JP2000309205A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents
空気入りタイヤ及びその製造方法Info
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Abstract
に大きくすると共に、高速走行時の外径膨張や外径成長
を防止することを可能にした空気入りタイヤ及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】 複数のカーカス層4,4をコードが層間
で互いに交差するように配置したバイアスプライ構造を
有すると共に、偏平比が55%以下であり、外径が30
0mm以下である空気入りタイヤにおいて、センターラ
インCLにおけるカーカス層4のタイヤ周方向に対する
コード角度θ1 を27〜37°の範囲にすると共に、ト
レッド部2の表面形状をトレッド幅TWの60〜75%
の領域Sでタイヤ幅方向に直線状に形成する。
Description
用として好適な空気入りタイヤ及びそれを製造する方法
に関し、さらに詳しくは、内圧充填状態(インフレート
状態)において接地面積を最大限に大きくすると共に、
高速走行時の外径膨張や外径成長を防止するようにした
空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
スタイヤは、一般に偏平比が小さく、トレッド幅が大き
く、またカーカス層のタイヤ周方向に対するコード角度
が40°以下に設定されている。しかし、バイアスタイ
ヤはラジアルタイヤと違ってトレッド部に接地面を押さ
え付けるベルト部材が埋設されていないため、インフレ
ート状態でタイヤ子午線断面におけるトレッドラジアス
が小さくなるように変形し、それにより接地幅が小さく
なる傾向がある。そして、接地幅が小さくなると操縦安
定性が低下してしまうのである。
トレッド部の表面にタイヤ内側に膨らむ逆ラジアスを与
えてトレッドセンター部を窪ませたトレッド形状を採用
したり、或いはタイヤ内側に膨らむ逆ラジアスとタイヤ
外側に膨らむ通常のラジアスとを組み合わせたトレッド
形状を採用することが提案されている。
ッド形状ではインフレート状態においてトレッド表面が
凹凸を形成するため接地面積を十分に大きくすることが
できなかった。また、レーシングカート等に使用される
バイアスタイヤでは上記トレッド形状を採用しても高速
走行時の遠心力によりトレッド部がタイヤ径方向外側に
膨張するため、外径膨張や外径成長を抑制する効果も不
十分であった。
フレート状態において接地面積を最大限に大きくすると
共に、高速走行時の外径膨張や外径成長を防止すること
を可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法を提供す
ることにある。
の本発明の空気入りタイヤは、複数のカーカス層をコー
ドが層間で互いに交差するように配置したバイアスプラ
イ構造を有すると共に、偏平比が55%以下であり、外
径が300mm以下である空気入りタイヤにおいて、前
記カーカス層のタイヤ周方向に対するコード角度をセン
ターラインの位置で27〜37°の範囲にすると共に、
トレッド部の表面形状をトレッド幅の60〜75%の領
域でタイヤ幅方向に直線状に形成したことを特徴とする
ものである。
ターラインの位置で27〜37°の範囲にし、かつトレ
ッド部の表面形状をトレッド幅の60〜75%の領域で
タイヤ幅方向に直線状に形成し、両ショルダー間を最短
距離で連結することにより、インフレート状態において
トレッド表面が凹凸を形成することなく均一に接地して
接地面積を最大限に大きくすることができ、しかも高速
走行時の外径膨張や外径成長を最小限に抑制することが
できる。そのため、本発明の空気入りタイヤはレーシン
グ用、特にレーシングカート用として好適であり、この
種のタイヤとして優れた操縦安定性を発揮することがで
きる。
タイヤ成形金型内における形状である。このトレッド部
の表面形状は上記領域でタイヤ幅方向に直線にすること
が好ましいが、半径900mm以上で実質的に直線状を
なす円弧であっても良い。また、トレッド部を直線状に
形成する領域(直線領域)はセンターラインを中心とし
て配置することが好ましい。なお、上記トレッド幅と
は、タイヤ子午線断面においてトレッド部の輪郭をタイ
ヤ幅方向外側に延長した仮想線と、サイドウォール部の
輪郭をタイヤ径方向外側に延長した仮想線との交点を左
右のショルダー部に求めたとき、これら交点間の距離に
相当するものである。
り製造することができる。即ち、本発明の空気入りタイ
