JPH10146998A - 蓄熱補正方法及び装置 - Google Patents

蓄熱補正方法及び装置

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JPH10146998A
JPH10146998A JP30911496A JP30911496A JPH10146998A JP H10146998 A JPH10146998 A JP H10146998A JP 30911496 A JP30911496 A JP 30911496A JP 30911496 A JP30911496 A JP 30911496A JP H10146998 A JPH10146998 A JP H10146998A
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JP
Japan
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data
heat storage
heat
correction
line
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Application number
JP30911496A
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English (en)
Inventor
Nobuo Katsuma
伸雄 勝間
Hisashi Enomoto
寿 榎本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱素子の下層に配された蓄熱層の蓄熱状態
を考慮して蓄熱補正を正確に行うこと。 【解決手段】 発熱素子の下層には、これの発熱によっ
て蓄熱される蓄熱層となるグレーズ層,セラミック基
板,アルミ板,放熱板が積層されている。第Mラインの
プリントに際して、第1演算回路23aは、この時の発
熱素子の発熱とセラミック基板からグレーズ層に伝わる
熱量とグレーズ層に残る熱量とから、新たなグレーズ層
の蓄熱状態を示す第1蓄熱データを作成し、これに係数
「1−K2」を乗算したものを次ラインの発熱データか
ら減算して蓄熱補正がされる。また、第2〜第4演算回
路23b〜23dは、対応する他の蓄熱層に残る熱量、
上下層から伝わる熱量から新たな蓄熱状態を示す蓄熱デ
ータを作成し、次回のプリントに際して、これに所定の
係数を乗算した蓄熱補正データを上段の演算回路に送
る。各蓄熱データを作成する際には、レジスタ35a〜
35dの各補正係数を対応する蓄熱データに乗算して各
蓄熱層の放熱による蓄熱ムラが考慮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルプリンタ
に用いられ、発熱素子の蓄熱による画質低下を防止する
ための蓄熱補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーマルプリンタには、サーマルヘッド
で感熱記録紙を加熱して直接に発色させる感熱記録方式
と、記録紙に重ねたインクリボンの背後をサーマルヘッ
ドで加熱してインクリボンのインクを記録紙に転写する
熱転写記録方式とがある。このサーマルヘッドは、セラ
ミック製の基板上に多数の発熱素子がライン状に形成さ
れている。
【0003】サーマルプリンタでは、入力画像データに
応じてサーマルヘッドを駆動しただけでは、蓄熱の影響
によってプリントされた画像に濃度ムラが発生したり、
画像の輪郭がボヤけたりして、原画に忠実な画像を再現
することができない。
【0004】各発熱素子から発生した熱エネルギーの多
くは記録のために使われるが、記録に供しないものは、
放熱されたり、発熱素子のグレーズ層に蓄えられたり、
あるいはグレーズ層に蓄えられた熱エネルギーは、この
グレーズ層を支持するセラミック基板に伝達されてこれ
に蓄えられたりする。更には、セラミック基板を支持し
ているアルミ板に伝達されて蓄えられたり、アルミ板に
取り付けられた放熱板に蓄えられたり、この放熱板から
放熱されたりする。また、サーマルヘッドの各部材(以
下、蓄熱層という)に蓄えられた熱エネルギーの一部
は、発熱素子に向かって戻り、次のラインの記録に影響
するものもある。
【0005】このようにして、サーマルヘッドの各蓄熱
層に蓄熱された熱エネルギーの一部が画素の記録に影響
するため、この画素の発色濃度が所期の値よりも高くな
る。したがって、原画上で濃度が高い状態から低い状態
に急に変化している場合でも、ハードコピー上では、濃
度変化がなだらかになるため、画像の輪郭をシャープに
記録することができなくなる。また、この発熱素子の蓄
熱によって、記録の開始では濃度が全体的に低く、記録
が進むにつれて、全体的に濃度が高くなるシェーディン
グと呼ばれる現象が発生する。すなわち、記録が進むこ
とにより、発熱素子の蓄熱が大ききなるため、このシェ
ーディングが発生する。
【0006】このような発熱素子の蓄熱による画質の劣
化を防止するために、従来では、補正すべき注目画素の
周辺にある画素を用い、例えば3×3又は7×7の画素
の発熱データにフイルタリング演算を行って、注目画素
の発熱データを補正している。このフイルタリング演算
は、周知の輪郭強調処理と同じ手法であり、注目画素の
周辺にある各画素に、その位置に応じた係数を乗算して
から加算し、この加算値を補正データとして注目画素の
発熱データに加算している。
【0007】また、各蓄熱層は、その部分毎に放熱量が
異なるため、蓄熱層に蓄熱ムラが生じる。例えば、蓄熱
層の発熱素子が並べられた主走査方向の両端部分に対応
する部分では放熱が大きいが、中央部では放熱が小さい
といった蓄熱ムラが生じる。このような蓄熱ムラが生じ
ると、記録された画像の中央部の濃度が高く、両端部で
は濃度が低いといった濃度ムラが発生する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たフイルタリング演算は、数ライン前からの発熱データ
を考慮して発熱データを補正するものであるが、上述の
ようなグレーズ層の蓄熱やセラミックの基板等の蓄熱層
の蓄熱状態,これらの各蓄熱層の相互間の熱伝導,放熱
までを考慮しておらず、正確な蓄熱の補正することがで
きなかった。さらに、フィルタリング演算では、蓄熱ム
ラを考慮していないため、蓄熱ムラによる濃度ムラの発
生を防止することができなかった。
【0009】本発明は、上記問題点を解消するためにな
されたものであって、サーマルヘッドの蓄熱層の蓄熱状
態及び蓄熱ムラまでを考慮して正確な蓄熱補正を可能と
した蓄熱補正方法及び装置を提供することを目的とする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の蓄熱補正方法では、第Mラインのプ
リントに際して、プリントしようとする第Mラインの各
発熱データから第Mラインの各第1蓄積補正データを対
応するデータ同士で減算して各発熱データを補正すると
ともに、第1蓄熱層の各発熱素子に対応する部分のそれ
ぞれについて設定された所定の各補正係数と第1蓄熱層
の蓄熱状態を示す各第1蓄熱データとを対応するもの同
士で乗算して第1蓄熱層の蓄熱ムラを考慮した各データ
を求め、この各データと第Mラインの各発熱データと第
2蓄熱層の蓄熱状態を示す各第2蓄熱データとのそれぞ
れに所定の係数を乗算してから対応するデータ同士で加
算することにより新たな第1蓄熱データを求めて記憶
し、この記憶した第1蓄熱データに所定の係数を乗算し
たものを第(M+1)ラインの第1蓄熱補正データと
し、また第J(Jは2〜N)蓄熱層の各発熱素子に対応
する部分のそれぞれについて設定された所定の各補正係
数と第J蓄熱層の蓄熱状態を示す各第J蓄熱データとを
対応するもの同士で乗算して第J蓄熱層の蓄熱ムラを考
慮した各データを求め、この各データとその上層の第
(J−1)蓄熱層の蓄熱状態を示す各第(J−1)蓄熱
データと下層の第(J+1)蓄熱層の蓄熱状態を示す各
第(J+1)蓄熱データとのそれぞれに所定の係数を乗
算してから対応するデータ同士で加算することにより新
たな第J蓄熱データを各第2〜第N蓄熱層についてそれ
ぞれ求めて記憶し、この記憶した第J蓄熱データに所定
の係数を乗算したものを第(M+1)ラインのプリント
に際しての第J蓄熱補正データとするようにしたもので
ある。
【0011】請求項2記載の蓄熱補正方法では、第Mラ
インのプリントに際して、プリントしようとする第Mラ
インの各発熱データから第Mラインの各第1〜第N蓄積
補正データを対応するデータ同士で減算して各発熱デー
