JPH1149944A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH1149944A
JPH1149944A JP20661797A JP20661797A JPH1149944A JP H1149944 A JPH1149944 A JP H1149944A JP 20661797 A JP20661797 A JP 20661797A JP 20661797 A JP20661797 A JP 20661797A JP H1149944 A JPH1149944 A JP H1149944A
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晴久 増田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 柔軟性、透明性、力学物性、加工性、耐候
性、耐熱性等の特性に優れた熱可塑性樹脂組成物および
成形品の提供。 【解決手段】 付加重合系ブロック共重合体(II)が、
芳香族ビニル化合物重合体ブロックおよび1,2−結合
量が30%未満の水添ポリブタジエンブロックと、水添
ポリイソプレンブロック、からなる末端水酸基含有ブロ
ック共重合体(II−1)、並びに芳香族ビニル化合物重
合体ブロックとポリイソブチレンブロックとからなる末
端水酸基含有ブロック共重合体(II−2)の1種以上か
らなり、かつポリカーボネート系ブロック共重合体(II
I)が、ポリカーボネート系樹脂(I)の重合体ブロッ
ク(III−1)と、付加重合系ブロック共重合体(II)
の重合体ブロック(III−2)とからなることを特徴と
する熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
系樹脂、特定の付加重合系ブロック共重合体および特定
のポリカーボネート系ブロック共重合体とからなる熱可
塑性樹脂組成物並びに成形品に関する。本発明の熱可塑
性樹脂組成物は、柔軟性、透明性、力学物性、加工性、
耐候性、耐熱性等に優れることから、それらの特性を活
かして各種の成形材料および成形品として極めて有効に
使用することができる。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン系エラストマーおよびポリ
オレフィン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー
は、その柔軟性、押出加工性等の利点を活かして、単独
であるいはこれにその他の熱可塑性エラストマー、柔軟
化剤等を配合した組成物として成形材料に使用されてい
る。その例として、例えば事務用機器、自動車のバンパ
ー、コンソールパネル表面などの成形材料が知られてい
る。しかし、これらの熱可塑性エラストマーは、軟化温
度が低く温度上昇による物性低下が大きい。また、圧縮
永久歪み、永久伸びが比較的大きく、耐擦傷性に劣ると
いう問題もある。さらに、一般的に硬度が低く、高硬度
のものを得るのが困難であり、用途が制限される場合が
ある。
【0003】また、ポリ塩化ビニル系エラストマーは、
添加する可塑剤の量により硬度および力学物性をある程
度調節することができるため、高硬度や透明性が要求さ
れる分野から低硬度や柔軟性が要求される分野までの広
範な用途に使用され、例えば自動車用部品、建材用部品
等に用いられている。しかし、ポリ塩化ビニル系エラス
トマーは、元来加工性に劣ることから多量の可塑剤を必
要とし、可塑剤が経時変化により表面に析出する(ブリ
ードアウト)という問題を抱えている。また、加熱分解
により毒性を有するハロゲン含有分解生成物が発生し、
そのためにリサイクルすることが困難であることからそ
の代替が求められている。
【0004】一方、ポリカーボネート系樹脂は、透明
性、耐熱性、耐候性、耐衝撃性、クリープ特性などに優
れることから、それらの特性を活かして各種成形材料に
用いられている。しかしながら、ポリカーボネート系樹
脂は柔軟性に乏しく、柔軟性を改良する目的で多くの研
究が行われている(特開昭58−145757号公報、
特公昭60−57463号公報、特公昭61−4274
8号公報、および特開昭62−70438号公報等)。
しかしながら、一般にポリカーボネート系樹脂に柔軟性
を付与すべくポリスチレン系エラストマーまたはポリオ
レフィン系エラストマーを配合すると、透明性が損なわ
れ(白濁)、また相容性の悪さに起因する相間剥離や力
学物性の低下が発生し、満足のいく結果を得るには至っ
ていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかして、本発明の目
的は、柔軟性、透明性、力学物性、加工性、耐候性、耐
熱性等の特性に優れた熱可塑性樹脂組成物および成形品
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、ポリカーボネー
ト系樹脂、特定の付加重合系ブロック共重合体および特
定のポリカーボネート系ブロック共重合体とからなる熱
可塑性樹脂組成物が、柔軟性、透明性、力学物性、加工
性、耐候性、耐熱性等の特性に優れることを見出した。
そして、本発明者らは、ポリカーボネート系樹脂、特定
の付加重合系ブロック共重合体、および特定の有機金属
化合物を溶融混練することにより得られる熱可塑性樹脂
組成物が、ポリカーボネート系樹脂、特定の付加重合系
ブロック共重合体および特定のポリカーボネート系ブロ
ック共重合体とから主としてなることを見出し、それら
の知見に基づいて本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、第一に、 (1) ポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブ
ロック共重合体(II)およびポリカーボネート系ブロッ
ク共重合体(III)からなる熱可塑性樹脂組成物であっ
て; (2) 付加重合系ブロック共重合体(II)が、 芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック
(a−1)および水素添加された1,2−結合量が30
%未満のポリブタジエンブロック(a−2)のうちの少
なくとも1種からなる重合体ブロック(A)と、水素添
加されたポリイソプレンブロック(b−1)、水素添加
された1,2−結合量が30〜80%のポリブタジエン
ブロック(b−2)および水素添加されたイソプレン/
ブタジエン共重合体ブロック(b−3)からなる群から
選ばれる少なくとも1種からなる重合体ブロック(B)
とからなり、かつ末端に水酸基を有するブロック共重合
体(II−1)、並びに 芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック
(C)とポリイソブチレンブロック(D)とからなり、
かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−
2)、のうちの少なくとも1種から誘導される付加重合
系ブロック共重合体であり; (3) ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)
が、ポリカーボネート系樹脂(I)から誘導されるポリ
カーボネート系ブロック(III−1)と、付加重合系ブロ
ック共重合体(II)から誘導される付加重合体ブロック
(III−2)とからなる; ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
【0008】そして、本発明は、第二に、 (1) ポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブ
ロック共重合体(II)および有機金属化合物(IV)を溶
融混練することにより得られる熱可塑性樹脂組成物であ
