JPH0614978A - 洗浄殺菌方法 - Google Patents

洗浄殺菌方法

Info

Publication number
JPH0614978A
JPH0614978A JP5071958A JP7195893A JPH0614978A JP H0614978 A JPH0614978 A JP H0614978A JP 5071958 A JP5071958 A JP 5071958A JP 7195893 A JP7195893 A JP 7195893A JP H0614978 A JPH0614978 A JP H0614978A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contact lens
electrode
treatment
peroxide
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5071958A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Kamiya
英昭 神谷
Satoshi Hashimoto
智 橋本
Satoru Matsumoto
悟 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOME SANGYO KK
Original Assignee
TOME SANGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOME SANGYO KK filed Critical TOME SANGYO KK
Priority to JP5071958A priority Critical patent/JPH0614978A/ja
Publication of JPH0614978A publication Critical patent/JPH0614978A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Eyeglasses (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性、洗浄殺菌効果および電気的安全性に
すぐれ、たとえばコンタクトレンズなどの被洗浄体の材
質を劣化させることがなく、家庭用電源のないところで
も容易に洗浄殺菌することができる方法を提供するこ
と。 【構成】 電気分解によって次亜ハロゲン酸塩を発生し
ない処理液に被洗浄体を浸漬し、一対の電極の正極と負
極を処理中に複数回繰り返して逆転させて該電極に直流
電流を通じて過酸化物を発生させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は洗浄殺菌方法に関する。
さらに詳しくは、たとえばナイフ、皿、コップなどの食
器類、注射針、医療用はさみ、医療用ピンセット、歯科
用充填器、歯科用ユニット、視力補正用レンズなどの医
療用具などの被洗浄体を処理溶液に浸漬し、該溶液中に
直接電流を通じることにより被洗浄体を洗浄殺菌する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】食器類の洗浄方法には、主として洗剤を
用い、ブラシやスポンジなどによる物理的なこすり洗い
を行なう方法と、強力な水流を当てることによる機械的
洗浄方法とがあるが、洗剤を用いてこすり洗いを行なう
方法には、被洗浄体を各個に洗わなければならないので
その作業が煩雑であるという欠点があり、また水流によ
る機械的洗浄方法には、細かな隙間に入り込んだ汚れま
でを洗い落すことが困難であるという欠点がある。
【0003】また、医療用具は、一般的に人や動物の疾
病の診断、治療や予防などに用いられており、人や動物
のからだの構造や機能に影響を及ぼすことが目的とされ
ているため、該医療用具の洗浄殺菌には充分に留意をし
なければならない。これら医療用具のなかでも、たとえ
ば医療用ピンセット、医療用はさみ、歯科用入れ歯など
は、物理的な洗浄では器具の細かな隙間まで充分に洗浄
することができないので、強力な洗浄力を有する洗浄剤
に浸漬したのち、該器具のすすぎを充分に行なわなけれ
ばならず、また強力な洗浄力を有する洗浄剤を扱うの
で、皮膚に対して刺激があったり、衣服についたときに
衣服が脱色されたりするという欠点がある。
【0004】また、コンタクトレンズには、その装用に
伴って環境中の汚れ、微生物、涙液中の蛋白質などが付
着するので、そのまま長期間目に装用し続けると目を害
する危惧がある。したがって、これを定期的に、好まし
くは毎日洗浄したり、殺菌する必要がある。
【0005】前記コンタクトレンズの洗浄方法として
は、従来、界面活性剤入りソリューションを用いて手指
により洗浄する方法が知られているが、かかる洗浄方法
では、表面の汚れを取り除くことが可能であるが、たと
えばハードコンタクトレンズに適用したばあいには、洗
浄中に破損したり、傷が入るおそれがあり、また含水性
ソフトコンタクトレンズに適用したばあいには、コンタ
クトレンズの内部に入り込んでいる蛋白質などの汚れを
完全に除去することができない。このように内部に入り
込んでいる蛋白質などの汚れが完全に除去されていない
状態で含水性ソフトコンタクトレンズを煮沸消毒したば
あいには、コンタクトレンズ内部に入り込んでいる蛋白
質の変性や凝固が進み、変性した蛋白質や凝固した蛋白
質がさらにコンタクトレンズに強く固着することにな
り、その結果、コンタクトレンズに白濁が生じるという
問題がある。
【0006】従来、蛋白質に汚染されたコンタクトレン
ズを再生利用するための洗浄剤としては、蛋白質分解酵
素を含む洗浄剤が知られている。しかし、この洗浄剤を
用いたばあいには、コンタクトレンズの表面に付着した
蛋白質を分解することができるが、洗浄効果の発現には
時間がかかる。とくに該洗浄剤を用いて含水性ソフトコ
ンタクトレンズを洗浄したばあいには、コンタクトレン
ズ内部で変性している蛋白質を分解するためには、蛋白
質分解酵素自体もコンタクトレンズ内部に侵入させなけ
ればならないので、ハードコンタクトレンズよりもさら
に長時間の処理が必要であるばかりか、充分な蛋白質除
去効果を期待することができない。
【0007】また、米国特許第4,732,185 号明細書に
は、pH8〜9のホウ酸- EDTA緩衝液に一定方向の
電場を形成させてコンタクトレンズを浸漬して電気泳動
によって蛋白質を除去し、洗浄する方法が記載されてい
る。この方法を行なえば、確かに含水性コンタクトレン
ズ内部に侵入している蛋白質を除去することができる
が、かかる方法を行なう前提として、蛋白質が変性して
おらず、しかもイオン化された状態であることが必要で
あり、また処理に要する時間が長時間であるなどの問題
点がある。また、かかる方法では、蛋白質が熱変性しな
いようにするためには加熱することができないので、ホ
ウ酸の防腐力および殺菌力によってコンタクトレンズを
殺菌するために、ホウ酸をたとえば0.808mol/lと高濃
度で用い、pHをアルカリ側の8〜9に保つ必要があ
り、このような高濃度でホウ酸を用いれば、殺菌効果が
発現されてもpHが大きく、浸透圧が高いので、該方法
で処理したコンタクトレンズを目に装用することに対す
る安全性に問題があった。
【0008】一方、含水性コンタクトレンズの殺菌方法
としては、前記した煮沸消毒をする方法のほかに、特開
昭56-68454号公報および特開昭57-153658 号公報に記載
されているような食塩水中にコンタクトレンズを浸漬
し、電流を流すことにより次亜塩素酸塩を生成させて消
毒する方法や特開昭58-38559号公報、特開昭60- 68858
号公報および特開昭60- 217333号公報に記載されている
ようなコンタクトレンズをH2 2 水溶液に浸漬して殺
菌し、金属触媒、還元剤および酵素触媒を用いてH2
2 を分解し、無毒化する方法などが知られている。
【0009】しかし、電気分解によって次亜塩素酸塩を
生成させる方法では、処理後に処理槽内に残存する次亜
塩素酸塩が自然消失するまでには時間がかかり、また次
亜塩素酸塩が含水性ソフトコンタクトレンズ中に残存し
ないようにするためには、該次亜塩素酸塩を還元しなけ
ればならないのでその操作が煩雑であり、しかもカラー
コンタクトレンズや染色によってマーキングが施された
コンタクトレンズにかかる処理を施したばあいは、コン
タクトレンズの色やマークが前記処理によって脱色され
てしまうという問題がある。
【0010】また前記H2 2 水溶液を使用する方法
は、含水性ソフトコンタクトレンズ中に残存するH2
2 を分解しなければならないため、その操作に長時間を
