JPH09193613A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH09193613A
JPH09193613A JP8009633A JP963396A JPH09193613A JP H09193613 A JPH09193613 A JP H09193613A JP 8009633 A JP8009633 A JP 8009633A JP 963396 A JP963396 A JP 963396A JP H09193613 A JPH09193613 A JP H09193613A
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JP
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water
pneumatic tire
soluble
ice
tire
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JP8009633A
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Chishiro Tanabe
千城 田邊
Yuji Yamaguchi
裕二 山口
Tomohisa Nishikawa
智久 西川
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも氷上性能を高めることのできる空
気入りタイヤを提供すること。 【解決手段】 トレッド12のキャップ部12Aを構成
するゴム13に、微小な水溶性繊維15を分散する。走
行によってトレッド12の表面が摩耗すると、摩耗の極
めて初期の段階で無数の水溶性繊維15が接地面に露出
する。氷上を走行させると、接地圧によりタイヤと氷と
の間に水膜が生じる。この水によって、接地面に露出し
た水溶性繊維15が溶け出され、水溶性繊維15の有っ
た部分に凹部17が形成される。接地面に形成された無
数の凹部17によってエッジ効果及び接地面内の水の吸
収作用が得られ、氷上性能が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気入りタイヤに係
り、特に、氷上性能を向上させた空気入りタイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、氷上性能を高めたタイヤとしてス
タッドレスタイヤが使用されている。
【0003】スタッドレスタイヤのトレッドには、雪上
性能を高めるために複数のブロックからなるブロップパ
ターンが形成されている。
【0004】他方、氷上性能を高めるために、スタッド
レスタイヤのトレッドには、氷路面との摩擦力を得るた
めに通常のタイヤと比較して柔軟なゴム材を使用してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、氷上性能を
より高めるために、トレッドのゴム材をより柔らかくす
ることも考えられるが、ブロック剛性の低下、耐摩耗性
の低下等の問題が生じるので限度がある。また、サイプ
を多用することも考えられるが、偏摩耗やブロック剛性
の低下につながるため、サイプの多用にも限界がある。
【0006】本発明は上記事実を考慮し、従来よりも氷
上性能を高めることのできる空気入りタイヤを提供する
ことが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、一対のビードコア間にトロイド状をなして跨がるカ
ーカスのクラウン部外周に補強層とトレッドを順次配置
した空気入りタイヤであって、トレッドに、水溶性繊維
を含んだゴム層を設けたことを特徴としている。
【0008】次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。本発明の空気入りタイヤを氷上で走行
させると、接地圧によりタイヤと氷との間に水膜が生じ
る。この水によって、ゴム層の表面に露出した水溶性繊
維が溶け出され、繊維の有った部分に凹部が形成され
る。これにより、接地面に無数の凹部が形成され、凹部
のエッジ効果及び接地面内の水の吸収作用により氷上性
能が向上する。
【0009】なお、水溶性繊維の構造は、モノフィラメ
ントであっても良く、2本以上からなるマルチフィラメ
ントであっても良い。
【0010】また、水溶性繊維を含むゴム層における繊
維の割合は、2〜40%の範囲が好ましい。
【0011】ここで、繊維の割合を2〜40%の範囲内
としたのは、2%未満では氷上の摩擦係数μを高いレベ
ルで確保することが困難になり、40%を越えると耐摩
耗性を高いレベルで確保することが困難になるからであ
る。したがって、水溶性繊維の割合を2〜40%の範囲
内とすることにより、氷上の摩擦係数μと耐摩耗性を高
いレベルを確保することができる。
【0012】なお、少なくとも接地する部分に水溶性繊
維を含むゴム層が設けられていれば良く、トレッドゴム
全体を水溶性繊維を含むゴム層にしなくても良い。例え
ば、トレッドをトレッドがキャップ・ベース構造とし、
キャップ部のみを水溶性繊維を含むゴム層としても良
い。
【0013】また、高い氷上性能を得るには、ゴム層の
ゴムの硬度Hd (JIS K6301に準拠し、室温に
て測定。)は35〜70°が望ましく、好ましくは45
〜70°、さらに好ましくは40〜65°である。ゴム
の硬度が35°未満であると耐摩耗性が低下し、ゴムの
硬度が70°を越えると、トレッドが硬くなり過ぎ、接
地性が低下し、また発熱性も低下する。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の空気入りタイヤにおいて、前記水溶性繊維が短繊維で
あることを特徴としている。
