JP2009242810A - 繊維強化複合材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた剛性を有し、耐衝撃性、耐疲労性、加工性に優れる共に、耐吸湿安定性
、耐クリープ性、適度な耐熱性を有するポリケトン繊維を用いた繊維強化複合材料を提供する。
【解決手段】マトリックス材と強化用繊維からなる繊維強化複合材料であって、強化用
繊維の少なくとも1種は、主たる繰り返し単位が1−オキソトリメチレン単位から構成され、分子末端エチルケトン基に対する分子末端ビニルケトン基のモル比が0〜1.2であるポリケトン繊維であり、かつ繊維強化複合材料の少なくとも一方向の引張弾性率が2〜50GPaであることを特徴とする繊維強化複合材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリケトン繊維を用いた繊維強化複合材料に関する。更に詳しくは、優れた剛性を有し、耐衝撃性、耐疲労性、加工性に優れる共に、耐吸湿安定性、耐クリープ性、適度な耐熱性を有するポリケトン繊維を用いた繊維強化複合材料に関する。
繊維強化複合材料は軽量化、高剛性を生かして、家電、建設、運輸、レジャー、食品、通信等、多くの分野で使用されている。強化用繊維としては、例えば、炭素繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等が使用されている。しかしながら、代表的なマトリックス材であるエポキシ樹脂を用いた場合、炭素繊維強化複合材料は、脆い、破損時に破片が飛び散る、耐衝撃性が低いといった欠点を有する。また、アラミド繊維強化複合材料は、低接着性や高吸水性のために長時間使用すると繊維界面で剥離が生じ、耐久性がない、耐衝撃性が悪い、加工性(研磨、切断)が悪いといった欠点を有する。また、超高分子量ポリエチレン繊維強化複合材料は、耐摩耗性が悪い、低接着性のために長時間使用すると繊維界面で剥離が生じ耐久性がない、耐熱性が悪い、クリープが大きいという問題があった。
一方、一酸化炭素とエチレンとをパラジウム等の遷移金属錯体を触媒として用いて重合させることにより、一酸化炭素とエチレンが実質完全に交互共重合したポリケトンが得られることが知られている(非特許文献1)。ポリケトンを産業資材用繊維として応用する検討が多くの研究機関によってなされてきたが、特に、本発明者らが、ポリケトン繊維の高強度、高弾性率、高温での寸法安定性、接着性、耐クリープ特性を生かして、タイヤ補強材、FRC等の複合材料用繊維への応用検討を進めてきた(特許文献1〜3)。
国際公開第00/09611号パンフレット 国際公開第02/068738号パンフレット 国際公開第04/020707号パンフレット
工業材料、12月号、第5ページ、1997年
先に述べた既存の繊維強化複合材料の大部分に共通する問題となる特性は、耐衝撃性、耐久性であり、その他、加工性、耐湿寸法安定性、耐クリープ性、耐熱性といった問題も抱えている。従って、これらの問題がないか、あるいは問題の程度が著しく改善された繊維強化複合材料の出現が強く望まれていた。
本発明が解決しようとする課題は、繊維強化複合材料の耐衝撃性、耐久性、及び、加工性、耐湿寸法安定性、耐クリープ性、耐熱性の向上であり、具体的には、これらの問題を解決するために、ポリケトン繊維のポリマー末端構造の適性化、繊維強化複合材料の物性制御、繊維強化複合材料の前加工方法と成形温度の適性化である。
本発明者らは、既存の繊維強化複合材料の上記問題をポリケトン繊維を補強用繊維として使用することにより、解決できる可能性を見いだしてきた。しかしながら、ポリケトン
繊維は、その検討の中でポリケトン繊維のポリマー構造を適性化しないと、上記の問題が十分に解決できないことが判明した。特に、重要な構造は分子末端であり、分子末端構造が適性化される必要がある。
ポリケトンの分子末端は、−COOR(Rはアルキル基)、CH2CH2CO
−(エチルケトン基)、CH2=CHCO−(ビニルケトン基)等があるが、本発明者ら
は、ビニルケトン基量が大きくなると、繊維強化複合材料とした場合の耐衝撃性、耐久性、耐熱性が高いレベルで維持されないことを見いだした。
即ち、本発明の第一は、マトリックス材と強化用繊維からなる繊維強化複合材料であって、強化用繊維の少なくとも1種は、主たる繰り返し単位が1−オキソトリメチレン単位から構成され、分子末端エチルケトン基に対する分子末端ビニルケトン基のモル比が0〜1.2であるポリケトン繊維であり、かつ繊維強化複合材料の少なくとも一方向の引張弾性率が2〜50GPaであることを特徴とする繊維強化複合材料である。