って; (2) 付加重合系ブロック共重合体(II)が、 芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック
(a−1)および水素添加された1,2−結合量が30
%未満のポリブタジエンブロック(a−2)のうちの少
なくとも1種からなる重合体ブロック(A)と、水素添
加されたポリイソプレンブロック(b−1)、水素添加
された1,2−結合量が30〜80%のポリブタジエン
ブロック(b−2)および水素添加されたイソプレン/
ブタジエン共重合体ブロック(b−3)からなる群から
選ばれる少なくとも1種からなる重合体ブロック(B)
とからなり、かつ末端に水酸基を有するブロック共重合
体(II−1)、並びに 芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック
(C)とポリイソブチレンブロック(D)とからなり、
かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−
2)、のうちの少なくとも1種から誘導される付加重合
系ブロック共重合体であり; (3) ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブ
ロック共重合体(II)との重量比が99/1〜1/99
であり;かつ (4) {ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系
ブロック共重合体(II)の合計重量}と{有機チタン化
合物(IV)の重量}との比が99.999/0.001
〜95/5である; ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。さらに、
本発明は、第三に、上記の熱可塑性樹脂組成物からなる
成形品である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、ポリカーボネー
ト系樹脂(I)は、2価フェノールとカーボネート前駆
体を溶液法または溶融法で反応させて製造される芳香族
ポリカーボネート系樹脂である。2価フェノールの代表
的な例として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン[ビスフェノールA]、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ハイドロキ
ノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホキサイド等が挙げられる。この中でも、2価
フェノールとしてビス(4−ヒドロキシフェニル)アル
カン系が好ましく、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン[ビスフェノールA]が特に好ましい。
これらの2価フェノールは、単独で用いてもまたは2種
類以上を併用して用いてもよい。
【0010】また、カーボネート前駆体としては、カル
ボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメー
ト等が挙げられ、例えばホスゲン、ジフェニルカーボネ
ート、2価フェノールのジハロホルメート等が例示され
る。この中でも、カーボネート前駆体としてホスゲンが
好ましい。
【0011】本発明で用いるポリカーボネート系樹脂
(I)の分子量は、粘度平均分子量で10000〜10
0000の範囲内にあるのが好ましく、15000〜6
0000の範囲内にあるのが特に好ましい。
【0012】ポリカーボネート系樹脂(I)としては、
必要に応じて分子量調節剤、分岐剤、触媒等を用いて製
造されたものを使用することができる。また、必要に応
じて添加剤、例えば亜リン酸エステル、リン酸エステ
ル、ホスホン酸エステル等の熱安定剤、トリアゾール
系、アセトフェノン系、サリチル酸エステル系等の紫外
線吸収剤、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロ
モビスフェノールAの低分子量ポリカーボネート、デカ
ブロモジフェニルエーテル等の難燃剤、着色剤、蛍光増
白剤などを配合してもよい。
【0013】次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物におけ
る付加重合系ブロック共重合体(II)は、上記したよう
に、末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−1)
および末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−
2)の少なくとも1種からなっており、したがって本発
明の熱可塑性樹脂組成物は、付加重合系ブロック共重合
体(II)として、ブロック共重合体(II−1)およびブ
ロック共重合体(II−2)の一方のみを含有していて
も、または両方を含有していてもよい。
【0014】ここで、ブロック共重合体(II−1)は、
上記したように、 ○ 芳香族ビニル化合物単位から主としてなる重合体ブ
ロック(a−1)[以下これを「芳香族ビニル重合体ブ
ロック(a−1)」という]および水素添加された1,
2−結合量が30%未満のポリブタジエンブロック(a
−2)[以下これを「水添ポリブタジエンブロック(a
−2)」という]のうちの少なくとも1種からなる重合
体ブロック(A);並びに、 ○ 水素添加されたポリイソプレンブロック(b−1)
[以下これを「水添ポリイソプレンブロック(b−
1)」という]、水素添加された1,2−結合量が30
〜80%のポリブタジエンブロック(b−2)[以下こ
れを「水添ポリブタジエンブロック(b−2)」とい
う]および水素添加されたイソプレン/ブタジエン共重
合体ブロック(b−3)[以下これを「水添イソプレン
/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)」という]か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体ブロック
(B); をその分子中に有していて、しかも末端に水酸基を有す
るブロック共重合体であればいずれでもよく、ブロック
共重合体(II−1)はその一方の末端にのみ水酸基を有
していても、または両末端に水酸基を有していてもよ
い。
【0015】したがって、ブロック共重合体(II−1)
としては、 (1) 芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)および
水添ポリブタジエンブロック(a−2)の両方を有する
重合体ブロック(A)と、水添ポリイソプレンブロック
(b−1)、水添ポリブタジエンブロック(b−2)お
よび水添イソプレン/ブタジエン共重体ブロック(b−
3)のうちの1種のみを含有する重合体ブロック(B)
とからなり、末端に水酸基を有するブロック共重合体; (2) 芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)および
水添ポリブタジエンブロック(a−2)の両方を有する
重合体ブロック(A)と、水添ポリイソプレンブロック
(b−1)、水添ポリブタジエンブロック(b−2)お
よび水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b
−3)のうちの2種を含有する重合体ブロック(B)と
からなり、末端に水酸基を有するブロック共重合体; (3) 芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)および
水添ポリブタジエンブロック(a−2)の両方を有する
重合体ブロック(A)と、水添ポリイソプレンブロック
(b−1)、水添ポリブタジエンブロック(b−2)お
