JP3785255B2 - トレッド部材の製造方法及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

トレッド部材の製造方法及び空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトレッド部材の製造方法及び空気入りタイヤの製造方法に係り、空気入りタイヤに用いるトレッド部材の製造方法及び空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、氷上及び雪上の性能を高めたタイヤとしてスタッドレスタイヤが使用されている。
【0003】
この種のスタッドレスタイヤのトレッドには、雪上性能を高めるために複数のブロックからなるブロックパターンが形成されている。
【0004】
氷上性能を高めるために、この種のスタッドレスタイヤのトレッドには、氷路面との摩擦力を得るために通常のタイヤと比較して柔軟なゴム材を使用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
氷上性能をより高めるために、トレッドのゴム材をより柔らかくすることも考えられるが、ブロック剛性の低下、耐摩耗性の低下等の問題が生じるので限度がある。また、サイプを多用することも考えられるが、偏摩耗やブロック剛性の低下につながるため、サイプの多用にも限界がある。
【0006】
他方、トレッド表面に比較的浅い細溝を多数形成した空気入りタイヤが提案されているが、摩耗によりこの細溝は消滅するため、細溝によるウエット性能及び氷上性能の向上は走行の初期段階にしか得られない。
【0007】
そこで、トレッドを性質の異なる層の積層構造、例えば、耐摩耗性の異なるゴム層をタイヤ幅方向に沿って積層した構造、またはゴム層と不織布をタイヤ幅方向に沿って積層した構造とすると、走行によって、耐摩耗性の低いゴム層を耐摩耗性の高いゴム層よりも低く、または不織布の層をゴム層よも低くして、トレッド表面に浅い細溝を形成、維持してウエット性能及び氷上性能を向上させることが考えられる。
【0008】
しかし、性質の異なる層の積層構造とされたトレッドを形成するために、性質の異なる層を1層づつ積層することが考えられるが、極めて効率的でなく、製造コストが高く付く問題がある。また、空気入りタイヤのコストも当然高くなる問題がある。
【0009】
本発明は上記事実を考慮し、性質の異なる層の積層構造とされたトレッドに用いるトレッド部材を効率的に製造することのできるトレッド部材の製造方法及び空気入りタイヤの製造方法を提供することが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のトレッド部材の製造方法は、互いに性質の異なる複数種類のシート状部材を互いに張り合わせて積層シート部材を形成する工程と、前記積層シート部材をジグザグ状に折り曲げ、互いに向かい合う面を密着させて厚肉のトレッド部材とする工程と、を有することを特徴としている。
【0011】
次に、請求項1に記載のトレッド部材の製造方法の作用を説明する。
先ず、最初の工程では、互いに性質の異なる複数種類のシート状部材を互いに張り合わせて積層シート部材を形成する。
【0012】
次に、この積層シート部材をジグザグ状に折り曲げ、互いに向かい合う面を密着させることにより性質の異なる層の積層構造とされた厚肉のトレッド部材が容易に得られる。即ち、1層づつ積層方法と比較して極めて効率的にトレッド部材を製造することができる。
【0013】
請求項2に記載のトレッド部材の製造方法は、加硫することにより高耐摩耗性ゴムとなる第1の未加硫ゴム組成物からなる第1のシート状部材と、加硫することにより前記高耐摩耗性ゴムよりも耐摩耗性の低い低耐摩耗性ゴムとなる第2の未加硫ゴム組成物からなる第2のシート状部材又はゴム以外の材料からなり前記高耐摩耗性ゴムよりも耐摩耗性の低い第3のシート状部材の何れか一方と、を互いに張り合わせて積層シート部材を形成する工程と、前記積層シート部材をジグザグ状に折り曲げ、互いに向かい合う面を密着させて厚肉のトレッド部材とする工程と、を有することを特徴としている。
【0014】
次に、請求項2に記載のトレッド部材の製造方法の作用を説明する。
先ず、最初の工程では、加硫することにより高耐摩耗性ゴムとなる第1の未加硫ゴム組成物からなる第1のシート状部材と、加硫することにより高耐摩耗性ゴムよりも耐摩耗性の低い低耐摩耗性ゴムとなる第2の未加硫ゴム組成物からなる第2のシート状部材又はゴム以外の材料からなり前記高耐摩耗性ゴムよりも耐摩耗性の低い第3のシート状部材の何れか一方と、を互いに張り合わせて積層シート部材を形成する。
【0015】
次に、この積層シート部材をジグザグ状に折り曲げ、互いに向かい合う面を密着させることにより厚肉のトレッド部材が得られる。
【0016】
このようにして得られた未加硫のトレッド部材を加硫すると、高耐摩耗性ゴムからなる層と、低耐摩耗性ゴム層またはゴム以外の材料からなる低耐摩耗性の層と、が交互に隣り合うゴム弾性を有したトレッド部材(加硫済み)となる。
【0017】
