JPH11240307A - 空気入り安全タイヤ - Google Patents

空気入り安全タイヤ

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Publication number
JPH11240307A
JPH11240307A JP10327145A JP32714598A JPH11240307A JP H11240307 A JPH11240307 A JP H11240307A JP 10327145 A JP10327145 A JP 10327145A JP 32714598 A JP32714598 A JP 32714598A JP H11240307 A JPH11240307 A JP H11240307A
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JP
Japan
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rubber
tire
pneumatic safety
safety tire
carcass
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Pending
Application number
JP10327145A
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English (en)
Inventor
Tomohisa Nishikawa
智久 西川
Kazutomi Kobayashi
一臣 小林
Kenji Matsuo
健司 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Filing date
Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D30/00Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
    • B29D30/06Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
    • B29D30/72Side-walls
    • B29D2030/724Stiffening the sidewalls, e.g. by using additional inserts, e.g. made of rubber, plastics or other materials

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内圧充填時の通常走行での性能を高レベルに
維持しながら、ランフラット走行性能が大幅に改善され
た空気入り安全タイヤを提供する。 【解決手段】 左右一対のビードコアと、スチールコー
ド使用カーカスプライ4と、ベルト部と、トレッド部
と、サイドウォール部2とを具備してなる空気人り安全
タイヤであって、少なくとも1枚のカーカスプライ4が
1×n構造(ここで、nは2から7の自然数)のスチー
ルコードからなり、該スチールコードフィラメントの素
線径が0.125〜0.275mmであり、かつタイヤ
から取り出したスチールコードの切断時の伸びが3.5
%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入り安全タイ
ヤに関し、さらに詳しくは耐久性に優れ、良好なランフ
ラット走行を可能ならしめた乗用車用空気入り安全タイ
ヤに関する。
【0002】
【従来の技術】空気入りタイヤでタイヤの内部圧力(以
下内圧という)低下時の走行、所謂ランフラット走行が
可能なタイヤ(空気入り安全タイヤという)において、
タイヤ車輪としては、タイヤの空気室内におけるリムの
部分に、金属、合成樹脂製の環状中子を取りつけた中子
タイプと、タイヤサイドウォールのビード部からショル
ダー区域にかけて、カーカスの内面に断面が三日月状の
比較的硬質ゴムの層を配置して補強したサイド補強タイ
プが知られている。これら2つのタイプのうち中子タイ
プは、ランフラット走行に当たって荷重支持能力が高い
ことから、乗り心地をあまり問題にしない貨物運搬用車
両、軍用車両向けとして、またサイド補強タイプは、比
較的荷重負担が軽く、乗り心地を重視する車輛向けとし
て、夫々それなりに評価を得ている。
【0003】サイド補強タイプは、サイドウォールにお
けるカーカス層の内面に断面が三日月状の比較的硬質の
補強ゴム層を、その一方の端部がカーカスを隔ててベル
ト層とオーバーラップし、また他方の端部はゴムフィラ
ーとオーバーラップするように配置して強化されてい
る。走行中にタイヤがパンクして空気が抜けてしまう
と、補強ゴム層で強化したサイドウォール固有の剛性に
