JP2002047399A - 難燃性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリエステル樹脂組成物

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JP2002047399A
JP2002047399A JP2000234211A JP2000234211A JP2002047399A JP 2002047399 A JP2002047399 A JP 2002047399A JP 2000234211 A JP2000234211 A JP 2000234211A JP 2000234211 A JP2000234211 A JP 2000234211A JP 2002047399 A JP2002047399 A JP 2002047399A
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polyester resin
flame
resin composition
block copolymer
retardant
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JP2000234211A
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Akiko Miki
晶子 三木
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性を維持し、難燃性、機械物性および成
形性に優れた難燃性ポリエステル樹脂組成物と、それか
らなる成形品及び、シートを提供すること。 【解決手段】 非晶性ポリエステル樹脂(A)、エポキ
シ化ジエン系ブロック共重合体(C)および/またはジ
エン系ブロック共重合体(D)、リン化合物(E)を含
有する難燃性ポリエステル樹脂組成物。および、非晶性
ポリエステル樹脂(A)、非晶性ポリエステル樹脂
(A)と相溶しそのブレンド物が透明であることを特徴
とするポリカーボネート樹脂(B)、エポキシ化ジエン
系ブロック共重合体(C)および/またはジエン系ブロ
ック共重合体(D)、リン化合物(E)を含有する難燃
性ポリエステル樹脂組成物。さらに、これらの樹脂組成
物からなる成形品及び、シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明で難燃性を有
し、各物性のバランスに優れた難燃性ポリエステル樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、透明で耐薬品性を有し、かつ
各物性のバランスの優れた樹脂として塩化ビニル樹脂が
様々な用途に用いられてきた。しかし、環境問題の点か
ら、今後、塩化ビニル樹脂から塩化ビニル代替樹脂への
転換が進むものと予想される。塩化ビニル樹脂以外で透
明性に優れた樹脂としては、ポリカーボネート、アクリ
ル系樹脂などが挙げられるが、塩化ビニル樹脂と比べ、
いずれも耐薬品性および難燃性に劣るという欠点があっ
た。一方、これらの透明樹脂にリン化合物を添加するこ
とで難燃化する方法が提案されている。しかし、難燃化
できる量のリン化合物を添加すると、樹脂が一般使用に
耐えるだけの物性を保持することが難しいなどの問題が
生じるため、透明性、機械物性、難燃性を兼ね備える樹
脂はなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性を維
持し、難燃性、機械物性および成形性に優れた難燃性ポ
リエステル樹脂組成物と、それからなる成形品及び、シ
ートを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる現状
に鑑み鋭意研究を行った結果、非晶性ポリエステル樹脂
または、非晶性ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹
脂とのブレンド物に、エポキシ化ジエン系ブロック共重
合体および/またはジエン系ブロック共重合体を添加
し、さらにリン系化合物を配合することによって、上記
問題点を解決し得る難燃性ポリエステル樹脂組成物が得
られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、非晶性ポリエステル樹
脂(A)、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体(C)
および/またはジエン系ブロック共重合体(D)、リン
化合物(E)を含有する難燃性ポリエステル樹脂組成物
を提供するものである。また、本発明は、非晶性ポリエ
ステル樹脂(A)、非晶性ポリエステル樹脂(A)と相
溶しそのブレンド物が透明であることを特徴とするポリ
カーボネート樹脂(B)、エポキシ化ジエン系ブロック
共重合体(C)および/またはジエン系ブロック共重合
体(D)、リン化合物(E)を含有する難燃性ポリエス
テル樹脂組成物を提供するものである。また、本発明
は、前記難燃性ポリエステル樹脂組成物に更に難燃助剤
(F)を添加することを特徴とする難燃性ポリエステル
樹脂組成物を提供するものである。また、本発明は、前
記難燃性ポリエステル樹脂組成物に含まれる非晶性ポリ
エステル樹脂(A)が、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールおよび/またはエチレングリコールからなるジア
ルコール成分と、テレフタル酸が主成分であるジカルボ
ン酸成分との共重合体であることを特徴とする難燃性ポ
リエステル樹脂組成物を提供するものである。また、本
発明は、前記難燃性ポリエステル樹脂組成物に含まれる
エポキシ化ジエン系ブロック共重合体(C)が、ビニル
芳香族化合物からなるブロックと共役ジエン化合物から
なるブロックとからなるブロック共重合体またはその部
