JPH1149918A - エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物組成物及び その成形物 - Google Patents
エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物組成物及び その成形物Info
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- JPH1149918A JPH1149918A JP9225664A JP22566497A JPH1149918A JP H1149918 A JPH1149918 A JP H1149918A JP 9225664 A JP9225664 A JP 9225664A JP 22566497 A JP22566497 A JP 22566497A JP H1149918 A JPH1149918 A JP H1149918A
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Abstract
ィルム外観等に優れるエチレン−酢酸ビニル系共重合体
ケン化物組成物及びその成形物を提供すること。 【解決手段】 エチレン含有量5〜60モル%、ケン化
度90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物(以下EVOHと略す)(A)、アルカリ土類金属の酢
酸塩(B)、酢酸(C)、水(D)を含有してなり、かつ、アル
カリ土類金属の酢酸塩(B)の含有量が該EVOH(A)に対
してアルカリ土類金属換算で5〜300ppm、酢酸
(C)とアルカリ土類金属の酢酸塩(B)の重量比((C)/(B))
が0.05〜10、水(D)の含有量が該EVOH(A)10
0重量部に対して10〜140重量部であるEVOH組
成物及び該EVOH組成物を溶融押出してなる成形物。
更に溶融押出して得られた成形物を含水率5〜50重量
%で延伸してなる成形物。
Description
ニル系共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)
を主剤とするEVOH組成物及び該EVOH組成物から
の成形物、特にフィルム等の成形物に関する。
スバリヤー性を生かして、各種包装用途に多用されてい
る。かかるEVOHフィルムの製造法としては、EVO
H(ペレット)を溶融押出機等によりフィルム状に成形
し、更に1軸或いは2軸に延伸するのが一般的である
が、該製造法によっては、得られたEVOHフィルムに
ダイラインやフィッシュアイ等が生じたり、或いは透明
性に劣ったりすることも多く、又、製造中にゲルや目ヤ
ニ等が発生しロングラン成形が困難となり、実用に供す
るのが難しくなる。かかる対策として、本出願人は、E
VOHに水を含有せしめてなる樹脂組成物を用いること
を提案した(特願平8−313050号)。
者が詳細に検討した結果、上記技術ではフィッシュアイ
の低減は認められるものの、長時間の連続運転における
EVOH成形物の外観及び品質の安定性については改善
の余地が残るものであり、技術の高度化と多様化に伴
い、更にロングラン性に優れ、スジやフィッシュアイや
着色のない、透明性に優れた外観の良好なEVOH成形
物(フィルム、シート、等)が望まれている。
る事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、エチレン含有量
5〜60モル%、ケン化度90モル%以上のEVOH
(A)、アルカリ土類金属の酢酸塩(B)、酢酸
(C)、水(D)を含有してなり、かつ、アルカリ土類
金属の酢酸塩(B)の含有量が該EVOH(A)に対し
てアルカリ土類金属換算で5〜300ppm、酢酸
(C)とアルカリ土類金属の酢酸塩(B)の重量比
((C)/(B))が0.05〜10、水(D)の含有
量が該EVOH(A)100重量部に対して10〜14
0重量部であるEVOH組成物が、上記の課題を解決す
るものであることを見出し本発明を完成するに至った。
本発明において、上記EVOH組成物を溶融押出して成
形物、特にフィルム、シートとすることが好ましい。
融押出して得られた成形物、特にフィルム、シートを含
水率5〜50重量%で延伸することも好ましく、フィル
ム外観の優れた成形物が得られるのである。即ち、本発
明は、膜厚が均一で透明性やガスバリヤー性、スジ、フ
ィッシュアイの低減等に優れた外観の良好なEVOH組
成物の成形物(フィルム、シート等)を得ることができ
