JP2004217157A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】乗心地性及び耐久性を損なうことなく、操縦安定性を向上させた空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
【解決手段】タイヤビード部において、周方向に延在するビードワイヤを渦巻状に巻回してなるビードワイヤ構体の少なくとも二列を、カーカスプライを挟んで又はカーカスプライで巻き込んで配設してなるビード部構造を具える空気入りラジアルタイヤであって、前記ビードワイヤ構体の側面及び/又は前記カーカスプライの側面に、不織布とゴム成分を含むゴム−繊維複合体材料からなる補強部材を配置することを特徴とする空気入りラジアルタイヤである。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤに関し、詳しくはビード部構造の改良に関するものであり、ビード部に特定の補強部材を配置することで、タイヤの剛性を増加し、剛性のチューニング等を容易にするとともに、操縦安定性及び乗心地性を高い次元で両立させた空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気入りタイヤのビード部の剛性増加及び剛性チューニングのためには、ワイヤインサート、糸簾織り構造の有機繊維インサート、フリッパ等の追加補強部材をビード部に埋設することが広く一般に行われている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような追加補強部材をもってビード部の剛性を高めた場合、例えばワイヤインサートによる場合には、タイヤビード部の前後剛性の他、縦剛性もまた増加するために、操縦安定性は向上するものの乗心地性が大きく低下する場合がある。
さらに、これらの補強部材を使用すると、部材と周辺ゴムの剛性段差により部材端に応力が集中しやすくなり、亀裂の起点となりやすい。その結果としてタイヤの耐久性を下げる場合がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−175131号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解消して、乗心地性及び耐久性を損なうことなく、操縦安定性を向上させた空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、タイヤの周方向に延在するビードワイヤを渦巻状に巻回してなるビードワイヤ構体の少なくとも二列を、カーカスプライを挟んで又はカーカスプライで巻き込んで配設してなるビード部構造を具える空気入りラジアルタイヤであって、前記ビードワイヤ構体の側面及び/又は前記カーカスプライの側面に、不織布とゴム成分を含むゴム−繊維複合体材料からなる部材を配置することを特徴とする空気入りラジアルタイヤが、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するゴム−繊維複合体材料は、ゴム成分と不織布とを含むことを必須とし、タイヤ用繊維コードの簾織りとは異なって、多数本の繊維束を撚り合わせたり、織り合わせたりしていないものを用いる。
また、該ゴム−繊維複合体材料は、その強度が3.0cN/dtex以上であることが好ましい。この強度が3.0cN/dtex未満の場合には、本願の効果を示さない場合がある。
【0007】
本発明において適用し得る不織布は、特に限定されず、いずれの製法で製造されたものでも差し支えない。例えば、カーディング法、抄紙法、エアレイ法、メルトブロー、スパンボンド法などの製法によりウェブを作製されたものなどが使用できる。メルトブロー、スパンボンド法以外のウェブでの繊維の結合方法として、熱融着、バインダによる方法、水流または針の力で繊維を交絡させる水流絡合法、ニードルパンチ法を好適に利用することができる。とりわけ水流または針で繊維を交絡させる水流絡合法、ニードルパンチ法およびメルトブロー、スパンボンド法により得られた不織布が好適である。
【0008】
また、該不織布を構成するフィラメントの単繊維径は0.02〜0.05mmの範囲が好ましい。単繊維径が0.02mm未満の場合には、不織布内部へのゴムの浸透が困難となるため、ゴムとの複合体として十分に機能を発現できなくなる場合があり、この場合には剛性が不十分となる。一方、0.05mmを超える場合には繊維フィラメント自身の曲げ剛性が過大となってしまうため、不織布として十分な繊維間の交絡を得ることが困難となり、その結果ゴム−繊維複合体の剛性が不十分となって、補強層としての機能を十分発現できなくなる場合があるからである。なお、その断面形状は特に限定されず、円状のもの、円と異なる断面形状のもの、中空部を有するものなどを用いることができる。
