JPH1149919A - エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物組成物及び その成形物 - Google Patents

エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物組成物及び その成形物

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JPH1149919A
JPH1149919A JP9225665A JP22566597A JPH1149919A JP H1149919 A JPH1149919 A JP H1149919A JP 9225665 A JP9225665 A JP 9225665A JP 22566597 A JP22566597 A JP 22566597A JP H1149919 A JPH1149919 A JP H1149919A
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evoh
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film
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JP9225665A
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English (en)
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Kenji Nimiya
賢二 仁宮
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロングラン性、透明性、ガスバリヤー性、フ
ィルム外観等に優れるエチレン−酢酸ビニル系共重合体
ケン化物組成物及びその成形物を提供すること。 【解決手段】 エチレン含有量5〜60モル%、ケン化
度90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物(以下EVOHと略す)(A)、アルカリ金属及び/又
はアルカリ土類金属の酢酸塩(B)、酢酸(C)、リン酸(D1)
又はアルカリ金属のリン酸水素塩(D2)、水(E)を含有し
てなり、かつ、該EVOH(A)に対して、アルカリ金属
及び/又はアルカリ土類金属の酢酸塩(B)の含有量が金
属換算で5〜300ppm、酢酸(C)の含有量が500ppm以下、リ
ン酸(D1)又はアルカリ金属のリン酸水素塩(D2)の含有量
がリン酸根換算で5〜300ppm、水(E)の含有量が該EVO
H(A)100重量部に対して10〜140重量部であるEVOH
組成物及び該EVOH組成物を溶融押出してなる成形
物。更に溶融押出して得られた成形物を含水率5〜50
重量%で延伸してなる成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−酢酸ビ
ニル系共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)
を主剤とするEVOH組成物及び該EVOH組成物から
の成形物、特にフィルム等の成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、EVOHフィルムは、そのガ
スバリヤー性を生かして、各種包装用途に多用されてい
る。かかるEVOHフィルムの製造法としては、EVO
H(ペレット)を溶融押出機等によりフィルム状に成形
し、更に1軸或いは2軸に延伸するのが一般的である
が、該製造法によっては、得られたEVOHフィルムに
ダイラインやフィッシュアイ等が生じたり、或いは透明
性に劣ったりすることも多く、又、製造中にゲルや目ヤ
ニ等が発生しロングラン成形が困難となり、実用に供す
るのが難しくなる。かかる対策として、本出願人は、E
VOHに水を含有せしめてなる樹脂組成物を用いること
を提案した(特願平8−313050号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が詳細に検討した結果、上記技術ではフィッシュアイ
の低減は認められるものの、長時間の連続運転における
EVOH成形物の外観及び品質の安定性については改善
の余地が残るものであり、技術の高度化と多様化に伴
い、更にロングラン性に優れ、スジやフィッシュアイや
着色のない、透明性に優れた外観の良好なEVOH成形
物(フィルム、シート、等)が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はかか