要するうえに、コンタクトレンズ内部に残存するH2
2 が完全に分解されていないと装用時に目にしみるなど
の刺激が付与されるため、適当な殺菌方法であるとはい
えない。
【0011】そこで本発明者は、前記従来技術の問題点
に鑑みてかかる問題点を解決しうる方法を見出し、先に
出願を行なっている(特願平2-114463号)。
【0012】すなわち、かかる方法は、電気分解によっ
て次亜ハロゲン酸塩を発生しない電解質溶液にソフトコ
ンタクトレンズを浸漬し、直流電流を通じることによ
り、コンタクトレンズの表面および/またはその内部か
ら蛋白質を除去し、同時に処理液の温度を80〜100 ℃に
上昇させることによってコンタクトレンズの加熱殺菌を
行なうコンタクトレンズの洗浄殺菌方法である。さらに
具体的には、前記方法は、電解質溶液中にコロイド状態
で遊離しているが変性していない蛋白質が帯電している
状態で該電解質溶液に直流電流を流すと蛋白質が陽極ま
たは陰極へ移動するという性質(電気泳動)を利用し、
直流電流によって電解質溶液に浸漬されたコンタクトレ
ンズに付着または内在している蛋白質をコンタクトレン
ズの外部に移動させて除去する作用と、電極反応によっ
て発生する過酸化物で蛋白質を分解除去する作用との2
つの作用によってコンタクトレンズを洗浄し、同時に通
電によって該電解質溶液を80〜100 ℃の温度に加熱する
ことによってコンタクトレンズを加熱殺菌する方法であ
る。
【0013】しかしながら、前記方法で発生する過酸化
物の濃度は、2〜3ppm が限界であり、通電開始から5
分間以内には低下するため、たとえばコンタクトレンズ
に変性固着した蛋白質などの汚れが多いばあいには、洗
浄効果が不充分となることがあり、また加熱殺菌するた
めに該処理溶液の液温を80〜100 ℃に保つことが必要で
あるが、近年の高含水性ソフトコンタクトレンズのなか
には、とくに熱による材質劣化によりその寿命が短くな
るものがあるため、たとえば室温〜75℃程度のより低温
でよりすぐれた殺菌効果を付与することができる方法の
開発が望まれている。たとえば、特願平2-114463号明細
書に記載の方法によれば、このような蛋白質の汚れは、
該処理液中に流す電流値をある程度以上にし、過酸化物
を発生させることによって分解除去されるが、前記した
ように変性固着した蛋白質が多いコンタクトレンズに対
しては、一方向から直流電流を流したばあいには、過酸
化物の発生量が少なく、洗浄効果が充分でないことがあ
る。また、食器類や医療用具に関しても同様のことがい
える。
【0014】また、近年、たとえば旅行先などでは、含
水性ソフトコンタクトレンズを煮沸消毒するための家庭
用電源などがないことがあるため、小電力で簡便にコン
タクトレンズを殺菌消毒および洗浄しうる方法の開発が
待ち望まれている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、手間がかからずに効率
よく安全に医療用具や食器類を洗浄しうる方法を提供す
ることを目的とするものである。とりわけ、コンタクト
レンズに関しては、目に対して何らの悪影響を及ぼすこ
とがなく安全であり、かつすぐれた洗浄力によって、コ
ンタクトレンズに付着または内在する蛋白質を除去し、
同時に75℃以下の比較的低温で消毒を行なうことができ
る方法を提供すること、さらには電力をできるだけ小さ
くすることによって電気的安全性を高め、なおかつバッ
テリーなどの使用によって携帯に便利なコンタクトレン
ズ処理装置にも好適に使用しうるコンタクトレンズの電
気的処理方法を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は電気
分解によって次亜ハロゲン酸塩を発生しない処理液に被
洗浄体を浸漬して直流電流を通じる処理方法であって、
一対の電極の正極と負極とを処理中に複数回繰り返して
逆転させて該電極に直流電流を通じて過酸化物を発生さ
せることを特徴とする洗浄殺菌方法に関する。
【0017】
【作用および実施例】本発明の方法に適用しうる被洗浄
体としては、たとえばコンタクトレンズなどの視力補正
用コンタクトレンズをはじめ、注射針、医療用はさみ、
医療用ピンセット、歯科用充填器、歯科用ユニットなど
の医療用具、ナイフ、皿、コップなどの食器類などのが
あげられる。
【0018】以下、被洗浄体の代表的なものとして、コ
ンタクトレンズを主な例にとって説明する。
【0019】本発明によれば、コンタクトレンズなどの
被洗浄体が浸漬せしめられる処理液(電解質溶液)中
に、ある範囲内の時間の間隔で電極の正極と負極とを交
互に繰り返して逆転させながら直流電流を流す方法がと
られている。このとき、正極と負極とを逆転させる方法
で、逆転の前後の時間の間隔はそれぞれ任意にとられる
が、電気泳動の効果を高めるためには、間隔の差を大き
くとったほうが望ましい。
【0020】本発明の方法によれば、従来の電極の正極
と負極とを処理中に逆転させない方法と対比して、おど
ろくべきことに、5〜10倍程度と大量の過酸化物を発生
させることができる。このように過酸化物の発生量が多
くなれば、過酸化物自身による殺菌効果が非常に大きく
なり、処理液をあえて煮沸しなくても充分な殺菌効果が
発揮される。
【0021】すなわち、本発明の方法によれば、たとえ
ばハードコンタクトレンズや高含水率コンタクトレンズ
などのコンタクトレンズの材質の熱的劣化を防ぐために
75℃程度以下の温度で加熱したばあいであっても、電極
の正極と負極とを繰り返して逆転させながら直流電流を
流すことによって発生した大量の過酸化物による殺菌効
果が熱による殺菌効果の低下を補うように作用するの
で、充分な殺菌効果が発現されるのである。
【0022】また、本発明の方法によれば、蛋白質をコ
ンタクトレンズなどの被洗浄体の外部に移動させる直流
電場による作用と、電極反応によって処理液中に生成す
る過酸化物による蛋白質を効果的に可溶化する作用とに
よって、きわめて短時間でコンタクトレンズなどの被洗
浄体から蛋白質の汚れを効率よく除去することができ
る。
【0023】また、本発明においては、前記過酸化物
は、処理後にはコンタクトレンズに残存せずにほぼ完全
に消失するので、還元などの煩雑な操作が不必要であ
る。
【0024】したがって、コンタクトレンズを洗浄殺菌
するばあいには、使用者はコンタクトレンズを処理液に
浸し、直流電流を印加するだけで処理後にはそのまま該
コンタクトレンズを目に装用することができる。また、
他の被洗浄体のばあいでも、処理後に煩雑な操作をする
必要がない。
【0025】なお、前記蛋白質の分解機構は未だ明らか
ではないが、おそらく前記過酸化物がアミドに作用して
加水分解のように蛋白質のペプチド結合を切断すること
に起因するものと推定されている。
【0026】また、前記したように、直流電圧を印加す
る電極の正極と負極とを処理中にある範囲内の時間の間
隔で複数回繰り返して逆転させながら直流電流を流した
ばあいには、電極の正負を逆転させないばあいと対比し
て過酸化物の発生量が5〜10倍程度多くなる理由は未だ
明らかではないが、おそらく前記電極の逆転によって電
極の表面が常に活性化され、電極における電極反応式で
いう平衡状態が過酸化物の発生側に傾くことによるもの
と推定される。
【0027】本発明においては、処理液として、電気分
解によって次亜塩素酸などの次亜ハロゲン酸塩を発生せ
ずに過酸化物を発生する処理液が用いられる。ここで、
一般に電極において電気分解反応によって発生する過酸
化物としては、たとえば過酸化水素、オゾンなどがあげ
られる。
【0028】前記処理液の具体例としては、たとえばベ
ロナール緩衝液、ベロナール- アセテート緩衝液、トリ
ス- グリシン緩衝液、トリス- クエン酸緩衝液、アラニ
ン-酢酸緩衝液、グリシン- 酢酸緩衝液、ホウ酸塩緩衝
液、リン酸塩緩衝液、クエン酸塩緩衝液、酢酸塩緩衝
液、シュウ酸塩緩衝液、トリス- EDTA緩衝液、コハ
ク酸塩緩衝液、酒石酸塩緩衝液などの緩衝液、たとえば
ホウ酸およびホウ砂を主成分とする処理剤を含有した水
溶液、K2 CO3 水溶液、Na2 CO3 水溶液、NaH
CO3 水溶液、Na2 SO4 水溶液、(NH4 2 SO
4 水溶液、CH3COONa水溶液などの水溶液などが
あげられ、これらの処理液は単独でまたは2種以上を混
合して用いられる。コンタクトレンズの洗浄殺菌のばあ
い、これらのなかでは、コンタクトレンズを浸してもコ
ンタクトレンズの材質、規格や形状に悪影響を与えない
こと、処理液があやまって目に入っても安全であること
などの点から、リン酸塩緩衝液、酢酸塩緩衝液、クエン
酸塩緩衝液、ホウ酸塩緩衝液などの処理液がとくに好ま
しい。
【0029】前記処理液中の電解質の濃度は0.001 〜0.