【0015】次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。本発明の空気入りタイヤでは、水溶性
繊維が短繊維であるので、水溶性繊維が溶けてゴム層表
面に表れる凹部は幅が狭く長さの短い形状となる。
【0016】また、水溶性繊維が短繊維である場合にお
いては、特に偏摩耗性を向上させる必要がある場合には
短繊維の方向をランダムにすることが好ましい。
【0017】なお、本発明でいう短繊維とは、長さが5
mm未満のものをいう。請求項3に記載の発明は、請求項
1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記水溶性繊維が
長繊維であることを特徴としている。
【0018】次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。本発明の空気入りタイヤでは、水溶性
繊維が長繊維であるので、水溶性繊維が溶けてゴム層表
面に表れる凹部は幅が狭く長さが長い形状となる。
【0019】また、長繊維は短繊維と対比して長いた
め、路面上に局所的に多い水量が存在する場合には、長
い繊維に沿って水を保持できるので効果的であり、特
に、溝またはサイプと溝またはサイプを横切るような長
繊維は、水を溝またはサイプまで排出できるので効果的
である。しかし、長繊維は短繊維に対比してゴムの存在
しない範囲が連続的なため偏摩耗の核になり易い。
【0020】なお、本発明でいう長繊維とは、長さが5
mm以上のものをいう。請求項4に記載の発明は、請求項
1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤに
おいて、前記水溶性繊維の長手方向を、実質的にタイヤ
周方向に沿って配列したことを特徴としている。
【0021】次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。本発明の空気入りタイヤでは、水溶性
繊維の長手方向を実質的にタイヤ周方向に沿って配列し
たので、水溶性繊維が溶けてゴム層表面に表れる凹部
は、長手方向がタイヤ周方向となり、接地面内の排水性
が向上し、氷上ブレーキ性能を向上させることができ
る。
【0022】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記水溶性繊維の長手方向を、実質的にタイヤ軸方向に
沿って配列したことを特徴としている。
【0023】次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。本発明の空気入りタイヤでは、水溶性
繊維の長手方向を実質的にタイヤ軸方向に沿って配列し
たので、水溶性繊維が溶けてゴム層表面に表れる凹部
は、長手方向がタイヤ軸方向となり、特にトラクション
性能を向上させることができる。
【0024】請求項6に記載の発明は、一対のビードコ
ア間にトロイド状をなして跨がるカーカスのクラウン部
外周に補強層とトレッドを順次配置した空気入りタイヤ
であって、前記トレッドに、水溶性微粒子を含んだゴム
層を設けたことを特徴としている。
【0025】次に、請求項6に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。本発明の空気入りタイヤを氷上で走行
させると、接地圧によりタイヤと氷との間に水膜が生じ
る。この水によって、ゴム層の表面に露出した水溶性微
粒子が溶け出され、微粒子の有った部分に凹部が形成さ
れる。これにより、接地面に無数の凹部が形成され、凹
部のエッジ効果及び接地面内の水の吸収作用により氷上
性能が向上する。
【0026】なお、水溶性微粒子を含むゴム層における
微粒子の割合は、5〜40%の範囲が好ましい。
【0027】ここで、微粒子の割合を5〜40%の範囲
内としたのは、5%未満では氷上の摩擦係数μを高いレ
ベルで確保することが困難になり、40%を越えると耐
摩耗性を高いレベルで確保することが困難になるからで
ある。したがって、水溶性微粒子の割合を5〜40%の
範囲内とすることにより、氷上の摩擦係数μと耐摩耗性
を高いレベルを確保することができる。
【0028】また、水溶性微粒子の平均径は、5〜15
0μmが望ましく、好ましくは10〜100μmであ
る。水溶性微粒子の平均径が5μm未満では、氷上性能
の改良効果が少なく、また、平均径が150μmを越え
ると耐摩耗性が低下し、さらに、耐ヘタリ性が低下す
る。
【0029】また、水溶性微粒子を含むゴム層は、微粒
子の数をゴム表面の単位面積1mm2当たり20個以上含
有することが望ましく、好ましくは30個以上である。
なお、微粒子の数が単位面積1mm2 当たり20個未満で
は、微粒子が溶け出た後に生ずる凹凸状態が十分でな
く、氷上性能を十分に発揮できなくなる。
【0030】なお、少なくとも接地する部分に水溶性微
粒子を含むゴム層が設けられていれば良く、トレッドゴ
ム全体を水溶性微粒子を含むゴム層にしなくても良い。
例えば、トレッドをトレッドがキャップ・ベース構造と
し、キャップ部のみを水溶性微粒子を含むゴム層として
も良い。
【0031】また、高い氷上性能を得るには、ゴム層の
ゴムの硬度Hd (JIS K6301に準拠し、室温に
て測定。)は35〜70°が望ましく、好ましくは40
〜70°、さらに好ましくは45〜65°である。ゴム
の硬度が35°未満であると耐摩耗性が低下し、ゴムの
硬度が70°を越えると、トレッドが硬くなり過ぎ、接
地性が低下し、また発熱性も低下する。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態に係る空
気入りタイヤ10を図1乃至図4にしたがって説明す
る。
【0033】本実施形態の空気入りタイヤ(サイズ:1
85/70R13、リム:51/2J−13、内圧1.