よって荷重を支持し、速度は多少落とさなければならな
いとはいえ、所定の距離ランフラット走行を行うことが
できる。しかし、ランフラット走行性は十分とは言えな
い。
【0004】汎用の乗用車用タイヤの場合、荷重負担は
比較的小さいといっても、乗用車も大型になると1本当
たりの荷重は500kgf前後と大きくなる。このよう
な場合、パンク状態でのサイドウォールの変形がさらに
大きくなり、走行時に受ける数倍の動荷重によってサイ
ドウォールは完全に座屈してしまい、これを繰り返しな
がら走行することとなる。その結果、サイドウォールに
おけるビード部は、リムのフランジによってつき上げら
れ、湾曲したフランジとゴムフィラーに挟まれた外皮ゴ
ムとカーカス折返し部が、熱によって融けたり、断裂し
てしまい、これによりパンク原因となった部分を修理し
ても、以後の使用は不可能となる。
【0005】汎用タイヤサイズの安全タイヤをランフラ
ット条件で走行させた場合、タイヤの内部温度は200
℃以上の高温になるため、耐熱性に優れているといわれ
る例えばPETでさえも、高温時のゴムとの接着性が十
分ではなく、具体的には、PETカーカスを適用したタ
イヤの場合、ランフラット走行での故障はPET/接着
層界面での剥離が主なものとなる。そのため、ランフラ
ット耐久性という点では低いレベルとなる。
【0006】さらに、ランフラット走行が可能であると
同時に内圧充填時の通常走行での性能も当然要求され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、内圧
充填時の通常走行性能を高レベルで維持しながら、従来
のゴム補強層を有する安全タイヤに比べ、ランフラット
走行性能が大幅に改善された空気入り安全タイヤを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく特にタイヤサイドウォール部とタイヤのラ
ンフラット走行性能との関係について鋭意検討した結
果、カーカスプライに特定のスチールコードを用いる等
の下記の手段によって、前記目的を達成し得ることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、(1)本発明の空気入り安全タ
イヤは、左右一対のリング状のビードコアと、並列され
た複数のコードが被覆ゴム中に埋設された層から成り、
その両端部が該ビードコアの周りに折り返し巻回されて
形成されたカーカス層と、該カーカス層のタイヤ半径方
向外側に配置された複数層のベルト部と、該ベルト部の
タイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部と、該トレ
ッド部の左右に配置された一対のサイドウォール部とを
具備してなる空気入り安全タイヤにおいて、少なくとも
1枚のカーカスプライが1×n構造(ここで、nは2か
ら7の自然数)のスチールコードからなり、該スチール
コードフィラメントの素線径が0.125〜0.275
mmであり、かつタイヤから取り出したスチールコード
の切断時の伸びが3.5%以上であることを特徴とす
る。
【0010】(2)前記空気入り安全タイヤにおいて、
前記サイドウォール部におけるカーカスプライ層の内側
に三日月状の断面のゴム補強層がさらに配設されていて
もよい。
【0011】(3)前記空気入り安全タイヤにおいて、
前記サイドウォール部に、ゴム−フィラメント繊維複合
体の少なくとも1枚が配設されていてもよい。
【0012】(4)前記空気入り安全タイヤにおいて、
該ゴム−フィラメント繊維複合体は、直径又は最大値が
0.0001〜0.1mm、長さが8mm以上のフィラ
メント繊維とゴム成分からなり、厚さが0.05〜2.
0mmであってもよい。
【0013】(5)前記空気入り安全タイヤにおいて、
前記ゴム−フィラメント繊維複合体中、フィラメント繊
維が4〜50重量%であってもよい。
【0014】(6)前記空気入り安全タイヤにおいて、
前記ゴム−フィラメント繊維複合体が、目付けが10〜
300g/m2 である不織布とゴムとからなっていても
よい。
【0015】(7)前記空気入り安全タイヤにおいて、
前記サイドウォール部と前記カーカスプライの外面との
間に、さらにダウンカーカス層の少なくとも1枚が配設
されていてもよい。
【0016】本発明では(a)上記スチールコードは一
定伸長時の引張応力が低く(以下、低Mod.という)
かつ切断時の伸びが大きいという特性を有するコードで
あり、一般にスチールコードの欠点とされる耐圧縮疲労
性について大幅な向上が見られること、つまりこの低M
od.及び高切断時伸度のスチールコードはスチールフ
ィラメント繊維自体の変形で圧縮入力を吸収することが
可能となるため、耐圧縮疲労性に関し、大幅な改良効果
をもたらすことが見出されたこと(b)ランフラット走
行時のタイヤの極めて高い内部発熱に対して、スチール
コードはゴムと強固に接着しているため、接着性に問題
