JPH0948211A - 乗用車用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
乗用車用空気入りラジアルタイヤInfo
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- JPH0948211A JPH0948211A JP7204306A JP20430695A JPH0948211A JP H0948211 A JPH0948211 A JP H0948211A JP 7204306 A JP7204306 A JP 7204306A JP 20430695 A JP20430695 A JP 20430695A JP H0948211 A JPH0948211 A JP H0948211A
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- Japan
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- rubber
- tire
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 複合部材を適用することにより高度に高い操
安性を保持して振乗性を顕著に改善した乗用車用空気入
りラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】 ラジアルカーカスと少なくとも２層のゴ
ム引きコード層からなるベルトを備える乗用車用空気入
りラジアルタイヤにおけるベルトのタイヤ半径方向外側
に、繊維の交差型多方向配列になる不織布とゴムとの一
体複合部材を配設して成る。
安性を保持して振乗性を顕著に改善した乗用車用空気入
りラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】 ラジアルカーカスと少なくとも２層のゴ
ム引きコード層からなるベルトを備える乗用車用空気入
りラジアルタイヤにおけるベルトのタイヤ半径方向外側
に、繊維の交差型多方向配列になる不織布とゴムとの一
体複合部材を配設して成る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、乗用車用空気入
りラジアルタイヤに関し、特に振動乗心地性（以下振乗
性と略記する）と操縦安定性（以下操安性と略記する）
とを同時に優れたレベルで両立させた乗用車用空気入り
ラジアルタイヤに関する。
りラジアルタイヤに関し、特に振動乗心地性（以下振乗
性と略記する）と操縦安定性（以下操安性と略記する）
とを同時に優れたレベルで両立させた乗用車用空気入り
ラジアルタイヤに関する。
【０００２】
【従来の技術】乗用車用ラジアルタイヤの一層の高性能
化要望が高まるにつれ、この要望のうち一層高度な操安
性を実現するための一つの有効な手段としてタイヤの偏
平率（偏平比の呼び）を一段と小さくする傾向にある。
化要望が高まるにつれ、この要望のうち一層高度な操安
性を実現するための一つの有効な手段としてタイヤの偏
平率（偏平比の呼び）を一段と小さくする傾向にある。
【０００３】偏平率を小さくすると優れた操安性を容易
に実現することができる反面、振乗性が低下傾向を示す
のは止むを得ず、この不利な点の改善が強く求められて
いる。この改善要望に対し、トレッドゴムをキャップ／
ベースの複合ゴム構成とした上でベースゴムに発砲ゴム
を適用したり、又は通常のベースゴムのタイヤ半径方向
内側に衝撃緩和部材としてのシート状ゴム層を設けたり
する手段が試みられた。
に実現することができる反面、振乗性が低下傾向を示す
のは止むを得ず、この不利な点の改善が強く求められて
いる。この改善要望に対し、トレッドゴムをキャップ／
ベースの複合ゴム構成とした上でベースゴムに発砲ゴム
を適用したり、又は通常のベースゴムのタイヤ半径方向
内側に衝撃緩和部材としてのシート状ゴム層を設けたり
する手段が試みられた。
【０００４】一方、特に偏平率の値が小さなタイヤの操
安性向上を目指し、２層以上の交差コード層からなるベ
ルトのタイヤ半径方向外側に、踏面の円周に沿うか又は
ほぼ沿う多数本のコード配列の層（いわゆるキャップ、
レイヤと呼ばれる層）を設けることが広く実施されてい
る。
安性向上を目指し、２層以上の交差コード層からなるベ
ルトのタイヤ半径方向外側に、踏面の円周に沿うか又は
ほぼ沿う多数本のコード配列の層（いわゆるキャップ、
レイヤと呼ばれる層）を設けることが広く実施されてい