る事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、エチレン含有量
5〜60モル%、ケン化度90モル%以上のEVOH
(A)、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酢
酸塩(B)、酢酸(C)、リン酸(D1)又はアルカリ
金属のリン酸水素塩(D2)、水(E)を含有してな
り、かつ、該EVOH(A)に対して、アルカリ金属及
び/又はアルカリ土類金属の酢酸塩(B)の含有量が金
属換算で5〜300ppm、酢酸(C)の含有量が50
0ppm以下、リン酸(D1)又はアルカリ金属のリン
酸水素塩(D2)の含有量がリン酸根換算で5〜300
ppm、水(E)の含有量が該EVOH(A)100重
量部に対して10〜140重量部であるEVOH組成物
が、上記の課題を解決するものであることを見出し本発
明を完成するに至った。本発明において、上記EVOH
組成物を溶融押出して成形物、特にフィルム、シートと
することが好ましい。
【0005】又、本発明では、上記EVOH組成物を溶
融押出して得られた成形物、特にフィルム、シートを含
水率5〜50重量%で延伸することも好ましく、フィル
ム外観の優れた成形物が得られるのである。即ち、本発
明は、膜厚が均一で透明性やガスバリヤー性、スジ、フ
ィッシュアイの低減等に優れた外観の良好なEVOH組
成物の成形物(フィルム、シート等)を得ることができ
るのである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明のEVOH(A)としては、エチレン含
量5〜60モル%、好ましくは10〜60モル%、更に
好ましくは20〜55モル%、酢酸ビニル成分のケン化
度が90モル%以上、好ましくは95モル%以上のもの
が好適に用いられ、エチレン含量が5モル%未満では耐
水性が不十分となり、一方60モル%を越えるとガスバ
リヤー性が低下して好ましくない。又、ケン化度が90
モル%未満では耐水性が不十分となって好ましくない。
【0007】又、該EVOH(A)は更に少量のプロピ
レン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−
オクタデセン等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸又
はその塩・部分アルキルエステル・完全アルキルエステ
ル・ニトリル・アミド・無水物、不飽和スルホン酸又は
その塩、ビニルシラン化合物、塩化ビニル、スチレン等
のコモノマーを含んでいても差し支えない。又、本発明
の範囲で、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化
等「後変性」にされても差し支えない。
【0008】アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属
の酢酸塩(B)としては、酢酸リチウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウ
ム、酢酸バリウム、酢酸ベリリウム等が挙げられるが、
好ましくは酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシ
ウム、酢酸マグネシウムが採用される。又、これらは単
独又は併用することもできる。該アルカリ金属及び/又
はアルカリ土類金属の酢酸塩(B)の含有量は、EVO
H(A)に対して金属換算で5〜300ppm、好まし
くは10〜270ppm、更に好ましくは20〜250
ppmである。該酢酸塩(B)の含有量が5ppm未満
では本発明の効果を得ることができず、一方、300p
pmを越えると樹脂の熱分解が起こりやすくなり成形物
のスジと着色が大きくなる。
【0009】又、酢酸(C)の含有量は、EVOH
(A)に対して500ppm以下、好ましくは20〜4
00ppm、更に好ましくは30〜300ppmである
ことが必要である。かかる含有量が500ppmを越え
るとロングラン成形性が低下して本発明の効果を達成す
ることができない。
【0010】リン酸(D1)又はアルカリ金属のリン酸
水素塩(D2)の含有量は、EVOH(A)に対してリ
ン酸根換算で5〜300ppm、好ましくは10〜20
0ppm、更に好ましくは10〜150ppmであるこ
とが必要である。かかる含有量が5ppm未満では本発
明の効果を得ることができず、一方300ppmを越え
ると成形物にフィッシュアイが多発して外観不良とな
る。
【0011】ここで、アルカリ金属のリン酸水素塩(D
2)としては、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素
ナトリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリ
ウム等が例示されるが、リン酸二水素ナトリウム、リン
酸二水素カリウムがより好適に用いられる。
【0012】更に、本発明では、酢酸(C)とアルカリ
金属及び/又はアルカリ土類金属の酢酸塩(B)の重量
比((C)/(B))が0.01〜10、好ましくは
0.05〜5であることが望まれる。かかる値が0.0
1未満では成形物の着色が大きくなり、10を越えると
ロングラン成形性が低下することとなり好ましくない。
又、リン酸(D1)又はアルカリ金属のリン酸水素塩
(D2)とアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の
酢酸塩(B)の重量比((D1)又は(D2)/
(B))が0.01〜5、好ましくは0.03〜3であ
ることが望まれる。かかる値が0.01未満では成形物
の着色が大きくなり、10を越えるとフィッシュアイが
多発して外観不良となり好ましくない。
【0013】本発明においては、上記の如くEVOH
(A)、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酢
酸塩(B)、酢酸(C)、リン酸(D1)又はアルカリ
金属のリン酸水素塩(D2)及び水(E)を含有させて
EVOH組成物を得るが、かかる水(E)の含有量はE
VOH(A)100重量部に対して10〜140重量
部、好ましくは15〜120重量部、更に好ましくは2
0〜100重量部である。水(E)の含有量が10重量
部未満では押出成形温度を上げる必要がありロングラン
成形性が低下するばかりでなく、均一な延伸が困難とな
り、逆に140重量部を越えると押出機中で樹脂と水分
の一部分離が起こり押出が不安定になる。
【0014】EVOH組成物の製造方法は特に制限はな
く、要はEVOH(A)、アルカリ金属及び/又はアル
カリ土類金属の酢酸塩(B)、酢酸(C)、リン酸(D
1)又はアルカリ金属のリン酸水素塩(D2)及び水
(E)を上記の範囲内で含有されるようにすればよく、
例えば、EVOH(A)の粉末、ペレット、粒状物に
アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酢酸塩
(B)、酢酸(C)及びリン酸(D1)又はアルカリ金
属のリン酸水素塩(D2)を任意の形態にして混合し、
水(E)を混合する方法、EVOH(A)製造時の任
意の段階、即ち重合時、ケン化時、後処理時、乾燥時の
任意の段階でアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属
の酢酸塩(B)、酢酸(C)及びリン酸(D1)又はア
ルカリ金属のリン酸水素塩(D2)を所定量含有させ、
EVOHの製造後に水(E)を混合する方法、EVO
H(A)と水(E)を混合撹拌してあるいは蒸気を吹き
込んで吸水させた後アルカリ金属及び/又はアルカリ土
類金属の酢酸塩(B)、酢酸(C)及びリン酸(D1)
又はアルカリ金属のリン酸水素塩(D2)を混合する方
法、EVOH(A)の水/メタノール混合液を凝固液
槽中に押出して多孔性の含水EVOH成形物を得た後、
水中でアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酢酸
塩(B)、酢酸(C)及びリン酸(D1)又はアルカリ
金属のリン酸水素塩(D2)を含浸させて、上記範囲の
含水量まで乾燥する方法、等の方法が挙げられる。但
し、これらに限定されることはない。
【0015】又、EVOH(A)の製造時に若干のメタ
ノール、イソプロピルアルコール等のアルコールととも
に含水させておくことも可能である。この際、少量のエ
チレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン
等の可塑剤を含んでいても差し支えない。エチレングリ
コール、プロピレングリコール、グリセリン等の可塑剤
の含有量は0.2〜10重量%程度が適当である。又、
酸化防止剤、滑剤、ハイドロタルサイト類、帯電防止
剤、着色剤、紫外線吸収剤、無機・有機充填材、抗菌剤
等を本発明の効果を阻害しない範囲で添加することがで
きる。
【0016】かくして本発明のEVOH組成物が得られ
る。該EVOH組成物は次いで溶融押出機に供されて成
形物に溶融成形される。フィルムの場合、かかる成形時
の条件としては、特に限定されないが、通常はノンベン
ト、スクリュータイプ押出機を用い溶融温度40〜15
0℃で押出製膜される。製膜されたフィルム中に均一な
分布で水を残留させる為に、圧縮比2.0〜4.0のス
クリューを用いることが好ましい。
【0017】上記の方法で得られたフィルム状のEVO
H組成物の成形物は、必要に応じて次いで延伸に供され