5mol/l、好ましくは0.05〜0.2mol/l、とくに好まし
くは0.1 〜0.2mol/lであることが望ましい。かかる濃
度が前記範囲未満であるばあい、過酸化物を発生させる
ような電流値とするためには大きな電圧をかけねばなら
なくなる傾向があり、また前記範囲をこえると、コンタ
クトレンズの洗浄殺菌のばあい、処理液の浸透圧が大き
くなってコンタクトレンズのサイズが変化したり、処理
後に該処理液からコンタクトレンズをそのまま取り出し
て装用するばあいに目がしみる傾向がある。また、コン
タクトレンズ以外の被洗浄体の洗浄殺菌のばあいでも、
電解質の濃度が高くなると洗浄後に電解質の除去を充分
に行なわなければならなくなることがある。
【0030】また、処理液中の蛋白質の電荷は、処理液
のpHによって変化するため、処理液のpHによっては
電流を流してもまったく蛋白質が移動しないことがあ
る。このようなときのpHをその蛋白質の等電点(以
下、pIという)というが、本発明に用いられる処理液
は本質的に蛋白質のpI、たとえばコンタクトレンズの
洗浄殺菌のばあいには涙液の主要構成成分であるアルブ
ミン(pI4.7 〜5.0 )、グロブリン(pI5.2 〜5.4
)、リゾチーム(pI10.5〜11.4)などの各pIと異
なるほうが効果発現のためには好ましい。すなわち、処
理液はpH1〜4.6 、pH5.5 〜10.4またはpH11.5〜
14であることが望ましく、さらにコンタクトレンズの材
質に対する悪影響や処理後にコンタクトレンズを取り出
してそのまま目に装用するばあいの目に対する安全性を
考慮すれば、好ましくはpH5.5 〜8、とくに好ましく
はpH6〜7.5 であることが望ましい。
【0031】また、他の被洗浄体を洗浄殺菌するばあい
でも、蛋白質のpIと処理液のpHが異なるほうが洗浄
効果を高めるのためには好ましい。さらに人体に対する
安全面などを考慮すれば、pHが5.5 〜8程度であるこ
とが好ましい。
【0032】さらに、本発明においては、前記処理液中
には、尿素、チオシアン酸塩および還元性化合物より選
ばれた1種または2種以上の化合物を含有させてもよ
い。これらの化合物は、いずれもコンタクトレンズなど
の被洗浄体に存在する蛋白質、とくに通常の電気泳動で
は除去することができない変性した蛋白質を除去しやす
くするための成分であるが、尿素およびチオシアン酸塩
と還元性化合物とでは、その作用および使用量は以下に
述べるとおり異なる。
【0033】一般に、尿素やチオシアン酸塩は、低分子
非電解質や蛋白質などの水に対する溶解性を高める作用
を呈する成分であり、本発明においては、かかる作用
と、電気泳動および電極反応によって発生する過酸化物
による蛋白質の除去作用との相乗作用によってコンタク
トレンズなどの被洗浄体の表面に付着またはコンタクト
レンズに内在する蛋白質が効率よく除去される。
【0034】処理液中における前記尿素および/または
チオシアン酸塩の濃度は、一般に充分に洗浄せしめるた
めに0.5 〜4mol /l程度と比較的高濃度にする必要が
あるが、本発明においては前記したように、発生する過
酸化物などによる相乗作用があるため、0.5mol/l以
下、さらに好ましくは0.01〜0.5mol/l、とくに好まし
くは0.04〜0.06 mol/l程度の低濃度でよい。なお、前
記濃度が0.01 mol/l以上であることは、尿素および/
またはチオシアン酸塩が蛋白質の除去効果を発現するよ
うにするために好ましいが、これよりも濃度が低くても
通常の装用で付着する蛋白質による汚れを過酸化物によ
って除去することができる。また前記濃度が前記範囲を
こえるばあいには、蛋白質の除去効果は大きくなるが、
ソフトコンタクトレンズの洗浄殺菌のばあいには、相対
的に処理液の浸透圧が大きくなって処理後にそのままコ
ンタクトレンズを装用したときには目にしみることがあ
る。また、ハードコンタクトレンズをはじめそのほかの
被洗浄体の洗浄殺菌を行なうばあいでも、あまりにもそ
の濃度が高いばあいには、洗浄後にすすぎを充分に行な
わなければならなくなることがある。
【0035】このように本発明において、前記尿素およ
び/またはチオシアン酸塩を用いるばあいには、これら
を低濃度で用いることができるので、これらを高濃度で
用いたときのように含水性コンタクトレンズが膨張した
り、収縮したり、洗浄後に充分にすすぎを行なわなけれ
ばならなくなったりすることがない。
【0036】前記チオシアン酸塩の具体例としては、た
とえばチオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸ナトリ
ウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸カルシウム
などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を組合
わせて用いられる。
【0037】本発明に用いられうる還元性化合物は、コ
ンタクトレンズなどの被洗浄体の表面に付着またはコン
タクトレンズに内在する蛋白質の分子間または分子内の
S-S結合を還元しうる性質を有するものである。かか
る還元性化合物を用いるばあいには、処理液中における
濃度が通常0.1mol/l以下、好ましくは0.005 〜0.05mo
l /lとなるように調製されることが望ましい。かかる
濃度が前記範囲をこえるばあいには、蛋白質の除去効果
が大きくなるが、コンタクトレンズの洗浄殺菌のばあ
い、相対的に処理液の浸透圧が大きくなり、処理された
コンタクトレンズのサイズが変化したり、処理後にその
ままコンタクトレンズを目に装用したときに目にしみる
傾向がある。また、その他の被洗浄体の洗浄殺菌を行な
ったばあいにも、充分にすすぎを行なう必要が生じたり
することがある。
【0038】前記還元性化合物の具体例としては、たと
えばチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸
カルシウムなどのチオ硫酸のアルカリ金属塩またはアル
カリ土類金属塩;D- グルコース、L- グルコース、ラ
クトース、D- フラクトースなどの糖類;システイン;
メチオニン;ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、クエン
酸、クエン酸ナトリウムなどの酸またはそのアルカリ金
属塩やアルカリ土類金属塩;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸
カリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの亜硫酸塩;アス
コルビン酸;グルタチオンなどがあげられ、これらの還
元性化合物は単独でまたは2種以上を組合わせて用いら
れる。
【0039】なお、本発明においては、前記したよう
に、尿素、チオシアン酸塩および還元性化合物は、通常
単独でまたは2種以上を混合して用いられる。尿素およ
び/またはチオシアン酸塩と還元性化合物とを併用する
ばあいには、これらの使用量は、それぞれ前記した使用
量の範囲内であればよい。
【0040】ただし、前記還元性化合物のうち還元力の
強い、たとえばチオ硫酸塩や亜硫酸塩などを用いるばあ
いには、蛋白質の除去効果を向上させることができる
が、その一方で電極反応によって生じた過酸化物を還元
し、殺菌効果を低下させることがある。したがって、還
元性化合物としては、比較的還元力が小さいクエン酸、
クエン酸ナトリウムを用いることが好ましい。
【0041】なお、本発明に用いられるコンタクトレン
ズなどの被洗浄体の処理液は、あらかじめ前記処理剤を
水溶液としたものであってもよく、また前記処理剤をた
とえば粉末状、顆粒状、ペレット状などとしておき、使
用の際に、その使用者が水に溶解して水溶液としたもの
であってもよい。
【0042】本発明においては、前記処理液にコンタク
トレンズなどの被洗浄体を浸漬して一対の電極の正極と
負極とを処理中に複数回繰り返して逆転させながら該電
極に直流電流を通じ、過酸化物を発生させることによ
り、コンタクトレンズなどの被洗浄体の処理を行なう。
【0043】前記電極の材料としては、経時的に正極お
よび負極がそれぞれ交互に負極および正極に変化しても
電極反応によって電極が溶解しがたいイオン化傾向が小
さい材料を用いることが好ましい。このような電極材料
の具体例としては、たとえば金、白金などの貴金属、金
や白金などの貴金属のメッキ処理または蒸着処理が施さ
れた合成樹脂、セラミックなどがあげられる。
【0044】前記電極の正極と負極との処理中の逆転回
数は、複数回であればよいが、逆転させる時間の間隔が
0.1 秒〜5分間の範囲内となるように調整することが好
ましく、なかんづく2秒〜2分間の範囲内となるように
調整することがより好ましい。前記時間の間隔が0.1 秒
間よりも短いばあいには、電気泳動の効果が小さく、一
方5分間よりも長いばあいには、過酸化物の発生量があ
まり大きくならなくなる傾向がある。
【0045】前記直流電圧を印加する一対の電極の正極
と負極とを逆転させるための手段としては、たとえば発
振器とカウンター分周器およびリレーを用いた反転回路
を用いる方法や、単にリレーのみを用いる方法などがあ
げられる。
【0046】処理液に通電する電流は、処理液と電極面
積に応じて適宜選択されるが、0.001 〜0.5 A程度の範
囲内にあることが好ましい。前記電流が0.001 A未満で
あるばあいには、電流を流しても電解質溶液中に過酸化
物がほとんど発生せず、蛋白質の除去効果や殺菌効果が
小さくなる傾向があり、前記電流値が0.5 Aをこえるば
あいには、処理液の液温が必要以上に上昇し、たとえば
ハードコンタクトレンズや高含水コンタクトレンズなど
のコンタクトレンズの洗浄殺菌を行なったときには、加
熱によるハードコンタクトレンズの変形、高含水率コン
タクトレンズの材質劣化などの熱的な劣化をひきおこす
原因となることがある。また、その他の被洗浄体の洗浄
殺菌を行なったばあいでも、電流値があまりにも大きす
ぎると所望の電流値をうるために大電圧を必要とするの
で電気的な安全性が低下する傾向がある。
【0047】前記電極間に印加する直流電圧は、3〜40
V程度であることが好ましい。かかる電圧が前記範囲よ
りも低いばあいには、洗浄殺菌効果が充分に発現されな
くなる傾向があり、逆に前記範囲をこえるばあいには、
処理液の液温が必要以上に上昇し、たとえばコンタクト
レンズの洗浄殺菌を行なったときには、コンタクトレン
ズが熱的に劣化することがある。また、その他の被洗浄
体の洗浄殺菌を行なったばあいでも、電圧があまりにも
高すぎると前記したように、感電、漏電などの電気的な
安全性が低下する傾向がある。
【0048】また前記処理液の液温は、電流を通すこと
により上昇するが、コンタクトレンズの熱的な劣化を防
止するためには、75℃以下の温度に抑えることが好まし
い。しかし、含水性コンタクトレンズの殺菌は、発生す
る過酸化物だけではなく、温度との相乗効果によるの
で、通常、該処理液の液温は、40〜75℃であることがよ
り好ましく、50〜70℃がとくに好ましい。また、その他
の被洗浄体の洗浄殺菌のばあいでも、液温があまりにも
高すぎときには、その材質の劣化を生じる傾向がある。
【0049】本発明においては、処理液の電気分解によ
って過酸化物の濃度が高くなり、該高濃度の過酸化物
は、たとえば含水性コンタクトレンズなどの被洗浄体に
内在する蛋白質を除去すると同時にその被洗浄体に付着
