JP4204928B2 - 熱可塑性重合体組成物 - Google Patents
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Description
近年、スチレン・共役ジエンブロック共重合体を始めとする各種エラストマーの利用範囲は広がってきており、それに伴って、より高性能なものが求められるようになってきている。そのような要求に応えるための試みは種々行われており、上記した、スチレン・共役ジエンブロック共重合体およびその水素添加物に各種の重合体を配合した組成物が知られている。
また、特開昭63−99257号公報(特許文献2)には、スチレン・共役ジエンブロック共重合体またはその水素添加物と各種の熱可塑性重合体との間の相容性向上などの目的で、カルボン酸またはその誘導体基、水酸基などで変性されたスチレン・共役ジエンブロック共重合体またはその水素添加物を、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂(PET、PBT等)、スチレン系樹脂(ABS、AS等)、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート系重合体に配合した組成物が提案されている。
このように、本件特許出願人は、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックとからなるブロック共重合体とポリカーボネート系樹脂からなる組成物に関して既に多くの知見を得ているが、硬質の重合体からなる成形体と熱融着させた場合に、良好な接着性を発揮することは、予想外のものであった。かかる知見は、上記した特許文献4〜7からも窺い知ることができないものである。
ブロック共重合体(b)における芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(b−1)を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、1−ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、メトキシスチレンなどの芳香族ビニル化合物を挙げることができる。芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(b−1)は、1種類の芳香族ビニル化合物から構成されていてもよいし、2種以上の芳香族ビニル化合物から構成されていてもよい。芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(b−1)は、スチレンおよび/またはα−メチルスチレンから誘導される構造単位より主としてなるものが好ましい。
また、ブロック共重合体(b)の全体の数平均分子量は、水素添加前の状態で、15,000〜300,000の範囲内であることが好ましい。かかる数平均分子量のブロック共重合体(b)を使用すると、非粘着性、溶融成形性および溶融接着性などの種々の特性に優れた熱可塑性重合体組成物を得ることができる。ブロック共重合体(b)の数平均分子量は、20,000〜100,000の範囲内であることがより好ましい。
ブロック共重合体(b)としては、市販されているものを使用することも可能である。
こうして得られたポリカーボネート系重合体(a)とブロック共重合体(b)の反応混合物は、非粘着性、溶融成形性および溶融接着性などの種々の特性に優れた熱可塑性重合体組成物であり、本発明の熱可塑性重合体組成物の好ましい実施態様として位置付けることができる。
ブロック共重合体(b)における水酸基の数は、ブロック共重合体1分子当たりの平均で0.6以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.7〜1の範囲内にあることがさらに好ましい。
(1)の方法における反応物は、2価フェノールおよびカーボネート前駆体の反応混合物であってもよいし、該反応混合物を常法に従って後処理したものであってもよい。また、2価フェノールおよびカーボネート前駆体から形成されるものであれば、市販品として入手可能なポリカーボネートを上記の反応物として使用することもできる。2価フェノールおよびカーボネート前駆体の反応物は、これらから形成されるポリカーボネート以外に、各成分の使用量、反応率、その他の反応条件等に応じて未反応の2価フェノールおよびカーボネート前駆体を含有することがあるが、その場合には、2価フェノールおよびカーボネート前駆体から形成されるポリカーボネートと官能基含有ブロック共重合体の水酸基との反応、および2価フェノールおよびカーボネート前駆体と官能基含有ブロック共重合体の水酸基の反応が進行する。
[ポリカーボネート系重合体(a)の重量]:[官能基含有ブロック共重合体の重量]=20:80〜80:20の範囲内であることが好ましく、同重量比が30:70〜70:30の範囲内であることがより好ましく、35:65〜65:35の範囲内であることがさらに好ましい。
また、上記(2)の方法によってポリカーボネート系重合体(a)と官能基含有ブロック共重合体との反応混合物を製造する場合、2価フェノールおよびカーボネート前駆体と官能基含有ブロック共重合体の割合は、
