JP3730371B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネート系樹脂、特定の付加重合系ブロック共重合体および特定のポリカーボネート系ブロック共重合体とからなる熱可塑性樹脂組成物並びに成形品に関する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、柔軟性、透明性、力学物性、加工性、耐候性、耐熱性等に優れることから、それらの特性を活かして各種の成形材料および成形品として極めて有効に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
ポリスチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーは、その柔軟性、押出加工性等の利点を活かして、単独であるいはこれにその他の熱可塑性エラストマー、柔軟化剤等を配合した組成物として成形材料に使用されている。その例として、例えば事務用機器、自動車のバンパー、コンソールパネル表面などの成形材料が知られている。しかし、これらの熱可塑性エラストマーは、軟化温度が低く温度上昇による物性低下が大きい。また、圧縮永久歪み、永久伸びが比較的大きく、耐擦傷性に劣るという問題もある。さらに、一般的に硬度が低く、高硬度のものを得るのが困難であり、用途が制限される場合がある。
【0003】
また、ポリ塩化ビニル系エラストマーは、添加する可塑剤の量により硬度および力学物性をある程度調節することができるため、高硬度や透明性が要求される分野から低硬度や柔軟性が要求される分野までの広範な用途に使用され、例えば自動車用部品、建材用部品等に用いられている。しかし、ポリ塩化ビニル系エラストマーは、元来加工性に劣ることから多量の可塑剤を必要とし、可塑剤が経時変化により表面に析出する(ブリードアウト)という問題を抱えている。また、加熱分解により毒性を有するハロゲン含有分解生成物が発生し、そのためにリサイクルすることが困難であることからその代替が求められている。
【0004】
一方、ポリカーボネート系樹脂は、透明性、耐熱性、耐候性、耐衝撃性、クリープ特性などに優れることから、それらの特性を活かして各種成形材料に用いられている。しかしながら、ポリカーボネート系樹脂は柔軟性に乏しく、柔軟性を改良する目的で多くの研究が行われている(特開昭58−145757号公報、特公昭60−57463号公報、特公昭61−42748号公報、および特開昭62−70438号公報等)。しかしながら、一般にポリカーボネート系樹脂に柔軟性を付与すべくポリスチレン系エラストマーまたはポリオレフィン系エラストマーを配合すると、透明性が損なわれ(白濁)、また相容性の悪さに起因する相間剥離や力学物性の低下が発生し、満足のいく結果を得るには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、本発明の目的は、柔軟性、透明性、力学物性、加工性、耐候性、耐熱性等の特性に優れた熱可塑性樹脂組成物および成形品を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリカーボネート系樹脂、特定の付加重合系ブロック共重合体および特定のポリカーボネート系ブロック共重合体とからなる熱可塑性樹脂組成物が、柔軟性、透明性、力学物性、加工性、耐候性、耐熱性等の特性に優れることを見出した。
そして、本発明者らは、ポリカーボネート系樹脂、特定の付加重合系ブロック共重合体、および特定の有機金属化合物を溶融混練することにより得られる熱可塑性樹脂組成物が、ポリカーボネート系樹脂、特定の付加重合系ブロック共重合体および特定のポリカーボネート系ブロック共重合体とから主としてなることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、第一に、
(1) ポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共重合体(II)およびポリカーボネート系ブロック共重合体(III)からなる熱可塑性樹脂組成物であって;
(2) 付加重合系ブロック共重合体(II)が、
▲1▼芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック(a−1)および水素添加された1,2−結合量が30%未満のポリブタジエンブロック(a−2)のうちの少なくとも1種からなる重合体ブロック(A)と、水素添加されたポリイソプレンブロック(b−1)、水素添加された1,2−結合量が30〜80%のポリブタジエンブロック(b−2)および水素添加されたイソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる重合体ブロック(B)とからなり、かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−1)、並びに
▲2▼芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック(C)とポリイソブチレンブロック(D)とからなり、かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−2)、
のうちの少なくとも1種から誘導される付加重合系ブロック共重合体であり;
(3) ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)が、ポリカーボネート系樹脂(I)から誘導されるポリカーボネート系ブロック(III−1)と、付加重合系ブロック共重合体(II)から誘導される付加重合体ブロック(III−2)とからなる;
ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
【0008】
そして、本発明は、第二に、
(1) ポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共重合体(II)並びに有機チタン化合物、有機スズ化合物および有機サマリウム化合物から選ばれる有機金属化合物(IV)を溶融混練することにより得られる熱可塑性樹脂組成物であって;
(2) 付加重合系ブロック共重合体(II)が、
( II −1)芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック(a−1)および水素添加された1,2−結合量が30%未満のポリブタジエンブロック(a−2)のうちの少なくとも1種からなる重合体ブロック(A)と、水素添加されたポリイソプレンブロック(b−1)、水素添加された1,2−結合量が30〜80%のポリブタジエンブロック(b−2)および水素添加されたイソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる重合体ブロック(B)とからなり、かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−1)、並びに
( II −2)芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック(C)とポリイソブチレンブロック(D)とからなり、かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−2)、
のうちの少なくとも1種から誘導される付加重合系ブロック共重合体であり;
(3) ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)との重量比が99/1〜1/99であり;かつ
(4) {ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)の合計重量}と{有機金属化合物(IV)の重量}との比が99.999/0.001〜95/5である;
ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
さらに、本発明は、第三に、上記の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、ポリカーボネート系樹脂(I)は、2価フェノールとカーボネート前駆体を溶液法または溶融法で反応させて製造される芳香族ポリカーボネート系樹脂である。
2価フェノールの代表的な例として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキサイド等が挙げられる。この中でも、2価フェノールとしてビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系が好ましく、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]が特に好ましい。これらの2価フェノールは、単独で用いてもまたは2種類以上を併用して用いてもよい。
【0010】
また、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等が挙げられ、例えばホスゲン、ジフェニルカーボネート、2価フェノールのジハロホルメート等が例示される。この中でも、カーボネート前駆体としてホスゲンが好ましい。
【0011】
本発明で用いるポリカーボネート系樹脂(I)の分子量は、粘度平均分子量で10000〜100000の範囲内にあるのが好ましく、15000〜60000の範囲内にあるのが特に好ましい。
【0012】
ポリカーボネート系樹脂(I)としては、必要に応じて分子量調節剤、分岐剤、触媒等を用いて製造されたものを使用することができる。また、必要に応じて添加剤、例えば亜リン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等の熱安定剤、トリアゾール系、アセトフェノン系、サリチル酸エステル系等の紫外線吸収剤、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAの低分子量ポリカーボネート、デカブロモジフェニルエーテル等の難燃剤、着色剤、蛍光増白剤などを配合してもよい。
【0013】
次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物における付加重合系ブロック共重合体(II)は、上記したように、末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−1)および末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−2)の少なくとも1種からなっており、したがって本発明の熱可塑性樹脂組成物は、付加重合系ブロック共重合体(II)として、ブロック共重合体(II−1)およびブロック共重合体(II−2)の一方のみを含有していても、または両方を含有していてもよい。
【0014】
ここで、ブロック共重合体(II−1)は、上記したように、
○ 芳香族ビニル化合物単位から主としてなる重合体ブロック(a−1)[以下これを「芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)」という]および水素添加された1,2−結合量が30%未満のポリブタジエンブロック(a−2)[以下これを「水添ポリブタジエンブロック(a−2)」という]のうちの少なくとも1種からなる重合体ブロック(A);並びに、
○ 水素添加されたポリイソプレンブロック(b−1)[以下これを「水添ポリイソプレンブロック(b−1)」という]、水素添加された1,2−結合量が30〜80%のポリブタジエンブロック(b−2)[以下これを「水添ポリブタジエンブロック(b−2)」という]および水素添加されたイソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)[以下これを「水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)」という]からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体ブロック(B);
をその分子中に有していて、しかも末端に水酸基を有するブロック共重合体であればいずれでもよく、ブロック共重合体(II−1)はその一方の末端にのみ水酸基を有していても、または両末端に水酸基を有していてもよい。
【0015】
したがって、ブロック共重合体(II−1)としては、
(1) 芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)および水添ポリブタジエンブロック(a−2)の両方を有する重合体ブロック(A)と、水添ポリイソプレンブロック(b−1)、水添ポリブタジエンブロック(b−2)および水添イソプレン/ブタジエン共重体ブロック(b−3)のうちの1種のみを含有する重合体ブロック(B)とからなり、末端に水酸基を有するブロック共重合体;
(2) 芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)および水添ポリブタジエンブロック(a−2)の両方を有する重合体ブロック(A)と、水添ポリイソプレンブロック(b−1)、水添ポリブタジエンブロック(b−2)および水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)のうちの2種を含有する重合体ブロック(B)とからなり、末端に水酸基を有するブロック共重合体;
(3) 芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)および水添ポリブタジエンブロック(a−2)の両方を有する重合体ブロック(A)と、水添ポリイソプレンブロック(b−1)、水添ポリブタジエンブロック(b−2)および水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)のすべてを含有する重合体ブロック(B)とからなり、末端に水酸基を有するブロック共重合体;
(4) 芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)および水添ポリブタジエンブロック(a−2)のうちの1種のみを有する重合体ブロック(A)と、水添ポリイソプレンブロック(b−1)、水添ポリブタジエンブロック(b−2)および水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)のうちの1種のみを含有する重合体ブロック(B)とからなり、末端に水酸基を有するブロック共重合体;
(5) 芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)および水添ポリブタジエンブロック(a−2)のうちの1種のみを有する重合体ブロック(A)と、水添ポリイソプレンブロック(b−1)、水添ポリブタジエンブロック(b−2)および水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)のうちの2種を含有する重合体ブロック(B)とからなり、末端に水酸基を有するブロック共重合体;
などを挙げることができるが、好ましいブロック共重合体(II−1)としては、例えば下記の式▲1▼〜▲4▼で表されるブロック共重合体を挙げることができる。
【0016】
(A−B)k−OH ▲1▼
(B−A)l−OH ▲2▼
A’−(B−A)m−OH ▲3▼
B’−(A−B)n−OH ▲4▼