る。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかし振乗性改善につ
いての何れの上記手段も、キャップゴムとベルトとの
間、ベースゴムとベルトとの間又はベルトとラジアルカ
ーカスとの間に剛性値が著しく低いゴム層を介在させる
ため操安性の低下は不可避であり、結局操安性と振乗性
との両立には不向きであることがわかった。さらに操安
性向上のためキャップ層やレイヤ層を設けると、これら
層のコードには充てん内圧により著しく高い張力が作用
するため、これら層を含めたベルトの剛性、すなわちト
レッド部の剛性が過度に高まり、振乗性を阻害すること
になる。
いての何れの上記手段も、キャップゴムとベルトとの
間、ベースゴムとベルトとの間又はベルトとラジアルカ
ーカスとの間に剛性値が著しく低いゴム層を介在させる
ため操安性の低下は不可避であり、結局操安性と振乗性
との両立には不向きであることがわかった。さらに操安
性向上のためキャップ層やレイヤ層を設けると、これら
層のコードには充てん内圧により著しく高い張力が作用
するため、これら層を含めたベルトの剛性、すなわちト
レッド部の剛性が過度に高まり、振乗性を阻害すること
になる。
【０００６】上述したところは偏平率が小さいタイヤ特
有の問題に止まらず、乗用車用ラジアルタイヤのうち最
大の偏平率をもついわゆる８０シリーズのタイヤに対し
同様な要望が強いのは言うまでもなく、上記の何れの改
善手段も通用しないのはもとよりである。
有の問題に止まらず、乗用車用ラジアルタイヤのうち最
大の偏平率をもついわゆる８０シリーズのタイヤに対し
同様な要望が強いのは言うまでもなく、上記の何れの改
善手段も通用しないのはもとよりである。
【０００７】従ってこの発明の目的は、操安性を高度な
レベルに保持した上で振乗性を大幅に改善した乗用車用
空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
レベルに保持した上で振乗性を大幅に改善した乗用車用
空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
この発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、一対の
ビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォ
ール部間にわたってトロイド状に延びるトレッド部とか
らなり、これら各部をビード部内に埋設した一対のビー
ドコア相互間にわたって補強するラジアルカーカスと、
該カーカスの外周側でトレッド部を強化する少なくとも
２層のゴム引きコード層からなるベルトとを備える乗用
車用空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ベルトのタ
イヤ半径方向外側に、繊維の交差型多方向配列になる不
織布とゴムとの一体複合部材を配設して成ることを特徴
とする。
この発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、一対の
ビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォ
ール部間にわたってトロイド状に延びるトレッド部とか
らなり、これら各部をビード部内に埋設した一対のビー
ドコア相互間にわたって補強するラジアルカーカスと、
該カーカスの外周側でトレッド部を強化する少なくとも
２層のゴム引きコード層からなるベルトとを備える乗用
車用空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ベルトのタ
イヤ半径方向外側に、繊維の交差型多方向配列になる不
織布とゴムとの一体複合部材を配設して成ることを特徴
とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】図１はこの発明の一実施例のタイ
ヤ回転軸心を含む平面による断面を示す図である。図１
において、１は一対のビード部、２は一対のサイドウォ
ール部、３はトレッド部であり、ラジアルカーカス５は
ビード部１内に埋設した一対のビードコア４相互間にわ
たってビード部１、サイドウォール部２及びトレッド部
３を補強する。図示例のラジアルカーカス（以降単にカ
ーカスという）５は１プライであるが２プライ以上を可
とし、さらにラジアル配列の有機繊維コ─ド、例えばポ
リエステルコードのゴム引きプライからなるのは慣例に