るのである。
明する。本発明のEVOH(A)としては、エチレン含
量5〜60モル%、好ましくは10〜60モル%、更に
好ましくは20〜55モル%、酢酸ビニル成分のケン化
度が90モル%以上、好ましくは95モル%以上のもの
が好適に用いられ、エチレン含量が5モル%未満では耐
水性が不十分となり、一方60モル%を越えるとガスバ
リヤー性が低下して好ましくない。又、ケン化度が90
モル%未満では耐水性が不十分となって好ましくない。
レン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−
オクタデセン等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸又
はその塩・部分アルキルエステル・完全アルキルエステ
ル・ニトリル・アミド・無水物、不飽和スルホン酸又は
その塩、ビニルシラン化合物、塩化ビニル、スチレン等
のコモノマーを含んでいても差し支えない。又、本発明
の範囲で、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化
等「後変性」にされても差し支えない。
は、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸バリウ
ム、酢酸ベリリウム等が挙げられるが、好ましくは酢酸
カルシウム、酢酸マグネシウムが採用される。又、これ
らは単独又は併用することもできる。該アルカリ土類金
属の酢酸塩(B)の含有量は、EVOH(A)に対して
アルカリ土類金属換算で5〜300ppm、好ましくは
10〜200ppm、更に好ましくは15〜150pp
mである。アルカリ土類金属の酢酸塩(B)の含有量が
5ppm未満では本発明の効果が得られず、一方、20
0ppmを越えると組成物の熱分解が大きくなり臭気も
大きくなる。
アルカリ金属の酢酸塩、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム等をEVOH(A)に対してアルカリ金属換算で
20〜500ppm、好ましくは40〜300ppmを
含有させることも可能である。
いが、最終的に酢酸(C)とアルカリ土類金属の酢酸塩
(B)の重量比((C)/(B))が0.05〜10、
好ましくは0.08〜8、更に好ましくは0.1〜5で
あることが必要である。かかる重量比が0.05未満で
は本発明の効果が得られず、一方10を越えると成形物
中にゲルが多発し、商品価値がなくなる。中でも特に酢
酸(C)の含有量としては、EVOH(A)に対して3
0〜4000ppm、好ましくは50〜2000ppm
が適当である。
(A)、アルカリ土類金属の酢酸塩(B)、酢酸(C)
及び水(D)を含有させてEVOH組成物を得るが、か
かる水(D)の含有量はEVOH(A)100重量部に
対して10〜140重量部、好ましくは15〜120重
量部、更に好ましくは20〜100重量部である。水
(D)の含有量が10重量部未満では押出成形温度を上
げる必要がありロングラン成形性が低下するばかりでな
く、均一な延伸が困難となり、逆に140重量部を越え
ると押出機中で樹脂と水分の一部分離が起こり押出が不
安定になる。
く、要はEVOH(A)、アルカリ土類金属の酢酸塩
(B)、酢酸(C)及び水(D)を上記の範囲内で含有
されるようにすればよく、例えば、EVOH(A)の
粉末、ペレット、粒状物にアルカリ土類金属の酢酸塩
(B)及び酢酸(C)を任意の形態にして混合し、水
(D)を混合する方法、EVOH(A)製造時の任意
の段階、即ち重合時、ケン化時、後処理時、乾燥時の任
意の段階でアルカリ土類金属の酢酸塩(B)及び酢酸
(C)を所定量含有させ、EVOHの製造後に水(D)
を混合する方法、EVOH(A)と水(D)を混合撹
拌してあるいは蒸気を吹き込んで吸水させた後アルカリ
土類金属の酢酸塩(B)及び酢酸(C)を混合する方
法、EVOH(A)の水/メタノール混合液を凝固液
槽中に押出して多孔性の含水EVOH成形物を得た後、
水中でアルカリ土類金属の酢酸塩(B)及び酢酸(C)
を含浸させて、上記範囲の含水量まで乾燥する方法、等
の方法が挙げられる。但し、これらに限定されることは
ない。
ノール、イソプロピルアルコール等のアルコールととも
に含水させておくことも可能である。この際、少量のエ
チレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン
等の可塑剤を含んでいても差し支えない。エチレングリ
コール、プロピレングリコール、グリセリン等の可塑剤