[式中、AおよびA’はそれぞれ独立して芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)および水添ポリブタジエンブロック(a−2)のうちの少なくとも1種からなる重合体ブロック(A)を表し、BおよびB’はそれぞれ独立して水添ポリイソプレンブロック(b−1)、水添ポリブタジエンブロック(b−2)および水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)の少なくとも1種からなる重合体ブロック(B)を表し、そして、k、l、mおよびnはそれぞれ独立して1以上の整数を表し、OHは水酸基を表す。]
そして、上記の式▲1▼〜▲4▼で表されるブロック共重合体においては、k、l、mおよびnが1〜5の範囲内の整数であるのが好ましい。
【0017】
ブロック共重合体(II−1)としては、上記したブロック共重合体のうちでも、 上記した重合体ブロック(A)を2個以上有するものが、本発明の熱可塑性樹脂組成物の引張破断伸度、引張破断強度などの力学物性、耐熱性などが一層良好になる点から好ましく、特に、下記の式▲5▼:
【0018】
A’−B−A−OH ▲5▼
[式中、A、A’、BおよびOHは前記定義の通りである。]
で表されるトリブロック共重合体がより好ましい。
【0019】
上記したブロック共重合体(II−1)における重合体ブロック(A)の構成ブロックとなり得る芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)は、芳香族ビニル化合物に由来する単位から主としてなる重合体ブロックであり、その場合の芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどを挙げることができ、そのうちでも、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)は、1種の芳香族ビニル化合物の単位から構成されていても、または2種以上の芳香族ビニル化合物の単位から構成されていてもよい。また、芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)は、その数平均分子量が2500〜50000の 範囲にあるのが、熱可塑性樹脂組成物の引張破断伸度、引張破断強度などの力学物性が優れたものになる点から好ましい。
【0020】
ブロック共重合体(II−1)における重合体ブロック(A)の構成ブロックとなり得る水添ポリブタジエンブロック(a−2)は、そのポリブタジエンブロックにおける1,2−結合量が30%未満、好ましくは25%以下であり、しかも不飽和結合の一部または全部が水素添加によって飽和結合にされているポリブタジエンブロックである。水添ポリブタジエンブロック(a−2)を構成するポリブタジエンでは、水素添加前にはその30モル%未満、好ましくは25モル%以下がビニルエチレン基[−CH(CH=CH2)−CH2−;1,2−結合のブタジエン単位]であり、残りが2−ブテン−1,4−ジイル基(−CH2−CH=CH−CH2−;1,4−結合ブタジエン単位)である。水添ポリブタジエンブロック(a−2)における1,2−結合量が30%以上であると、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性が不良となる。
そして、水添ポリブタジエンブロック(a−2)は、その数平均分子量が2500 〜50000の範囲にあるのが、熱可塑性樹脂組成物の引張破断伸度、引張破断強度などの力学物性が優れたものになる点から好ましい。
【0021】
ブロック共重合体(II−1)における重合体ブロック(B)の構成ブロックとなり得る水添ポリイソプレンブロック(b−1)は、イソプレンに由来する単位から主としてなるポリイソプレンの不飽和結合の一部または全部が水素添加されて飽和結合になっている重合体ブロックである。水添ポリイソプレンブロック(b−1)では、その水素添加前には、イソプレンに由来する単位は、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基[−CH2−C(CH3)=CH−CH2−;1,4−結合のイソプレン単位]、イソプロペニルエチレン基[−CH{−C(CH3)=CH2}−CH2−;3,4−結合のイソプレン単位]および1−メチル−1−ビニルエチレン基[−C(CH3)(CH=CH2)−CH2−;1,2−結合のイソプレン単位]からなる群より選ばれる少なくとも1種からなっており、各単位の割合は特に限定されないが、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基の割合が80%以上であるのが柔軟性の点から好ましい。
そして、水添ポリイソプレンブロック(b−1)は、その数平均分子量が10000〜100000であるのが、熱可塑性樹脂組成物の引張破断伸度、引張破断強度などの力学物性が優れたものになる点から好ましい。
【0022】
また、ブロック共重合体(II−1)における重合体ブロック(B)の構成ブロックとなり得る水添ポリブタジエンブロック(b−2)は、そのポリブタジエンブロックにおける1,2−結合量が30〜80%、好ましくは35〜60%であり、しかも不飽和結合の一部または全部が水素添加によって飽和結合になっているポリブタジエンブロックである。水添ポリブタジエンブロック(b−2)を構成するポリブタジエンでは、水素添加前にはその30〜80モル%、好ましくは35〜60モル%がビニルエチレン基[−CH(CH=CH2)−CH2−;1,2−結合のブタジエン単位]であり、70〜20モル%、好ましくは65〜40モル%が2−ブテン−1,4−ジイル基(−CH2−CH=CH−CH2−;1,4−結合ブタジエン単位)である。水添ポリブタジエンブロック(b−2)における1,2−結合量が上記した30〜80%の範囲から外れると、柔軟性が不良となる。そして、水添ポリブタジエンブロック(b−2)は、その数平均分子量が10000〜100000であるのが、熱可塑性樹脂組成物の引張破断伸度、引張破断強度などの力学物性が優れたものになる点から好ましい。
【0023】
また、ブロック共重合体(II−1)における重合体ブロック(B)の構成ブロックとなり得る水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)は、イソプレンに由来する単位およびブタジエンに由来する単位から主としてなっているイソプレン/ブタジエン共重合体であって、且つその不飽和結合の一部または全部が水素添加によって飽和結合になっている共重合体ブロックである。水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)においては、その水素添加前には、イソプレンに由来する単位は、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基、イソプロペニルエチレン基および1−メチル−1−ビニルエチレン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であり、またブタジエンに由来する単位はビニルエチレン基および/または2−ブテン−1,4−ジイル基である。そして、水素添加前におけるイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックにおけるそれらの基の割合は特に制限されない。また、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)において、ブタジエンに由来する単位とイソプレンに由来する単位とは、ランダム状、ブロック状、テーパーブロック状のいずれの配置形態になっていてもよい。
