JPH0733970A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH0733970A
JPH0733970A JP5201768A JP20176893A JPH0733970A JP H0733970 A JPH0733970 A JP H0733970A JP 5201768 A JP5201768 A JP 5201768A JP 20176893 A JP20176893 A JP 20176893A JP H0733970 A JPH0733970 A JP H0733970A
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JP5201768A
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Masanao Kawabe
正直 川辺
Toshiaki Takahashi
俊朗 高橋
Kiichi Yonetani
起一 米谷
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子型難燃剤を含有するポリカーボネート
樹脂組成物の、溶融成形時の変色を抑制させ、高温成形
においても変色しにくい色調安定性の優れた樹脂組成物
を得る事を目的とする。 【構成】 芳香族ポリカーボネート又は、難燃剤を含む
芳香族ポリカーボネートに、有機環状ホスファイト化合
物、ヒンダ−ドフェノール系酸化防止剤、チオエーテル
系酸化防止剤を特定比率で配合し、溶融成形時の変色を
抑制した樹脂組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリカーボネー
ト、又は、テトラブロモビスフェノール骨格を有する高
分子型難燃剤によって難燃化された芳香族ポリカーボネ
ート樹脂組成物の色調改善に関し、更に詳しくは、芳香
族ポリカーボネート、又は、難燃化剤を含むポリカーボ
ネート樹脂組成物に有機環状ホスファイト化合物、ヒン
ダードフェノール系酸化防止剤とチオエーテル系酸化防
止剤を少量配合することによって、溶融成形時の変色を
抑制した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびその
成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、ポリカーボネート樹脂は、その透
明性、耐熱性、電気特性、寸法安定性、耐衝撃性などの
特徴を生かして、電気、機械等の工業用、保安用、日用
雑貨品あるいは食品包装用、医療用に広く用いられてい
る。しかしながら、ポリカーボネート樹脂はガラス転移
温度が高く、高温で成形されるため、樹脂が成形工程中
に熱分解により黄変するという問題があった。
【0003】一方、ポリカーボネート樹脂を難燃化する
ために、核ハロゲン置換芳香族ジヒドロキシ化合物をそ
の構成単位中に導入することは良く知られており、例え
ば、ビスフェノール−Aと核ハロゲン置換ビスフェノー
ル−Aとからの共重合体についてはドイツ特許第122
1012号明細書に記載されている。また、特公昭47
−41422号公報および特公昭47−44537号公
報には、芳香族ポリカーボネート樹脂に核ハロゲン置換
ビスフェノール−Aからの低重合体を混合して、成形性
を損なうことなく芳香族ポリカーボネート樹脂の難燃性
を改良する方法が提案されている。即ち、高度の難燃性
が要求される場合には、芳香族ポリカーボネート樹脂に
核ハロゲン置換ビスフェノール−A単位を導入する、も
しくは芳香族ポリカーボネート樹脂に核ハロゲン置換ビ
スフェノール−Aからの低重合体を配合するといった手
段がとられることとなる。ところが、核ハロゲン置換ビ
スフェノール−A単位は熱分解しやすいために、難燃化
されたハロゲン含有ポリカーボネート樹脂はハロゲン不
含有芳香族ポリカーボネート樹脂と比較して著しく変色
しやすいという問題点があった。
【0004】そこで、ハロゲン化有機化合物からなる難
燃剤とポリカーボネート樹脂とからなる組成物と共に少
量のリン酸エステルを配合せしめ成形時の変色を抑制す
ることが提案されている(特開昭50−51154号公
報、特公昭61−11973号公報)。しかし、この場
合、これらのリン酸エステルとしては、一般に、トリア
ルキルホスファイト、トリアリールホスファイト、アル
キル−アリールホスファイト等のトリ有機ホスファイト
化合物あるいは、これらの有機基の一つが水酸基である
アシドホスファイトが用いられており、これらのホスフ
ァイト化合物の変色の抑制効果は充分でなく、実用上は
満足できるものではなかった。
【0005】また、ポリカーボネート樹脂の熱安定性を
改良するために、ポリカーボネート樹脂に一般式(I)
で示される有機環状ホスファイト化合物を添加すること
が特開平3−93850号公報に開示されている。しか