分水添物を、エポキシ化したものであることを特徴とす
る難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供するものであ
る。また、本発明は、前記難燃性ポリエステル樹脂組成
物に含まれる難燃助剤(F)が、フッ素化合物を含有す
ることを特徴とする難燃性ポリエステル樹脂組成物を提
供するものである。また、本発明は、これらの難燃性ポ
リエステル樹脂組成物を用いた成形品を提供するもので
ある。また、本発明は、これらの難燃性ポリエステル樹
脂組成物を用いたシートを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の難燃性ポリエステ
ル樹脂組成物について詳細に説明する。
【0007】(非晶性ポリエステル樹脂(A))本発明
に用いられる非晶性ポリエステル樹脂(A)の末端基は
カルボン酸および/または水酸基であり、好ましくは、
1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび/またはエ
チレングリコールからなるジアルコール成分と、テレフ
タル酸が主成分であるジカルボン酸成分との共重合体で
あり、さらに好ましくは、1、4−シクロヘキサンジメ
タノールとポリエチレンテレフタレートとを共重合した
非晶性のポリエステルで、特表平9−509449号公
報などに開示されているものである。この非晶性ポリエ
ステル樹脂のジカルボン酸成分には、10モル%以下の
割合でイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピ
ン酸、グルタル酸、アゼライン酸などの芳香族又は、脂
環式ジカルボン酸が含まれていてもよい。又、エチレン
グリコール及び1、4−シクロヘキサンジメタノールの
グリコール成分混合物にも10モル%以下の割合でジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、プロパン
ジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサ
ンジオール、テトラメチルシクロブタンジオールなどが
含まれていてもよい。
【0008】本発明に用いられる非晶性ポリエステル樹
脂(A)の、1、4−シクロヘキサンジメタノールとポ
リエチレンテレフタレートとの共重合比は、非晶性ポリ
エステル樹脂が透明である範囲が好ましい。
【0009】(ポリカーボネート樹脂(B))本発明に
用いられるポリカーボネートは、ホモまたはコポリカー
ボネートのいずれであってもよい。また、芳香族ポリカ
ーボネートの構造は分岐構造であっても、直鎖構造であ
ってもよい。さらに、分岐構造と直鎖構造の混合物であ
ってもよい。
【0010】本発明に用いられるポリカーボネートの製
造方法はホスゲン法やエステル交換法など一般に知られ
ているいずれの方法であってもよい。以下に一例とし
て、エステル交換法によるポリカーボネートの製造方法
を説明する。エステル交換法は、2価フェノールと炭酸
ジエステルに、エステル交換触媒(塩基性触媒)、さら
にはこの触媒を中和する酸性物質を添加し、溶融エステ
ル交換縮重合を行う製造方法である。
【0011】2価フェノールの代表例としては、ビスフ
ェノール類があげられ、特に2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、すなわちビスフェノールAが
好ましい。また、ビスフェノールAの一部または全部を
他の2価フェノールで置き換えてもよい。他の2価フェ
ノールとしては、ハイドロキノン、4,4−ジヒドロキ
シジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン
や1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなど
のビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどの
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフォン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルフォキシド、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテルのような化合物、2,2−ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンのようなアルキル化ビスフェノール類、2,2−ビ
ス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンのようなハロゲン化ビスフェノー
ル類を挙げることができる。
【0012】炭酸ジエステルの代表例としては、ジフェ
ニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(ク
ロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネート、ビス(ビフェニル)カー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネ
ートなどが挙げられる。これらの内、特にジフェニルカ
ーボネートが好ましい。
【0013】尚、本発明においては、ポリカーボネート
の2種以上を混合して使用してもよい。
【0014】(エポキシ化ジエン系ブロック共重合体
(C))本発明に用いられるエポキシ化ジエン系ブロッ
ク共重合体(C)は、ビニル芳香族化合物からなるブロ
ックと共役ジエン化合物からなるブロックとからなるブ
ロック共重合体、またはその部分水添物をエポキシ化し
たものである。また、本発明に供するブロック共重合体
の数平均分子量は5,000〜1,000,000、好
ましくは10,000〜800,000の範囲であり、