よび水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b
−3)のすべてを含有する重合体ブロック(B)とから
なり、末端に水酸基を有するブロック共重合体; (4) 芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)および
水添ポリブタジエンブロック(a−2)のうちの1種の
みを有する重合体ブロック(A)と、水添ポリイソプレ
ンブロック(b−1)、水添ポリブタジエンブロック
(b−2)および水添イソプレン/ブタジエン共重合体
ブロック(b−3)のうちの1種のみを含有する重合体
ブロック(B)とからなり、末端に水酸基を有するブロ
ック共重合体; (5) 芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)および
水添ポリブタジエンブロック(a−2)のうちの1種の
みを有する重合体ブロック(A)と、水添ポリイソプレ
ンブロック(b−1)、水添ポリブタジエンブロック
(b−2)および水添イソプレン/ブタジエン共重合体
ブロック(b−3)のうちの2種を含有する重合体ブロ
ック(B)とからなり、末端に水酸基を有するブロック
共重合体; などを挙げることができるが、好ましいブロック共重合
体(II−1)としては、例えば下記の式〜で表され
るブロック共重合体を挙げることができる。
【0016】 (A−B)k−OH (B−A)l−OH A’−(B−A)m−OH B’−(A−B)n−OH [式中、AおよびA’はそれぞれ独立して芳香族ビニル
重合体ブロック(a−1)および水添ポリブタジエンブ
ロック(a−2)のうちの少なくとも1種からなる重合
体ブロック(A)を表し、BおよびB’はそれぞれ独立
して水添ポリイソプレンブロック(b−1)、水添ポリ
ブタジエンブロック(b−2)および水添イソプレン/
ブタジエン共重合体ブロック(b−3)の少なくとも1
種からなる重合体ブロック(B)を表し、そして、k、
l、mおよびnはそれぞれ独立して1以上の整数を表
し、OHは水酸基を表す。] そして、上記の式〜で表されるブロック共重合体に
おいては、k、l、mおよびnが1〜5の範囲内の整数
であるのが好ましい。
【0017】ブロック共重合体(II−1)としては、上
記したブロック共重合体のうちでも、 上記した重合体
ブロック(A)を2個以上有するものが、本発明の熱可
塑性樹脂組成物の引張破断伸度、引張破断強度などの力
学物性、耐熱性などが一層良好になる点から好ましく、
特に、下記の式:
【0018】A’−B−A−OH [式中、A、A’、BおよびOHは前記定義の通りであ
る。]で表されるトリブロック共重合体がより好まし
い。
【0019】上記したブロック共重合体(II−1)にお
ける重合体ブロック(A)の構成ブロックとなり得る芳
香族ビニル重合体ブロック(a−1)は、芳香族ビニル
化合物に由来する単位から主としてなる重合体ブロック
であり、その場合の芳香族ビニル化合物としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチ
ルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンな
どを挙げることができ、そのうちでも、スチレン、α−
メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。
芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)は、1種の芳香
族ビニル化合物の単位から構成されていても、または2
種以上の芳香族ビニル化合物の単位から構成されていて
もよい。また、芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)
は、その数平均分子量が2500〜50000の 範囲
にあるのが、熱可塑性樹脂組成物の引張破断伸度、引張
破断強度などの力学物性が優れたものになる点から好ま
しい。
【0020】ブロック共重合体(II−1)における重合
体ブロック(A)の構成ブロックとなり得る水添ポリブ
タジエンブロック(a−2)は、そのポリブタジエンブ
ロックにおける1,2−結合量が30%未満、好ましく
は25%以下であり、しかも不飽和結合の一部または全
部が水素添加によって飽和結合にされているポリブタジ
エンブロックである。水添ポリブタジエンブロック(a
−2)を構成するポリブタジエンでは、水素添加前には
その30モル%未満、好ましくは25モル%以下がビニ
ルエチレン基[−CH(CH=CH2)−CH2−;1,
2−結合のブタジエン単位]であり、残りが2−ブテン
−1,4−ジイル基(−CH2−CH=CH−CH2−;
1,4−結合ブタジエン単位)である。水添ポリブタジ
エンブロック(a−2)における1,2−結合量が30
%以上であると、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性が不良と
なる。そして、水添ポリブタジエンブロック(a−2)
は、その数平均分子量が2500 〜50000の範囲
にあるのが、熱可塑性樹脂組成物の引張破断伸度、引張
破断強度などの力学物性が優れたものになる点から好ま
しい。
【0021】ブロック共重合体(II−1)における重合
体ブロック(B)の構成ブロックとなり得る水添ポリイ
ソプレンブロック(b−1)は、イソプレンに由来する
単位から主としてなるポリイソプレンの不飽和結合の一
部または全部が水素添加されて飽和結合になっている重
合体ブロックである。水添ポリイソプレンブロック(b
−1)では、その水素添加前には、イソプレンに由来す
る単位は、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基
[−CH2−C(CH3)=CH−CH2−;1,4−結
合のイソプレン単位]、イソプロペニルエチレン基[−
CH{−C(CH3)=CH2}−CH2−;3,4−結
合のイソプレン単位]および1−メチル−1−ビニルエ
チレン基[−C(CH3)(CH=CH2)−CH2−;
1,2−結合のイソプレン単位]からなる群より選ばれ
る少なくとも1種からなっており、各単位の割合は特に
限定されないが、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジ
イル基の割合が80%以上であるのが柔軟性の点から好
ましい。そして、水添ポリイソプレンブロック(b−
1)は、その数平均分子量が10000〜100000
であるのが、熱可塑性樹脂組成物の引張破断伸度、引張
破断強度などの力学物性が優れたものになる点から好ま
しい。
【0022】また、ブロック共重合体(II−1)におけ
る重合体ブロック(B)の構成ブロックとなり得る水添
ポリブタジエンブロック(b−2)は、そのポリブタジ
エンブロックにおける1,2−結合量が30〜80%、
好ましくは35〜60%であり、しかも不飽和結合の一
部または全部が水素添加によって飽和結合になっている
ポリブタジエンブロックである。水添ポリブタジエンブ
ロック(b−2)を構成するポリブタジエンでは、水素
添加前にはその30〜80モル%、好ましくは35〜6
0モル%がビニルエチレン基[−CH(CH=CH2
−CH2−;1,2−結合のブタジエン単位]であり、
70〜20モル%、好ましくは65〜40モル%が2−
ブテン−1,4−ジイル基(−CH2−CH=CH−C
2−;1,4−結合ブタジエン単位)である。水添ポ
リブタジエンブロック(b−2)における1,2−結合
量が上記した30〜80%の範囲から外れると、柔軟性
が不良となる。そして、水添ポリブタジエンブロック
(b−2)は、その数平均分子量が10000〜100
000であるのが、熱可塑性樹脂組成物の引張破断伸
度、引張破断強度などの力学物性が優れたものになる点
から好ましい。
【0023】また、ブロック共重合体(II−1)におけ
