質や
それぞれ間での熱の伝わりやすさ等から決められてい
る。例えば、係数K1は、発熱素子14aからの熱がグ
レーズ層18に蓄熱されやすいほど「1」に近い数値と
なる。また、グレーズ層18からの熱が発熱素子14a
に伝わりにくくグレーズ層18に残る熱量またはセラミ
ック基板17に伝わる熱量が多いほど、係数「1−K
2」が「0」に近い数値となり、係数K2が「1」に近
い数値になる。さらに、グレーズ層18からの熱がセラ
ミック基板17に伝わりやすくグレーズ層18に残る熱
量が少ないほど、係数「K3」が「1」に近い数値とな
り、係数「1−K3」が「0」に近い数値になる。
【0049】また、値K1〜K9は、感熱記録材料15
としてカラー感熱記録材料を用いてカラー画像を記録す
る場合には、記録する色によって発色させるための熱エ
ネルギーが異なるため、記録する色毎にその値も異な
る。例えば、イエローを記録する場合には、1−K1=
0.85(K1=0.15),1−K2=0.09(K
2=0.91),1−K3=0.37(K3=0.6
3),1−K4=0.02(K4=0.98)となる。
また、マゼンタを記録する場合には、1−K1=0.8
1(K1=0.19),1−K2=0.09(K2=
0.91),1−K3=0.41(K3=0.59),
1−K4=0.015(K4=0.985)となり、シ
アンを記録する場合には、1−K1=0.73(K1=
0.27),1−K2=0.13(K2=0.87),
1−K3=0.49(K3=0.51),1−K4=
0.0168(K4=0.9832)となる。なお、K
0=1/(1−K1)としているが、これは独自に求め
てもよい。
【0050】次に上記構成の作用について説明する。例
えば第M回目のプリントで第Mラインのプリントを行う
時点では、第1演算回路41のレジスタ45aには、第
M−1回目のプリントを終了した時点までの各発熱素子
14aの発熱にともなうグレーズ層18の蓄熱状態を示
す第1蓄熱データが記憶された状態にある。また、第2
演算回路41のレジスタ45bには、第M−2回目のプ
リントを終了した時点までの各発熱素子14aの発熱に
ともなうセラミック基板17の蓄熱状態を示す第2蓄熱
データが記憶された状態にある。さらに、第3演算回路
43のレジスタ30cには、第M−3回目のプリントを
終了した時点までの各発熱素子14aの発熱にともなう
アルミ板16の蓄熱状態を示す第3蓄熱データが記憶さ
れ、第4演算回路44のレジスタ30dには、第M−4
回目のプリントを終了した時点までの各発熱素子14a
の発熱にともなう放熱板21の蓄熱状態を示す第4蓄熱
データが記憶された状態にある。
【0051】今回プリントしようとする第Mラインの各
発熱データがラインメモリ10から読み出されて補正回
路40に送られる。また、各第1蓄熱データが第1演算
回路41のレジスタ45aから読み出され、乗算器46
aで係数「1−K2」が乗算され、グレーズ層18から
各発熱素子14aに伝わる熱量を示す各第1蓄熱補正デ
ータに変換される。そして、減算器40aで第Mライン
の各発熱データは、各第1蓄熱データとそれぞれ対応す
るデータ同士で減算され、この減算された各発熱データ
は、各発熱データに基づいて各発熱素子14aが発熱し
た際に、その発熱による熱のほとんどは感熱記録材料1
5に与えられるが、一部がグレーズ層18に蓄えられて
蓄熱されるので、この蓄熱分を補うために乗算器40b
でそれぞれ係数「1/(1−K1)」が乗算される。こ
のようにして、蓄熱補正された第Mラインの各発熱デー
タは、ヘッド駆動部12に送られ、これらの発熱データ
に基づいて各発熱素子14aが駆動されて発熱する。
【0052】また、補正回路40で蓄熱補正された第M
ラインの各発熱データは、第M+1ラインのプリントす
る際の第1蓄熱補正データの基になる第1蓄熱データを
作成するために、乗算器48aで係数「K1」を乗算さ
れて、この第Mラインのプリントで各発熱素子48aが
発熱した際のグレーズ層18に蓄えられる熱量を示すデ
ータとして第1演算回路41の加算器49aに送られ
る。