【0009】
さらに、該不織布を構成するフィラメントの繊維長は30mm以上であることが好ましく、さらには40mm以上の範囲であることが望ましい。かかる繊維の長さが30mm未満の場合には、繊維フィラメント−繊維フィラメント間の絡み合いが十分でなく、補強層として剛性を保持できなくなる場合があるからである。
【0010】
次に、不織布を構成するフィラメント繊維の種類に関しては、特に限定されないが、綿、レーヨン、セルロースなどの天然高分子繊維、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリベンゾアゾール、脂肪族ポリケトン等の合成高分子繊維が好適に用いられる。これらの繊維は、単独であるいは複数の繊維を混合して使用することができる。
【0011】
脂肪族ポリアミドとしては、6−ナイロン、6,6−ナイロン等が挙げられ、芳香族ポリアミドとしては、コポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド又はポリパラフェニレンテレフタルアミド等が挙げられ、特にコポリパラフェニレン−3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミドを好適に用いることができる。なお、これらは市販品として、帝人(株)製テクノーラ(商標)、デュポン社製ケブラー(商標)として入手することができる。
また、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等が挙げられ、ポリベンゾアゾールとしてはポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール等が挙げられる。
脂肪族ポリケトンは、−CO−(A)−で表され、高分子中のCO単位と他の骨格を形成する単位(A)とが交互に配列されているコポリマーである。ここで単位(A)は1種のモノマーから形成されるものであっても、また2種以上のモノマーから形成されるものであってもよく、単位(A)を形成し得るモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、スチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、ウンデセン酸、ウンデセノール、6−クロロヘキセン、N−ビニルピロリドン及びスルホニルスルホン酸等が挙げられる。
【0012】
また、該不織布のフィラメントとしては、引張弾性率が50GPa以上である繊維を少なくとも一部に含むことが好ましく、50%以上含むことがより好ましい。かかる不織布に引張弾性率が50GPa未満である繊維フィラメントを用いた場合や、引張弾性率が50GPa以上である繊維の含有率(重量%)が小さすぎる場合には、タイヤの成形時等で延伸された際に不織布が破断するという不都合を生じる場合がある。
【0013】
また、不織布の厚さに関しては、10g/cm(約981Pa)の加圧下で測定した不織布の厚さを、200g/cm(約19613Pa)の加圧下で測定した不織布の厚さで除した値が2以上であることが好ましい。この値が2より小さい場合には、ロール圧延などの複合化方法によるゴムの浸透性が悪い場合があり、複合化したゴム−繊維複合体材料の剛性が不十分なものとなる可能性がある。
【0014】
さらに、前記ゴム−繊維複合体に用いる不織布は、目付重量20〜200g/mのものが好ましく、さらには20〜100g/m、特には40〜60g/mの範囲であることが望ましい。目付重量が20g/m未満では、不織布としての均一性を維持することが困難となり、ゴム−繊維複合体材料の剛性が不十分となる場合がある。一方、200g/mを超えるとゴムと複合化する際にゴムの含浸が不十分となり、十分な剛性が得られない場合があり、さらにはゴム−フィラメント繊維内部で破壊が起こりやすくなり、タイヤの耐久性を低下させる場合がある。
【0015】
ところで、不織布はその製造時に絡合させるフィラメントの方向、量、弾性率を変化させることにより、各方向の剛性を設計できる点が特徴である。タイヤの乗心地性を確保するためには、縦剛性の増加は望ましくなく、一方、操縦安定性を確保するためには、タイヤの前後剛性の増加が望まれる。このようなニーズに従って、剛性の異方性を持たせた不織布を設計することが重要である。
すなわち、本発明においては、タイヤ内に補強部材を設置する際に、径方向にはフィラメントを配向させず、周方向、斜め方向にフィラメントを多く配置することが好ましい。こうすることによって、ゴム−フィラメント繊維複合体は、従来のワイヤインサート、撚り糸簾織り構造の繊維補強部材に比較して薄く、柔軟性に富み、タイヤ走行時に垂直荷重によるサイド部の大きなたわみに良好に追従することができ、タイヤの乗心地性能の低下を起こさず、前後方向に対しては強い補強性を持ち、乗心地性と操縦安定性の両立が可能となる。