本発明の第二は、マトリックス材としての熱硬化性樹脂と強化用繊維からなるプリプレグにおいて、強化用繊維の少なくとも1種は、主たる繰り返し単位が1−オキソトリメチレン単位から構成され、分子末端エチルケトン基に対する分子末端ビニルケトン基のモル比が0〜1.2であるポリケトン繊維であることを特徴とするプリプレグである。
本発明の第三は、マトリックス材と強化用繊維からなる繊維強化複合材料の製造方法において、強化用繊維の少なくとも1種は、主たる繰り返し単位が1−オキソトリメチレン単位から構成され、分子末端エチルケトン基に対する分子末端ビニルケトン基のモル比が0〜1.2であるポリケトン繊維を使用し、必要に応じて該強化繊維にプライマー処理を施した後、0〜250℃で加熱することを特徴とする繊維強化複合材料の製造方法である。
本発明の繊維強化複合材料は、優れた剛性を有し、耐衝撃性、耐疲労性、加工性に優れる共に、耐吸湿安定性、耐クリープ性、適度な耐熱性を有するために、様々な産業資材、家庭用資材、スポーツ用品等に用いることができる。
本発明の強化用繊維の少なくとも一つのポリケトン繊維は、主たる繰り返し単位が1−オキソトリメチレンであるポリケトンから構成される。ポリケトンの構造において、全繰り返し単位の15モル%未満で1−オキソトリメチレン以外の繰り返し単位、例えば下記の式(1)に示したもの等を含有していてもよい。ちなみに、1−オキソトリメチレン単位とは、式(2)でRが−CH2CH2−で
ある。ただし、1−オキソトリメチレン以外の繰り返し単位が増えると強度、弾性率、寸法安定性、耐熱性が低下するので、好ましくは式(1)の繰り返し単位は97モル%以上、好ましくは99モル%以上である。
Figure 2009242810
式中、Rはエチレン以外の炭素数1〜30の有機基であり、例えばプロピレン、ブチレン、1−フェニルエチレン等が例示される。これらの水素原子の一部または全部が、ハロゲン基、エステル基、アミド基、水酸基、エーテル基で置換されていてもよい。もちろん
、Rは2種以上であってもよく、例えば、プロピレンと1−フェニルエチレンが混在していてもよい。高強度、高弾性率が達成可能で、高温での安定性が優れるという観点で、全繰り返し単位が98モル%以上が上記の式(1)で示される繰り返し単位が1−オキソトリメチレン単位のポリケトンであることが好ましく、最も好ましくは100モル%である。
また、これらのポリケトンには必要に応じて、酸化防止剤、ラジカル抑制剤、他のポリマー、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属石鹸等の添加剤を含んでいてもよい。
ポリケトン繊維を構成するポリケトンの分子末端エチルケトン基に対する分子末端ビニルケトン基のモル比は、0〜1.2であることが必要である。この値が1.2を超えると、繊維強化複合材料の耐衝撃性、耐久性、耐湿寸法安定性、耐熱性が十分に達成されない。好ましくは、0〜0.5であり、更に好ましくは、0〜0.3である。
ポリケトン繊維を構成するポリケトンの極限粘度は0.5〜10dl/gであることが好ましい。極限粘度が0.5dl/g未満では分子量が低すぎて耐疲労性が低下する場合がある。一方、極限粘度が10dl/gを超えると、繊維強度が低くなる場合がある。より好ましくは2〜10dl/g、特に好ましくは2.3〜5dl/gである。ポリケトンの極限粘度の測定方法は後述する。
また、ポリケトン繊維の強度としては、補強効果の観点から7cN/dtex以上、より好ましくは14〜25cN/dtex、更に好ましくは17〜25cN/dtexである。また、その弾性率は、同じ理由から200cN/dtex以上が好ましく、特に好ましくは250〜600cN/dtexである。
ポリケトン繊維の形態としては、特に制限はなく、長繊維、短繊維、フィブリル状物等、任意の形態を取りうることができる。
ポリケトン繊維の原料となるポリケトンの製造方法については、公知の方法を修正して用いることができる。例えば、一酸化炭素とエチレンやプロピレン等のオレフィンを、パラジウム等の第9、10族遷移金属化合物、下記式(2)で示されるリン系二座配位子、及びpKaが4以下の酸のアニオンからなる触媒下で重合させて、製造成することができる。
1 2 P−R−PR3 4 ・・・(2)
(ここで、R1 、R2 、R3 、R4 は異種又は同種の炭素数1〜30の有機基であり、Rは炭素数2〜5の有機基である。)
上記式(2)で示されるリン系二座配位子については、R1 、R2 、R3 、R4 の少なくとも1つが、フェニル基に結合しているリン元素に対してオルトの位置にある1つ以上のメトキシ基等のアルコキシ基を含むフェニル基であることが好ましい。また、2つのリン原子を結ぶRは、トリメチレン基が好ましい。