した微生物などを殺菌する作用を呈するため、従来の方
法では100 ℃にまで加熱しなければ微生物などを殺菌す
ることができなかったのが、このように75℃以下という
低温でこれらを殺菌することができる。
【0050】生成する過酸化物の濃度は、コンタクトレ
ンズなどの被洗浄体に付着した汚れの状態によって異な
るが、被洗浄体の殺菌を充分に行なうために、処理液中
に通常5ppm 以上、好ましくは10ppm 以上とすることが
望ましい。なお、本発明の方法によって発生する過酸化
物は、処理直後にほぼ完全に消失するので、目などに対
する刺激がない。生成する過酸化物の濃度は、通常電極
の正極と負極とを逆転させる時間の間隔、処理液に流す
電流値などを調節することによって調整することができ
る。
【0051】本発明の洗浄殺菌方法において、被洗浄体
としてコンタクトレンズを一例にあげて具体的に説明す
れば、たとえばホウ酸塩緩衝液からなる処理液量を7ml
とし、各電極面積をそれぞれ0.21cm2 としたばあい、電
極の正極と負極との逆転の間隔を30秒間、電圧を20〜25
Vとし、0.05〜0.15Aの電流を流すことによって15ppm
以上の過酸化物を発生させることができ、液温が70℃以
下の比較的低温で通電開始30分間以内に殺菌および蛋白
質の除去が可能となる。かかるばあいにおいては、通電
時間は、処理液中に発生する過酸化物が通電開始約5〜
20分間経過後で最高濃度に達することから、効果的な殺
菌や蛋白除去を行なうためには約15〜60分間程度とする
ことが好ましい。
【0052】なお、処理液中でコンタクトレンズなどの
被洗浄体を加熱することで被洗浄体に付着している脂質
などの汚れをほとんど除去することができるが、さらに
充分に除去するために、被洗浄体を処理槽に浸漬する前
または洗浄殺菌後に界面活性剤を入れた洗浄液で被洗浄
体を洗浄したり、前記処理液中に界面活性剤を含有させ
てもよい。
【0053】前記界面活性剤の具体例としては、たとえ
ば高級アルコールおよび液体脂肪油の硫酸エステル、ア
ルキルエーテル硫酸エステル、アルキルスルホネート、
スルホコハク酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、ア
ルキルアミン塩、アルキルアンモニウム塩などの陽イオ
ン界面活性剤、アルキルエーテル、アルキルフェニルエ
ーテル、ポリオキシプロピレンエーテル、アルキルエス
テルグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルな
どの非イオン界面活性剤などがあげられる。
【0054】前記界面活性剤を処理液中に含有させて用
いるばあいには、該界面活性剤の濃度があまりにも大き
すぎると電極反応により発生するガスのため、処理液に
過剰の気泡が発生して容器から処理液があふれることが
あるので、該界面活性剤の処理液中の濃度は、0.1 重量
%以下であることが好ましく、さらには0.05重量%以下
であることが望ましい。
【0055】また、コンタクトレンズ内部に変性した蛋
白質が存在するばあいなど、除去しにくい蛋白質の汚れ
が存在するばあいには、処理液中に蛋白質分解酵素を含
有させて変性した蛋白質が除去されやすくしてもよい。
【0056】前記蛋白質分解酵素の具体例としては、た
とえばパパイン、キモパパイン、パンクレアチン、トリ
プシン、キモトリプシン、ペプシン、フィシン、カルボ
キシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ、ブロメリンな
どの植物性蛋白質分解酵素や動物性蛋白質分解酵素、バ
チルス、ストレプトミセス細菌やアスペルギルス糸状菌
などの微生物由来の蛋白質分解酵素などがあげられる。
【0057】前記蛋白質分解酵素の処理液中の濃度は、
処理液中の蛋白質分解酵素活性が300 〜1000unit/mlと
なるように調整されることが望ましい。
【0058】コンタクトレンズの洗浄殺菌のばあい、処
理後のコンタクトレンズは、処理液から取り出してその
ままで、また処理中に任意に添加した成分により処理液
が目に対して刺激性を有するものであるばあいには、生
理食塩水などで洗浄したのちに装用することができる。
また、その他の被洗浄体のばあいでも、処理液から取り
出してそのままで、または生理食塩水や水などでかるく
洗浄などをするだけで用いることができる。
【0059】本発明の洗浄殺菌方法によれば、電気分解
によって次亜ハロゲン酸塩を発生せずに過酸化物を発生
するが、発生した過酸化物が処理後に短時間で消失する
ので、コンタクトレンズの洗浄殺菌のばあい、着色コン
タクトレンズの脱色のおそれが小さく、また残留次亜塩
素酸塩や過酸化物による目に対する刺激などが生じず、
すぐれた洗浄力によりコンタクトレンズに付着または内
在する蛋白質を除去し、同時にコンタクトレンズの殺菌
を行なうことができる。
【0060】また、その他の被洗浄体に対しても、衣類
などについたときに該衣類などを脱色したり、皮膚に刺
激を与えることがなく、しかも洗浄、殺菌を充分に行な
うことができる。
【0061】つぎに本発明を実施例に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定され
るものではない。
【0062】参考例1〜5および比較参考例1 ホウ酸の濃度が0.21mol /l、ホウ砂の濃度が0.00157m
ol/l、クエン酸三ナトリウムの濃度が0.0149mol /l
の電解質溶液(pH6.8 )7ml中に25Vの直流電圧をか
けて48mAの初期電流を流し、電極の正極と負極を反転回
路を用いて3.75秒(参考例1)、7.5 秒(参考例2)、
15秒(参考例3)、30秒(参考例4)、60秒(参考例
5)の各時間の間隔をおいて正極と負極とを繰り返して
逆転させたときおよび電極の正極と負極とを逆転させな
かったとき(比較参考例1)の通電時間に対する該電解
質溶液中の過酸化物の濃度を以下に示す方法にしたがっ
て測定した。その結果を図1に示す。ただし、通電時間
は30分間で行なった。
【0063】(過酸化物の濃度の測定方法)まず下記の
ようにして、試薬を調製した。
【0064】(イ)リン酸塩緩衝液:リン酸一ナトリウ
ム(試薬特級)0.07mol およびリン酸二ナトリウム(試
薬特級)0.13mol を蒸留水に溶かし、pHを7.0 に調製
したのち全量を1リットルとした。
【0065】(ロ)ABTS試薬:2,2′- アジノビ
ス(3- エチルベンゾチアゾリン- 6- スルホン酸)2
NH4 塩(ABTS試薬特級)0.113 gおよびペルオキ
シダーゼTypeI(シグマ・ケミカル・カンパニー社製、
商品名)100unitsを前記リン酸塩緩衝液に溶かして全量
を100ml とした。
【0066】(ハ)つぎに、30ppm 以下に希釈した過酸
化水素標準液2.0ml と前記ABTS試液2.0ml を混合
し、撹拌したのち、420nm での紫外線吸光度(以下、吸
光度という)を測定した。各濃度での吸光度を測定して
検量線を作成した。
【0067】つぎに前記電解質溶液に電流を流したの
ち、各時間経過後ごと(通電開始後2、4、6、8、1
0、12、14、16、18、22、26、30、35、40分経過時)に
サンプル2.0 mlをとり出し、ABTS試液2.0ml とを混
合して撹拌し、ついで420nm での吸光度を測定し、前記
検量線から過酸化水素換算での濃度を求めた。
【0068】図1に示されるように、電極の正極と負極
とを繰り返して逆転させたばあいの電解質溶液中の過酸
化物の濃度は、電極の正極と負極とを逆転させないばあ
いと比べて約10〜20倍程度高くなり、しかも通電終了数
分後にはほとんど0ppm となった。
【0069】すなわち、処理後にコンタクトレンズを取
り出してそのまま目に装用しても、コンタクトレンズに
過酸化物が存在しないので、目に対して安全であること
がわかる。
【0070】また、電極の正極と負極とを逆転させる時
間の間隔は、該処理液を用いたばあいには、もっとも高
濃度に過酸化物を発生させることができるのは約30秒間
隔であり、それよりも長くても短くても過酸化物の濃度
が低くなる傾向があることがわかる。
【0071】つぎに、電極の正極と負極が逆転する方法
で、逆転の前後の時間の間隔が等間隔でないばあいにつ
いて調べた。
【0072】参考例6〜9および比較参考例2 ホウ酸の濃度が0.0323mol/l 、ホウ砂の濃度が0.00433m
ol/l、クエン酸の濃度が0.0281mol/l 、クエン酸三ナト
リウムが0.00338mol/lの電解質溶液(pH6.9)7ml中に15
Vの直流電圧をかけて0.045 Aの初期電流を流し、電極
の正極と負極を反転回路を用いて、正極と負極との逆転
が一方向に3.75秒間で逆方向に30秒間(参考例6)、以
下同様に7.5 秒間と1分間(参考例7)、30秒間と4分
間(参考例8)、30秒間と30秒間(参考例9)のばあい
について、通電時間に対する該電解質溶液中の過酸化物
の濃度を測定した。ただし、通電時間は40分間で行なっ
た。正極と負極との逆転が一方向7.5 秒間で逆方向に1
分間のときのほうが、同様な時間の条件が30秒間と30秒
間のときよりも過酸化物の発生が多くなっているので、
電気泳動の効果も考えあわせて、正極と負極が繰り返し
て逆転する方法で逆転の前後の時間の間隔が等間隔でな
いほうがより好ましい。ちなみに、電極の正極と負極を
逆転せず断続的に電流を流したばあいで30秒間通電して
3.75秒間断電したばあいも示す(比較参考例2)。これ
によって電極の正極と負極を逆転させなければ、過酸化
物の発生量の少ないことが確認された。それらの結果を
図2に示す。なお、過酸化物の濃度の測定は、通電開始
2、4、6、8、10、15、20、25、30、35、40分間経過
時に行なった。
【0073】参考例10〜14 参考例1〜5と同様に、電解質溶液として0.2mol/lの
リン酸塩緩衝液(参考例10)、0.3mol/lホウ酸塩緩衝
液(参考例11)、0.075mol/lのクエン酸塩緩衝液(参
考例12)、0.1mol/l硫酸ナトリウム水溶液(参考例1
3)または0.08mol /l炭酸水素ナトリウム水溶液(参
考例14)を用い、それぞれ7mlに15〜20Vの電圧をか
け、0.04〜0.1 Aの初期電流を流したときの各電解質溶
液中の過酸化物の濃度を測定した。
【0074】いずれの電解質溶液においても、単に一方
向にのみ直流電流を流しているときよりも電極の正極と
負極とを約30秒間隔で繰り返して逆転させたときがもっ
とも過酸化物の濃度が高くなり、通電停止後数分で過酸
化物濃度はほとんど0ppm となった。
【0075】実施例1 下記に示す組成となるように各成分を配合し、人工涙液
(pH7.0)約1リットルをえた。
【0076】N- ビニルピロリドンを主成分とする含水
率約70%のソフトコンタクトレンズ2枚を前記人工涙液
1.5 ml中に37℃で16時間浸漬することによりコンタクト
レンズに蛋白質を吸着させた。
【0077】(人工涙液の組成) アルブミン 3.88g γ- グロブリン 1.61g リゾチーム 1.2 g NaCl 9.0 g CaCl2 ・2H2 O 0.15g NaH2 PO4 ・2H2 O 1.04g 蒸 留 水 1.0 リットル つぎに、前記コンタクトレンズのうちの1枚をソフトコ
ンタクトレンズ用洗浄剤「メニクリーン」((株)メニ
コン製、商品名)を用いて手指にて洗浄後、クエン酸三
ナトリウムの濃度が0.075mol/l、クエン酸の濃度が0.