分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)]は10以下である。またブロ
ック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あ
るいはこれらの任意の組み合せのいずれであってもよ
い。例えばX−Y−X、Y−X−Y−X、(X−Y−)
4Si、X−Y−X−Y−X、等の構造を有するビニル
芳香族化合物(X)ブロック−共役ジエン化合物(Y)
ブロック共重合体である。さらにジエン系ブロック共重
合体の共役ジエン化合物の不飽和結合は、部分的に水素
添加したものでもよい。
【0015】ジエン系ブロック共重合体を構成するビニ
ル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、p−第3級ブチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−
ジフェニルスチレン等のうちから1種または2種以上が
選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、共役ジエ
ン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、ピぺリレン、3−ブチル−1,3−オクタジ
エン、フェニル−1,3−ブタジエン等のうちから1
種、または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソ
プレン及びこれらの組合せが好ましい。
【0016】本発明に供するブロック共重合体の製造方
法としては上記した構造を有するものであればどのよう
な製造方法もとることができる。例えば、特公昭40−
23798号、特公昭47−3252号、特公昭48−
2423号、特開昭51−33184号、特公昭46−
32415号、特開昭59−166518号、特公昭4
9−36957号、特公昭43−17979号、特公昭
46−32415号、特公昭56−28925号などの
各公報に記載された方法により、リチウム触媒等を用い
て不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合
物ブロック共重合体を合成することができる。さらに特
公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公
報、あるいは特開昭59−133203号公報に記載さ
れた方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下
に水素添加して、本発明に供する部分的に水添したブロ
ック共重合体を合成することができる。
【0017】本発明におけるエポキシ化ジエン系ブロッ
ク共重合体は上記のブロック共重合体を不活性溶媒中で
ハイドロパーオキサイド類、過酸類等のエポキシ化剤と
反応させることにより得ることができる。過酸類として
は過ギ酸、過酢酸、過安息香酸を例示することができ
る。ハイドロパーオキサイド類の場合、タングステン酸
と苛性ソーダの混合物を過酸化水素と、あるいは有機酸
を過酸化水素と、あるいはモリブデンヘキサカルボニル
をターシャリブチルハイドロパーオキサイドと併用して
触媒効果を得ることができる。
【0018】エポキシ化剤の使用量には厳密な制限はな
く、それぞれの場合における最適量は、使用する個々の
エポキシ化剤、所望されるエポキシ化度、使用する個々
のブロック共重合体等の可変要因によって決まる。
【0019】得られたエポキシ化ジエン系ブロック共重
合体の単離は適当な方法、例えば貧溶媒で沈殿させる方
法、重合体を熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除去
する方法、直接脱溶媒する方法などで行うことができ
る。
【0020】得られたエポキシ化ジエン系ブロック共重
合体のエポキシ当量の好ましい範囲は、320〜800
0である。
【0021】(ジエン系ブロック共重合体(D))本発
明に用いられるジエン系ブロック共重合体とは、ビニル
芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロッ
ク共重合体であり、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化
合物の重量比(ブロック共重合体の重量比)は10/9
0〜80/20であり、特に30/70〜70/30の
重量比が好ましい。また、本発明に供するブロック共重
合体の数平均分子量は5,000〜1,000,00
0、好ましくは10,000〜800,000の範囲で
あり、分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)との比(Mw/Mn)]は10以下であ
る。またブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐
状、放射状あるいはこれらの任意の組み合わせのいずれ
であってもよい。例えば、X−Y−X、Y−X−Y−
X、(X−Y−)4Si、X−Y−X−Y−X等の構造
を有するビニル芳香族化合物(X)ブロック−共役ジエ
ン化合物(Y)ブロック共重合体である。さらにジエン
系ブロック共重合体の共役ジエン化合物の不飽和結合
は、部分的に水素添加したものでもよい。
【0022】ジエン系ブロック共重合体を構成するビニ
ル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、p−第3級ブチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−
ジフェニルスチレン等のうちから1種または2種以上が
選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、共役ジエ
