JPH1152309A - ソフトコンタクトレンズの洗浄方法 - Google Patents

ソフトコンタクトレンズの洗浄方法

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JPH1152309A
JPH1152309A JP21985597A JP21985597A JPH1152309A JP H1152309 A JPH1152309 A JP H1152309A JP 21985597 A JP21985597 A JP 21985597A JP 21985597 A JP21985597 A JP 21985597A JP H1152309 A JPH1152309 A JP H1152309A
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soft contact
contact lens
treatment
lens
hydrogen peroxide
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JP21985597A
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Hideaki Kamiya
英昭 神谷
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Tomey Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソフトコンタクトレンズの表面や内部に付着
ないし固着した蛋白質などの汚れを、脱色などの問題を
生じることなく、短時間で効率よく除去しうる方法を提
供すること。 【解決手段】 0.05〜4w/v%の過酸化水素およ
び0.005〜3w/v%の尿素を含有した処理液中に
ソフトコンタクトレンズを浸漬したのち、該処理液に直
流電流を通電して加熱処理を施すことを特徴とするソフ
トコンタクトレンズの洗浄方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソフトコンタクト
レンズの洗浄方法に関する。さらに詳しくは、ソフトコ
ンタクトレンズの表面や内部に付着ないし固着した蛋白
質などの汚れを効果的に除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンタクトレンズは、その装用時におい
て涙液中の成分である脂質、蛋白質、ムチン質などによ
り汚染されることが避けられず、とくに含水性のソフト
コンタクトレンズでは、その内部にもかかる汚れが侵入
し、通常のケアにおける煮沸消毒によってこれらの汚れ
がその表面および内部で固着してしまうという問題があ
った。
【0003】このようなソフトコンタクトレンズの汚染
は、透明性を損ない、たとえば含水率、酸素透過性など
の物理的特性の低下を引き起こし、ひいては眼に損傷を
与える結果となる危惧がある。したがって、レンズの洗
浄剤が市販され、使用者が使用前後にレンズを洗浄し、
煮沸消毒により細菌汚染を防止するように指導されてい
る。
【0004】しかしながら、通常の洗浄剤は界面活性剤
を主成分とするものの、レンズに付着した汚れのなかで
も、脂質汚れは除去することができるが、蛋白質やムチ
ン質を除去することができず、かかる汚れを残存させて
しまうものであった。しかも、煮沸消毒を行なうことで
残存した蛋白質汚れが変性凝固し、表面のみならずレン
ズ内部にも汚れが固着し、その結果、レンズが白濁して
寿命が短くなるといった問題があった。
【0005】このため、蛋白質除去用の洗浄剤として、
従来より蛋白質分解酵素およびハイドロスルホヒドリル
化合物を含有する洗浄剤が知られており、かかる洗浄剤
に汚染されたレンズを浸漬し、蛋白質を分解除去してい
る。
【0006】しかしながら、この方法では蛋白質の分解
に非常に時間がかかり、しかも、レンズ内部の汚れに対
しては酵素がレンズ内部に侵入しなければ効果が発現さ
れないので、処理時間および効果ともに満足できるもの
ではない。
【0007】また、特開昭59−45399号公報、特
開昭61−260214号公報、特開平4−19021
4号公報、特公平6−21905号公報などには、塩素