[2価フェノールおよびカーボネート前駆体の合計重量]:[官能基含有ブロック共重合体の重量]=20:80〜80:20の範囲内であることが好ましく、同重量比が30:70〜70:30の範囲内であることがより好ましく、35:65〜65:35の範囲内であることがさらに好ましい。
かかる触媒としては特に制限はなく、例えば、有機チタン化合物、有機アンチモン化合物、有機ゲルマニウム化合物、有機マンガン化合物、有機スズ化合物、有機亜鉛化合物、有機カルシウム化合物、有機鉛化合物、有機サマリウム化合物、有機ランタン化合物、有機イッテルビウム化合物、有機コバルト化合物、有機カドミウム化合物または有機マグネシウム化合物等の有機金属化合物が挙げられる。これらの中でも、有機チタン化合物、有機スズ化合物および有機サマリウム化合物が、ポリカーボネート系重合体(a)と官能基含有ブロック共重合体との反応性を高める点で好ましい。触媒としては1種類の化合物を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、2種以上の化合物を併用する場合、各化合物に含まれる金属は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、上記した有機スズ化合物としては、特に制限はなく、例えば、モノメチルスズオキサイド、モノエチルスズオキサイド、モノプロピルスズオキサイド、モノブチルスズオキサイド、ジ−2−エチルヘキシルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、フェニルメチルスズオキサイド、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、ジメチルスズジブロマイド、モノブチルスズモノアセテート、モノブチルスズモノブチレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズスルフィド、ジフェニルスズスルフィドなどが挙げられ、それらの中でもモノメチルスズオキサイド、モノエチルスズオキサイド、モノプロピルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド等のスズオキサイド;およびモノブチルスズモノアセテート、モノブチルスズモノブチレート、ジブチルスズジアセテート等のスズカルボキシレートが特に好ましい。有機スズ化合物は、1種類の化合物を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記した有機サマリウム化合物としては、特に制限はなく、例えば、サマリウムアセテート、サマリウムオキザレート、サマリウムアセチルアセトナート、サマリウムオキサイド、サマリウムクロライド、サマリウムブロマイドなどが挙げられ、それらの中でもサマリウムアセチルアセトナートが特に好ましい。有機サマリウム化合物は、1種類の化合物を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
触媒失活剤の使用量は、ポリカーボネート系重合体(a)と官能基含有ブロック共重合体の合計重量に基づいて1ppm〜2重量%の範囲内であることが好ましく、5ppm〜0.2重量%の範囲内であることがより好ましく、10ppm〜0.1重量%の範囲内であることがさらに好ましい。
ポリカーボネート系重合体(a)と官能基含有ブロック共重合体の反応混合物は、極性の低い重合体、極性の高い重合体の双方に対して良好な溶融接着性を示すものとなることから、その引張破断強度が10MPa以上であることが好ましく、15MPa以上であることがより好ましい。なお、本明細書でいう引張破断強度は、JIS K−7311に準拠して測定した値である。
また、このような反応混合物は、2価のフェノールおよびカーボネート前駆体から形成されるポリカーボネートを含有する場合がある。さらに、官能基含有ブロック共重合体の製造工程にもよるが、上記した反応混合物(熱可塑性重合体組成物)は、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックを有し水酸基を有しないブロック共重合体を含み得る。
ポリカーボネート系重合体(a)/ブロック共重合体(b)=20/80〜80/20(重量比)の範囲内で、
より好ましくは、
ポリカーボネート系重合体(a)/ブロック共重合体(b)=30/70〜70/30(重量比)の範囲内で、
さらに好ましくは、
ポリカーボネート系重合体(a)/ブロック共重合体(b)=35/65〜65/35(重量比)の範囲内で、配合する。
また、本発明の熱可塑性重合体組成物は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリブテン、ポリイソブチレン、プロセスオイル等のオレフィン系可塑剤を、物性を損なうことのない範囲で含有することができる。
本発明の熱可塑性重合体組成物は、例えば、各構成成分を、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、ミキシングロール、バンバリーミキサーなどの溶融混練装置を用いて、製造することができる。
