JPH1148715A - 空気入りタイヤのトレッド細溝形成方法 - Google Patents

空気入りタイヤのトレッド細溝形成方法

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JPH1148715A
JPH1148715A JP9209166A JP20916697A JPH1148715A JP H1148715 A JPH1148715 A JP H1148715A JP 9209166 A JP9209166 A JP 9209166A JP 20916697 A JP20916697 A JP 20916697A JP H1148715 A JPH1148715 A JP H1148715A
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narrow groove
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裕二 山口
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    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/12Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造上に問題を生じることなくトレッドに細
溝を形成する。 【解決手段】 ゴム層20と不織布からなる繊維層22
とをタイヤ幅方向に交互に積層してトレッド12のキャ
ップ部12Aを構成する。走行入力によって繊維層22
が剥離し、トレッド12の表面に細溝24が多数出現す
る。細溝24は、接地面内の水を排水する排水路の役目
をするのでウエット性能や氷上性能等が向上する。加硫
金型にブレードを設けなくても細溝24を形成できるの
で、従来技術では不可能であった狭い間隔の細溝を持つ
空気入りタイヤでもベア、ブロックの脱落等の不具合を
生じることなく製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気入りタイヤのト
レッド細溝形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ウエット性能や氷上性能を向上させるた
め、トレッドには溝幅の狭い、いわゆるサイプと呼ばれ
る細溝が適用されている。上記サイプは、ブレードと呼
ばれる金属板を加硫金型に植え付けることにより、タイ
ヤの加硫成型時にトレッド部に形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記性能に
合致させるためにサイプ間隔を変更する場合には、加硫
金型を作りかえるか、新設する必要があり、コストと時
間がかかるという問題がある。
【0004】また、従来技術では、加硫金型にブレード
を植え付けているため、ブレードの植え込み間隔を狭く
する、また、ブレードの埋め込み密度を大きくすること
によって更なる上記性能の向上を狙ってもゴム流れが悪
くなり、ブロックの中央付近でベアが発生したり、ブロ
ック剛性の低下によりタイヤがモールドから抜け出る際
にブロックの一部又は全てが脱落してしまう不具合(ブ
ロック欠け)により、ブレードの間隔を狭めたり、密度
を多くするにも自ずと制限があった。
【0005】本発明は上記事実を考慮し、製造上に問題
を生じることなくトレッドに細溝を形成することのでき
る空気入りタイヤのトレッド細溝形成方法を提供するこ
とが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、一対のビードコア間にトロイド状をなして跨がるカ
ーカスのクラウン部外周に補強層とトレッドを順次配置
した空気入りタイヤの前記トレッドに細溝を形成する空
気入りタイヤのトレッド細溝形成方法であって、前記ト
レッドの少なくとも接地部分の一部を、ゴム層と、前記
ゴム層のゴムよりも強度の低い材質からなる低強度層
と、が互いに隣り合うように積層された積層体とし、前
記積層体を変形させ、前記低強度層を剥離させる及び又
は低強度層自体を破壊することで前記ゴム層とゴム層と
の間に細溝を形成することを特徴としている。
【0007】請求項1に記載の空気入りタイヤのトレッ