【0053】一方、レジスタ45aから読み出されて乗
算器47aに送られた各第1蓄熱データは、この乗算器
47aで係数「K2」が乗算されて、第M−1回までの
プリントによってグレーズ層18に蓄えられた蓄熱のう
ちの発熱素子14aに伝わらない熱量を示すデータに変
換されて、乗算器50aと第2演算回路42の乗算器4
8aとに送られる。そして、この乗算器48aで、乗算
器47aからの各データに、さらに係数「1−K3」を
乗算することにより、第1蓄熱データをグレーズ層18
に残る熱量を示すデータに変換して、加算器49aに送
る。また、乗算器47aからの各データは、第2演算回
路42の乗算器48bで係数「K3」を乗算されること
により、グレーズ層18からセラミック基板17に伝わ
る熱量を示すデータに変換される。
【0054】第2演算回路42では、この第Mラインの
プリント時に、第1蓄熱データの読み出しと同期して、
レジスタ45bから第M−2回までの各発熱素子14a
の発熱によるセラミック基板17の蓄熱状態を示す第2
蓄熱データが順番に読み出される。各第2蓄熱データ
は、第1演算回路41で第(M+1)ラインのプリント
時に用いる第1蓄熱データを作成するために乗算器46
bに送られて、係数「1−K4」が乗算される。これに
より、第2蓄熱データは、セラミック基板17からグレ
ーズ層18に伝わる熱量を示す第2蓄熱補正データとし
て、第1演算回路41の加算器49aに送られる。ま
た、各第2蓄熱データは、乗算器47bで係数「K4」
を乗じることにより、セラミック基板17からグレーズ
層18に伝わらない熱量を示すデータに変換されて、乗
算器50bと3段目の第3演算回路43とに送られる。
【0055】同様にして、第3演算回路43は、第M回
目のプリント開始時にレジスタ45cに記憶されている
第3蓄熱データに係数「1−K6」を乗算することによ
り、アルミ板16からセラミック基板17に伝わる熱量
を示す第3蓄熱補正データを作成し、これを第2演算回
路42に送る。また、第4演算回路44は、第M回目の
プリント開始時にレジスタ45dに記憶されている第4
蓄熱データに係数「1−K8」を乗算することにより、
放熱板21からアルミ板16に伝わる熱量を示す第4蓄
熱補正データを作成し、これを第3演算回路43に送
る。
【0056】これにより、第1演算回路41の加算器4
9aには、乗算器48aからの第Mラインのプリントに
よるグレーズ層18に蓄熱される熱量を示す1ライン分
のデータと、第M−1回目までのプリントによるグレー
ズ層18の蓄熱のうちの第M回のプリント時にグレーズ
層18に残る熱量を示す1ライン分のデータと、第2演
算回路42からの第M−2回までのプリントによるセラ
ミック基板17の蓄熱のうちの第M回のプリント時にグ
レーズ層18に伝わる熱量を示す1ライン分の第2蓄熱
補正データとが入力される。これらの1ライン分の各デ
ータは、加算器49aでそれぞれ対応するデータ同士が
加算され、この加算によって得られた加算データがフィ
ルタ51aに送られる。
【0057】そして、この加算データは、フイルタ51
aで、上述のようにしてフィルタリング演算が行われ、
グレーズ層18の各部分毎に隣接する部分の蓄熱を考慮
して補正した第1蓄熱データをレジスタ45aに送る。
これにより、レジスタ45aの内容は、第M回のプリン
トが終了した時点で、第M回目までのプリントに対する
グレーズ層18の蓄熱状態を示す1ライン分の第1蓄熱
データに書き換えられる。
【0058】また、第2演算回路42の加算器49bに
は、第M−1回目までのプリントによってグレーズ層1
8に蓄熱された熱量のうちセラミック基板17に伝わる
熱量を示す1ライン分のデータと、第M−2回目までの
プリントによるセラミック基板17の蓄熱のうちの第M
回のプリント時にセラミック基板17に残る熱量を示す
1ライン分のデータと、第3演算回路43からの第M−
2回までのプリントによるアルミ板16の蓄熱のうちの
第M回のプリント時にセラミック基板17に伝わる熱量
を示す1ライン分の第3蓄熱補正データとが入力され