溶融混練によって調製された溶融状態の組成物は、そのまま成形に使用してもよいし、一旦ペレット状にした上で、成形に使用することもできる。
なお、ここでいう曲げ弾性率とは、ASTM D−790に記載された方法に従って測定される値である。
(イ)本発明の熱可塑性重合体組成物からなる1つの重合体層と他の材料からなる1つの層が積層した2層構造体。
(ロ)他の材料からなる2つの表面層(表裏面層)の間に本発明の熱可塑性重合体組成物からなる重合体層が中間層として存在する3層構造体。
(ハ)他の材料からなる1つの層の表裏面に本発明の熱可塑性重合体組成物からなる重合体層が積層した3層構造体。
(ニ)本発明の熱可塑性重合体組成物よりなる重合体層と他の1種または2種以上の材料からなる層が交互に4層以上に積層した多層構造体。
重合体層(A)を構成するスチレン系重合体は、上記したスチレン系単量体に由来する構造単位と共に、90重量%以下、好ましくは50重量%以下であれば他のビニル系単量体に由来する構造単位を有していてもよい。その場合の他のビニル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体;アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、ドデシル、オクタデシルなどの炭素数1〜18のアルキルエステル;アクリル酸またはメタクリル酸のエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどのジオールエステル;酢酸やプロピオン酸などの炭素数1〜6のカルボン酸のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸;無水マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸の無水物;アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN置換マレイミド類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンなどを挙げることができ、スチレン系重合体はそれらのビニル系単量体の1種または2種以上に由来する構造単位を有していることができる。そのうちでも、スチレン系重合体がスチレン系単量体と他のビニル系単量体との共重合体である場合は、スチレン系単量体と、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、N−フェニルマレイミド、無水マレイン酸およびブタジエンの1種または2種以上との共重合体であることが、力学的特性などの点から好ましい。
重合体層(A)を構成するスチレン系重合体が含有し得る他のゴム質重合体としては、アクリルゴムを挙げることができ、その際のアクリルゴムとしては、アクリル酸の炭素数1〜8のアルキルエステル、特にアクリル酸エチル、アクリル酸ブチルおよび/またはアクリル酸エチルヘキシルをベースとするアクリル酸アルキルゴムが好ましい。アクリル酸アルキルゴムは、場合により30重量%以下の量で酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリル、ビニルエーテルなどの他の単量体に由来する構造単位を有していてもよい。また、場合によっては5重量%以下の割合でアルキレンジオール(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、シアヌル酸トリアリルなどの架橋性不飽和単量体に由来する構造単位を有していてもよい。また、アクリル酸アルキルゴムは、例えばポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などを架橋してなる架橋ジエン系ゴムを芯体としてその周囲にアクリル酸アルキルゴムが鞘状に存在する芯−鞘型ゴムであってもよい。
また、重合体層(A)を構成するスチレン系重合体が含有し得るゴム質重合体としては、上記で挙げた各種のゴム質重合体にスチレン系単量体やその他の各種の不飽和単量体をグラフト重合してなるグラフト共重合体を挙げることもできる。
また、場合によっては、重合体層(A)は、上記したオレフィン系重合体の1種または2種以上と、上記したスチレン系重合体の1種または2種以上とを含有する重合体組成物からなっていてもよい。
その場合のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物としては、エチレンが20〜60モル%、好ましくは25〜60モル%で、ケン化度が95%以上のものが好ましく用いられる。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物は、ASTM D−1238−65Tに準拠して測定したメルトインデックスが0.1〜25g/10分(190℃、2160g荷重下で測定)であることが、成形性の点から好ましく、0.3〜20g/10分であることがより好ましい。