しながら、この公開特許公報の技術をハロゲン含有ポリ
カーボネート樹脂組成物に適用しても、特に高温で滞留
した場合に変色の抑制効果が充分ではなく、工業的実施
において問題のあるものであった。
【0006】一方、フェノール系酸化防止剤は各種合成
樹脂の基本酸化防止剤として汎用的に使用されており、
これまで2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェノール
等の単核フェノール類、アルキリデンビスまたはトリス
フェノール類等の多核フェノール類、3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸のエステル
またはアマイド等の極めて多数の化合物が知られてい
る。そして、フェノール系酸化防止剤をハロゲン含有ポ
リカーボネート樹脂に添加することが特公昭57−50
821号公報および特公昭58−53665号公報に開
示されている。ところが、これらの公開特許公報の技術
に従ったハロゲン含有ポリカーボネート樹脂組成物は溶
融成形時に著しい変色を生じ、工業的に実施しうるもの
ではなかった。
【0007】さらに、フェノール系酸化防止剤とホスフ
ァイト系化合物とを組み合わせて用いることにより相乗
的に作用することも知られているが(特開平2−238
034号公報、特開平3−163161号公報)、従来
知られている組み合わせによる効果は実用上は満足でき
るものではなく、例えば、加工時の安定性、着色等が問
題とされてきた。特開平2−238034号公報には合
成樹脂に対して一般式(I)で示される有機環状ホスフ
ァイト化合物と1,3,5−トリス(ヒドロキシベンジ
ル)イソシアネート化合物を併用添加することが開示さ
れている。ところが、この公開特許公報の組み合わせに
よる変色抑制効果は十分満足すべきものではなかった。
しかも、フェノール系酸化防止剤と各種のホスファイト
化合物とを組み合わせて用いることがハロゲン化有機化
合物からなる難燃剤とポリカーボネート樹脂とからなる
組成物に対して有効であるかどうかについてはこれまで
全く知られていなかった。
【0008】一方、従来チオエーテル系酸化防止剤をポ
リカーボネートに添加する方法は特開平3−21244
7号公報に開示されている。しかし、従来開示されてい
る技術をハロゲン含有ポリカーボネート樹脂組成物に適
用すると、その変色抑制効果は満足できるものではな
く、特に高温での滞留時間が長くなると著しい着色を生
ずるという問題点があった。また、ハロゲン含有ポリカ
ーボネート樹脂組成物に対し、チオエーテル系酸化防止
剤とホスファイト系化合物が相乗的に作用するというこ
とは従来全く知られていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、テトラブ
ロモビスフェノール(TBA)骨格を有する高分子型難
燃剤で難燃化されたポリカーボネート樹脂の熱安定性改
良を検討した結果、当該樹脂組成物に、一般式(I)か
ら選択される特定の構造の有機環状ホスファイト化合物
に対して、一般式(II)で示される特定の構造のヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤あるいは一般式(III )か
ら選択される特定の構造のチオエーテル系酸化防止剤を
併用添加することにより、特異的に溶融成形時の変色が
著しく改善されることを見いだし、さらにこれらの3種
類の安定剤を同時に併用添加することによってその相乗
効果が著しく増大することを見いだすことにより本発明
を完成した。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、テトラ
ブロモビスフェノール(TBA)骨格を有する高分子型
難燃剤によって難燃化された芳香族ポリカーボネートの
色調改善に関し、更に詳しくは、芳香族ポリカーボネー
ト(a)、テトラブロモビスフェノール (TBA)骨
格を有する高分子型難燃剤(b)、下記一般式(I)か
ら選択される有機環状ホスファイト化合物(c)、下記
一般式(II)で示されるヒンダードフェノール系酸化防
止剤(d)とチオエーテル系酸化防止剤(e)を下記式
(1)〜(6)で示される重量割合で配合してなる、溶
融成形時の変色が抑制されと共に色調の改善された芳香
族ポリカーボネート樹脂組成物およびその成形品を提供
するものである。
【0011】式(1):a+b=100 式(2):0≦b≦30 式(3):0.001≦c≦5 式(4):0≦d≦1 式(5):0≦e≦1 式(6):2≧d+e>0
【0012】
【化4】 (式中、R1 は炭素原子数1〜9のアルキル基を示し、
2 は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を
示し、R3 は炭素原子数1〜30の炭化水素基を示
す。)
【0013】