る。
【0059】これらの1ライン分の各データは、加算器
49bでそれぞれ対応するデータ同士が加算され、この
加算によって得られた加算データがフィルタ51bに送
られる。そして、この加算データは、フイルタ51b
で、セラミック基板17の部分毎に隣接する部分の蓄熱
を考慮して補正した第2蓄熱データをレジスタ45bに
送る。これにより、レジスタ45bの内容は、第M回の
プリントが終了した時点で、第M−1回目までのプリン
トによるセラミック基板17の蓄熱状態を示す1ライン
分の第2蓄熱データに書き換えられる。
【0060】同様にして、第3演算回路43のレジスタ
45cの内容は、第M回目のプリント終了した時点で、
アルミ板16に残った熱量、セラミック基板17及び放
熱板21から伝わった熱量、隣接する部分のアルミ基板
16の蓄熱を考慮したアルミ板16の蓄熱状態を示す第
M−2回目までのプリントによる第3蓄熱データに書き
換えられる。また、第4演算回路44のレジスタ45d
の内容は、第M回目のプリント終了した時点で、放熱板
21に残った熱量、アルミ板16及から伝わった熱量、
隣接する部分の放熱板21の蓄熱を考慮した放熱板21
の蓄熱状態を示す第M−2回目までのプリントによる第
4蓄熱データに書き換えられる。
【0061】次回の第M+1回目のプリント時には、上
記のようにして得られた第1蓄熱データを基にして、1
ライン分の第1蓄熱補正データを作成し、これを補正回
路40に送って、発熱データを補正する。また、第1〜
第4蓄熱データも上記同様な手順で新たなものが作成さ
れて各レジスタ45a〜45dに書きこまれる。
【0062】上記のようにして、過去の各発熱素子14
aの発熱に基づいて発熱素子14a及び、その下層に配
されたグレーズ層18,セラミック基板17,アルミ板
16,放熱板21の蓄熱状態と、これらの間の相互の熱
の移動を考慮して、蓄熱補正データ(第1蓄熱補正デー
タ)を作成しているから、各発熱素子14aの蓄熱状態
を正確に予測することが可能となり、良好な蓄熱補正を
行うことができる。また、グレーズ層18,セラミック
基板17,アルミ板16,放熱板21の各蓄熱状態を求
める際に、各演算回路41〜44のフィルタ51a〜5
1dでフィルタリング演算を行うので、注目の発熱素子
14aに対応するグレーズ層18,セラミック基板1
7,アルミ板16,放熱板21の部分の蓄熱の他に、こ
れらの周囲の発熱素子14aに対応する部分の蓄熱状態
を考慮することができる。また、このようにして蓄熱補
正した発熱データを各発熱素子の熱エネルギデータとし
て用いているため、各発熱素子の表面温度を精度よく予
測することができる。
【0063】蓄熱開始時期補正部13は、このようにし
て得られた熱エネルギデータに基づき各発熱素子141
〜14n 毎の摩擦係数を第1LUT32で求め、これを
乗算器34で各発熱素子141 〜14n の押圧力データ
と乗算することによって各発熱素子141 〜14n にお
ける記録材料15との摩擦力を求める。そして、この摩
擦力を積分器35で積分して、1ライン記録時のサーマ
ルヘッド14全体の摩擦力を求める。第2LUT33で
はこの摩擦力から発熱開始位置のずらし時間tを求め、
このずらし時間tに基づき発熱開始基準信号をずらし
て、これを発熱開始信号としてヘッド駆動部12に送
る。ヘッド駆動部12は、蓄熱補正された発熱データに
基づき、発熱開始信号による発熱開始タイミングで各発
熱素子141〜14n を駆動して、1ラインずつ記録材
料15に熱記録する。
【0064】なお、上記実施形態では、各発熱素子14
1 〜14n 毎に押圧力データを記憶しておき、各発熱素
子141 〜14n 毎に摩擦力を求めたが、この他に、ヘ
ッド押圧力レジスタ31と乗算器34とは省略して、押
圧力データを一律にして発熱開始基準信号に対するずれ
量を求めてもよい。この場合には、第1LUT32で熱
エネルギデータから各発熱素子141 〜14n 毎の摩擦
力を求める。そして、積分器35でこれら摩擦力を積分
して1ライン記録時のサーマルヘッド全体の摩擦力を求