るのであるが、かかる延伸時(延伸直前)のEVOH組
成物の成形物の含水率を5〜50重量%、好ましくは7
〜45重量%、更に好ましくは10〜40重量%に調整
することも重要で、かかる含水率が5重量%未満では延
伸斑を生じやすく、破断の原因ともなり、逆に50重量
%を越えると充分な延伸配向によるガスバリヤー性と強
度の改善効果が得られず、好ましくない。かかる含水率
の調整方法としては、特に限定されず、製膜直後に調湿
操作を加えることもできる。
【0018】延伸については、1軸延伸法、2軸延伸法
(同時、逐次)等があり、特に限定されないが、本発明
は、特に逐次2軸延伸法における第1次(MD方向)延
伸に効果的であり、かかる延伸方法について詳細に説明
する。
【0019】上記の含水率が調整されたフィルム状のE
VOH組成物の成形物は、第1次(MD方向)延伸工程
に供される。かかる第1次(MD方向)延伸は、公知の
方法を利用することができ、上記の成形物を40〜10
0℃の条件下で縦方向に1.5〜8倍に延伸するのであ
る。かかる第1次(MD方向)延伸の処理後の含水率は
0.5〜45重量%、好ましくは1〜40重量%にする
ことが望ましく、0.5重量%未満では第2次(TD方
向)延伸での延伸斑が生じ、同時の延伸倍率まで延伸す
ることが困難となり、逆に45重量%を越えると第1次
の延伸配向効果が期待できず、ガスバリヤー性、強度の
改善効果が少なくなって好ましくない。かかる含水率の
調整方法としては予熱ロールの温度と時間、第1次(M
D方向)延伸の温度と延伸速度等により行うことができ
る。
【0020】上記の第1次(MD方向)延伸されたEV
OH組成物フィルムは、続いて第2次(TD方向)延伸
工程で横方向の延伸に供されるのであるが、かかる工程
においては、公知の方法を利用することができ、上記の
EVOH組成物フィルムを60〜140℃の条件下で横
方向に1.5〜8倍に延伸するのである。通常は、フィ
ルム両耳部をクリップではさむテンター方式で行われ
る。本条件以外ではクリップ部、クリップ−クリップ間
及びフイルム巾方向の中間部でのいずれかの破断が生
じ、目標の延伸フィルムを得ることは極めて困難であ
る。又、通常は更に熱固定を行う。熱固定とは緊張下に
温度120〜200℃で数秒ないし数分間フィルムを加
熱することで、更に熱固定後のフィルムに柔軟性と寸法
安定性を付与するために、含水率が0.3〜3重量%、
好ましくは0.5〜2重量%程度になるまでフィルムを
調湿してもよい。
【0021】かくしてEVOH(A)、アルカリ金属及
び/又はアルカリ土類金属の酢酸塩(B)、酢酸
(C)、リン酸(D1)又はアルカリ金属のリン酸水素
塩(D2)及び水(E)を特定量含有してなるEVOH
組成物は、溶融押出により、ロングラン性に優れ、スジ
やフィッシュアイ、着色のない、透明性に優れた外観の
良好な成形物を得ることができるのである。
【0022】本発明で得られたEVOH組成物の成形物
(フィルム、シート等)は、単層のみならず、かかるフ
ィルムを少なくとも一層とする積層体として実用に供せ
られることが多い。該積層体の製造に当たっては、本発
明の製造法により得られたフィルム、シート等の成形物
の層の片面又は両面に他の基材をラミネートするのであ
るが、ラミネート方法としては、例えば、該成形物と他
の基材のフィルム、シートとを有機チタン化合物、イソ
シアネート化合物、ポリエチレンイミン系化合物、ポリ
エステル系化合物、ポリウレタン系化合物等の公知の接
着剤を用いてラミネートする方法等が挙げられる。
【0023】かかる他の基材フィルムとしては、直鎖状
低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロ
ピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20
のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテ
ン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらの
オレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又は
そのエステルでグラフト変性したもの等の広義のポリオ
レフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、
ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹
脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラスト
マー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、E
VOH等が挙げられ、更には、紙、金属箔、1軸又は2
軸延伸プラスチックフイルム又はシート、織布、不織
布、金属綿条、木質面なども使用可能である。
【0024】積層体の層構成としては、EVOHフィル
ムの層をI(I1,I2,・・・)、他の基材、例えば熱可
塑性樹脂層をII(II1,II2,・・・)とするとき、フィ
ルム、シート状であれば、I/IIの二層構造のみなら
ず、II/I/II、I/II/I、I1/I2/II、I/II1/II2、
II2/II1/I/II1/II2など任意の組合せが可能であ
る。
【0025】かくして、本発明のEVOH組成物の成形
物(フィルム、シート等)やその積層体は、その特性、
即ち外観特性、ガスバリヤー性等に優れるため、食品や
医薬品、農薬品、工業薬品包装用のフィルム、シート、
チューブ、袋、容器等の用途に非常に有用である。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、例中、「部」、「%」とあるのは、特に断り
のない限り重量基準を意味する。 実施例1 エチレン含量40モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合
体の40%メタノール溶液1000部を耐圧反応器に入
れ、撹拌しながら110℃に加熱した。続いて水酸化ナ
トリウムの6%メタノール溶液40部及びメタノール2
500部を連続的に仕込むと共に副生する酢酸メチル及
び余分のメタノールを系から留出させながら2.5時間
ケン化反応を行い、酢酸ビニル成分のケン化度99.0
モル%のEVOH(A)を得た。
【0027】ケン化終了液に30%含水メタノールを4
50部仕込みながら余分のメタノールを留去させ、水/
メタノール溶液を製造した。前記のEVOH(A)の水
/メタノール混合液を水/メタノール(混合比9/1)
凝固液槽(巾100mm、長さ4000mm、深さ10
0mm)にストランド状に押出した。凝固終了後、凝固
液槽の端部に付設された引き取りローラーを経て、スト
ランド状物をカッターで切り離し、白色、多孔性のペレ
ットを製造した。
【0028】次に、該ペレット100部を0.1%酢酸
水溶液300部に浸漬し、30℃で1時間撹拌して洗浄
を2回繰り返した。該スラリーをろ別した後、得られた
ペレットを0.1%酢酸、0.015%酢酸カリウム、
0.01%酢酸マグネシウム、0.007%リン酸二水
素ナトリウムを含む水溶液300部と混合し、30℃で
1時間撹拌した後、ろ別し、EVOH(A)100部に
対して水70部となるように乾燥した。
【0029】かくして得られたEVOH組成物はエチレ
ン含有量40モル%、ケン化度99.0%のEVOH
(A)と該EVOH(A)に対して酢酸の含有量が10
0ppm、酢酸カリウムの含有量が150ppm(カリ
ウム換算で60ppm)、酢酸マグネシウムの含有量が
105ppm(マグネシウム換算で18ppm)、リン
酸二水素ナトリウムの含有量が65ppm(リン酸根換
算では50ppm)、酢酸とアルカリ金属及び/又はア
ルカリ土類金属の酢酸塩の重量比が0.4、リン酸二水
素ナトリウムとアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金
属の酢酸塩の重量比が0.25、水の含有量が該EVO
H(A)100部に対して70部の組成物であった。
【0030】尚、アルカリ金属、アルカリ土類金属の定
量法は以下の通りであった。乾燥した試料約80gを精
秤し、そのうちの約10gを恒量化した白金蒸発皿に入
れ、電熱器で炭化した。次にガスバーナーで加熱し、煙
が出なくなる間で焼いた。約400℃の電気炉内に前記
の白金蒸発皿を入れ、磁性ルツボ蓋で大半を覆い、70
0℃まで徐々に昇温した。700℃に3時間保持して完
全灰下させた。白金ルツボに特級塩酸2ml及び純水3
mlを入れ、電熱器で加熱して溶解した。上記溶液を5
0mlメスフラスコに純水で流し込み、更に標線まで純
水を追加して原子吸光分析用の試料とした。
【0031】別途、調製した標準液(アルカリ金属又は
アルカリ土類金属1ppm、塩酸約0.5N)を対照液
として原子吸光度の測定を行い、吸光度の比率からアル
カリ土類金属の量を定量した。測定条件は次の通りであ
る。 装 置:日立180−30形 原子吸光/炎光分光
光度計 フレーム:アセチレン−空気
【0032】又、リン酸、アルカリ金属のリン酸水素塩
の定量法は以下の通りであった。JIS K−0102
に準じモリブデン青(アスコルビン酸)吸光光度法によ
った。但し、試料の調製は次の手順によった。 1.試料1gを精秤し、300mlのケルダールフラス
コに投入する。 2.純水約5mlを加え、濃硫酸約15mlを徐々に滴