はなく(ランフラット走行での故障は他の部分のゴム部
に起こる)、ランフラット走行性は前記の例えばPET
対比高レベルになること及び(c)ランフラット走行時
の内部発熱をいかに低減させるかが非常に重要な点であ
るが例えばPETコードとスチールコードを比較した場
合、スチールコードの方が曲げ剛性が高いため、タイヤ
の低内圧時のたわみ量が小さくなりタイヤとしての発熱
量が小さくなること、の3つの知見に基づいて、本発明
のランフラット耐久性に優れた空気入り安全タイヤが得
られたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるスチールコー
ドはフィラメントピッチ長さに対して型付け量を大きく
することにより低Mod.及び高切断時伸度を有するこ
とになる。そのため従来のスチールコードに比べて耐圧
縮疲労性が大幅に向上し、スチールコード自体の変形で
圧縮入力を吸収することが可能になる。この圧縮疲労性
の大幅な向上はスチールコードの欠点を克服したもの
で、一方スチールコードの曲げ剛性が高い等の他の特徴
が活用でき、本発明のランフラット耐久性に優れた空気
入り安全タイヤを可能としたものである。
【0018】本発明に用いられるスチールコードの構造
は1×n構造を有し、nは2から7、好ましくは2から
6の自然数である。nが7を越えると、フィラメントの
配列がくずれ易くなり、その結果、スチールコード内部
へのマトリックスゴムの浸透性が低下する、コードとし
ての引き揃え性が悪化する、高破断伸度が得にくくなる
等の点で好ましくない。また、このスチールコードのフ
ィラメント繊維の素線径は0.125〜0.275m
m、好ましくは0.125〜0.230mmであり、径
が0.125mm未満では製造の際、伸線がしにくく、
抗張力が出にくいため、コード強力が低下し、結果とし
て、タイヤのケース部材の強度が低下し、0.275m
mを越えると疲労性が悪化するため好ましくない。さら
に、タイヤから取り出したスチールコードの切断時の伸
びは3.5%以上、好ましくは4.0%以上、更に好ま
しくは4.5以上であり、この伸びが3.5%未満では
スチールコード自体の疲労耐久性の点で好ましくない。
【0019】本発明ではスチールコードを用いたカーカ
ス層の内面及び/又は外面に三日月状断面のゴム補強層
を配設することによって、特に内面に配設すろことによ
って、ランフラット耐久性がより向上する。
【0020】本発明において、繊維補強部材層としてゴ
ム−フィラメント繊維複合体に使用するフィラメント繊
維は、タイヤ用繊維コードの簾織りとは異なり、多数本
の繊維束を撚り合わせたり、織り合せたりはしておら
ず、不織布が好適に用いられる。
【0021】ゴム−フィラメント繊維複合体を構成する
フィラメント繊維の材質としては、綿、レーヨン、セル
ロースなどの天然高分子繊維、脂肪族ポリアミド、ポリ
エステル、ポリビニルアルコール、ポリイミド、芳香族
ポリアミドなどの合成高分子繊維、及びカーボン繊維、
ガラス繊維、スチールワイヤ等のうちから選択した一種
又は複数種の繊維を混合することが出来るが高温時の寸
法安定性の観点から、芳香族ポリアミド、レーヨン、ポ
リエチレンナフタレート、ポリイミド、及びカーボン繊
維、ガラス繊維、スチールワイヤが好ましい。芳香族ポ
リアミド繊維の具体例としては、ポリパラフェニレンテ
レフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミ
ド、ポリパラフェニレンイソフタルアミド、ポリメタフ
ェニレンイソフタルアミドなどが挙げられる。
【0022】ゴム−フィラメント繊維複合体に適用する
繊維の直径又は最大径は、0.0001〜0.1mmの
範囲でなければならず、0.0001〜0.005mm
であることが好ましい。また、ゴム−フィラメント繊維
複合体に使用する繊維の長さは、8mm以上でなければ
ならず、10mm以上であることが好ましい。繊維の長
さが短いと、フィラメント繊維−フィラメント繊維間の
絡み合いが十分でなく、補強層としての強度を保持でき
なくなる。
【0023】繊維は、その断面形状が円状のもの、又は
円と異なる断面形状のもの、中空部を有するものを用い
ることが出来る。さらに、異なる材質を内層と外層に配
置した芯鞘構造、或いは米字形、花弁形、層状形等の複
合繊維も用いることができる。
【0024】ゴム−フィラメント繊維複合体中における
フィラメント繊維の割合は4〜50重量%であることが
好ましい。フィラメント繊維の割合が4重量%未満で
は、均一性が維持できず、補強層としての剛性が発現し
にくく好ましくない。また、50重量%を超えると、ゴ
ム−フィラメント繊維複合体において繊維連続層の比率
が多くなり、ゴム−フィラメント繊維複合体の耐久性が
低下し、タイヤとしての耐久性が低下する傾向にあり好
ましくない。
【0025】本発明の乗用車用空気入り安全タイヤに用
いるゴム−フィラメント繊維複合体においては、不織布
を用いることが好ましい。
【0026】不織布の製法としてニードルパンチ法、カ
ーディング法、メルトブロー法及びスパンボンド法など
が適合する。これらの製法のうちとりわけ、水流又は針
でフィラメントを交絡させるカーディング法及びフィラ
メントを互いに接合させるスパンボンド法により得られ
る不織布が好適に用いられる。
【0027】織布の目付(1m2 当たりの重量)は、1
0〜300gの範囲にあるのが好ましい。目付が300
gを超えると、ゴムの流動性にもよるが、不織布内部の
空隙にゴムが浸透しなくなり、タイヤ部材として考えた
場合、ゴム−不織布複合体としての耐剥離性の観点から
好ましくない。また、目付が10g未満では、不織布自
体の均一性を維持することが困難となりムラの多い不織
布となり、加硫後のゴム−不織布複合体としたときの強
度、剛性、切断時の伸びのバラツキが大きくなるため好
ましくない。
【0028】20g/cm2 の加圧下で測定した不織布
の厚さは、0.05〜2.0mmの範囲であることが好
ましく、0.1〜0.5mmであることが更に好まし
い。厚さが0.05mm未満では、不織布としての均一
性を維持することが困難となり、さらに、ゴムとの複合
体としての強度、剛性が不足する。一方、2.0mmを
超えると、ゴムとの複合化をしたときにゲージが厚くな
り、タイヤ部材としての観点より好ましくない。
【0029】ゴムとフィラメント繊維の複合体化は、そ
の未加硫部材の段階にて予めフィラメント繊維に未加硫
ゴム組成物を適用して複合化する。具体的にはロール、
バンバリーミキサーなど、通常ゴム業界で用いられる混
練り機を用いて混練りすることができるが、繊維の分散
性の点から、フィラメント繊維は少量ずつ投入すること
が好ましい。フィラメント繊維として不織布を用いる場
合は、プレスまたはヒートロールなどによりシート状未
加硫ゴム組成物を上下両表面又は片面から不織布に対し
て圧着して、不織布内部の空気を未加硫ゴム組成物と十
分に置換する。未加硫ゴム組成物の流動性によっては、
実質的に加硫反応が開始しない程度の温度条件下で圧着
を行うことも必要である。また、他の方法としては、未
加硫ゴム組成物を溶媒を用いて液状化させ、不織布に塗
布することでタッキネスを付与する方法もある。このよ
うにして得られた未加硫複合部材を適用してグリーンタ
イヤを形成し、これに加硫成形を施す。
【0030】また、これら複合化に際し、加硫後におけ
るゴムとの接着性が十分であれば、フィラメント繊維に
予め接着処理を施さずとも良く、接着が不十分な時はタ
イヤ用繊維コードとゴムとの接着力を高めると同様にデ
ィッピング・ヒートセット処理をフィラメント繊維に施
すことができる。
【0031】本発明のカーカスプライ、ゴム−フィラメ
ント繊維複合体、ゴム補強層に使用されるゴム成分は特
に限定されないが、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジ
エンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、イソプレンゴム(IR)などのジエン系合成ゴム
を用いることが好ましい。
【0032】複合部材に使用するゴム組成物の物性に関
し、50%伸長時の引っ張り応力(M50)は2.0〜
9.0MPa、100%伸長時の引っ張り応力
(M100 )は4.0〜15.0MPaであるのが望まし
い。
【0033】本発明の空気入り安全タイヤにおいて、サ
イドウォール部とスチールコードから成るカーカス層の
外面との間に、さらにダウンカーカス層の少なくとも1
枚が配設されていてもよい。
【0034】以上のようにして得られた各タイヤ部材と
通常の方法で加硫、成形することにより本発明のタイヤ
及び比較例のタイヤを得る。
【0035】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本実施例
に限定されるものではない。
【0036】以下に本発明の空気入り安全タイヤの構造
を図面を用いて説明する。
【0037】本発明の空気入り安全タイヤの概略断面図
の例を図1に示す。
【0038】コード方向がタイヤ1のラジアル方向に向
く一層のスチールコード使用カーカスプライ4aの両端
末が左右の一対のビードコア6の周りに巻回されて折り
返され、該カーカスプライ4のタイヤ半径方向の上部に
2層のスチールベルト5がリング状に配置され、更にそ
の上部のタイヤ踏面部にはトレッドゴム3が配置されて
いる。また、トレッドゴム3の両サイドのカーカス層上
にはサイドウォールゴム2が配置されている。さらに、
サイドウォール部2とカーカスプライ4aの外面との間
にダウンカーカスプライ4bが配設されている。
【0039】図2は図1のタイヤのベルト部5の外周側
にベルト補強層10、11が配置されている他の空気入