る重合体ブロック(B)の構成ブロックとなり得る水添
イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)
は、イソプレンに由来する単位およびブタジエンに由来
する単位から主としてなっているイソプレン/ブタジエ
ン共重合体であって、且つその不飽和結合の一部または
全部が水素添加によって飽和結合になっている共重合体
ブロックである。水添イソプレン/ブタジエン共重合体
ブロック(b−3)においては、その水素添加前には、
イソプレンに由来する単位は、2−メチル−2−ブテン
−1,4−ジイル基、イソプロペニルエチレン基および
1−メチル−1−ビニルエチレン基からなる群より選ば
れる少なくとも1種の基であり、またブタジエンに由来
する単位はビニルエチレン基および/または2−ブテン
−1,4−ジイル基である。そして、水素添加前におけ
るイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックにおけるそ
れらの基の割合は特に制限されない。また、水添イソプ
レン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)におい
て、ブタジエンに由来する単位とイソプレンに由来する
単位とは、ランダム状、ブロック状、テーパーブロック
状のいずれの配置形態になっていてもよい。そして、水
添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)
は、その数平均分子量が10000〜100000であ
るのが、熱可塑性樹脂組成物の引張破断伸度、引張破断
強度などの力学物性が優れたものになる点から好まし
い。
【0024】そして、本発明においては、熱可塑性樹脂
組成物の力学物性および透明性が優れたものになる点か
ら、ブロック共重合体(II−1)を構成する重合体ブロ
ック(B)が、水添ポリイソプレンブロック(b−1)
および水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック
(b−3)の少なくとも一方からなっているのが好まし
く、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b
−3)からなっているのがより好ましい。前記の場合
に、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b
−3)では、(イソプレンに由来する単位):(ブタジ
エンに由来する単位)のモル比が1:9〜9:1の範囲
内であるのが好ましく、3:7〜7:3の範囲であるの
がより好ましい。
【0025】また、重合体ブロック(A)の構成ブロッ
クとなり得る水添ポリブタジエンブロック(a−2)、
並びに重合体ブロック(B)における構成ブロックとな
り得る水添ポリイソプレンブロック(b−1)、水添ポ
リブタジエンブロック(b−2)および水添イソプレン
/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)では、上記し
たように、その炭素−炭素二重結合の一部が水素添加さ
れていても、または全部が完全に水素添加されていても
よい。しかしながら、熱可塑性樹脂組成物およびそれか
ら得られる成形品の耐熱劣化性および耐候性を良好なも
のにし、且つ粘着性の発現を防止する観点から、ブロッ
ク共重合体(II−1)に含まれるブタジエン由来の単位
およびイソプレン由来の単位の全量に基づいて、その不
飽和結合の50モル%以上、特に80モル%以上が水素
添加されていて、ブロック共重合体(II−1)の不飽和
度 が50モル%未満、好ましくは20モル%未満にな
るように、水添ポリブタジエンブロック(a−2)、水
添ポリイソプレンブロック(b−1)、水添ポリブタジ
エンブロ ック(b−2)および水添イソプレン/ブタ
ジエン共重合体ブロック(b−3)における水素添加率
を調整しておくのが望ましい。
【0026】そして、ブロック共重合体(II−1)で
は、その末端水酸基は、重合体ブロック (A)および
重合体ブロック(B)のいずれか一方の重合体ブロック
の末端に存在していても、両方の末端に存在していても
よいが、ブロック共重合体(II−1)中でハードブロッ
クを形成している重合体ブロック(A)の末端に存在す
るのが好ましい。ブロック共重合体(II−1)における
末端の水酸基の含有量は、1分子当たり平均0.5個以
上であるのが好ましく、0.7〜2個の範囲であるのが
より好ましい。
【0027】また、ブロック共重合体(II−1)におけ
る重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)の割合
は、重量比で1:9〜9:1であるのが、熱可塑性樹脂
組成物およびそれから得られる成形品の耐熱性を良好な
ものとし、且つ透明性が優れたものになる点から好まし
く、2:8〜7:3であるのがより好ましい。
【0028】更に、ブロック共重合体(II−1)におけ
る重合体ブロック(A)の数平均分子量は2500〜5
0000の範囲内であるのが好ましく、また重合体ブロ
ック(B)の数平均分子量は10000〜100000
の範囲内であるのが好ましい。そして、ブロック共重合
体(II−1)の数平均分子量は、15000〜1500
00の範囲内であるのが好ましい。
【0029】そして、付加重合系ブロック共重合体(I
I)として、単独で、またはブロック共重合体(II−
1)と共に用いるブロック共重合体(II−2)は、芳香
族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック(C)
[以下これを「芳香族ビニル重合体ブロック(c)」と
いう]とポリイソブチレンブロック(D)[以下これを
「ポリイソブチレンブロック(d)」という]をその分
子中に有していて、しかも末端に水酸基を有するブロッ
ク共重合体であればいずれでもよく特に制限されない。
ブロック共重合体(II−2)はその一方の末端にのみ水
酸基を有していても、または両末端に水酸基を有してい
てもよいが、本発明で好ましく用いられるブロック共重
合体(II−2)の例としては、下記の式およびで表
されるブロック共重合体を挙げることができる。
【0030】 HO−C’−(D−C)p−OH HO−D’−(C−D)q−OH [式中、CおよびC’はそれぞれ独立して芳香族ビニル
重合体ブロック(c)を表し、DおよびD’はそれぞれ
独立してポリイソブチレンブロック(d)を表し、pお
よびqはそれぞれ独立して1以上の整数を表し、OHは
水酸基を表す。] 上記の式およびで表されるブロック共重合体におい
ては、pおよびqが1〜5の範囲内の整数であるのが好
ましく、特に、芳香族ビニル重合体ブロック(c)を2
個以上有しているブロック共重合体(II−2)が好まし
い。
【0031】ブロック共重合体(II−2)を構成する芳
香族ビニル重合体ブロック(c)は、芳香族ビニル化合
物に由来する単位から主としてなる重合体ブロックであ
って、その場合の芳香族ビニル化合物としては、ブロッ
ク共重合体(II−1)中の芳香族ビニル重合体ブロック
(a−1)に関して上記で説明したのと同様の種々の芳
香族ビニル化合物を用いることができるが、そのうちで
も、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく、スチレ
ンが特に好ましい。芳香族ビニル重合体ブロック(c)
は、1種の芳香族ビニル化合物に由来する単位から構成
されていても、または2種以上の芳香族ビニル化合物に
由来する単位から構成されていてもよい。また、ブロッ
ク共重合体(II−2)を構成するポリイソブチレンブロ
ック(d)は 、イソブチレンに由来する単位[−C
(CH32−CH2−]から主としてなる重合体ブロッ
クである。
【0032】ブロック共重合体(II−2)における芳香
