JP2004358929A - 空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004358929A JP2004358929A JP2003163408A JP2003163408A JP2004358929A JP 2004358929 A JP2004358929 A JP 2004358929A JP 2003163408 A JP2003163408 A JP 2003163408A JP 2003163408 A JP2003163408 A JP 2003163408A JP 2004358929 A JP2004358929 A JP 2004358929A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nonwoven fabric
- pneumatic tire
- composite
- rubber
- holes
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Tires In General (AREA)
- Tyre Moulding (AREA)
Abstract
【課題】複合体の不織布とゴムとの十分なる一体化をもたらして、その複合体の耐久性を向上させる。
【解決手段】不織布とゴムとの複合体を、トレッド部および、ビード部含むサイド部の少なくとも一方に一層以上配設してなる空気入りタイヤを製造するに当り、複数個の貫通孔2を設けた、フィラメント繊維よりなる不織布1に、それの両面側から未加硫ゴム3をコーティングし、次いで、未加硫ゴム3をコーティングしたその不織布1を成型型上に貼り付けて生タイヤを成型する。
【選択図】 図2
【解決手段】不織布とゴムとの複合体を、トレッド部および、ビード部含むサイド部の少なくとも一方に一層以上配設してなる空気入りタイヤを製造するに当り、複数個の貫通孔2を設けた、フィラメント繊維よりなる不織布1に、それの両面側から未加硫ゴム3をコーティングし、次いで、未加硫ゴム3をコーティングしたその不織布1を成型型上に貼り付けて生タイヤを成型する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、タイヤの補強部材として、不織布とゴムとの複合体を用いる場合の空気入りタイヤの製造方法および、その方法によって製造した空気入りタイヤに関するものであり、とくには、不織布に固有のすぐれた補強機能を十分に発揮させる技術を提案するものである。
【0002】
【従来の技術】
不織布、なかでも、フィラメント繊維の交差型多方向配列になる不織布は、タイヤの補強部材として用いて、各方向に対してすぐれた補強機能を発揮することができ、しかも、ゴムとの強力な接着を可能とすることから、たとえば、特開平9−20109号公報、特開2002−144823号公報および特開2002−144825号公報等に、不織布とゴムとの複合体を、タイヤの、ビード部を含むサイド部の補強に供する技術が提案されており、これらによれば、不織布は、フィラメント繊維が撚られていないことから、ゴムが内部まで浸透し易く、これにより、板状の一体構造体となって、変形の吸収、抑制等にすぐれた機能を発揮するので、タイヤの運動性能や耐久性の向上をもたらすことができるとする。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−20109号公報
【特許文献2】
特開2002−144823号公報
【特許文献3】
特開2002−144825号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、現実には、ゴム材料の、不織布の内部への十分なる浸透を常に確実に実現することは甚だ困難であり、たとえば、タイヤの加硫時における伝播圧力の不足等に起因する、不織布とゴムとの複合体の、耐久性等に対する懸念は依然として残っており、このことは、その複合体を、タイヤの変形量の大きい部分に適用する場合および、大きな負荷を受けるタイヤに適用する場合等にとくに重大であった。
【0005】
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、加硫条件等のばらつきの有無にかかわらず、複合体の、不織布とゴムとの十分なる一体化を実現することができ、結果として、その複合体に、耐久性等に対する高い信頼性の下で、所期した通りの機能を十分に発揮させることを可能とする空気入りタイヤの製造方法および、その方法によって製造した空気入りタイヤを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の空気入りタイヤの製造方法は、不織布とゴムとの複合体を、トレッド部および、ビード部を含むサイド部の少なくとも一方に一層以上配設してなる空気入りタイヤを製造するに当って、複数個の貫通孔を設けた、フィラメント繊維よりなる不織布に、それの両面側から未加硫ゴムをコーティングし、次いで、未加硫ゴムをコーティングしたその不織布を成型型上に貼り付けて生タイヤを成型するにある。
【0007】
ここで「不織布」とは、それを構成するフィラメント繊維の相互が、接着、融着されていない状態のものをいい、この不織布は、多数本のフィラメント繊維のそれぞれが三方向以上の方向に延びて相互に交差する交差型多方向配列になるものが好ましい。ここでこの交差型多方向配列は、それぞれのフィラメント繊維を、縦方向もしくは縦横方向と、左右斜め方向とに延在させること、二種類以上の傾き角度をもたせて左右斜め方向に延在させること、ランダムに延在させること等によって実現することができ、また、全ての、もしくは大部分のフィラメント繊維は、それらを、交差型多方向配列にすると否との別なく、複数の波形をつけたクリンプ繊維とすることが好ましい。
【0008】