【化5】 (式中、R4 は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、
5 は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を
示す。Aは炭素原子数1〜30のy価の炭化水素残基を
示し、xは1〜4の整数、yは1以上の整数を示す。)
【0014】
【化6】 (式中、R6 は炭素原子数10〜20のアルキル基、n
は1〜5の整数)
【0015】本発明で使用する芳香族ポリカーボネート
とは、二価フェノールとホスゲンやジフェニルカーボネ
ート等のカーボネート前駆体との反応により得られるホ
モ−、コ−ポリカーボネート樹脂、更に分岐化されたも
の、末端に長鎖アルキル基を導入したもの等の粘度平均
分子量が12000〜70000程度のもの;コ−モノ
マーや末端停止剤として炭素−炭素不飽和二重結合を有
するビスフェノールやビニルフェノールなどを用いて得
た変性ポリカーボネート樹脂にスチレンなどをグラフト
したもの、更にホスゲンの一部としてテレフタル酸クロ
ライド、イソフタル酸クロライドを用いた一部にエステ
ル結合を有するもの、叉はフェノール性水酸基等をコ−
モノマーとして使用してなる変性ポリスチレンにポリカ
ーボネート樹脂をグラフト重合したものなど何れでも使
用可能なものとして例示される。
【0016】ここに、二価フェノールとしては、例えば
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル−1,1−ジフェニル)メタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−
ジジクロロフェニル)メタン、2,2−(4−ヒドロキ
−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フェニルメタン等が例示される。本
発明において使用するテトラブロモビスフェノール(T
BA)骨格を有する高分子型難燃剤とは、次式(一般式
IV):
【0017】
【化7】
【0018】で表わされるテトラブロモビスフェノール
骨格を有するポリマー、あるいはオリゴマーである(式
中、Xは炭素数1〜4のアルキル基、エーテル基、カル
ボニル基、チオエーテル基、スルホン基を示す)。使用
する高分子型難燃剤は分子量で1500〜25000が
好ましく、さらに好ましくは、分子量2500〜500
0程度のものが良い。その理由としては、分子量が15
00より低いと難燃剤を添加した場合の樹脂組成物の機
械的物性が著しく低下し、また、分子量が25000よ
り高いと流動性が低下し成形性が悪くなることがあげら
れる。これらテトラブロモビスフェノール(TBA)骨
格を有する高分子型難燃剤の具体例としては、ポリカー
ボネート、ポリホスホネート、ポリエステル、ポリグリ
シジルエーテル、ポリエーテルおよびそれらのオリゴマ
ーが挙げられる。
【0019】a) ポリカーボネート
【化8】 n ≧2 、末端基はフェノール化合物で封鎖されていても
いなくてもよい。
【0020】b) ポリホスホネート
【化9】 n ≧2
【0021】c) ポリエステル
【化10】 n ≧2
【0022】d) ポリグリシジルエーテル
【化11】 n ≧2
【0023】e) ポリエーテル
【化12】
【化13】 n ≧2
【0024】上記、テトラブロモビスフェノール(TB
A)骨格を有する高分子型難燃剤は特に限定されるもの
ではないが、ポリカーボネート樹脂と相溶性が良く熱安
定性の良いポリカーボネート、ポリグリシジルエーテル
などがよく用いられる。
【0025】本発明による組成物の高分子型難燃剤の添
加量は芳香族ポリカーボネート100重量部に対し1〜
30重量部が好ましく、さらに好ましくは5〜20重量
部がより最適である。高分子型難燃剤が1重量部未満で
は難燃性が不十分であり、30重量部を越えると機械的
物性の低下が起こるので好ましくない。また、これら高
分子難燃剤と共に難燃助剤を任意に併用することが出来
る。難燃助剤の代表例としては、三酸化アンチモン、四
酸化アンチモン、酸化チタンなどを挙げることが出来
る。
【0026】本発明において使用する有機環状ホスファ
イト化合物は、一般式(I)で示されるものである。
【0027】
【化14】 (式中、R1 は炭素原子数1〜9のアルキル基を示し、
2 は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を
示し、R3 は炭素原子数1〜30の炭化水素基を示
す。)
【0028】本発明で用いられる上記一般式(I)で表
わされるホスファイト化合物の代表例としては、次に示
す化合物が挙げられる。
【0029】
【化15】
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】
【0032】
【化18】
【0033】
【化19】
【0034】
【化20】