pKaが4以下の酸としては、トリフルオロ酢酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
重合は、メタノール、イソプロパノールのような低級アルコール中に、第9、10族遷移金属化合物、上記式(2)で示されるリン系二座配位子及び、pKaが4以下の酸を添加し、この溶液に一酸化炭素とオレフィンを導入させて重合を行う。一酸化炭素とオレフィンのモル比は、5:1〜1:2が好ましい。触媒に用いる第9、10族遷移化合物は、重合に用いるオレフィン1モル当たり、10-8〜0.1モル量相当の金属元素量にすることが触媒活性の観点から好ましい。また、上記式(2)で示されるリン系二座配位子は、第9、10族遷移金属化合物1モル当たり1〜1.5倍モル、好ましくは1〜1.2倍モル使用することが重合活性の観点から好ましい。また、pKaが4以下の酸は、第9、10遷移族金属化合物1モル当たり5〜100倍モルが好ましく、特に好ましくは10〜70倍モルである。
重合温度は50〜100℃、重合圧力は7.5〜20MPa、特に好ましくは、重合温度は80〜95℃であることが好ましい。重合温度が100℃を越したり、圧力が7.5MPa以下では、末端のビニルケトン基量が多くなり好ましくない。重合中の触媒活性を維持するために、また、得られたポリケトンの耐熱性を高くするために、1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン等のキノンを触媒金属元素のモル数に対して、0.1〜500倍添加してもよい。また、ポリケトンは、上記で示した触媒を、ポリマー、無機粉体等に担持させ、いわゆる気相重合を行ってもよく、ポリケトンに触媒が残りにくいのでむしろ好ましい方法である。
本発明のポリケトン繊維は、本発明者らが開発した、例えば、特許文献1〜3に挙げる従来公知の湿式紡糸法や、溶融紡糸法、乾式紡糸法をそのままあるいは修正して適用することができる。これらの方法の中でもとりわけ高弾性率、耐熱性、寸法安定性に優れる繊維を製造出来る濃厚塩溶剤を用いた湿式紡糸法が好ましい。
以下、ハロゲン化亜鉛水溶液を溶剤とした湿式紡糸法を例にして、ポリケトン繊維の製造法について説明する。溶剤に用いるハロゲン化亜鉛化合物としては、溶解性、溶媒のコスト、水溶液の安定性の点で塩化亜鉛が好ましい。また、必要に応じては塩化カルシウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属のハロゲン化物を10〜60重量%以下で含有させてもよく、ドープの溶解性、熱安定性、紡糸性の観点から上記塩化ナトリウムや塩化カルシウム等の金属塩を5〜30重量%含有したドープが好ましい。このポリケトンドープを紡糸口金より吐出し、必要に応じてはエアーギャップ部を経て凝固浴を通して糸状物とする。凝固浴の組成は、水、溶剤の希釈物、メタノール、アセトン等の有機溶剤、有機物水溶液、無機物水溶液等どのようなものであってもよいが、水を含んだ溶液、特に水、溶剤の希釈物が好ましい。このようにして得た糸状物を必要に応じては金属塩を洗浄し、加熱乾燥、延伸を行う。延伸は、通常融点以下の温度で行われ延伸倍率はトータルで10倍以上、特に15倍以上の熱延伸を行うことが好ましく、延伸温度を徐々に高くしていく多段延伸法が好適に用いられる。
強化用繊維としては、上記ポリケトン繊維以外に、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ロックウール、スチール繊維、ボロン繊維等の無機繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ナイロン66繊維、ナイロン6繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、セルロース繊維、芳香族ポリエステル繊維等の有機繊維を混合して使用してもよい。ポリケトン繊維以外の強化用繊維を使用する場合は、交撚、交織、交編、単なる混合等、公知の方法を用いることができる。
用いる強化繊維全量の内、本発明の目的を達成するためには、ポリケトン繊維の重量比率は、1〜100%、好ましくは5〜100%、特に好ましくは10〜100%である。また、マトリックス材と強化繊維の比率は特に制限はないが、通常、重量比で99:1〜90:10である。