またここで、「貫通孔」とは、不織布のフィラメント繊維間に存在する間隙よりもはるかに大きい開口面積、たとえば直径を有するものであって、不織布の一方の面から他方の面まで直線状に貫通するものをいう。
【0009】
そしたまた、不織布に対する未加硫ゴムのコーティングは、たとえば、予め接着処理を施したまたは施さない不織布に対し、シート状の未加硫ゴムを、プレスもしくはロール等を用いて圧着させて、その未加硫ゴムを繊維間隙内へ押し込むことによって行うことができる。
【0010】
さらに、ここでいう「成型型」は、既知の一般的な成型ドラムの他、拡縮径可能な剛性支持部材を含む成型ドラムおよび、製品タイヤの内周面形状に近似した外周面形状を有し、円周方向で複数に分割可能ないわゆるハードコア等をも含むものとする。
【0011】
この方法に従って生タイヤを成型する場合には、不織布の両面側からコーティングされた未加硫ゴムの相互が、その不織布に設けた、好ましくは1cm2当り4個以上の貫通孔を経て相互に接合されることになるので、成型された生タイヤの加硫時に、コーティングゴムの流動量が不足して、そのゴムが不織布内に十分に浸透できないことがあっても、その不織布を構成するフィラメント繊維は、貫通孔の形成位置で、コーティングゴムをもって縫着されることになり、繊維相互の分離ないしは剥離がそのコーティングゴムによって十分に拘束されるので、加硫を終えた後の、不織布とゴムとの複合体の耐久性を、従来技術に比して大きく向上させることができ、その複合体に、それ本来の機能を、それの適用個所の変形条件、荷重条件等のいかんにかかわらず、長期間にわたって十分に発揮させることができる。
【0012】
しかもこの場合には、コーティングゴムは、貫通孔の周面から不織布内へ浸透することもできるので、コーティングゴムの浸透不足を有利に補って、フィラメント繊維の一体化を一層促進することができる。
【0013】
これをいいかえれば、コーティングゴムの浸透不足の複合体が、たとえばタイヤサイド部に配設されている場合は、その複合体が、タイヤの負荷転動によって、剪断変形、圧縮変形、引張り変形等されるに当って、積層構造になる不織布繊維の相互間に剪断力が作用すると、層状をなすフィラメント繊維間に剥離が生じるおそれがあり、一旦その剥離が生じると複合体による力の支持能力等が極端に低下するため、その複合体はタイヤの補強機能を実質的に発揮し得なくなるところ、上述したところによって生タイヤを成型した場合には、加硫後の製品タイヤでのこのような問題を十分に取り除くことができる。
【0014】
ところで、不織布に対する貫通孔の形成は、製造された不織布へのエアブローによって、フィラメント繊維を、それらに破断等を生じさせることなく押し退けることにより行うことができる他、不織布の製造に当って、支持台に突設した突部をもってフィラメント繊維を前後、左右等に振り分け配置することによっても行うことができ、これらのいずれによっても、フィラメント繊維を、それの切断も破断もなしに所定の長さに維持することができるので、不織布、ひいては、複合体に、所期した機能を十分に発揮させることができる。
【0015】
なおここで、不織布の目付けは200〜1000mN/m2とすることが、タイヤの補強部材として用いる上で好適である。
すなわち、それが200mN/m2未満では、補強した部分の曲げ剛性が低く、補強部材としての実効に乏しく、一方、1000mN/m2を越えると、補強した部分の曲げ剛性が高くなりすぎて、車両への乗心地等が低下するおそれがある。
【0016】
また、不織布の貫通孔の開口面積は0.5〜3mm2とすることが好ましい。
これによれば、生タイヤの加硫に際するゴムの流動性が、ゴムの物性そのものに起因して悪い場合、および、加圧力の不足に起因して悪い場合のいずれにあっても、不織布の両面のコーティングゴムの相互を、確実に接合連結させて、不織布繊維の剥離抗力を十分に高めることができるので、加硫後の複合体の耐久性を大きく向上させることができる。
【0017】
ところで、その開口面積が0.5mm2未満では、貫通孔を満たすコーティングゴムによる、フィラメント繊維に対する拘束力が低くなりすぎる他、そのゴムが剪断力等によって破断されるおそれが高くなり、また、3mm2を越えると、貫通孔の孔壁面と不織布との接合強度が低くなって、コーティングゴムによる、不織布繊維に対する拘束力が低くなりすぎるおそれがある。
【0018】
この発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部と、一対のサイドウォール部およびビード部とを具え、これらの各部を補強するカーカスおよび、カーカスのクラウン域の外周側でトレッド部を補強するベルトのそれぞれを設けるとともに、不織布とゴムとの複合体を、トレッド部および、ビード部を含むサイド部の少なくとも一方に一層以上配設したものであり、複合体のゴム、すなわちコーティングゴムを、不織布に設けた複数個の貫通孔のそれぞれに充満させたものである。
【0019】
このタイヤでは、不織布を、コーティングゴムのそこへの浸透に加え、前述したような、コーティングゴムによる縫着をもって十分に拘束することができるので、複合体それ自体の耐久性を十分に確保して、その複合体に所期した機能を長期間にわたって発揮させることができる。
【0020】
ここで、輪郭形状を円形、楕円形、角形等とすることができる貫通孔の開口面積は0.5〜3mm2とすることが、複合体の耐久性をより有効に向上させる上で好ましい。
開口面積が0.5mm2未満では、貫通孔を充満するコーティングゴムによるフィラメント繊維に対する拘束が低い他、それが、剪断力等によって破断されるおそれが高く、また、3mm2を越えると、先に述べたと同様に、貫通孔と、コーティングゴムとの接合強度が低くなりすぎるおそれがある。
【0021】
ところで、複合体は、タイヤの所要位置に配設できることはもちろんであるが、その複合体を、サイド部のカーカスの外側、すなわち、カーカス本体部分と、その本体部分の外側に延びる巻返し部分との間または、カーカスのその巻返し部分のさらに外側に配設した場合には、タイヤの耐久性の低下なしに操縦安定性を向上させることができる。