従う。なお図１ではトレッド部３のトレッドゴム３ａに
設ける溝の記載を省略した。
ヤ回転軸心を含む平面による断面を示す図である。図１
において、１は一対のビード部、２は一対のサイドウォ
ール部、３はトレッド部であり、ラジアルカーカス５は
ビード部１内に埋設した一対のビードコア４相互間にわ
たってビード部１、サイドウォール部２及びトレッド部
３を補強する。図示例のラジアルカーカス（以降単にカ
ーカスという）５は１プライであるが２プライ以上を可
とし、さらにラジアル配列の有機繊維コ─ド、例えばポ
リエステルコードのゴム引きプライからなるのは慣例に
従う。なお図１ではトレッド部３のトレッドゴム３ａに
設ける溝の記載を省略した。
【００１０】カーカス５の外周側にはベルト６を配置し
てトレッド部３を強化するものとし、ベルト６は少なく
とも２層（図示例は２層）のゴム引きコード層からな
り、かつこれらコード層の少なくとも２層のそれぞれに
埋設したコード、望ましくはスチールコードがタイヤ赤
道面Ｅを挟んで互いに交差するコード交差層を備える。
てトレッド部３を強化するものとし、ベルト６は少なく
とも２層（図示例は２層）のゴム引きコード層からな
り、かつこれらコード層の少なくとも２層のそれぞれに
埋設したコード、望ましくはスチールコードがタイヤ赤
道面Ｅを挟んで互いに交差するコード交差層を備える。
【００１１】図１に破線で示し符号７を付した部材は、
繊維の交差型多方向配列になる不織布とゴムとの一体複
合部材である。この一体複合部材７はシート状をなして
ベルト６のタイヤ半径方向外側に配設するものとする。
ここに一体複合部材７とはゴムが不織布内部にくまなく
十分に入り込み、さらに不織布の両表面の全面をゴムが
薄く覆う状態の部材を指す（以下これを複合部材７と略
記する）。なお複合部材７とベルト６とを直接積層させ
るか又は両者の間に薄いゴムシートを介在させるかいず
れでも可とする。
繊維の交差型多方向配列になる不織布とゴムとの一体複
合部材である。この一体複合部材７はシート状をなして
ベルト６のタイヤ半径方向外側に配設するものとする。
ここに一体複合部材７とはゴムが不織布内部にくまなく
十分に入り込み、さらに不織布の両表面の全面をゴムが
薄く覆う状態の部材を指す（以下これを複合部材７と略
記する）。なお複合部材７とベルト６とを直接積層させ
るか又は両者の間に薄いゴムシートを介在させるかいず
れでも可とする。
【００１２】ここに不織布とはタイヤ用繊維コードのす
だれ織りとは異なり、多数本の繊維（フィラメント）束
を撚り合せたり、織り合せたりせずに多数本の繊維を直
接に布としたものであり、不織布の製法としてカーディ
ング法、抄紙法、エアレイ法、メルトブロー、スパンボ
ンド法を用いウェブを製造する。メルトブロー、スパン
ボンド法以外のウェブでの繊維結合方法として熱融着、
バインダによる方法、水流又は針の力で繊維を交絡させ
る水流絡合法、ニードルパンチ法などを用いた不織布が
好適に利用できる。とりわけ水流又は針で繊維を交絡さ
せる水流絡合法、ニードルパンチ法及びメルトブロー、
スパンボンド法により作られた不織布が好適に用いられ
る。この発明では、不織布が繊維の隅々までゴムが含浸
する構造を有していること、比較的長い距離、広い範囲
で繊維とゴム層とが互いに連続層となり得る構造を有し
ていること、そして特に複合体の厚み方向に繊維がゴム
マトリックスに対し極めてランダムに配列存在すること
が基本的に重要な要件である。
だれ織りとは異なり、多数本の繊維（フィラメント）束
を撚り合せたり、織り合せたりせずに多数本の繊維を直
接に布としたものであり、不織布の製法としてカーディ
ング法、抄紙法、エアレイ法、メルトブロー、スパンボ
ンド法を用いウェブを製造する。メルトブロー、スパン
ボンド法以外のウェブでの繊維結合方法として熱融着、
バインダによる方法、水流又は針の力で繊維を交絡させ
る水流絡合法、ニードルパンチ法などを用いた不織布が
好適に利用できる。とりわけ水流又は針で繊維を交絡さ
せる水流絡合法、ニードルパンチ法及びメルトブロー、
スパンボンド法により作られた不織布が好適に用いられ
る。この発明では、不織布が繊維の隅々までゴムが含浸
する構造を有していること、比較的長い距離、広い範囲
で繊維とゴム層とが互いに連続層となり得る構造を有し
ていること、そして特に複合体の厚み方向に繊維がゴム
マトリックスに対し極めてランダムに配列存在すること
が基本的に重要な要件である。
【００１３】上記不織布に適用するフィラメントは、そ