ド細溝形成方法では、ゴム層と低強度層とが互いに隣り
合うように積層された積層体を変形させると、低強度層
がゴム層から剥離したり、低強度層自身が破壊されたり
してゴム層とゴム層との間に細溝が形成される。
【0008】本発明によれば、所望の間隔で低強度層を
積層することができるので、同一の加硫金型で細溝間隔
の異なる空気入りタイヤを製造することができ、加硫金
型を作りかえたり新設する必要がない。また、ベア、ブ
ロックの脱落等により、ブレードを用いた従来技術では
不可能であった狭い間隔の細溝を持つ空気入りタイヤを
も製造することができる。
【0009】ところで、ブレードは、加工の問題及び曲
がりや損傷の抑制のため、例えばトラックバス用のタイ
ヤで0.6mm、乗用車用のタイヤで0.4mm以上の厚さ
に設定されているが、本発明では加硫金型にブレードを
必要とせず、低強度層の厚さで細溝の幅を設定できるた
め、ブレードよりも薄い低強度層を用いることができ
る。したがって、タイヤ製造上に問題を生じさせずに従
来よりも幅狭の細溝を簡単に形成することができる。
【0010】なお、ゴム層と低強度層とが互いに積層さ
れた積層体はトレッドの少なくとも接地部分の一部にあ
れば良く、必ずしもトレッド全体に無くても良い。例え
ば、トレッドがキャップ・ベース構造である場合には、
キャップ部のみをこのような積層体とすれば良い。
【0011】トレッドは、ブロックパターン、リブパタ
ーン、ラグパターン等の何れのパターンであっても良
く、パターン無し(溝無し)であっても良い。
【0012】なお、積層体を変形させる方法としては、
例えば、表面を適度に荒らした回転ドラムに押し当てて
タイヤを回転させる方法、タイヤを車両に装着して走行
させる方法、タイヤを振動する物体(バイブレーター
等)に押し当てる方法等があるが、積層体に外力を付与
して低強度層が剥離又は破壊されれば他の方法で行って
も良い。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の空気入りタイヤのトレッド細溝形成方法において、前
記低強度層が繊維層であることを特徴としている。
【0014】請求項2に記載の空気入りタイヤのトレッ
ド細溝形成方法では、積層体の変形により繊維層が剥離
したり、繊維層自身が破壊されることにより細溝が形成
される。繊維層は、無数の繊維から構成されており、繰
り返し変形によって剥離や破壊が起きやすい。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の空気入りタイヤのトレッド細溝形成方法において、前
記繊維層が不織布からなることを特徴としている。
【0016】不織布は、例えば、緯糸と経糸とからなる
織物と比較して薄く形成することができ、これによって
幅狭の細溝を形成することが可能となる。さらに、不織
布は、製造方法によって繊維の方向を一方向に揃えた
り、ランダムにすることができ、ゴムとの剥離性及び破
壊性を高めることができる。
【0017】不織布の製法としては、カーディング法、
抄紙法、エアレイ法、メルトブロー、スパンボンド法な
どがあり、これらの製法によってウェブを作製する。メ
ルトブロー、スパンボンド法以外のウェブでの繊維の結
合方法として、熱融着、バインダによる方法、水流また
は針の力で繊維を交絡させる水流絡合法、ニードルパン
チ法を好適に利用することができる。とりわけ、水流ま
たは針で繊維を交絡させる水流絡合法、ニードルパンチ
法およびメルトブロー、スパンボンド法により得られた
不織布が好適である。
【0018】請求項4に記載の発明は、一対のビードコ
ア間にトロイド状をなして跨がるカーカスのクラウン部
外周に補強層とトレッドを順次配置した空気入りタイヤ
の前記トレッドに細溝を形成する空気入りタイヤのトレ
ッド細溝形成方法であって、前記トレッドの少なくとも
接地部分の一部を、ゴム層と、液体によって溶解する溶
解層とが互いに隣り合うように積層された積層体とし、
前記溶解層に液体を付与して溶解層を溶解させることで
前記ゴム層とゴム層との間に細溝を形成することを特徴
としている。
【0019】溶解層に液体を付与すると、付与された液
体によって溶解層が溶解し、ゴム層とゴム層との間に細
溝が形成される。なお、本発明によれば溶解層を完全に
除去することができる。