【0022】
また、その複合体を、上述したところに代えてもしくは加えて、ベルトの外周側に配設した場合には、トレッド踏面への突起入力、そこへの尖鋭異物の刺さり込み等に対してベルトを有効に保護することができ、また、タイヤの高速回転に際する、トレッド踏面の迫出し変形を有効に阻止してタイヤの高速耐久性を向上させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を図面に示すところに基いて説明する。
図1は、不織布への貫通孔の形成態様を例示する拡大部分平面図であり、図中1は、たとえば、綿、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、アラミドなどの他、カーボン、ガラス等から選択した一種もしくは二種以上の混合になるフィラメント繊維によって、好ましくは、そのフィラメント繊維の交差型多方向配列によって構成した、好適には目付けが200〜1000mN/m2の範囲の不織布を示す。
【0024】
かかる不織布1に対し、ここでは、輪郭形状が円形をなす貫通孔2を千鳥上に形成し、各貫通孔2の開口面積、より正確には、貫通孔2の横断面積の平均値を、たとえば約2mm2とするとともに、それらの貫通孔2の1cm2当りの穿設を4個とする。
【0025】
不織布1に対するこのような貫通孔2の形状は、エアブローをもって、フィラメント繊維を押し退け変位ないしは変形させることにより、所定の範囲の長さをもつフィラメント繊維に、破断も切断も生じさせることなく行うことができる他、不織布の製造に当り、支持台に突設した突部によって、その支持台上に積層されるフィラメント繊維を、前後、左右等に振り分け配置して、各突部位置に、突部輪部に対応する形状の孔を形成することにより行うこともできる。
【0026】
図2は、このような不織布の両面側から未加硫ゴムをコーティングした状態を示す部分断面図であり、たとえば、接着処理を施した不織布1に対し、シート状の未加硫ゴムを、プレスまたはロールを用いて両面側から圧着させてコーティングすることにより、それらのコーティングゴム3は、圧着力、不織布繊維の間隙およびゴム粘度等との関連において不織布内へ浸入するとともに、貫通孔内へ進入して、好ましくは、図2(a)に示すように貫通孔内で相互に接合される。
【0027】
ところで、ここにおけるコーティングゴム3は、たとえば生タイヤの加硫時の加熱加圧に当っては、流動性を高められて、不織布1の両面側からその内部へ一層浸透する他、貫通孔2の周面からもまた内部へ浸透することになり、また、貫通孔内に、不織布1の両面側から進入したゴム部分は、相互の接触、混じり合いの下に強固に一体化されることになる。
【0028】
従って、未加硫ゴムのコーティング状態の下では、図2(b)に例示するように、貫通孔内への、それぞれの進入ゴム部分が相互に間隔をおいて位置することがあっても、それらの両ゴム部分は、加硫時の加熱加圧によって十分に合体され、一体的に連結されることになる。
【0029】
なおここで、未加硫ゴムをコーティングした不織布1に対する加硫の終了後の複合体においてもまた、不織布1の貫通孔内で連続するゴム部分に十分な強度を付与する一方で、貫通孔内のゴムと孔壁面との接合強度を確保するためには、その貫通孔2の開口面積、ひいては、貫通孔2の横断面積の平均値を0.5〜3mm2の範囲とすることが好ましい。
【0030】
図3は、図2に例示するような未加硫ゴムコーティング不織布を用い、この発明方法に従って製造した空気入りタイヤの横断面を示す図であり、これは、未加硫ゴムコーティング不織布を、たとえばタイヤ成型ドラム上で、製品タイヤの、それぞれのサイドウォール部と対応する部分に一枚ずつ貼着して生タイヤを成型した後、その生タイヤを、加硫金型内での加熱加圧下で加硫したものである。
【0031】
このタイヤは、トレッド部11と、このトレッド部11の両側部から半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部12と、各サイドウォール部12の内周側に連続するビード部13とを具えるとともに、それぞれのビード部13に配設したビードコア14間にトロイダルに延びるとともに、側部部分をビードコア14の周りで、タイヤ幅方向の内側から外側に巻返されて上記各部を補強するカーカス15および、このカーカス15のクラウン域の外周側に配設されてトレッド部11を補強するベルト16を具えるものであり、サイドウォール部12で、カーカス15の外側、ここでは、カーカス本体部分15aの外側で、カーカス巻返し部分15bの内側に、未加硫ゴムコーティング不織布の加硫体になる、不織布とゴムとの複合体17を配設したものである。
【0032】
なおこの図に示すところでは、複合体17の配設域を、ビードベース側から測って、タイヤ断面高さHの0.3H〜0.7H倍の範囲内としているも、この配設域は所要に応じて適宜に変更できることができ、たとえば図4(a)に例示するように、ビード部13のビードヒール近傍部分から、サイドウォール部12のトレッドショルダ近傍部分までとすることもできる。なお、この配設態様を選択するときは、複合体17は、カーカス巻返し部分15bのさらに外側に配設されることになる。
【0033】
また複合体17は、それの配設層数を、図4(b)に例示するように、二層もしくはそれ以上の複数層とすることもできる。なお、この図では、外側の複合体17を、ビード部13から、サイドウォール部12のバットレス部分までとし、内側の複合体17を、ビード部13から、カーカス巻返し部分15bの半径方向外端をカバーする領域までとしているも、このような配設域もまた所要に応じて適宜に変更できることはもちろんである。
【0034】
ところで、このような空気入りタイヤにおいて、複合体17に存在する不織布貫通孔の、横断面積の平均値は、先に述べたように0.2〜3mm2の範囲とすることが好ましい。