タを補正するとともに、第1蓄熱層の各発熱素子に対応
する部分のそれぞれについて設定された所定の各補正係
数と第1蓄熱層の蓄熱状態を示す各第1蓄熱データとを
対応するもの同士で乗算して第1蓄熱層の蓄熱ムラを考
慮した各データを求め、この各データと第Mラインの各
発熱データとのそれぞれに所定の係数を乗算してから対
応するデータ同士で加算することにより新たな第1蓄熱
データを求めて記憶し、この記憶した第1蓄熱データに
所定の係数を乗算したものを第(M+1ライン)の第1
蓄熱補正データとし、また第J(Jは2〜N)蓄熱層の
各発熱素子に対応する部分のそれぞれについて設定され
た所定の各補正係数と第J蓄熱層の蓄熱状態を示す各第
J蓄熱データとを対応するもの同士で乗算して第1蓄熱
層の蓄熱ムラを考慮した各データを求め、この各データ
と上層の第(J−1)蓄熱層の蓄熱状態を示す各第(J
−1)蓄熱データとのそれぞれに所定の係数を乗算して
から対応するデータ同士で加算することにより新たな第
J蓄熱データを各第2〜第N蓄熱層についてそれぞれ求
めて記憶し、この記憶した第J蓄熱データを所定の係数
を乗算したものを第(M+1)ラインの第J蓄熱補正デ
ータとするようにしたものである。
【0012】請求項3記載の蓄熱補正方法では、第1〜
第N蓄熱データを求める際に、前記各加算の結果のそれ
ぞれにフィルタリング演算をするようにしたものであ
り、請求項4記載の蓄熱補正方法では、第Mラインの各
発熱データに所定の係数を乗算して第Mラインの各発熱
データから得られる各データにフィルタリング演算を行
い第1蓄熱層の各補正データを求め、これらの各補正デ
ータを第M+1ラインのプリントに際して第(M+1)
ラインの各発熱データから対応するデータ同士で減算す
るようにしたものである。
【0013】請求項5記載の蓄熱補正方法では、第Mラ
インの各発熱データを第1蓄積補正データ、第1〜第N
蓄熱補正データ,前記第1蓄積補正データと前記補正デ
ータ、または第1〜第N蓄熱補正データと前記補正デー
タのいずれかで減算した後に、所定の係数を乗算して第
Mラインのプリントの際の各発熱素子の蓄熱を補正する
ようにしたものであり、請求項6記載の蓄熱補正方法で
は、前記所定の各補正係数と第1蓄熱層の蓄熱状態を示
す各第1蓄熱データとを乗算した各データと第Mライン
の各発熱データとのそれぞれに所定の係数を乗算する際
には、前記第Mラインのプリントの際の各発熱素子の蓄
熱が補正された各発熱データを用いるものである。
【0014】請求項7記載の蓄熱補正装置では、プリン
トしようとする第Mラインの各発熱データから第Mライ
ンの各第1蓄積補正データとを対応するデータ同士で減
算して各発熱データを補正する補正手段と、前記第1〜
第N蓄熱層に対応して設けられた第1〜第N演算回路と
を備え、前記第1演算回路は、前記第1蓄熱層の蓄熱状
態を示す各第1蓄熱データを記憶する第1レジスタと、
第1蓄熱層の各発熱素子に対応する部分のそれぞれにつ
いての所定の各補正係数を記憶した第2レジスタと、第
Mラインのプリントに際して第Mラインの各発熱データ
に係数K1を乗算する第1乗算手段と、第Mラインのプ
リントに際して前記第1レジスタと第2レジスタのそれ
ぞれから読み出した各第1蓄熱データと各補正係数とを
対応するもの同士で乗算して、第1蓄熱層の蓄熱ムラを
考慮した各データを求める第2乗算手段と、この第2乗
算器からの各データに係数「1−K3」を乗算する第3
乗算手段と、前記第1乗算手段からの各データと第3乗
算手段からの各データ及び第2演算回路からの第Mライ
ンの各第2蓄熱補正データを対応するデータ同士で加算
し、この加算結果を前記第1レジスタに書き込む加算手
段と、第(M+1)ラインのプリントに際して前記第1
レジスタから読み出した各第1蓄熱データに係数「1−
K2」を乗算して第M+1ラインの第1蓄熱補正データ
とする第4乗算手段とからなり、前記第J(Jは2〜
N)演算回路のそれぞれは、第J蓄熱層の蓄熱状態を示
す各第J蓄熱データを記憶する第1レジスタと、第J蓄
熱層の各発熱素子に対応する部分のそれぞれについての
所定の各補正係数を記憶した第2レジスタと、第Mライ
ンのプリントに際して第(J−1)演算回路の第2乗算
回路からの各データに係数「K(2・J−1)」を乗算
する第1乗算手段と、第Mラインのプリントに際して第
J演算回路の前記第1レジスタと第2レジスタのそれぞ
れから読み出した各第J蓄熱データと各補正係数とを対
応するもの同士で乗算して、第J蓄熱層の蓄熱ムラを考
慮した各データを求める第2乗算手段と、この第2乗算
器からの各データに係数「1−K(2・J+1)」を乗
算する第3乗算手段と、第J演算回路の第1乗算手段か
らの各データと第3乗算手段からの各データ及び第(J
+1)演算回路からの第Mラインの各第(J+1)蓄熱
補正データを対応するデータ同士で加算し、この加算結
果を第J演算回路の第1レジスタに書き込む加算手段
と、第(M+1)ラインのプリントに際して第J演算回
路の第1レジスタから読み出した各第J蓄熱データに係
数「1−K(2・J)」を乗算して第M+1ラインの第
J蓄熱補正データとする第4乗算手段とからなるもので
ある。
【0015】請求項8記載の蓄熱補正装置では、プリン
トしようとする第Mラインの各発熱データから第Mライ
ンの各第1〜第N蓄積補正データとを対応するデータ同
士で減算して各発熱データを補正する補正手段と、前記
第1〜第N蓄熱層にそれぞれ対応して設けられた第1〜
第N演算回路とを備え、前記第1演算回路は、前記第1
蓄熱層の蓄熱状態を示す各第1蓄熱データを記憶する第
1レジスタと、第1蓄熱層の各発熱素子に対応する部分
のそれぞれについての所定の各補正係数を記憶した第2
レジスタと、第Mラインのプリントに際して第Mライン
の各発熱データに係数K1を乗算する第1乗算手段と、
第Mラインのプリントに際して前記第1レジスタと第2
レジスタのそれぞれから読み出した各第1蓄熱データと
各補正係数とを対応するもの同士で乗算して、第1蓄熱
層の蓄熱ムラを考慮した各データを求める第2乗算手段
と、この第2乗算器からの各データに係数「1−K3」
を乗算する第3乗算手段と、前記第1乗算手段からの各
データと第3乗算手段からの各データとを対応するデー
タ同士で加算し、この加算結果を前記第1レジスタに書
き込む加算手段と、第(M+1)ラインのプリントに際
して前記第1レジスタから読み出した各第1蓄熱データ
に係数「1−K2」を乗算して第M+1ラインの第1蓄
熱補正データとする第4乗算手段とからなり、前記第J
(Jは2〜N)演算回路のそれぞれは、第J蓄熱層の蓄
熱状態を示す各第J蓄熱データを記憶する第1レジスタ
と、第J蓄熱層の各発熱素子に対応する部分のそれぞれ
についての所定の各補正係数を記憶した第2レジスタ
と、第Mラインのプリントに際して第(J−1)演算回
路の第2乗算回路からの各データに係数「K(2・J−
1)」を乗算する第1乗算手段と、第Mラインのプリン
トに際して第J演算回路の前記第1レジスタと第2レジ
スタのそれぞれから読み出した各第1蓄熱データと各補
正係数とを対応するもの同士で乗算して、第J蓄熱層の
蓄熱ムラを考慮した各データを求める第2乗算手段と、
この第2乗算器からの各データに係数「1−K(2・J
+1)」を乗算する第3乗算手段と、第J演算回路の第
1乗算手段からの各データと第3乗算手段からの各デー
タ及び第(J+1)演算回路からの第Mラインの各第
(J+1)蓄熱補正データを対応するデータ同士で加算
し、この加算結果を第J演算回路の第1レジスタに書き
込む加算手段と、第(M+1)ラインのプリントに際し
て第J演算回路の第1レジスタから読み出した各第J蓄
熱データに係数「1−K(2・J)」を乗算して第M+
1ラインの第J蓄熱補正データとする第4乗算手段とか
らなるものである。
【0016】請求項9記載の蓄熱補正装置では、加算手
段からの加算結果に対してフィルタリング演算を行い、
この演算結果を各蓄熱データとして対応する前記第1〜
第Nのレジスタに書き込むフィルタを第1〜第Nの演算
回路毎に設けたものであり、請求項10記載の蓄熱補正
装置では、第Mラインのプリントに際して、第1演算回
路の第1乗算手段からの各データにフィルタリング演算
を行い第1蓄熱層の各補正データを求めるフィルタと、
このフィルタからの各補正データが書き込まれ、第(M
+1)ラインのプリントに際してこれらの各補正データ
を読み出して前記補正手段に送るレジスタとを設け、補
正手段で第(M+1)ラインの各発熱データから各補正
データを対応するデータ同士で減算するようにしたもの
である。
【0017】請求項11記載の蓄熱補正装置では、補正