即ち、1層づつ積層方法と比較して極めて効率的にトレッド部材を製造することができる。
【0018】
高耐摩耗性ゴムからなる層と、低耐摩耗性ゴム層またはゴム以外の材料からなる低耐摩耗性の層と、を比較すると、低耐摩耗性ゴム層またはゴム以外の材料からなる低耐摩耗性の層の方が高耐摩耗性ゴムよりも摩耗の進展速度は早い。
【0019】
したがって、このトレッド部材をトレッドに用いた空気入りタイヤを走行させて、トレッド表面が摩耗すると、低耐摩耗性ゴム層またはゴム以外の材料からなる低耐摩耗性の層の部分が高耐摩耗性ゴムからなる層よりも低くなり、トレッド表面に比較的深さが浅く細い溝が多数出現する。このようにして出現した溝により、排水性及びエッジ効果が得られ、空気入りタイヤのウエット性能及び氷上性能が向上する。
【0020】
また、摩耗初期のみならず、摩耗が進行してもこの状態を維持することが可能であるため、ウエット性能及び氷上性能の向上を継続的に図ることができる。
【0021】
また、摩耗してトレッドの接地面にあらわれる低耐摩耗性ゴム層またはゴム以外の材料からなる低耐摩耗性の層の厚さは、高耐摩耗性のゴムからなる層の厚さよりも薄い事が好ましい。高耐摩耗性のゴムからなる層が厚くなり過ぎると、接地面の水が溝まで届きにくくなり、排水性が向上せずにウエット性能及び氷上性能が向上しない。逆に、低耐摩耗性ゴム層またはゴム以外の材料からなる低耐摩耗性の層が厚くなり過ぎてしまう場合には、高耐摩耗性のゴムからなる層の厚さが小さくなるので実接地面積が減少し、ウエット性能及び氷上性能と耐摩耗性が低下する。
【0022】
したがって、摩耗してトレッドの接地面にあらわれる高耐摩耗性のゴムからなる層の厚さと、低耐摩耗性ゴム層またはゴム以外の材料からなる低耐摩耗性の層の厚さとの比率は、高耐摩耗性のゴムからなる層の厚さを100とした場合、低耐摩耗性ゴム層またはゴム以外の材料からなる低耐摩耗性の層の厚さを5〜40にすることが好ましい。
【0023】
また、摩耗してトレッドの接地面にあらわれる低耐摩耗性ゴム層またはゴム以外の材料からなる低耐摩耗性の層の厚さを0.05mm未満にすると、トレッド表面が摩耗してもトレッド表面に溝が生じ難くなり、高耐摩耗性のゴムからなる層の厚さを5.0mm以上にすると、高耐摩耗性のゴムからなる層の厚が厚いため、溝までの距離が長くなり、接地面の水が溝まで届きにくく、ウエット性能及び氷上性能が向上しない。
【0024】
ゴムの耐摩耗性に差をつける方法としては、ゴムの硬度を変える方法を上げることができるが、ゴムの種類を変えても良い。一例として、高耐摩耗性のゴムを発泡率0%の通常ゴムとし、低耐摩耗性のゴムを発泡ゴムとする。
【0025】
なお、ゴムの耐摩耗性の高い低いは、例えば、JIS K 6264に従って、ランボーン試験を標準試験条件(速度80m/min、スリップ率30%、負荷荷重40N、落砂量20g/min)で行って測定することができる。
【0026】
高耐摩耗性のゴムと、低耐摩耗性のゴムとは、3度(JIS K6301に準拠し、室温にて測定した値。)以上の硬度差を付けることが好ましく、5度以上の硬度差を付ける事がさらに好ましい。
【0027】
請求項3に記載のトレッド部材の製造方法は、未加硫ゴム組成物からなる未加硫ゴムシート状部材と、前記未加硫ゴム組成物を加硫して得られた加硫済みゴム組成物よりも強度の低い低強度シート状部材と、を互いに張り合わせて積層シート部材を形成する工程と、前記積層シート部材をジグザグ状に折り曲げ、互いに向かい合う面を密着させて厚肉のトレッド部材とする工程と、を有することを特徴としている。
【0028】
次に、請求項3に記載のトレッド部材の製造方法の作用を説明する。
先ず、最初の工程では、未加硫ゴム組成物からなる未加硫ゴムシート状部材と、前記未加硫ゴム組成物を加硫して得られた加硫済みゴム組成物よりも強度の低い低強度シート状部材と、を互いに張り合わせて積層シート部材を形成する。
【0029】
次に、この積層シート部材をジグザグ状に折り曲げ、互いに向かい合う面を密着させると厚肉のトレッド部材が容易に得られる。
【0030】
この厚肉のトレッド部材が加硫されると、積層シート部材は、未加硫ゴムシート状部材同士が密着し、低強度シート状部材同士が密着し、未加硫ゴムシート状部材と低強度シート状部材とが交互に隣り合う厚肉のトレッド部材が形成される。
【0031】
このようにして得られた未加硫のトレッド部材を加硫すると、加硫済みゴム組成物からなる層と、低強度シート状部材からなる層とが交互に隣り合うゴム弾性を有したトレッド部材(加硫済み)となる。
【0032】
即ち、1層づつ積層方法と比較して極めて効率的にトレッド部材を製造することができる。
【0033】
このトレッド部材からなるトレッドを変形させると、低強度シート状部材からなる層がゴム層から剥離したり、低強度シート状部材からなる層自身が破壊されたりしてゴム層とゴム層との間に溝が形成される。
【0034】
なお、ここでいう低強度とは、曲げ、引張、圧縮、剪断等の少なくとも一つの強度が低いことをいう。
【0035】
このようにして出現した溝により、排水性及びエッジ効果が得られ、空気入りタイヤのウエット性能及び氷上性能が向上する。