【0035】
【化21】
【0036】
【化22】
【0037】
【化23】
【0038】有機環状ホスファイト化合物の配合量はポ
リカーボネート樹脂及び高分子型難燃剤の種類によって
変化するが、ポリカーボネート樹脂と高分子型難燃剤の
合計100重量部に対して、0.001〜5重量部、好
ましくは0.01〜1重量部である。添加量が0.00
1未満では変色抑制効果がみられず、5重量部を越えた
場合は、組成物の変色を抑制するための必要添加量を越
えてしまい、過剰分のホスファイトの分解により、成形
時に銀状(シルバー)が発生し外観不良をまねき、また
機械的物性が低下してしまい好ましくない。
【0039】本発明で使用されるヒンダードフェノール
系酸化防止剤は、一般式(II)で示されるものである。
【0040】
【化24】 (式中、R4 は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、
5 は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を
示す。Aは炭素原子数1〜30のy価の炭化水素残基を
示し、xは1〜4の整数、yは1以上の整数を示す。)
【0041】このようなヒンダードフェノール系酸化防
止剤の代表例としては、1,6−ヘキサンジオール- ビ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート](チバガイギー(株)、イル
ガノックス259)、ペンタエリスリトール−テトラキ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート](チバガイギー(株)、イル
ガノックス1010)、オクタデシル−3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート(チバガイギー(株)、イルガノックス1076)
等が挙げられる。
【0042】ヒンダードフェノール系酸化防止剤の配合
量はポリカーボネート樹脂及び高分子型難燃剤の種類に
よって、またはチオエーテル系酸化防止剤を併用添加す
るかどうかによって変化するが、ホスファイト系化合物
とヒンダードフェノール系酸化防止剤の2成分併用添加
系であればポリカーボネート樹脂と高分子型難燃剤の合
計100重量部に対して、0.001〜1重量部、好ま
しくは0.01〜0.5重量部である。添加量が0.0
01未満では変色抑制効果がみられず、1 重量部を越え
ると、組成物の変色を抑制するための必要添加量を越え
てしまい、かえって成形品の変色を招き、また機械的物
性が低下してしまい好ましくない。
【0043】一方、ホスファイト系化合物、チオエーテ
ル系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤の
3成分併用添加系についてもポリカーボネート樹脂と高
分子型難燃剤の合計100重量部に対して、0.001
〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部であ
る。添加量が0.001未満では変色抑制効果がみられ
ず、1重量部を越えると、組成物の変色を抑制するため
の必要添加量を越えてしまい、かえって成形品の変色を
招き、また機械的物性が低下してしまい好ましくない。
【0044】また、本発明においては、安定剤としてホ
スファイト系化合物、ヒンダードフェノール系酸化防止
剤及びチオエーテル系酸化防止剤の3成分併用添加系が
最も好ましい実施態様であり、3成分併用添加系の場合
に最も高温の熱履歴に対して色調の安定性に優れてい
る。
【0045】本発明で用いられるチオエーテル系酸化防
止剤は一般式(III )で表わされる。
【0046】
【化25】 (式中、R6 は炭素原子数10〜20のアルキル基、n
は1〜5の整数)
【0047】ここで、チオエーテル系酸化防止剤のアル
キル基R6 の炭素原子数が9以下であれば、成形時に酸
化防止剤自体が昇華を起こし易く、成形品および成形機
を汚染していまう。逆にアルキル基R6 の炭素原子数が
21以上であれば、ポリカーボネート樹脂との相溶性が
悪くなり、チオエーテル系酸化防止剤のブリードアウト
現象を生ずるので、好ましくない。また、上記一般式
(III )中の整数nが0または6以上であると、熱分解
による変色防止効果が著しく低下するので好ましくな
い。
【0048】一般式(III )に示すチオエーテル系酸化
防止剤の具体例としてはペンタエリスリトール−テトラ
キス(ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリ
トール−テトラキス(b−ラウリルチオプロピオネー
ト)、ペンタエリスリトール−テトラキス(ステアリル
チオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラ
キス(ラウリルチオブチレート)、ペンタエリスリトー
ル−テトラキス(ミリスチルチオプロピオネート)、ペ
ンタエリスリトール−テトラキス(ラウリルチオアセテ
ート)などが挙げられる。
【0049】また、上記チオエーテル系酸化防止剤の配
合量はポリカーボネート樹脂及び高分子型難燃剤の種類
によって、またはヒンダードフェノール系酸化防止剤を
併用添加するかどうかによって変化するが、ホスファイ
ト系化合物とチオエーテル系酸化防止剤の2成分併用添
加系であればポリカーボネート樹脂と高分子型難燃剤の
合計100重量部に対して、0.001〜1重量部、好
ましくは0.01〜0.5重量部である。添加量が0.
001未満では変色抑制効果がみられず、1重量部を越
えると、チオエーテル系酸化防止剤のブリードアウト現
象を生ずるので好ましくない。
【0050】一方、ホスファイト系化合物、ヒンダード
フェノール系酸化防止剤とチオエーテル系酸化防止剤の
3成分併用添加系についてもポリカーボネート樹脂と高
分子型難燃剤の合計100重量部に対して、0.001
〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部であ
る。添加量が0.001未満では変色抑制効果がみられ
ず、1重量部を越えると、チオエーテル系酸化防止剤の
ブリードアウト現象を生ずるので好ましくない。また、
本発明においては、安定剤としてホスファイト系化合
物、ヒンダードフェノール系酸化防止剤及びチオエーテ
ル系酸化防止剤の3成分併用添加系が最も好ましい実施
態様であり、3成分併用添加系の場合に最も高温の熱履
歴に対して色調の安定性に優れている。
【0051】本発明の組成物の製造においては、重合を
完了したポリカーボネートに高分子型難燃剤と一般式
(I)のホスファイト系化合物、一般式(II)のヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤、一般式(III )のチオエ
ーテル系酸化防止剤を配合し、溶融混練する方法が一般
的である。配合の順序や方法には特に制限はないが、樹
脂、難燃剤、ホスファイト化合物が均一に分散する方法
が望ましく、通常は、タンブラーミキサー、、スーパー
ミキサー等が用いられる。また、溶融混練には単軸押出
機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールなどを用
いて製造する方法が簡便である。
【0052】また、本発明の組成物よりなる成形品は、
請求項1の難燃性ポリカーボネート組成物を溶融状態で
射出成形、プレス成形叉は押し出し成形して得ることが
出来るが、加工温度は220〜380℃であり、好まし
くは240〜360℃である。220℃以下であると樹
脂組成物の粘度が高すぎ成形が困難であり、360℃以
上だと樹脂の劣化をまねき、本発明の目的である変色抑
制効果が小さくなることが挙げられる。成形法としては
粉末から直接成形し成形体を得る方法か、あらかじめ粉
末を押し出し機などでペレット化したものを射出、プレ
ス、押し出し成形する方法が取られる。この様な方法で
得られた難燃性ポリカーボネート成形品は難燃性、変色
抑制効果に特にすぐれている。
【0053】本発明の樹脂組成物には、通常ポリカーボ
ネートに使用する各種添加剤として着色剤、滑剤、帯電
防止剤、紫外線吸収剤、重金属不活性化剤、金属石鹸、
可塑剤、エポキシ化合物、発泡剤、滑剤、加工助剤、有
機錫化合物、光安定剤や硝子繊維、タルクなどの無機充
填剤を添加することが出来る。
【0054】本発明によれば、テトラブロモビスフェノ
ール(TBA)骨格を有する高分子型難燃剤によって難
燃化されたポリカーボネート樹脂の熱安定性を改良する
ことが出来る。すなわち本発明によれば、一般式(I)
で示されるホスファイト系化合物に加えて、一般式(I
I)のヒンダードフェノール系酸化防止剤及び/又は一
般式(III )のチオエーテル系酸化防止剤を併用添加す
ることで、元来、成形加工時に変色しやすい欠点を持っ
ていたハロゲン含有ポリカーボネート樹脂組成物の欠点
を改良することが出来、このことにより、熱安定性が良
好で変色抑制効果の優れた難燃性ポリカーボネート樹脂
組成物を得ることが出来る。そのため、本発明による難
燃性ポリカーボネート樹脂成形品は、すぐれた難燃性、
成形性とともに色調安定性が極めて良好であることか
ら、OA機器のシャーシやコネクター部品などの電気部
品や、さらには自動車部品や建築材料として有効に利用
出来る。
【0055】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。評価は、溶融混練したペレットを成形滞留条件
一定のもとで、射出成形機により成形し40mm×50
mm×4mmの平板を得、この平板の黄色度(YI)を
色差計により測定し比較した。すなわち、射出成形機の
シリンダー中にポリカーボネート樹脂組成物を20分間