める。第2LUT33では、サーマルヘッド14の押圧
力と摩擦力とを乗じたものから送り量の変動量を求め、
更にこの送り量の変動量から発熱開始基準信号に対する
ずらし時間tを求める。
【0065】上記実施形態では、第Mラインのプリント
の際の発熱素子熱エネルギを予測し、この予測した熱エ
ネルギに基づき記録材料15とサーマルヘッド14との
間の摩擦係数を求めたが、この他に、第M−1ラインの
摩擦係数μM-1 と第Mラインの摩擦係数μM との変動量
Δμ(=μM −μM-1 )を求め、この変動量Δμに基づ
き発熱開始基準信号に対するずらし時間tを求めてもよ
い。この場合には、摩擦係数の変動量Δμと発熱開始基
準信号に対するずらし時間tとの関係を予め求めてお
き、これをLUTに書き込んでおく。
【0066】また、上記実施形態では、蓄熱補正された
発熱素子データを各発熱素子の熱エネルギデータとした
が、この他に、第1演算回路41のレジスタ45aから
の出力(グレース層蓄熱データ)を、発熱素子熱エネル
ギデータとして用いて、発熱開始時期の補正を行っても
よい。
【0067】また、上記実施形態では、LUT32,3
3を用いて予測した発熱素子熱エネルギから発熱開始信
号のずらし時間tを求めるようにしたが、この他に演算
式を用いて演算により発熱素子の予測熱エネルギから発
熱開始信号のずらし時間tを求めてもよい。
【0068】蓄熱補正部11は、上記実施形態のものの
他に、以下に説明するような構成としても、上記実施形
態と同様な効果を得ることができる。なお、以下に説明
する以外の部分については、上記実施形態と同様であ
り、同じものには同一符号を付してある。
【0069】図9に示す蓄熱補正部64の回路は、グレ
ーズ層18,セラミック基板17,アルミ板16,放熱
板21の各部分の蓄熱の一部が直接に各発熱素子14a
に影響するものとして、各演算回路65a〜65d内の
加算器66a〜66dによる演算処理を簡単にしたもの
である。この回路では、各演算回路65a〜65dで作
成された第1〜第4蓄熱補正データは、直接に補正回路
40の減算器67に入力され、これらが発熱データの対
応するデータから減算処理される。
【0070】図10に示す蓄熱補正部69の回路は、各
演算回路70a〜70dで、フィルタリング演算を行わ
ずにフィルタ部71のフィルタ72で各発熱素子14a
に対応するグレーズ層18の部分の蓄熱に対してフィル
タリング演算を行うようにしたものである。この例で
は、各演算回路70a〜70dによってグレーズ層1
8,セラミック基板17,アルミ板16,放熱板21の
各蓄熱状態を示す第1〜第4蓄熱データを作成するとと
もに、グレーズ層18については、フィルタ72によっ
て、グレーズ層18の蓄熱状態に対するフィルタリング
演算を行い、グレーズ層18の各発熱素子14aに対応
する部分毎に、それぞれ周囲の部分の蓄熱状態を考慮し
て補正する1ライン分の補正データをレジスタ73に書
き込む。そして、この補正データは、次回のプリントで
各演算回路70a〜70dからの第1〜第4蓄熱補正デ
ータとともに、減算器75に送られる。これにより、各
発熱データは、第1〜第4蓄熱補正データで補正される
とともに、グレーズ層18の隣接する部分の蓄熱状態の
影響が補正される。なお、第3,第4演算回路70c,
70dの構成は、第2演算回路70bと同様である。
【0071】上記各実施形態では、補正回路40で補正
済の発熱データを第1演算回路41,65a,70aに
送るようにしているが、例えば図11に示すように、補
正前の発熱データを第1演算回路70aに送るようにし
てもよい。更には、図示は省略したが、図1、図9のも
のにおいて、補正前の発熱データを第1演算回路70a
に送るようにしてもよい。また、補正回路40中の乗算
器は省略してもよい。
【0072】上記各実施形態は感熱記録であるが、本発
明はインクフイルムを使用した熱転写記録にも同様に適
用することができ、ラインプリンタの他に、サーマルヘ
ッドが移動するシリアルプリンタにも利用することがで
きる。また、上記各実施形態では、4個の蓄熱層に対応