【0036】
請求項4に記載のトレッド部材の製造方法は、未加硫ゴム組成物からなる未加硫ゴムシート状部材と、液体によって溶解する材料からなる溶解性シート状部材と、を互いに張り合わせて積層シート部材を形成する工程と、前記積層シート部材をジグザグ状に折り曲げ、互いに向かい合う面を密着させて厚肉のトレッド部材とする工程と、を有することを特徴としている。
【0037】
次に、請求項4に記載のトレッド部材の製造方法の作用を説明する。
先ず、最初の工程では、未加硫ゴム組成物からなる未加硫ゴムシート状部材と、液体によって溶解する材料からなる溶解性シート状部材と、を互いに張り合わせて積層シート部材を形成する。
【0038】
次に、この積層シート部材をジグザグ状に折り曲げ、互いに向かい合う面を密着させると厚肉のトレッド部材が容易に得られる。
【0039】
この厚肉のトレッド部材が加硫されると、積層シート部材は、未加硫ゴムシート状部材同士が密着し、溶解性シート状部材同士が密着し、未加硫ゴムシート状部材と溶解性シート状部材とが交互に隣り合う厚肉のトレッド部材が形成される。
【0040】
このようにして得られた未加硫のトレッド部材を加硫すると、加硫済みゴム組成物からなる層(即ちゴム層)と、溶解性シート状部材からなる層(以後、溶解層という)とが交互に隣り合うゴム弾性を有したトレッド部材(加硫済み)となる。
【0041】
即ち、1層づつ積層方法と比較して極めて効率的にトレッド部材を製造することができる。
【0042】
トレッド部材に液体を付与すると、付与された液体により溶解層が溶解してゴム層とゴム層との間に溝が形成される。
【0043】
例えば、溶解層を水によって溶解する材質で形成すると、路面の水によって溶解層が溶けるので、ウエット路面や氷路面を走行したときに水によって溝を形成することができ、走行当初から高いウエット性能及び氷上性能が得られ、高いウエット性能及び氷上性能が摩耗末期まで継続して得られる。
【0044】
なお、タイヤ製造後、トレッドに液体を付与して溶解層を溶かし、当初から溝を形成することもできる。
【0045】
液体は、溶解層を溶かすことのできるものであれば水以外であっても良く、溶解層も水以外の液体で溶けるような材質であっても良い。
【0046】
なお、溶解層を、水溶性の繊維からなる繊維層としても良い。溶解層を水溶性の繊維からなる繊維層とすると、水分を吸収し易く、素早く溶ける。
【0047】
また、トレッドの接地面にあらわれる溶解層の厚さは、ゴム層の厚さよりも薄い事が好ましい。ゴム層が厚くなり過ぎると、接地面の水が溝まで届きにくくなり、排水性が向上せずにウエット性能及び氷上性能が向上しない。逆に、溶解層が厚くなり過ぎてしまう場合には、ゴム層の厚さが小さくなるので実接地面積が減少し、ウエット性能及び氷上性能と耐摩耗性が低下する。
【0048】
したがって、トレッドの接地面にあらわれるゴム層の厚さと、溶解層の厚さとの比率は、ゴム層の厚さを100とした場合、溶解層の厚さを5〜40にすることが好ましい。
【0049】
また、ゴム層の厚さを5.0mm以上にすると、ゴム層の厚が厚いため、溝までの距離が長くなり、接地面の水が溝まで届きにくく、ウエット性能及び氷上性能が向上しない。
【0050】
さらに、本発明で製造されたトレッド部材を用いれば、ブレードを用いずに溶解層の厚み、即ち溶解性シート状部材の厚みを設定するのみで溝を所望の幅に設定することができる。即ち、ブレードよりもはるかに薄い溶解性シート状部材を用いることにより、タイヤ製造上に問題を生じさせずに従来よりも幅狭の溝を簡単に形成することができ、接地面積の低下を抑えることができる。
【0051】
ここで、従来では、ブロック等の陸部に複数のサイプ(摩耗末期まで消滅しないように溝深さは深い)を形成すると、ブロック内の剛性に偏りが生じてブロック内の接地圧が不均一になり、これによって偏摩耗を発生する問題や、サイプで分割された小ブロックが接地時に倒れ込むことにより各小ブロックに偏摩耗を発生する問題等があった。一方、本発明で製造されたトレッド部材を用いれば、比較的浅めの溝を形成できるので、ブロック内の剛性に偏りが生じるのを抑えることができ、また、溝と溝との間の小ブロックの倒れ込みを抑えることができるので、上記各偏摩耗の発生を抑えることができる。
【0052】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のトレッド部材の製造方法において、入口の開口形状が一直線に延びたスリット形状で、出口の開口形状がジグザグに屈曲されたスリット形状とされ、入口から出口に向かうにしたがって孔断面形状が一直線状からジグザグ状に除々に変化するスリット孔を有するガイドを用い、前記積層シート部材を前記スリット孔の入口から挿入して出口から引き出すことによって前記積層シート部材をジグザグ状に折り曲げることを特徴としている。
【0053】
次に、請求項5に記載のトレッド部材の製造方法の作用を説明する。
積層シート部材をスリット孔の入口から挿入して出口から引き出すと、スリット孔の中で積層シート部材が除々にジグザグ状に折り曲げられて行き、ジグザグ形状となって出口から引き出される。