本発明において、マトリックス材としては特に制限はなく、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、ゴム、融点が50〜270℃の熱可塑性樹脂、又は金属、セメント等を使用することができる。これらのマトリックス材としては、用途によって自由に選択できるが、特に機械的性能、耐久性の観点から、エポキシ樹脂が好ましく、特に硬化温度が70〜180℃のエポキシ樹脂が好ましい。
本発明の繊維強化複合材料の少なくとも1方向の引張弾性率は、2〜50GPaであることが必要である。引張弾性率がこの範囲にあることで、優れた剛性、耐久性を達成することができる。好ましくは5〜50GPa、更に好ましくは10〜50GPaである。
本発明の繊維強化複合材料の形態としては、特に制限はなく、目的とする製品に合った任意の形状を取ることが可能である。
本発明の繊維強化複合材料の製造方法としては、ハンドレイアップ法、スプレーアップ
法、真空バック法、加圧バッグ法、オートクレーブ法、フィラメントワインディング法、遠心キャスティング法、ホットプレス成形、圧縮成形、射出成形、トランスファー成形、プルトルージョン法、コールドプレス成形、レジンインジェクション法、強化反応射出成形法等の製造方法を採用することができる。また、製造においては、強化用繊維にマトリックス樹脂を事前に含浸させ、熱硬化性樹脂であれば不十分に硬化した後(プリプレグ)、プリプレグを用いて成形を行ってもよい。
繊維強化複合材料の製造するに当たっては、予め強化用繊維にプライマーを塗布することが耐久性を向上させるためには、特に有効な方法である。プライマーとしては、マトリックス樹脂と同系、あるいは同じ樹脂を用いることが好ましく、エポキシ樹脂、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、ゴム、融点が50〜270℃の熱可塑性樹脂、又は金属、セメント等等が挙げられる。プライマーの強化用繊維への付着量としては、耐久性や接着性の向上の観点から0.01〜10重量%が好ましく、特に好ましくは、0.2〜3.5重量%である。
プライマーの処理温度や繊維強化複合材料の成形温度については、0〜250℃が好ましい。250℃を超えるとポリケトン繊維の熱変性が顕著となる。この温度範囲で使用するマトリックス材の加工温度を選べばよいが、好ましくは50〜240℃である。また、適用する圧力としては、通常1kPa〜20MPaであり、処理(成形)時間は、特に制限はないが、通常10秒〜48時間である。
本発明を、下記の実施例などにより更に詳しく説明するが、それらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。
実施例の説明中に用いられる各測定値の測定方法は、次の通りである。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求めた。
[η]=lim(T−t)/(t・C)
C→0
定義式中のt及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。また、Cは上記100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
(2)繊維、コードの強度、伸度、弾性率
繊維の強伸度は、JIS−L−1013に準じて測定した。
(3)繊維強化複合材料の引張弾性率の測定
JIS−K−7113に準じて測定した。
(4)耐衝撃性評価
得られた積層板に5kgの加重を30秒に1回間隔で5時間繰り返し付与し、繊維のはがれを観察した。
(5)耐久性評価
繊維強化複合材料を繊維軸方向に2%のひずみを10秒に1回加えることを24時間繰り返した。実験前の繊維強度を実験後の繊維強度で割り、その100分率を耐久性の指標とした。
〔参考例1〕
55リットルのオートクレーブにメタノール27リットルを加え、更に酢酸パラジウム1.8ミリモル、1,3−ビス(ジ(2−メトキシフェニル)ホスフィノ)プロパン2.2ミリモル、トリフルオロ酢酸36ミリモルを予めアセトン1リットル中で撹拌し調整した触媒液を加えた。その後、一酸化炭素とエチレンを1:1モル含む混合ガスを充填し、8MPaの圧力を維持するように連続的に、この混合ガスを追加しながら、88℃で5時間反応を行った。
反応後、圧力を解放し、得られた白色ポリマーを繰り返しメタノールで洗浄し、単離した。収量は、5.4kgであった。得られたポリケトンは、核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル等の分析によりポリ(1−オキソトリメチレン)であり、極限粘度は5.5dl/g、分子末端エチルケトン基に対する分子末端ビニルケトン基のモル比は0であった。