させて4段の演算回路を設けているが、蓄熱層の個数に
応じて演算回路を増減してもよい。さらに、本発明は、
CPUで蓄熱補正演算及び発熱開始時期補正を行うこと
ができる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、第Mラインのプリント
に際して、プリントしようとする第Mラインの各発熱デ
ータに基づき駆動される各発熱素子の熱エネルギを予測
し、発熱素子の熱エネルギ変動に基づく記録材料の濃度
変動を抑えるように、前記予測した熱エネルギから前記
発熱開始信号のずらし量を求め、このずらし量に基づき
第Mラインのプリントに際して発熱開始時期をずらすよ
うにしたから、原画の濃度が急変する部分をプリントす
る際に、発熱素子の熱エネルギの変化による記録材料と
サーマルヘッドとの間の摩擦係数の変動に起因する送り
むらを補正することができる。したがって、色むらや濃
度むらの発生を抑えることができる。しかも、発熱開始
信号のずらし量を発熱データに基づき求めたから、従来
のように、記録材料の送り速度を検出する装置を不要と
して構成を簡単にすることができる。更に、ソフトウェ
ア処理が可能になるので、低コスト化が図れる他に、既
存の装置に対しても容易に実施することができる。
【0074】予測した各発熱素子の熱エネルギから、第
Mラインのプリントに際しての記録材料とサーマルヘッ
ドとの間の摩擦力を求め、この摩擦力から発熱開始信号
のずらし量を求めることにより、熱エネルギ変動に起因
する摩擦係数の変動を考慮して発熱素子の駆動開始位置
をずらすことができ、発熱素子の熱エネルギ変動に基づ
く濃度むらを精度良く補正することができる。更に、サ
ーマルヘッドの押圧分布データを求めておき、この押圧
分布データと予測した各発熱素子の熱エネルギとから1
ライン記録中の摩擦力を求めることにより、より一層精
度よく濃度むらを補正することができる。
【0075】発熱データとサーマルヘッドの蓄熱層によ
る蓄熱補正データとに基づき、発熱素子の熱エネルギを
予測するから、蓄熱を考慮した精度のよい熱エネルギ予
測が可能になる。特に、プリントしようとする第Mライ
ンの各発熱データから第Mラインの各第1蓄熱補正デー
タを対応するデータ同士で減算して各発熱データを補正
するとともに、この補正前又は補正後の第Mラインの各
発熱データと第1蓄熱層の蓄熱状態を示す各第1蓄熱デ
ータと第2蓄熱層の蓄熱状態を示す各第2蓄熱データと
のそれぞれに所定の係数を乗算して対応するデータ同士
で加算することにより、第Mラインのプリント後の第1
蓄熱層の蓄熱状態を示す新たな第1蓄熱データを求め、
そして、この新たな第1蓄熱データに所定の係数を乗算
したものを第M+1ラインの第1蓄熱補正データとす
る。また第Mラインのプリントに際して、第2〜第N蓄
熱層について第J(Jは2〜N)蓄熱層の第J蓄熱デー
タとその上層の第(J−1)蓄熱層の第(J−1)蓄熱
データと下層の第(J+1)蓄熱層の第(J+1)蓄熱
データとのそれぞれに所定の係数を乗算してから対応す
るデータ同士で加算することにより新たな第J蓄熱層の
第J蓄熱データを求め、この新たな第J蓄熱データに所
定の係数を乗算したものを第M+1ラインのプリントに
際しての第J蓄熱補正データとするようにしたから、各
蓄熱層の蓄熱状態を考慮した補正を行うことができ、良
好な画像を記録することができる他に、発熱素子の熱エ
ネルギを精度良く予測することができる。
【0076】また、第1の蓄熱補正データとともに、第
2〜第Nの蓄熱補正データも発熱データから減算するよ
うにしても各蓄熱層の蓄熱状態を考慮した補正を行うこ
とができ、発熱素子の熱エネルギを精度良く予測するこ
とができる。さらに、各蓄熱層のそれぞれの蓄熱デー
タ、あるいは第1蓄熱層の第1蓄熱データを作成する際
に、フィルタリング演算をすることにより、隣接する発
熱素子相互による蓄熱の影響も考慮することができ、よ
り一層精度良く発熱素子の熱エネルギを予測することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱プリンタの要部を示すブロック図