系酸化剤を用いた蛋白質除去剤や除去方法が開示されて
いる。しかしながら、このような強力な酸化剤を用いた
除去剤では、ソフトコンタクトレンズのマークや着色部
が脱色消失してしまう問題があり、カラーソフトコンタ
クトレンズや染料によりマークされたレンズには適用し
にくいものである。
【0008】一方、酸化剤として各種の過酸化物を用い
たレンズの処理剤や処理方法も、従来数多く提案されて
いる。たとえば、特開昭60−217333号公報に
は、過酸化水素溶液をカタラーゼ酵素(過酸化水素の中
和剤)含有溶液で中和してレンズを殺菌洗浄する方法
が、特開昭62−59918号公報には、過酸化物(H
22で0.05〜10%)および蛋白質分解酵素を含有
する溶液にレンズを浸漬することにより消毒と洗浄とを
同時に行なう方法が、特公平2−41008号公報に
は、固体過酸化物(過流酸カリウム、尿素ペルオキソ水
和物)とアルキルグリコシドとにより過酸化水素を発生
させてレンズを殺菌洗浄し、還元剤〜触媒により中和す
る方法が、特開昭63−193129号公報には、過酸
化水素を電気分解により中和する方法が、特開平3−2
55199号公報には、過酸化物とアルミニウム塩とを
含有する洗浄剤がそれぞれ開示されている。
【0009】しかしながら、これらの処理剤や処理方法
は、いずれも過酸化物によるレンズの滅菌を目的とする
ものであるため、副次的に蛋白質汚れの除去効果が若干
発現されているにすぎず、実際にその効果は不充分であ
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、ソフトコンタクトレン
ズの表面や内部に付着ないし固着した蛋白質などの汚れ
を、脱色などの問題を生じることなく、短時間で効率よ
く除去しうる方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、0.05〜4
w/v%の過酸化水素および0.005〜3w/v%の
尿素を含有した処理液中にソフトコンタクトレンズを浸
漬したのち、該処理液に直流電流を通電して加熱処理を
施すことを特徴とするソフトコンタクトレンズの洗浄方
法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のソフトコンタクトレンズ
の洗浄方法は、前記したように、0.05〜4w/v%
の過酸化水素および0.05〜3w/v%の尿素を含有
した処理液中にソフトコンタクトレンズを浸漬したの
ち、該処理液に直流電流を通電して加熱処理を施すこと
を特徴とするものである。
【0013】前記過酸化水素と尿素とを含む処理液に、
汚れが付着ないし固着したソフトコンタクトレンズを浸
漬し、直流電流を通電して汚れを除去する方法の機構
は、以下のように考える。
【0014】まず、処理液中では、過酸化水素はその一
部がHO2 -イオンとH+イオンとに解離して存在する。
文献(J. Org. Chem.,Vol.40,No.8,1975,1187〜1189,H.
L.Vaughm and M. I. Robbins)によれば、次式(I)
で表わされるように、HO2 -イオンは、レンズに付着な
いし固着した汚れの成分である蛋白質のペプチド結合に
作用してこれを分解切断するはたらきがある。
【0015】
【化1】
【0016】また、レンズ素材と蛋白質とのあいだに形
成される水素結合が蛋白質の吸着の要因の1つとなるの
であるが、通常高濃度の尿素にはこの水素結合を切断す
る作用があり(カオトロピック効果)、これによって蛋
白質が溶離してくる。
【0017】したがって、前記式(I)で表わされるよ
うに、ペプチド結合が切断されて低分子になった蛋白質
が、処理液中に含まれる尿素のはたらきで処理液に溶解
しやすくなり、処理液中を流れる電流により、レンズか
ら蛋白質などの汚れがより効率よく除去されるのであ
る。
【0018】本発明に用いられる処理液に含有される過
酸化水素は、前記したように、主にソフトコンタクトレ
ンズに付着ないし固着した蛋白質のペプチド結合を切断
するために用いられる成分である。
【0019】前記処理液中の過酸化水素の濃度は、蛋白
質のペプチド結合を切断する作用が少なくなり、ソフト
コンタクトレンズの洗浄効果が不充分とならないように
するためには、0.05w/v%以上、好ましくは0.