ン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジ
エン、フェニル−1,3−ブタジエン等のうちから1
種、または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソ
プレン及びこれらの組み合わせが好ましい。
【0023】本発明に供するブロック共重合体の製造方
法としては上記した構造を有するものであればどのよう
な製造方法もとることもできる。例えば、特公昭40−
23798号、特公昭47−3252号、特公昭48−
2423号、特開昭51−33184号、特公昭46−
32415号、特開昭59−166518号、特公昭4
9−36957号、特公昭43−17979号、特公昭
46−32415号、特公昭56−28925号などの
各公報に記載された方法により、リチウム触媒等を用い
て不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合
物ブロック共重合体を合成することができる。さらに特
公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公
報、あるいは特開昭59−133203号公報に記載さ
れた方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下
に水素添加して、本発明に供する部分的に水添したブロ
ック共重合体を合成することができる。
【0024】(リン系化合物(E))本発明に用いられ
るリン化合物としては、下記のリン酸エステル又はその
縮合物、亜リン酸エステル又はその縮合物及びその他の
リン酸化合物から選ばれる1種以上を挙げることができ
る。
【0025】リン酸エステル又はその縮合物としては、
トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、ト
リブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホ
スフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリオ
レイルホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチ
ルホスフェート、ジ(2−エチルヘキシルホスフェー
ト)、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイル
オキシエチルアシッドホスフェート等の脂肪族リン酸エ
ステル;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホス
フェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソ
プロピルフェニル)ホスフェート、トリス(o−フェニ
ルフェニル)ホスフェート、トリス(p−フェニルフェ
ニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレ
ジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホ
スフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフ
ェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェ
ート、o−フェニルフェニルクレジルホスフェート、ト
リス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、テト
ラフェニル−m−フェニレンジホスフェート、テトラフ
ェニル−p−フェニレンジホスフェート、フェニル・レ
ゾルシン・ポリホスフェート、ビスフェノールA・ビス
(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールA・ポリ
フェニルホスフェート、ジピロカテコールハイポジホス
フェート等の芳香族リン酸エステル;ジフェニル(2−
エチルヘキシル)ホスフェート、ジフェニル−2−アク
リロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−
メタクリロイルオキシエチルホスフェート、フェニルネ
オペンチルホスフェート、ペンタエリスリトールジフェ
ニルジホスフェート、エチルピロカテコールホスフェー
ト等の脂肪族−芳香族リン酸エステル等を挙げることが
できる。
【0026】亜リン酸エステルとしては、トリフェニル
ホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、フェ
ニルピロカテコールホスファイト等の芳香族ホスファイ
ト、トリストリデシルホスファイト、ジブチルハイドロ
ジエンホスファイト、メチルネオペンチルホスファイ
ト、ペンタエリスリトールジエチルジホスファイト、ジ
ネオペンチルハイポホスファイト等の脂肪族ホスファイ
ト等を挙げることができる。
【0027】他のリン化合物としては、トリフェニルホ
スフィンオキシド、トリクレジルホスフィンオキシド、
メタンスルホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエ
チル等を挙げることができる。又、ポリリン酸アンモニ
ウム、赤リン、金属水酸化物又は熱硬化性樹脂等により
表面処理された赤リン等の無機リン化合物を挙げること
ができる。
【0028】リン化合物は非晶性ポリエステル樹脂
(A)とポリカーボネート樹脂(B)の合計100重量
部に対して5〜50重量部配合するのが好ましい。配合
量が5重量部未満では難燃化が十分でなく、また、配合
量が50重量部を越えると成形性、機械物性が著しく低
下し、好ましくない。
【0029】(難燃助剤(F))本発明に用いられる難