また、該ゴム−フィラメント繊維複合体は従来のワイヤインサート、撚り糸簾織り構造の繊維強化部材に比較して薄く、柔軟性に富むため、上端部に歪みを集中させることなく、タイヤの耐久性が低下するという問題をも解消できる。
【0016】
このゴム−繊維複合体のゴム成分は特に限定されないが、例えば天然ゴム,ブタジエンゴム,スチレンーブタジエンゴム,イソプレンゴムなどのジエン系ゴムが好ましい
また、上記繊維には一定量のクレー(粘土鉱物)をミクロ分散させることができ、そのことによって繊維の弾性率を向上させると同時に熱収縮率を小さくすることができ、ゴム−繊維複合体材料のさらなる改良が可能である。
クレーのような無機材料の繊維への分子レベルでの分散は、クレーのインターカレーション(クレーの表面処理による表面の有機化に伴うマトリックスポリマーでの分散)により、クレーが繊維などのポリマー中にミクロンないしナノオーダーで分散することにより達成される。
【0017】
また、本発明における不織布は、ゴムとの接着性を向上させ、ゴム−繊維複合体としての耐久性を高めるために、所望により、不織布を構成するフィラメント繊維の接着処理や表面処理を行なうこともできる。
接着処理としては、例えば各種接着剤の塗布、織維のメタライジングが挙げられる。また表面処理としては、スパッタリング等による表面の汚染物処理やコロナ処理等による極性官能基の導入等が挙げられる。
【0018】
本発明において、使用するゴムと不織布との複合化は、プレスまたはロールなどによりシート状未加硫ゴム組成物を、上下両面または片面から圧着して、不織布内部の空気をゴムと置換する方法がある。または、他の複合化の方法としては、未加硫ゴム組成物を、溶媒を用いて液状化させ、不織布に塗布する方法などがある。このようにして得られた未加硫複合部材を繊維補強部材層として適用して生タイヤを成型し、続いて加硫成型を施すことで、タイヤが製造される。
【0019】
前記不織布とゴムとの複合化は、従来、有機繊維コードやスチールコードをゴム引きするのに使用される設備を用いて、比較的容易に行なうことができる。このようにして得られる本発明におけるゴム−繊維複合体の引張弾性率は2〜20GPaであることが好ましい。
【0020】
次に、本発明のゴム−繊維複合体材料は、ビードワイヤ構体の側面及び/又は前記カーカスプライの側面に配置される。以下実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの概略を示す断面図である。図中、1はトレッド部、2はショルダー部、3はリムライン、4はビード部、5はタイヤの骨組み補強部材としてのカーカスプライ、6はビードワイヤ、7はビードワイヤ構体、8はゴム−繊維複合体材料からなる補強部材を示す。
図1に係る実施態様においては、ビードワイヤ構体7がカーカスプライ5を挟む構造となっており、ビードワイヤ構体7の外側面を包むように補強部材を配置する構造をとる(配置A)。尚、該補強部材の末端の位置については、特に限定されないが、該補強部材の少なくとも一端がビードワイヤ構体の半径方向外端とタイヤのショルダー部の間に位置することが好ましい。
具体的には、図1に示されるように、ビードワイヤ構体7の外側面を包むように配置し、また図2〜図4に示すようにビードワイヤ構体7外側の一方の面に配置することができる(図2の配置を配置B、図3及び図4の配置を配置Cという)。ここで該補強部材は、1層でも、また複数の層からなっていてもよいが、タイヤ成形の作業性及びタイヤ重量の観点から1層又は2層であることが好ましい。
尚、本願の発明における空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気,又は窒素などの不活性ガスを用いることができる。
【0021】
また、図5はビードワイヤ構体7をカーカスプライ5が巻き込む構造となっており、カーカスプライ5の外側面を包むように補強部材を配置する構造をとる。図5に示される態様においても、該補強部材は上記した配置A〜配置Cをとることができ、該補強部材の少なくとも一端がビードワイヤ構体の半径方向外端とタイヤのショルダー部の間に位置することが好ましい。
【0022】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
なお、タイヤの性能は以下の方法により測定した。
(1)操縦安定性
試作タイヤを車両(国産FF2000cc)に装着し、速度40〜120km/hで直進、レーンチェンジの条件にて実車走行を行い、ドライバーのフィーリングにより操縦安定性を評価した。評価はコントロールとの対比で、以下の評点をつけ、その合計点数をコントロールを100とした指数で表示した。
0 : 変化なし
+2: やや良好
+4: 良好
+8: 大変良好