また、極性重合体層(C)において用いられる塩化ビニル系重合体としては、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルに由来する構造単位を70重量%以上の割合で有する塩化ビニルと他の共重合性単量体との共重合体およびそれらの塩素化物の1種または2種以上が好ましく用いられる。塩化ビニル系重合体が塩化ビニル共重合体である場合は、塩化ビニルと、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、マレイミドなどの共重合性単量体の1種または2種以上の共重合体が好ましく用いられる。塩化ビニル系重合体の重合度は特に制限されないが、一般に、重合度が100〜10,000のものが好ましく用いられ、400〜5,000のものがより好ましく用いられる。
その場合に、ポリアミド系重合体の原料である上記したラクタムの具体例としては、ε−カプロラクタム、エナトラクタム、カプリルラクタム、ラウリルラクタム、α−ピロリドンなどを挙げることができる。また、ポリアミド系重合体の原料である上記したω−アミノ酸の具体例としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸などを挙げることができる。
また、ポリアミド系重合体の原料である上記したジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンを挙げることができる。
また、ポリエステル系重合体の原料である上記したジオール成分の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどの脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオール;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの分子量6000以下のポリアルキレングリコールなどから誘導されるジオールなどを挙げることができる。
また、ポリエステル系重合体は、必要に応じて、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3官能以上の化合物から誘導される構造単位の1種または2種以上を少量であれば有していてもよい。
また、極性重合体層(C)において用いられるポリフェニレンスルフィドは、p−フェニレンスルフィド単位を主たる構造単位とする高分子化合物であり、好ましくは30モル%未満、より好ましくは10モル%未満の範囲内で、m−フェニレンスルフィド単位、o−フェニレンスルフィド単位、フェニレンスルフィドスルホン単位、フェニレンスルフィドケトン単位、フェニレンスルフィドエーテル単位、ジフェニレンスルフィド単位などが共重合されていてもよい。なお、各構造単位は、ハロゲン原子やアルキル基等の置換基を有していてもよい。
また、本発明の積層構造体における全体の層数は特に制限されず、重合体層(A)/重合体層(B)/極性重合体層(C)の順に積層している構造を少なくとも一部に有する積層構造体である限りはいずれでもよい。また、積層構造体(イ)は、重合体層(A)、重合体層(B)および極性重合体層(C)の3者のみから形成されていても、またはそれらの3種の層と共に他の材料からなる層(例えば、他のポリマー、紙、布帛、金属、セラミック、木材などからなる層)の1つまたは2つ以上を有していてもよい。
(i)重合体層(B)用の熱可塑性重合体組成物、重合体層(A)用の重合体および極性重合体層(C)用の重合体を少なくとも用いて、それらを溶融共押出成形して、それぞれの層の押出成形と同時に積層させて積層構造体を製造する方法;
(ii)重合体層(A)を構成するフイルム、シート、板などの成形体を予め製造しておき、および/または極性重合体層(C)を構成するフイルム、シート、板などの成形体を予め製造しておき、重合体層(B)を形成する熱可塑性重合体組成物を溶融押出成形して一体化させて積層構造体を製造する方法;
(iii)重合体層(A)を構成するフイルム、シート、板などの成形体と、極性重合体層(C)を構成するフイルム、シート、板などの成形体を予め製造しておき、さらに重合体層(B)を形成する熱可塑性重合体組成物も予めフイルムやシート状に成形しておき、重合体層(B)用のフイルムまたはシートを重合体層(A)用の成形体と極性重合体層(C)用の成形体との間に挟んで加熱下に重合体層(B)用のフイルムまたはシートを溶融させて重合体層(A)と極性重合体層(C)を重合体層(B)を介して接着・一体化させて積層構造体を製造する方法;などを挙げることができる。
そのうちでも、上記した(i)の共押出成形による方法を採用すると、工程数が少なくてすみ、生産性が高く、しかも各重合体層間の接着強度が高くて、層間剥離のない積層構造体を得ることができる。
なお、共押出成形法によって本発明の積層構造体を製造する場合は、積層構造体の層数などに応じて、例えば3台以上の押出機を1つのダイに結合して、複数の重合体をダイの内側または外側で積層一体化して製造することができる。その場合のダイとしては、Tダイ、環状ダイなどを使用することができ、押出機やダイの形状や構造などは特に制限されない。
また、積層構造体(イ)は、所望により、熱プレス、圧空成形等の2次加工を施し、トレー、パッド等の容器;キャップ等の蓋材;ランプカバー等の保護材などに成形して使用することもできる。
なお、実施例および比較例において、熱可塑性重合体組成物の溶融粘度、射出成形性、硬度、引張破断強度および曲げ特性、並びに熱可塑性重合体組成物から得られた積層構造体の接着強度は、以下の方法により測定または評価した。