手段は、第Mラインの各発熱データを第1蓄積補正デー
タ、第1〜第N蓄熱補正データ,前記第1蓄積補正デー
タと前記補正データ、または第1〜第N蓄熱補正データ
と前記補正データのいずれかで減算した後に、係数「1
/(1−K1)」を乗算して第Mラインのプリントの際
の各発熱素子の蓄熱を補正する乗算手段を備えたもので
ある。請求項12記載の蓄熱補正装置では、第1演算回
路の第1乗算手段は、補正手段の乗算手段で係数「1/
(1−K1)」を乗算して補正した各発熱データに係数
「K1」を乗算するようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】図2において、1ライン分の各発
熱データは、ラインメモリ10に書き込まれる。感熱記
録方式では、各発熱素子で各ドットを記録する場合に、
発熱素子を発色直前の状態まで加熱するバイアス加熱を
してから、その直後に階調加熱をする。バイアス加熱で
は、バイアスデータによって各発熱素子が一様に加熱さ
れる。バイアスデータは、各発熱素子とも共通な値が用
いられるが、各発熱素子に抵抗値等のバラツキがある場
合には、この抵抗値等のバラツキを考慮して各バイアス
データが決められる。階調加熱では、各画像データに応
じて各発熱素子が駆動される。したがって、感熱記録方
式では、発熱データには、バイアスデータと画像データ
の両方がある。なお、熱転写記録では、階調加熱だけが
行われるため、発熱データは画像データである。
【0019】ラインメモリ10に記憶された1ライン分
の発熱データは、蓄熱補正部11に送られて蓄熱補正が
行われる。感熱記録方式では、画像データとバイアスデ
ータの両方に対して蓄熱補正をしてもよいし、あるいは
その一方に対してのみ蓄熱補正をしてもよい。蓄熱補正
された発熱データは、ヘッド駆動回路12に送られる。
このヘッド駆動回路12は、感熱記録紙14に圧接して
いるサーマルヘッド13を駆動する。この感熱記録紙1
4は、図2において紙面と垂直な方向(副走査方向)に
移動する。
【0020】サーマルヘッド13は、多数の発熱素子1
3aが主走査方向に並べられてライン状に形成されてい
る。図3に示すように、サーマルヘッド13は、アルミ
板15の上にセラミック基板16と、グレーズ層17と
を積層し、このグレーズ層17上に発熱抵抗膜からなる
発熱素子13aと電極19と形成し、さらにこれらを保
護膜20で覆った構造になっている。また、アルミ板1
5には、放熱性を良好にするために、放熱板21が取り
付けられている。これらのグレーズ層17,セラミック
基板16,アルミ板15,放熱板21は、発熱素子13
aが発熱することにより、発熱素子13aの熱の一部が
伝わって蓄熱される蓄熱層となり、その蓄熱の一部が画
素の記録に影響する。
【0021】サーマルヘッド13の各発熱素子13a
は、発熱データに応じた電力を供給することにより、こ
の発熱データに応じた熱エネルギーを発生する。この発
熱素子13aの駆動には、発熱データによってON時間
を決定する方法と、発熱データによって発熱回数を決定
する方法とがある。
【0022】図1は、本発明の蓄熱補正部11の一例を
示すものである。蓄熱補正部11は、補正回路22と、
各発熱素子13aに対する蓄熱補正データを求めるため
に、サーマルヘッド13のグレーズ層17,セラミック
基板16,アルミ板15、放熱板21に対応させて4段
に設けられた第1演算回路23a〜第4演算回路23d
とから構成されている。
【0023】第1演算回路23aは、グレーズ層17に
蓄められた蓄熱による各発熱素子13aの影響を考慮し
たプリントの蓄熱補正データ(以下の説明では、便宜上
第1蓄熱補正データという)を算出する。第1演算回路
23a内のレジスタ30aには、第M回のプリント開始
時点では、第M−1回のプリント終了時点までの各発熱
素子13aの発熱によって、グレーズ層17の各発熱素
子13aに対応する部分毎に蓄えられている蓄熱状態を
示す第1蓄熱データが1ライン分書き込まれている。こ
のレジスタ30aに記憶された1ライン分の各第1蓄熱
データは順番に読み出され、乗算器31aと乗算器32
aとに送られる。一方の乗算器31aは、順番に入力さ
れた各第1蓄熱データに係数「1─K2」を乗算し、グ
レーズ層17の蓄熱のうちの各発熱素子13aに伝わっ
てプリントに影響する熱量を示す第1蓄熱補正データと
し、これを補正回路22の減算器22aに送る。
【0024】減算器22aには、今回プリントされる1
ライン分の発熱データが順番に入力されており、発熱デ
ータから第1蓄熱補正データが対応するデータ同士で減
算され、この減算処理が施された各発熱データは、感熱
記録紙14に与えられずグレーズ層17に蓄えられる蓄
熱分を補うために、乗算器22bでそれぞれ係数「1/
(1─K1)」が乗算される。このようにして、補正回
路20で蓄熱補正された1ライン分の発熱データは、ヘ
ッド駆動回路12に送られるとともに、乗算器33aで
係数「K1」が乗算されて、グレーズ層17に蓄えられ
る蓄熱を示すデータに変換された後に、加算器34aに
送られる。
【0025】レジスタ35aには、グレーズ層17の各
発熱素子13aに対応する各部分についての第1補正係
数データが1ライン分記憶されている。これらの各第1
補正係数データは、第1蓄熱データの読み出しに同期し
て順番に読み出されて乗算器32aに送られる。グレー
ズ層17の蓄熱は、その一部が発熱素子13aに伝わっ
たり、グレーズ層17から放熱されたり、あるいはセラ
ミック基板16に伝わったりする。ところで、グレーズ
層17からの放熱は、主走査方向における両端付近の部
分の方が中央部に比べて大きいので、グレーズ層17に
蓄熱ムラが生じる。すなわち、この蓄熱ムラは、グレー
ズ層17の主走査方向における両端付近の部分が中央部
に比べて蓄熱量が低くなるので、画像中央部の濃度が高
く端部の濃度が低くなるといった濃度ムラの原因とな
る。このような現象を防止するために、レジスタ35a
には、グレーズ層17の各発熱素子13aに対応する部
分毎に、その部分毎の放熱のしやすさに基づいて決定さ
れた第1補正係数「K21 」〜「K2n 」を示す1ライ
ン分の第1補正係数データが設定されている。
【0026】乗算器32aは、順番に入力された各第1
蓄熱データに、レジスタ35aから順番に読み出した1
ライン分の各第1補正係数データを対応するデータ同士
で乗算し、この乗算したデータを乗算器36aと第2演
算回路23bとに送る。このようにして、グレーズ層1
7の蓄熱状態を示す各第1蓄熱データにそれぞれ対応す
る第1補正係数データを乗算することにより、グレーズ
層17の各部分の放熱等による蓄熱ムラを考慮し、グレ
ーズ層17の蓄熱のうちで発熱素子13aに伝わらず、
グレーズ層17にそのまま蓄熱されている熱量及びセラ
ミック基板16へ伝わる熱量の和を示す各データが作成
される。
【0027】乗算器36aは、乗算器32aからの各デ
ータに係数「1−K3」をさらに乗算することにより、
グレーズ層17に残る熱量を示すデータを作成して、こ
のデータを加算器34aに送る。加算器34aでは、蓄
熱補正がされた発熱データに係数「K1」を乗算したデ
ータと、蓄熱補正係数及び「1−K3」が乗算された第
1蓄熱データと、後述する第2演算回路23bからのセ
ラミック基板16からグレーズ層17に伝わる熱量を示
す第2蓄熱補正データとが対応するデータ同士で加算さ
れる。この加算されたデータは、フィルタ37aに送ら
れる。このフィルタ37aは、後述するフィルタリング
演算を行って各発熱素子13aに対応するグレーズ層1
7の各部分の蓄熱に、隣接するグレーズ層17の部分の
蓄熱を考慮して補正したデータをレジスタ30aに送
る。これにより、次回のプリントに対するグレーズ層1
7の蓄熱状態を示す1ライン分の第1蓄熱データがレジ
スタ30aに書き込まれる。
【0028】次回(第M+1回目)のプリントでは、今
回(第M回目)のプリント終了時点で得られた第1蓄熱
データがレジスタ30aから読み出されて乗算器31
a,32aに送られ、乗算器31aに入力された各第1
蓄熱データは、係数「1−K2」が乗算され、第1蓄熱
補正データとして減算器22aに送られる。また、乗算
器32aに入力された各第1蓄熱データは、対応する第
1補正係数データが乗算された後に、乗算器36aと第
2演算回路23bとに送られる。以下、同様にして、レ
ジスタ30aの第1蓄熱データがプリント毎に書き換え
られる。
【0029】フィルタ37aの構成を示す図4におい
て、第M回目のプリント時に加算器34aから出力され
たデータ(以下、加算データという)は、シフトレジス