り安全タイヤの概略断面図の例を示す。
【0040】図3〜図8のそれぞれの構造I〜VIに、
本発明の空気入り安全タイヤのタイヤサイド部における
カーカス部の配置構造が例示される。
【0041】カーカスの構造は、以下の6種類である。 構造I:2枚の折り返しカーカスに加え、その外側に1
枚のダウンカーカスを配置した3P構造である。 構造II:1枚の折り返しカーカスに加え、更に1枚の
カーカスの端をトレッド部まで折り返した2P構造であ
る。 構造III:1枚のカーカスの端をトレッド部まで折り
返した1P構造である。 構造IV:2枚の折り返しカーカスに加え、その外側に
1枚のダウンカーカスを配置した3P構造であり、ゴム
−フィラメント繊維複合体を断面三日月状の補強ゴム層
の内側に配設してある。 構造V:1枚の折り返しカーカスに加え、更に1枚のカ
ーカスの端をトレッド部まで折り返した2P構造であ
り、ゴム−フィラメント繊維複合体を断面三日月状の補
強ゴム層の内側に配設してある。 構造VI:1枚のカーカスの端をトレッド部まで折り返
した1P構造あり、ゴム−フィラメント繊維複合体を断
面三日月状の補強ゴム層の内側に配設してある。
【0042】複合部材に用いるゴム組成物の引張り応力
は、JIS K6301−1995に準拠して測定し
た。
【0043】カーカスプライの補強コードの切断荷重及
び切断時の全伸びは、JIS G3510−1992に
準拠して測定した。
【0044】タイヤの性能は、以下の方法にて測定し
た。 (1)ランフラット耐久性 内圧3.0kg/cm2 でリム組みし、38℃の室温中
に24時間放置後、バルブのコアを抜き内圧を大気圧と
して、荷重570kg、速度89km/時、室温38℃
の条件でドラム走行テストを行う。この時の故障発生ま
での走行距離をランフラット耐久性とし、比較例1の値
を100として指数表示した。指数が大きい程、ランフ
ラット性は良好である。
【0045】ここで、比較例1は実施例1〜9のコント
ロールである。 (2)通常走行耐久性(内圧充填時耐久性) 内圧3.0kg/cm2 でリム組みし、25℃の室温中
に24時間放置後、内圧を3.0kg/cm2 に再調整
して、JATMA最大荷重の2倍の荷重下周速度60k
m/時で回転するドラムに押し当て、故障発生までの走
行距離を測定した。タイヤの実用化判断の評価として、
2万km以下を×、2万kmを超えるものを○とした。
【0046】サイドウォール部のカーカスプライの内側
に断面三日月状の補強ゴム層を配置したサイズ225/
60 R16のタイヤを常法により作成した。
【0047】補強ゴム層のゴム組成物の配合を表1に示
す。
【0048】M50は4.5MPa、M100 は10.5M
Paである。
【0049】
【表1】
【0050】ゴム−フィラメント繊維複合体は、フィラ
メント繊維として不織布を用いない場合は、バンバリー
ミキサーを用い、不織布を用いる場合は、70℃でプレ
スによりシート状未加硫ゴム組成物を上下両表面又は片
面から不織布に対して圧着して作成した。
【0051】用いたゴム組成物は、補強ゴム層と同じで
ある。
【0052】また、比較のためのカーカス部構造はスチ
ールコード使用カーカスプライの代わりにPET使用カ
ーカスプライを用いた以外、構造I と同様である。な
お、比較例に用いたPETコードは1670デシテック
スの下撚り糸を2本撚りしたコード(1670dtex
/2)である。
【0053】それぞれのタイヤの構造は、表2及び3に
示す。また、タイヤのランフラット耐久性及び内左充填
時耐久性の測定結果を表2及び3に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】表2及び3に示されるように、本発明の空
気入り安全タイヤは内圧充填時の通常走行での耐久性な
どの性能を高水準で維持しながら、ランフラット走行性
能が大幅に改善されることがわかる。
【0057】カーカスプライコードとして、PETを用
いた空気入り安全タイヤ(比較例1)はランフラット耐
久性が大幅に悪化することがわかる。
【0058】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の空気
入り安全タイヤにおいては、特定のスチールコード使用
カーカスプライを用いることにより、内圧充填時の通常
走行での性能を高レベルに維持し、ランフラット走行性
能が大幅に改善されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の例示の空気入り安全タイヤの概略断面
図である。
【図2】本発明の他の例示の空気入り安全タイヤの概略
断面図図である。
【図3】本発明及び比較例で用いられる空気入り安全タ
イヤのタイヤサイド部(カーカス部)における例示の配
置構造の概略を示す説明図である。
【図4】本発明で用いられる空気入り安全タイヤのタイ