高化式フローテスター(島津製作所製)を使用して、60℃で1時間減圧乾燥(1.33KPa以下)した熱可塑性重合体組成物の溶融粘度を、荷重50kgf、ノズル寸法:直径1mm×長さ10mm、温度260℃の条件下で測定した。
(2)射出成形性
表面を鏡面仕上げした金型を用いて、熱可塑性重合体組成物を射出成形(シリンダー温度:260〜280℃、金型温度:30℃)することにより円板状物(直径:120mm、厚さ:2mm)を成形した。得られた成形物の金型からの離型状態および成形物の表面状態を肉眼で観察し、下記の判定基準で射出成形性を評価した。
○:成形物が金型から容易に離型し、成形物表面も平滑である。
△:成形物が金型から容易に離型するが、成形物表面が若干変形している。
×:成形物と金型との密着性が高く、成形物表面が変形している。
(3)硬度
上記の射出成形性の評価におけるのと同じ操作を行って得られた円板状物(直径:120mm、厚さ:2mm)を2枚重ね合わせたものを用いて、JIS K−6301に準じて、JIS A硬度を測定した。
表面を鏡面仕上げした金型を用いて、熱可塑性重合体組成物を射出成形(シリンダー温度:260〜280℃、金型温度:30℃)することにより、ダンベル1号型(厚さ:3mm)の成形体を製造し、JIS K−7311に準じて、島津製作所製「オートグラフ測定装置IS−500D」(商品名)を使用して、その引張破断強度を測定した。
(5)曲げ特性
上記の引張破断強度の評価におけるのと同じ操作を行って得られたダンベル1号型の成形体(試験片)を用い、ASTM D−790に準じて、島津製作所製「オートグラフ測定装置IS−500D」(商品名)を使用(試験速度:2.5mm/分、支点間距離:98mm)して、試験片の曲げ応力と曲げ弾性率を測定した。
実施例または比較例で得られた熱可塑性重合体組成物を下記に示す硬質材料の成形体(板;厚さ:1mm)と重ね合わせた状態で、プレス成形機〔株式会社神藤金属工業所製、「圧縮成形機AYS−10」(商品名)〕を使用して、240℃で2分間溶融させた後、240℃、7kgf荷重の条件下に30秒間圧着して、積層構造体を製造した。
上記で得られた積層構造体から試験片(サイズ:1cm×10cm)を切り出し、実施例または比較例で得られた熱可塑性重合体組成物からなる層と硬質材料からなる層との界面接着強度を、島津製作所製、「オートグラフ測定装置IS−500D」(商品名)を使用して、室温下、引張速度100mm/分の条件で180度剥離試験により求めた。
なお、2層間の界面接着強度を測定する際に、層間の接着が極めて強固であり、各層の剥離ができず、そのため接着強度の測定が行えない場合には、「剥離不能」と評価した。また、上記の層間の接着が非常に弱く、手で容易に剥離できる場合は、「剥離」と評価した。
表面を鏡面仕上げした金型を用いて、その金型内に硬質材料(円板;直径:120mm、厚さ:1mm)を予め配置しておき、そこに実施例または比較例で用いた熱可塑性重合体組成物を射出(シリンダー温度:260〜280℃、金型温度:30℃)して、硬質材料板の一方の表面に熱可塑性重合体組成物の層が積層した積層構造体(直径:120mm、厚さ:2mm)を製造した。得られた積層構造体の金型からの離型状態および積層構造体の表面状態を肉眼で観察し、下記の判定基準でインサート成形性を評価した。
○:積層構造体が金型から容易に離型し、積層構造体の表面も平滑である。
△:積層構造体が金型から容易に離型するが、積層構造体の表面が若干変形している。
×:積層構造体と金型との密着性が高く、積層構造体の表面が変形している。
なお、2層間の界面接着強度を測定する際に、層間の接着が極めて強固であり、各層の剥離ができず、そのため接着強度の測定が行えない場合には、「剥離不能」と評価した。また、上記の層間の接着が非常に弱く、手で容易に剥離できる場合は、「剥離」と評価した。
〔ポリカーボネート系重合体〕
PC:ポリカーボネート〔帝人化成株式会社製、「パンライトL−1225」(商品名)〕
〔ブロック共重合体〕
F−SEEPS:
ポリスチレンブロック−ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロック−ポリスチレンブロック型の構造を有し、分子の片末端に水酸基を有するトリブロック共重合体の水素添加物〔数平均分子量:50,000、スチレン含有量:30%、ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロックにおける水素添加率:98%、イソプレンとブタジエンの比率:50/50(モル比)、1分子当たりの平均水酸基数:0.9個、ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロックにおける1,2−結合および3,4−結合量の合計量:8モル%;特開平10−139963号公報の参考例1に記載された方法に準じ、スチレン、イソプレンおよびブタジエンを原料として製造した。〕
