JP2005081898A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ耐久性及び生産性を損なうことなく、タイヤサイドウォール部の剛性を高めて、操縦安定性を向上させた空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】サイドウォール部2のラジアルカーカス4のタイヤ幅方向外側又は該カーカス4とインナーライナー6との間に、繊維径が0.01〜0.05mmで繊維長が8mm以上のフィラメント繊維からなり目付け重量が20〜200g/m2の不織布10とゴムとで構成したゴム-フィラメント繊維複合体9を少なくとも1枚配設し、該ゴム-フィラメント繊維複合体9の幅が10mm以上で、該ゴム-フィラメント繊維複合体9の生タイヤ時の引張応力がベルト5側とビード部1側とで分布を持つことを特徴とする空気入りラジアルタイヤである。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りラジアルタイヤ、特にサイドウォール部の剛性を高めて操縦安定性を改善した空気入りラジアルタイヤに関するものである。
従来、乗用車、二輪車用等の小型のラジアルタイヤは、タイヤ踏面部に比べて、サイドウォール部の剪断剛性が小さい。そのため、タイヤのサイドウォール部の剛性に左右される操縦安定性を、耐久性等の他のタイヤ性能を犠牲にすることなく改良することが難しかった。
これに対し、タイヤサイドウォール部の剛性を直接的に高めるために、サイドウォール部のカーカスに隣接して撚り糸簾織り構造の繊維補強部材を配設する対策が提案されている。但し、この対策では、繊維補強部材が成形及び加硫工程でのサイドウォール部の大伸張変形に追従できるような方向に、繊維補強部材のコードを配向させた場合、カーカスの折り返し端からベルト端の方向に向かって10mm以上ベルト側に該繊維補強部材の上端を配置しなければ十分な効果が得られなかった。しかしながら、この場合、繊維補強部材がタイヤ走行時の垂直荷重によるサイドウォール部の大きな縦撓みに十分に追従できないため、該繊維補強部材の上端部を起点とする故障が発生しやすく、タイヤ耐久性が低下するという問題があった。そのため、タイヤ形状面等からの対策が別途必要となり、十分な効果を得ることが難しかった。
そこで、耐久性を損なうことなく、タイヤサイドウォール部の剛性を高めて、タイヤの操縦安定性を向上させる方法として、サイドウォール部のカーカスのタイヤ幅方向外側又はカーカスとインナーライナーとの間に、繊維径が0.01〜0.05mmで繊維長が8mm以上のフィラメント繊維からなり目付け重量が20〜200g/m2の不織布とゴムとで構成した10mm以上の幅のゴム-フィラメント繊維複合体を1枚以上配設することが提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−144824号公報
上記の方法でタイヤサイドウォール部の剛性を高めて、タイヤの操縦安定性を向上させる場合、ゴム-フィラメント繊維複合体としては剛性の高いものが好ましく、また、該複合体を拡張の大きいベルト側に近づけて配置することが好ましい。しかしながら、該複合体の剛性が向上するに従って、複合体の延伸性が低下するため、成形及び加硫工程でのサイドウォール部の大伸張変形への複合体の追従性が低下する傾向がある。例えば、剛性が高く、拡張性の低い不織布を用いたゴム-フィラメント繊維複合体を、ビード部からベルト端までの範囲に適用した場合、成形工程から加硫工程までのタイムラグの間にジョイント落ち等の問題が発生することがあり、生産性が低下するという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、タイヤ耐久性及び生産性を損なうことなく、タイヤサイドウォール部の剛性を高めて、操縦安定性を向上させた空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために特にタイヤサイドウォール部とタイヤ性能との関係を鋭意検討した結果、ゴム-フィラメント繊維複合体の剛性にタイヤ径方向で分布を持たせることによって、タイヤ耐久性及び生産性を損なうことなく、サイドウォール部の剛性を高めて、タイヤの操縦安定性を改善できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の空気入りラジアルタイヤは、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、該カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置した複数のベルト層からなるベルトと、前記カーカスの内側に配置したインナーライナーと、前記ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーとを具えた空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記サイドウォール部にて、前記カーカスのタイヤ幅方向外側又は該カーカスと前記インナーライナーとの間に、繊維径が0.01〜0.05mmで繊維長が8mm以上のフィラメント繊維からなり目付け重量が20〜200g/m2の不織布とゴムとで構成したゴム-フィラメント繊維複合体を少なくとも1枚配設し、該ゴム-フィラメント繊維複合体の幅が10mm以上で、該ゴム-フィラメント繊維複合体の生タイヤ時の引張応力がベルト側とビード部側とで分布を持つことを特徴とする
本発明の空気入りラジアルタイヤの好適例においては、前記ゴム-フィラメント繊維複合体全体の生タイヤ時の20%伸長時の引張荷重が190〜490Nであり、該ゴム-フィラメント繊維複合体のベルト側3分の1の部分の生タイヤ時の引張応力とビード部側3分の1の部分の生タイヤ時の引張応力との比が1:1.2〜1:5である。この場合、ゴム-フィラメント繊維複合体のタイヤ半径方向外側部分の弾性率が、タイヤ半径方向内側部分よりも低く、低弾性なタイヤ半径方向外側部分が、成形及び加硫工程での拡張に十分に追従できるため、生産性が維持され、また、高弾性なタイヤ半径方向内側部分が、サイドウォール部の剛性を高めてタイヤの操縦安定性を十分に向上させることができる。
本発明によれば、タイヤのサイドウォール部にゴム-フィラメント繊維複合体を配設し、該複合体の剛性にタイヤ径方向で分布を持たせることによって、タイヤ耐久性及び生産性を維持しつつ、サイドウォール部の剛性を高めて操縦安定性を向上させた空気入りラジアルタイヤを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の空気入りラジアルタイヤは、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、該カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置した複数のベルト層からなるベルトと、前記カーカスの内側に配置したインナーライナーと、前記ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーとを具え、更に、前記サイドウォール部の前記カーカスのタイヤ幅方向外側又は該カーカスと前記インナーライナーとの間に、不織布とゴムからなるゴム-フィラメント繊維複合体が少なくとも1枚配設されている。ここで、上記ゴム-フィラメント繊維複合体は、繊維径が0.01〜0.05mmで繊維長が8mm以上のフィラメント繊維からなり目付け重量が20〜200g/m2の不織布とゴムとで構成されており、幅が10mm以上で、生タイヤ時の引張応力がベルト側とビード部側とで分布を持つことを特徴とする。
タイヤ成型時、上記ゴム-フィラメント繊維複合体は、ビード部側よりもベルト側で大きく拡張される。ゴム-フィラメント繊維複合体のベルト側の部分の剛性を低くすることで、成形工程及び加硫工程での拡張が大きいベルト側の拡張性が向上し、生産性を維持することができる。一方、ゴム-フィラメント繊維複合体のビード部側の部分の剛性を高くすることで、トータルのサイドウォール部の剛性を高めて、タイヤの操縦安定性を改善する。
上記ゴム-フィラメント繊維複合体の生タイヤ時の引張応力にベルト側とビード部側とで分布を持たせる方法としては、不織布をビード部側で折り返し、ビード部側の枚数をベルト側の枚数より増やして剛性分布を持たせる方法、複数枚の同一不織布を組み合わせてビード部側の枚数をベルト側の枚数より増やして剛性分布を持たせる方法、材質及び/又は目付け重量を変えた異種の不織布を複数組み合わせてベルト側とビード部側とで剛性分布を持たせる方法等が挙げられる。
上記ゴム-フィラメント繊維複合体に用いるフィラメント繊維は、多数本の繊維束を撚り合わせたり織り合わせたりしたタイヤ用繊維コードの簾織りとは異なり、不織布として用いられる。ここで、不織布の製法としては、カーディング法、抄紙法、エアレイ法、メルトブロー法、スパンボンド法等が挙げられ、これらの方法でウェブを作製する。メルトブロー法、スパンボンド法以外のウェブでの繊維の結合方法としては、熱融着法、バインダによる方法、水流又は針の力で繊維を交絡させる水流絡合法、ニードルパンチ法等が好適に挙げられる。これらの中でも、水流又は針で繊維を交絡させる水流絡合法、ニードルパンチ法、メルトブロー法及びスパンボンド法が好ましい。