タ38に送られる。このシフトレジスタ38は、カスケ
ード接続された4個のラッチ回路39〜42からなり、
クロックで加算データを1個ずつシフトさせる。ラッチ
回路39の入力端子(加算器34aの出力端子)と出力
端子から取り出した2個の加算データは、乗算器43,
44にそれぞれ送られる。また、ラッチ回路42の入力
端子(ラッチ回路41の出力端子)と出力端子から取り
出した加算データは、乗算器46,47にそれぞれ送ら
れる。さらに、ラッチ回路40の出力端子から取り出さ
れた加算データは、乗算器45に送られる。
【0030】各乗算器43,47は、入力された加算デ
ータに係数「A2」を乗算し、乗算器45は、入力され
た加算データに係数「A0」を乗算し、各乗算器44,
46は、入力された加算データに係数「A1」を乗算す
る。各乗算器43〜47で各係数が乗算された各加算デ
ータは、加算器48に送られて加算され、この加算結果
がレジスタ30aに送られる。
【0031】今回プリントされる1ライン分の発熱デー
タは、ラインメモリ10の端から順番に読み出される。
そして、この発熱データは、補正回路22で蓄熱補正さ
れ後に乗算器33aで係数「K1」が乗算されてから、
係数「K2」,「1−K3」を乗じた第1蓄熱データ
と、第2蓄熱補正データとが加算器34aで加算され、
加算データとしてフィルタ37aに送られる。この端か
ら1番目の発熱データに対応する第1番目の加算データ
は、クロックによってラッチ回路39にラッチされる。
次に端から2番目の発熱データに対応する第2番目の加
算データがシフトレジスタ38に入力される。この状態
でクロックが入力されると、ラッチ回路40に第1番目
の加算データがラッチされ、ラッチ回路39に第2番目
の加算データがラッチされる。
【0032】2個の加算データがシフトレジスタ38に
ラッチされ、そして第3番目の加算データがシフトレジ
スタ38に入力されている状態でフィルタリング処理が
開始される。第1番の加算データは、乗算器45で係数
「A0」が乗算されてから加算器48に送られ、第2番
目の加算データは、乗算器44で係数「A1」が乗算さ
れてから加算器48に送られる。また、第3番目の加算
データは、乗算器43で係数「A3」が乗算されてから
加算器48に送られる。そして、この加算器48で3個
の加算データを加算する。
【0033】このように、第1番目の加算データをその
まま第1蓄熱データとして用いずに、第1番目の加算デ
ータと片側にある2個の発熱素子の加算データとを係数
倍して加算するから注目する第1番目の加算データに対
応する発熱素子13aのグレーズ層17の部分の蓄熱の
他に、周囲の発熱素子13aのグレーズ層17の部分の
蓄熱を考慮した第1番目の第1蓄熱データが作成され
る。なお、各乗算器42〜46で乗算される係数「A
0」,「A1」の総和(A0+2・A1+2・A2)が
値「1」となるようにされている。
【0034】第4番目の加算データがシフトレジスタ3
8に入力されているときには、第1番目の加算データが
ラッチ回路41にラッチされ、第2番目の加算データ
は、ラッチ回路40にラッチされ、第3番目の加算デー
タは、ラッチ回路39にラッチされた状態となる。そし
て、第2番目の加算データには係数「A0」が、第1番
目と第3番目の各加算データには係数「A1」が乗算さ
れ、第4番目の加算データには係数「A2」が乗算され
て、これらが加算される。したがって、第2番目の加算
データは、片側に位置する第1番目の加算データと、別
の片側に位置する第2番目と第3番目の加算データとに
応じて補正される。
【0035】第5番目の加算データがシフトレジスタ3
8に入力されている時には、第1番目の加算データがラ
ッチ回路42にラッチされ、第2番目の加算データがラ
ッチ回路41にラッチされる。更に、第3番目の加算デ
ータがラッチ回路40にラッチされ、第4番目の加算デ
ータがラッチ回路39にラッチされる。
【0036】ラッチ回路40にラッチされた第3番目の
加算データは、係数「A0」が乗算されてから加算器4
8に送られる。そして、第1番目と第5番目の加算デー
タには係数「A2」が乗算されてから加算器48に送ら
れ、第2番目と第4番目の加算データには係数「A1」
が乗算されてから加算器48に送られる。したがって、
第3番目の加算データは、左右にそれぞれ位置する2個
の加算データによって補正される。
【0037】同様に、第4番目以降の加算データも左右
2個の加算データを用いてフイルタリング演算が行われ
る。なお、最後の加算データがラッチ回路40でラッチ
した状態でフイルタリング演算をすると、1ライン分の
フイルタリング演算が終了し、このフィルタリング処理
で得られた1ライン分の今回(第M回目)のプリントま
での第1蓄熱データがレジスタ30aに記憶された状態
となる。なお、実際には、1ライン分の発熱データの両
端のそれぞれに、「0」の2個のダミーデータが付加さ
れるとともに、フィルタリング処理は最初の発熱データ
が読み出された時から開始されるようにされている。そ
して、このダミーデータにより、左右にそれぞれ位置す
る加算データが2個に満たない場合にでも正しくフィル
タリング処理が行われるようになっている。もちろん、
ダミーデータは、プリント時には無視される。
【0038】図1に示すように、第2段目〜第4段目の
第2〜第4演算回路23b〜23dについては、第1演
算回路23aと同様な構成となっており、第2演算回路
23bは、レジスタ30b,乗算器31b〜33b,3
6b、加算器34b、レジスタ35b、フィルタ37b
から構成されている。また、第3演算回路23cは、レ
ジスタ30c,乗算器31c〜33c,36c、加算器
34c、レジスタ35c、フィルタ37cから構成さ
れ、第4演算回路23dは、レジスタ30d,乗算器3
1d〜33d,36d、加算器34d、レジスタ35
d、フィルタ37dから構成されている。
【0039】第2演算回路23bのレジスタ30bに
は、第M回目のプリント開始時点では、第M−2回目の
プリント終了時点までの各発熱素子13aの発熱によっ
てセラミック基板16に蓄えられた各発熱素子13aに
対応する部分毎の蓄熱状態を示す各第2蓄熱データが書
き込まれている。この第2演算回路23bは、第M回目
のプリント時に、この第2蓄熱データを基にして、セラ
ミック基板16からグレーズ層17に伝わる熱量を示す
第2蓄熱補正データを求めて、これを第1演算回路23
aに送る。また、第2蓄熱データを基にして、セラミッ
ク基板16からアルミ板15に伝わる熱量を示すデータ
を求めて、これを第3演算回路23cに送る。さらに、
レジスタ30bの内容は、第1演算回路23aと同様に
して、第M回のプリント時に第M−1回目のプリント終
了時点までの各発熱素子13aの発熱によってセラミッ
ク基板16に蓄えられた各発熱素子13a毎の蓄熱状態
を示す1ライン分の第2蓄熱データに書き換えられる。
【0040】第3演算回路23cのレジスタ30cに
は、第M回目のプリント開始時点では、第M−3回目の
プリント終了時点までの各発熱素子13aの発熱によっ
てアルミ板15に蓄えられた各発熱素子13aに対応す
る部分毎の蓄熱状態を示す各第3蓄熱データが書き込ま
れている。この第3演算回路23cは、第M回目のプリ
ント時に、この第3蓄熱データを基にして、アルミ板1
5からセラミック基板16に伝わる熱量を示す第3蓄熱
補正データを求めて、これを第2演算回路23bに送
る。また、第3蓄熱データを基にして、アルミ板15か
ら放熱板21に伝わる熱量を示すデータを求めて、これ
を第4演算回路23cに送る。さらに、レジスタ30c
の内容は、第M回のプリント時に第M−2回目のプリン
ト終了時点までの各発熱素子13aの発熱によってアル
ミ板15に蓄えられた各発熱素子13a毎の蓄熱状態を
示す1ライン分の第3蓄熱データに書き換えられる。
【0041】第4演算回路23dのレジスタ30dに
は、第M回目のプリント開始時点では、第M−4回目の
プリント終了時点までの各発熱素子13aの発熱によっ
て放熱板21に蓄えられた各発熱素子13aに対応する
部分毎の蓄熱状態を示す各第4蓄熱データが書き込まれ
ている。この第4演算回路23dは、第M回目のプリン
ト時に、この第4蓄熱データを基にして、放熱板21か
らアルミ基板15に伝わる熱量を示す第4蓄熱補正デー
タを求めて、これを第3演算回路23cに送る。さら
に、レジスタ30dの内容は、第M回のプリント時に、
第M−3回目のプリント終了時点までの各発熱素子13
aの発熱によって放熱板21に蓄えられた各発熱素子1
3a毎の蓄熱状態を示す1ライン分の第4蓄熱データに
書き換えられる。
【0042】なお、第2演算回路23bの各乗算器31