の直径又は最大径が約０．１〜約５０μの範囲内であ
り、断面形状が円板状のもの、又は円板とは異なる断面
形状をもつもの、さらには中空部を有するものを含めて
好適に用いることができる。またフィラメントは長さが
３ｃｍ以上の長繊維が望ましい。
の直径又は最大径が約０．１〜約５０μの範囲内であ
り、断面形状が円板状のもの、又は円板とは異なる断面
形状をもつもの、さらには中空部を有するものを含めて
好適に用いることができる。またフィラメントは長さが
３ｃｍ以上の長繊維が望ましい。
【００１４】不織布の材質は、綿、レーヨン、セルロー
ルアセテート、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、ア
ラミドなどの繊維の他、カーボン繊維、ガラス繊維、ス
チールワイヤなどのうちから選択した一種又は複数種の
混合が好適に用いられ、なかでもレーヨン、ナイロン、
ポリエステルが特に望ましい。
ルアセテート、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、ア
ラミドなどの繊維の他、カーボン繊維、ガラス繊維、ス
チールワイヤなどのうちから選択した一種又は複数種の
混合が好適に用いられ、なかでもレーヨン、ナイロン、
ポリエステルが特に望ましい。
【００１５】不織布の厚さは０．１〜３．０ｍｍの範囲
内にあり、また目付（１ｍ2 当り重量）は１０〜５００
grの範囲内にあるのが望ましい。この目付は使用する繊
維種により多少の変動を見込む必要があるが、目付が大
き過ぎると以下に述べるゴムとの複合化の際、不織布内
部の空隙に十分な量のゴムが浸透しなくなり、タイヤ部
材としての耐剥離性に不利となるため望ましくない。
内にあり、また目付（１ｍ2 当り重量）は１０〜５００
grの範囲内にあるのが望ましい。この目付は使用する繊
維種により多少の変動を見込む必要があるが、目付が大
き過ぎると以下に述べるゴムとの複合化の際、不織布内
部の空隙に十分な量のゴムが浸透しなくなり、タイヤ部
材としての耐剥離性に不利となるため望ましくない。
【００１６】上述した不織布を複合部材７とするため、
その未加硫部材の段階にて予め不織布に未加硫ゴム組成
物を適用して一体複合化する。この複合化に際し、不織
布に予め接着処理を施さずとも加硫後におけるゴムとの
接着性が十分な場合は未処理不織布に対し、またこの接
着性が不十分なときはタイヤ用繊維コードとゴムとの接
着力を高める場合と同様にディッピング・ヒートセット
処理を施した不織布に対し、プレス又はロールなどによ
りシート状未加硫ゴム組成物を上下両表面から圧着し
て、不織布内部のエアを未加硫ゴム組成物と十分に置換
する。このようにして得られた未加硫シート複合部材を
適用してグリーンタイヤを成形し、これに加硫成形を施
して複合部材７を得る。
その未加硫部材の段階にて予め不織布に未加硫ゴム組成
物を適用して一体複合化する。この複合化に際し、不織
布に予め接着処理を施さずとも加硫後におけるゴムとの
接着性が十分な場合は未処理不織布に対し、またこの接
着性が不十分なときはタイヤ用繊維コードとゴムとの接
着力を高める場合と同様にディッピング・ヒートセット
処理を施した不織布に対し、プレス又はロールなどによ
りシート状未加硫ゴム組成物を上下両表面から圧着し
て、不織布内部のエアを未加硫ゴム組成物と十分に置換
する。このようにして得られた未加硫シート複合部材を
適用してグリーンタイヤを成形し、これに加硫成形を施
して複合部材７を得る。
【００１７】複合部材７に使用するゴム組成物の物性に
関し、５０％モジュラスは１０〜３０kgf/cm2 の範囲内
にあるのが望ましい。
関し、５０％モジュラスは１０〜３０kgf/cm2 の範囲内
にあるのが望ましい。
【００１８】図１の実施例とは別の実施例における複合
部材７の配設形態を要部断面図の図２、図３に示す。図
１では複合部材７の幅ＷA がベルト６の最大幅ＷB より
狭い例を示したが、図２は複合部材７の幅ＷA がベルト
６の最大幅ＷB を超えてショルダ領域に至る例を示し、
図３は図２に示す例の変形例として複合部材７がベルト
６の両端部を包み込む例を示す。何れの例を採用するか
はタイヤの種類、使用目的、要求特性などに応じて定め
れば良い。いずれにしても幅ＷA ＝（０．６〜１．１）
×ＷB の関係を満たすのが望ましい。
部材７の配設形態を要部断面図の図２、図３に示す。図
１では複合部材７の幅ＷA がベルト６の最大幅ＷB より
狭い例を示したが、図２は複合部材７の幅ＷA がベルト