ヤの製造方法は、複数のカーカス層をコードが層間で互
いに交差するように配置したバイアスプライ構造を有す
ると共に、偏平比が55%以下であり、外径が300m
m以下である空気入りタイヤの製造方法において、前記
カーカス層を円筒状に成形し、該カーカス層の外周側に
帯状のトレッドゴム押出し物を巻き付けてグリーンタイ
ヤを成形し、該グリーンタイヤを金型内で膨径させて前
記カーカス層のタイヤ周方向に対するコード角度をセン
ターラインの位置で27〜37°の範囲にすると共に、
前記トレッドゴム押出し物からなるトレッド部の表面形
状をトレッド幅の60〜75%の領域でタイヤ幅方向に
直線状に形成することを特徴とするものである。
の図面を参照して詳細に説明する。
りタイヤを例示するものである。このタイヤは偏平比が
55%以下で、かつ外径が300mm以下のバイアスプ
ライ構造を有するレーシングカート用である。また、図
1は金型内におけるタイヤ形状を示すものである。
部、3はビード部1とトレッド部2とを連接するサイド
ウォール部である。左右一対のビード部1,1間には、
複数本の有機繊維コードを引き揃えてゴム引きした2層
のカーカス層4,4が装架されている。これらカーカス
層4,4はコードがタイヤ周方向に対して傾斜し、かつ
層間でコードが互いに交差するように配置されている。
カーカス層4,4のタイヤ幅方向の両端部はそれぞれビ
ードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられ
ている。
2の輪郭を形成する円弧をタイヤ幅方向外側に延長した
仮想線V1 と、サイドウォール部3の輪郭を形成する円
弧をタイヤ径方向外側に延長した仮想線V2 との交点P
としたとき、これら交点P,P間の距離がトレッド幅T
Wである。そして、トレッド部2の表面形状はトレッド
幅TWの60〜75%の領域Sでタイヤ幅方向に直線状
に形成されている。この直線領域Sは実質的にトレッド
接地領域に相当するものである。
ッド幅TWの60〜75%の領域Sで直線状に形成し、
両ショルダー間を最短距離で連結するので、インフレー
ト状態においてトレッド表面が凹凸を形成することなく
均一に接地するようになり、接地面積を最大限に大きく
することができる。また、両ショルダー間を最短距離で
連結した構造では、高速走行時における大きな遠心力を
受けてもトレッド部2がタイヤ径方向外側に変形しにく
いので、タイヤの外径膨張や外径成長を最小限に抑制す
ることができる。
未満であると接地面積の増大効果が得られず、75%を
超えると接地圧分布を均一にする良好な接地形状を形成
することができなくなる。また、トレッド幅TWに対し
て直線領域Sを設定するに当たって、この直線領域Sは
センターラインCLを中心として配置することが好まし
い。
示すように、センターラインCLにおけるカーカス層4
のタイヤ周方向に対するコード角度θ1 は27〜37°
の範囲、より好ましくは32°に設定されている。コー
ド角度θ1 が上記範囲から外れるとインフレート状態に
おける接地面積を最大限に大きくする効果が得られなく
なる。また、直線領域S内の任意の位置におけるカーカ
ス層4のタイヤ周方向に対するコード角度θ2 は、セン
ターラインCLでのコード角度θ1 の95〜105%の
範囲に設定されている。直線領域Sにおけるコード角度
θ2 が上記範囲から外れるとインフレート状態でトレッ
ド部2の表面形状が凹凸になり易くなる。
おけるトレッドゴム厚さT1 は3〜7mmの範囲に設定
されている。しかも、トレッド部2のショルダー領域に
おけるトレッドゴム厚さT2 は、センターラインCLに
おけるトレッドゴム厚さT1の90〜110%の範囲に
設定されている。
ーカス層4のタイヤ周方向に対するコード角度θ1 を2
7〜37°の範囲にしたタイヤにおいて、トレッドゲー
ジ分布を小さくすると、インフレート状態においてトレ
ッド表面が滑らかな曲線を形成するため接地面積の増大
に寄与する。ショルダー領域におけるトレッドゴム厚さ
T2 が上記範囲から外れると接地面積の増大効果が不十
分になる。なお、上記ショルダー領域とは、直線領域S
のタイヤ幅方向端部を中心とする幅10mmの領域であ
る。
方法について説明する。上記タイヤを製造するに当たっ
て、先ず、成形ドラムを用いて2層のカーカス層4,4
を円筒状に成形し、これらカーカス層4,4の外周側に
帯状のトレッドゴム押出し物を巻き付けてグリーンタイ
ヤを成形する。
すものを使用すると良い。この図4に示すように、トレ
ッドゴム押出し物Tにはその両縁部に沿ってタイヤ外周