9kg/cm2)10は、一対のビードコア間にトロイド状を
なして跨がるカーカスのクラウン部外周に補強層として
のベルトとトレッドとを順次配置したラジアル構造の空
気入りタイヤである。なお、トレッド以外の内部構造
は、一般のラジアルタイヤの構造と変わりないので説明
は省略する。
【0034】図1に示すように、トレッド12には、複
数本の周方向溝14及びこの周方向溝14と交差する複
数本の横溝16とによって複数のブロック18が形成さ
れている。
【0035】図2に示すように、トレッド12は、直接
路面に接地する上層のキャップ部12Aと、このキャッ
プ部12Aのタイヤ内方に隣接して配置される下層のベ
ース部12Bとから構成されており、いわゆるキャップ
・ベース構造とされている。
【0036】図3(A)及び図4に示すように、キャッ
プ部12Aを構成するゴム13には、水溶性繊維15が
分散されている。本実施形態では、図4に示すように水
溶性繊維15の長手方向が実質的にタイヤ周方向(矢印
A方向)とされている。
【0037】本実施形態では、水溶性繊維15として、
ビニルアルコールユニットが50モル%以上、平均重合
度が100〜3000のケン化度80%未満のポリビニ
ルアルコール系ポリマーを原料とし、紡出後の繊維に対
してホルマール化・アセタール化等の耐水性を付与する
処理を行っていない繊維を用いた。ビニルアルコールユ
ニット及び酢酸ビニルユニット以外のユニットとして
は、エチレン、アリルアルコール、イタコン酸、アクリ
ル酸、無水マレイン酸等のポリビニルアルコールの結晶
性を阻害するユニットが好ましい。
【0038】次に、水溶性繊維の製造方法を簡単に説明
する。先ず、ビニルアルコールユニットが75モル%、
酢酸ビニルユニットが25モル%からなる平均重合度が
500のケン化度75モル%のポリビニルアルコール系
ポリマーとジメチルスルフォキド(DMSO)を混合
し、窒素置換後減圧下にて十分に脱泡を行い、45%の
ジメチルスルフォキド(DMSO)溶液を作製する。
【0039】次に、この紡糸原液を孔径φ0.15mmの
単孔ノズルより、2°Cのアセトン/DMSO(重量
比:85/15)の混合溶液に湿式紡糸した。その後、
アセトン/DMSO(重量比:95/5)の混合溶液中
で4.5倍の延伸を行った後、アセトン中で十分にDM
SOを除去し、80°Cで乾燥を行いポリビニルアルコ
ール系繊維とした。なお、このポリビニルアルコール系
繊維は、10°Cの水で溶解するものである。
【0040】本実施形態の水溶性繊維15は、太さが1
0d(φ35μm)で、長さが2mmの短繊維である。
【0041】なお、各ブロック18には、図1に示すよ
うに、タイヤ幅方向に沿って直線状に延びるサイプ19
がタイヤ周方向に等間隔で4本形成されており、各々の
両端はブロック18の側面に開口している。
【0042】次に本実施形態の作用を説明する。走行に
よってトレッド12の表面が摩耗すると、摩耗の極めて
初期の段階で無数の水溶性繊維15が接地面に露出す
る。
【0043】この空気入りタイヤ10を氷上で走行させ
ると、接地圧によりタイヤと氷との間に水膜が生じる。
この水によって、接地面に露出した水溶性繊維15が溶
け出され、図3(B)に示すように、水溶性繊維15の
有った部分に凹部17が形成される。勿論、雪上、ウエ
ット路面上でも同様である。
【0044】本実施形態の空気入りタイヤ10は、接地
面に形成された無数の凹部17によってエッジ効果及び
接地面内の水の吸収作用が得られる。
【0045】さらに、本実施形態の空気入りタイヤ10
では、接地面に表れる凹部17の長手方向が実質的にタ
イヤ周方向となるので、接地面内のタイヤ回転方向後側
への排水性が向上し、特に氷上ブレーキ性能を向上させ
ることができる。
【0046】また、本実施形態の空気入りタイヤ10で
は、ゴム13に長さ2mmの短い水溶性繊維15を用いた
ため、長い繊維を用いたものに比較してゴム13の存在
しない範囲が断続的になり、ブロック18に偏摩耗が生
じ難い。
【0047】なお、前記実施形態では、ゴム13に分散
させた水溶性繊維15が短繊維であったが、水溶性繊維
15は長さが5mm以上の長繊維であっても良い。また、
水溶性繊維15の方向はタイヤ軸方向としても良く、ラ
ンダムにしても良い。水溶性繊維15の方向をタイヤ軸
方向にすれば、タイヤ軸方向のエッジ成分が多くなるた
め、氷上のトラクション性能を向上させることができ
る。
【0048】また、前記実施形態では、キャップ部12
Aを構成するゴム13に水溶性繊維15を分散したが、