６の最大幅ＷB を超えてショルダ領域に至る例を示し、
図３は図２に示す例の変形例として複合部材７がベルト
６の両端部を包み込む例を示す。何れの例を採用するか
はタイヤの種類、使用目的、要求特性などに応じて定め
れば良い。いずれにしても幅ＷA ＝（０．６〜１．１）
×ＷB の関係を満たすのが望ましい。
【００１９】ここに、繊維の交差型多方向配列になる不
織布の内部にまでゴムをくまなく浸透させた複合部材７
をベルト６に積層することにより、複合部材７はトレッ
ド部３の剛性、なかんずく操安性を左右する捩り剛性を
有効に高めるように機能し、その結果操安性を大幅に向
上させることができる。
織布の内部にまでゴムをくまなく浸透させた複合部材７
をベルト６に積層することにより、複合部材７はトレッ
ド部３の剛性、なかんずく操安性を左右する捩り剛性を
有効に高めるように機能し、その結果操安性を大幅に向
上させることができる。
【００２０】一方、複合部材７をベルト６のタイヤ半径
方向外側に、かつ図１〜３に示すようにトレッドゴム３
ａの内側に配設することにより、走行路面からトレッド
部３に加えられる加振入力は、少なくとも厚さ方向に対
しランダム配列になる極めて多数本の繊維により分散吸
収され、その結果複合部材７の内側に存在するベルト６
のコードには当初より大幅に減衰した加振入力が伝達さ
れることになる。従ってトレッド部３の剛性が向上して
いるにもかかわらず振乗性が向上する特有な効果を発揮
する。
方向外側に、かつ図１〜３に示すようにトレッドゴム３
ａの内側に配設することにより、走行路面からトレッド
部３に加えられる加振入力は、少なくとも厚さ方向に対
しランダム配列になる極めて多数本の繊維により分散吸
収され、その結果複合部材７の内側に存在するベルト６
のコードには当初より大幅に減衰した加振入力が伝達さ
れることになる。従ってトレッド部３の剛性が向上して
いるにもかかわらず振乗性が向上する特有な効果を発揮
する。
【００２１】また複合部材７に適用するゴムの５０％モ
ジュラスが１０〜３０kgf/cm2 の範囲内にあり、複合部
材７の幅ＷA がベルト最大幅ＷB に関し、ＷA ＝（０．
６〜１．１）×ＷB であれば、上述した操安性と振乗性
との両立に対し大きく寄与する。
ジュラスが１０〜３０kgf/cm2 の範囲内にあり、複合部
材７の幅ＷA がベルト最大幅ＷB に関し、ＷA ＝（０．
６〜１．１）×ＷB であれば、上述した操安性と振乗性
との両立に対し大きく寄与する。
【００２２】かくして従来は二律背反問題として解決し
得ないとされていた操安性と振乗性とを何れの性能も損
なうことなく高度に優れた両性能として実現することが
できる。
得ないとされていた操安性と振乗性とを何れの性能も損
なうことなく高度に優れた両性能として実現することが
できる。
【００２３】
【実施例】サイズが２０５／６５Ｒ１５の乗用車用空気
入りラジアルタイヤで、カーカス５はポリエステルコー
ドのラジアル配列になる２プライ構成とし、ベルト６は
２層のスチールコード交差層からなる。これらの構成を
共通として、複合部材７のうち不織布の材質、厚さ（ｍ
ｍ）、目付（gr／ｍ2)と、複合部材７のベルト６に対す
る幅比ＷB ／ＷA とをそれぞれ変えた実施例１〜１０の
タイヤを準備した。上記不織布の各項目及び幅比ＷB ／
ＷA について各実施例Ｎｏ．と共に表１に示す。
入りラジアルタイヤで、カーカス５はポリエステルコー
ドのラジアル配列になる２プライ構成とし、ベルト６は
２層のスチールコード交差層からなる。これらの構成を
共通として、複合部材７のうち不織布の材質、厚さ（ｍ
ｍ）、目付（gr／ｍ2)と、複合部材７のベルト６に対す
る幅比ＷB ／ＷA とをそれぞれ変えた実施例１〜１０の
タイヤを準備した。上記不織布の各項目及び幅比ＷB ／
ＷA について各実施例Ｎｏ．と共に表１に示す。
【００２４】
【表１】
【００２５】なお不織布と一体化する未加硫ゴム組成物
には加硫後の５０％モジュラスが１５kgf/cm2 でＪＩＳ
Ａ硬度が６５となるゴムを適用し、両ロール間にて不
織布の両表面にこのゴムシートを圧着した。製品時にお
ける複合部材７の両表面におけるゴム分の厚さはそれぞ
れ約０．５ｍｍである。ベルト６のスチールコード層に
用いたコーティングゴムの５０％モジュラスは３０kgf/
cm2 であった。
には加硫後の５０％モジュラスが１５kgf/cm2 でＪＩＳ
Ａ硬度が６５となるゴムを適用し、両ロール間にて不
織布の両表面にこのゴムシートを圧着した。製品時にお
ける複合部材７の両表面におけるゴム分の厚さはそれぞ