b,33b,36bには、それそれ係数「1−K4」,
「K3」,「1−K5」,が設定されている。また第3
演算回路23cの各乗算器31c,33c,36cに
は、それそれ係数「1−K6」,「K5」,「1−K
7」が設定され、第4演算回路23dの各乗算器31
d,33d,36dには、それそれ係数「1−K8」,
「K7」,「1−K9」が設定されている。
【0043】また、第2演算回路23bのレジスタ35
bには、セラミック基板16の各発熱素子13aに対応
する部分毎に、その部分毎の放熱性を考慮した第2補正
係数「K41 」〜「K4n 」を示す各第2補正係数デー
タが記憶されている。第3演算回路23cのレジスタ3
5cには、アルミ板15の各発熱素子13aに対応する
部分毎に、その部分毎の放熱性を考慮した第3補正係数
「K61 」〜「K6n」を示す第3補正係数データが記
憶されている。さらに、第4演算回路23dのレジスタ
35dには、放熱板21の各発熱素子13aに対応する
部分毎に、その部分毎の放熱性を考慮した第4補正係数
「K81 」〜「K8n 」を示す第4補正係数データが記
憶されている。
【0044】係数K1及び係数「1/(1−K1)」の
値K1は、サーマルヘッド13の形状,感熱記録紙14
の材質,発熱素子13aからグレーズ層17への熱の伝
わりやすさ等に応じて決められている。係数K3及び係
数「1−K3」の値K3は、グレーズ層17からセラミ
ック基板16への熱の伝わりやすさ等に応じて決められ
ている。以下同様に、各乗算器の係数中の値K5,K
7,K9は、それぞれ対応するセラミック基板16,ア
ルミ板15,放熱板21の材質やそれぞれ間での熱の伝
わりやすさ等から決められている。例えば、係数K1
は、発熱素子13aからの熱がグレーズ層17に蓄熱さ
れやすいほど「1」に近い数値となり、係数K3は、グ
レーズ層17の熱がセラミック基板16に伝わりやすい
ほど「1」に近い数値となる。
【0045】また、第1補正係数「K21 」〜「K
n 」は、対応するグレーズ層17の部分の放熱が大き
いほど「0」に近い数値となる。例えば、端部の発熱素
子13aに対応するグレーズ層17の部分の第1補正係
数は、その部分の放熱が大きいので「0」に近い数値と
なり、中央部の発熱素子13aに対応するグレーズ層1
7の部分の第1補正係数は、その部分の放熱が少ないた
め端部のものよりも大きい数値となる。もちろん、第1
補正係数「K21 」〜「K2n 」は、グレーズ層17か
ら発熱素子13aへの熱の伝わりやすさ、すなわち係数
K2も考慮した数値となっている。同様にして、第2〜
第4補正係数の各値が決定されている。
【0046】次に上記構成の作用について説明する。例
えば第M回目のプリントで第Mラインのプリントを行う
時点では、第1演算回路23aのレジスタ30aには、
第M−1回目のプリントを終了した時点までの各発熱素
子13aの発熱にともなうグレーズ層17の蓄熱状態を
示す第1蓄熱データが記憶された状態にある。また、第
2演算回路23bのレジスタ30bには、第M−2回目
のプリントを終了した時点までの各発熱素子13aの発
熱にともなうセラミック基板16の蓄熱状態を示す第2
蓄熱データが記憶された状態にある。さらに、第3演算
回路23cのレジスタ30cには、第M−3回目のプリ
ントを終了した時点までの各発熱素子13aの発熱にと
もなうアルミ板15の蓄熱状態を示す第3蓄熱データが
記憶され、第4演算回路23dのレジスタ30dには、
第M−4回目のプリントを終了した時点までの各発熱素
子13aの発熱にともなう放熱板21の蓄熱状態を示す
第4蓄熱データが記憶された状態にある。
【0047】今回プリントしようとする第Mラインの各
発熱データがラインメモリ10から読み出されて補正回
路22に送られる。また、各第1蓄熱データが第1演算
回路21aのレジスタ30aから読み出され、乗算器3
1aで係数「1−K2」が乗算され、グレーズ層17か
ら各発熱素子13aに伝わる熱量を示す各第1蓄熱補正
データに変換される。そして、減算器22aで第Mライ
ンの各発熱データは、各第1蓄熱データとそれぞれ対応
するデータ同士で減算され、この減算された各発熱デー
タは、各発熱データに基づいて各発熱素子13aが発熱
した際に、その発熱による熱のほどんどは感熱記録紙1
4に与えられるが、一部がグレーズ層17に蓄えられて
蓄熱されるので、この蓄熱分を補うために乗算器22b
でそれぞれ係数「1/(1─K1)」が乗算される。こ
のようにして、蓄熱補正された第Mラインの各発熱デー
タは、ヘッド駆動部12に送られ、これらの発熱データ
に基づいて各発熱素子13が駆動されて発熱する。
【0048】また、補正回路22で蓄熱補正された第M
ラインの各発熱データは、第(M+1)ラインをプリン
トする際の第1蓄熱補正データの基になる第1蓄熱デー
タを作成するために、乗算器33aで係数「K1」を乗
算される。これにより、蓄熱補正された第Mラインの各
発熱データは、この第Mラインのプリントで各発熱素子
13aが発熱した際にグレーズ層17に蓄えられる熱量
を示すデータに変換され、第1演算回路21aの加算器
34aに送られる。
【0049】一方、レジスタ30aからの各第1蓄熱デ
ータの読み出しに同期して、レジスタ35aから各第1
補正係数データが読み出され、乗算器32aに送られ
る。そして、この乗算器32aで、各第1蓄熱データと
各第1補正係数データとが対応するデータ同士で乗算さ
れる。これにより、各第1蓄熱データは、第M−1回ま
でのプリントによってグレーズ層17に蓄えられた蓄熱
のうちで、発熱素子13aに伝わらず、かつグレーズ層
17の放熱による蓄熱ムラを考慮した各データに変換さ
れる。
【0050】乗算器32aからの各データは、乗算器3
6aと第2演算回路21aの乗算器33bとに送られ
る。そして、この乗算器36aで、乗算器32aからの
各データに、さらに係数「1−K3」を乗算することに
より、第1蓄熱データがグレーズ層17に残る熱量を示
すデータに変換されて加算器34aに送られる。この時
に、乗算器36bに入力される各データは、乗算器32
aで各第1蓄熱データに、グレーズ層17の部分毎の放
熱の大きさを考慮した数値(第1蓄熱補正係数)を示す
各第1補正係数データをそれぞれ乗算したものであるか
ら、乗算器36aで係数「1−K3」を乗算することに
より、放熱による蓄熱ムラが考慮されたグレーズ層17
の各発熱素子13aに対応する各部分に残る正確な熱量
を示すデータになる。
【0051】第2演算回路23bでは、第1演算回路2
3aの乗算器32aからの各データに乗算器33bで係
数「K3」を乗じることにより、乗算器32aからの各
データは、グレーズ層17の蓄熱ムラを考慮してグレー
ズ層17からセラミック基板16に伝わる熱量を示すデ
ータに変換される。また、この第Mラインのプリント時
に、第1蓄熱データの読み出しと同期して、レジスタ3
0bから第M−2回までの各発熱素子13aの発熱によ
るセラミック基板16の蓄熱状態を示す第2蓄熱データ
が順番に読み出される。各第2蓄熱データは、第1演算
回路23aで第(M+1)ラインのプリント時に用いる
第1蓄熱データを作成するために乗算器31bに送られ
て、係数「1−K4」が乗算される。これにより、各第
2蓄熱データは、セラミック基板16からグレーズ層1
7に伝わる熱量を示す各第2蓄熱補正データに変換され
て、第1演算回路23aの加算器34aに送られる。さ
らに、各第2蓄熱データは、乗算器32bで対応する各
第2補正係数データが乗算されることにより、セラミッ
ク基板16の蓄熱ムラが考慮されたセラミック基板16
からグレーズ層17に伝わらない熱量を示すデータに変
換されて、乗算器36bと3段目の第3演算回路23c
とに送られる。
【0052】同様にして、第3演算回路23cは、第M
回目のプリント開始時にレジスタ30cに記憶されてい
る各第3蓄熱データに係数「1−K6」を乗算すること
により、アルミ板15からセラミック基板16に伝わる
熱量を示す第3蓄熱補正データを作成し、これを第2演
算回路23bに送るとともに、各第3蓄熱データに、対
応する第3補正係数データを乗じることにより、アルミ
板15の蓄熱ムラを考慮したアルミ板15からセラミッ
ク基板16に伝わらない熱量を示すデータに変換し、乗
算器36cと4段目の第4演算回路23dとに送る。
【0053】また、第4演算回路23dは、第M回目の
プリント開始時にレジスタ30dに記憶されている第4
蓄熱データに係数「1−K8」を乗算することにより、
放熱板21からアルミ板15に伝わる熱量を示す第4蓄
熱補正データを作成し、これを第3演算回路23cに送