F−SEEPSは、分子の片末端に水酸基を有するブロック共重合体[SEEPS−OH〔ポリスチレンブロック−ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロック−ポリスチレンブロック型の構造を有するトリブロック共重合体の水素添加物、数平均分子量:50,000、スチレン含有量:30%、ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロックにおける水素添加率:98%、イソプレンとブタジエンの比率:50/50(モル比)、ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロックにおける1,2−結合および3,4−結合量の合計量:8モル%〕]と分子内に水酸基を有しないブロック共重合体[SEEPS〔ポリスチレンブロック−ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロック−ポリスチレンブロック型の構造を有するトリブロック共重合体の水素添加物、数平均分子量:50,000、スチレン含有量:30%、ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロックにおける水素添加率:98%、イソプレンとブタジエンの比率:50/50(モル比)、ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロックにおける1,2−結合および3,4−結合量の合計量:8モル%〕]を含有する〔SEEPS−OH/SEEPS=9/1(モル比)〕。
F−HVSIS:
ポリスチレンブロック−ポリイソプレンブロック−ポリスチレンブロック型の構造を有し、分子の片末端に水酸基を有するトリブロック共重合体の水素添加物〔数平均分子量:63,000、スチレン含有量:30%、ポリイソプレンブロックにおける水素添加率:90%、1分子当たりの平均水酸基数:0.8個、ポリイソプレンブロックにおける1,4−結合量:45モル%、1,2−結合および3,4−結合量の合計量:55モル%;特開平10−139963号公報の参考例3に記載された方法に準じ、スチレンおよびイソプレンを原料として製造した。〕
F−HVSISは、分子の片末端に水酸基を有するブロック共重合体[HVSIS−OH〔ポリスチレンブロック−ポリイソプレンブロック−ポリスチレンブロック型の構造を有するトリブロック共重合体の水素添加物、数平均分子量:63,000、スチレン含有量:30%、ポリイソプレンブロックにおける水素添加率:90%、ポリイソプレンブロックにおける1,4−結合量:45モル%、1,2−結合および3,4−結合量の合計量:55モル%〕]と分子内に水酸基を有しないブロック共重合体[HVSIS〔ポリスチレンブロック−ポリイソプレンブロック−ポリスチレンブロック型の構造を有するトリブロック共重合体の水素添加物、数平均分子量:63,000、スチレン含有量:30%、ポリイソプレンブロックにおける水素添加率:90%、ポリイソプレンブロックにおける1,4−結合量:45モル%、1,2−結合および3,4−結合量の合計量:55モル%〕]を含有する〔HVSIS−OH/HVSIS=8/2(モル比)〕。
CAT: ジブチルスズオキシド
〔硬質材料〕
PC:ポリカーボネート〔帝人化成株式会社製、「パンライトL−1225」(商品名)〕
ABS:アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)〔宇部サイコン株式会社製、「サイコラックEX−111」(商品名)〕
PBT:ポリブチレンテレフタレート〔東レ株式会社製、「トレコン1401−X34」(商品名)〕
PP:ポリプロピレン〔株式会社グランドポリマー製、「グランドポリプロJ106W」(商品名)〕
PE:ポリエチレン〔三井化学株式会社製、「ハイゼックスV7000」(商品名)〕
ポリカーボネート系重合体(PC)650重量部、ブロック共重合体(F−SEEPS)350重量部および触媒(CAT)0.4重量部を予備混合し、得られた混合物を同軸方向に回転する二軸スクリュー型押出機〔30mmφ、L/D=36;プラスチック工学研究所製、「BT−30」(商品名)〕を用いて、シリンダー温度275℃およびスクリュー回転数150rpmの条件下に溶融混練して、得られた反応混合物(溶融物)をストランド状で水中に連続的に押し出し、次いでペレタイザーで切断し、ペレットを得た。得られたペレットを80℃で12時間除湿乾燥することにより熱可塑性重合体組成物(Compound E1)を得た。熱可塑性重合体組成物(Compound E1)の溶融粘度は、210Pa・sであった。
得られた熱可塑性重合体組成物(Compound E1)を用いて、上記した方法で射出成形を行い、射出成形性、得られた成形体の硬度および引張破断強度を測定した。また、プレス成形で積層構造体を製造し、得られた積層構造体における接着強度を測定した。結果を表1に示す。
下記の表1に示した配合割合に従って、ポリカーボネート系重合体、ブロック共重合体および触媒を使用したこと以外は、実施例1と同様にして溶融混練を行い、熱可塑性重合体組成物(Compound E2〜E8)のペレットを得た。このペレットを用いて、上記した方法で射出成形を行い、射出成形性、得られた成形体の硬度および引張破断強度を測定した。また、プレス成形で積層構造体を製造し、得られた積層構造体における接着強度を測定した。結果を表1に示す。