【0035】
また、複合体17は、ビード部13をも含むタイヤサイド部に配設することに加えて、または、それに代えて、図5に例示するように、ベルト16の外周側に配設することもできる。この場合、複合体17の、トレッド幅方向の配設域は、図示のように、ベルト16の側部域に重なるレイヤ18を配設したときは、従来から一般に用いられている、いわゆるキャップ層の配設域とほぼ同様とすることができ、一方、レイヤ18を配設しないときは、そのレイヤのもしくはキャップの配設域または、キャップおよびレイヤの両配設域とすることもできる。
【0036】
【実施例】
サイドウォール部に、図3に示すように複合体を配設した、サイズが235/75R15のタイヤであって、複合体不織布の貫通孔密度および貫通孔開口面積のそれぞれをパラメータとしたものを、6.5Jのリムに組付けるとともに、充填空気圧を180kpa、荷重を8000N、速度を60km/hとしてドラム耐久試験を行って、複合体の配設個所に破壊が生じるまでのタイヤの走行距離を測定したところ、表1に示す結果を得た。なお表中のドラム耐久性指数は、大きいほどすぐれた結果を示すものとした。
【0037】
【表1】
【0038】
表1によれば、実施例タイヤはいずれも、貫通孔を設けた不織布を用いることによって耐久性を有利に向上させ得ることが明らかであり、また、貫通孔開口面積は、それが1mm2の場合に耐久性がもっとも高くなり、そして、貫通孔密度については、1cm2当り4個とすることで、耐久性が最も高くなることが明らかである。
【0039】
【発明の効果】
上記実施例からも明らかなように、この発明によれば、不織布とゴムとの複合体において、不織布を、その内部へのコーティングゴムの浸透と併せて、そこに設けた貫通孔での、それぞれの表面側のコーティングゴムの相互連結によって一体的にかつ強固に拘束することで、不織布のフィラメント繊維の、意図しない剥離を原因とする、複合体の耐久性の低下を十分に防止することができ、これがため、複合体を補強部材として適用した空気入りタイヤにおいては、不織布に固有の補強機能を、長期間にわたって所期した通りに発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】不織布への貫通孔の形成態様を例示する拡大部分平面図である。
【図2】不織布への未加硫ゴムのコーティング状態を示す断面図である。
【図3】この発明に係るタイヤの実施形態を示す横断面図である。
【図4】複合体の他の配設態様を例示する部分横断面図である。
【図5】複合体のさらに他の配設態様を例示するトレッド部の横断面図である。
【符号の説明】
1 不織布
2 貫通孔
3 コーティングゴム
11 トレッド部
12 サイドウォール部
13 ビード部
15 カーカス
16 ベルト
17 複合体
【発明の属する技術分野】
この発明は、タイヤの補強部材として、不織布とゴムとの複合体を用いる場合の空気入りタイヤの製造方法および、その方法によって製造した空気入りタイヤに関するものであり、とくには、不織布に固有のすぐれた補強機能を十分に発揮させる技術を提案するものである。
【0002】
【従来の技術】
不織布、なかでも、フィラメント繊維の交差型多方向配列になる不織布は、タイヤの補強部材として用いて、各方向に対してすぐれた補強機能を発揮することができ、しかも、ゴムとの強力な接着を可能とすることから、たとえば、特開平9−20109号公報、特開2002−144823号公報および特開2002−144825号公報等に、不織布とゴムとの複合体を、タイヤの、ビード部を含むサイド部の補強に供する技術が提案されており、これらによれば、不織布は、フィラメント繊維が撚られていないことから、ゴムが内部まで浸透し易く、これにより、板状の一体構造体となって、変形の吸収、抑制等にすぐれた機能を発揮するので、タイヤの運動性能や耐久性の向上をもたらすことができるとする。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−20109号公報
【特許文献2】
特開2002−144823号公報
【特許文献3】
特開2002−144825号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、現実には、ゴム材料の、不織布の内部への十分なる浸透を常に確実に実現することは甚だ困難であり、たとえば、タイヤの加硫時における伝播圧力の不足等に起因する、不織布とゴムとの複合体の、耐久性等に対する懸念は依然として残っており、このことは、その複合体を、タイヤの変形量の大きい部分に適用する場合および、大きな負荷を受けるタイヤに適用する場合等にとくに重大であった。
【0005】
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、加硫条件等のばらつきの有無にかかわらず、複合体の、不織布とゴムとの十分なる一体化を実現することができ、結果として、その複合体に、耐久性等に対する高い信頼性の下で、所期した通りの機能を十分に発揮させることを可能とする空気入りタイヤの製造方法および、その方法によって製造した空気入りタイヤを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の空気入りタイヤの製造方法は、不織布とゴムとの複合体を、トレッド部および、ビード部を含むサイド部の少なくとも一方に一層以上配設してなる空気入りタイヤを製造するに当って、複数個の貫通孔を設けた、フィラメント繊維よりなる不織布に、それの両面側から未加硫ゴムをコーティングし、次いで、未加硫ゴムをコーティングしたその不織布を成型型上に貼り付けて生タイヤを成型するにある。
【0007】