るとともに、各第4蓄熱データに、対応する第4補正係
数データを乗じることにより、放熱板21の蓄熱ムラを
考慮した放熱板21からアルミ板15に伝わらない熱量
を示すデータに変換して乗算器36dに送る。
【0054】これにより、第1演算回路23aの加算器
34aには、乗算器33aからの第Mラインのプリント
によるグレーズ層17に蓄熱される熱量を示す1ライン
分のデータと、第M−1回目までのプリントによるグレ
ーズ層17の蓄熱のうちの第M回のプリント時にグレー
ズ層17に残る熱量を示す1ライン分のデータと、第2
演算回路23bからの第M−2回までのプリントによる
セラミック基板16の蓄熱のうちの第M回のプリント時
にグレーズ層17に伝わる熱量を示す1ライン分の第2
蓄熱補正データとが入力される。これらの1ライン分の
各データは、加算器34aでそれぞれ対応するデータ同
士が加算され、この加算によって得られた加算データが
フィルタ37aに送られる。
【0055】そして、この加算データは、フイルタ37
aで、上述のようにしてフィルタリング演算が行われ、
グレーズ層17の各部分毎に隣接する部分の蓄熱を考慮
して補正したデータをレジスタ30aに送る。これによ
り、レジスタ30aの内容は、第M回のプリントが終了
した時点で、第M回目までのプリントに対するグレーズ
層17の蓄熱状態を示す1ライン分の第1蓄熱データに
書き換えられる。そして、この第1蓄熱データは、グレ
ーズ層17の放熱による蓄熱ムラまでを考慮したグレー
ズ層17の蓄熱状態を示している。
【0056】また、第2演算回路23bの加算器34b
には、第M−1回目までのプリントによってグレーズ層
17に蓄熱された熱量のうちセラミック基板16に伝わ
る熱量を示す1ライン分のデータと、第M−2回目まで
のプリントによるセラミック基板16の蓄熱のうちの第
M回のプリント時にセラミック基板16に残る熱量を示
す1ライン分のデータと、第3演算回路23bからの第
M−2回までのプリントによるアルミ板15の蓄熱のう
ちの第M回のプリント時にセラミック基板16に伝わる
熱量を示す1ライン分の第3蓄熱補正データとが入力さ
れる。
【0057】これらの1ライン分の各データは、加算器
34bでそれぞれ対応するデータ同士が加算され、この
加算によって得られた加算データがフィルタ37bに送
られる。そして、この加算データは、フイルタ37b
で、フィルタリング演算を行ってセラミック基板16の
各部分毎に隣接する部分の蓄熱を考慮して補正したデー
タをレジスタ30bに送る。これにより、レジスタ30
bの内容は、第M回のプリントが終了した時点で、第M
−1回目までのプリントによるセラミック基板16の蓄
熱状態を示す1ライン分の第2蓄熱データに書き換えら
れ、この第2蓄熱データはセラミック基板16の各部分
の放熱による蓄熱ムラが考慮されている。
【0058】同様にして、第3演算回路23cのレジス
タ30cの内容は、第M回目のプリント終了した時点
で、アルミ板15に残った熱量、セラミック基板16及
び放熱板21から伝わった熱量、隣接する発熱素子13
aに対応する部分のアルミ基板15の蓄熱を考慮したア
ルミ板15の蓄熱状態を示す第M−2回目までのプリン
トによる第3蓄熱データに書き換えられる。また、第4
演算回路23dのレジスタ30dの内容は、第M回目の
プリント終了した時点で、放熱板21に残った熱量、ア
ルミ板15及から伝わった熱量、隣接する発熱素子13
aに対応する部分の放熱板21の蓄熱を考慮した放熱板
21の蓄熱状態を示す第M−2回目までのプリントによ
る第4蓄熱データに書き換えられる。そして、これらの
第3,第4蓄熱データもまたそれぞれ対応するアルミ板
15,放熱板21の放熱による蓄熱ムラが考慮されたも
のになっている。
【0059】次回の第M+1回目のプリント時には、上
記のようにして得られた第1蓄熱データを基にして、1
ライン分の第1蓄熱補正データを作成し、これを補正回
路22に送って、発熱データを補正する。また、第1〜
第4蓄熱データも上記同様な手順で新たなものが作成さ
れて各レジスタ30a〜30bに書き込まれる。
【0060】上記のようにして、過去の各発熱素子13
aの発熱に基づいて発熱素子13a及び、その下層に配
されたグレーズ層17,セラミック基板16,アルミ板
15,放熱板21の蓄熱状態とこれらの間の相互の熱伝
導を考慮して、蓄熱補正データ(第1蓄熱補正データ)
を作成しているから、各発熱素子13aの蓄熱補正を正
確に行うことができる。また、グレーズ層17,セラミ
ック基板16,アルミ板15,放熱板21の各蓄熱状態
を求める際に、各演算回路23a〜23dのフィルタ3
7a〜37dでフィルタリング演算を行うので、注目の
発熱素子13aに対応するグレーズ層17,セラミック
基板16,アルミ板15,放熱板21の部分の蓄熱の他
に、これらの周囲の発熱素子13aに対応する部分の蓄
熱状態を考慮することができる。
【0061】さらに、グレーズ層17,セラミック基板
16,アルミ板15,放熱板21の蓄熱状態を示す第1
〜第4蓄熱データを作成する際には、これらの各発熱素
子13aの対応する部分毎の放熱による蓄熱ムラを考慮
してあるから、グレーズ層17,セラミック基板16,
アルミ板15,放熱板21のそれぞれの蓄熱ムラに影響
までを正確に予測して良好な蓄熱補正を行うことができ
る。
【0062】なお、上記蓄熱補正部11の構成は、これ
に限らず以下に説明するような構成としても、上記実施
形態と同様な効果を得ることができる。なお、以下に説
明する以外の部分については、上記実施形態と同様であ
り、同じものには同一符号を付してある。
【0063】図5に示す蓄熱補正部11の回路は、グレ
ーズ層17,セラミック基板16,アルミ板15,放熱
板21の蓄熱の一部が直接に各発熱素子13aに影響す
るものとして、各演算回路50a〜50d内の加算器5
1a〜51dによる演算処理を簡単にしたものである。
この回路では、各演算回路50a〜50dで作成された
第1〜第4蓄熱補正データは、直接に補正回路22の減
算器52に入力され、これらが発熱データの対応するデ
ータから減算処理される。
【0064】図6に示す蓄熱補正部11の回路は、各演
算回路60a〜60dで、フィルタリング演算を行わず
にフィルタ部61のフィルタ62でグレーズ層17の蓄
熱に対してフィルタリング演算を行って補正するように
したものである。この例では、各演算回路60a〜60
dによってグレーズ層17,セラミック基板16,アル
ミ板15,放熱板21の各蓄熱状態を示す第1〜第4蓄
熱補正データを作成するとともに、グレーズ層17につ
いては、フィルタ62によって、グレーズ層17の蓄熱
状態に対するフィルタリング演算を行い、グレーズ層1
7の各発熱素子13aに対応する部分毎に、それぞれ周
囲の部分の蓄熱状態を考慮して補正する1ライン分の補
正データをレジスタ63に書き込む。そして、この補正
データは、次回のプリントで各演算回路60a〜60d
からの第1〜第4蓄熱補正データとともに、減算器65
に送られる。これにより、各発熱データは、第1〜第4
蓄熱補正データで補正されるとともに、グレーズ層17
の隣接する部分の蓄熱状態の影響が補正される。なお、
第3,第4演算回路60c,60dは、第2演算回路と
同様な構成である。
【0065】もちろん、これらの図5,図6に示される
例においても、グレーズ層17,セラミック基板16,
アルミ板15,放熱板21のそれぞれの放熱による蓄熱
ムラによる影響も考慮して、発熱データが蓄熱補正され
る。
【0066】なお、上記各実施形態では、補正回路22
で補正済の発熱データを第1演算回路に送るようにして
いるが、補正前の発熱データを第1演算回路に送るよう
にしてもよい。
【0067】上記各実施形態は感熱記録であるが、本発
明はインクフイルムを使用した熱転写記録にも同様に適
用することができ、ラインプリンタの他に、サーマルヘ
ッドが移動するシリアルプリンタにも利用することがで
きる。また、上記各実施形態では、4個の蓄熱層に対応
させて4段の演算回路を設けているが、蓄熱層の個数に
応じて演算回路を増減してもよい。さらに、本発明は、
CPUで蓄熱補正演算を行うことができる。
【0068】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、第Mラインのプリントに際して、プリントしよう
とする第Mラインの各発熱データから第Mラインの各第
1蓄積補正データを減算して各発熱データを補正すると
ともに、第1蓄熱層の各発熱素子に対応する部分のそれ
ぞれについて設定された所定の各補正係数と第1蓄熱層
の蓄熱状態を示す各第1蓄熱データとを乗算して第1蓄