族ビニル重合体ブロック(c)とポリイソブチレンブロ
ック(d)の割合は、重量比で1:9〜9:1であるの
が、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる成形品
の耐熱性を良好なものとし、且つ透明性が優れたものに
なる点から好ましく、2:8〜7:3であるのがより好
ましい。
【0033】また、ブロック共重合体(II−2)におけ
る芳香族ビニル重合体ブロック(c)の数平均分子量
は、2500〜50000の範囲内であるのが好まし
く、ポリイソブチレンブロック(d)の数平均分子量
は、10000〜100000の範囲内であるのが好ま
しく、ブロック共重合体(II−2)の数平均分子量は、
15000〜150000の範囲内であるのが好まし
い。
【0034】そして、ブロック共重合体(II−2)で
は、その末端水酸基は、芳香族ビニル重合体ブロック
(c)およびポリイソブチレンブロック(d)のいずれ
か一方の重合体ブロックの末端に存在していても、両方
の末端に存在していてもよいが、ハードブロックを形成
する芳香族ビニル重合体ブロック(c)の末端に存在す
るのが好ましい。ブロック共重合体(II−2)における
末端の水酸基の含有量は、ブロック共重合体(II−1)
の場合と同様に、1分子当たり平均0.5個以上である
のが好ましく、0.7〜2個の範囲であるのがより好ま
しい。
【0035】次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物におけ
るポリカーボネート系ブロック共重合体(III)は、ポ
リカーボネートブロック[以下これを「ポリカーボネー
トブロック(III−1)」という]と、前記のブロック
共重合体(II−1)およびブロック共重合体(II−2)
の少なくとも1種から誘導される重合体ブロック[以下
これを「付加重合体ブロック(III−2)」という]と
からなるブロック共重合体であり、例えば、1個のポリ
カーボネートブロック(III−1)と1個の付加重合体
ブロック(III−2)とからなるジブロック共重合体、
2個のポリカーボネートブロック(III−1)と1個の
付加重合体ブロック(III−2)とからなるトリブロッ
ク共重合体、1個のポリカーボネートブロック(III−
1)と2個の付加重合体ブロック(III−2)とからな
るトリブロック共重合体などを挙げることができる。こ
れらの内でも、ポリカーボネート系ブロック共重合体
(III)として、1個のポリカーボネートブロック
(III−1)と1個の付加重合体ブロック(III−
2)とからなるジブロック共重合体、および1個のポリ
カーボネートブロック(III−1)と2個の付加重合体
ブロック(III−2)とからなるトリブロック共重合体
が好ましい。
【0036】ポリカーボネート系ブロック共重合体(II
I)におけるポリカーボネートブロック(III−1)は、
ポリカーボネート系樹脂(I)に関して上記で挙げたの
と同様の種々のポリカーボネート系樹脂から形成するこ
とができ、ポリカーボネート系樹脂(I)を形成するポ
リカーボネート系樹脂と同じポリカーボネート系樹脂か
らなるのが好ましい。また、ポリカーボネート系ブロッ
ク共重合体(III)における付加重合体ブロック(III−
2)は、上記したブロック共重合体(II−1)およびブ
ロック共重合体(II−2)の少なくとも1種から形成さ
れている。ポリカーボネート系ブロック共重合体(II
I)におけるポリカーボネートブロック(III−1)と付
加重合体ブロック(III−2)との含有割合は、重量比
で約1:9〜9:1程度であるのが好ましい。
【0037】そして、ポリカーボネート系ブロック共重
合体(III)では、ブロック共重合体(II−1)および
/またはブロック共重合体(II−2)における末端の水
酸基が、ポリカーボネート系樹脂(I)とカーボネート
結合、エステル結合、またはエーテル結合等により連結
され、ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)が
形成されている。
【0038】そして、本発明の熱可塑性樹脂組成物で
は、ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロッ
ク共重合体(II)との重量比は99/1〜1/99とな
っている。熱可塑性樹脂組成物における付加重合系ブロ
ック共重合体(II)の重量割合が上記の範囲よりも多い
と、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる成形品
の耐熱性、圧縮永久歪みおよび永久伸び等の力学物性な
どが低下する。一方、熱可塑性樹脂組成物における付加
重合系ブロック共重合体(II)の重量割合が上記の範囲
よりも少ないと、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得
られる成形品の柔軟性が不十分となる。熱可塑性樹脂組
成物におけるポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合
系ブロック共重合体(II)との重量比が、80/20〜
2/98の範囲内にあると、耐熱性、並びに柔軟性、圧
縮永久歪みおよび永久伸び等の力学物性などの特性が良
好になるので好ましい。さらに、ポリカーボネート系樹
脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)との重量
比が、40/60〜5/95の範囲内にあると、柔軟
性、耐熱性、圧縮永久歪みおよび永久伸び等の力学物性
等の特性に加えて、透明性が一層良好なものになるので
より好ましい。
【0039】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物におい
て、{ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロ
ック共重合体(II)の合計重量}と{ポリカーボネート
系ブロック共重合体(III)の重量}との比は99/1
〜1/99となっている。熱可塑性樹脂組成物における
ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)の重量割
合が上記の範囲よりも多いと、熱可塑性樹脂組成物およ
びそれから得られる成形品の耐熱性などが低下する。一
方、熱可塑性樹脂組成物におけるポリカーボネート系ブ
ロック共重合体(III)の重量割合が上記の範囲よりも
少ないと、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる
成形品の透明性、引張破断伸度および引張破断強度など
の力学物性が不十分となる。熱可塑性樹脂組成物におけ
る{ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロッ
ク共重合体(II)の合計重量}と{ポリカーボネート系
ブロック共重合体(III)の重量}との比が、97/3
〜3/97の範囲内にあると、耐熱性、透明性、並びに
引張破断伸度および引張破断強度等の力学物性などの特
性が特に良好になるので好ましい。
【0040】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記した
ポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共
重合体(II)、およびポリカーボネート系ブロック共重
合体(III)に相当するそれぞれの重合体を、熱可塑性
樹脂組成物中における各重合体の含有割合が所望の範囲
になるようにして混合して製造してもよい。その場合に
は、例えば、ポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合
系ブロック共重合体(II)、およびポリカーボネート系