ここで「不織布」とは、それを構成するフィラメント繊維の相互が、接着、融着されていない状態のものをいい、この不織布は、多数本のフィラメント繊維のそれぞれが三方向以上の方向に延びて相互に交差する交差型多方向配列になるものが好ましい。ここでこの交差型多方向配列は、それぞれのフィラメント繊維を、縦方向もしくは縦横方向と、左右斜め方向とに延在させること、二種類以上の傾き角度をもたせて左右斜め方向に延在させること、ランダムに延在させること等によって実現することができ、また、全ての、もしくは大部分のフィラメント繊維は、それらを、交差型多方向配列にすると否との別なく、複数の波形をつけたクリンプ繊維とすることが好ましい。
【0008】
またここで、「貫通孔」とは、不織布のフィラメント繊維間に存在する間隙よりもはるかに大きい開口面積、たとえば直径を有するものであって、不織布の一方の面から他方の面まで直線状に貫通するものをいう。
【0009】
そしたまた、不織布に対する未加硫ゴムのコーティングは、たとえば、予め接着処理を施したまたは施さない不織布に対し、シート状の未加硫ゴムを、プレスもしくはロール等を用いて圧着させて、その未加硫ゴムを繊維間隙内へ押し込むことによって行うことができる。
【0010】
さらに、ここでいう「成型型」は、既知の一般的な成型ドラムの他、拡縮径可能な剛性支持部材を含む成型ドラムおよび、製品タイヤの内周面形状に近似した外周面形状を有し、円周方向で複数に分割可能ないわゆるハードコア等をも含むものとする。
【0011】
この方法に従って生タイヤを成型する場合には、不織布の両面側からコーティングされた未加硫ゴムの相互が、その不織布に設けた、好ましくは1cm2当り4個以上の貫通孔を経て相互に接合されることになるので、成型された生タイヤの加硫時に、コーティングゴムの流動量が不足して、そのゴムが不織布内に十分に浸透できないことがあっても、その不織布を構成するフィラメント繊維は、貫通孔の形成位置で、コーティングゴムをもって縫着されることになり、繊維相互の分離ないしは剥離がそのコーティングゴムによって十分に拘束されるので、加硫を終えた後の、不織布とゴムとの複合体の耐久性を、従来技術に比して大きく向上させることができ、その複合体に、それ本来の機能を、それの適用個所の変形条件、荷重条件等のいかんにかかわらず、長期間にわたって十分に発揮させることができる。
【0012】
しかもこの場合には、コーティングゴムは、貫通孔の周面から不織布内へ浸透することもできるので、コーティングゴムの浸透不足を有利に補って、フィラメント繊維の一体化を一層促進することができる。
【0013】
これをいいかえれば、コーティングゴムの浸透不足の複合体が、たとえばタイヤサイド部に配設されている場合は、その複合体が、タイヤの負荷転動によって、剪断変形、圧縮変形、引張り変形等されるに当って、積層構造になる不織布繊維の相互間に剪断力が作用すると、層状をなすフィラメント繊維間に剥離が生じるおそれがあり、一旦その剥離が生じると複合体による力の支持能力等が極端に低下するため、その複合体はタイヤの補強機能を実質的に発揮し得なくなるところ、上述したところによって生タイヤを成型した場合には、加硫後の製品タイヤでのこのような問題を十分に取り除くことができる。
【0014】
ところで、不織布に対する貫通孔の形成は、製造された不織布へのエアブローによって、フィラメント繊維を、それらに破断等を生じさせることなく押し退けることにより行うことができる他、不織布の製造に当って、支持台に突設した突部をもってフィラメント繊維を前後、左右等に振り分け配置することによっても行うことができ、これらのいずれによっても、フィラメント繊維を、それの切断も破断もなしに所定の長さに維持することができるので、不織布、ひいては、複合体に、所期した機能を十分に発揮させることができる。
【0015】
なおここで、不織布の目付けは200〜1000mN/m2とすることが、タイヤの補強部材として用いる上で好適である。
すなわち、それが200mN/m2未満では、補強した部分の曲げ剛性が低く、補強部材としての実効に乏しく、一方、1000mN/m2を越えると、補強した部分の曲げ剛性が高くなりすぎて、車両への乗心地等が低下するおそれがある。
【0016】
また、不織布の貫通孔の開口面積は0.5〜3mm2とすることが好ましい。
これによれば、生タイヤの加硫に際するゴムの流動性が、ゴムの物性そのものに起因して悪い場合、および、加圧力の不足に起因して悪い場合のいずれにあっても、不織布の両面のコーティングゴムの相互を、確実に接合連結させて、不織布繊維の剥離抗力を十分に高めることができるので、加硫後の複合体の耐久性を大きく向上させることができる。
【0017】
ところで、その開口面積が0.5mm2未満では、貫通孔を満たすコーティングゴムによる、フィラメント繊維に対する拘束力が低くなりすぎる他、そのゴムが剪断力等によって破断されるおそれが高くなり、また、3mm2を越えると、貫通孔の孔壁面と不織布との接合強度が低くなって、コーティングゴムによる、不織布繊維に対する拘束力が低くなりすぎるおそれがある。
【0018】
この発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部と、一対のサイドウォール部およびビード部とを具え、これらの各部を補強するカーカスおよび、カーカスのクラウン域の外周側でトレッド部を補強するベルトのそれぞれを設けるとともに、不織布とゴムとの複合体を、トレッド部および、ビード部を含むサイド部の少なくとも一方に一層以上配設したものであり、複合体のゴム、すなわちコーティングゴムを、不織布に設けた複数個の貫通孔のそれぞれに充満させたものである。
【0019】
このタイヤでは、不織布を、コーティングゴムのそこへの浸透に加え、前述したような、コーティングゴムによる縫着をもって十分に拘束することができるので、複合体それ自体の耐久性を十分に確保して、その複合体に所期した機能を長期間にわたって発揮させることができる。
【0020】
ここで、輪郭形状を円形、楕円形、角形等とすることができる貫通孔の開口面積は0.5〜3mm2とすることが、複合体の耐久性をより有効に向上させる上で好ましい。