燃助剤は特に限定されず、公知のものを用いてさしつか
えないが、好ましい難燃助剤としてはフッ素化合物があ
げられる。更に、フッ素化合物の中でも、数平均分子量
が10,000以上であり、ガラス転移温度が−30℃
以上(好ましくは40〜130℃、特に好ましくは10
0〜130℃)のものが好ましい。また、フッ素原子の
含有量が50〜76重量%(好ましくは65〜76重量
%、特に好ましくは70〜76重量%)のものが好まし
い。また、難燃助剤の形状であるが、粉粒体が好まし
く、平均粒径が0.05〜1000μm(好ましくは
0.08〜20μm)で、密度が1.2〜2.3g/cm3の
ものが好ましい。
【0030】好ましいフッ素化合物の具体例としては、
ポリモノフルオロエチレン、ポリジフルオロエチレン、
ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラ
フルオロエチレン共重合体から選ばれる1種以上を挙げ
ることができ、これらの中でもポリテトラフルオロエチ
レンが好ましい。
【0031】難燃助剤の好ましい配合量は、非晶性ポリ
エステル樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)の総
和100重量部に対して、0.05〜5重量部、より好
ましくは0.1〜2重量部、さらに好ましくは0.3〜
0.5重量部である。
【0032】本発明の非晶性ポリエステル樹脂(A)、
ポリカーボネート樹脂(B)、エポキシ化ジエン系ブロ
ック共重合体(C)および/またはジエン系ブロック共
重合体(D)の好ましい配合割合は、機械物性の点か
ら、(A)成分および(B)成分の総和100重量部に
対して、(C)成分と(D)成分の総和が1〜15重量部
である。
【0033】また、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組
成物には、透明性および機械物性を損なわない範囲で、
例えば、充填材、硬化促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、硫黄硬化剤、分解防止剤、プロセス油、顔料、酸化
亜鉛、ステアリン酸、安定剤、粘着性付与剤、可塑剤、
帯電防止剤、滑剤、発泡剤、着色剤、架橋助剤など、熱
可塑性樹脂材料に用いられる通常の添加剤を必要に応じ
て、単独あるいは混合して添加することができる。ま
た、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物の特性を損
なわない範囲であれば、熱硬化性樹脂を配合することも
可能である。
【0034】尚、(A)成分、(B)成分、(C)成
分、(D)成分、(E)成分および(F)成分、さらに
は前記の添加剤を混合して本発明の難燃性ポリエステル
樹脂組成物を製造する方法としては、従来公知の方法が
使用できる。例えば、ロール、ブラベンダーミキサー、
各種押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、タンブリ
ングミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダ
ー、スーパーミキサー、圧延混合機(mill mix
er)、連続式混練り機などの公知の混練機により溶融
混練することによって、またドライブレンドしたものを
射出成形することにより混合物を得ることができる。最
も好ましい混合装置は、一軸あるいは二軸押出機であ
り、これにより連続的に効率よく混練りし、ペレット化
することができる。
【0035】また、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組
成物を製造する際には、各成分を一括で混合してもよ
く、任意の成分をあらかじめ予備混合したのち、残りの
成分を添加して混合してもよい。
【0036】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。なお実施例中、%及び部の表示は特に限定のな
い限り重量基準である。
【0037】(エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の
調整) [調整例1]攪拌機、還流冷却管、および温度計を備え
たジャケット付反応器にポリスチレン−ポリブタジエン
−ポリスチレンのブロック共重合体[スチレン/ブタジ
エン重量比=70/30]300g、酢酸エチル180
0gを仕込み溶解した。ついで、過酢酸の30重量%酢
酸エチル溶液150gを連続滴下させ、攪拌下40℃で
3時間エポキシ化反応をおこなった。反応液を常温にも
どして反応器より取り出し、多量のメタノールを加えて
重合体を析出させ、濾別後水洗し、乾燥させてエポキシ
変性ブロック共重合体を得た。得られたエポキシ化ジエ
ン系ブロック共重合体を共重合体C−1とする(共重合
体のエポキシ当量760)。
【0038】[調整例2]攪拌機、還流冷却管、および
温度計を備えたジャケット付反応器にポリスチレン−ポ
リブタジエン−ポリスチレンのブロック共重合体[スチ
レン/ブタジエン重量比=40/60]300g、酢酸
エチル1500gを仕込み溶解した。ついで過酢酸の3
0wt%酢酸エチル溶液165gを連続滴下させ、攪拌
下40℃で3時間エポキシ化反応をおこなった。反応液
を常温にもどして反応器より取り出し、多量のメタノー
ルを加えて重合体を析出させ、濾別後水洗し、乾燥させ
てエポキシ変性ブロック共重合体を得た。得られたエポ
キシ化ジエン系ブロック共重合体を共重合体C−2とす
る。(共重合体のエポキシ当量490)。
【0039】(実施例1〜7)非晶性ポリエステル樹脂
(イーストマンケミカルカンパニー製、PCTG、DN
004)、非晶性ポリエステル樹脂(イーストマンケミ
カルカンパニー製、PETG、6763)、ポリカーボ
ネート樹脂(出光石油化学(株)製、タフロンA220