1w/v%以上である。またレンズ素材に対して分解劣
化やカラー退色などの悪影響を与えるおそれをなくすた
めには、処理液中の過酸化水素の濃度は、4w/v%以
下、好ましくは3.5w/v%以下であり、さらに、加
熱処理後の残存過酸化水素濃度を低下させ、余分な通電
処理や還元剤による中和処理などを行なわなくてもよい
ようにするためには、さらに好ましくは2w/v%以
下、とくに好ましくは1w/v%以下である。
【0020】なお、前記過酸化水素は、ソフトコンタク
トレンズの洗浄処理後に分解無毒化する必要があるが、
次式(II)で表わされる反応により、電流を通電するこ
とでかなりの量の過酸化水素が分解される。
【0021】 HO2 -+OH-−2e- → O2+H2O (II) 処理液中の過酸化水素の濃度は、ソフトコンタクトレン
ズの洗浄処理後には、眼に入っても沁みることがない程
度の濃度、たとえば30ppm以下、好ましくは0pp
mにより近い低濃度であるほど望ましい。したがって、
あらかじめ処理液に含有される過酸化水素の濃度が高い
と、洗浄処理後に残存する過酸化水素の濃度も高くなる
ので、やはり前記のごとき上限値をこえる濃度とするこ
とは好ましくない。
【0022】本発明に用いられる処理液に含有される尿
素は、前記したように、主にペプチド結合が切断されて
低分子になった蛋白質などの汚れを可溶化させるために
用いられる。
【0023】本発明の大きな特徴の1つは、処理液中の
かかる尿素の濃度が、従来このような処理液中の尿素の
通常濃度とされてきた10数w/v%よりもかなり低濃
度の0.005〜3w/v%である点にある。
【0024】本発明において、前記のごとき低濃度の尿
素が充分な効果を発現しうる理由は、(1)処理液中を
流れる電流が電気泳動の作用によって蛋白質の除去効果
をより高めていること、(2)蛋白質が前記過酸化水素
によって切断され、低分子化していることにあると考え
られる。
【0025】したがって、前記処理液中の尿素の濃度
は、かかる尿素を用いたことによる汚れを可溶化させる
効果を充分に発現させるためには、0.005w/v%
以上、好ましくは0.008w/v%以上であり、また
あまりに高濃度であっても蛋白質の除去効果がより発現
されるわけではないことを考慮すると、3w/v%以
下、好ましくは1.5w/v%以下、さらに好ましくは
0.8w/v%以下である。
【0026】本発明に用いられる処理液は、このように
特定濃度の過酸化水素および特定濃度の尿素を含有した
ものであるが、これらのほかにも、たとえば電解質など
を含有していることが好ましい。
【0027】前記電解質は、所定量の電流を通電させ、
かつpHや浸透圧を調整するために用いられる成分であ
る。
【0028】前記電解質の具体例としては、たとえばト
リスクエン酸緩衝液、トリスホウ酸緩衝液、ホウ酸塩緩
衝液、リン酸塩緩衝液、クエン酸塩緩衝液、酒石酸塩緩
衝液などの緩衝液;炭酸カリウム水溶液、炭酸ナトリウ
ム水溶液、硫酸ナトリウム水溶液などがあげられ、これ
らは単独でまたは2種以上を混合して用いることができ
る。これらのなかでは、処理液中にソフトコンタクトレ
ンズを浸漬した際に、レンズの材質、規格や形状に悪影
響を与えるおそれがないという観点から、硫酸ナトリウ
ム水溶液、ホウ酸塩緩衝液、トリスホウ酸緩衝液などが
とくに好ましい。
【0029】処理液中の電解質の濃度は、短時間で加熱
するため、所定の電流値とするのに大きな電圧が必要と
なり、電気的な安全性が低下するおそれをなくすために
は、0.05w/v%以上、好ましくは0.1w/v%
以上であることが望ましく、また処理液の浸透圧が高く
なってソフトコンタクトレンズのサイズが変化したり、
洗浄処理後のソフトコンタクトレンズをそのまま眼に装
用したときに眼が沁みたりするおそれをなくすために
は、3w/v%以下、好ましくは2w/v%以下である
ことが望ましい。
【0030】なお、処理液が過酸化水素を含有したもの
であるため、そのpHが5.0前後といった酸性になり
がちであるが、ソフトコンタクトレンズを洗浄処理した
あとの処理液のpHは、ソフトコンタクトレンズに対す
る悪影響をなくし、眼に対する安全性を向上させること
を考慮すると、5.0〜8.0程度、好ましくは6.0
〜7.5程度であることが望ましい。よって、本発明に
おいて、処理液に電解質が含有されているばあい、その
濃度は、処理液のpHもあせて考慮することが好まし
い。
【0031】さらに、本発明においては、本発明の目的
を阻害しないかぎり、たとえばポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコールなどの分散剤などのその他の成分