開口面積が0.5mm2未満では、貫通孔を充満するコーティングゴムによるフィラメント繊維に対する拘束が低い他、それが、剪断力等によって破断されるおそれが高く、また、3mm2を越えると、先に述べたと同様に、貫通孔と、コーティングゴムとの接合強度が低くなりすぎるおそれがある。
【0021】
ところで、複合体は、タイヤの所要位置に配設できることはもちろんであるが、その複合体を、サイド部のカーカスの外側、すなわち、カーカス本体部分と、その本体部分の外側に延びる巻返し部分との間または、カーカスのその巻返し部分のさらに外側に配設した場合には、タイヤの耐久性の低下なしに操縦安定性を向上させることができる。
【0022】
また、その複合体を、上述したところに代えてもしくは加えて、ベルトの外周側に配設した場合には、トレッド踏面への突起入力、そこへの尖鋭異物の刺さり込み等に対してベルトを有効に保護することができ、また、タイヤの高速回転に際する、トレッド踏面の迫出し変形を有効に阻止してタイヤの高速耐久性を向上させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を図面に示すところに基いて説明する。
図1は、不織布への貫通孔の形成態様を例示する拡大部分平面図であり、図中1は、たとえば、綿、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、アラミドなどの他、カーボン、ガラス等から選択した一種もしくは二種以上の混合になるフィラメント繊維によって、好ましくは、そのフィラメント繊維の交差型多方向配列によって構成した、好適には目付けが200〜1000mN/m2の範囲の不織布を示す。
【0024】
かかる不織布1に対し、ここでは、輪郭形状が円形をなす貫通孔2を千鳥上に形成し、各貫通孔2の開口面積、より正確には、貫通孔2の横断面積の平均値を、たとえば約2mm2とするとともに、それらの貫通孔2の1cm2当りの穿設を4個とする。
【0025】
不織布1に対するこのような貫通孔2の形状は、エアブローをもって、フィラメント繊維を押し退け変位ないしは変形させることにより、所定の範囲の長さをもつフィラメント繊維に、破断も切断も生じさせることなく行うことができる他、不織布の製造に当り、支持台に突設した突部によって、その支持台上に積層されるフィラメント繊維を、前後、左右等に振り分け配置して、各突部位置に、突部輪部に対応する形状の孔を形成することにより行うこともできる。
【0026】
図2は、このような不織布の両面側から未加硫ゴムをコーティングした状態を示す部分断面図であり、たとえば、接着処理を施した不織布1に対し、シート状の未加硫ゴムを、プレスまたはロールを用いて両面側から圧着させてコーティングすることにより、それらのコーティングゴム3は、圧着力、不織布繊維の間隙およびゴム粘度等との関連において不織布内へ浸入するとともに、貫通孔内へ進入して、好ましくは、図2(a)に示すように貫通孔内で相互に接合される。
【0027】
ところで、ここにおけるコーティングゴム3は、たとえば生タイヤの加硫時の加熱加圧に当っては、流動性を高められて、不織布1の両面側からその内部へ一層浸透する他、貫通孔2の周面からもまた内部へ浸透することになり、また、貫通孔内に、不織布1の両面側から進入したゴム部分は、相互の接触、混じり合いの下に強固に一体化されることになる。
【0028】
従って、未加硫ゴムのコーティング状態の下では、図2(b)に例示するように、貫通孔内への、それぞれの進入ゴム部分が相互に間隔をおいて位置することがあっても、それらの両ゴム部分は、加硫時の加熱加圧によって十分に合体され、一体的に連結されることになる。
【0029】
なおここで、未加硫ゴムをコーティングした不織布1に対する加硫の終了後の複合体においてもまた、不織布1の貫通孔内で連続するゴム部分に十分な強度を付与する一方で、貫通孔内のゴムと孔壁面との接合強度を確保するためには、その貫通孔2の開口面積、ひいては、貫通孔2の横断面積の平均値を0.5〜3mm2の範囲とすることが好ましい。
【0030】
図3は、図2に例示するような未加硫ゴムコーティング不織布を用い、この発明方法に従って製造した空気入りタイヤの横断面を示す図であり、これは、未加硫ゴムコーティング不織布を、たとえばタイヤ成型ドラム上で、製品タイヤの、それぞれのサイドウォール部と対応する部分に一枚ずつ貼着して生タイヤを成型した後、その生タイヤを、加硫金型内での加熱加圧下で加硫したものである。
【0031】
このタイヤは、トレッド部11と、このトレッド部11の両側部から半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部12と、各サイドウォール部12の内周側に連続するビード部13とを具えるとともに、それぞれのビード部13に配設したビードコア14間にトロイダルに延びるとともに、側部部分をビードコア14の周りで、タイヤ幅方向の内側から外側に巻返されて上記各部を補強するカーカス15および、このカーカス15のクラウン域の外周側に配設されてトレッド部11を補強するベルト16を具えるものであり、サイドウォール部12で、カーカス15の外側、ここでは、カーカス本体部分15aの外側で、カーカス巻返し部分15bの内側に、未加硫ゴムコーティング不織布の加硫体になる、不織布とゴムとの複合体17を配設したものである。
【0032】
なおこの図に示すところでは、複合体17の配設域を、ビードベース側から測って、タイヤ断面高さHの0.3H〜0.7H倍の範囲内としているも、この配設域は所要に応じて適宜に変更できることができ、たとえば図4(a)に例示するように、ビード部13のビードヒール近傍部分から、サイドウォール部12のトレッドショルダ近傍部分までとすることもできる。なお、この配設態様を選択するときは、複合体17は、カーカス巻返し部分15bのさらに外側に配設されることになる。
【0033】