である。
【図2】(A)はサーマルヘッドの平面図であり、
(B)は蓄熱層を説明するためにサーマルヘッドを拡大
して示す(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図3】発熱素子の熱エネルギと摩擦係数との関係を示
すグラフである。
【図4】サーマルヘッドの押圧力の分布を示すグラフで
ある。
【図5】摩擦力と発熱開始信号のずらし量との関係を示
すグラフである。
【図6】発熱開始信号のずらし量を説明するためのグラ
フである。
【図7】蓄熱補正回路の一例を示すブロック図である。
【図8】フィルタの一例を示すブロック図である。
【図9】各蓄熱層に対応した蓄熱補正データを発熱デー
タから減算する例の蓄熱補正部を示すブロック図であ
る。
【図10】フィルタを1個にした例の蓄熱補正部を示す
ブロック図である。
【図11】蓄熱補正前の発熱データから第1蓄熱データ
を求める例の蓄熱補正部を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 蓄熱補正部 12 ヘッド駆動部 14 サーマルヘッド 14a(141 〜14n ) 発熱素子 15 感熱記録材料 16 アルミ板 17 セラミック基板 18 グレーズ層 21 放熱板 22 送りローラ対 23 パルスモータ 24 システムコントローラ 30 発熱素子熱エネルギレジスタ 31 ヘッド押圧力レジスタ 32,33 LUT(ルックアップテーブルメモリ) 34 乗算器 35 積分器 36 タイマー 40 補正回路 41〜44,65a〜65d,70a〜70d 第1〜
第4演算回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーマルヘッドと記録材料とを相対移動
    させ、この移動に同期させて出力される発熱開始信号に
    より、発熱データに基づきサーマルヘッドの各発熱素子
    を駆動して熱記録を行うサーマルプリント方法におい
    て、 第Mラインのプリントに際して、プリントしようとする
    第Mラインの各発熱データに基づき駆動される各発熱素
    子の熱エネルギを予測し、 発熱素子の熱エネルギ変動に基づく記録材料の濃度変動
    を抑えるように、前記予測した熱エネルギから前記発熱
    開始信号のずらし量を求め、 このずらし量に基づき第Mラインのプリントに際して発
    熱開始時期をずらすことを特徴とするサーマルプリント
    方法。
  2. 【請求項2】 前記予測した各発熱素子の熱エネルギか
    ら、第Mラインのプリントに際しての記録材料とサーマ
    ルヘッドとの間の摩擦力を求め、この摩擦力から前記発
    熱開始信号のずらし量を求めることを特徴とする請求項
    1記載のサーマルプリント方法。
  3. 【請求項3】 サーマルヘッドの押圧分布データを求め
    ておき、この押圧分布データと予測した各発熱素子の熱
    エネルギとから第Mラインをプリントする際の摩擦力を
    求めることを特徴とする請求項2記載のサーマルプリン
    ト方法。
  4. 【請求項4】 前記発熱データとサーマルヘッドの蓄熱
    層による蓄熱補正データとに基づき、前記発熱素子の熱
    エネルギを予測することを特徴とする請求項1ないし3
    いずれか1つ記載のサーマルプリント方法。
  5. 【請求項5】 前記サーマルヘッドは各発熱素子の下層
    に第1〜第N蓄熱層が順番に積層されており、第Mライ
    ンのプリントに際して、プリントしようとする第Mライ
    ンの各発熱データから第Mラインの各第1蓄熱補正デー
    タを対応するデータ同士で減算して各発熱データを補正
    するとともに、この補正前又は補正後の第Mラインの各
    発熱データと第1蓄熱層の蓄熱状態を示す各第1蓄熱デ
    ータと第2蓄熱層の蓄熱状態を示す第2蓄熱データとの
    それぞれに所定の係数を乗算してから対応するデータ同