下する。 3.ケルダールフラスコをヒーターで加熱し、乾固直前
まで水と硫酸を除去する。 4.冷却後、濃硫酸約5mlを追加し、ケルダールフラ
スコの口を漏斗で覆い、再び加熱する。
【0033】5.白煙がケルダールフラスコ内に充満し
始めた後、濃硫酸数滴を徐々に加え、ケルダールフラス
コ内が、NOxガスで茶褐色を呈した後、硝酸の滴下を
中止し、白煙に置換されるまで加熱を続ける。加熱下の
硝酸滴下操作を数回、繰り返す。 6.ケルダールフラスコ内の溶液が無色〜黄緑色透明を
呈した後硝酸の滴下を中止し、溶液中の残硝酸及び残水
分を追い出す。 7.ケルダールフラスコの口を覆った漏斗を取り外し、
残量2〜3mlになるまで強熱して硫酸を追い出す。 ◎別に(試料)を加えない空試験も同時に実施する。
【0034】そして、該EVOH組成物をTダイを備え
た単軸押出機に供給し、厚さ120μmのEVOH組成
物フィルムの成形を行った。単軸押出機による製膜条件
は下記の通りとした。 スクリュー内径 40mm L/D 28 スクリュー圧縮比 3.2 Tダイ コートハンガータイプ ダイ巾 450mm 押出温度 C1:110℃、 H:110℃ C2:120℃、 D:110℃ C3:100℃、 C4:100℃
【0035】長時間(4日間及び10日間)連続運転時
のEVOH組成物フィルムの外観について下記の項目を
評価した。 (フィルム外観) スジ スジの有無を下記の基準で評価した。 ○・・・スジは認められなかった。 △・・・スジが僅かに認められるが、実用上問題なし。 ×・・・スジが多発し、実用上使用困難であった。
【0036】フィッシュアイ フィッシュアイの有無を下記の基準で評価した。 ○・・・0〜3個/100cm2(フィルムサイズ;1
0cm×10cm) △・・・4〜20個/100cm2 ×・・・21個以上/100cm2
【0037】着色 着色の有無を下記の基準で評価した。 ○・・・着色は認められなかった。 △・・・黄着色が僅かに認められた。 ×・・・黄着色が大で実用上使用困難であった。
【0038】次いで、上記の成形で得られたEVOH組
成物フィルム(含水率35%)を原反として、連続的に
下記の条件で逐次2軸延伸、熱固定及び調湿を行って、
EVOH組成物延伸フィルムを得た。
【0039】[第1次延伸(縦延伸)条件] 延伸機 ロール式1次延伸機 延伸ロール温度 70℃ 縦方向延伸倍率 2.0倍 延伸後の膜厚 60μm 延伸後の含水率 30%
【0040】[第2次延伸(横延伸)条件] 延伸機 テンター式2軸延伸機 延伸温度 110℃ 横方向延伸倍率 3.0倍 延伸後の膜厚 20μm 延伸後の含水率 2%
【0041】[熱固定条件] 温度 160℃ 時間 3秒 [調湿条件] 20℃、65%RH下に7日放置 調湿後の含水率 2.5% 得られたEVOH組成物(2軸)延伸フィルムについ
て、上記と同様の評価を行った。
【0042】実施例2 実施例1において、エチレン含有量が35モル%、ケン
化度が99.8モル%のEVOH(A)を用い、酢酸、
酢酸カリウム、リン酸二水素ナトリウムを含む水溶液で
処理し、該EVOH(A)に対して酢酸の含有量を15
0ppm、酢酸カリウムを300ppm(カリウム換算
で120ppm)、リン酸二水素ナトリウムの含有量を
50ppm(リン酸根換算では40ppm)、酢酸とア
ルカリ金属の酢酸塩の重量比が0.5、リン酸二水素ナ
トリウムとアルカリ金属の酢酸塩の重量比が0.17、
該EVOH(A)100部に対して水を34部となるよ
うに含有せしめた以外は同様に行って、EVOH組成物
フィルム及びEVOH組成物延伸フィルムを得て、同様
に評価を行った。この時のEVOH組成物フィルムの含
水率は22%、第1次延伸後の水分率は20%、第2次
延伸後の水分率は0.6%、調湿後の含水率は2.5%
であった。
【0043】実施例3 実施例1において、エチレン含有量が28モル%、ケン
化度が98.6モル%のEVOH(A)を用い、酢酸、
酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、リン酸を含む水溶液
で処理し、該EVOH(A)に対して酢酸の含有量を8
0ppm、酢酸ナトリウムを180ppm(ナトリウム
換算で50ppm)、酢酸カルシウムを400ppm
(カルシウム換算で100ppm)、リン酸の含有量を
90ppm(リン酸根換算では87ppm)、酢酸とア
ルカリ金属及びアルカリ土類金属の酢酸塩の重量比が
0.14、リン酸とアルカリ金属及びアルカリ土類金属
の酢酸塩の重量比が0.16、該EVOH(A)100
部に対して水を55部となるように含有せしめた以外は
同様に行って、EVOH組成物フィルム及びEVOH組
成物延伸フィルムを得て、同様に評価を行った。この時