また複合体17は、それの配設層数を、図4(b)に例示するように、二層もしくはそれ以上の複数層とすることもできる。なお、この図では、外側の複合体17を、ビード部13から、サイドウォール部12のバットレス部分までとし、内側の複合体17を、ビード部13から、カーカス巻返し部分15bの半径方向外端をカバーする領域までとしているも、このような配設域もまた所要に応じて適宜に変更できることはもちろんである。
【0034】
ところで、このような空気入りタイヤにおいて、複合体17に存在する不織布貫通孔の、横断面積の平均値は、先に述べたように0.2〜3mm2の範囲とすることが好ましい。
【0035】
また、複合体17は、ビード部13をも含むタイヤサイド部に配設することに加えて、または、それに代えて、図5に例示するように、ベルト16の外周側に配設することもできる。この場合、複合体17の、トレッド幅方向の配設域は、図示のように、ベルト16の側部域に重なるレイヤ18を配設したときは、従来から一般に用いられている、いわゆるキャップ層の配設域とほぼ同様とすることができ、一方、レイヤ18を配設しないときは、そのレイヤのもしくはキャップの配設域または、キャップおよびレイヤの両配設域とすることもできる。
【0036】
【実施例】
サイドウォール部に、図3に示すように複合体を配設した、サイズが235/75R15のタイヤであって、複合体不織布の貫通孔密度および貫通孔開口面積のそれぞれをパラメータとしたものを、6.5Jのリムに組付けるとともに、充填空気圧を180kpa、荷重を8000N、速度を60km/hとしてドラム耐久試験を行って、複合体の配設個所に破壊が生じるまでのタイヤの走行距離を測定したところ、表1に示す結果を得た。なお表中のドラム耐久性指数は、大きいほどすぐれた結果を示すものとした。
【0037】
【表1】
【0038】
表1によれば、実施例タイヤはいずれも、貫通孔を設けた不織布を用いることによって耐久性を有利に向上させ得ることが明らかであり、また、貫通孔開口面積は、それが1mm2の場合に耐久性がもっとも高くなり、そして、貫通孔密度については、1cm2当り4個とすることで、耐久性が最も高くなることが明らかである。
【0039】
【発明の効果】
上記実施例からも明らかなように、この発明によれば、不織布とゴムとの複合体において、不織布を、その内部へのコーティングゴムの浸透と併せて、そこに設けた貫通孔での、それぞれの表面側のコーティングゴムの相互連結によって一体的にかつ強固に拘束することで、不織布のフィラメント繊維の、意図しない剥離を原因とする、複合体の耐久性の低下を十分に防止することができ、これがため、複合体を補強部材として適用した空気入りタイヤにおいては、不織布に固有の補強機能を、長期間にわたって所期した通りに発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】不織布への貫通孔の形成態様を例示する拡大部分平面図である。
【図2】不織布への未加硫ゴムのコーティング状態を示す断面図である。
【図3】この発明に係るタイヤの実施形態を示す横断面図である。
【図4】複合体の他の配設態様を例示する部分横断面図である。
【図5】複合体のさらに他の配設態様を例示するトレッド部の横断面図である。
【符号の説明】
1 不織布
2 貫通孔
3 コーティングゴム
11 トレッド部
12 サイドウォール部
13 ビード部
15 カーカス
16 ベルト
17 複合体
Claims (10)
- 不織布とゴムとの複合体を、トレッド部および、ビード部含むサイド部の少なくとも一方に一層以上配設してなる空気入りタイヤを製造するに当り、
複数個の貫通孔を設けた、フィラメント繊維よりなる不織布に、それの両面側から未加硫ゴムをコーティングし、次いで、未加硫ゴムをコーティングしたその不織布を成型型上に貼り付けて生タイヤを生成する空気入りタイヤの製造方法。 - 不織布の貫通孔を、製造された不織布に対するエアブローにより形成する請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 不織布の貫通孔を、その不織布の製造に当り、支持台に突設させた突部によってフィラメント繊維を振り分け配置することにより形成する請求1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 不織布の目付けを200〜1000mN/m2とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 不織布の貫通孔の個数を1cm2当り4個以上とする、請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法、
- 貫通孔の開口面積を、0.5〜3mm2とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
- トレッド部と、一対のサイドウォール部およびビード部とを具え、これらの各部を補強するカーカスおよび、カーカスのクラウン域の外周側でトレッド部を補強するベルトのそれぞれを設けるとともに、不織布とゴムとの複合体を、トレッド部および、ビード部を含むサイド部の少なくとも一方に一層以上配設してなる空気入りタイヤであって、
複合体のゴムを、不織布に設けた複数個の貫通孔のそれぞれに充満させてなる空気入りタイヤ。 - 貫通孔の開口面積を0.5〜3mm2としてなる請求項7に記載の空気入りタイヤ。
- 複合体を、サイド部のカーカスの外側に配設してなる請求項7もしくは8に記載の空気入りタイヤ。
- 複合体をベルトの外周側に配設してなる請求項7〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003163408A JP2004358929A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003163408A JP2004358929A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004358929A true JP2004358929A (ja) | 2004-12-24 |