そして、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)は、その数平均分子量が10000〜100000であるのが、熱可塑性樹脂組成物の引張破断伸度、引張破断強度などの力学物性が優れたものになる点から好ましい。
【0024】
そして、本発明においては、熱可塑性樹脂組成物の力学物性および透明性が優れたものになる点から、ブロック共重合体(II−1)を構成する重合体ブロック(B)が、水添ポリイソプレンブロック(b−1)および水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)の少なくとも一方からなっているのが好ましく、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)からなっているのがより好ましい。前記の場合に、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)では、(イソプレンに由来する単位):(ブタジエンに由来する単位)のモル比が1:9〜9:1の範囲内であるのが好ましく、3:7〜7:3の範囲であるのがより好ましい。
【0025】
また、重合体ブロック(A)の構成ブロックとなり得る水添ポリブタジエンブロック(a−2)、並びに重合体ブロック(B)における構成ブロックとなり得る水添ポリイソプレンブロック(b−1)、水添ポリブタジエンブロック(b−2)および水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)では、上記したように、その炭素−炭素二重結合の一部が水素添加されていても、または全部が完全に水素添加されていてもよい。しかしながら、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる成形品の耐熱劣化性および耐候性を良好なものにし、且つ粘着性の発現を防止する観点から、ブロック共重合体(II−1)に含まれるブタジエン由来の単位およびイソプレン由来の単位の全量に基づいて、その不飽和結合の50モル%以上、特に80モル%以上が水素添加されていて、ブロック共重合体(II−1)の不飽和度 が50モル%未満、好ましくは20モル%未満になるように、水添ポリブタジエンブロック(a−2)、水添ポリイソプレンブロック(b−1)、水添ポリブタジエンブロ ック(b−2)および水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)における水素添加率を調整しておくのが望ましい。
【0026】
そして、ブロック共重合体(II−1)では、その末端水酸基は、重合体ブロック (A)および重合体ブロック(B)のいずれか一方の重合体ブロックの末端に存在していても、両方の末端に存在していてもよいが、ブロック共重合体(II−1)中でハードブロックを形成している重合体ブロック(A)の末端に存在するのが好ましい。ブロック共重合体(II−1)における末端の水酸基の含有量は、1分子当たり平均0.5個以上であるのが好ましく、0.7〜2個の範囲であるのがより好ましい。
【0027】
また、ブロック共重合体(II−1)における重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)の割合は、重量比で1:9〜9:1であるのが、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる成形品の耐熱性を良好なものとし、且つ透明性が優れたものになる点から好ましく、2:8〜7:3であるのがより好ましい。
【0028】
更に、ブロック共重合体(II−1)における重合体ブロック(A)の数平均分子量は2500〜50000の範囲内であるのが好ましく、また重合体ブロック(B)の数平均分子量は10000〜100000の範囲内であるのが好ましい。そして、ブロック共重合体(II−1)の数平均分子量は、15000〜150000の範囲内であるのが好ましい。
【0029】
そして、付加重合系ブロック共重合体(II)として、単独で、またはブロック共重合体(II−1)と共に用いるブロック共重合体(II−2)は、芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック(C)[以下これを「芳香族ビニル重合体ブロック(c)」という]とポリイソブチレンブロック(D)[以下これを「ポリイソブチレンブロック(d)」という]をその分子中に有していて、しかも末端に水酸基を有するブロック共重合体であればいずれでもよく特に制限されない。ブロック共重合体(II−2)はその一方の末端にのみ水酸基を有していても、または両末端に水酸基を有していてもよいが、本発明で好ましく用いられるブロック共重合体(II−2)の例としては、下記の式▲6▼および▲7▼で表されるブロック共重合体を挙げることができる。
【0030】
HO−C’−(D−C)p−OH ▲6▼
HO−D’−(C−D)q−OH ▲7▼
[式中、CおよびC’はそれぞれ独立して芳香族ビニル重合体ブロック(c)を表し、DおよびD’はそれぞれ独立してポリイソブチレンブロック(d)を表し、pおよびqはそれぞれ独立して1以上の整数を表し、OHは水酸基を表す。]
上記の式▲6▼および▲7▼で表されるブロック共重合体においては、pおよびqが1〜5の範囲内の整数であるのが好ましく、特に、芳香族ビニル重合体ブロック(c)を2個以上有しているブロック共重合体(II−2)が好ましい。
【0031】
ブロック共重合体(II−2)を構成する芳香族ビニル重合体ブロック(c)は、芳香族ビニル化合物に由来する単位から主としてなる重合体ブロックであって、その場合の芳香族ビニル化合物としては、ブロック共重合体(II−1)中の芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)に関して上記で説明したのと同様の種々の芳香族ビニル化合物を用いることができるが、そのうちでも、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。芳香族ビニル重合体ブロック(c)は、1種の芳香族ビニル化合物に由来する単位から構成されていても、または2種以上の芳香族ビニル化合物に由来する単位から構成されていてもよい。
また、ブロック共重合体(II−2)を構成するポリイソブチレンブロック(d)は 、イソブチレンに由来する単位[−C(CH3)2−CH2−]から主としてなる重合体ブロックである。
【0032】
ブロック共重合体(II−2)における芳香族ビニル重合体ブロック(c)とポリイソブチレンブロック(d)の割合は、重量比で1:9〜9:1であるのが、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる成形品の耐熱性を良好なものとし、且つ透明性が優れたものになる点から好ましく、2:8〜7:3であるのがより好ましい。
【0033】
また、ブロック共重合体(II−2)における芳香族ビニル重合体ブロック(c)の数平均分子量は、2500〜50000の範囲内であるのが好ましく、ポリイソブチレンブロック(d)の数平均分子量は、10000〜100000の範囲内であるのが好ましく、ブロック共重合体(II−2)の数平均分子量は、15000〜150000の範囲内であるのが好ましい。
【0034】
そして、ブロック共重合体(II−2)では、その末端水酸基は、芳香族ビニル重合体ブロック(c)およびポリイソブチレンブロック(d)のいずれか一方の重合体ブロックの末端に存在していても、両方の末端に存在していてもよいが、ハードブロックを形成する芳香族ビニル重合体ブロック(c)の末端に存在するのが好ましい。ブロック共重合体(II−2)における末端の水酸基の含有量は、ブロック共重合体(II−1)の場合と同様に、1分子当たり平均0.5個以上であるのが好ましく、0.7〜2個の範囲であるのがより好ましい。