れ約０．５ｍｍである。ベルト６のスチールコード層に
用いたコーティングゴムの５０％モジュラスは３０kgf/
cm2 であった。
【００２６】実施例１〜１０の効果を検証するため、各
実施例から複合部材７を取除いた比較例のタイヤと、各
実施例のベルト６の外周側にキャップ層を設けた従来タ
イヤとを準備し、以下に述べる試験条件及び評価方法に
より操安性及び振乗性を比較評価した。
実施例から複合部材７を取除いた比較例のタイヤと、各
実施例のベルト６の外周側にキャップ層を設けた従来タ
イヤとを準備し、以下に述べる試験条件及び評価方法に
より操安性及び振乗性を比較評価した。
【００２７】すなわち試験車両には国産の２０００ｃｃ
ＦＦ車を用い、タイヤの負荷荷重に見合う内圧（ＪＡＴ
ＭＡが定める空気圧−負荷能力対応表に基づく内圧）を
充てんしてテストコース内にて、操安性は速度８０〜１
２０ｋｍ／ｈで直進走行、レーンチェンジ走行及び円旋
回走行を繰り返し、また振乗性は速度４０〜８０ｋｍ／
ｈで良路走行、継ぎ目路走行及び悪路走行を繰り返し、
全供試タイヤにつきテストドライバが１０点を満点とす
る評点付けを行った。その評点の数値を表２に示す。な
お合格レベルは８（点）以上である。
ＦＦ車を用い、タイヤの負荷荷重に見合う内圧（ＪＡＴ
ＭＡが定める空気圧−負荷能力対応表に基づく内圧）を
充てんしてテストコース内にて、操安性は速度８０〜１
２０ｋｍ／ｈで直進走行、レーンチェンジ走行及び円旋
回走行を繰り返し、また振乗性は速度４０〜８０ｋｍ／
ｈで良路走行、継ぎ目路走行及び悪路走行を繰り返し、
全供試タイヤにつきテストドライバが１０点を満点とす
る評点付けを行った。その評点の数値を表２に示す。な
お合格レベルは８（点）以上である。
【００２８】
【表２】
【００２９】表２から明らかなように、従来例のタイヤ
は操安性に優れる一方、振乗性が不十分である反面、比
較例のタイヤは満足し得る程度まで改善された振乗性を
示す一方、操安性は著しく不満足な結果に終わった。こ
れに対し実施例１〜１０のタイヤはいずれも操安性及び
振乗性が十分な程度に発揮し得ることが実証されてい
て、両性能間に微差を有する実施例のタイヤは目的に応
じて使い分けることができる利点も合せ有する。
は操安性に優れる一方、振乗性が不十分である反面、比
較例のタイヤは満足し得る程度まで改善された振乗性を
示す一方、操安性は著しく不満足な結果に終わった。こ
れに対し実施例１〜１０のタイヤはいずれも操安性及び
振乗性が十分な程度に発揮し得ることが実証されてい
て、両性能間に微差を有する実施例のタイヤは目的に応
じて使い分けることができる利点も合せ有する。
【００３０】
【発明の効果】この発明によれば、優れた操安性を保持
した上で振乗性を顕著に改善した乗用車用空気入りラジ
アルタイヤを提供することができる。
した上で振乗性を顕著に改善した乗用車用空気入りラジ
アルタイヤを提供することができる。
【図１】この発明による乗用車用空気入りラジアルタイ
ヤの断面図である。
ヤの断面図である。
【図２】この発明による他の実施例の要部を示す部分断
面図である。
面図である。
【図３】この発明による別の実施例の要部を示す部分断
面図である。
面図である。
１ ビード部 ２ サイドウォール部 ３ トレッド部 ３ａ トレッドゴム ４ ビードコア ５ カーカス ６ ベルト ７ 複合部材 Ｅ タイヤ赤道面 ＷA 複合部材の幅 ＷB ベルト最大幅
Claims (1)
- 【請求項１】 一対のビード部及び一対のサイドウォー
ル部と、両サイドウォール部間にわたってトロイド状に
延びるトレッド部とからなり、これら各部をビード部内
に埋設した一対のビードコア相互間にわたって補強する
ラジアルカーカスと、該カーカスの外周側でトレッド部
を強化する少なくとも２層のゴム引きコード層からなる
ベルトとを備える乗用車用空気入りラジアルタイヤにお
いて、上記ベルトのタイヤ半径方向外側に、繊維の交差
型多方向配列になる不織布とゴムとの一体複合部材を配
設して成ることを特徴とする乗用車用空気入りラジアル
タイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7204306A JPH0948211A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7204306A JPH0948211A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0948211A true JPH0948211A (ja) | 1997-02-18 |