得られたポリケトンを塩濃度62重量%の塩化カルシウム/塩化亜鉛の混合塩(塩化カルシウム/塩化亜鉛の重量比は64.5/35.5)水溶液にポリマー濃度6.5重量%となるように30℃で混合し、1.3kPaまで減圧した。泡の発生が無くなった後減圧のまま密閉し、これを85℃で2時間攪拌することにより均一で透明なポリケトン溶液(相分離温度は、30℃である。)を得た。このポリケトン溶液を20μmのフィルターを通過させた後、直径0.15mmの穴が250個ある紡糸口金からプランジャー型押出機を用いて、85℃、5m/分の速度で押し出し、エアギャップ長10mmを通過させ、そのまま2℃の水である凝固浴中を通した後、5m/分の速度でネルソンロールを用いて引き上げた。次いでそのネルソンロール上で水を吹きかけて洗浄し、更に1%の塩酸浴を通して5m/分の速度でネルソンロールを用いて引き上げた後、そのネルソンロール上で水を吹きかけて洗浄し、220℃のホットプレート上を通して乾燥後、5m/分で巻き取った。この繊維6本合わせて225℃で7.5倍、240℃で1.5倍、250℃で1.4倍、257℃で1.35倍の4段延伸(総熱延伸倍率=17)を行い、仕上げ剤を付着させ、張力0.1cN/dtexで巻き取りポリケトン繊維を得た。
こうして得られたポリケトン繊維は、総繊度が1630dtex、単糸繊度が1.2dtex、強度が18.5cN/dtex、伸度が5.1%、弾性率が412cN/dtexであった。また、分子末端エチルケトン基に対する分子末端ビニルケトン基のモル比は0であった。
〔参考例2〕
55リットルのオートクレーブにイソプロパノール27リットルを加え、更に酢酸パラジウム1.8ミリモル、1,3−ジフェニルホスフィノプロパン2.2ミリモル、硫酸36ミリモルを予めアセトン1リットル中で撹拌し調整した触媒液を加えた。その後、一酸化炭素とエチレンを1:1モル含む混合ガスを充填し、7MPaの圧力を維持するように連続的に、この混合ガスを追加しながら、88℃で12時間反応を行った。
反応後、圧力を解放し、得られた白色ポリマーを繰り返しメタノールで洗浄し、単離した。収量は、4.0kgであった。得られたポリケトンは、核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル等の分析によりポリ(1−オキソトリメチレン)であり、極限粘度は5.4dl/g、分子末端エチルケトン基に対する分子末端ビニルケトン基のモル比は1.3であった。
得られたポリケトンを用いて、参考例1と同様に製糸を行った。
得られたポリケトン繊維は、総繊度が1630dtex、単糸繊度が1.2dtex、強度が18.5cN/dtex、伸度が5.1%、弾性率が412cN/dtexであった。また、分子末端エチルケトン基に対する分子末端ビニルケトン基のモル比は1.4であった。
(実施例1)
参考例1のポリケトン繊維と炭素繊維を交互に配置し、繊維含有率が80%になるように、2種のエポキシ樹脂(日本化薬(株)製EPPN-201:商品名と三井化学(株)EPOMIK、R-140P:商品名とメチルエチルケトンとメチルセルソルブの70/30/20/20重量比率の混合溶液に含浸させ、100℃で10分間、乾燥させてプリプレグを作成した。
これを積層した後、100℃で1時間、1.8MPaでプレス成形して、1方向積層板を作成した。得られた積層板中のポリケトン繊維の分子末端エチルケトン基に対する分子末端ビニルケトン基のモル比は、加工前と変化はなかった。
得られた積層板の物性は、表1に記載した。
耐衝撃性評価を水中で行ったが、はがれはなかった。また、引張弾性率は、200℃まで変化はなかった。
(実施例2〜7)
マトリックス材を変化させて、実施例1を繰り返した。
得られた積層板の物性を表1に記載した。
(比較例1〜3)
ポリケトン繊維の代わりに、ポリ(p−フェニレンテレフタレート)繊維を使用し、実施例1、5、6を繰り返した。得られた積層板の物性を表1に記載した。
耐衝撃性評価を水中で行ったところ、はがれの程度が激しくなってた。
(比較例4)
参考例2のポリケトン繊維を用い、実施例1を繰り返した。得られた積層板の物性を表1に記載した。この場合、耐衝撃性、耐久性が低下した。また、200℃引張弾性率は、約5%低下した。
(実施例8)
参考例1のポリケトン繊維をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液(レゾルシン22部、30重量%ホルマリン水溶液30重量部、水酸化ナトリウム10重量%水溶液、水570重量部、ビニルピリジンラテックス41重量部)で、付着量が2.5重量%になるように処理した後、実施例3を繰り返した。得られた積層板の物性を表1に記載した。