【0054】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のトレッド部材の製造方法において、一方向に延び互いに平行に配置された複数の第1の折り曲げ突起と、前記第1の折り曲げ突起と同一方向に延びて互いに平行に配置されると共に前記第1の折り曲げ突起の並ぶ方向に前記第1の折り曲げ突起とは位相をずらして配置された複数の第2の折り曲げ突起と、を用い、前記積層シート部材を前記第1の折り曲げ突起と前記第2の折り曲げ突起との間に配置し、その後、前記第1の折り曲げ突起と前記第2の折り曲げ突起とを互いに接近させると共に、前記第1の折り曲げ突起の各々の間隔及び、前記第2の折り曲げ突起の各々の間隔を狭め、前記積層シート部材をジグザグ状に折り曲げることを特徴としている。
【0055】
次に、請求項6に記載のトレッド部材の製造方法の作用を説明する。
積層シート部材を第1の折り曲げ突起と第2の折り曲げ突起との間に配置し、その後、第1の折り曲げ突起と第2の折り曲げ突起とを互いに接近させると共に、第1の折り曲げ突起の各々の間隔及び、第2の折り曲げ突起の各々の間隔を狭めると、積層シート部材がジグザグ状に折り曲げられる。
【0056】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のトレッド部材の製造方法において、半径方向外側へ向かうに従って幅が除々に狭まる第1の回転ローラが一方向に間隔を開けて並べられた第1ローラ部材と、前記第1の回転ローラと同一方向に間隔を開けて並べられ、前記第1の回転ローラの並ぶ方向に前記第1の回転ローラとは位相をずらして配置されると共に、前記第1の回転ローラとは一定の間隔を開けて配置され複数の前記第1の回転ローラとの間にジグザグ状の間隙を形成する複数の第2の回転ローラを有する第2ローラ部材と、を用い、前記積層シート部材を前記ジグザグ状の間隙を通過させることによって前記積層シート部材をジグザグ状に折り曲げることを特徴としている。
【0057】
次に、請求項7に記載のトレッド部材の製造方法の作用を説明する。
積層シート部材を、第1ローラ部材の第1の回転ローラと、第2ローラ部材の第2の回転ローラとの間のジグザグ状の間隙を通過させると、積層シート部材はジグザグ状に折り曲げられる。また、第1の回転ローラ及び第2の回転ローラは、積層シート部材の通過に伴って回転することができるので、積層シート部材をジグザグ状の間隙を容易に通過させることができる。
【0058】
請求項8に記載の空気入りタイヤの製造方法は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のトレッド部材の製造方法によって得られたトレッド部材を、補強層と共に未加硫のカーカスのクラウン部に貼りつけて加硫を行い空気入りタイヤを製造することを特徴としている。
【0059】
次に、請求項8に記載の空気入りタイヤの製造方法の作用を説明する。
請求項8に記載の空気入りタイヤの製造方法では、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のトレッド部材の製造方法によって得られたトレッド部材を、補強層(例えば、ベルト等)と共に未加硫のカーカスのクラウン部に貼りつけ、これを所定のモールドに装填して加硫を行うことによりウエット性能及び氷上性能の高い空気入りタイヤが得られる。
【0060】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を図1乃至図6にしたがって説明する。
【0061】
本実施形態の空気入りタイヤ10は、一対のビードコア間にトロイド状をなして跨がるカーカスのクラウン部外周に補強層としてのベルトとトレッドとを順次配置したラジアル構造の空気入りタイヤである。なお、トレッド以外の内部構造は、一般のラジアルタイヤの構造と変わりないので説明は省略する。
【0062】
図1に示すように、トレッド12には、複数本の周方向溝14及びこの周方向溝14と交差する複数本の横溝16とによって複数のブロック18が形成されている。
【0063】
トレッド12は、直接路面に接地する上層のキャップ部12Aと、このキャップ部12Aのタイヤ内方に隣接して配置される下層のベース部12Bとから構成されており、いわゆるキャップ・ベース構造とされている。
【0064】
図2に示すように、キャップ部12Aは、耐摩耗性の低いゴム層20と耐摩耗性の高いゴム層22とがタイヤ幅方向(矢印W方向)に交互に積層されている。
【0065】
次に、上記キャップ部12Aに用いられるトレッド部材を製造する装置を説明する。
【0066】
図3には、加硫することにより高耐摩耗性ゴムとなる第1の未加硫ゴム組成物からなる第1のシート状部材24と、加硫することにより高耐摩耗性ゴムよりも耐摩耗性の低い低耐摩耗性ゴムとなる第2の未加硫ゴム組成物からなる第2のシート状部材26とを貼り合わせて得られた積層シート部材28をジグザグ状に折り曲げるガイド30が示されている。
【0067】