ブロック共重合体(III)を、単軸押出機、二軸押出
機、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機により、
通常180℃〜300℃で3〜15分溶融混練すること
により得ることができる。
【0041】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、以
下に説明する方法を用いて製造してもよい。すなわち、
ポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共
重合体(II)、および有機金属化合物(IV)を溶融混練
し、本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造してもよい。本
製造法によれば、有機金属化合物(IV)が触媒として作
用し、ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロ
ック共重合体(II)とのブロック化反応を促進する。従
って、溶融混練中に、ポリカーボネート系ブロック共重
合体(III)に相当する重合体が生成し、最終的にポリ
カーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共重合
体(II)、およびポリカーボネート系ブロック共重合体
(III)から主としてなる熱可塑性樹脂組成物を得るこ
とができる。
【0042】従って、本発明は、 (イ) ポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブ
ロック共重合体(II)、および有機金属化合物(IV)を
溶融混練することにより得られる熱可塑性樹脂組成物; (ロ) ポリカーボネート系樹脂(I)および有機金属
化合物(IV)の溶融混練物と、付加重合系ブロック共重
合体(II)とを溶融混練することにより得られる熱可塑
性樹脂組成物; (ハ) 付加重合系ブロック共重合体(II)および有機
金属化合物(IV)の溶融混練物と、ポリカーボネート系
樹脂(I)とを溶融混練することにより得られる熱可塑
性樹脂組成物; (ニ) ポリカーボネート系樹脂(I)および付加重合
系ブロック共重合体(II)の溶融混練物と、有機金属化
合物(IV)とを溶融混練することにより得られる熱可塑
性樹脂組成物; などを好ましい態様として包含する。
【0043】また、上記した(イ)〜(ニ)の製造法に
おいて、その溶融混練前には、原料として用いるポリカ
ーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体
(II)との重量比は99/1〜1/99となっている。
付加重合系ブロック共重合体(II)の重量割合が上記の
範囲よりも多いと、熱可塑性樹脂組成物およびそれから
得られる成形品の耐熱性、圧縮永久歪みおよび永久伸び
等の力学物性などが低下する。一方、付加重合系ブロッ
ク共重合体(II)の重量割合が上記の範囲よりも少ない
と、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる成形品
の柔軟性が不十分となる。ポリカーボネート系樹脂
(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)との重量比
が、80/20〜2/98の範囲内にあると、柔軟性、
耐熱性、圧縮永久歪みおよび永久伸び等の力学物性など
の特性が良好になるので好ましく、40/60〜5/9
5の範囲内にあるのが、透明性、並びに引張破断伸度お
よび引張破断強度などの力学物性が良好になるので特に
好ましい。
【0044】さらに、上記した(イ)〜(ニ)の製造法
において、その溶融混練前には、{ポリカーボネート系
樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)の合計
重量}と{有機金属化合物(IV)の重量}との比は9
9.999/0.001〜95/5となっている。有機
金属化合物(IV)の重量割合が上記の範囲よりも多い
と、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる成形品
の透明性が低下し、かつ着色が著しくなる。一方、付加
重合系ブロック共重合体(II)の重量割合が上記の範囲
よりも少ないと、溶融混練時に生成するポリカーボネー
ト系ブロック共重合体(III)の生成量が減少し、透明
性、並びに引張破断伸度および引張破断強度などの力学
物性が不十分となる。{ポリカーボネート系樹脂(I)
と付加重合系ブロック共重合体(II)の合計重量}と
{有機金属化合物(IV)の重量}との比が、99.99
/0.01〜97/3の範囲内にあると、透明性、並び
に引張破断伸度および引張破断強度などの力学物性が特
に良好になるので好ましい。
【0045】上記した(イ)〜(ニ)の熱可塑性樹脂組
成物において、触媒として用いる有機金属化合物(IV)
に特に制限はなく、例えば、有機チタン化合物、有機ア
ンチモン化合物、有機ゲルマニウム化合物、有機マンガ
ン化合物、有機スズ化合物、有機亜鉛化合物、有機カル
シウム化合物、有機鉛化合物、有機サマリウム化合物、
有機ランタン化合物、有機イッテルビウム化合物、有機
コバルト化合物、有機カドミウム化合物、または有機マ
グネシウム化合物等の有機金属化合物が挙げられる。こ
の中でも、有機チタン化合物、有機スズ化合物、および
有機サマリウム化合物が、付加重合体(I)と付加重合
系ブロック共重合体(II)との反応性を高める点で好ま
しい。本発明の有機金属化合物(IV)は上記の1種のみ
を用いても、または2種以上を併用してもよい。
【0046】本発明における有機金属化合物(IV)とし
て使用することのできる有機チタン化合物は特に制限は
なく、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラ
ブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネ
ート、エチレングリコールチタネート、ブチレングリコ
ールチタネート、蓚酸チタンカリウム、酒石酸チタンカ
リウム、チタニウムアセチルアセトナート、ジブトキシ
ビス(トリエタノールアミネート)チタン、およびヘキ
サフルオロチタンカリウムなどが挙げられ、その中でも
テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネー
ト等のチタンアルコラートが特に好ましい。有機チタン
化合物は、上記の1種のみを用いても、または2種以上
を併用してもよい。
【0047】本発明における有機金属化合物(IV)とし
て使用することのできる有機スズ化合物は特に制限はな
く、例えば、モノメチルスズオキサイド、モノエチルス
ズオキサイド、モノプロピルスズオキサイド、モノブチ
ルスズオキサイド、ジ−2−エチルヘキシルスズオキサ
イド、ジブチルスズオキサイド、フェニルメチルスズオ
キサイド、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルス
ズジクロライド、ジメチルスズジブロマイド、モノブチ
ルスズモノアセテート、モノブチルスズモノブチレー
ト、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズスルフィ
ド、ジフェニルスズスルフィドなどが挙げられ、その中
でもモノメチルスズオキサイド、モノエチルスズオキサ
イド、モノプロピルスズオキサイド、ジブチルスズオキ
サイド等のスズオキサイド、およびモノブチルスズモノ
アセテート、モノブチルスズモノブチレート、ジブチル
スズジアセテート等のスズカルボキシレートが特に好ま
しい。有機スズ化合物は、上記の1種のみを用いても、
または2種以上を併用してもよい。
【0048】本発明における有機金属化合物(IV)とし
て使用することのできる有機サマリウム化合物は特に制