を、必要に応じてその濃度を適宜調整して処理液に含有
させることができる。
【0032】前記特定濃度の過酸化水素および特定濃度
の尿素、ならびに必要に応じて電解質、その他の成分を
含有した処理液をうる方法としては、たとえばこれらの
成分をそれぞれ所望濃度となるように水などに添加し、
撹拌する方法などがあげられる。
【0033】本発明において、前記処理液中にソフトコ
ンタクトレンズを浸漬したのち、該処理液に直流電流を
通電して加熱処理を施し、ソフトコンタクトレンズの洗
浄を行なう。
【0034】ソフトコンタクトレンズを浸漬した処理液
に直流電流を通電するばあいの電極の材料としては、通
常電解の際に用いられているものであればよく、とくに
限定がないが、たとえばステンレススチール、白金、
金、銅、ニッケル、チタンなどの金属、炭素棒、合成樹
脂に金、白金などの金属がメッキまたは蒸着されたもの
などがあげられる。これらのなかでは、各電極でおこる
電解反応における電極の溶解などを考慮すると、イオン
化傾向が小さく、溶解しにくい金、白金などの金属や、
これらが合成樹脂にメッキまたは蒸着されたものなどが
好ましい。
【0035】本発明において、処理液に通電させる直通
電流には、(イ)過酸化水素により分解されて低分子化
した蛋白質を電気的に泳動除去する作用、(ロ)電解に
より過酸化水素を分解する作用、(ハ)電解により気体
を発生させて物理的に蛋白質などの汚れを除去する作
用、(ニ)処理液の温度を上昇させて蛋白質のペプチド
結合の切断反応をより効果的にする作用がある 前記直流電流の電流値は、蛋白質などの汚れの除去効果
を充分に発現させるためには、0.01A以上、好まし
くは0.1A以上であることが望ましく、また蛋白質な
どの除去効果は充分である反面、電極における電解反応
が激しすぎるため、電極に損傷を与える危惧があり、し
かも高電圧を必要とするので、装置を大型にしなければ
ならないといった問題が発生するおそれをなくすために
は、2A以下、好ましくは0.8A以下であることが望
ましい。
【0036】なお、前記電流値は、処理液の温度によっ
て変化するため、前記範囲内の一定の電流値となるよう
に通電するよりも、電極間に印加する直流電流の電圧が
所望の範囲内の一定値となるようにコントロールするほ
うが容易である。したがって、本発明においては、たと
えば電圧を20〜140V、好ましくは25〜50Vと
し、電流値が前記範囲内となるように調整することが望
ましい。
【0037】このようにソフトコンタクトレンズを浸漬
した処理液に直流電流を通電することによって処理液の
温度が上昇し、加熱処理が施されるが、かかる処理液の
温度が上昇することにより、前記式(I)で表わされる
ような過酸化水素と蛋白質のペプチド結合との反応速度
が高くなり、蛋白質のペプチド結合の切断反応がより加
速される。
【0038】したがって、前記のごとき処理液の温度の
上昇のほか、電解によって生じる酸素ガスが蛋白質の除
去に大きく寄与しており、発生期の酸素の酸化力をあわ
せて考慮すると、処理液に直流電流を通電する時間は、
通常数分〜数10分間程度、なかんづく5〜30分間程
度といった短時間で充分である。ただし、後述するよう
に、処理液内に残存する過酸化水素を電気的に分解する
ために、さらに所望時間通電してもよい。
【0039】なお、前記のごとく直流電流を通電して加
熱処理を施す際の処理液の温度は、蛋白質のペプチド結
合の切断反応がより効果的に促進されるという点から、
80℃以上、好ましくは100℃程度となるようにする
ことが望ましい。
【0040】加熱処理後の処理液中に残存する過酸化水
素の濃度は、該過酸化水素の初期濃度、直流電流の通電
時間、電流値などによって異なるが、残存する過酸化水
素の濃度が、たとえば眼に入っても沁みることがない程
度の濃度よりも高いばあいには、ソフトコンタクトレン
ズを浸漬した処理液に対して通電時間を延長して過酸化
水素を電気的に分解させるか、かかる残存する過酸化水
素の濃度が高い処理液と、過酸化水素を含まないほかは
本発明に用いられる処理液と同様の処理用溶液とを交換
して再度直流電流を通電して分解させるなどすればよ
い。また、このほかにも、たとえばチオ硫酸ナトリウム
などの還元剤を含有した溶液にソフトコンタクトレンズ
を浸漬して過酸化水素を分解する方法なども採用するこ
とができる。
【0041】なお、本発明の洗浄方法によれば、ソフト
コンタクトレンズに付着ないし固着している脂質、蛋白
質などの汚れは、前記のごとく処理液を加熱することに