    士で加算することにより新たな第1蓄熱データを求めて
    記憶し、この記憶した第1蓄熱データに所定の係数を乗
    算したものを第M+1ラインの第1蓄熱補正データと
    し、また第J(Jは2〜N)蓄熱層の蓄熱状態を示す第
    J蓄熱データとその上層の第(J−1)蓄熱層の蓄熱状
    態を示す第(J−1)蓄熱データと下層の第(J+1)
    蓄熱層の蓄熱状態を示す第(J+1)蓄熱データとのそ
    れぞれに所定の係数を乗算してから対応するデータ同士
    で加算することにより新たな第J蓄熱データを各第2〜
    第N蓄熱層についてそれぞれ求め記憶し、この記憶した
    第J蓄熱データに所定の係数を乗算したものを第(M+
    1)ラインのプリントに際しての第J蓄熱補正データと
    し、この補正により得られた発熱データを第Mラインの
    プリントの際の発熱データとするとともに、第Mライン
    のプリントの際の発熱素子の予測熱エネルギとすること
    を特徴とする請求項1ないし4いずれか1つ記載のサー
    マルプリント方法。
  6. 【請求項6】 前記サーマルヘッドは各発熱素子の下層
    に第1〜第N蓄熱層が順番に積層されており、第Mライ
    ンのプリントに際して、プリントしようとする第Mライ
    ンの各発熱データから第Mラインの各第1〜第N蓄熱補
    正データを対応するデータ同士で減算して各発熱データ
    を補正するとともに、この補正前又は補正後の第Mライ
    ンの各発熱データと第1蓄熱層の蓄熱状態を示す各第1
    蓄熱データとのそれぞれに所定の係数を乗算してから対
    応するデータ同士で加算することにより新たな第1蓄熱
    データを求めて記憶し、この記憶した第1蓄熱データに
    所定の係数を乗算したものを第M+1ラインの第1蓄熱
    補正データとし、また第J(Jは2〜N)蓄熱層の蓄熱
    状態を示す第J蓄熱データとその上層の第(J−1)蓄
    熱層の蓄熱状態を示す第(J−1)蓄熱データとのそれ
    ぞれに所定の係数を乗算してから対応するデータ同士で
    加算することにより新たな第J蓄熱データを各第2〜第
    N蓄熱層についてそれぞれ求め記憶し、この記憶した第
    J蓄熱データに所定の係数を乗算したものを第(M+
    1)ラインのプリントに際しての第J蓄熱補正データと
    し、上記補正により得られた発熱データを第Mラインの
    プリントの際の発熱データとするとともに、第Mライン
    のプリントの際の発熱素子の予測熱エネルギとすること
    を特徴とする請求項1ないし4いずれか1つ記載のサー
    マルプリント方法。
  7. 【請求項7】 前記各加算の結果のそれぞれにフィルタ
    リング演算を行い、この各演算結果を第1〜第N蓄熱デ
    ータとすることを特徴とする請求項5又は6記載のサー
    マルプリント方法。
  8. 【請求項8】 サーマルヘッドと記録材料とを相対移動
    させ、この移動に同期させて出力される発熱開始信号に
    より、発熱データに基づきサーマルヘッドの各発熱素子
    を駆動して熱記録を行うサーマルプリンタにおいて、 第Mラインのプリントに際して、前記サーマルヘッドの
    蓄熱層による蓄熱補正データと前記発熱データとに基づ
    き各発熱素子の熱エネルギを予測する手段と、 発熱素子の熱エネルギ変動に基づく記録材料の濃度変動
    を抑えるように、前記予測した熱エネルギと前記発熱開
    始信号のずらし量との関係を記憶した手段と、 前記予測した熱エネルギと発熱開始信号のずらし量との
    関係に基づき、予測した熱エネルギから発熱開始信号の
    ずらし量を求める手段と、 発熱開始信号のずらし量に基づき第Mラインのプリント
    に際して発熱開始時期をずらす手段とを備えたことを特
    徴とするサーマルプリンタ。
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