限はなく、例えば、サマリウムアセテート、サマリウム
オキザレート、サマリウムアセチルアセトナート、サマ
リウムオキサイド、サマリウムクロライド、サマリウム
ブロマイドなどが挙げられ、その中でもサマリウムアセ
チルアセトナートが特に好ましい。有機サマリウム化合
物は、上記の1種のみを用いても、または2種以上を併
用してもよい。
【0049】上記した(イ)〜(ニ)の製造法におい
て、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、ポリカー
ボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共重合体
(II)、および有機金属化合物(IV)を、単軸押出機、
二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機
により、通常180℃〜300℃で3〜15分溶融混練
することにより得ることができる。
【0050】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記した
いずれの製造法で製造しても、ポリカーボネート系樹脂
(I)の含有量が多い場合には、ポリカーボネート系樹
脂(I)マトリックス中に付加重合系ブロック共重合体
(II)が微粒子状に分散した比較的高硬度の熱可塑性樹
脂組成物を得ることができ、一方、付加重合系ブロック
共重合体(II)の含有量が多い場合には、付加重合系ブ
ロック共重合体(II)マトリックス中にポリカーボネー
ト系樹脂(I)が微粒子状に分散した比較的低硬度の熱
可塑性樹脂組成物を得ることができる。とりわけ、熱可
塑性樹脂組成物が、付加重合系ブロック共重合体(II)
マトリックス中にポリカーボネート系樹脂(I)が分散
した形態をとる場合には、ポリカーボネート系樹脂
(I)の粒子径は0.1μm以下と極めて微細になり、
かつポリカーボネート系樹脂(I)粒子中に付加重合系
ブロック共重合体(II)および/またはポリカーボネー
ト系ブロック共重合体(III)の一部が混入していると
いう全く予見し得ない構造となり、この場合には透明性
が一層優れたものとなる。
【0051】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応
じて、カーボンブラック、マイカ、ガラス繊維、炭素繊
維等の補強剤、アルミナ、タルク、ゼオライト、フェラ
イト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の充填
剤、染料、顔料、難燃剤、紫外線吸収剤、その他機能性
添加剤として用いられる有機系または無機系添加剤を任
意に含有することができる。また、本発明の熱可塑性樹
脂組成物は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン系樹脂、ポリブテン、ポリイソブチレン、プロ
セスオイル等のオレフィン系可塑剤を、物性を損なうこ
とのない範囲で含有することができる。
【0052】本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形
品を製造するには、目的とする成形品の種類、用途、形
状などに応じて、熱可塑性重合体に対して一般に用いら
れている種々の成形方法や成形装置が使用できる。本発
明の熱可塑性樹脂組成物を用いて、例えば、射出成形、
押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成形、
流延成形などの任意の成形法によって成形品を製造する
ことができ、またそれらの成形技術の複合によっても成
形することができる。さらに、他のポリマーとの複合成
形によっても成形することができる。それらの成形によ
って、電気/電子部品、機械部品、自動車部品、事務機
用部品、日用品、パイプ、シートその他の任意の形状お
よび用途の各種成形品を製造することができ、本発明は
上記した本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて製造した
成形品を本発明の範囲に包含する。
【0053】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はそれにより限定されない。
以下の実施例および比較例において、試験片の作製、各
物性の測定およびマトリックス樹脂の判別は次のように
して行った。
【0054】試験片の作製 各実施例、比較例または参考例で得られた熱可塑性樹脂
組成物を用いて、(株)神藤金属工業所製圧縮成形機
(熱プレス成形機)を使用して、250℃、30kg/
cm2の条件で、厚さ400μmまたは厚さ4mmのフ
ィルムを成形した。厚さ400μmのフィルムからは、
JIS−3号に相当するダンベルを打ち抜き、引張試験
用の試験片として用いた。また、厚さ4mmのフィルム
からは、3cm×5cmの短冊を切り出し、硬度測定用
の試験片として用いた。
【0055】引張破断強度および引張破断伸度の測定 上記で作製したダンベル型試験片を用いて、JIS K
7113に準じて、オートグラフ(株式会社島津製作所
製)を使用して、500mm/分の条件で引張破断強度
および引張破断伸度を測定した。
【0056】引張永久伸びの測定 上記で作製したダンベル型試験片を、オートグラフ(株
式会社島津製作所製)を使用して、100mm/分の条
件で伸張した。引張伸度が100%に到達した時点で伸
張を止め、100%伸びきった状態のまま10分間保持
する。その後、試験片を解放し、さらに10分間放置し
た後、引張永久伸びを測定した。
【0057】硬度(JIS−A)の測定 上記で作製した短冊状試験片を用いて、JIS K63
01に準じて測定を行った。
【0058】ヘイズの測定 上記で作製した厚さ400μmのフィルムを用いて、ヘ
イズメーター(株式会社村上色彩技術研究所製「反射透
過率計HR100」)を使用して、ヘイズを測定した。
【0059】マトリックス樹脂の判別 熱可塑性樹脂組成物を構成するマトリックス樹脂は、透
過型電子顕微鏡観察により判別した。
【0060】以下の実施例、比較例、または参考例で用
いたポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロッ
ク共重合体(II)、および有機金属化合物(IV)の内
容、並びに略号は下記に示す通りである。
【0061】ポリカーボネート系樹脂(I) ○PC:帝人化成株式会社製「L−1225」
【0062】付加重合系ブロック共重合体(II) ○SEEPS−OH:末端に水酸基を有する水素添加さ
れたポリスチレンブロック/1,3−ブタジエンとイソ
プレン共重合体ブロック/ポリスチレンブロックからな
るトリブロック共重合体; [内容;2つのポリスチレンブロックの数平均分子量=
6000、1,3−ブタジエンとイソプレン共重合体ブ
ロックの数平均分子量=28000、トリブロック共重
合体の数平均分子量=40000、一方のポリスチレン
ブロックの末端に水酸基が結合、トリブロック共重合体
における水酸基含量=0.8個/分子、1,3−ブタジ
エンとイソプレン共重合体ブロックにおける1,3−ブ
タジエン単位とイソプレン単位のモル比=1/1、1,
3−ブタジエンとイソプレン共重合体ブロックにおける
不飽和度=5%;水素添加前のトリブロック共重合体に
おけるスチレン単位含量=30重量%]
【0063】○SEPS−OH: 末端に水酸基を有す
る水素添加されたポリスチレンブロック/ポリイソプレ
ンブロック/ポリスチレンブロックからなるトリブロッ
ク共重合体; [内容;2つのポリスチレンブロックの数平均分子量=
6000、ポリイソプレンブロックの数平均分子量=2
8000、トリブロック共重合体の数平均分子量=40
000、一方のポリスチレンブロックの末端に水酸基が
結合、トリブロック共重合体における水酸基含量=0.