(実施例9)
参考例1のポリケトン繊維に表面付着量が1.5重量%になるように、エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、EPPN-201:商品名)を付着させ、80℃で5時間硬化させた。このポリケトン繊維を使用し、実施例1を繰り返した。得られた積層板の物性を表1に記載した。
Figure 2009242810
本発明の繊維強化複合材料は、優れた物性を有するために、様々な産業資材、家庭用資材、スポーツ用品等に用いることができる。具体的には、スポーツ用途では、釣竿、ゴルフクラブシャフト、スキー、カヌー、テニス・バトミントンのラケット等、化学工業用途としては、パイプ、タンク、圧力容器、家具・装置用途では、パネル、ハウジング、イス、机、はしご、電気関係用途では、基板、パネル、スイッチギア、絶縁機、電気製品の本体、自動車・二輪車・自転車用途では、本体、ランプハウジング、フロント・エンドパネル、バンパー、座席ハウジング、駆動軸、船舶・ボート関係では、本体、マスト、甲板、航空機、ヘリコプター用途では翼、胴体、着陸ギアー等が例示されるが、上記特性を生かせる用途であればあらゆる用途に使用可能である。

Claims (6)

  1. マトリックス材と強化用繊維からなる繊維強化複合材料であって、強化用繊維が、主たる繰り返し単位が1−オキソトリメチレン単位から構成され、分子末端エチルケトン基に対する分子末端ビニルケトン基のモル比が0〜1.2であるポリケトン繊維と、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ロックウール、スチール繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、超分子量ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ナイロン66繊維、ナイロン6繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、セルロース繊維、及び芳香族ポリエステル繊維の群から選ばれる少なくとも1種とからなり、かつ少なくとも一方向の引張弾性率が2〜50GPaであることを特徴とする繊維強化複合材料。
  2. マトリックス材が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、ゴム、融点が50〜270℃の熱可塑性樹脂、金属、及びセメントからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載された繊維強化複合材料。
  3. 下記(a)〜(c)の化合物を反応させて得られる金属錯体触媒の存在下で、(d)の液状媒体中で、(e)及び(f)の条件で一酸化炭素とエチレンを共重合させて得られるポリケトンポリマーを原料としたポリケトン繊維を強化用繊維に用いることを特徴とする請求項1または2に記載された繊維強化複合材料。
    (a)第9、10族遷移金属化合物
    下記式(1)で表される
    (b)リン系二座配位子
    P−R−PR ・・・(1)
    (ここで、R 、R 、R 、R は異種又は同属の炭素数1〜30の有機基であり、Rは炭素数2〜5の有機基である)
    (c)pKaが4以下の酸
    (d)メタノール、イソプロパノールから選ばれる少なくとも1種の低級アルコール
    (e)一酸化炭素とエチレンを含む混合ガスをオートクレーブに充填すること
    (f)重合温度50〜100℃、重合圧力7.5〜20MPa
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載された繊維強化複合材料の製造方法であって、0〜240℃で加熱成形することを特徴とする繊維強化複合材料の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載された繊維強化複合材料の製造方法であって、強化用繊維がプライマー処理を施したものであって、かつ50〜240℃で加熱成形することを特徴とする繊維強化複合材料の製造方法。
  6. プライマーの強化用繊維材料への付着量が0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項5に記載された繊維強化複合材料の製造方法。
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