のEVOH組成物フィルムの含水率は33%、第1次延
伸後の水分率は28%、第2次延伸後の水分率は1.5
%、調湿後の含水率は2.8%であった。
【0044】実施例4 実施例1において、エチレン含有量が35モル%、ケン
化度が99.8モル%のEVOH(A)を用い、酢酸、
酢酸カリウム、酢酸カルシウム、リン酸二水素ナトリウ
ムを含む水溶液で処理し、該EVOH(A)に対して酢
酸の含有量を220ppm、酢酸カリウムを50ppm
(カリウム換算で20ppm)、酢酸カルシウムを24
0ppm(カルシウム換算で60ppm)、リン酸二水
素ナトリウムの含有量を25ppm(リン酸根換算では
20ppm)、酢酸とアルカリ金属及びアルカリ土類金
属の酢酸塩の重量比が0.76、リン酸二水素ナトリウ
ムとアルカリ金属及びアルカリ土類金属の酢酸塩の重量
比が0.09、該EVOH(A)100部に対して水を
34部となるように含有せしめた以外は同様に行って、
EVOH組成物フィルム及びEVOH組成物延伸フィル
ムを得て、同様に評価を行った。この時のEVOH組成
物フィルムの含水率は22%、第1次延伸後の水分率は
20%、第2次延伸後の水分率は0.6%、調湿後の含
水率は2.5%であった。
【0045】比較例1 実施例1において、EVOH(A)を酢酸、酢酸カリウ
ム、酢酸マグネシウム、リン酸二水素ナトリウムを含む
水溶液で処理することなく、EVOH(A)100部に
対して水を70部となるように含有せしめた以外は同様
に行い、EVOH組成物フィルム及びEVOH組成物延
伸フィルムを得て、同様に評価を行った。この時のEV
OH組成物フィルムの含水率は35%、第1次延伸後の
水分率は30%、第2次延伸後の水分率は2%、調湿後
の含水率は2.5%であった。
【0046】比較例2 実施例1において、EVOH(A)に対して酢酸を80
0ppm、酢酸カリウムを150ppm(カリウム換算
で60ppm)、酢酸マグネシウムを105ppm(マ
グネシウム換算で18ppm)、リン酸二水素ナトリウ
ムを65ppm(リン酸根換算で50ppm)、酢酸と
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の酢酸塩の重量比が
3.1、リン酸二水素ナトリウムとアルカリ金属及びア
ルカリ土類金属の酢酸塩の重量比が0.25、EVOH
(A)100部に対して水を70部となるように含有せ
しめた以外は同様に行って、EVOH組成物フィルム及
びEVOH組成物延伸フィルムを得て、同様に評価を行
った。この時のEVOH組成物フィルムの含水率は35
%、第1次延伸後の水分率は30%、第2次延伸後の水
分率は2%、調湿後の含水率は2.5%であった。
【0047】比較例3 実施例1において、EVOH(A)に対して酢酸を10
0ppm、酢酸カリウムを5ppm(カリウム換算で2
ppm)、酢酸マグネシウムを6ppm(マグネシウム
換算で1ppm)、リン酸二水素ナトリウムを65pp
m(リン酸根換算で50ppm)、酢酸とアルカリ金属
及びアルカリ土類金属の酢酸塩の重量比が9.1、リン
酸二水素ナトリウムとアルカリ金属及びアルカリ土類金
属の酢酸塩の重量比が5.9、EVOH(A)100部
に対して水を70部となるように含有せしめた以外は同
様に行って、EVOH組成物フィルム及びEVOH組成
物延伸フィルムを得て、同様に評価を行った。この時の
EVOH組成物フィルムの含水率は35%、第1次延伸
後の水分率は30%、第2次延伸後の水分率は2%、調
湿後の含水率は2.5%であった。
【0048】比較例4 実施例1において、EVOH(A)に対して酢酸を10
0ppm、酢酸カリウムを630ppm(カリウム換算
で250ppm)、酢酸マグネシウムを900ppm
(マグネシウム換算で152ppm)、リン酸二水素ナ
トリウムを65ppm(リン酸根換算で50ppm)、
酢酸とアルカリ金属及びアルカリ土類金属の酢酸塩の重
量比が0.07、リン酸二水素ナトリウムとアルカリ金
属及びアルカリ土類金属の酢酸塩の重量比が0.04、
EVOH(A)100部に対して水を70部となるよう
に含有せしめた以外は同様に行って、EVOH組成物フ
ィルム及びEVOH組成物延伸フィルムを得て、同様に
評価を行った。この時のEVOH組成物フィルムの含水
率は35%、第1次延伸後の水分率は30%、第2次延
伸後の水分率は2%、調湿後の含水率は2.5%であっ
た。
【0049】比較例5 実施例1において、EVOH(A)に対して酢酸を10
0ppm、酢酸カリウムを150ppm(カリウム換算
で60ppm)、酢酸マグネシウムを105ppm(マ
グネシウム換算で18ppm)、リン酸二水素ナトリウ
ムを4ppm(リン酸根換算で3ppm)、酢酸とアル
カリ金属及びアルカリ土類金属の酢酸塩の重量比が0.