【0035】
次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物におけるポリカーボネート系ブロック共重合体(III)は、ポリカーボネートブロック[以下これを「ポリカーボネートブロック(III−1)」という]と、前記のブロック共重合体(II−1)およびブロック共重合体(II−2)の少なくとも1種から誘導される重合体ブロック[以下これを「付加重合体ブロック(III−2)」という]とからなるブロック共重合体であり、例えば、1個のポリカーボネートブロック(III−1)と1個の付加重合体ブロック(III−2)とからなるジブロック共重合体、2個のポリカーボネートブロック(III−1)と1個の付加重合体ブロック(III−2)とからなるトリブロック共重合体、1個のポリカーボネートブロック(III−1)と2個の付加重合体ブロック(III−2)とからなるトリブロック共重合体などを挙げることができる。これらの内でも、ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)として、1個のポリカーボネートブロック(III−1)と1個の付加重合体ブロック(III−2)とからなるジブロック共重合体、および1個のポリカーボネートブロック(III−1)と2個の付加重合体ブロック(III−2)とからなるトリブロック共重合体が好ましい。
【0036】
ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)におけるポリカーボネートブロック(III−1)は、ポリカーボネート系樹脂(I)に関して上記で挙げたのと同様の種々のポリカーボネート系樹脂から形成することができ、ポリカーボネート系樹脂(I)を形成するポリカーボネート系樹脂と同じポリカーボネート系樹脂からなるのが好ましい。
また、ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)における付加重合体ブロック(III−2)は、上記したブロック共重合体(II−1)およびブロック共重合体(II−2)の少なくとも1種から形成されている。
ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)におけるポリカーボネートブロック(III−1)と付加重合体ブロック(III−2)との含有割合は、重量比で約1:9〜9:1程度であるのが好ましい。
【0037】
そして、ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)では、ブロック共重合体(II−1)および/またはブロック共重合体(II−2)における末端の水酸基が、ポリカーボネート系樹脂(I)とカーボネート結合、エステル結合、またはエーテル結合等により連結され、ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)が形成されている。
【0038】
そして、本発明の熱可塑性樹脂組成物では、ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)との重量比は99/1〜1/99となっている。熱可塑性樹脂組成物における付加重合系ブロック共重合体(II)の重量割合が上記の範囲よりも多いと、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる成形品の耐熱性、圧縮永久歪みおよび永久伸び等の力学物性などが低下する。一方、熱可塑性樹脂組成物における付加重合系ブロック共重合体(II)の重量割合が上記の範囲よりも少ないと、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる成形品の柔軟性が不十分となる。熱可塑性樹脂組成物におけるポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)との重量比が、80/20〜2/98の範囲内にあると、耐熱性、並びに柔軟性、圧縮永久歪みおよび永久伸び等の力学物性などの特性が良好になるので好ましい。さらに、ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)との重量比が、40/60〜5/95の範囲内にあると、柔軟性、耐熱性、圧縮永久歪みおよび永久伸び等の力学物性等の特性に加えて、透明性が一層良好なものになるのでより好ましい。
【0039】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物において、{ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)の合計重量}と{ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)の重量}との比は99/1〜1/99となっている。熱可塑性樹脂組成物におけるポリカーボネート系ブロック共重合体(III)の重量割合が上記の範囲よりも多いと、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる成形品の耐熱性などが低下する。一方、熱可塑性樹脂組成物におけるポリカーボネート系ブロック共重合体(III)の重量割合が上記の範囲よりも少ないと、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる成形品の透明性、引張破断伸度および引張破断強度などの力学物性が不十分となる。熱可塑性樹脂組成物における{ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)の合計重量}と{ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)の重量}との比が、97/3〜3/97の範囲内にあると、耐熱性、透明性、並びに引張破断伸度および引張破断強度等の力学物性などの特性が特に良好になるので好ましい。
【0040】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記したポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共重合体(II)、およびポリカーボネート系ブロック共重合体(III)に相当するそれぞれの重合体を、熱可塑性樹脂組成物中における各重合体の含有割合が所望の範囲になるようにして混合して製造してもよい。その場合には、例えば、ポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共重合体(II)、およびポリカーボネート系ブロック共重合体(III)を、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機により、通常180℃〜300℃で3〜15分溶融混練することにより得ることができる。
【0041】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、以下に説明する方法を用いて製造してもよい。すなわち、ポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共重合体(II)、および有機金属化合物(IV)を溶融混練し、本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造してもよい。本製造法によれば、有機金属化合物(IV)が触媒として作用し、ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)とのブロック化反応を促進する。従って、溶融混練中に、ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)に相当する重合体が生成し、最終的にポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共重合体(II)、およびポリカーボネート系ブロック共重合体(III)から主としてなる熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