005mol/lのクエン酸塩緩衝液(pH6.8 )7ml中に浸
漬し、15Vの電圧をかけて0.05Aの初期電流を流した。
このとき、電極の正極と負極とを反転回路を用いて30秒
間隔で繰り返して逆転させた。この溶液の液温は、30分
間通電処理したのちに75℃に達した。この間に電流値
は、0.18Aまで上がった。30分間電流を流したのち、室
温(22℃)まで放冷した。
【0078】つぎに前記操作(人工涙液1.5ml 中にコン
タクトレンズを浸漬する操作から放冷まで)を1サイク
ルとし(以下、サイクルテストA1 という)、かかる操
作をコンタクトレンズに100 サイクル施したのち、コン
タクトレンズを肉眼で観察したところ、サイクルテスト
1 を施していないコンタクトレンズとまったく同じ透
明性を有していた。
【0079】さらに、サイクルテストA1 を100 サイク
ル施したコンタクトレンズの断面をX線マイクロアナラ
イザー(日本電子(株)製、JSM35型)により分析
し、イオウの存在を調べたが、前記処理を施したコンタ
クトレンズにイオウの存在は認められなかった。
【0080】比較例1 実施例1と同様にして、ソフトコンタクトレンズ1枚を
前記人工涙液に浸漬し、メニクリーンを用いて手指にて
洗浄後、ソフトコンタクトレンズ保存液「メニソーク」
((株)メニコン製、商品名)1.5ml 中にてソフトコン
タクトレンズ用煮沸消毒器として「メニコンライザー
E」((株)メニコン製、商品名;以下、ライザーEと
いう)を用いてコンタクトレンズに殺菌処理を施した。
【0081】以下、通電に代えてライザーEによる煮沸
消毒処理を行なったほかは実施例1と同様にしてサイク
ルテスト(以下、サイクルテストB1 という)を100 サ
イクル実施したが、ライザーEにより処理を施したコン
タクトレンズは、サイクルテストB1 を40サイクル程度
実施したころから白濁していることが肉眼でわかるよう
になった。
【0082】つぎに実施例1と同様にしてコンタクトレ
ンズの断面をX線マイクロアナライザーにより分析し、
イオウの存在を調べたところ、ライザーEによる処理を
施したコンタクトレンズはイオウの存在を示すピークが
検出された。
【0083】コンタクトレンズの基材にはもともとイオ
ウは含まれていないことから、検出されたイオウは蛋白
質分子構造に由来するものであり、したがってコンタク
トレンズの白濁は熱変性した蛋白質によるものと推定さ
れる。
【0084】一方、実施例1でサイクルテストA1 が施
されたコンタクトレンズにはイオウが検出されなかった
ことから、実施例1のように電流を流すことでコンタク
トレンズの蛋白質汚れの洗浄を充分に行なうことができ
ることがわかる。
【0085】さらに、ライザーEを用いたサイクルテス
トB1 で、メニソークの代わりに実施例1で用いられた
ものと同じクエン酸塩緩衝液(pH6.8 )を用いてサイ
クルテストを実施した。このコンタクトレンズもサイク
ルテストを40サイクル程度実施したころから白濁してい
ることが肉眼でわかるようになった。
【0086】すなわち、直流電流を、電極の正極と負極
とを繰り返して逆転させながら流すことでコンタクトレ
ンズの洗浄効果があることがわかる。
【0087】実施例2 参考例6で使用した電解質溶液7ml中に15Vの直流電圧
をかけて0.045 Aの初期電流を流し、電極の正極と負極
を反転回路を用いて、正極と負極との逆転が一方向に7.
5 秒間で逆方向に1分間で電流を流したほかは、実施例
1と同様にサイクルテスト(以下、サイクルテストC1
という)を行なった。このとき、溶液の液温は、40分間
通電処理したのちには60℃に達し、電流値は0.08Aまで
あがった。かかるサイクルテストC1 をコンタクトレン
ズに100 サイクル施したのち、コンタクトレンズを肉眼
で観察したところ、サイクルテストC1 を施していない
コンタクトレンズとまったく同じ透明性を有していた。
【0088】さらに、サイクルテストC1 を100 サイク
ル施したコンタクトレンズの断面をX線マイクロアナラ
イザー(日本電子(株)JSM35型)により分析し、イ
オウの存在を調べたが、前記処理を施したコンタクトレ
ンズにイオウの存在は認識できなかった。
【0089】比較例2 比較例1と同様にライザーEを用いたサイクルテストB
1 でメニソークのかわりに参考例6で使用した電解質溶
液でサイクルテスト(以下、サイクルテストD1 とい
う)を実施した。このコンタクトレンズもサイクルテス
トD1 を30サイクル程度実施したころから白濁している
ことが肉眼でわかるようになった。すなわち、直流電流
を、電極の正極と負極とを逆転する方法で逆転の前後の
時間の間隔が等時間でないように流すこともコンタクト
レンズの洗浄効果があることがわかる。
【0090】実施例3、4および比較例3 N−ビニルピロリドンを主成分とする含水率約78%のソ
フトコンタクトレンズ3枚を実施例1で用いたものと同
じ人工涙液40ml中に10日間、25℃で浸漬した。ただし、
人工涙液は毎日新しいものと交換した。
【0091】前記3枚のレンズを取り出し、1枚はその
まま約20℃の参考例6で使用した電解質溶液7ml中に3
時間浸漬した(比較例3)。また、1枚は前記と同様の
電解質溶液7ml中に3時間浸漬して、15Vの電圧をかけ
て0.045 Aの初期電流を流した(実施例3)。このと
き、電極の正極と負極とを反転回路を用いて30秒間隔で
繰り返して逆転させた。このばあいの通電時間は10分間
である。
【0092】一方、残りの1枚を前記と同様の電解質溶
液7mlに浸漬して同電圧で同時間通電処理した。ただ
し、このときの電極の正極と負極との逆転は一方向に7.