Family
ID=16488304
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7204306A Pending JPH0948211A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0948211A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6209604B1 (en) | 1997-12-22 | 2001-04-03 | Bridgestone Corporation | Pneumatic tire for passenger cars with sidewall portions having a rubber reinforcing layer and a rubber-filament fiber composite |
| DE10016202A1 (de) * | 2000-03-31 | 2001-10-18 | Continental Ag | Gürtel mit Verstärkungselementen für einen Fahrzeugluftreifen sowie Fahrzeugluftreifen |
| WO2002096673A1 (en) * | 2001-05-25 | 2002-12-05 | Pirelli Pneumatici S.P.A. | Rubberized fabric and pneumatic tire comprising said rubberized fabric |
| JP2003246206A (ja) * | 2002-02-25 | 2003-09-02 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ |
| JP4588199B2 (ja) * | 2000-11-21 | 2010-11-24 | 株式会社ブリヂストン | 複合強化ゴム材および空気入りタイヤ |
-
1995
- 1995-08-10 JP JP7204306A patent/JPH0948211A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6209604B1 (en) | 1997-12-22 | 2001-04-03 | Bridgestone Corporation | Pneumatic tire for passenger cars with sidewall portions having a rubber reinforcing layer and a rubber-filament fiber composite |
| DE10016202A1 (de) * | 2000-03-31 | 2001-10-18 | Continental Ag | Gürtel mit Verstärkungselementen für einen Fahrzeugluftreifen sowie Fahrzeugluftreifen |
| DE10016202B4 (de) * | 2000-03-31 | 2005-06-30 | Continental Aktiengesellschaft | Gürtel mit Verstärkungselementen für einen Fahrzeugluftreifen sowie Fahrzeugluftreifen |
| JP4588199B2 (ja) * | 2000-11-21 | 2010-11-24 | 株式会社ブリヂストン | 複合強化ゴム材および空気入りタイヤ |
| WO2002096673A1 (en) * | 2001-05-25 | 2002-12-05 | Pirelli Pneumatici S.P.A. | Rubberized fabric and pneumatic tire comprising said rubberized fabric |
| JP2003246206A (ja) * | 2002-02-25 | 2003-09-02 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ |
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