側に突出する突条Aが設けられている。この突条Aは断
面形状が略台形をなしている。このようにトレッドゴム
押出し物Tの両縁部に沿って略台形の突条Aを設けるこ
とにより、加硫時におけるトレッド部のゴム流れがスム
ーズになるので、カーカスコードの角度変化を良好に
し、加硫後のトレッドゴム厚さを均一にすることができ
る。その結果、加硫故障の発生を低減し、均一な形状の
タイヤを得ることが可能になる。
55%以下のレーシングタイヤは、加硫成形時に金型内
での内圧負荷により膨径し、この膨径が完了した段階に
おいて製品タイヤの内部構造が決まるため、ゴム流れが
スムーズでないと、ゴム流れ不良やエア溜まり、更には
カーカスコードの角度変化不良を生じ、これがインフレ
ート状態でのタイヤ形状に不良を引き起こす。これに対
して、従来はトレッドゴム押出し物のショルダー部付近
に断面形状が三角形の突条を設け、その厚さを調整する
ことによりゴム流れを調整している。しかしながら、上
述のような三角形の突条では本発明の空気入りタイヤに
おけるゴム流れを改善することはできなかった。
おいて厚さt2 を有すると共に、最外側のエッジe1 か
ら1段又は2段の変曲点を経て、該エッジe1 からタイ
ヤ幅方向内側へ15〜25mmの位置e2 で総厚さt1
となり、幅w2 にわたって総厚さt1 を保持している。
突条Aのセンター側のエッジe3 では10〜20mmの
幅で徐々に厚さが減少して厚さt2 に至っている。この
トレッドゴム押出し物TはセンターラインCLを中心に
左右対称であり、全体として幅w1 を有している。
w1 に対する突条Aの幅w2 の比(w2 /w1 )を0.
15〜0.25の範囲にすると共に、トレッドゴム押出
し物T及び突条Aの総厚さt1 に対するトレッドゴム押
出し物Tの中央部の厚さt2の比(t2 /t1 )を0.
55〜0.65の範囲にすることが好ましい。
から外れると加硫後において均一なトレッドゴム厚さを
得ることが困難になる。即ち、比w2 /w1 が0.15
未満であるとショルダー部のゲージが相対的に薄くな
り、逆に0.25を超えるとセンター部のゲージが不均
一になり易い。一方、比t2 /t1 が0.55未満であ
るとショルダー部のゲージが相対的に厚くなり、逆に
0.65を超えるとセンター部のゲージが相対的に厚く
なる。
ッド部2の輪郭をタイヤ幅方向外側に延長した仮想線V
1 と、サイドウォール部3の輪郭をタイヤ径方向外側に
延長した仮想線V2 との交点Pの位置と略一致させるこ
とが望ましい。但し、金型のショルダー部分の形状やタ
イヤサイズ(寸法)により多少のずれを生じても良い。
突条Aがタイヤショルダー部から外れていると、上述の
ようにゴム流れを良好にする効果が得られなくなる。
ドゴム押出し物Tを巻き付けてグリーンタイヤを成形し
た後、該グリーンタイヤを製品タイヤの外面形状に略一
致するキャビティを備えた金型の内側に挿入する。この
金型はトレッド部に対応する部分の内面形状がトレッド
幅の60〜75%の領域でタイヤ幅方向に直線状に形成
されている。そして、加硫成形時においてグリーンタイ
ヤをブラダーにより金型内で膨径させてカーカス層4,
4のタイヤ周方向に対するコード角度をセンターライン
の位置で27〜37°の範囲にすると共に、トレッドゴ
ム押出し物Tからなるトレッド部2の表面形状をトレッ
ド幅の60〜75%の領域でタイヤ幅方向に直線状に形
成する。
ば、トレッド部2の表面形状をトレッド幅の60〜75
%の領域でタイヤ幅方向に直線状に形成したタイヤを製
造するに際し、トレッドゲージを均一にし、カーカスコ
ード角度のバラツキを小さくすると共に、ゴム流れ不良
による加硫故障の発生を防止することができる。
バイアスプライ構造を有するレーシングカート用タイヤ
において、タイヤ構造を下記のように種々異ならせた本
発明タイヤ、比較タイヤ1,2及び従来タイヤ1〜3を
それぞれ製作した。なお、タイヤ外径は289mmであ
る。
レッド幅の中央70%の領域でタイヤ幅方向に直線状に
形成すると共に、センターラインにおけるカーカス層の
タイヤ周方向に対するコード角度(カーカス製品角度)
を32°にした。
にしたこと以外は、上記本発明タイヤと同じ構造にし
た。
にしたこと以外は、上記本発明タイヤと同じ構造にし
た。
レッド幅の中央70%の領域でタイヤ幅方向にコンベッ
クス形状に形成すると共に、カーカス製品角度を32°
にした。なお、上記コンベックス形状の曲率半径は80
0mmとした。
にしたこと以外は、上記従来タイヤ1と同じ構造にし
た。
にしたこと以外は、上記従来タイヤ1と同じ構造にし
た。
チのホイールに組付け、空気圧100kPa、荷重0.