5 秒間、逆方向に1分間の間隔で逆転させた(実施例
4)。このばあいも通電時間は10分間である。
【0093】つぎに、各レンズをそれぞれ1%アミドブ
ラック10B染色液(7%酢酸水溶液中)10mlに1時間浸
漬した。その後、各レンズを7%酢酸水溶液で5回(10
0ml/1回で10分ごとに液交換)洗浄後、メタノール中に
浸漬することにより5回(100ml/1回で30分間ごとに液
交換)洗浄し、さらに新鮮なメタノール100ml 中に1日
浸漬した。最後に各レンズを再び7%酢酸水溶液50ml中
に1日浸漬した。
【0094】3枚のレンズの着色を調べたところ、実施
例4で処理したレンズはまったく着色されていなかった
が、実施例3のレンズはわずかに青色に、比較例3のレ
ンズは新鮮な青色にそれぞれ着色されていた。かかる青
色の程度は、蛋白質がレンズ内部にどれだけ残存してい
るかを示すものである。
【0095】この結果より、レンズ内部から蛋白質を電
気的に除去するには、通電する正極、負極が繰り返して
逆転し、さらに逆転する時間間隔が異なるほうがより電
気泳動の効果を発現させるのに適していることがわかっ
た。
【0096】実施例5および比較例4 返品白濁コンタクトレンズを3分割し、そのうち2片を
それぞれ顕微鏡下暗視野で観察したのち、1片は参考例
1で使用した電解質溶液7ml中に浸漬し、25Vの電圧を
30分間かけ、初期電流0.048 Aを流した。このとき電極
の正極と負極とを反転回路を用いて30秒間隔で繰り返し
て逆転させた(実施例5)。この溶液は通電開始30分間
経過後に液温が70℃に達した。
【0097】つぎに残りの1片を前記と同様の電解質溶
液7ml中に入れ、ゆっくりと加熱し、30分間後に70℃と
なるように処理した(比較例4)。
【0098】各処理後に前記コンタクトレンズ2片を乾
燥し、顕微鏡下暗視野で観察したところ、電極の正極と
負極とを逆転させながら直流電流を流す処理を施したも
の(実施例5)は、ほぼ汚れが除去されていたが、電解
質溶液中で加熱しただけのもの(比較例4)は、汚れが
まったく除去されていなかった。
【0099】以上のことから、電極反応によって発生す
る過酸化物が、変性し不溶化した蛋白質の除去に効果が
あることがわかる。
【0100】比較例5 実施例5および比較例4で3分割された返品白濁コンタ
クトレンズのうち未使用の残りの1片を顕微鏡下暗視野
で観察したのち、蛋白質除去剤「ハイドロケアーF」
(参天アラガン(株)製、商品名)中に30分間浸漬し
た。
【0101】つぎに前記コンタクトレンズ片を乾燥し、
顕微鏡下暗視野で観察したところ、コンタクトレンズ片
から汚れはほとんど除去されていなかった。
【0102】すなわち、前記コンタクトレンズ片と、同
じ時間(30分間)処理を施した実施例5のものと比べて
明らかなように、本発明の実施例5による処理を施した
ほうがきわめて短時間でコンタクトレンズの汚れを除去
することができることがわかる。
【0103】実施例6および比較例6 参考例6で使用した電解質溶液に反転回路を用いて、電
極の正極と負荷との逆転が一方向に7.5 秒間、逆方向に
1分間の間隔で繰り返して逆転させ、初期電流0.045 A
で15Vの電圧を40分間を流したほかは、実施例5と同様
の試験(実施例6)を行なった。この溶液は、通電開始
40分間経過後に液温が60℃に達した。
【0104】つぎに残りの1片を参考例6と同様の電解
質溶液7ml中に入れ、ゆっくりと加熱し、40分間後に60
℃となるように処理した(比較例6)。各処理後に前記
コンタクトレンズ2片を乾燥し、顕微鏡下暗視野で観察
したところ、電極の正極と負極とを逆転させながら直流
電流を流す処理を施したもの(実施例6)は、ほぼ汚れ
が除去されていたが、電解質溶液中で加熱しただけのも
の(比較例6)は、汚れがまったく除去されていなかっ
た。
【0105】以上のことから、電極反応によって発生す
る過酸化物が、変性し不溶化した蛋白質の除去に効果が
あることがわかる。
【0106】実施例7 N- ビニルピロリドンを主成分とする含水率約70%のソ
フトコンタクトレンズ4枚を下記の組成の人工涙液1.5
ml中に37℃で1時間浸漬した。
【0107】(人工涙液の組成) アルブミン 11.64g γ- グロブリン 4.83g リゾチーム 3.6 g NaCl 9.0 g CaCl2 ・2H2 O 0.15g NaH2 PO4 ・2H2 O 1.04g 蒸 留 水 1.0 リットル (pH7.0 ) つぎに、前記コンタクトレンズのうち、2枚をメニクリ
ーンを用いて手指洗浄後、0.2mol/lの尿素濃度を有す
る0.05mol /lリン酸塩緩衝液(pH6.8 )8ml中に浸
漬し、15Vの電圧を30分間かけ、0.12Aの初期電流を流
した。このとき、電極の正極と負極とを反転回路を用い
て1分間隔で繰り返して逆転させた。この溶液は、通電
開始30分間経過後に液温が約70℃に達し、この間に電流
値は0.25Aまで上がった。かかる溶液を室温まで放冷し
た。
【0108】つぎに、前記操作を1サイクル(以下、サ
イクルテストA2 という)とし、かかる操作をコンタク
トレンズに100 サイクル施したのち、コンタクトレンズ
を肉眼で観察したところ、サイクルテストA2 を施して
いないコンタクトレンズとまったく同じ透明性を有して
いた。
【0109】さらに、サイクルテストA2 を100 サイク
ル施したのち、コンタクトレンズの断面におけるイオウ
およびリンの存在をX線マイクロアナライザーにより調
べたところ、イオウおよびリンはともに検出されなかっ
た。
【0110】これらのことから、通電の際に、コンタク
トレンズから蛋白質が除去されていることがわかる。
【0111】比較例7 実施例7で人工涙液処理を施した4枚のソフトコンタク
トレンズのうちの残りの2枚について、メニクリーンを
使用して手指にて洗浄後、メニソーク1.5ml 中にてライ
ザーEを用いてソフトコンタクトレンズを煮沸消毒し
た。
【0112】以下、実施例7と同様にしてサイクルテス
ト(ただし、通電に代えてライザーEによる煮沸消毒を
行なう(以下、サイクルテストB2 という))を100 サ
イクル実施したが、ライザーEにより煮沸消毒を施した
2枚のコンタクトレンズは、サイクルテストB2 を20サ
イクル程度施したころから白濁していることが肉眼でわ
かるようになった。さらにサイクルテストB2 を100 サ
イクル実施したのち、実施例3と同様にX線マイクロア
ナライザーによりイオウおよびリンの存在を調べたとこ
ろ、イオウの存在を示すピークが検出された。
【0113】すなわち、このコンタクトレンズの白濁は
蛋白質によるものと推定され、本発明のような電気的な
処理を行なわないばあいには、コンタクトレンズ内に蛋
白質が蓄積されることがわかる。
【0114】なお、リンの存在を示すピークは検出され
なかった。
【0115】実施例8〜16 実施例7で用いた電解質溶液としての0.2mol/l濃度の
尿素を含有した0.05mol /lリン酸塩緩衝液(pH6.8
)のかわりに、表1に示す濃度の成分が含まれた電解
質溶液を用いて実施例7で用いられたものと同じコンタ
クトレンズに実施例7と同様にしてサイクルテストA2
を100 回実施した。ただし、電極の正負は表1に示す時
間間隔で繰り返して逆転させた。つぎに、かかるコンタ
クトレンズと前記サイクルテストA2 が施されていない
ものの透明度を目視にて比較した。その結果を表1に示
す。
【0116】
【表1】
【0117】表1に示された結果から明らかなように、
サイクルテストA2 を100 回施した実施例8〜16のいず
れのコンタクトレンズも蛋白質の除去が行なわれたこと
がわかる。また、実施例7と同様にしてX線マイクロア
ナライザーを用いてコンタクトレンズの断面のイオウお
よびリンの存在を調べたが、実施例8〜16のいずれのコ
ンタクトレンズにもイオウおよびリンは検出されなかっ
た。
【0118】実施例17 参考例6で使用した電解質溶液に反転回路を用いて、電
極の正極と負極との逆転が一方向に7.5 秒間、逆転方向
に2分間の間隔で繰り返して逆転させ、初期電流0.045
Aで15Vの電圧を40分間流したほかは、実施例7と同様
の試験(実施例17)を行なった。この溶液は、通電開始
40分間経過後に液温が約65℃に達し、この間に電流値は
0.14Aまであがった。つぎに前記操作(以下、サイクル
テストC2 という)をコンタクトレンズに100 サイクル
施したのち、コンタクトレンズを肉眼で観察したとこ
ろ、サイクルテストC2 を施していないコンタクトレン
ズとまったく同じ透明性を有していた。さらに、サイク
ルテストC2 を100 サイクル施したのち、コンタクトレ
ンズの断面におけるイオウおよびリンの存在をX線マイ
クロアナライザーにより調べたところ、イオウおよびリ
ンはともに検出されなかった。
【0119】これらのことから、通電の際に、コンタク