よって処理液中に分散されるが、さらにかかる処理液に
よる洗浄処理前または洗浄処理後に、界面活性剤を含有
した洗浄液でソフトコンタクトレンズを洗浄したばあい
には、汚れがより効果的に除去されうる。
【0042】前記界面活性剤としては、たとえば高級ア
ルコールおよび液体脂肪油の硫酸エステル、アルキルエ
ーテル硫酸エステル、アルキルスルホネート、スルホコ
ハク酸エステル、アルキルエーテルスルホン酸ナトリウ
ムなどの陰イオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、ア
ルキルアンモニウム塩などの陽イオン性界面活性剤、ア
ルキルエーテル、アルキルフェニルエーテル、ポリオキ
シプロピレンエーテル、アルキルエステルグリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン性界
面活性剤などがあげられ、これらは単独でまたは2種以
上を混合して用いることができる。
【0043】なお、前記界面活性剤は、本発明に用いる
処理液中に適宜含有させてもよい。
【0044】かくして洗浄処理が施されたソフトコンタ
クトレンズは、そのまま眼に装用することができる。
【0045】本発明の洗浄方法によれば、ソフトコンタ
クトレンズの表面や内部に付着ないし固着した蛋白質な
どの汚れを、脱色などの問題を生じることなく、すぐれ
た洗浄力によって短時間で効率よく除去することができ
る。
【0046】
【実施例】つぎに、本発明のソフトコンタクトレンズの
洗浄方法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、
本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0047】実施例1〜7 以下の表1に示す成分を含有した処理液を調製した。な
お、表1中には処理液のpHもあわせて示す。
【0048】
【表1】
【0049】つぎに、コンタクトレンズ装用者から、実
際に装用して汚れて白濁したソフトコンタクトレンズを
回収し、これを2分割した一方を、図8に示す処理容器
の円筒状の処理ケース8内のレンズホルダー9に固定し
た。ついで調製した処理液5.5mlを処理ケース8内
に入れてソフトコンタクトレンズ12が処理液13に浸
漬するようにし、この処理液13に直流電流を通電し
た。このときの通電条件は、電圧が38V、初期電流値
が0.1Aであり、いずれの実施例においても、通電開
始後約12分間で煮沸した(約100℃)。このままの
状態で10分間保持したのち、通電を停止した。
【0050】なお、処理ケース8に設けられた一対の電
極10(+電極)、11(−電極)は、チタンに白金を
コートしたものであり、電極面積が0.3cm2(0.
5cm×0.6cm)、電極間距離が20mmである。
【0051】また、実施例1〜4においては、ソフトコ
ンタクトレンズとして「メニコンソフト72」(商品
名、(株)メニコン製、含水率72重量%、緑色)を用
い、実施例5においては、「メニコンS」(商品名、
(株)メニコン製、含水率72重量%、緑色)を用い、
実施例6〜7においては、「メニコンMA」(商品名、
(株)メニコン製、含水率38重量%、青色)を用い
た。
【0052】洗浄処理が終了したソフトコンタクトレン
ズを処理液から取り出し、これと2分割した残りの一方
の未処理のソフトコンタクトレンズとを写真撮影(撮影
倍率:6倍)してその汚れの状態を比較観察した。これ
らのソフトコンタクトレンズのスケッチ図を図1〜図7
に示す。図1、図2、図3の(a)、図4、図5、図6
および図7の(a)において、それぞれ1a、2a、3
a、4a、5a、6aおよび7aは、いずれも処理液中
で洗浄処理を行なったソフトコンタクトレンズであり、
1b、2b、3b、4b、5b、6bおよび7bは、い
ずれも未処理のソフトコンタクトレンズ(2分割した残
りの一方)である。
【0053】さらに、実施例3では、前記洗浄処理が終
了したのち、ポリビニルピロリドンを用いなかったほか
は表1に示す実施例3の成分と同じ成分を含有した処理
液を用いて再度同様の洗浄処理を行ない、同様に写真撮
影をしてその汚れの状態を未処理のものと比較観察し
た。これらのソフトコンタクトレンズのスケッチ図を図
3の(b)に示す。図3の(b)において、3cは洗浄
処理を行なったソフトコンタクトレンズであり、3dは
未処理のソフトコンタクトレンズである。
【0054】また、実施例7では、前記洗浄処理が終了
したのち、過酸化水素の濃度が0.15w/v%から
3.0w/v%となるように変更し、尿素の濃度が0.