尚、タイヤとしては195/60R15を使用し、プライにPET1670dtex/2を使用して評価を実施した。
【0023】
(2)乗り心地性
試作タイヤを車両(国産FF2000cc)に装着し、速度40〜80km/hで良路、継ぎ目路及び悪路の実車走行を行い、ドライバーのフィーリングにより乗り心地性を評価した。評価はコントロールとの対比で、以下の評点をつけ、その合計点数をコントロールを100とした指数で表示した。
0 : 変化なし
+2: やや良好
+4: 良好
+8: 大変良好
【0024】
(3)高荷重ドラム耐久試験
試作タイヤを25±2℃の室内中で、日本自動車タイヤ協会(以下「JATMA」という。)規格の最大空気圧に調整し、24時間放置した後、JATMA規格の最大荷重の2倍荷重をタイヤに負荷し、直径1.7mmのドラム上で速度60km/hで走行させ、故障までの走行距離を測定した。結果は従来のタイヤの故障までの走行距離を100として指数表示した。
【0025】
実施例1
繊維材質として、繊維径0.25mm、繊維長50mmのポリエステル繊維を使用し、水流絡合法により2種類の不織布を製造した。不織布aは目付重量が40g/mであり、そのうち、長手方向(タイヤ構造においては周方向)に約15g/mを配し、斜め方向に25g/mを配した。一方、不織布bは目付重量が60g/mであり、そのうち、長手方向(タイヤ構造においては周方向)に約15g/mを配し、斜め方向に45g/mを配した。
その後、上記不織布とジエン系ゴムを配合して、ゴム−繊維複合体を製造し、図1に示すように、ビードワイヤ構体7の外側面を包むように配置した(この配置位置を「A位置」という)。また、ビードワイヤ構体の半径方向外端、すなわち、ビードワイヤの上端から補強部材の先端との距離を10mmとした。A位置に上記ゴム−繊維複合体を配置した空気入りタイヤについて、操縦安定性、乗心地性及びドラム耐久性の評価を実施した。評価結果は比較例1を100とした場合の指数値にて評価した。その結果を第1表に示す。
【0026】
実施例2
ビードワイヤ上端から補強部材の先端との距離を25mmにした以外は実施例1と同様にして、操縦安定性、乗心地性及びドラム耐久性の評価を実施した。その結果を第1表に示す。
【0027】
比較例1
補強部材を使わない空気入りタイヤに関して、操縦安定性、乗心地性及びドラム耐久性の評価を実施した。
比較例2,3
補強部材としてポリエチレンテレフタレート(PET)コードを簾織にしたものを用いた以外は、それぞれ実施例1及び2と同様に空気入りタイヤを製造し、同様の評価を実施した。その結果を第1表に示す。
【0028】
実施例3
実施例1で製造したゴム−繊維複合体材料を、図2に示すように、ビードワイヤ構体7の外側面の一方に配置した(以後この配置位置を「B位置」という)。また、ビードワイヤ構体の半径方向外端、すなわち、ビードワイヤ上端から補強部材の先端との距離を10mmとした。B位置に上記ゴム−繊維複合体を配置した空気入りタイヤについて、操縦安定性、乗心地性及びドラム耐久性の評価を実施した。その結果を第1表に示す。
【0029】
実施例4
ビードワイヤ上端から補強部材の先端との距離を25mmにした以外は実施例3と同様にして、操縦安定性、乗心地性及びドラム耐久性の評価を実施した。その結果を第1表に示す。
【0030】
比較例4,5
補強部材としてポリエチレンテレフタレート(PET)コードを簾織にしたものを用いた以外は、それぞれ実施例3及び4と同様に空気入りタイヤを製造し、同様の評価を実施した。その結果を第1表に示す。
【0031】
実施例5
実施例1で製造したゴム−繊維複合体材料を、図3に示すように、ビードワイヤ構体7の外側面のB位置とは反対側の他の一方に配置した(以後この配置位置を「C位置」という)。また、ビードワイヤ構体の半径方向外端、すなわち、ビードワイヤ上端から補強部材の先端との距離を10mmとした。C位置に上記ゴム−繊維複合体を配置した空気入りタイヤについて、操縦安定性、乗心地性及びドラム耐久性の評価を実施した。その結果を第1表に示す。
【0032】
実施例6
ビードワイヤ上端から補強部材の先端との距離を25mmにした以外は実施例7と同様にして、操縦安定性、乗心地性及びドラム耐久性の評価を実施した。その結果を第1表に示す。
【0033】
比較例6,7
補強部材としてポリエチレンテレフタレート(PET)コードを簾織にしたものを用いた以外は、それぞれ実施例5及び6と同様に空気入りタイヤを製造し、同様の評価を実施した。その結果を第1表に示す。
【0034】
比較例8
補強部材としてワイヤインサートを用いた以外は、それぞれ実施例5と同様に空気入りタイヤを製造し、同様の評価を実施した。その結果を第1表に示す。
【0035】
実施例7