図5(A)に示すように、キャップ部12Aを構成する
ゴム13に水溶性微粒子19を分散させても良い。
【0049】この実施形態では、走行により接地面が摩
耗し、水分により水溶性微粒子19が溶け出されると、
図5(B)に示すように凹部17が形成され、接地面に
形成された無数の凹部17によるエッジ効果及び接地面
内の水の吸収作用により氷上性能が向上する。 (試験例)本発明の適用された実施例タイヤ2種、比較
例タイヤ3種を用い、氷上ブレーキ性能及び耐摩耗性を
比較した。
【0050】氷上ブレーキ性能の試験方法 タイヤを実車に装着して氷上平坦路を走行させ、時速2
0km/hの時点でブレーキを踏んでタイヤをロックさせ、
停止するまでの距離を測定した。結果は、距離の逆数を
比較例タイヤ1を100として指数表示した。なお、数
値が大きいほど氷上ブレーキ性能が良いことを示す。
【0051】耐摩耗性の試験方法 タイヤを実車に装着し、10000km走行後の摩耗量
(摩耗した溝深さ)を測定し、摩耗量の逆数を比較例タ
イヤ1を100として指数表示した。なお、数値が大き
いほど耐摩耗性が良いことを示す。
【0052】次に、実施例タイヤ1〜3及び比較例タイ
ヤ1〜3を説明する。実施例タイヤ1〜3及び比較例タ
イヤ1〜3共に、タイヤサイズは185/70R13
(リム:51/2J−13、内圧1.9kg/cm2)であ
り、何れのタイヤのトレッドにも、タイヤ幅方向に4個
でブロックが配列されており、ブロックのサイズはタイ
ヤ周方向の寸法が35mm、タイヤ幅方向の寸法が30mm
である。また、ブロックに形成されるサイプは、幅が
0.4mmであり、タイヤ周方向の間隔が約7mmとされて
いる。
【0053】なお、その他の仕様は表1に示す通りであ
り、氷上ブレーキ性能の試験結果及び耐摩耗性試験の結
果を合わせて表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】ここで、発泡ゴムの発泡率VS は、VS
(ρ0 /ρ1 −1)×100(%)で表され、ρ1 は発
泡ゴムの密度(g/cm3 )、ρ0 は発泡ゴムのゴム固
相部の密度(g/cm3 )である。
【0056】上記の表1に示すように、本発明の適用さ
れた実施例タイヤ1乃至実施例タイヤ3は、比較例タイ
ヤ1〜3に比べて何れも高い氷上ブレーキ性能が得られ
ている。さらに、本発明の適用された実施例タイヤ1乃
至実施例タイヤ3は試験の結果、氷上ブレーキ性能の向
上のみならず、氷上でのトラクション性能の向上も見ら
れた。特に、水溶性繊維の方向をタイヤ幅方向とした実
施例タイヤ2は、大きなトラクション性能が得られた。
【0057】また、比較例タイヤ3では、トレッド表面
に露出したPET繊維が路面との摩擦で抜け落ちた際
に、PET繊維と接着していたゴムの一部がはぎ取られ
るため耐摩耗性の低下が大きい。
【0058】なお、本発明は、サイプ、ブロック形状
等、タイヤ形状との組み合わせは自由である。
【0059】また、水溶性繊維15としは、水分との接
触で溶け、ゴムに凹部を形成できるものであれば前述し
たポリビニルアルコール系繊維以外の水溶性繊維を用い
ても良いのは勿論である。
【0060】また、水溶性繊維15及び水溶性微粒子1
9は、低温(0°C付近)の水で早く溶け、ゴム自身、
タイヤ製造設備(例えば、加硫モールド等)、車両、環
境等に影響を及ぼさないものが好ましい。また、加硫時
の熱等に影響されないものが好ましい。
【0061】水溶性微粒子19としては、前述したポリ
ビニルアルコール系繊維と同じ材料の粒子状としたもの
を用いることができるが、水分との接触で溶け、ゴムに
凹部を形成できるものであればどのような材質でも構わ
ない。
【0062】水溶性微粒子としては、例えば、塩、砂
糖、小麦、コンスターチ等を用いることができるが、こ
れら以外の材質であっても勿論良い。また、粒子の形状
は、球状、角柱状に限らず、どのような形状でも構わな
い。
【0063】また、ゴムに水溶性繊維15と水溶性微粒
子19の両方を混入しても良い。また、水溶性繊維15
又は水溶性微粒子19は、所定量のゴム、配合剤等と共
に、例えば、バンバリーミキサーを用いて混練すれば良
い。
【0064】なお、水溶性繊維15の混練されたゴム
を、押出機に入れ、流路断面積が出口に向かって減少す
る口金から押し出すと、繊維の向き、即ち、繊維の長手
方向が押出し方向に沿って除々に揃い、口金から出ると
きには繊維の長手方向が押出し方向に揃うので、その
後、口金から押し出された生のゴム部材を所望の方向に