0)、調整例1で得られた共重合体C−1、調整例2で
得られた共重合体C−2、ジエン系ブロック共重合体
(旭化成(株)製、アサフレックス810)、リン化合
物(大八化学工業(株)製、TPP[トリフェニルホス
フェート])および、難燃助剤(三井デュポン社製、テ
フロン6−J[ポリテトラフルオロエチレン])を、表
1に示す配合でタンブラーにて混合した。その後、東芝
(株)製TEM35B二軸押出機を用いて240℃にて
混練しペレット化した。こうして得られたペレットを、
東芝(株)IS100P射出成形機を用いて、240℃
の条件で試験片に成形し、曇度、全光線透過率、曲げ強
度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、荷重たわみ温
度、難燃性の各物性を測定した。測定結果を表1に示
す。
【0040】(比較例1〜4)ポリカーボネート樹脂
(出光石油化学(株)製、タフロンA2200)、非晶
性ポリエステル樹脂(イーストマンケミカルカンパニー
製、PCTG、DN004)、非晶性ポリエステル樹脂
(イーストマンケミカルカンパニー製、PETG、67
63)、ジエン系ブロック共重合体(旭化成製、アサフ
レックス810)、リン化合物(大八化学工業(株)
製、TPP[トリフェニルホスフェート])および、難
燃助剤(三井デュポン社製、テフロン6−J[ポリテト
ラフルオロエチレン])を、表2に示す配合でタンブラ
ーにて混合した。その後、東芝(株)製TEM35B二
軸押出機を用いて240℃にて混練しペレット化した。
こうして得られたペレットを、東芝(株)IS100P
射出成形機を用いて、240℃の条件で試験片に成形
し、曇度、全光線透過率、曲げ強度、曲げ弾性率、アイ
ゾット衝撃強度、荷重たわみ温度、難燃性の各物性を測
定した。測定結果を表2に示す。
【0041】表から分かるように実施例の難燃性ポリエ
ステル樹脂組成物は、透明性が良好で、機械物性、透明
性および難燃性に優れた樹脂組成物である。
【0042】(各物性の測定方法) (1)曇度及び全光線透過率:厚み3mmのカラープレ
ートを作製し、JISK6714に準じて測定した。 (2)曲げ強度及び曲げ弾性率:ASTM D790に
準じて、23℃で測定した。 (3)荷重たわみ温度:ASTM D648に準じて測
定した。 (4)アイゾット衝撃強度:ノッチ付試験片(3.2m
m厚)を作製し、23℃で、ASTM D256に準じ
て測定した。 (5)難燃性:米国UL規格のUL94に規定されてい
る垂直燃焼試験に準じて、厚み1/16インチの試験片
で測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の難燃性ポ
リエステル樹脂組成物は、優れた透明性、物性および難
燃性を有しており、成形品やシートの原料に適してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53/00 C08L 53/00 63/08 63/08 69/00 69/00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶性ポリエステル樹脂(A)、エポキ
    シ化ジエン系ブロック共重合体(C)および/またはジ
    エン系ブロック共重合体(D)、リン化合物(E)を含
    有する難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 非晶性ポリエステル樹脂(A)、非晶
    性ポリエステル樹脂(A)と相溶しそのブレンド物が透
    明であることを特徴とするポリカーボネート樹脂
    (B)、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体(C)お
    よび/またはジエン系ブロック共重合体(D)、リン化
    合物(E)を含有する難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2に記載された難燃性ポリエ
    ステル樹脂組成物に更に難燃助剤(F)を、添加するこ
    とを特徴とする難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 非晶性ポリエステル樹脂(A)が、1,
    4−シクロヘキサンジメタノールおよび/またはエチレ
    ングリコールからなるジアルコール成分と、テレフタル
    酸が主成分であるジカルボン酸成分との共重合体である
    ことを特徴とする請求項1〜3に記載の難燃性ポリエス
    テル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 エポキシ化ジエン系ブロック共重合体
    (C)が、ビニル芳香族化合物からなるブロックと共役
    ジエン化合物からなるブロックとからなるブロック共重
    合体またはその部分水添物を、エポキシ化したものであ
    ることを特徴とする請求項1〜4に記載の難燃性ポリエ
    ステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 難燃助剤(F)が、フッ素化合物を含有
    することを特徴とする請求項3〜5に記載の難燃性ポリ
    エステル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6に記載された難燃性ポリエ
    ステル樹脂組成物を用いた成形品。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6に記載された難燃性ポリエ
    ステル樹脂組成物を用いたシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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