実施例1で製造したゴム−繊維複合体材料を、図4に示すように、C位置に配置し、ビードワイヤ構体の半径方向外端、すなわち、ビードワイヤ上端から補強部材の先端との距離を10mmとし、さらにビードワイヤ下端から補強部材の反対側の先端までの距離を10mmとした以外は、実施例5と同様に空気入りタイヤを製造し、同様の評価を実施した。その結果を第1表に示す。
【0036】
実施例8
ビードワイヤ上端から補強部材の先端との距離を25mmにした以外は実施例7と同様にして、操縦安定性、乗心地性及びドラム耐久性の評価を実施した。その結果を第1表に示す。
【0037】
比較例9,10
補強部材としてポリエチレンテレフタレート(PET)コードを簾織にしたものを用いた以外は、それぞれ実施例7及び8と同様に空気入りタイヤを製造し、同様の評価を実施した。その結果を第1表に示す。
【0038】
比較例11
補強部材としてワイヤインサートを用いた以外は、それぞれ実施例7と同様に空気入りタイヤを製造し、同様の評価を実施した。その結果を第1表に示す。
【0039】
【表1】
Figure 2004217157
【0040】
【表2】
Figure 2004217157
【0041】
【表3】
Figure 2004217157
【0042】
【表4】
Figure 2004217157
【0043】
(注)
*1 A位置:図1に示すように、ビードワイヤ構体7の外側面を包むように配置した場合
*2 B位置:図2に示すように、ビードワイヤ構体7の外側面の一方に配置した場合
*3 C位置:図3に示すように、ビードワイヤ構体7の外側面であってB位置と反対側の他の一方に配置した場合
【0044】
【発明の効果】
本発明にかかるゴム−繊維複合体材料を補強部材として使用した空気入りタイヤは、タイヤの前後剛性が高められ、一方で縦剛性の増加が抑制されているために、乗心地性及び耐久性を損なうことなく、操縦安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの概略を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの概略を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの概略を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの概略を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの概略を示す断面図である。
【符号の説明】
1; トレッド部
2; ショルダー部
3; リムライン
4; ビード部
5; カーカスプライ
6; ビードワイヤ
7; ビードワイヤ構体
8; 補強部材

Claims (7)

  1. タイヤの周方向に延在するビードワイヤを渦巻状に巻回してなるビードワイヤ構体の少なくとも二列を、カーカスプライを挟んで又はカーカスプライで巻き込んで配設してなるビード部構造を具える空気入りラジアルタイヤであって、前記ビードワイヤ構体の側面及び/又は前記カーカスプライの側面に、不織布とゴム成分を含むゴム−繊維複合体材料からなる補強部材を配置することを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記部材の少なくとも一端が、ビードワイヤ構体の半径方向外端とショルダー部の間に位置することを特徴とする請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記ゴム−繊維複合体材料の強度が3.0cN/dtex以上であり、含まれる不織布を構成するフィラメントの単繊維径が0.02〜0.05mm、繊維長が30mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記不織布の目付重量が20〜200g/mである請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記不織布を構成するフィラメント繊維が、実質的にタイヤの周方向及び/又は斜め方向に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記フィラメント繊維が、天然高分子繊維、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリベンゾアゾール、脂肪族ポリケトンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  7. 前記不織布の引張弾性率が50GPa以上である繊維を少なくとも一部に含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゴム−繊維複合体材料。
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