の含有量は0.2〜10重量%程度が適当である。又、
酸化防止剤、滑剤、ハイドロタルサイト類、帯電防止
剤、着色剤、紫外線吸収剤、無機・有機充填材、抗菌剤
等を本発明の効果を阻害しない範囲で添加することがで
きる。
る。該EVOH組成物は次いで溶融押出機に供されて成
形物に溶融成形される。フィルムの場合、かかる成形時
の条件としては、特に限定されないが、通常はノンベン
ト、スクリュータイプ押出機を用い溶融温度40〜15
0℃で押出製膜される。製膜されたフィルム中に均一な
分布で水を残留させる為に、圧縮比2.0〜4.0のス
クリューを用いることが好ましい。
H組成物の成形物は、必要に応じて次いで延伸に供され
るのであるが、かかる延伸時(延伸直前)のEVOH組
成物の成形物の含水率を5〜50重量%、好ましくは7
〜45重量%、更に好ましくは10〜40重量%に調整
することも重要で、かかる含水率が5重量%未満では延
伸斑を生じやすく、破断の原因ともなり、逆に50重量
%を越えると充分な延伸配向によるガスバリヤー性と強
度の改善効果が得られず、好ましくない。かかる含水率
の調整方法としては、特に限定されず、製膜直後に調湿
操作を加えることもできる。
(同時、逐次)等があり、特に限定されないが、本発明
は、特に逐次2軸延伸法における第1次(MD方向)延
伸に効果的であり、かかる延伸方法について詳細に説明
する。
VOH組成物の成形物は、第1次(MD方向)延伸工程
に供される。かかる第1次(MD方向)延伸は、公知の
方法を利用することができ、上記の成形物を40〜10
0℃の条件下で縦方向に1.5〜8倍に延伸するのであ
る。かかる第1次(MD方向)延伸の処理後の含水率は
0.5〜45重量%、好ましくは1〜40重量%にする
ことが望ましく、0.5重量%未満では第2次(TD方
向)延伸での延伸斑が生じ、同時の延伸倍率まで延伸す
ることが困難となり、逆に45重量%を越えると第1次
の延伸配向効果が期待できず、ガスバリヤー性、強度の
改善効果が少なくなって好ましくない。かかる含水率の
調整方法としては予熱ロールの温度と時間、第1次(M
D方向)延伸の温度と延伸速度等により行うことができ
る。
OH組成物フィルムは、続いて第2次(TD方向)延伸
工程で横方向の延伸に供されるのであるが、かかる工程
においては、公知の方法を利用することができ、上記の
EVOH組成物フィルムを60〜140℃の条件下で横
方向に1.5〜8倍に延伸するのである。通常は、フィ
ルム両耳部をクリップではさむテンター方式で行われ
る。本条件以外ではクリップ部、クリップ−クリップ間
及びフイルム巾方向の中間部でのいずれかの破断が生
じ、目標の延伸フィルムを得ることは極めて困難であ
る。又、通常は更に熱固定を行う。熱固定とは緊張下に
温度120〜200℃で数秒ないし数分間フィルムを加
熱することで、更に熱固定後のフィルムに柔軟性と寸法
安定性を付与するために、含水率が0.3〜3重量%、
好ましくは0.5〜2重量%程度になるまでフィルムを
調湿してもよい。
属の酢酸塩(B)、酢酸(C)及び水(D)を特定量含
有してなるEVOH組成物は、溶融押出により、ロング
ラン性に優れ、スジやフィッシュアイ、着色のない、透
明性に優れた外観の良好な成形物を得ることができるの
である。
(フィルム、シート等)は、単層のみならず、かかるフ
ィルムを少なくとも一層とする積層体として実用に供せ
られることが多い。該積層体の製造に当たっては、本発
明の製造法により得られたフィルム、シート等の成形物
の層の片面又は両面に他の基材をラミネートするのであ
るが、ラミネート方法としては、例えば、該成形物と他
の基材のフィルム、シートとを有機チタン化合物、イソ
シアネート化合物、ポリエチレンイミン系化合物、ポリ
エステル系化合物、ポリウレタン系化合物等の公知の接
着剤を用いてラミネートする方法等が挙げられる。
低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロ
ピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20
のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテ
ン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらの
オレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又は
そのエステルでグラフト変性したもの等の広義のポリオ
レフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、
ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹
脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラスト
マー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、E
VOH等が挙げられ、更には、紙、金属箔、1軸又は2
軸延伸プラスチックフイルム又はシート、織布、不織
布、金属綿条、木質面なども使用可能である。
ムの層をI(I1,I2,・・・)、他の基材、例えば熱可
塑性樹脂層をII(II1,II2,・・・)とするとき、フィ
ルム、シート状であれば、I/IIの二層構造のみなら
ず、II/I/II、I/II/I、I1/I2/II、I/II1/II2、
II2/II1/I/II1/II2など任意の組合せが可能であ
る。
物(フィルム、シート等)やその積層体は、その特性、
即ち外観特性、ガスバリヤー性等に優れるため、食品や
医薬品、農薬品、工業薬品包装用のフィルム、シート、
チューブ、袋、容器等の用途に非常に有用である。
する。尚、例中、「部」、「%」とあるのは、特に断り
のない限り重量基準を意味する。 実施例1 エチレン含量40モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合
体の40%メタノール溶液1000部を耐圧反応器に入
れ、撹拌しながら110℃に加熱した。続いて水酸化ナ
トリウムの6%メタノール溶液40部及びメタノール2
500部を連続的に仕込むと共に副生する酢酸メチル及
び余分のメタノールを系から留出させながら2.5時間
ケン化反応を行い、酢酸ビニル成分のケン化度99.0
モル%のEVOH(A)を得た。
50部仕込みながら余分のメタノールを留去させ、水/
メタノール溶液を製造した。前記のEVOH(A)の水
/メタノール混合液を水/メタノール(混合比9/1)
凝固液槽(巾100mm、長さ4000mm、深さ10
0mm)にストランド状に押出した。凝固終了後、凝固
液槽の端部に付設された引き取りローラーを経て、スト
ランド状物をカッターで切り離し、白色、多孔性のペレ
ットを製造した。
酸、300部に浸漬し、30℃で1時間撹拌して洗浄を
2回繰り返した。該スラリーをろ別した後、得られたペ
レットを0.1%酢酸−0.2%酢酸カルシウム−0.
1%酢酸マグネシウム水溶液300部と混合し、30℃
で1時間撹拌した後、ろ別し、EVOH(A)100部
に対して水70部となるように乾燥した。
ン含有量40モル%、ケン化度99.0%のEVOH
(A)と該EVOH(A)に対して酢酸カルシウムの含
有量が250ppm(カルシウム換算で63ppm)、
酢酸マグネシウムの含有量が120ppm(マグネシウ
ム換算で20ppm)、酢酸とアルカリ土類金属の酢酸
塩の重量比が0.5、水の含有量が該EVOH(A)1
00部に対して70部の組成物であった。
りであった。 (アルカリ土類金属)乾燥した試料約80gを精秤し、
そのうちの約10gを恒量化した白金蒸発皿に入れ、電
熱器で炭化した。次にガスバーナーで加熱し、煙が出な
くなる間で焼いた。約400℃の電気炉内に前記の白金
蒸発皿を入れ、磁性ルツボ蓋で大半を覆い、700℃ま
で徐々に昇温した。700℃に3時間保持して完全灰下
させた。白金ルツボに特級塩酸2ml及び純水3mlを
入れ、電熱器で加熱して溶解した。上記溶液を50ml
メスフラスコに純水で流し込み、更に標線まで純水を追
加して原子吸光分析用の試料とした。
1ppm、塩酸約0.5N)を対照液として原子吸光度
の測定を行い、吸光度の比率からアルカリ土類金属の量
を定量した。測定条件は次の通りである。 装 置:日立180ー30形 原子吸光/炎光分光
光度計 フレーム:アセチレン−空気
た単軸押出機に供給し、厚さ120μmのEVOH組成
物フィルムの成形を行った。単軸押出機による製膜条件
は下記の通りとした。 スクリュー内径 40mm L/D 28 スクリュー圧縮比 3.2 Tダイ コートハンガータイプ ダイ巾 450mm 押出温度 C1:110℃、 H:110℃ C2:120℃、 D:110℃ C3:100℃、 C4:100℃
のEVOH組成物フィルムの外観について下記の項目を
評価した。 (フィルム外観) スジ スジの有無を下記の基準で評価した。 ○・・・スジは認められなかった。 △・・・スジが僅かに認められるが、実用上問題なし。 ×・・・スジが多発し、実用上使用困難であった。