【0042】
従って、本発明は、
(イ) ポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共重合体(II)、および有機金属化合物(IV)を溶融混練することにより得られる熱可塑性樹脂組成物;
(ロ) ポリカーボネート系樹脂(I)および有機金属化合物(IV)の溶融混練物と、付加重合系ブロック共重合体(II)とを溶融混練することにより得られる熱可塑性樹脂組成物;
(ハ) 付加重合系ブロック共重合体(II)および有機金属化合物(IV)の溶融混練物と、ポリカーボネート系樹脂(I)とを溶融混練することにより得られる熱可塑性樹脂組成物;
(ニ) ポリカーボネート系樹脂(I)および付加重合系ブロック共重合体(II)の溶融混練物と、有機金属化合物(IV)とを溶融混練することにより得られる熱可塑性樹脂組成物;
などを好ましい態様として包含する。
【0043】
また、上記した(イ)〜(ニ)の製造法において、その溶融混練前には、原料として用いるポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)との重量比は99/1〜1/99となっている。付加重合系ブロック共重合体(II)の重量割合が上記の範囲よりも多いと、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる成形品の耐熱性、圧縮永久歪みおよび永久伸び等の力学物性などが低下する。一方、付加重合系ブロック共重合体(II)の重量割合が上記の範囲よりも少ないと、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる成形品の柔軟性が不十分となる。ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)との重量比が、80/20〜2/98の範囲内にあると、柔軟性、耐熱性、圧縮永久歪みおよび永久伸び等の力学物性などの特性が良好になるので好ましく、40/60〜5/95の範囲内にあるのが、透明性、並びに引張破断伸度および引張破断強度などの力学物性が良好になるので特に好ましい。
【0044】
さらに、上記した(イ)〜(ニ)の製造法において、その溶融混練前には、{ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)の合計重量}と{有機金属化合物(IV)の重量}との比は99.999/0.001〜95/5となっている。有機金属化合物(IV)の重量割合が上記の範囲よりも多いと、熱可塑性樹脂組成物およびそれから得られる成形品の透明性が低下し、かつ着色が著しくなる。一方、付加重合系ブロック共重合体(II)の重量割合が上記の範囲よりも少ないと、溶融混練時に生成するポリカーボネート系ブロック共重合体(III)の生成量が減少し、透明性、並びに引張破断伸度および引張破断強度などの力学物性が不十分となる。{ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)の合計重量}と{有機金属化合物(IV)の重量}との比が、99.99/0.01〜97/3の範囲内にあると、透明性、並びに引張破断伸度および引張破断強度などの力学物性が特に良好になるので好ましい。
【0045】
上記した(イ)〜(ニ)の熱可塑性樹脂組成物において、触媒として用いる有機金属化合物(IV)は、付加重合体(I)と付加重合系ブロック共重合体( II )との反応性を高める点で、有機チタン化合物、有機スズ化合物および有機サマリウム化合物から選ばれる。本発明に用いる有機金属化合物(IV)は上記の1種のみを用いても、または2種以上を併用してもよい。
【0046】
本発明における有機金属化合物(IV)として使用することのできる有機チタン化合物は特に制限はなく、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、エチレングリコールチタネート、ブチレングリコールチタネート、蓚酸チタンカリウム、酒石酸チタンカリウム、チタニウムアセチルアセトナート、ジブトキシビス(トリエタノールアミネート)チタン、およびヘキサフルオロチタンカリウムなどが挙げられ、その中でもテトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラートが特に好ましい。有機チタン化合物は、上記の1種のみを用いても、または2種以上を併用してもよい。
【0047】
本発明における有機金属化合物(IV)として使用することのできる有機スズ化合物は特に制限はなく、例えば、モノメチルスズオキサイド、モノエチルスズオキサイド、モノプロピルスズオキサイド、モノブチルスズオキサイド、ジ−2−エチルヘキシルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、フェニルメチルスズオキサイド、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、ジメチルスズジブロマイド、モノブチルスズモノアセテート、モノブチルスズモノブチレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズスルフィド、ジフェニルスズスルフィドなどが挙げられ、その中でもモノメチルスズオキサイド、モノエチルスズオキサイド、モノプロピルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド等のスズオキサイド、およびモノブチルスズモノアセテート、モノブチルスズモノブチレート、ジブチルスズジアセテート等のスズカルボキシレートが特に好ましい。有機スズ化合物は、上記の1種のみを用いても、または2種以上を併用してもよい。
【0048】
本発明における有機金属化合物(IV)として使用することのできる有機サマリウム化合物は特に制限はなく、例えば、サマリウムアセテート、サマリウムオキザレート、サマリウムアセチルアセトナート、サマリウムオキサイド、サマリウムクロライド、サマリウムブロマイドなどが挙げられ、その中でもサマリウムアセチルアセトナートが特に好ましい。有機サマリウム化合物は、上記の1種のみを用いても、または2種以上を併用してもよい。
【0049】
上記した(イ)〜(ニ)の製造法において、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、ポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共重合体(II)、および有機金属化合物(IV)を、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機により、通常180℃〜300℃で3〜15分溶融混練することにより得ることができる。