このガイド30は、例えば、金属板等を屈曲することにより形成されており、入口32Aの開口形状が一直線に延びたスリット形状で、出口32Bの開口形状がジグザグに屈曲されたスリット形状とされ、入口32Aから出口32Bに向かうにしたがって孔断面形状が一直線状からジグザグ状に除々に変化するスリット孔32を有している。なお、ガイド30の幅は、入口32Aから出口32Bに向かうにしたがって除々に小さくなっている。
【0068】
このガイド30の出口32Bの近傍には、型付けロール34が配置されている。型付けロール34は、一定径とされた上ロール36と、中央に一定径とされた一定長さの小径部38Aを有する下ロール38とから構成され、図示しないモータ等により矢印A方向に回転される。
【0069】
次に、上記キャップ部12Aに用いられるトレッド部材の製造手順を説明する。
【0070】
先ず、加硫することにより高耐摩耗性ゴムとなる第1の未加硫ゴム組成物からなる第1のシート状部材24と、加硫することにより高耐摩耗性ゴムよりも耐摩耗性の低い低耐摩耗性ゴムとなる第2の未加硫ゴム組成物からなる第2のシート状部材26と、を貼り合わせ、図3に示すような積層シート部材28を得る。
【0071】
次に、この積層シート部材28をガイド30のスリット孔32の入口32Aから挿入して出口32Bから引き出す。積層シート部材28は、スリット孔32の中で除々にジグザグ状に折り曲げられて行き、ジグザグ形状となって出口32Bから引き出される。
【0072】
その後、ジグザグ状に折り曲げられた積層シート部材28を、回転する上ロール36と下ロール38の小径部38Aとの間を通過させると、互いに向かい合う面が密着し、図3及び図4に示すように一定厚さの厚肉のトレッド部材40が得られる。
【0073】
なお、長尺状の積層シート部材28を、ガイド30及び型付けロール34を順次通過させることにより、長尺状のトレッド部材40を連続して得ることができる。
【0074】
このようにして得られた長尺状のトレッド部材40を、従来通り、補強層(例えば、ベルト等)、ベース部12Bとなる帯状の未加硫ゴム部材と共に未加硫のカーカスのクラウン部に貼りつけて生タイヤを成形し、これをモールドに装填して加硫を行うことにより、図5に示すような耐摩耗性の低いゴム層20と耐摩耗性の高いゴム層22とがタイヤ幅方向に交互に積層されたキャップ部12Aが得られる。なお、このようにして形成されたキャップ部12Aは、トレッド表面が、耐摩耗性の低いゴム層20のみとなっているので、例えば、図5の想像線Sで示す位置までトレッド表面をバフ研磨等するか、またはならし走行を行い、トレッド表面に耐摩耗性の低いゴム層20と耐摩耗性の高いゴム層22とが交互に積層された部分を出現させる。
【0075】
そして、走行によりトレッド12の表面が摩耗すると、耐摩耗性の低いゴム層20が耐摩耗性の高いゴム層22よりも摩耗が進展するので、図6に示すように、耐摩耗性の高いゴム層22部分に比較して耐摩耗性の低いゴム層20部分が低くなり、トレッド12表面に比較的深さが浅く細い溝26が多数出現する。このようにして出現する溝26はタイヤ周方向に沿って延びた形状となり、複数出現した溝26により排水性が得られ、ウエット性能及び氷上性能が向上する。
【0076】
なお、摩耗初期のみならず、摩耗が進行してもこの状態を維持することが可能であるため、ウエット性能及び氷上性能の向上を継続的に図ることができる。
また、横方向の摩擦係数が向上するため、コーナリング時の横滑り効果も得られる。
【0077】
なお、加硫することによって通常の発泡していないゴムとなる第1の未加硫ゴム組成物からなる第1のシート状部材と、加硫することにより発泡ゴムとなる第2の未加硫ゴム組成物からなる第2のシート状部材と、を用い、これらの積層して得られた積層シート部材をジグザグ状に折り曲げてトレッド部材としても良い。この第2の未加硫ゴム組成物は、通常のゴム組成物の他に周知のように発泡剤(及び発泡助剤)が含まれており、加硫を行うと、ゴム中にガスが発生して無数の独立気泡を有した発泡ゴムとなる。このトレッド部材が加硫されると、通常の発泡していないゴムからなるゴム層と、発泡ゴムからなる発泡ゴム層とが交互に積層された構造のトレッド部材が得られる。発泡ゴムは、発泡していないゴムと比較して耐摩耗性が低いため、走行によりトレッドが摩耗すると、発泡ゴム層が発泡していないゴム層よりも低くなり、溝が形成される。
【0078】
また、上記実施形態では、加硫することにより高耐摩耗性ゴムとなる第1の未加硫ゴム組成物からなる第1のシート状部材24と、加硫することにより高耐摩耗性ゴムよりも耐摩耗性の低い低耐摩耗性ゴムとなる第2の未加硫ゴム組成物からなる第2のシート状部材26とを貼り合わせた積層シート部材28を用いてトレッド部材40を形成したが、本発明はこれに限らず、ゴム以外の材料からなり耐摩耗性の高いゴム層22よりも耐摩耗性の低い第3のシート状部材と、第1のシート状部材24とを互いに張り合わせた積層シート部材28を用いてトレッド部材40形成しても良い。
【0079】
また、積層シート部材28は、場合によっては耐摩耗性の異なる層を3層以上積層したものでも良い。
【0080】