ヤサイド部(カーカス部)における他の例示の配置構造
の概略を示す説明図である。
【図5】本発明で用いられる空気入り安全タイヤのタイ
ヤサイド部(カーカス部)における他の例示の配置構造
の概略を示す説明図である。
【図6】本発明で用いられる空気入り安全タイヤのタイ
ヤサイド部(カーカス部)における他の例示の配置構造
の概略を示す説明図である。
【図7】本発明で用いられる空気入り安全タイヤのタイ
ヤサイド部(カーカス部)における他の例示の配置構造
の概略を示す説明図である。
【図8】本発明で用いられる空気入り安全タイヤのタイ
ヤサイド部(カーカス部)における他の例示の配置構造
の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
l 空気入り安全タイヤ 2 サイドウォール部 3 トレッド部 4 カーカス層 4a 折り返しカーカスプライ 4b ダウンカーカスプライ 5 ベルト部 6 ビートコア 7 ビードフィラー 8 ゴム補強層 9 ゴム−フィラメント繊維複合
体 10 ベルト補強層 11 ベルト補強層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B60C 17/00 B60C 17/00 B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対のリング状のビードコアと、並
    列された複数のコードが被覆ゴム中に埋設された層から
    成り、その両端部が該ビードコアの周りに折り返し巻回
    されて形成されたカーカス層と、該カーカス層のタイヤ
    半径方向外側に配置された複数層のベルト部と、該ベル
    ト部のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部と、
    該トレッド部の左右に配置された一対のサイドウォール
    部とを具備してなる空気入り安全タイヤにおいて、 少なくとも1枚のカーカスプライが1×n構造(ここ
    で、nは2から7の自然数)のスチールコードからな
    り、該スチールコードフィラメントの素線径が0.12
    5〜0.275mmであり、かつタイヤから取り出した
    スチールコードの切断時の伸びが3.5%以上であるこ
    とを特徴とする空気入り安全タイヤ。
  2. 【請求項2】 前記サイドウォール部におけるカーカス
    プライ層の内側に三日月状の断面のゴム補強層がさらに
    配設されていることを特徴とする請求項l記載の空気入
    り安全タイヤ。
  3. 【請求項3】 前記サイドウォール部に、ゴム−フィラ
    メント繊維複合体の少なくとも1枚が配設されているこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の空気入り安全タイ
    ヤ。
  4. 【請求項4】 該ゴム−フィラメント繊維複合体は、直
    径又は最大値が0.0001〜0.1mm、長さが8m
    m以上のフィラメント繊維とゴム成分からなり、厚さが
    0.05〜2.0mmであることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載の空気入り安全タイヤ。
  5. 【請求項5】 前記ゴム−フィラメント繊維複合体中、
    フィラメント繊維が4〜50重量%であることを特徴と
    する請求項3乃至4のいずれかに記載の空気入り安全タ
    イヤ。
  6. 【請求項6】 前記ゴム−フィラメント繊維複合体が、
    目付けが10〜300g/m2 である不織布とゴムとか
    らなることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記
    載の空気入り安全タイヤ。
  7. 【請求項7】 前記サイドウォール部と前記カーカスプ
    ライの外面との間に、さらにダウンカーカス層の少なく
    とも1枚が配設されていることを特徴とする特許請求項
    1乃至6のいずれかに記載の空気入り安全タイヤ。
JP10327145A 1997-11-17 1998-11-17 空気入り安全タイヤ Pending JPH11240307A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002172721A (ja) * 2000-09-26 2002-06-18 Bridgestone Corp ゴム系複合材料およびそれを用いたゴム物品
JP2015217853A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 株式会社ブリヂストン ランフラットラジアルタイヤ

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