0cm×10cm) △・・・4〜20個/100cm2 ×・・・21個以上/100cm2
成物フィルム(含水率35%)を原反として、連続的に
下記の条件で逐次2軸延伸、熱固定及び調湿を行って、
EVOH組成物延伸フィルムを得た。
て、上記と同様の評価を行った。
化度が99.8モル%のEVOH(A)を用い、酢酸−
酢酸カルシウム水溶液で処理し該EVOH(A)に対し
て酢酸カルシウムを470ppm(カルシウム換算で1
20ppm)、、酢酸とアルカリ土類金属の酢酸塩の重
量比を0.2、該EVOH(A)100部に対して水を
34部となるように含有せしめた以外は同様に行って、
EVOH組成物フィルム及びEVOH組成物延伸フィル
ムを得て、同様に評価を行った。この時のEVOH組成
物フィルムの含水率は22%、第1次延伸後の水分率は
20%、第2次延伸後の水分率は0.6%、調湿後の含
水率は2.5%であった。
化度が98.6モル%のEVOH(A)を用い、酢酸−
酢酸マグネシウム水溶液で処理し該EVOH(A)に対
して酢酸マグネシウムを240ppm(マグネシウム換
算で40ppm)、酢酸とアルカリ土類金属の酢酸塩の
重量比を1.1、該EVOH(A)100部に対して水
を55部となるように含有せしめた以外は同様に行っ
て、EVOH組成物フィルム及びEVOH組成物延伸フ
ィルムを得て、同様に評価を行った。この時のEVOH
組成物フィルムの含水率は33%、第1次延伸後の水分
率は28%、第2次延伸後の水分率は1.5%、調湿後
の含水率は2.8%であった。
化度が99.8モル%のEVOH(A)を用い、酢酸、
酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸ナトリウムを
含む水溶液で処理し、該EVOH(A)に対して酢酸カ
ルシウムを160ppm(カルシウム換算で40pp
m)、酢酸マグネシウムを60pmm(マグネシウム換
算で10ppm)、酢酸ナトリウムを180ppm(ナ
トリウム換算で50ppm)、酢酸とアルカリ土類金属
の酢酸塩の重量比を0.35、該EVOH(A)100
部に対して水を34部となるように含有せしめた以外は
同様に行って、EVOH組成物フィルム及びEVOH組
成物延伸フィルムを得て、同様に評価を行った。この時
のEVOH組成物フィルムの含水率は22%、第1次延
伸後の水分率は20%、第2次延伸後の水分率は0.6
%、調湿後の含水率は2.5%であった。
ウム、酢酸マグネシウムを含む水溶液で処理することな
く、EVOH(A)100部に対して水を70部となる
ように含有せしめた以外は同様に行い、EVOH組成物
フィルム及びEVOH組成物延伸フィルムを得て、同様
に評価を行った。この時のEVOH組成物フィルムの含
水率は35%、第1次延伸後の水分率は30%、第2次
延伸後の水分率は2%、調湿後の含水率は2.5%であ
った。
ウムを8ppm(カルシウム換算で2ppm)、酢酸マ
グネシウムを6ppm(マグネシウム換算で1pp
m)、酢酸とアルカリ土類金属の酢酸塩の重量比を2、
EVOH(A)100部に対して水を70部となるよう
に含有せしめた以外は同様に行って、EVOH組成物フ
ィルム及びEVOH組成物延伸フィルムを得て、同様に
評価を行った。この時のEVOH組成物フィルムの含水
率は35%、第1次延伸後の水分率は30%、第2次延
伸後の水分率は2%、調湿後の含水率は2.5%であっ
た。
ウムを990ppm(カルシウム換算で250pp
m)、酢酸マグネシウムを890ppm(マグネシウム
換算で150ppm)、酢酸とアルカリ土類金属の酢酸
塩の重量比を0.2、EVOH(A)100部に対して
水を70部となるように含有せしめた以外は同様に行っ
て、EVOH組成物フィルム及びEVOH組成物延伸フ
ィルムを得て、同様に評価を行った。この時のEVOH
組成物フィルムの含水率は35%、第1次延伸後の水分
率は30%、第2次延伸後の水分率は2%、調湿後の含
水率は2.5%であった。
ウムを250ppm(カルシウム換算で63ppm)、
酢酸マグネシウムを120ppm(マグネシウム換算で
20ppm)、酢酸とアルカリ土類金属の酢酸塩の重量
比を0.02、EVOH(A)100部に対して水を7
0部となるように含有せしめた以外は同様に行って、E
VOH組成物フィルム及びEVOH組成物延伸フィルム
を得て、同様に評価を行った。この時のEVOH組成物
フィルムの含水率は35%、第1次延伸後の水分率は3
0%、第2次延伸後の水分率は2%、調湿後の含水率は