01w/v%から0.1w/v%となるように変更した
ほかは表1に示す実施例7の成分と同じ成分を含有した
処理液を用いて再度同様の洗浄処理を行ない、同様に写
真撮影をしてその汚れの状態を未処理のものと比較観察
した。これらのソフトコンタクトレンズのスケッチ図を
図7の(b)に示す。図7の(b)において、7cは洗
浄処理を行なったソフトコンタクトレンズであり、7d
は未処理のソフトコンタクトレンズである。
【0055】図1〜7に示すように、実施例1〜7にお
いて本発明の洗浄方法にて洗浄処理を行なったソフトコ
ンタクトレンズは、それぞれ未処理の汚れて白濁した
(ただし、図1〜7において、白濁した部分は黒色で示
す)ソフトコンタクトレンズと比較すると、いずれも白
濁した部分が透明ないし薄い白色になっており、蛋白質
などの汚れが除去されていることがわかる。
【0056】また、実施例3および7においては同様の
洗浄処理を2回繰り返しているが、図3の(a)と
(b)とを比較すると、また図7の(a)と(b)とを
比較すると、2回洗浄処理を行なうことにより、汚れの
除去効果がより発現されることがわかる。
【0057】さらに、実施例1〜7において洗浄処理を
行なったソフトコンタクトレンズは、いずれも脱色、損
傷などがまったく起こっていなかった。
【0058】
【発明の効果】本発明の洗浄方法によれば、ソフトコン
タクトレンズの表面や内部に付着ないし固着した蛋白質
などの汚れを、脱色などの問題を生じることなく、すぐ
れた洗浄力によって短時間で効率よく除去することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において洗浄処理を行なったソフトコ
ンタクトレンズおよび未処理のソフトコンタクトレンズ
のスケッチ図である。
【図2】実施例2において洗浄処理を行なったソフトコ
ンタクトレンズおよび未処理のソフトコンタクトレンズ
のスケッチ図である。
【図3】実施例3において洗浄処理を行なったソフトコ
ンタクトレンズおよび未処理のソフトコンタクトレンズ
のスケッチ図であり、図3の(a)は洗浄処理を1回行
なったばあいのスケッチ図で、図3の(b)は洗浄処理
を2回行なったばあいのスケッチ図である。
【図4】実施例4において洗浄処理を行なったソフトコ
ンタクトレンズおよび未処理のソフトコンタクトレンズ
のスケッチ図である。
【図5】実施例5において洗浄処理を行なったソフトコ
ンタクトレンズおよび未処理のソフトコンタクトレンズ
のスケッチ図である。
【図6】実施例6において洗浄処理を行なったソフトコ
ンタクトレンズおよび未処理のソフトコンタクトレンズ
のスケッチ図である。
【図7】実施例7において洗浄処理を行なったソフトコ
ンタクトレンズおよび未処理のソフトコンタクトレンズ
のスケッチ図であり、図7の(a)は洗浄処理を1回行
なったばあいのスケッチ図で、図7の(b)は洗浄処理
を2回行なったばあいのスケッチ図である。
【図8】実施例1〜7における洗浄処理の際に用いられ
た処理容器の概略説明図である。
【符号の説明】
12 ソフトコンタクトレンズ 13 処理液

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.05〜4w/v%の過酸化水素およ
    び0.005〜3w/v%の尿素を含有した処理液中に
    ソフトコンタクトレンズを浸漬したのち、該処理液に直
    流電流を通電して加熱処理を施すことを特徴とするソフ
    トコンタクトレンズの洗浄方法。
  2. 【請求項2】 処理液の温度が80℃以上となるように
    直流電流を通電する請求項1記載のソフトコンタクトレ
    ンズの洗浄方法。
JP21985597A 1997-07-30 1997-07-30 ソフトコンタクトレンズの洗浄方法 Pending JPH1152309A (ja)

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