【0050】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記したいずれの製造法で製造しても、ポリカーボネート系樹脂(I)の含有量が多い場合には、ポリカーボネート系樹脂(I)マトリックス中に付加重合系ブロック共重合体(II)が微粒子状に分散した比較的高硬度の熱可塑性樹脂組成物を得ることができ、一方、付加重合系ブロック共重合体(II)の含有量が多い場合には、付加重合系ブロック共重合体(II)マトリックス中にポリカーボネート系樹脂(I)が微粒子状に分散した比較的低硬度の熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。とりわけ、熱可塑性樹脂組成物が、付加重合系ブロック共重合体(II)マトリックス中にポリカーボネート系樹脂(I)が分散した形態をとる場合には、ポリカーボネート系樹脂(I)の粒子径は0.1μm以下と極めて微細になり、かつポリカーボネート系樹脂(I)粒子中に付加重合系ブロック共重合体(II)および/またはポリカーボネート系ブロック共重合体(III)の一部が混入しているという全く予見し得ない構造となり、この場合には透明性が一層優れたものとなる。
【0051】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、カーボンブラック、マイカ、ガラス繊維、炭素繊維等の補強剤、アルミナ、タルク、ゼオライト、フェライト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の充填剤、染料、顔料、難燃剤、紫外線吸収剤、その他機能性添加剤として用いられる有機系または無機系添加剤を任意に含有することができる。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリブテン、ポリイソブチレン、プロセスオイル等のオレフィン系可塑剤を、物性を損なうことのない範囲で含有することができる。
【0052】
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形品を製造するには、目的とする成形品の種類、用途、形状などに応じて、熱可塑性重合体に対して一般に用いられている種々の成形方法や成形装置が使用できる。本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて、例えば、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成形、流延成形などの任意の成形法によって成形品を製造することができ、またそれらの成形技術の複合によっても成形することができる。さらに、他のポリマーとの複合成形によっても成形することができる。
それらの成形によって、電気/電子部品、機械部品、自動車部品、事務機用部品、日用品、パイプ、シートその他の任意の形状および用途の各種成形品を製造することができ、本発明は上記した本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて製造した成形品を本発明の範囲に包含する。
【0053】
【実施例】
以下に本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の実施例および比較例において、試験片の作製、各物性の測定およびマトリックス樹脂の判別は次のようにして行った。
【0054】
試験片の作製
各実施例、比較例または参考例で得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて、(株)神藤金属工業所製圧縮成形機(熱プレス成形機)を使用して、250℃、30kg/cm2の条件で、厚さ400μmまたは厚さ4mmのフィルムを成形した。厚さ400μmのフィルムからは、JIS−3号に相当するダンベルを打ち抜き、引張試験用の試験片として用いた。また、厚さ4mmのフィルムからは、3cm×5cmの短冊を切り出し、硬度測定用の試験片として用いた。
【0055】
引張破断強度および引張破断伸度の測定
上記で作製したダンベル型試験片を用いて、JIS K7113に準じて、オートグラフ(株式会社島津製作所製)を使用して、500mm/分の条件で引張破断強度および引張破断伸度を測定した。
【0056】
引張永久伸びの測定
上記で作製したダンベル型試験片を、オートグラフ(株式会社島津製作所製)を使用して、100mm/分の条件で伸張した。引張伸度が100%に到達した時点で伸張を止め、100%伸びきった状態のまま10分間保持する。その後、試験片を解放し、さらに10分間放置した後、引張永久伸びを測定した。
【0057】
硬度(JIS−A)の測定
上記で作製した短冊状試験片を用いて、JIS K6301に準じて測定を行った。
【0058】
ヘイズの測定
上記で作製した厚さ400μmのフィルムを用いて、ヘイズメーター(株式会社村上色彩技術研究所製「反射透過率計HR100」)を使用して、ヘイズを測定した。
【0059】
マトリックス樹脂の判別
熱可塑性樹脂組成物を構成するマトリックス樹脂は、透過型電子顕微鏡観察により判別した。
【0060】
以下の実施例、比較例、または参考例で用いたポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共重合体(II)、および有機金属化合物(IV)の内容、並びに略号は下記に示す通りである。
【0061】
ポリカーボネート系樹脂(I)
○PC:帝人化成株式会社製「L−1225」
【0062】
付加重合系ブロック共重合体(II)
○SEEPS−OH:末端に水酸基を有する水素添加されたポリスチレンブロック/1,3−ブタジエンとイソプレン共重合体ブロック/ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合体;
[内容;2つのポリスチレンブロックの数平均分子量=6000、1,3−ブタジエンとイソプレン共重合体ブロックの数平均分子量=28000、トリブロック共重合体の数平均分子量=40000、一方のポリスチレンブロックの末端に水酸基が結合、トリブロック共重合体における水酸基含量=0.8個/分子、1,3−ブタジエンとイソプレン共重合体ブロックにおける1,3−ブタジエン単位とイソプレン単位のモル比=1/1、1,3−ブタジエンとイソプレン共重合体ブロックにおける不飽和度=5%;水素添加前のトリブロック共重合体におけるスチレン単位含量=30重量%]
【0063】
○SEPS−OH: 末端に水酸基を有する水素添加されたポリスチレンブロック/ポリイソプレンブロック/ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合体;
[内容;2つのポリスチレンブロックの数平均分子量=6000、ポリイソプレンブロックの数平均分子量=28000、トリブロック共重合体の数平均分子量=40000、一方のポリスチレンブロックの末端に水酸基が結合、トリブロック共重合体における水酸基含量=0.8個/分子、ポリイソプレンブロックにおける不飽和度=5%;水素添加前のトリブロック共重合体におけるスチレン単位含量=30重量%]
【0064】
有機金属化合物(IV)
○Ti(OPr)4 :テトライソプロピルチタネート
○Bu2SnO :ジブチルスズオキサイド
○Bu2Sn(OAc)2 :ジブチルスズジアセテート
○Sm(acac)3・2H2O :サマリウムアセチルアセトナート
【0065】
また、以下の比較例で用いた付加重合系ブロック共重合体の内容、並びに略号は下記に示す通りである。
○SEBS:水素添加されたポリスチレンブロック/ポリ(1,3−ブタジエン)ブロック/ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合体;
[内容;2つのポリスチレンブロックの数平均分子量=6000、ポリ(1,3−ブタジエン)ブロックの数平均分子量=28000、1,2−結合量=45%、トリブロック共重合体の数平均分子量=40000、トリブロック共重合体における水酸基含量=0個/分子(水酸基を有さない)、ポリ(1,3−ブタジエン)ブロックにおける不飽和度=5%;水素添加前のトリブロック共重合体におけるスチレン単位含量=30重量%]