トレンズから蛋白質が除去されていることがわかる。
【0120】実施例18〜24 実施例17で用いた電解質溶液として0.2mol/lの尿素を含
有した0.05mol/l リン酸塩緩衝液(pH6.8) のかわりに、
表2に示す濃度の成分が含まれた電解質溶液を用いて実
施例7で用いられたものと同じコンタクトレンズに実施
例7と同様にしてサイクルテストC2 を100 回実施し
た。ただし、電極の正負は表2に示す時間間隔で逆転さ
せた。つぎに、かかるコンタクトレンズと前記サイクル
テストCが施されていないものの透明度を目視にて比
較した。その結果を表2に示す。
【0121】
【表2】
【0122】実施例25 実施例7で用いたコンタクトレンズと同様のコンタクト
レンズ2枚を実施例7と同じ人工涙液1.5ml 中に37℃で
1時間浸漬し、メニクリーンを用いて手指で洗浄したの
ち、0.2mol/l濃度の尿素を含有した0.05mol /lリン
酸塩緩衝液(pH6.8 )1.5 ml中にてライザーEにて殺
菌消毒を施した。つぎに、前記コンタクトレンズ2枚を
室温まで放冷した。
【0123】前記操作を1サイクルとし、かかる操作を
前記コンタクトレンズ2枚に50サイクル施した。コンタ
クトレンズを肉眼で観察したところ、両コンタクトレン
ズとも前記操作を10サイクル程度施したころから白濁し
ていることがわかるようになった。
【0124】このことから、前記のようなライザーEに
よる殺菌処理では蛋白質をコンタクトレンズから除去す
ることができないことがわかる。
【0125】さらに、前記操作を50サイクル実施後の白
濁したコンタクトレンズのうちの1枚を0.05 mol /l
の亜硫酸ナトリウムを含有した0.05mol/lリン酸塩緩衝
液(pH6.8 )8ml中に入れ、18Vの電圧を30分間か
け、0.12Aの初期電流を流した。このとき、電極の正極
と負極とを反転回路を用いて2分間隔で繰り返して逆転
させた。この溶液は、通電開始30分間経過後に液温が約
70℃に達し、このときの電流値は 0.25Aであった。そ
ののち、コンタクトレンズを取り出し、コンタクトレン
ズを目視にて調べたところ、透明なコンタクトレンズに
戻っていた。
【0126】このことから、蛋白質が熱変性によって固
着したコンタクトレンズであっても、電解質溶液にコン
タクトレンズを浸漬し、電極の正極と負極とを繰り返し
て逆転させながら直流電流を流すという本発明の処理方
法によればコンタクトレンズから蛋白質を除去すること
が可能であることがわかる。
【0127】実施例26および比較例8 N- ビニルピロリドンおよびN,N- ジメチルアクリル
アミドを主成分とする含水率80%のソフトコンタクトレ
ンズ4枚のうち2枚に実施例7と同様にしてサイクルテ
ストA2 を100 サイクル施し(実施例26)、他の2枚に
は比較例7と同様の処理を施し(比較例8)、コンタク
トレンズが白濁するかを調べた。
【0128】通電処理を施した実施例26の2枚のコンタ
クトレンズは100 サイクル終了後でも透明であったが、
ライザーEを使用した煮沸処理を施した比較例8の2枚
のコンタクトレンズは30サイクル程度から白濁が観察さ
れた。
【0129】実施例27および比較例9 N- ビニルピロリドンおよびN,N- ジメチルアクリル
アミドを主成分とする含水率72%のソフトコンタクトレ
ンズ4枚のうち2枚に実施例3と同様にしてサイクルテ
ストA2 を施し(実施例27)、他の2枚には比較例1と
同様にして処理を施し(比較例9)、コンタクトレンズ
が白濁するかを調べた。
【0130】通電処理を施した実施例27の2枚のコンタ
クトレンズは、100 サイクル終了後でも透明であった
が、ライザーEを用いて煮沸処理を施した比較例9の2
枚のコンタクトレンズは42サイクル程度から白濁が観察
された。
【0131】実施例28 ボシュロム・オプティマ38(ボシュ・アンドロム・イン
コ―ポレイテッド(BAUSCH & LOMB INCORPORATED) 社
製、商品名)およびHYDRONソフトカラ―コンタクトレン
ズ(ハイドロン・ジャパン(株)製、商品名:114 ロド
ス)の2種類のソフトカラ―コンタクトレンズをそれぞ
れカミソリの刃を用いて切断することにより2分割し、
各コンタクトレンズの半片のうち1つずつを生理食塩水
中に保存した。残りの半片は実施例1で用いたクエン酸
塩緩衝液(pH6.8 )8ml中に浸漬して30分間15Vの直
流電圧をかけて0.05Aの初期電流を流した。この溶液は
通電開始30分後に液温が約65℃に達し、電流値は、0.11
Aに上がった。かかる処理を繰り返した。ただし、電極
の正極と負極とは反転回路を用いて30秒間隔で繰り返し
て逆転させ、前記緩衝液を30分間ごとに新しい緩衝液に
交換した。
【0132】前記通電する処理を365 回施した各半片を
取り出して生理食塩水中に保存していた各半片とそれぞ
れ同じ種類のものどうしを比較することにより退色の程
度を調べたが、前記通電する処理を施した半片はまった
く退色されていなかった。
【0133】このことから、本発明の処理方法がソフト
カラーコンタクトレンズにも充分適用しうることがわか
った。
【0134】比較例10 実施例28に使用したものと同じボシュロム・オプティマ
38およびHYDRONソフトカラーコンタクトレンズの2枚の
ソフトカラーコンタクトレンズを実施例28と同様にして
それぞれ2分割し、各コンタクトレンズの半片のうち1
つずつを生理食塩水中に保存した。
【0135】一方、クエン酸三ナトリウムの濃度が0.01
9mol/l、クエン酸の濃度が0.0003mol/l、塩化ナト
リウムの濃度が0.154mol/lである約20℃の水溶液3.0m
l に残りの各半片をそれぞれ浸漬し、実施例1と同様の
装置を用いて0.006 Aの電流を25秒間通電することによ
り、該水溶液中に約5ppm 濃度の次亜塩素酸ナトリウム
を生成せしめて消毒した。そのまま室温にて60分間放置
したのち各半片を取り出し、前記水溶液を新しいものと
取り替えて再び同様に各半片を浸漬し、通電して次亜塩
素酸ナトリウムを発生させた。前記水溶液中に各半片を
浸漬し、次亜塩素酸ナトリウムを発生させ、室温にて60
分間放置したのち各半片を取り出し、該水溶液を取り替
えるシステムを1サイクルとし、このサイクルを50回繰
り返した。
【0136】前記のようにして消毒された各半片のカラ
ーと生理食塩中に保存されていた各半片のカラーとをそ
れぞれ同種類のものどうしで比較することによりコンタ
クトレンズの退色や脱色の程度を調べたところ、ボシュ
ロムのソフトカラーコンタクトレンズはわずか2回のサ
イクルで完全に脱色されており、またHYDRONのソフトカ
ラーコンタクトレンズもサイクルが20回をこえるあたり
から退色がわかるようになった。
【0137】これらの結果から、ソフトカラーコンタク
トレンズに対して次亜ハロゲン酸塩を作用させる殺菌シ
ステムを適用したばあいには、ソフトカラーコンタクト
レンズが退色されたり、脱色されることがわかった。
【0138】実施例29および比較例11 実施例1と同様の人工涙液を用いて酸素透過性ハードコ
ンタクトレンズ「メニコンEX」((株)メニコン製、
商品名)2枚をそれぞれ前記人工涙液1.5ml 中にて10分
間煮沸し、コンタクトレンズに蛋白質汚れを付着させ
た。
【0139】そのうちの1枚を実施例22で使用した電解
質溶液8ml中に浸漬し、15Vの電圧をかけ、0.15Aの初
期電流を流した。このとき、電極の正極と負極とを反転
回路を用いて30秒間隔で繰り返して逆転させた。
【0140】この溶液の液温は、20分間通電処理したの
ちに約45℃に達し、この間に電流値は0.20Aまであがっ
た(実施例29)。
【0141】別の1枚を蛋白質除去剤ハイドロケアーF
中に20分間浸漬した(比較例11)。
【0142】つぎに、各コンタクトレンズをそれぞれ取
り出して水道水ですすいだのち、乾燥し、顕微鏡を用い
て暗視野下で観察したところ、実施例29のコンタクトレ
ンズは汚れがほとんど除去されていたが、比較例11のコ
ンタクトレンズは汚れがほとんど除去されていなかっ
た。
【0143】すなわち、同じ時間(20分間)処理を施し
たばあいであっても、比較例11と比べて明らかなよう
に、本発明の実施例29による処理のほうがきわめて短時
間でコンタクトレンズの汚れを効率よく除去することが
できることがわかる。
【0144】実験例1および比較実験例1(殺菌効果試
験) 参考例1で用いた電解質溶液10mlに黄色ブドウ球菌(ス
タフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureu
s) )または緑膿菌(シュードモナス・アエルギノサ(Ps
eudomonas aeruginosa))を1.2 ×108 cells /ml含む
菌液0.1ml を添加し、25Vの直流電流を30分間かけて0.