45kNの条件で平面上に配置し、その接地面積を測定
し、その結果を表1に示した。評価結果は、本発明タイ
ヤを100とする指数で示した。この指数値が大きいほ
どインフレート状態での接地面積が大きいこと意味す
る。
較タイヤ1,2及び従来タイヤに比べてインフレート状
態での接地面積が大幅に増大していた。
イアスプライ構造を有すると共に、偏平比が55%以下
であり、外径が300mm以下である空気入りタイヤに
おいて、カーカス層のタイヤ周方向に対するコード角度
をセンターラインの位置で27〜37°の範囲にすると
共に、トレッド部の表面形状をトレッド幅の60〜75
%の領域でタイヤ幅方向に直線状に形成したことによ
り、インフレート状態において接地面積を最大限に大き
くすると共に、高速走行時の外径膨張や外径成長を防止
することができる。
ング用、特にレーシングカート用として優れた操縦安定
性を発揮することができる。
示する断面図である。
す平面図である。
示す半断面図である。
るトレッドゴム押出し物を示す半断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 複数のカーカス層をコードが層間で互い
に交差するように配置したバイアスプライ構造を有する
と共に、偏平比が55%以下であり、外径が300mm
以下である空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層の
タイヤ周方向に対するコード角度をセンターラインの位
置で27〜37°の範囲にすると共に、トレッド部の表
面形状をトレッド幅の60〜75%の領域でタイヤ幅方
向に直線状に形成した空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 前記トレッド部の直線領域における前記
カーカス層のコード角度を、前記センターラインにおけ
る前記カーカス層のコード角度の95〜105%の範囲
にした請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項3】 前記トレッド部のショルダー領域におけ
るトレッドゴム厚さを、前記センターラインにおけるト
レッドゴム厚さの90〜110%の範囲にした請求項1
又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項4】 複数のカーカス層をコードが層間で互い
に交差するように配置したバイアスプライ構造を有する
と共に、偏平比が55%以下であり、外径が300mm
以下である空気入りタイヤの製造方法において、前記カ
ーカス層を円筒状に成形し、該カーカス層の外周側に帯
状のトレッドゴム押出し物を巻き付けてグリーンタイヤ
を成形し、該グリーンタイヤを金型内で膨径させて前記
カーカス層のタイヤ周方向に対するコード角度をセンタ
ーラインの位置で27〜37°の範囲にすると共に、前
記トレッドゴム押出し物からなるトレッド部の表面形状
をトレッド幅の60〜75%の領域でタイヤ幅方向に直
線状に形成する空気入りタイヤの製造方法。 - 【請求項5】 前記トレッドゴム押出し物にその両縁部
に沿ってタイヤ外周側に突出する突条を設け、該突条の
断面形状を台形にした請求項4に記載の空気入りタイヤ
の製造方法。 - 【請求項6】 前記トレッドゴム押出し物の幅w1 に対
する前記突条の幅w 2 の比(w2 /w1 )を0.15〜
0.25の範囲にすると共に、前記トレッドゴム押出し
物及び前記突条の総厚さt1 に対する前記トレッドゴム
押出し物の中央部の厚さt2 の比(t2 /t1 )を0.
55〜0.65の範囲にした請求項5に記載の空気入り
タイヤの製造方法。
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