【0066】
<実施例1〜10>
下記の表1に示した各重合体および有機チタン化合物をそれぞれの重量割合で、二軸押出機(株式会社日本製鋼所製、TEX44C)を用いてシリンダー温度270℃の条件下で溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて、試験片を上記に従って作製し、それを用いて引張破断強度、引張破断伸度、引張永久伸び、硬度、およびヘイズを上記した方法で測定し、熱可塑性樹脂を構成するマトリックス樹脂を判別したところ、下記の表1に示すとおりの結果であった。
【0067】
<比較例1〜3>
下記の表1に示した各重合体をそれぞれの重量割合で使用した以外は、実施例1〜10と同様にして熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて、試験片を上記に従って作製し、上記した方法で、各物性を測定しマトリックス樹脂を判別したところ、下記の表1に示すとおりの結果であった。
【0068】
<参考例1および2>
下記の表1に示した各重合体をそれぞれの重量割合で使用した以外は、実施例1〜10と同様にして熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて試験片を上記に従って作製し、上記した方法で、各物性を測定しマトリックス樹脂を判別したところ、下記の表1に示すとおりの結果であった。
【0069】
【表1】
【0070】
<実施例11〜19>
下記の表2に示した有機金属化合物をそれぞれの重量割合で使用した以外は、実施例1〜10と同様にして熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて試験片を上記に従って作製し、上記した方法で、各物性を測定しマトリックス樹脂を判別したところ、下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0071】
【表2】
【0072】
上記の表1および2の結果から、実施例1〜19の本発明の熱可塑性樹脂組成物は、引張破断強度、引張破断伸度、引張永久伸びのいずれにおいても優れており、かつ良好な透明性を有していることがわかる。一方、比較例1〜3の熱可塑性樹脂組成物、または参考例1および2の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の熱可塑性樹脂組成物に比べ、引張破断強度、引張破断伸度、引張永久伸びに劣っており、また不透明であることがわかる。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリカーボネート系樹脂、特定の付加重合系ブロック共重合体、および特定のポリカーボネート系ブロック共重合体とからなる熱可塑性樹脂組成物、並びにポリカーボネート系樹脂、特定の付加重合系ブロック共重合体、および有機チタン化合物を溶融混練することにより得られる熱可塑性樹脂組成物は、柔軟性、透明性、力学物性、加工性、耐候性、耐熱性等に優れることから、それらの特性を活かして各種の成形材料および成形品として極めて有効に使用することができる。
Claims (4)
- (1) ポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共重合体(II)およびポリカーボネート系ブロック共重合体(III)からなる熱可塑性樹脂組成物であって;
(2) 付加重合系ブロック共重合体(II)が、
( II −1)芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック(a−1)および水素添加された1,2−結合量が30%未満のポリブタジエンブロック(a−2)のうちの少なくとも1種からなる重合体ブロック(A)と、水素添加されたポリイソプレンブロック(b−1)、水素添加された1,2−結合量が30〜80%のポリブタジエンブロック(b−2)および水素添加されたイソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる重合体ブロック(B)とからなり、かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−1)、並びに
( II −2)芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック(C)とポリイソブチレンブロック(D)とからなり、かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−2)、
のうちの少なくとも1種から誘導される付加重合系ブロック共重合体であり;
(3) ポリカーボネート系ブロック共重合体(III)が、ポリカーボネート系樹脂(I)から誘導されるポリカーボネート系ブロック(III−1)と、付加重合系ブロック共重合体(II)から誘導される付加重合体ブロック(III−2)とからなる;
ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 - (1) ポリカーボネート系樹脂(I)、付加重合系ブロック共重合体(II)並びに有機チタン化合物、有機スズ化合物および有機サマリウム化合物から選ばれる有機金属化合物(IV)を溶融混練することにより得られる熱可塑性樹脂組成物であって;
(2) 付加重合系ブロック共重合体(II)が、
( II −1)芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック(a−1)および水素添加された1,2−結合量が30%未満のポリブタジエンブロック(a−2)のうちの少なくとも1種からなる重合体ブロック(A)と、水素添加されたポリイソプレンブロック(b−1)、水素添加された1,2−結合量が30〜80%のポリブタジエンブロック(b−2)および水素添加されたイソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる重合体ブロック(B)とからなり、かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−1)、並びに
( II −2)芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロック(C)とポリイソブチレンブロック(D)とからなり、かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II−2)、
のうちの少なくとも1種から誘導される付加重合系ブロック共重合体であり;
(3) ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)との重量比が99/1〜1/99であり;かつ
(4) {ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)の合計重量}と{有機金属化合物(IV)の重量}との比が99.999/0.001〜95/5である;
ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 - ポリカーボネート系樹脂(I)と付加重合系ブロック共重合体(II)との重量比が40/60〜5/95である請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20661797A JP3730371B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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