上記ゴム-フィラメント繊維複合体に用いるフィラメント繊維としては、綿、レーヨン、セルロース等の天然高分子繊維;脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリイミド、脂肪族ポリケトン等の合成高分子繊維が挙げられ、これら繊維は一種単独で、又は複数種を混合して用いることができる。
上記フィラメント繊維の繊維径は、0.01〜0.05mmである。フィラメント繊維の繊維径が0.01mm未満では、不織布へのゴムの浸透が悪くなる傾向があり、複合化が不完全な為、耐久性の面で好ましくない。また、フィラメント繊維の繊維径が0.05mmを超えると、フィラメント繊維から不織布を形成するに際し、物理的交絡を十分付与できないため、不織布を形成できなかったり、得られた不織布を用いた複合体の剛性が不十分となる傾向がある。
また、上記フィラメント繊維の繊維長は、8mm以上であり、8〜150mmであるのが好ましい。フィラメント繊維の繊維長が8mm未満では、フィラメント−フィラメント間の絡み合いが十分でなく、ゴム-フィラメント繊維複合体の剛性が不十分となる傾向がある。また、フィラメント繊維の繊維長が150mmを超えると、フィラメントの末端個数が少なくなり過ぎるため、この場合もフィラメント間の絡み合いが十分でなく、ゴム-フィラメント繊維複合体の剛性が不十分となる傾向がある。
上記フィラメント繊維の断面形状は、円形でも、円形以外の形状でもよく、中空部を有する形状であってもよい。また、該フィラメント繊維は、異なる材質を配置した構造の複合繊維であってもよく、内層と外層とに異なる材質を配置した芯鞘構造、米字状に配置した構造、花弁状に配置した構造、層状構造であってもよい。
上記フィラメント繊維からなる不織布は、目付け重量が20〜200g/m2である。不織布の目付け重量が20g/m2未満では、不織布の均一性を維持することが難しく、ゴム-フィラメント繊維複合体の剛性が不十分となる傾向がある。一方、不織布の目付け重量が200g/m2を超えると、複合化に際して不織布へのゴムの浸透性が不十分で、ゴム-フィラメント繊維複合体の耐久上好ましくない。
上記ゴム-フィラメント繊維複合体に用いられるゴム組成物は、ゴム成分にゴム業界で通常使用される配合剤を配合してなる。ここで、ゴム成分としては、天然ゴム(NR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)等が挙げられる。また、配合剤としては、カーボンブラック、スピンドルオイル等の軟化剤、亜鉛華、老化防止剤、加硫促進剤、及び硫黄等が挙げられる。
上記ゴム-フィラメント繊維複合体の幅は、10mm以上が好ましい。複合体の幅が10mm未満では、剛性が得難くなって、タイヤの操縦安定性を向上させる効果が小さい。また、製造時に繊維長8〜150mmの繊維で不織布を作製しても、幅10mm未満のストリップにした時点で、端の部分で繊維が切られて繊維長8mm以下のものの割合が増え、絡み合いが減って十分な剛性が得られなくなってしまう。更に、後述のように複合体全体の引張荷重は190N以上が好ましく、幅10mm未満の不織布でそれを達成しようとすると、かなり高弾性率のものを使用しなければならないが、その様な不織布は殆どなく、通常の弾性率の不織布を用いると、10mm未満の幅では剛性不足になってしまう。
上記ゴム-フィラメント繊維複合体は、通常の方法で製造することができる。例えば、上記フィラメント繊維からなる不織布にシート状の未加硫ゴム組成物を、プレス又はロール等で上下両面又は片面から圧着する方法が挙げられる。圧着に際して、不織布内部の空気を未加硫ゴム組成物と十分に置換するのが好ましい。なお、圧着は、未加硫ゴム組成物の流動性を利用して、実質的に加硫反応が開始しない程度の温度で行うのが好ましい。また、溶媒を用いて液状化させた未加硫ゴム組成物を不織布に塗布して、フィラメント繊維とゴムとを複合化する方法も挙げられる。
生タイヤ時の上記ゴム-フィラメント繊維複合体全体の20%伸長時の引張荷重は、190〜490Nであるのが好ましく、245〜390Nであるのが更に好ましい。複合体全体の20%伸長時の引張荷重が190N未満では、生タイヤの成形及び加硫工程で複合体にかかる応力が低く、生産性の問題が生じにくいものの、サイドウォール部の剛性が低く、操縦安定性の向上効果が小さい。一方、複合体全体の20%伸長時の引張荷重が490Nを超えると、ベルト側とビード部側とで剛性分布を持たせても生産性の低下を十分に抑制することができない。