さらに、未加硫ゴム組成物からなる未加硫ゴムシート状部材と、この未加硫ゴム組成物を加硫して得られた加硫済みゴム組成物よりも強度の低い低強度シート状部材と、を用い、これらの積層して得られた積層シート部材をジグザグ状に折り曲げてトレッド部材としても良い。このトレッド部材からなるトレッドを備えた空気入りタイヤを走行させると(または、表面を適度に荒らした回転ドラムに押し当てて回転させても良い。)、トレッドが繰り返し変形する。トレッドが繰り返し変形すると、低強度シート状部材からなる層が破壊されて踏面側から剥離し、低強度シート状部材からなる層がゴム層よりも低くなり、溝が形成される。
【0081】
ゴム層のゴムよりも強度の低い低強度シート状部材としては、例えば、不織布が好ましい。この場合、未加硫ゴム組成物からなるシート状部材と不織布とを重ね合わせて得られた積層シート部材をジグザグ形状に折り曲げてトレッド部材を成形する。
【0082】
不織布は、引張、圧縮、剪断等に対して異方性が小さいことが好ましい。
不織布を構成するフィラメント繊維の材質としては、綿、レーヨン、セルロースなどの天然高分子繊維、脂肪族ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリイミド、芳香族ポリアミドなどの合成高分子繊維、及びカーボン繊維、ガラス繊維、スチールワイヤのうちから選択した一種又は複数種の繊維を混合することが出来るが他の材質の繊維であっても良い。
【0083】
不織布に適用する繊維の直径又は最大径は、0.1〜100μmの範囲が好ましく、断面形状は円状のもの、又は円と異なる断面形状のもの、中空部を有するものを用いることが出来る。さらに、異なる材質を内層と外層に配置した芯鞘構造、或いは米字形、花弁形、層状形等の複合繊維も用いることができる。
【0084】
また、不織布に使用する繊維の長さは、8mm以上が好ましい。
トレッドが不織布の層を有する場合、ゴム層と不織布の層とが交互に積層されている部分の不織布の層の厚さは、0.05mm〜2.0mmが好ましい。したがって、積層シート部材に用いる不織布の厚さは0.025〜1.0mmの範囲が好ましく(不織布の厚さは20g/cm2 の加圧下で測定した)、目付(1m2 当たりの重量)は、5〜150gの範囲にあるのが好ましい。
【0085】
また、繊維自身は、内層、外層を異なる素材とする2層構造の繊維も不織布の材料として使用することができる。
【0086】
低強度シート状部材は不織布以外であっても良く、具体例としては、紙(ボール紙等も含む)等を上げることができるが、これら以外であっても良い。
【0087】
また、未加硫ゴム組成物からなる未加硫ゴムシート状部材と、液体によって溶解する材料からなる溶解性シート状部材と、を用い、これらの積層して得られた積層シート部材をジグザグ状に折り曲げてトレッド部材としても良い。このトレッド部材を用いて形成されたトレッドは、ゴム層と、溶解性シート状部材からなる層(以後、溶解層という)と、が交互に積層された部分を有する。
【0088】
溶解層に液体を付与すると、付与された液体によって溶解層が溶解し、ゴム層とゴム層との間に溝が形成される。なお、本発明によれば溶解層を完全に除去することができる。
【0089】
なお、溶解層が、水によって溶解する材質からなる溶解性シート状部材で形成すると、路面の水によって溶解層が溶けるので、ウエット路面や氷路面を走行したときに水によって溝を形成することができ。
【0090】
液体は、溶解層を溶かすことのできるものであれば水以外であっても良く、溶解層も水以外の液体で溶けるような材質であっても良い。
【0091】
なお、水溶性の繊維からなる溶解性シート状部材を用いても良い。溶解層が水溶性の繊維からなる繊維層になると、水分を吸収し易く、素早く溶ける。
【0092】
溶解性シート状部材の具体例としては、水溶性繊維からなる不織布を用いることができる。
【0093】
水溶性繊維としては、ビニルアルコールユニットが50モル%以上、平均重合度が100〜3000のケン化度80%未満のポリビニルアルコール系ポリマーを原料とし、紡出後の繊維に対してホルマール化・アセタール化等の耐水性を付与する処理を行っていない繊維を用いることができる。
【0094】
ビニルアルコールユニット及び酢酸ビニルユニット以外のユニットとしては、エチレン、アリルアルコール、イタコン酸、アクリル酸、無水マレイン酸等のポリビニルアルコールの結晶性を阻害するユニットが好ましい。
【0095】
次に、水溶性繊維の製造方法を簡単に説明する。
先ず、ビニルアルコールユニットが75モル%、酢酸ビニルユニットが25モル%からなる平均重合度が500のケン化度75モル%のポリビニルアルコール系ポリマーとジメチルスルフォキド(DMSO)を混合し、窒素置換後減圧下にて十分に脱泡を行い、45%のジメチルスルフォキド(DMSO)溶液を作製する。
【0096】
次に、この紡糸原液を孔径φ0.15mmの単孔ノズルより、2°Cのアセトン/DMSO(重量比:85/15)の混合溶液に湿式紡糸する。
【0097】
その後、アセトン/DMSO(重量比:95/5)の混合溶液中で4.5倍の延伸を行った後、アセトン中で十分にDMSOを除去し、80°Cで乾燥を行うことでポリビニルアルコール系繊維が得られる。なお、このポリビニルアルコール系繊維は、10°Cの水で溶解するものである。