滞留させたのち、成形したポリカーボネート樹脂平板か
ら得た各種試料の黄色度を色差計で測定し、このときの
黄色度をYI20とした。これに対し、射出成形機シリン
ダー中での滞留時間が0分間のものから成形したポリカ
ーボネート樹脂平板の黄色度を色差計で測定し、このと
きの黄色度をYI0 とした。そして、黄色度YI20と黄
色度YI0 との差を各種試料の黄変度△YI=YI20
YI0 とし、黄色度YI0 と黄色度YI20の黄変度△Y
Iの値により、ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性
を評価した。ここで言う滞留時間とは、通常成形に要す
る(射出、保持圧、冷却)時間に加えて、任意に設定し
たものである。
【0056】実施例1〜8.ポリカーボネート樹脂グラ
ニュール(粘度平均分子量:25300)85重量部と
高分子型難燃剤(TBAポリカーボネートオリゴマー、
帝人化成製:ファイヤーガードFG−8500)15重
量部に対して、ホスファイト系化合物として2,2−メ
チレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)
オクチルホスファイト(旭電化製:アデカスタブHP−
10)、フェノール系酸化防止剤としてペンタエリスリ
トール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバガイ
ギー製:イルガノックス1010)及び/又はチオエー
テル系酸化防止剤としてペンタエリスリトール−テトラ
キス(ドデシルチオプロピオネート)(旭電化製:アデ
カスタブAO−412S)を添加したものを、260〜
280℃の温度で単軸押出機で溶融混練し、射出成形機
により320℃で成形した。そして、得られた難燃化ポ
リカーボネート樹脂平板を色差計を用いて黄色度を測定
した。結果を表1に示した。
【0057】比較例1.次に、比較のためにポリカーボ
ネート樹脂グラニュール(三菱化成製:ノバレックス7
022PJ/ノバレックス7030PJ=85/15)
85重量部と高分子型難燃剤(TBAポリカーボネート
オリゴマー、帝人化成製:ファイヤーガードFG850
0)15重量部に対して、安定剤を全く添加していない
点以外は、実施例1の場合と同様にして難燃化ポリカー
ボネート樹脂平板を製造し、色差計を用いて黄色度を測
定した。結果を表1に示した。
【0058】比較例2〜4.また、比較のためにポリカ
ーボネート樹脂グラニュール(三菱化成製:ノバレック
ス7022PJ/ノバレックス7030PJ=85/1
5)85重量部と高分子型難燃剤(TBAポリカーボネ
ートオリゴマー、帝人化成製:ファイヤーガードFG−
8500)15重量部に対して、ホスファイト系化合物
として2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−
ブチルフェニル)オクチルホスファイト(旭電化製:ア
デカスタブHP−10)、フェノール系酸化防止剤とし
てペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート](チバガイギー製:イルガノックス1010)、
チオエーテル系酸化防止剤としてペンタエリスリトール
−テトラキス(ドデシルチオプロピオネート)(旭電化
製:アデカスタブAO−412S)をそれぞれ単独に添
加した点以外は、実施例1の場合と同様にして難燃化ポ
リカーボネート樹脂平板を製造し、色差計を用いて黄色
度を測定した。結果を表1に示した。
【0059】比較例5.また、比較のために安定剤とし
て、フェノール系酸化防止剤:ペンタエリスリトール−
テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート](チバガイギー製:
イルガノックス1010)、チオエーテル系酸化防止
剤:ペンタエリスリトール- テトラキス(ドデシルチオ
プロピオネート)(旭電化製:アデカスタブAO−41
2S)を併用添加した点以外は、実施例1の場合と同様
にして難燃化ポリカーボネート樹脂平板を製造し、色差
計を用いて黄色度を測定した。結果を表1に示した。
【0060】
【表1】
【0061】この表1の結果からわかるように、本発明
による実施例1〜8のポリカーボネート樹脂組成物の成
形平板は、黄色度YI0 、黄色度YI20と黄変度△YI
のいずれもが低い値を示し、従って320℃という高温
条件下での成形に於ても、熱分解による変色が非常に少
なく、優れた品質を有していることが明らかである。こ
れに対し、比較例1〜4において得られた従来技術のポ
リカーボネート樹脂平板は黄色度YI0 、黄色度YI20
と黄変度△YIのいずれも非常に大きく、熱分解による
変色が生じていた。また、比較例5より、フェノール系
酸化防止剤とチオエーテル系酸化防止剤の併用添加は相
乗効果を示さず、品質の低いものであった。