また、生タイヤ時の上記ゴム-フィラメント繊維複合体のベルト側3分の1の部分の引張応力とビード部側3分の1の部分の引張応力との比は、1:1.2〜1:5が好ましく、1:1.5〜1:3が更に好ましい。ベルト側3分の1の部分の引張応力とビード部側3分の1の部分の引張応力との比が1:1.2未満では、剛性分布を持たせる効果が小さく、1:5を超えると、ベルト側に複合体を配置する効果が小さくなる。
本発明の空気入りラジアルタイヤは、サイドウォール部のカーカスのタイヤ幅方向外側又はカーカスとインナーライナーとの間に上述のゴム-フィラメント繊維複合体を配設する以外特に制限はなく、従来と同様にして製造することができる。なお、本発明のタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスが挙げられる。
次に、本発明の空気入りラジアルタイヤを、図を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一例の断面図である。また、図2は、本発明の空気入りラジアルタイヤの具体例の部分断面図であり、ゴム-フィラメント繊維複合体の骨格をなす不織布の配置の例を詳細を示している。図1に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、前記一対のビード部1間にトロイド状に延在して、これら各部1,2,3を補強するラジアルカーカス4と、カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置した複数のベルト層からなるベルト5と、カーカス4の内側に配置したインナーライナー6と、ビード部1内に夫々埋設したビードコア7のタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラー8とを具える。図示例のラジアルカーカス4は、一対のビードコア7間にトロイド状に延在する本体部4aと、各ビードコア7の周りで、タイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部4bとからなる。なお、ラジアルカーカス4の構造及びプライ数は、これに限られるものではない。また、ビードフィラー8は、カーカス本体部4aと折り返し部4bとの間に位置しており、サイドウォール部2のカーカス本体部4aとビードフィラー8との間にゴム-フィラメント繊維複合体9が配設されている。
図1においては、ゴム-フィラメント繊維複合体9は、カーカス本体部4aとビードフィラー8との間に配置されているが、複合体9は、カーカス本体部4aとインナーライナー6との間、カーカス折り返し部4bとビードフィラー8との間、或いは、カーカス折り返し部4bのタイヤ幅方向外側に配置されてもよい。また、図1中のゴム-フィラメント繊維複合体9は一層よりなるが、二層以上であってもよい。
上記ゴム-フィラメント繊維複合体9は、生タイヤ時の引張応力がベルト5側とビード部1側とで分布を持つ。ベルト5側とビード部1側とで引張応力に分布を持たせる方法としては、図2(a)のように、複合体9を構成する不織布10をビード部1側で折り返して、ビード部1側の枚数をベルト5側の枚数より増やす方法、図2(b)のように、ビード部1側の不織布10の枚数をベルト5側の不織布10の枚数より増やす方法、図2(c)のように、引張応力の小さな不織布10aをベルト5側に配置し、引張応力の大きな不織布10bをビード部1側に配置する方法等が挙げられる。なお、図2(a)において、W1は不織布10の最大幅を示し、W2は、ビード部1側で折り返された不織布10の重複部分の幅を示す。図2(b)において、W1は幅広の不織布10の幅を示し、W2は、ビード部1側に配設された幅狭の不織布10の幅を示す。図2(c)において、W1はベルト5側に配設された引張応力の小さな不織布10aの幅を示し、W2は、ビード部1側に配設された引張応力の大きな不織布10bの幅を示す。ここで、不織布の引張応力を変化させる方法としては、不織布に用いるフィラメント繊維の材質を変える方法、不織布の目付け重量を変える方法等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
表1に示す繊維種よりなる不織布A及び不織布Bを作製し、ゴムと複合化して、ゴム-不織布複合体を作製した。該複合体をサイドウォール部に配置し、表1に示す構造で、サイズ:205/65R15の空気入りラジアルタイヤを作製した。なお、表1中、比較例1のタイヤは、サイドウォール部にゴム-不織布複合体を配設していないタイヤで、比較例2〜4のタイヤは、図3に示す構造で、ゴム-不織布複合体がサイドウォール部に配置されているものの、ベルト側とビード部側とで剛性差がないタイヤである。これら試作タイヤに対して、下記の方法で操縦安定性、引張剛性及び生産性を評価した。結果を表1に示す。
(1)操縦安定性