【0098】
なお、溶解性シート状部材としては、水溶性繊維からなる不織布以外であっても良く、例えば、水溶性繊維の材質をフィルム状に形成したもの、オブラート等を上げることができるが、これら以外であっても良い。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態を図7にしたがって説明する。
【0099】
図7には、積層シート部材28をジグザグ状に折り曲げる第2の実施形態に係るローラー式ガイド42が示されている。
【0100】
このローラー式ガイド42は、上ローラ44と下ローラ46とから構成されており図示しないモータ等により矢印B方向に回転される。
【0101】
上ローラ44及び下ローラ46には、各々半径方向外側へ向かうにしたがって幅狭となる算盤玉状の型付けローラ48が一定の間隔で複数設けられている。上ローラ44の型付けローラ48と下ローラ46の型付けローラ48とは交互に配置されており、上ローラ44と下ローラ46との間にジグザグ状の間隙が形成される。
【0102】
積層シート部材28を回転する上ローラ44と下ローラ46との間に通過させて引き出すと、積層シート部材28はジグザグ形状となる。
【0103】
その後、ジグザグ状に折り曲げられた積層シート部材28を、前述した第1の実施形態と同様に回転する上ロール36と下ロール38の小径部38Aとの間を通過させることによりトレッド部材40が得られる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態を図8乃至図10にしたがって説明する。
【0104】
図8には、積層シート部材28をジグザグ状に折り曲げる第3の実施形態に係る折曲装置50が示されている。
【0105】
折曲装置50は、互いに向き合うように配置され、一対のシリンダ52によって互いに接離する方向に移動可能な上型54及び下型56を備えている。
【0106】
下型56は、シリンダ52のピストンロッド58に連結される矩形のベース60を備えている。ベース60の内部は中空に形成されており、断面テーパー状の複数の型付け部材62が互いに平行に配置されている。
【0107】
図9(A),(B)に示すように、型付け部材62は、ベース60に固定されたスライドシャフト64に沿ってスライド可能となっており、モータ66によって回転される送り螺子68に螺合している。
【0108】
図9(A),(B)に示すように、各型付け部材62に対して、モータ66及び送り螺子68が一つづつ対応しており、各々独立して移動可能となっている。また、所定の送り螺子68で移動しない他の型付け部材62には、送り螺子68と干渉しないように逃げ孔70が設けられている。
【0109】
なお、上型54も、下型56と同様に型付け部材62を備えているが、上型54の型付け部材62と、下型56の型付け部材62とは交互に配置されている点が異なるのみであり、型付け部材62の移動機構は同様のものである。
【0110】
本実施形態では、積層シート部材28を上型54と下型56との間に配置し、図10の矢印方向で示すように、上型54の型付け部材62と下型56の型付け部材62とを互いに接近させると共に、型付け部材62の間隔を狭めて行くと、図11に示すように積層シート部材28はジグザグ形状となる。
【0111】
その後、ジグザグ状に折り曲げられた積層シート部材28を、前述した第1の実施形態と同様に回転する上ロール36と下ロール38の小径部38Aとの間を通過させることによりトレッド部材40が得られる。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のトレッド部材の製造方法によれば、性質の異なる層の積層構造とされたトレッドに用いるトレッド部材を極めて効率的に製造できる、という優れた効果を有する。
【0113】
請求項2乃至請求項4に記載のトレッド部材の製造方法によれば、ウエット性能及び氷上性能に優れた空気入りタイヤに用いるトレッド部材を極めて効率的に製造できる、という優れた効果を有する。
【0114】
また、本発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、性質の異なる層の積層構造とされたトレッドを有する空気入りタイヤを効率的に製造できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの製造方法によって製造された空気入りタイヤのトレッドの断面図である。
【図2】図1に示すトレッドのタイヤ幅方向に沿った拡大断面図である。
【図3】積層シート部材をジグザグ状に折り曲げてトレッド部材を形成する装置の斜視図である。
【図4】未加硫のトレッド部材の拡大断面図である。
【図5】加硫後のトレッドの拡大断面図である。
【図6】摩耗後のトレッドの拡大断面図である。
【図7】ローラー式ガイドの斜視図である。
【図8】折曲装置の斜視図である。
【図9】(A)は図8に示す下型の9(A)−9(A)線断面図であり、(B)は図8に示す下型の9(B)−9(B)線断面図である。