【0062】実施例9.フェノール系酸化防止剤として
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート(チバガイギー製、
イルガノックス1076)を使用した点以外は、実施例
2の場合と同様にして難燃化ポリカーボネート樹脂平板
を製造し、色差計を用いて黄色度を測定した。結果を表
2に示した。
【0063】実施例10.チオエーテル系酸化防止剤と
してペンタエリスリトール- テトラキス(b−ラウリル
チオプロピオネート)(住友化学製、スミライザーTP
−D)を使用した点以外は、実施例3の場合と同様にし
て難燃化ポリカーボネート樹脂平板を製造し、色差計を
用いて黄色度を測定した。結果を表2に示した。
【0064】比較例6.ホスファイト系化合物としてビ
ス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(旭電化
製、アデカスタブPEP−36)を使用した点以外は、
実施例2の場合と同様にして難燃化ポリカーボネート樹
脂平板を製造し、色差計を用いて黄色度を測定した。結
果を表2に示した。
【0065】比較例7.フェノール系酸化防止剤として
特開平2−238034号公報に開示されている1,
3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−
(1H,3H,5H)トリオン(旭電化製、アデカスタ
ブAO−20)を使用した点以外は、実施例2の場合と
同様にして難燃化ポリカーボネート樹脂平板を製造し、
色差計を用いて黄色度を測定した。結果を表2に示し
た。
【0066】比較例8.フェノール系酸化防止剤として
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼン(旭電化製、アデカスタブAO−330)を使用
した点以外は、実施例2の場合と同様にして難燃化ポリ
カーボネート樹脂平板を製造し、色差計を用いて黄色度
を測定した。結果を表2に示した。
【0067】比較例−9.チオエーテル系酸化防止剤と
してジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート
(住友化学製、スミライザーTPS)を使用した点以外
は、実施例3の場合と同様にして難燃化ポリカーボネー
ト樹脂平板を製造し、色差計を用いて黄色度を測定し
た。結果を表2に示した。
【0068】
【表2】
【0069】この表2の結果からもわかるように、本発
明による実施例9〜10のポリカーボネート樹脂組成物
の成形平板は、黄色度YI0 、黄色度YI20と黄変度△
YIのいずれもが低い値を示し、従って320℃という
高温条件下での成形に於ても、熱分解による変色が非常
に少なく、優れた品質を有していることが明らかであ
る。これに対し、比較例6〜9において得られた従来技
術のポリカーボネート樹脂平板は黄色度YI0 、黄色度
YI20と黄変度△YIのいずれも非常に大きく、熱分解
による変色が生じており、品質の低いものであった。
【0070】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリカーボネート、又
は、テトラブロモビスフェノール骨格を有する高分子型
難燃剤によって難燃化されたポリカーボネート樹脂組成
物は有機環状ホスファイト化合物、ヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤とチオエーテル系酸化防止剤を少量配合
することによって、高温滞留による変色が少なく、か
つ、透明性、難燃性および機械的性質に優れた組成物を
得ることが出来る。このことから、本発明による樹脂組
成物は材料として広範囲に利用することが出来、産業上
価値は非常に高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67:03)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリカーボネート(a)、テトラ
    ブロモビスフェノール(TBA)骨格を有する高分子型
    難燃剤(b)、下記一般式(I)から選択される有機環
    状ホスファイト化合物(c)、下記一般式(II)で示さ
    れるヒンダードフェノール系酸化防止剤(d)、下記一
    般式(III )で示されるチオエーテル系酸化防止剤
    (e)、を下記式(1)〜(6)で示される重量割合で
    配合してなることを特徴とするポリカーボネート樹脂組
    成物 式(1):a+b=100 式(2):0≦b≦30 式(3):0.001≦c≦5 式(4):0≦d≦1 式(5):0≦e≦1 式(6):2≧d+e>0 【化1】 (式中、R1 は炭素原子数1〜9のアルキル基を示し、
    2 は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を