Family
ID=34055236
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003163408A Pending JP2004358929A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004358929A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019230765A1 (ja) * | 2018-05-31 | 2019-12-05 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
WO2019230763A1 (ja) * | 2018-05-31 | 2019-12-05 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
JP2019217901A (ja) * | 2018-06-19 | 2019-12-26 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ及び樹脂被覆ベルトの製造方法 |
-
2003
- 2003-06-09 JP JP2003163408A patent/JP2004358929A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019230765A1 (ja) * | 2018-05-31 | 2019-12-05 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
WO2019230763A1 (ja) * | 2018-05-31 | 2019-12-05 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
JP2019217901A (ja) * | 2018-06-19 | 2019-12-26 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ及び樹脂被覆ベルトの製造方法 |
WO2019244774A1 (ja) * | 2018-06-19 | 2019-12-26 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ及び樹脂被覆ベルトの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11318790B2 (en) | Shear band and non-pneumatic tire | |
JP4393070B2 (ja) | 安全タイヤ用補強空気のう、それの製造方法および補強層成型体の製造方法 | |
JP4358467B2 (ja) | ゴム−繊維複合体材料およびそれを用いたゴム物品 | |
JP2009034924A (ja) | 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ | |
CN113147265B (zh) | 一种弹性渐变的非充气轮胎及其制造方法 | |
CN113195252B (zh) | 充气轮胎 | |
JP2004358929A (ja) | 空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ | |
JP3967348B2 (ja) | タイヤ補強材の製造方法及びそれを用いた空気入りタイヤの製造方法 | |
JP2003054216A (ja) | 空気入りタイヤおよびその製造方法 | |
JP4257723B2 (ja) | タイヤとリムの組立体 | |
RU2657531C2 (ru) | Шина для транспортного средства | |
JPH1053010A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP6743571B2 (ja) | 空気入りタイヤの製造方法 | |
JPH09323507A (ja) | 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 | |
WO2014064896A1 (ja) | 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 | |
EP3275697B1 (en) | Pneumatic tire | |
JP3588391B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP2004351993A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP4079565B2 (ja) | 航空機用タイヤおよびその製造方法 | |
JPH0948211A (ja) | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ | |
JP2001277821A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP3787222B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2003191712A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2005067363A (ja) | 安全空気入りタイヤ | |
JP4632804B2 (ja) | ランフラットタイヤ |