【0020】なお、溶解層を水によって溶解する材質で
形成すると、路面の水によって溶解層が溶けるので、ウ
エット路面や氷路面を走行したときに水によって細溝を
形成することができる。
【0021】液体は、溶解層を溶かすことのできるもの
であれば水以外であっても良く、溶解層も水以外の液体
で溶けるような材質であっても良い。
【0022】なお、溶解層を、水溶性の繊維からなる繊
維層としても良い。溶解層を水溶性の繊維からなる繊維
層とすると、水分を吸収し易く、素早く溶ける。
【0023】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤのトレッド
細溝形成方法において、前記積層体は、積層方向がタイ
ヤ幅方向であることを特徴としている。
【0024】請求項5に記載の空気入りタイヤのトレッ
ド細溝形成方法では、積層体の積層方向がタイヤ幅方向
であるので、形成される細溝の方向はタイヤ周方向とな
る。
【0025】タイヤ周方向に延びる細溝は、接地面内の
水をタイヤ周方向に排出するので、特に氷上ブレーキ性
能が向上する。
【0026】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤのトレッド
細溝形成方法において、前記積層体は、積層方向がタイ
ヤ周方向であることを特徴としている。
【0027】請求項6に記載の空気入りタイヤのトレッ
ド細溝形成方法では、積層体の積層方向がタイヤ周方向
であるので、形成される細溝の方向はタイヤ幅方向とな
る。
【0028】タイヤ幅方向に延びる細溝のエッジ効果に
より、特に氷上トラクション性能が向上する。
【0029】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]本発明の第1の実施形態を図1乃至
図3にしたがって説明する。
【0030】本実施形態で説明する空気入りタイヤは、
一対のビードコア間にトロイド状をなして跨がるカーカ
スのクラウン部外周に補強層としてのベルトとトレッド
とを順次配置したラジアル構造の空気入りタイヤであ
る。なお、トレッド以外の内部構造は、一般のラジアル
タイヤの構造と変わりないので説明は省略する。
【0031】図1に示すように、空気入りタイヤ10の
トレッド12には、複数本の周方向溝14及びこの周方
向溝14と交差する複数本の横溝16とによって複数の
ブロック18が形成されている。
【0032】トレッド12は、直接路面に接地する上層
のキャップ部12Aと、このキャップ部12Aのタイヤ
内方に隣接して配置される下層のベース部12Bとから
構成されており、いわゆるキャップ・ベース構造とされ
ている。
【0033】図2に示すように、キャップ部12Aはゴ
ム層20と繊維層22とがタイヤ幅方向(矢印W方向)
に交互に積層された構造である。
【0034】本実施形態では、繊維層22に不織布が用
いられている。不織布は、引張、圧縮、剪断等に対して
異方性が小さいことが好ましい。
【0035】不織布を構成するフィラメント繊維の材質
としては、綿、レーヨン、セルロースなどの天然高分子
繊維、脂肪族ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルア
ルコール、ポリイミド、芳香族ポリアミドなどの合成高
分子繊維、及びカーボン繊維、ガラス繊維、スチールワ
イヤのうちから選択した一種又は複数種の繊維を混合す
ることが出来るが他の材質の繊維であっても良い。
【0036】不織布に適用する繊維の直径又は最大径
は、0.1〜100μmの範囲が好ましく、断面形状は
円状のもの、又は円と異なる断面形状のもの、中空部を
有するものを用いることが出来る。さらに、異なる材質
を内層と外層に配置した芯鞘構造、或いは米字形、花弁
形、層状形等の複合繊維も用いることができる。
【0037】また、不織布に使用する繊維の長さは、8
mm以上が好ましい。不織布の厚さは0.05〜2.0mm
の範囲が好ましく、(不織布の厚さは20g/cm2
加圧下で測定した)、目付(1m2 当たりの重量)は、
10〜300gの範囲にあるのが好ましい。
【0038】また、繊維自身は、内層、外層を異なる素
材とする2層構造の繊維も不織布の材料として使用する
ことができる。
【0039】本実施形態の繊維層22は、ポリエステル