熱層の蓄熱ムラを考慮した各データを求め、この各デー
タと第Mラインの各発熱データと第2蓄熱層の蓄熱状態
を示す各第2蓄熱データとのそれぞれに所定の係数を乗
算してから対応するデータ同士で加算することにより新
たな第1蓄熱データを求め、この新たな第1蓄熱データ
に所定の係数を乗算したものを第(M+1)ラインの第
1蓄熱補正データとし、また第J(Jは2〜N)蓄熱層
の各発熱素子に対応する部分のそれぞれについて設定さ
れた所定の各補正係数と第J蓄熱層の蓄熱状態を示す各
第J蓄熱データとを乗算して第J蓄熱層の蓄熱ムラを考
慮した各データを求め、この各データとその上層の蓄熱
状態を示す各第(J−1)蓄熱データと下層の蓄熱状態
を示す各第(J+1)蓄熱データとのそれぞれに所定の
係数を乗算してから対応するデータ同士で加算すること
により新たな第J蓄熱データを各第2〜第N蓄熱層につ
いてそれぞれ求め、この新たな第J蓄熱データに所定の
係数を乗算したものを第(M+1)ラインのプリントに
際しての第J蓄熱補正データとするようにしたから、各
蓄熱層の各蓄熱層の相互間の熱伝導,放熱、さらに蓄熱
ムラを考慮した正確な蓄熱補正を行うことができ良好な
画像を記録することができる。
【0069】また、第1の蓄熱補正データとともに、第
2〜第Nの蓄熱補正データを発熱データから減算するよ
うにしても正確な蓄熱補正ができる。さらには、各蓄熱
層のそれぞれの蓄熱データ、あるいは第1蓄熱層の第1
蓄熱データを作成する際に、フィルタリング演算をする
から各蓄熱層の各部分の周囲の蓄熱をも考慮した正確な
蓄熱補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した蓄熱補正回路の一例を示すブ
ロック図である。
【図2】本発明の蓄熱補正を実施する感熱プリンタの概
略図である。
【図3】サーマルヘッドの構造を示す断面図である。
【図4】フィルタの一例を示すブロック図である。
【図5】各蓄熱層に対応した蓄熱補正データを発熱デー
タから減算する例の蓄熱補正部を示すブロック図であ
る。
【図6】フィルタを1個にした例の蓄熱補正部を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
11 蓄熱補正部 13 サーマルヘッド 13a 発熱素子 15 アルミ板 16 セラミック基板 17 グレーズ層 21 放熱板 22a,52,65 減算器 22b,31a〜31d,32a〜32d 乗算器 30a〜30d,35a〜35d レジスタ 33a〜33d,36a〜36d 乗算器 34a〜34d,51a〜51d 加算器 37a〜37d,62 フィルタ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各発熱データに応じた各発熱素子の発熱
    にともなって蓄熱される第1〜第N蓄熱層が各発熱素子
    の下層に順番に積層されたサーマルヘッドの前記各発熱
    素子の蓄熱補正を行う蓄熱補正方法において、 第Mラインのプリントに際して、プリントしようとする
    第Mラインの各発熱データから第Mラインの各第1蓄積
    補正データを対応するデータ同士で減算して各発熱デー
    タを補正するとともに、第1蓄熱層の各発熱素子に対応
    する部分のそれぞれについて設定された所定の各補正係
    数と第1蓄熱層の蓄熱状態を示す各第1蓄熱データとを
    対応するもの同士で乗算して第1蓄熱層の蓄熱ムラを考
    慮した各データを求め、この各データと第Mラインの各
    発熱データと第2蓄熱層の蓄熱状態を示す各第2蓄熱デ
    ータとのそれぞれに所定の係数を乗算してから対応する
    データ同士で加算することにより新たな第1蓄熱データ
    を求めて記憶し、この記憶した第1蓄熱データに所定の
    係数を乗算したものを第(M+1)ラインの第1蓄熱補
    正データとし、また第J(Jは2〜N)蓄熱層の各発熱
    素子に対応する部分のそれぞれについて設定された所定
    の各補正係数と第J蓄熱層の蓄熱状態を示す各第J蓄熱
    データとを対応するもの同士で乗算して第J蓄熱層の蓄
    熱ムラを考慮した各データを求め、この各データとその
    上層の第(J−1)蓄熱層の蓄熱状態を示す各第(J−
    1)蓄熱データと下層の第(J+1)蓄熱層の蓄熱状態
    を示す各第(J+1)蓄熱データとのそれぞれに所定の
    係数を乗算してから対応するデータ同士で加算すること
    により新たな第J蓄熱データを各第2〜第N蓄熱層につ
    いてそれぞれ求めて記憶し、この記憶した第J蓄熱デー
    タに所定の係数を乗算したものを第(M+1)ラインの
    プリントに際しての第J蓄熱補正データとすることを特
    徴とする蓄熱補正方法。
  2. 【請求項2】 各発熱データに応じた各発熱素子の発熱
    にともなって蓄熱される第1〜第N蓄熱層が各発熱素子
    の下層に順番に積層されたサーマルヘッドの前記各発熱
    素子の蓄熱補正を行う蓄熱補正方法において、 第Mラインのプリントに際して、プリントしようとする
    第Mラインの各発熱データから第Mラインの各第1〜第
    N蓄積補正データを対応するデータ同士で減算して各発
    熱データを補正するとともに、第1蓄熱層の各発熱素子
    に対応する部分のそれぞれについて設定された所定の各
    補正係数と第1蓄熱層の蓄熱状態を示す各第1蓄熱デー
    タとを対応するもの同士で乗算して第1蓄熱層の蓄熱ム
    ラを考慮した各データを求め、この各データと第Mライ
    ンの各発熱データとのそれぞれに所定の係数を乗算して
    から対応するデータ同士で加算することにより新たな第
    1蓄熱データを求めて記憶し、この記憶した第1蓄熱デ
    ータに所定の係数を乗算したものを第(M+1ライン)
    の第1蓄熱補正データとし、また第J(Jは2〜N)蓄
    熱層の各発熱素子に対応する部分のそれぞれについて設
    定された所定の各補正係数と第J蓄熱層の蓄熱状態を示
    す各第J蓄熱データとを対応するもの同士で乗算して第
    1蓄熱層の蓄熱ムラを考慮した各データを求め、この各
    データと上層の第(J−1)蓄熱層の蓄熱状態を示す各
    第(J−1)蓄熱データとのそれぞれに所定の係数を乗
    算してから対応するデータ同士で加算することにより新
    たな第J蓄熱データを各第2〜第N蓄熱層についてそれ
    ぞれ求めて記憶し、この記憶した第J蓄熱データを所定
    の係数を乗算したものを第(M+1)ラインの第J蓄熱
    補正データとすることを特徴とする蓄熱補正方法。
  3. 【請求項3】 前記各加算の結果のそれぞれにフィルタ
    リング演算を行い、この各演算結果を第1〜第N蓄熱デ
    ータとすることを特徴とする請求項1または2記載の蓄
    熱補正方法。
  4. 【請求項4】 前記第Mラインの各発熱データに所定の
    係数を乗算して第Mラインの各発熱データから得られる
    各データにフィルタリング演算を行い第1蓄熱層の各補
    正データを求め、これらの各補正データを第M+1ライ
    ンのプリントの際して第(M+1)ラインの各発熱デー
    タから対応するデータ同士で減算することを特徴とする
    請求項1または2記載の蓄熱補正方法。
  5. 【請求項5】 前記第Mラインの各発熱データを前記第
    1蓄積補正データ、第1〜第N蓄熱補正データ,前記第
    1蓄積補正データと前記補正データ、または第1〜第N
    蓄熱補正データと前記補正データのいずれかで減算した
    後に、所定の係数を乗算して第Mラインのプリントの際
    の各発熱素子の蓄熱を補正することを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれか1項に記載の蓄熱補正方法。
  6. 【請求項6】 前記所定の各補正係数と第1蓄熱層の蓄
    熱状態を示す各第1蓄熱データとを乗算した各データと
    第Mラインの各発熱データとのそれぞれに所定の係数を
    乗算する際には、前記第Mラインのプリントの際の各発
    熱素子の蓄熱が補正された各発熱データを用いることを
    特徴とする請求項5記載の蓄熱補正方法。
  7. 【請求項7】 各発熱データに応じた各発熱素子の発熱
    にともなって蓄熱される第1〜第N蓄熱層が各発熱素子
    の下層に順番に積層されたサーマルヘッドの前記各発熱
    素子の蓄熱補正を行う蓄熱補正装置において、 プリントしようとする第Mラインの各発熱データから第