ポリカーボネート系重合体(PC)400重量部、ブロック共重合体(F−SEEPS)600重量部および触媒(CAT)0.4重量部を予備混合し、得られた混合物を同軸方向に回転する二軸スクリュー型押出機〔30mmφ、L/D=36;プラスチック工学研究所製、「BT−30」(商品名)〕を用いて、シリンダー温度275℃およびスクリュー回転数150rpmの条件下に溶融混練して、得られた反応混合物(溶融物)をストランド状で水中に連続的に押し出し、次いでペレタイザーで切断し、ペレットを得た。得られたペレットを80℃で12時間除湿乾燥することにより熱可塑性重合体組成物(Compound E9a)を得た。この熱可塑性重合体組成物(Compound E9a)の溶融粘度は890Pa・sであった。また、この熱可塑性重合体組成物(Compound E9a)を用いて上記した方法で射出成形によって成形体を製造し、硬度および引張破断強度を測定した。JIS A硬度は80であり、引張破断強度は17MPaであった。
得られた熱可塑性重合体組成物(Compound E9b)を用いて、上記した方法で射出成形によって成形体を製造し、曲げ応力および曲げ弾性率を測定した。曲げ応力は37MPa、曲げ弾性率は1.26GPaであり、配合する前のポリオレフィン(PP:曲げ応力:46.5MPa、曲げ弾性率:1.67GPa)に対して非常に柔軟な成形体が得られた。また、前記した方法でPPとのインサート成形を行って積層構造体を製造した際のインサート成形性も良好(評価:○)であり、得られた積層構造体における接着強度は「剥離不能」であった。したがって、PPの表面に柔軟性を有する熱可塑性重合体組成物(Compound E9b)の層がしっかりと積層された積層構造体であることが分かる。
ポリカーボネート系重合体(PC)700重量部、ブロック共重合体(F−SEEPS)300重量部および触媒(CAT)0.4重量部を予備混合し、得られた混合物を同軸方向に回転する二軸スクリュー型押出機〔30mmφ、L/D=36;プラスチック工学研究所製、「BT−30」(商品名)〕を用いて、シリンダー温度275℃およびスクリュー回転数150rpmの条件下に溶融混練して、得られた反応混合物(溶融物)をストランド状で水中に連続的に押し出し、次いでペレタイザーで切断し、ペレットを得た。得られたペレットを80℃で12時間除湿乾燥することにより熱可塑性重合体組成物(Compound E10a)を得た。この熱可塑性重合体組成物(Compound E10a)を用いて上記した方法で射出成形によって成形体を製造し、硬度および引張破断強度を測定した。JIS A硬度は99であり、引張破断強度は38MPaであった。
得られた熱可塑性重合体組成物(Compound E10b)を用いて、上記した方法で射出成形によって成形体を製造し、曲げ応力、曲げ弾性率および引張破断強度を測定した。曲げ応力は29.2MPa、曲げ弾性率は0.95GPaであり、配合する前のポリオレフィン(PP:曲げ応力:46.5MPa、曲げ弾性率:1.67GPa)に対して非常に柔軟な成形体が得られた。また、前記した方法でPPとのインサート成形を行って積層構造体を製造した際のインサート成形性も良好(評価:○)であり、得られた積層構造体における接着強度は「剥離不能」であった。したがって、PPの表面に柔軟性を有する熱可塑性重合体組成物(Compound E10b)の層がしっかりと積層された積層構造体であることが分かる。
Claims (10)
- ポリカーボネート系重合体(a)、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックを含有し水酸基を有していないブロック共重合体および該ブロック共重合体の水素添加物から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックを含有し水酸基を有するブロック共重合体および該ブロック共重合体の水素添加物から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体(b)並びに触媒からなり、ポリカーボネート系重合体(a)とブロック共重合体(b)との重量比が、ポリカーボネート系重合体(a)/ブロック共重合体(b)=20/80〜80/20である熱可塑性重合体組成物であって、曲げ弾性率が200〜6,000MPaである重合体からなる成形体に熱融着させて複合成形体とするための熱可塑性重合体組成物。
- ブロック共重合体(b)が、末端に水酸基を1分子当たり平均0.6個以上有している請求項1に記載の熱可塑性重合体組成物。
- ポリカーボネート系重合体(a)、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックを含有し水酸基を有していないブロック共重合体および該ブロック共重合体の水素添加物から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックを含有し水酸基を有するブロック共重合体および該ブロック共重合体の水素添加物から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体(b)並びに触媒を、[ポリカーボネート系重合体(a)の重量]:[ブロック共重合体(b)の重量]=20:80〜80:20となる割合で溶融混練して得られる熱可塑性重合体組成物であって、曲げ弾性率が200〜6,000MPaである重合体からなる成形体に熱融着させて複合成形体とするための熱可塑性重合体組成物。