4、リン酸二水素ナトリウムとアルカリ金属及びアルカ
リ土類金属の酢酸塩の重量比が0.02、EVOH
(A)100部に対して水を70部となるように含有せ
しめた以外は同様に行って、EVOH組成物フィルム及
びEVOH組成物延伸フィルムを得て、同様に評価を行
った。この時のEVOH組成物フィルムの含水率は35
%、第1次延伸後の水分率は30%、第2次延伸後の水
分率は2%、調湿後の含水率は2.5%であった。
【0050】比較例6 実施例1において、EVOH(A)に対して酢酸を10
0ppm、酢酸カリウムを150ppm(カリウム換算
で60ppm)、酢酸マグネシウムを105ppm(マ
グネシウム換算で18ppm)、リン酸二水素ナトリウ
ムを520ppm(リン酸根換算で410ppm)、酢
酸とアルカリ金属及びアルカリ土類金属の酢酸塩の重量
比が0.4、リン酸二水素ナトリウムとアルカリ金属及
びアルカリ土類金属の酢酸塩の重量比が2.0、EVO
H(A)100部に対して水を70部となるように含有
せしめた以外は同様に行って、EVOH組成物フィルム
及びEVOH組成物延伸フィルムを得て、同様に評価を
行った。この時のEVOH組成物フィルムの含水率は3
5%、第1次延伸後の水分率は30%、第2次延伸後の
水分率は2%、調湿後の含水率は2.5%であった。
【0051】 比較例7実施例1において、水を5部とした以外は同様
に行った。但し、120℃では樹脂が溶融せずに押出不
可であったので、190℃で成形した。又、延伸処理に
おいて、第2次延伸時にフィルムの破断が生じ、安定し
た延伸が不可能で、延伸フィルムを得ることができなか
った。
【0052】比較例8 実施例1において、水を200部とした以外は同様に行
った。EVOH組成物フィルム(原反フィルム)の成形
時において、バレルのフィールド部に水が析出し、吐出
不安定となり、膜厚が不均一な延伸用原反フィルムしか
得られなかったが、実施例1と同様に連続的に延伸処理
を行った。
【0053】比較例9 実施例1において、水を含有させなかった以外は同様に
行った。但し、120℃では樹脂が溶融せずに押出不可
であったので、210℃で成形した。又、延伸処理にお
いて、第2次延伸時にフィルムの破断が生じ、安定した
延伸が不可能で、延伸フィルムを得ることができなかっ
た。実施例及び比較例の評価結果を表1、2に示す。
【0054】
【表1】 (EVOH組成物フィルム(原反フィルム)) 4日間連続運転時 10日間連続運転時 フィルム外観 フィルム外観 スジ フィッシュアイ 着色 スジ フィッシュアイ 着色 実施例1 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 4 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 比較例1 ○ ○ ○ △ × ○ 〃 2 △ △ ○ × × ○ 〃 3 ○ ○ ○ △ × ○ 〃 4 × ○ × × ○ × 〃 5 ○ ○ ○ △ × ○ 〃 6 ○ × ○ ○ × ○ 〃 7 × ○ ○ × × △ 〃 8 × ○ ○ × ○ ○ 〃 9 × × ○ × × △
【0055】
【表2】 (EVOH組成物延伸フィルム) 4日間連続運転時 10日間連続運転時 フィルム外観 フィルム外観 スジ フィッシュアイ 着色 スジ フィッシュアイ 着色 実施例1 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 4 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 比較例1 ○ ○ ○ △ × ○ 〃 2 ○ △ ○ × × ○ 〃 3 ○ ○ ○ △ × ○ 〃 4 × ○ × × ○ × 〃 5 ○ ○ ○ △ × ○ 〃 6 ○ × ○ ○ × ○ 〃 7 延伸フィルムは得られなかった。 〃 8 × ○ ○ × ○ ○ 〃 9 延伸フィルムは得られなかった。
【0056】
【発明の効果】本発明は、EVOH(A)、特定量のア
ルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酢酸塩
(B)、酢酸(C)、リン酸(D1)又はアルカリ金属
のリン酸水素塩(D2)、水(E)を含有してなるた
め、溶融成形時のロングラン性に非常に優れ、更にガス
バリヤー性はもとより、長時間の連続成形においてもス
ジ、フィッシュアイ、着色のないフィルム外観や透明性
に優れた成形物を得ることができ、又、本発明の成形物
(フィルム、延伸フィルム等)を少なくとも1層とした
多層積層体は、食品や医薬品、農薬品、工業薬品等の包
装用材料として非常に有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08K 13/02 3:32 5:098 5:09 3:18) B29K 29:00 B29L 7:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有量5〜60モル%、ケン化
    度90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケ
    ン化物(A)、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金
    属の酢酸塩(B)、酢酸(C)、リン酸(D1)又はア
    ルカリ金属のリン酸水素塩(D2)、水(E)を含有し
    てなり、かつ、該共重合体ケン化物(A)に対して、ア
    ルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酢酸塩(B)
    の含有量が金属換算で5〜300ppm、酢酸(C)の
    含有量が500ppm以下、リン酸(D1)又はアルカ
    リ金属のリン酸水素塩(D2)の含有量がリン酸根換算
    で5〜300ppm、水(E)の含有量が該共重合体ケ
    ン化物(A)100重量部に対して10〜140重量部
    であることを特徴とするエチレン−酢酸ビニル系共重合
    体ケン化物組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエチレン−酢酸ビニル系
    共重合体ケン化物組成物を溶融押出してなることを特徴
    とする成形物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の成形物を含水率5〜50
    重量%で延伸してなることを特徴とする成形物。
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