048 Aの初期電流で処理した。このときの電解質溶液の
温度変化を図3に示す。なお、電極の正極と負極とを反
転回路を用いて30秒単位で繰り返して逆転させたばあい
を実験例1とし、電極の正極と負極との逆転を行なわな
かったばあいを比較実験例1とした。
【0145】通電開始30分間経過後、電解質溶液1.0ml
を取り出して無菌試験用チオグリコレート培地(TGC
培地、栄研化学(株)製)15mlに加えて31℃で7日間培
養し、殺菌効果を調べた。
【0146】その結果、実験例1では、前記2種類の菌
のいずれについても7日間経過しても発育が認められ
ず、電極の正極と負極とを繰り返して逆転させることに
よるすぐれた殺菌効果が確認された。これに対して、比
較実験例1では、前記2種類の菌のいずれについても培
養1日間経過後から発育が認められた。
【0147】このことから、単に直流電流を流すだけで
は充分な殺菌効果がえられず、本発明のように、電極の
正極と負極とを繰り返して逆転させることにより、従来
の方法よりも電極反応で多量に発生する過酸化物が、殺
菌に対して大きな効果を発現することがわかった。
【0148】実験例2および比較実験例2(殺菌効果試
験) 参考例1で用いた電解質溶液10mlに、アスペルギルス・
フミガータス(Aspergills fumigatus)またはカンジダ
・アルビカンス(Candida albicans)を1.5 ×107 cell
s /mlを含む水0.1ml を入れ、25Vの直流電圧を30分間
かけて0.048 Aの初期電流で処理した。ただし電極の正
極と負極とを反転回路を用いて30秒間単位で繰り返して
逆転させたほうを実験例2、電極の正極と負極を逆転さ
せなかったものを比較実験例2とする。
【0149】通電開始30分間経過後、電解質溶液1.0ml
を取り出し、真菌無菌試験用ブドウ糖ペプトン培地(栄
研化学(株)製)15mlに加えて25℃で10日間培養して殺
菌効果を調べた。
【0150】その結果、実験例2では、前記2種類の菌
のいずれについても10日間経過しても発育が認められ
ず、電極の正極と負極とを逆転させることによるすぐれ
た殺菌効果が確認された。これに対して比較実験例2で
は前記2種の菌のいずれについても培養3日間経過後か
ら発育が認められた。
【0151】このことから、実験例2による方法では、
電極反応で従来の方法よりも多量に発生する過酸化物が
殺菌に対して大きな効果を発現することがわかった。
【0152】実験例3および比較実験例3(殺菌効果試
験) 参考例6で用いた電解質溶液10mlに黄色ブドウ球菌また
は緑膿菌を1.2 ×108cells/mlを含む菌液0.1ml を添加
し、15Vの直流電流を40分間かけて0.045 Aの初期電流
で処理した。電極の正極と負極とを反転回路を用いて電
極の正極と負極との逆転が一方向に7.5 秒間で、逆方向
に1分間の間隔で繰り返して逆転させたばあいを実験例
3、電極の正極と負極との逆転を行なわなかったばあい
を比較実験例3とした。
【0153】通電開始40分間経過後、電解質溶液1.0ml
を取り出して無菌試験用チオグリコレート培地(TGC
培地、栄研化学(株)製)15mlに加えて31℃で7日間培
養し、殺菌効果を調べた。
【0154】その結果、実験例3では、前記2種類の菌
のいずれについても7日間経過しても発育が認められ
ず、電極の正極と負極との逆転が一方向と逆方向に違っ
た時間の間隔で繰り返して逆転させることによるすぐれ
た殺菌効果が確認された。これに対して、比較実験例3
では、前記2種類の菌のいずれについても培養1日間経
過後から発育が認められた。
【0155】実験例4〜8(殺菌効果試験) 電解質溶液として参考例10で用いたリン酸緩衝液であ
り、印加電圧が17Vのばあい(実験例4)、電解質溶液
として参考例11で用いたホウ酸塩緩衝液を用い、印加電
圧が25Vのばあい(実験例5)、電解質溶液として参考
例12で用いたクエン酸塩緩衝液を用い、印加電圧が20V
のばあい(実験例6)、電解質溶液として参考例13で用
いた硫酸ナトリウム水溶液を用い、印加電圧が15Vのば
あい(実験例7)、電解質溶液として参考例14で用いた
炭酸水素ナトリウム水溶液を用い、印加電圧が10Vのば
あい(実験例8)の各ばあいについて、実験例1と同様
にして、黄色ブドウ球菌および緑膿菌に対して殺菌効果
を調べたところ、いずれのばあいにも前記2種の菌につ
いて7日間経過しても発育が認められず、すぐれた殺菌
効果が確認された。
【0156】
【発明の効果】本発明の洗浄殺菌方法によれば、電極反
応によって高濃度に発生する過酸化物により、コンタク
トレンズなどの被洗浄体の殺菌洗浄を効果的に行なうこ
とができる。
【0157】また、本発明の洗浄殺菌方法では、処理液
を高温にする必要がないので、大きな電圧を印加するた
めの電源が必要でなく、したがって装置の電気的安全性
を高めることができ、しかもコンタクトレンズなどの被
洗浄体の素材に対する熱的な劣化を極力おさえることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における参考例1〜5において、電極の
正極と負極とを所定の時間の間隔で繰り返して逆転させ
ながら電解質溶液に直流電流を流したとき、および比較
参考例1において、電極の正極と負極を逆転させずに電
解質溶液に直流電流を流したときの通電開始後の経過時
間と電解質溶液中の過酸化物の濃度との関係を示すグラ
フである。
【図2】本発明における参考例6〜9において、電極の
正極と負極とを時間的に逆転前後の時間間隔を異なるよ
うに繰り返して逆転させながら電解質溶液に直流電流を
流したとき、および比較参考例2において、電極の正極
と負極とを逆転せずに断続的に電解質溶液に直流電流を
流したときの通電開始後の経過時間と電解質溶液中の過
酸化物の濃度との関係を示すグラフである。
【図3】本発明における実験例1および比較実験例1に
おいて、電解質溶液に菌液を加えた液に、直流電流を流
したときの液温の経時変化を示すグラフである。
【図4】本発明における実験例3および比較実験例3に
おいて、電解質溶液に菌液を加えた液に、直流電流を流
したときの液温の経時変化を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気分解によって次亜ハロゲン酸塩を発
    生しない処理液に被洗浄体を浸漬して直流電流を通じる
    処理方法であって、一対の電極の正極と負極を処理中に
    複数回繰り返して逆転させて該電極に直流電流を通じて
    過酸化物を発生させることを特徴とする洗浄殺菌方法。
  2. 【請求項2】 正極と負極との逆転が0.1 秒〜5分間の
    間隔で行なわれる請求項1記載の洗浄殺菌方法。
  3. 【請求項3】 通電する電流が0.001 〜0.5 Aである請
    求項1または2記載の洗浄殺菌方法。
  4. 【請求項4】 処理液のpHが5.5 〜8である請求項
    1、2または3記載の洗浄殺菌方法。
  5. 【請求項5】 処理液の電解質濃度が0.001 〜0.5mol/
    lである請求項1、2または3記載の洗浄殺菌方法。
JP5071958A 1992-04-03 1993-03-30 洗浄殺菌方法 Pending JPH0614978A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5071958A JPH0614978A (ja) 1992-04-03 1993-03-30 洗浄殺菌方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8221592 1992-04-03
JP4-82215 1992-04-03
JP5071958A JPH0614978A (ja) 1992-04-03 1993-03-30 洗浄殺菌方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0614978A true JPH0614978A (ja) 1994-01-25

Family

ID=26413080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5071958A Pending JPH0614978A (ja) 1992-04-03 1993-03-30 洗浄殺菌方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0614978A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007108209A (ja) * 2005-10-11 2007-04-26 Tokuyama Corp 洗浄剤
JP2010156034A (ja) * 2009-01-05 2010-07-15 Japan Organo Co Ltd 過硫酸製造装置及び過硫酸製造方法
CN113867009A (zh) * 2020-07-31 2021-12-31 苏州三个臭皮匠生物科技有限公司 一种隐形眼镜清洗器及电泳解离除蛋白灭菌方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007108209A (ja) * 2005-10-11 2007-04-26 Tokuyama Corp 洗浄剤
JP2010156034A (ja) * 2009-01-05 2010-07-15 Japan Organo Co Ltd 過硫酸製造装置及び過硫酸製造方法
CN113867009A (zh) * 2020-07-31 2021-12-31 苏州三个臭皮匠生物科技有限公司 一种隐形眼镜清洗器及电泳解离除蛋白灭菌方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2730865B2 (ja) コンタクトレンズの洗浄消毒用製剤
US5260021A (en) Hydrogen peroxide-containing gels and contact lens disinfecting using same
US5314590A (en) Method for cleaning and disinfecting soft contact lens and treating solution for soft contact lenses
JP5938616B2 (ja) コンタクトレンズ用液剤
US5820696A (en) Method of cleaning and disinfecting contact lens
US5487788A (en) Method for cleaning and disinfecting contact lens
JPH07104221A (ja) コンタクトレンズの洗浄殺菌方法
JPH0614978A (ja) 洗浄殺菌方法
JP2669690B2 (ja) コンタクトレンズの洗浄方法および洗浄無菌化方法
JP2840301B2 (ja) 着色コンタクトレンズに付着したタンパク質汚れの除去方法及びそのための洗浄剤
EP0563911A1 (en) Cleaning and disinfecting method
JP2000109892A (ja) 多糖含有コンタクトレンズ用液剤
JPH09154922A (ja) コンタクトレンズの消毒洗浄方法
WO1998020912A1 (fr) Composition de traitement pour lentilles de contact et procede de traitement de lentilles de contact au moyen de ladite composition
JP4174578B2 (ja) コンタクトレンズ用液剤
JPH0838582A (ja) 洗浄消毒方法およびそれに用いられる洗浄消毒装置
JP3022989B2 (ja) ソフトコンタクトレンズの洗浄消毒方法およびソフトコンタクトレンズ用処理液
JPH0149922B2 (ja)
JP3175803B2 (ja) コンタクトレンズの処理方法
JPH07181436A (ja) コンタクトレンズの洗浄殺菌方法
JP2003277205A (ja) コンタクトレンズの消毒用組成物およびそれを用いる消毒方法
JP3552838B2 (ja) コンタクトレンズ溶液及びそれを用いた洗浄消毒方法
JP3112783B2 (ja) コンタクトレンズの洗浄、保存及び殺菌方法
JP2744623B2 (ja) コンタクトレンズ用洗浄剤及び洗浄方法
JP2002122827A (ja) コンタクトレンズの洗浄消毒方法