- 芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックを含有し水酸基を有していないブロック共重合体および該ブロック共重合体の水素添加物から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックを含有し水酸基を有するブロック共重合体および該ブロック共重合体の水素添加物から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体(b)、2価フェノール、カーボネート前駆体並びに触媒を、[2価フェノールおよびカーボネート前駆体の合計重量]:[ブロック共重合体(b)の重量]=20:80〜80:20となる割合で溶融混練して得られる熱可塑性重合体組成物であって、曲げ弾性率が200〜6,000MPaである重合体からなる成形体に熱融着させて複合成形体とするための熱可塑性重合体組成物。
- ブロック共重合体(b)が、末端に水酸基を1分子当たり平均0.6個以上有している請求項3または4に記載の熱可塑性重合体組成物。
- 引張破断強度が10MPa以上である請求項3〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性重合体組成物。
- 曲げ弾性率が200〜6,000MPaである重合体が、オレフィン系重合体、スチレン系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、塩化ビニリデン系重合体、塩化ビニル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合体、ポリカーボネート系重合体、アクリル系重合体、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシメチレン並びにシアン化ビニル化合物、共役ジエン化合物およびオレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種と芳香族ビニル化合物との共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体である請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性重合体組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性重合体組成物からなる部材と曲げ弾性率が200〜6,000MPaである重合体からなる成形体とが複合化されてなる複合成形体。
- オレフィン系重合体および/またはスチレン系重合体よりなる重合体層(A)、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性重合体組成物よりなる重合体層(B)、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、塩化ビニリデン系重合体、塩化ビニル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合体、ポリカーボネート系重合体、アクリル系重合体、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシメチレン並びにシアン化ビニル化合物、共役ジエン化合物およびオレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種と芳香族ビニル化合物との共重合体のうちの少なくとも1種から主としてなる極性重合体層(C)が、重合体層(A)/重合体層(B)/極性重合体層(C)の順に積層した構造を少なくとも一部に有する積層構造体。
- (イ)オレフィン系重合体および/またはスチレン系重合体よりなる重合体、(ロ)請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性重合体組成物、および(ハ)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、塩化ビニリデン系重合体、塩化ビニル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合体、ポリカーボネート系重合体、アクリル系重合体、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシメチレン並びにシアン化ビニル化合物、共役ジエン化合物およびオレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種と芳香族ビニル化合物との共重合体のうちの少なくとも1種から主としてなる極性重合体を、共押出成形することからなる請求項9の積層構造体の製造方法。
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