【図10】積層シート部材の折り曲げ前の状態を示す折曲装置の正面図である。
【図11】積層シート部材の折り曲げ後の状態を示す折曲装置の正面図である。
【符号の説明】
12 トレッド
20 ゴム層(低耐摩耗性ゴム)
22 ゴム層(高耐摩耗性ゴム、加硫済みゴム組成物)
24 第1のシート状部材(未加硫ゴムシート状部材)
26 第2のシート状部材
28 積層シート部材
30 ガイド
32 スリット孔
40 トレッド部材
44 上ローラ(第1ローラ部材)
46 下ローラ(第2ローラ部材)
48 型付けローラ(第1の回転ローラ、第1の回転ローラ)
62 型付け部材(第1の折り曲げ突起、第2の折り曲げ突起)

Claims (8)

  1. 互いに性質の異なる複数種類のシート状部材を互いに張り合わせて積層シート部材を形成する工程と、
    前記積層シート部材をジグザグ状に折り曲げ、互いに向かい合う面を密着させて厚肉のトレッド部材とする工程と、を有することを特徴とするトレッド部材の製造方法。
  2. 加硫することにより高耐摩耗性ゴムとなる第1の未加硫ゴム組成物からなる第1のシート状部材と、加硫することにより前記高耐摩耗性ゴムよりも耐摩耗性の低い低耐摩耗性ゴムとなる第2の未加硫ゴム組成物からなる第2のシート状部材又はゴム以外の材料からなり前記高耐摩耗性ゴムよりも耐摩耗性の低い第3のシート状部材の何れか一方と、を互いに張り合わせて積層シート部材を形成する工程と、
    前記積層シート部材をジグザグ状に折り曲げ、互いに向かい合う面を密着させて厚肉のトレッド部材とする工程と、を有することを特徴とするトレッド部材の製造方法。
  3. 未加硫ゴム組成物からなる未加硫ゴムシート状部材と、前記未加硫ゴム組成物を加硫して得られた加硫済みゴム組成物よりも強度の低い低強度シート状部材と、を互いに張り合わせて積層シート部材を形成する工程と、
    前記積層シート部材をジグザグ状に折り曲げ、互いに向かい合う面を密着させて厚肉のトレッド部材とする工程と、を有することを特徴とするトレッド部材の製造方法。
  4. 未加硫ゴム組成物からなる未加硫ゴムシート状部材と、液体によって溶解する材料からなる溶解性シート状部材と、を互いに張り合わせて積層シート部材を形成する工程と、
    前記積層シート部材をジグザグ状に折り曲げ、互いに向かい合う面を密着させて厚肉のトレッド部材とする工程と、を有することを特徴とするトレッド部材の製造方法。
  5. 入口の開口形状が一直線に延びたスリット形状で、出口の開口形状がジグザグに屈曲されたスリット形状とされ、入口から出口に向かうにしたがって孔断面形状が一直線状からジグザグ状に除々に変化するスリット孔を有するガイドを用い、
    前記積層シート部材を前記スリット孔の入口から挿入して出口から引き出すことによって前記積層シート部材をジグザグ状に折り曲げることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のトレッド部材の製造方法。
  6. 一方向に延び互いに平行に配置された複数の第1の折り曲げ突起と、前記第1の折り曲げ突起と同一方向に延びて互いに平行に配置されると共に前記第1の折り曲げ突起の並ぶ方向に前記第1の折り曲げ突起とは位相をずらして配置された複数の第2の折り曲げ突起と、を用い、
    前記積層シート部材を前記第1の折り曲げ突起と前記第2の折り曲げ突起との間に配置し、
    その後、前記第1の折り曲げ突起と前記第2の折り曲げ突起とを互いに接近させると共に、前記第1の折り曲げ突起の各々の間隔及び、前記第2の折り曲げ突起の各々の間隔を狭め、前記積層シート部材をジグザグ状に折り曲げることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のトレッド部材の製造方法。
  7. 半径方向外側へ向かうに従って幅が除々に狭まる第1の回転ローラが一方向に間隔を開けて並べられた第1ローラ部材と、
    前記第1の回転ローラと同一方向に間隔を開けて並べられ、前記第1の回転ローラの並ぶ方向に前記第1の回転ローラとは位相をずらして配置されると共に、前記第1の回転ローラとは一定の間隔を開けて配置され複数の前記第1の回転ローラとの間にジグザグ状の間隙を形成する複数の第2の回転ローラを有する第2ローラ部材と、を用い、
    前記積層シート部材を前記ジグザグ状の間隙を通過させることによって前記積層シート部材をジグザグ状に折り曲げることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のトレッド部材の製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のトレッド部材の製造方法によって得られたトレッド部材を、補強層と共に未加硫のカーカスのクラウン部に貼りつけて加硫を行い空気入りタイヤを製造することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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