    示し、R3 は炭素原子数1〜30の炭化水素基を示
    す。) 【化2】 (式中、R4 は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、
    5 は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を
    示す。Aは炭素原子数1〜30のy価の炭化水素残基を
    示し、xは1〜4の整数、yは1以上の整数を示す。) 【化3】 (式中、R6 は炭素原子数10〜20のアルキル基、n
    は1〜5の整数)
  2. 【請求項2】 有機環状ホスファイト化合物が一般式
    (I)中のR1 がtert- ブチル基、R2 が水素原子、R
    3 が−OC8 17である請求項1記載のポリカーボネー
    ト樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ヒンダードフェノール系酸化防止剤が
    1、6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−
    t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
    ト]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5
    −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
    ネート]またはオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−
    ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートであ
    る請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ヒンダードフェノール系酸化防止剤がペ
    ンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t
    −ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
    である請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 チオエーテル系酸化防止剤がペンタエリ
    スリトール−テトラキス(ドデシルチオプロピオネー
    ト)である請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 テトラブロモビスフェノール(TBA)
    骨格を有する高分子型難燃剤がポリカーボネート、ポリ
    ホスホネート、ポリエステル、ポリグリシジルエーテル
    およびポリエーテルから選択され、平均分子量が150
    0〜25000の範囲にある請求項1記載のポリカーボ
    ネート樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 芳香族ポリカーボネート(a)、テトラ
    ブロモビスフェノール(TBA)骨格を有する高分子型
    難燃剤(b)、上記一般式(I)から選択される有機環
    状ホスファイト化合物(c)、上記一般式(II)で示さ
    れるヒンダードフェノール系酸化防止剤(d)と上記一
    般式(III )で示されるチオエーテル系酸化防止剤
    (e)を下記式(1)〜(6)で示される重量割合で配
    合してなることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成
    物。 式(1):a+b=100 式(2):1≦b≦30 式(3):0.01≦c≦1 式(4):0≦d≦0.5 式(5):0≦e≦0.5 式(6):1≧d+e>0
  8. 【請求項8】 芳香族ポリカーボネート(a)、テトラ
    ブロモビスフェノール(TBA)骨格を有する高分子型
    難燃剤(b)、上記一般式(I)から選択される有機環
    状ホスファイト化合物(c)、上記一般式(II)で示さ
    れるヒンダードフェノール系酸化防止剤(d)と上記一
    般式(III )で示されるチオエーテル系酸化防止剤
    (e)を下記式(1)〜(6)で示される重量割合で配
    合してなることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成
    物 式(1):a+b=100 式(2):1≦b≦30 式(3):0.01≦c≦1 式(4):0.01≦d≦0.5 式(5):0.01≦e≦0.5
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