(PET)繊維からなる不織布であり、目付40g/m
2 、厚さ0.2mm、繊維径25μm、繊維長さ50mm、
繊維の配向方向がタイヤ周方向である。
【0040】次にブロック18に細溝を形成する手順の
一例を説明する。空気入りタイヤ10のトレッド12
を、例えば、表面を適度に荒らした回転ドラムに押し当
てて回転させ、ブロック18を繰り返し変形させる。ブ
ロック18が繰り返し変形すると、図3に示すように、
繊維層22の不織布が踏面側から剥離し始め(また、剥
離した部分から繊維が脱落して行く)、ゴム層20とゴ
ム層20との間に細溝24がトレッド内側へと形成され
て行く。なお、繊維層22を構成する繊維は一部残って
いても良い。
【0041】これらの細溝24はタイヤ周方向に沿って
延びており、接地面内の水をタイヤ周方向へ排水するの
で、ウエット性能及び氷上ブレーキ性能が向上する。
【0042】なお、繊維層22は少なくとも無数の繊維
によって層状となっており、入力によって細溝24が形
成されるものであればその形態は問わない。
【0043】また、本実施形態では、低強度層として繊
維層22を用いたが、繊維層22以外であっても良い。
【0044】低強度層の具体例としては、紙(ボール紙
等も含む)、短繊維を積層したもの等を上げることがで
きるが、これら以外であっても良い。 [第2の実施形態]次に、本発明の第2の実施形態を説
明する。
【0045】上記第1の実施形態では、繊維層22に非
水溶性のポリエステル繊維からなる不織布を用いたが、
第2の実施形態では、水溶性繊維からなる不織布(本発
明の溶解層)が用いられている。
【0046】水溶性繊維としては、ビニルアルコールユ
ニットが50モル%以上、平均重合度が100〜300
0のケン化度80%未満のポリビニルアルコール系ポリ
マーを原料とし、紡出後の繊維に対してホルマール化・
アセタール化等の耐水性を付与する処理を行っていない
繊維を用いることができる。
【0047】ビニルアルコールユニット及び酢酸ビニル
ユニット以外のユニットとしては、エチレン、アリルア
ルコール、イタコン酸、アクリル酸、無水マレイン酸等
のポリビニルアルコールの結晶性を阻害するユニットが
好ましい。
【0048】次に、水溶性繊維の製造方法を簡単に説明
する。先ず、ビニルアルコールユニットが75モル%、
酢酸ビニルユニットが25モル%からなる平均重合度が
500のケン化度75モル%のポリビニルアルコール系
ポリマーとジメチルスルフォキド(DMSO)を混合
し、窒素置換後減圧下にて十分に脱泡を行い、45%の
ジメチルスルフォキド(DMSO)溶液を作製する。
【0049】次に、この紡糸原液を孔径φ0.15mmの
単孔ノズルより、2°Cのアセトン/DMSO(重量
比:85/15)の混合溶液に湿式紡糸する。
【0050】その後、アセトン/DMSO(重量比:9
5/5)の混合溶液中で4.5倍の延伸を行った後、ア
セトン中で十分にDMSOを除去し、80°Cで乾燥を
行うことでポリビニルアルコール系繊維が得られる。な
お、このポリビニルアルコール系繊維は、10°Cの水
で溶解するものである。
【0051】次にブロック18に細溝を形成する手順の
一例を説明する。空気入りタイヤ10のトレッド12に
スプレー等により水を付与すると、水溶性繊維が除々に
溶けて行き、ゴム層20とゴム層20との間に細溝24
がトレッド内側へと形成されて行く。
【0052】したがって、図4に示すように、ゴム層2
0とゴム層20との間に、繊維の無い細溝24を形成す
ることが可能である。
【0053】なお、細溝24が形成された空気入りタイ
ヤ10としての作用効果は第1実施形態と同様である。
【0054】また、前記第1の実施形態で説明した様
に、空気入りタイヤ10を回転ドラムに押し当てて回転
させ、水溶性繊維からなる繊維層22をある程度剥離さ
せたり破壊した後に水を付与しても良く、回転させなが
ら水を付与しても良い。
【0055】また、細溝24を形成する方法としては、
空気入りタイヤ10を実際に車両に装着し、水分のある
路面を走行させても良い。
【0056】なお、上記実施形態では、繊維層22がタ
イヤ周方向に沿って真っ直ぐに延びていたが、波状やジ
グザグ状に延びていても良く、タイヤ周方向に対して傾
斜して延びていても良く、タイヤ幅方向に延びていても
良い。
【0057】また、キャップ部12Aをタイヤ径方向に