上記試作タイヤを車輌(国産FF2500cc)に装着し、速度40〜120km/hで直進、レーンチェンジの条件にて実車走行を行い、ドライバーのフィーリングにより操縦安定性を評価した。比較例1を基準として、「変わらない」、「やや良いと思われる」、「やや良い」、「良い」、「非常に良い」に区分し、以下の点数をつけた。
0:「変わらない」
+2:「やや良いと思われる」
+4:「やや良い」
+8:「良い」
+12、+16、+20:「非常に良い」
(但し、「非常に良い」の中でも、点数が大きい程、良好であることを示す)
(2)引張剛性
タイヤ成形時に貼り付けるゴム-フィラメント繊維複合体をそのままの幅でタイヤ周方向にインストロン引張試験機を用いて50mm/minの速さで引張り、20%伸張時の引張荷重を測定した。また、タイヤ成形時に貼り付けるゴム-フィラメント繊維複合体のベルト側3分の1及びビード部側3分の1をそれぞれ切り取り(複数枚ゴム-フィラメント繊維複合体がある場合は、重ねたまま切り取る)、タイヤ周方向にインストロン引張試験機を用いて50mm/minの速さで引張り、20%伸張時の引張荷重を幅5cm相当に換算し、ベルト側3分の1の部分とビード部側3分の1の部分との剛性比を求めた。
(3)生産性
タイヤ成形後、生タイヤの状態で120時間放置してジョイント落ち、プライコード乱れ、及び不織布破断の発生率を求め、発生率0%を100として指数表示した。指数値が小さい程、発生率が高く、生産性が悪いことを示す。
Figure 2005081898
表1から明らかなように、サイドウォール部にゴム-フィラメント繊維複合体を配設し、該複合体のビード部側の剛性をベルト側の剛性より高くした実施例のタイヤは、生産性を損なうことなく、操縦安定性が大幅に向上していた。
一方、比較例2のタイヤは、サイドウォール部に配設したゴム-フィラメント繊維複合体の剛性が低く、ある程度伸縮性があるため、生産性は良いが、複合体の剛性が均一で且つ複合体全体の引張荷重が低いため、操縦安定性の向上効果が小さかった。
また、不織布の目付け重量を上げて剛性を高くした比較例3のタイヤや、不織布の幅を広くして剛性を高くした比較例4のタイヤは、ゴム-フィラメント繊維複合体全体の引張荷重が充分高いものの、複合体が剛性分布を持っていないのでベルト側の歪みの大きい所で伸縮が追いつかず生産性が低下した。
本発明の空気入りラジアルタイヤの一例の断面図である。 本発明の空気入りラジアルタイヤの他の実施態様の部分断面図である。 比較例2〜4の空気入りラジアルタイヤの部分断面図である。
符号の説明
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 ラジアルカーカス
4a カーカス本体部
4b カーカス折り返し部
5 ベルト
6 インナーライナー
7 ビードコア
8 ビードフィラー
9 ゴム-フィラメント繊維複合体
10,10a,10b 不織布
W1,W2 不織布の幅

Claims (2)

  1. 一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、該カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置した複数のベルト層からなるベルトと、前記カーカスの内側に配置したインナーライナーと、前記ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーとを具えた空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記サイドウォール部にて、前記カーカスのタイヤ幅方向外側又は該カーカスと前記インナーライナーとの間に、繊維径が0.01〜0.05mmで繊維長が8mm以上のフィラメント繊維からなり目付け重量が20〜200g/m2の不織布とゴムとで構成したゴム-フィラメント繊維複合体を少なくとも1枚配設し、該ゴム-フィラメント繊維複合体の幅が10mm以上で、該ゴム-フィラメント繊維複合体の生タイヤ時の引張応力がベルト側とビード部側とで分布を持つことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記ゴム-フィラメント繊維複合体全体の生タイヤ時の20%伸長時の引張荷重が190〜490Nであり、該ゴム-フィラメント繊維複合体のベルト側3分の1の部分の生タイヤ時の引張応力とビード部側3分の1の部分の生タイヤ時の引張応力との比が1:1.2〜1:5であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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