8個/分子、ポリイソプレンブロックにおける不飽和度
=5%;水素添加前のトリブロック共重合体におけるス
チレン単位含量=30重量%]
【0064】 有機金属化合物(IV) ○Ti(OPr)4 :テトライソプロピルチタネート ○Bu2SnO :ジブチルスズオキサイド ○Bu2Sn(OAc)2 :ジブチルスズジアセテート ○Sm(acac)3・2H2O :サマリウムアセチルアセトナート
【0065】また、以下の比較例で用いた付加重合系ブ
ロック共重合体の内容、並びに略号は下記に示す通りで
ある。 ○SEBS:水素添加されたポリスチレンブロック/ポ
リ(1,3−ブタジエン)ブロック/ポリスチレンブロッ
クからなるトリブロック共重合体; [内容;2つのポリスチレンブロックの数平均分子量=
6000、ポリ(1,3−ブタジエン)ブロックの数平
均分子量=28000、1,2−結合量=45%、トリ
ブロック共重合体の数平均分子量=40000、トリブ
ロック共重合体における水酸基含量=0個/分子(水酸
基を有さない)、ポリ(1,3−ブタジエン)ブロック
における不飽和度=5%;水素添加前のトリブロック共
重合体におけるスチレン単位含量=30重量%]
【0066】<実施例1〜10>下記の表1に示した各
重合体および有機チタン化合物をそれぞれの重量割合
で、二軸押出機(株式会社日本製鋼所製、TEX44
C)を用いてシリンダー温度270℃の条件下で溶融混
練し、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。このペレ
ットを用いて、試験片を上記に従って作製し、それを用
いて引張破断強度、引張破断伸度、引張永久伸び、硬
度、およびヘイズを上記した方法で測定し、熱可塑性樹
脂を構成するマトリックス樹脂を判別したところ、下記
の表1に示すとおりの結果であった。
【0067】<比較例1〜3>下記の表1に示した各重
合体をそれぞれの重量割合で使用した以外は、実施例1
〜10と同様にして熱可塑性樹脂組成物のペレットを得
た。このペレットを用いて、試験片を上記に従って作製
し、上記した方法で、各物性を測定しマトリックス樹脂
を判別したところ、下記の表1に示すとおりの結果であ
った。
【0068】<参考例1および2>下記の表1に示した
各重合体をそれぞれの重量割合で使用した以外は、実施
例1〜10と同様にして熱可塑性樹脂組成物のペレット
を得た。このペレットを用いて試験片を上記に従って作
製し、上記した方法で、各物性を測定しマトリックス樹
脂を判別したところ、下記の表1に示すとおりの結果で
あった。
【0069】
【表1】
【0070】<実施例11〜19>下記の表2に示した
有機金属化合物をそれぞれの重量割合で使用した以外
は、実施例1〜10と同様にして熱可塑性樹脂組成物の
ペレットを得た。このペレットを用いて試験片を上記に
従って作製し、上記した方法で、各物性を測定しマトリ
ックス樹脂を判別したところ、下記の表2に示すとおり
の結果であった。
【0071】
【表2】
【0072】上記の表1および2の結果から、実施例1
〜19の本発明の熱可塑性樹脂組成物は、引張破断強
度、引張破断伸度、引張永久伸びのいずれにおいても優
れており、かつ良好な透明性を有していることがわか
る。一方、比較例1〜3の熱可塑性樹脂組成物、または
参考例1および2の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の熱
可塑性樹脂組成物に比べ、引張破断強度、引張破断伸
度、引張永久伸びに劣っており、また不透明であること
がわかる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、ポリカーボネート系樹
脂、特定の付加重合系ブロック共重合体、および特定の
ポリカーボネート系ブロック共重合体とからなる熱可塑
性樹脂組成物、並びにポリカーボネート系樹脂、特定の
付加重合系ブロック共重合体、および有機チタン化合物
を溶融混練することにより得られる熱可塑性樹脂組成物
は、柔軟性、透明性、力学物性、加工性、耐候性、耐熱
性等に優れることから、それらの特性を活かして各種の
成形材料および成形品として極めて有効に使用すること
ができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) ポリカーボネート系樹脂
    (I)、付加重合系ブロック共重合体(II)およびポリ
    カーボネート系ブロック共重合体(III)からなる熱可
    塑性樹脂組成物であって; (2) 付加重合系ブロック共重合体(II)が、 芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック
    (a−1)および水素添加された1,2−結合量が30
    %未満のポリブタジエンブロック(a−2)のうちの少
    なくとも1種からなる重合体ブロック(A)と、水素添
    加されたポリイソプレンブロック(b−1)、水素添加
    された1,2−結合量が30〜80%のポリブタジエン
    ブロック(b−2)および水素添加されたイソプレン/
    ブタジエン共重合体ブロック(b−3)からなる群から
    選ばれる少なくとも1種からなる重合体ブロック(B)
    とからなり、かつ末端に水酸基を有するブロック共重合
    体(II−1)、並びに 芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック
    (C)とポリイソブチレンブロック(D)とからなり、
    かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−
    2)、のうちの少なくとも1種から誘導される付加重合
    系ブロック共重合体であり; (3) ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)
    が、ポリカーボネート系樹脂(I)から誘導されるポリ
    カーボネート系ブロック(III−1)と、付加重合系ブ
    ロック共重合体(II)から誘導される付加重合体ブロッ
    ク(III−2)とからなる;ことを特徴とする熱可塑性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (1) ポリカーボネート系樹脂
    (I)、付加重合系ブロック共重合体(II)および有機
    金属化合物(IV)を溶融混練することにより得られる熱
    可塑性樹脂組成物であって; (2) 付加重合系ブロック共重合体(II)が、 芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック
    (a−1)および水素添加された1,2−結合量が30
    %未満のポリブタジエンブロック(a−2)のうちの少
    なくとも1種からなる重合体ブロック(A)と、水素添
    加されたポリイソプレンブロック(b−1)、水素添加
    された1,2−結合量が30〜80%のポリブタジエン
    ブロック(b−2)および水素添加されたイソプレン/
    ブタジエン共重合体ブロック(b−3)からなる群から
    選ばれる少なくとも1種からなる重合体ブロック(B)
    とからなり、かつ末端に水酸基を有するブロック共重合
    体(II−1)、並びに 芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック
    (C)とポリイソブチレンブロック(D)とからなり、
    かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−
    2)、のうちの少なくとも1種から誘導される付加重合
    系ブロック共重合体であり; (3) ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブ
    ロック共重合体(II)との重量比が99/1〜1/99
    であり;かつ (4) {ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系
    ブロック共重合体(II)の合計重量}と{有機金属化合
    物(IV)の重量}との比が99.999/0.001〜
    95/5である;ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重
    合系ブロック共重合体(II)との重量比が40/60〜
    5/95である請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 有機金属化合物(IV)が、有機チタン化
    合物、有機スズ化合物および有機サマリウム化合物から
    なる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2また
    は3に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ヘイズが20%以下である請求項1〜4
    に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載の熱可塑性樹脂組成
    物からなる成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1063253A1 (en) * 1999-06-24 2000-12-27 Bayer Aktiengesellschaft Light diffusing block copolycarbonates
JP2005060545A (ja) * 2003-08-13 2005-03-10 Kuraray Co Ltd 熱可塑性重合体組成物
JP2018030908A (ja) * 2016-08-22 2018-03-01 三菱ケミカル株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物、並びにこの樹脂組成物からなる成形体

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