複数層とし、上層側と下層側とで繊維層22の積層数を
変えても良い。一般的に、摩耗中期〜摩耗末期にかけて
ウエット性能等が除々に低下するが、下層側の積層数を
大きくすることで、摩耗中期〜摩耗末期に細溝24によ
る排水作用を増大させ、ウエット性能等の低下を抑える
ことも可能である。
【0058】本実施形態では、溶解層として水溶性繊維
からなる繊維層22を用いたが、溶解層は水溶性繊維以
外であっても良い。
【0059】水で溶ける溶解層の具体的な材質として
は、前記水溶性繊維の材質をフィルム状に形成したも
の、オブラート等を上げることができるが、これら以外
であっても良い。
【0060】また、繊維層を溶かす液体は、可能な限り
ゴムを侵さないものが好ましく、その条件を満たす繊維
層の材質と液体の組み合わせは、 PET →P−クロロフェノール 6Nylon,66Nylon →ギ酸 PE →デカリン などがある。
【0061】前記の水は雨天時の路面の水を利用できる
が、水以外の前記液体は加硫成型後でかつ出荷前に使用
して、事前に繊維層を溶かしておくことが好ましい。
【0062】また、前記実施形態では、繊維層22とゴ
ム層20とがタイヤ幅方向に積層されていたが、繊維層
22とゴム層20とはタイヤ周方向に積層しても良い。
繊維層22とゴム層20とはタイヤ周方向に積層する
と、タイヤ幅方向に沿って延びる細溝24が形成され、
細溝24のエッジ効果により、特に氷上トラクション性
能が向上する。 (試験例)本発明の適用された実施例のタイヤ5種、比
較例のタイヤ2種を用い、ウエット性能、氷上ブレーキ
性能及び偏摩耗性の比較を行った。
【0063】氷上ブレーキ性能の試験方法:試験タイヤ
を実車に装着して氷上テストコースを走行させ、時速2
0km/hの時点でブレーキを踏んでタイヤをロックさせ、
停止するまでの制動距離を測定した。結果は、制動距離
の逆数を比較例1のタイヤを100として指数表示し
た。なお、数値が大きいほど氷上ブレーキ性能が良いこ
とを示す。
【0064】ウエット性能の試験方法:試験タイヤを実
車に装着してウエット路面(テストコース)を走行さ
せ、テストドライバーによるフィーリング評価を行っ
た。結果は、比較例1のタイヤを100として指数表示
した。なお、数値が大きいほどウエットフィーリングが
良いことを示す。
【0065】なお、氷上ブレーキ性能及びウエット性能
は、テストコース(舗装路)を1000Km走行後のタ
イヤを用いて試験をおこなった。
【0066】ウエット性能の試験方法:試験タイヤを実
車に装着してウエット路面(テストコース)を走行さ
せ、テストドライバーによるフィーリング評価を行っ
た。結果は、比較例1のタイヤを100として指数表示
した。なお、数値が大きいほどウエットフィーリングが
良いことを示す。
【0067】偏摩耗の試験方法:テストタイヤを実車に
装着して2万km走行させ、ブロックの段差量を測定し、
その逆数を比較例1のタイヤを100として指数表示し
た。なお、数値が大きいほど偏摩耗性が良いことを示
す。
【0068】次に供試タイヤの説明をする。各供試タイ
ヤ共に、タイヤ周方向長さ30mm、タイヤ幅方向長さ3
0mmのブロック(なお、周方向溝の溝深さ20mm、横溝
の溝深さ15mm)を多数有したブロックパターンのタイ
ヤであり(図1参照)、タイヤサイズはTBR11R2
2.5である。
【0069】比較例1及び比較例2のタイヤは、従来通
りブレードを用いてブロックにサイプを形成したタイヤ
である。
【0070】実施例1乃至実施例3は、繊維層にポリエ
ステル繊維からなる不織布を用いたタイヤであり、実施
例4は繊維層にポリエチレン繊維からなる不織布を用い
たタイヤであり、実施例5は繊維層に水溶性繊維(PV
A:ポリビニルアルコール系繊維)からなる不織布を用
いたタイヤである。
【0071】なお、その他の諸元(寸法等)及び試験結
果は以下の表1及び表2に示す通りである。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】ここで、比較例2のタイヤは、モールドに
ブロックが密着して脱落するため、所望のサイプ間隔の
タイヤが製造出来なかった。
【0075】試験の結果、表1及び2に示すように、実
施例1〜5のタイヤはウエット性能、氷上ブレーキ性能
及び偏摩耗性能が比較例1のタイヤに比較して向上して