カットすれば、繊維の方向の揃ったゴム部材を得ること
ができ、これをトレッドゴムとして用いることができ
る。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
空気入りタイヤは、水分により水溶性繊維が溶け出るこ
とで接地面に無数の凹部が形成され、これら無数の凹部
のエッジ効果及び接地面内の水の吸収作用により氷上性
能を向上できるという優れた効果を有する。また、タイ
ヤの寿命末期まで安定して氷上性能を維持できる、とい
う優れた効果を有する。
【0066】請求項2に記載の空気入りタイヤは、偏摩
耗を防止できる、という優れた効果を有する。
【0067】請求項3に記載の空気入りタイヤは、接地
面内の水を吸収して保持する効果が高く、溝またはサイ
プに連結されるものは排水効果が高まる、という優れた
効果を有する請求項4に記載の空気入りタイヤは、水溶
性繊維が溶けてゴム層表面に表れる凹部の長手方向がタ
イヤ周方向となるので、接地面内の排水性が向上し、特
に氷上ブレーキ性能を向上できる、という優れた効果を
有する。
【0068】請求項5に記載の空気入りタイヤは、水溶
性繊維が溶けてゴム層表面に表れる凹部の長手方向がタ
イヤ軸方向となるので、特にトラクション性能を向上さ
せることができる、という優れた効果を有する。
【0069】また、請求項6に記載の空気入りタイヤ
は、水分により水溶性微粒子が溶け出ることで接地面に
無数の凹部が形成され、これら無数の凹部のエッジ効果
及び接地面内の水の吸収作用により氷上性能を向上でき
るという優れた効果を有する。また、タイヤの寿命末期
まで安定して氷上性能を維持できる、という優れた効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤ
のトレッドの平面図である。
【図2】図1に示すトレッドのタイヤ幅方向に沿った断
面図である。
【図3】(A)は新品時のキャップ部の表面付近の断面
図であり、(B)は水溶性繊維が溶け出たあとを示すキ
ャップ部の表面付近の断面図である。
【図4】ブロックのタイヤ周方向に沿った断面図であ
る。
【図5】(A)は第2実施形態に係る空気入りタイヤの
新品時のキャップ部の表面付近の断面図であり、(B)
は水溶性繊維が溶け出たあとを示すキャップ部の表面付
近の断面図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ 12 トレッド 12A キャップ部(ゴム層) 15 水溶性繊維 19 水溶性微粒子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビードコア間にトロイド状をなし
    て跨がるカーカスのクラウン部外周に補強層とトレッド
    を順次配置した空気入りタイヤであって、 前記トレッドに、水溶性繊維を含んだゴム層を設けたこ
    とを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記水溶性繊維が短繊維であることを特
    徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記水溶性繊維が長繊維であることを特
    徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記水溶性繊維の長手方向を、実質的に
    タイヤ周方向に沿って配列したことを特徴とする請求項
    1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記水溶性繊維の長手方向を、実質的に
    タイヤ軸方向に沿って配列したことを特徴とする請求項
    1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 一対のビードコア間にトロイド状をなし
    て跨がるカーカスのクラウン部外周に補強層とトレッド
    を順次配置した空気入りタイヤであって、 前記トレッドに、水溶性微粒子を含んだゴム層を設けた
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
JP8009633A 1996-01-23 1996-01-23 空気入りタイヤ Pending JPH09193613A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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