2.5%であった。
ウムを160ppm(カルシウム換算で40ppm)、
酢酸マグネシウムを60ppm(マグネシウム換算で1
0ppm)、酢酸とアルカリ土類金属の酢酸塩の重量比
を15、EVOH(A)100部に対して水を70部と
なるように含有せしめた以外は同様に行って、EVOH
組成物フィルム及びEVOH組成物延伸フィルムを得
て、同様に評価を行った。この時のEVOH組成物フィ
ルムの含水率は35%、第1次延伸後の水分率は30
%、第2次延伸後の水分率は2%、調湿後の含水率は
2.5%であった。
た。但し、120℃では樹脂が溶融せずに押出不可であ
ったので、190℃で成形した。又、延伸処理におい
て、第2次延伸時にフィルムの破断が生じ、安定した延
伸が不可能で、延伸フィルムを得ることができなかっ
た。
った。EVOH組成物フィルム(原反フィルム)の成形
時において、バレルのフィールド部に水が析出し、吐出
不安定となり、膜厚が不均一な延伸用原反フィルムしか
得られなかったが、実施例1と同様に連続的に延伸処理
を行った。
行った。但し、120℃では樹脂が溶融せずに押出不可
であったので、210℃で成形した。又、延伸処理にお
いて、第2次延伸時にフィルムの破断が生じ、安定した
延伸が不可能で、延伸フィルムを得ることができなかっ
た。実施例及び比較例の評価結果を表1、2に示す。
ルカリ土類金属の酢酸塩(B)及び酢酸(C)、特定量
の水(D)を含有してなるため、溶融成形時のロングラ
ン性に非常に優れ、更にガスバリヤー性はもとより、長
時間の連続成形においてもスジ、フィッシュアイ、着色
のないフィルム外観や透明性に優れた成形物を得ること
ができ、又、本発明の成形物(フィルム、延伸フィルム
等)を少なくとも1層とした多層積層体は、食品や医薬
品、農薬品、工業薬品等の包装用材料として非常に有用
である。
は、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸バリウ
ム、酢酸ベリリウム等が挙げられるが、好ましくは酢酸
カルシウム、酢酸マグネシウムが採用される。又、これ
らは単独又は併用することもできる。該アルカリ土類金
属の酢酸塩(Β)の含有量は、EVOH(Α)に対して
アルカリ土類金属換算で5〜300ppm、好ましくは
10〜200ppm、更に好ましくは15〜150pp
mである。アルカリ土類金属の酢酸塩(Β)の含有量が
5ppm未満では本発明の効果が得られず、一方、30
0ppmを越えると組成物の熱分解が大きくなり臭気も
大きくなる。
OH組成物フイルムは、続いて第2次(TD方向)延伸
工程で横方向の延伸に供されるのであるが、かかる工程
においては、公知の方法を利用することができ、上記の
EVOH組成物フイルムを60〜140℃の条件下で横
方向に1.5〜8倍に延伸するのである。通常は、フイ
ルム両耳部をクリップではさむテンター方式で行われ
る。本条件以外ではクリップ部、クリップ−クリップ間
及びフイルム巾方向の中間部でのいずれかの破断が生
じ、目標の延伸フイルムを得ることは極めて困難であ
る。又、通常は更に熱固定を行う。熱固定とは緊張下に
温度120〜200℃で数秒ないし数分間フイルムを加
熱することで、更に熱固定後のフイルムに柔軟性と寸法
安定性を付与すために、含水率が0.3〜3重量%程度
になるまでフイルムを調湿してもよい。
Claims (3)
- 【請求項1】 エチレン含有量5〜60モル%、ケン化
度90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケ
ン化物(A)、アルカリ土類金属の酢酸塩(B)、酢酸
(C)、水(D)を含有してなり、かつ、アルカリ土類
金属の酢酸塩(B)の含有量が該共重合体ケン化物
(A)に対してアルカリ土類金属換算で5〜300pp
m、酢酸(C)とアルカリ土類金属の酢酸塩(B)の重
量比((C)/(B))が0.05〜10、水(D)の
含有量が該共重合体ケン化物(A)100重量部に対し
て10〜140重量部であることを特徴とするエチレン
−酢酸ビニル系共重合体ケン化物組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載のエチレン−酢酸ビニル系
共重合体ケン化物組成物を溶融押出してなることを特徴
とする成形物。 - 【請求項3】 請求項2記載の成形物を含水率5〜50
重量%で延伸してなることを特徴とする成形物。
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