いることが分かる。
【0076】また、繊維層に水溶性繊維からなる不織布
を用いた実施例5のタイヤは、繊維層に非水溶性繊維か
らなる不織布を用いたタイヤに対して細溝の深さが深く
なり、ウエット性能及び氷上ブレーキ性能を一層向上で
きた。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
空気入りタイヤのトレッド細溝形成方法では、製造上に
問題を生じることなくトレッドに細溝を形成することが
できる、という優れた効果を有する。
【0078】請求項2に記載の空気入りタイヤのトレッ
ド細溝形成方法では、細溝を形成し易い、という優れた
効果を有する。
【0079】請求項3に記載の空気入りタイヤのトレッ
ド細溝形成方法では、従来よりも幅狭の細溝を形成する
ことができる、という優れた効果を有する。
【0080】請求項4に記載の空気入りタイヤのトレッ
ド細溝形成方法では、内部に不要なものの介在しない細
溝を形成することができる、という優れた効果を有す
る。
【0081】請求項5に記載の空気入りタイヤのトレッ
ド細溝形成方法では、特に氷上ブレーキ性能を向上させ
ることができる、という優れた効果を有する。
【0082】請求項6に記載の空気入りタイヤのトレッ
ド細溝形成方法では、特に氷上トラクション性能を向上
させることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤ
のトレッドのタイヤ幅方向に沿った断面図である。
【図2】ブロック(新品時)の拡大断面図である。
【図3】摩耗したブロックの拡大断面図である。
【図4】水溶性繊維からなる繊維層が溶解して除去され
たトレッドの拡大断面図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ 20 ゴム層 22 繊維層(低強度層、溶解層)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビードコア間にトロイド状をなし
    て跨がるカーカスのクラウン部外周に補強層とトレッド
    を順次配置した空気入りタイヤの前記トレッドに細溝を
    形成する空気入りタイヤのトレッド細溝形成方法であっ
    て、 前記トレッドの少なくとも接地部分の一部を、ゴム層
    と、前記ゴム層よりも強度の低い低強度層と、が互いに
    隣り合うように積層された積層体とし、 前記積層体を変形させ、前記低強度層を剥離させる及び
    又は低強度層自体を破壊することで前記ゴム層とゴム層
    との間に細溝を形成することを特徴とする空気入りタイ
    ヤのトレッド細溝形成方法。
  2. 【請求項2】 前記低強度層が繊維層であることを特徴
    とする請求項1に記載の空気入りタイヤのトレッド細溝
    形成方法。
  3. 【請求項3】 前記繊維層が不織布からなることを特徴
    とする請求項2に記載の空気入りタイヤのトレッド細溝
    形成方法。
  4. 【請求項4】 一対のビードコア間にトロイド状をなし
    て跨がるカーカスのクラウン部外周に補強層とトレッド
    を順次配置した空気入りタイヤの前記トレッドに細溝を
    形成する空気入りタイヤのトレッド細溝形成方法であっ
    て、 前記トレッドの少なくとも接地部分の一部を、ゴム層
    と、液体によって溶解する溶解層とが互いに隣り合うよ
    うに積層された積層体とし、 前記溶解層に液体を付与して溶解層を溶解させることで
    前記ゴム層とゴム層との間に細溝を形成することを特徴
    とする空気入りタイヤのトレッド細溝形成方法。
  5. 【請求項5】 前記積層体は、積層方向がタイヤ幅方向
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか
    1項に記載の空気入りタイヤのトレッド細溝形成方法。
  6. 【請求項6】 前記積層体は、積層方向がタイヤ周方向
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか
    1項に記載の空気入りタイヤのトレッド細溝形成方法。
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