    Mラインの各第1蓄積補正データとを対応するデータ同
    士で減算して各発熱データを補正する補正手段と、前記
    第1〜第N蓄熱層に対応して設けられた第1〜第N演算
    回路とを備え、前記第1演算回路は、前記第1蓄熱層の
    蓄熱状態を示す各第1蓄熱データを記憶する第1レジス
    タと、第1蓄熱層の各発熱素子に対応する部分のそれぞ
    れについての所定の各補正係数を記憶した第2レジスタ
    と、第Mラインのプリントに際して第Mラインの各発熱
    データに係数K1を乗算する第1乗算手段と、第Mライ
    ンのプリントに際して前記第1レジスタと第2レジスタ
    のそれぞれから読み出した各第1蓄熱データと各補正係
    数とを対応するもの同士で乗算して、第1蓄熱層の蓄熱
    ムラを考慮した各データを求める第2乗算手段と、この
    第2乗算器からの各データに係数「1−K3」を乗算す
    る第3乗算手段と、前記第1乗算手段からの各データと
    第3乗算手段からの各データ及び第2演算回路からの第
    Mラインの各第2蓄熱補正データを対応するデータ同士
    で加算し、この加算結果を前記第1レジスタに書き込む
    加算手段と、第(M+1)ラインのプリントに際して前
    記第1レジスタから読み出した各第1蓄熱データに係数
    「1−K2」を乗算して第M+1ラインの第1蓄熱補正
    データとする第4乗算手段とからなり、 前記第J(Jは2〜N)演算回路のそれぞれは、第J蓄
    熱層の蓄熱状態を示す各第J蓄熱データを記憶する第1
    レジスタと、第J蓄熱層の各発熱素子に対応する部分の
    それぞれについての所定の各補正係数を記憶した第2レ
    ジスタと、第Mラインのプリントに際して第(J−1)
    演算回路の第2乗算回路からの各データに係数「K(2
    ・J−1)」を乗算する第1乗算手段と、第Mラインの
    プリントに際して第J演算回路の前記第1レジスタと第
    2レジスタのそれぞれから読み出した各第J蓄熱データ
    と各補正係数とを対応するもの同士で乗算して、第J蓄
    熱層の蓄熱ムラを考慮した各データを求める第2乗算手
    段と、この第2乗算器からの各データに係数「1−K
    (2・J+1)」を乗算する第3乗算手段と、第J演算
    回路の第1乗算手段からの各データと第3乗算手段から
    の各データ及び第(J+1)演算回路からの第Mライン
    の各第(J+1)蓄熱補正データを対応するデータ同士
    で加算し、この加算結果を第J演算回路の第1レジスタ
    に書き込む加算手段と、第(M+1)ラインのプリント
    に際して第J演算回路の第1レジスタから読み出した各
    第J蓄熱データに係数「1−K(2・J)」を乗算して
    第M+1ラインの第J蓄熱補正データとする第4乗算手
    段とからなることを特徴とする蓄熱補正装置。
  8. 【請求項8】 各発熱データに応じた各発熱素子の発熱
    にともなって蓄熱される第1〜第N蓄熱層が各発熱素子
    の下層に順番に積層されたサーマルへっドの前記各発熱
    素子の蓄熱補正を行う蓄熱補正装置において、 プリントしようとする第Mラインの各発熱データから第
    Mラインの各第1〜第N蓄積補正データとを対応するデ
    ータ同士で減算して各発熱データを補正する補正手段
    と、前記第1〜第N蓄熱層にそれぞれ対応して設けられ
    た第1〜第N演算回路とを備え、 前記第1演算回路は、前記第1蓄熱層の蓄熱状態を示す
    各第1蓄熱データを記憶する第1レジスタと、第1蓄熱
    層の各発熱素子に対応する部分のそれぞれについての所
    定の各補正係数を記憶した第2レジスタと、第Mライン
    のプリントに際して第Mラインの各発熱データに係数K
    1を乗算する第1乗算手段と、第Mラインのプリントに
    際して前記第1レジスタと第2レジスタのそれぞれから
    読み出した各第1蓄熱データと各補正係数とを対応する
    もの同士で乗算して、第1蓄熱層の蓄熱ムラを考慮した
    各データを求める第2乗算手段と、この第2乗算器から
    の各データに係数「1−K3」を乗算する第3乗算手段
    と、前記第1乗算手段からの各データと第3乗算手段か
    らの各データとを対応するデータ同士で加算し、この加
    算結果を前記第1レジスタに書き込む加算手段と、第
    (M+1)ラインのプリントに際して前記第1レジスタ
    から読み出した各第1蓄熱データに係数「1−K2」を
    乗算して第M+1ラインの第1蓄熱補正データとする第
    4乗算手段とからなり、 前記第J(Jは2〜N)演算回路のそれぞれは、第J蓄
    熱層の蓄熱状態を示す各第J蓄熱データを記憶する第1
    レジスタと、第J蓄熱層の各発熱素子に対応する部分の
    それぞれについての所定の各補正係数を記憶した第2レ
    ジスタと、第Mラインのプリントに際して第(J−1)
    演算回路の第2乗算回路からの各データに係数「K(2
    ・J−1)」を乗算する第1乗算手段と、第Mラインの
    プリントに際して第J演算回路の前記第1レジスタと第
    2レジスタのそれぞれから読み出した各第1蓄熱データ
    と各補正係数とを対応するもの同士で乗算して、第J蓄
    熱層の蓄熱ムラを考慮した各データを求める第2乗算手
    段と、この第2乗算器からの各データに係数「1−K
    (2・J+1)」を乗算する第3乗算手段と、第J演算
    回路の第1乗算手段からの各データと第3乗算手段から
    の各データ及び第(J+1)演算回路からの第Mライン
    の各第(J+1)蓄熱補正データを対応するデータ同士
    で加算し、この加算結果を第J演算回路の第1レジスタ
    に書き込む加算手段と、第(M+1)ラインのプリント
    に際して第J演算回路の第1レジスタから読み出した各
    第J蓄熱データに係数「1−K(2・J)」を乗算して
    第M+1ラインの第J蓄熱補正データとする第4乗算手
    段とからなることを特徴とする蓄熱補正装置。
  9. 【請求項9】 前記加算手段からの加算結果に対してフ
    ィルタリング演算を行い、この演算結果を各蓄熱データ
    として対応する前記第1〜第Nのレジスタに書き込むフ
    ィルタを前記第1〜第Nの演算回路毎に設けたことを特
    徴とする請求項7又は8記載の蓄熱補正装置。
  10. 【請求項10】 第Mラインのプリントに際して、前記
    第1演算回路の第1乗算手段からの各データにフィルタ
    リング演算を行い第1蓄熱層の各補正データを求めるフ
    ィルタと、このフィルタからの各補正データが書き込ま
    れ、第(M+1)ラインのプリントに際してこれらの各
    補正データを読み出して前記補正手段に送るレジスタと
    を設け、前記補正手段で第(M+1)ラインの各発熱デ
    ータから各補正データを対応するデータ同士で減算する
    ことを特徴とする請求項7または8記載の蓄熱補正装
    置。
  11. 【請求項11】 前記補正手段は、前記第Mラインの各
    発熱データを前記第1蓄積補正データ、第1〜第N蓄熱
    補正データ,前記第1蓄積補正データと前記補正デー
    タ、または第1〜第N蓄熱補正データと前記補正データ
    のいずれかで減算した後に、係数「1/(1−K1)」
    を乗算して第Mラインのプリントの際の各発熱素子の蓄
    熱を補正する乗算手段を備えていることを特徴とする請
    求項7ないし10のいずれか1項に記載の蓄熱補正装
    置。
  12. 【請求項12】 前記第1演算回路の第1乗算手段は、
    前記補正手段の乗算手段で係数「1/(1−K1)」を
    乗算して補正した各発熱データに係数「K1」を乗算す
    ることを特徴とする請求項11記載の蓄熱補正装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7446789B2 (en) 2005-03-30 2008-11-04 Fujifilm Corporation Heat accumulation correcting method, thermal printer, and computer-executable program

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