JPH1147842A - 金属管の液圧バルジ加工方法および液圧バルジ加工装置 - Google Patents
金属管の液圧バルジ加工方法および液圧バルジ加工装置Info
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Abstract
よび形状不良が発生しない液圧バルジ加工方法と装置を
提供する。 【解決手段】金属素管に異形断面の膨出部を成形する液
圧バルジ加工において、金属素管軸方向に直交した水平
方向の金型溝幅が製品の膨出部の幅と同じである金型を
用い、金属素管の膨出予定部位の周長を製品膨出部周長
と同一に膨出させる一次バルジ加工と、上金型内と下金
型内にそれぞれ組み込んだ上下動可能なパッドによって
前記一次バルジ加工で形成した膨出部を上下方向から押
圧して製品膨出部断面形状に仕上げる二次バルジ加工を
同一金型内で連続しておこなう金属管の液圧バルジ加工
方法およびその加工をするための装置。
Description
ジ加工方法および液圧バルジ加工装置に関する。
金属管(以下、素管という)に加工液を注入して加圧
し、その圧力(以下、内圧という)と管端からの軸押し
力とを組み合わせて付加することによって、種々の断面
形状の異形管状製品(以下、製品という)を得る加工方
法である。
(a1)は素管の側面図、同図(a2)は、素管の正面
図で、同図(b1)、(c1)は素管を液圧バルジ加工
して得られた製品の側面図で、同図(b2)、(c2)
は製品の正面図を示す図である。
素管1の直径D0 と同一外径の端部2b、3bで構成され
ている。図7(b1)、(b2)に示す製品は膨出部2
aの断面辺長D1、D2 が素管径D0よりも大きい場合
(以下製品2と記す)、図7(c1)、(c2)に示す
製品は、膨出部3a の断面辺長の少なくとも一つ(この
場合にはD1)が素管径D0よりも小さい場合(以下製品
3と記す)である。なお、製品3の膨出部3aの周長も
素管の周長以上である。製品2、3の全長L1、L2は、
素管の長さL0以下である。
の液圧バルジ加工装置について説明する。
部分を示す図で、同図(a)は金型(ダイス)の長手方
向断面図(以下縦断面図と記す)、同図(b)は図8
(a)におけるC−C断面図である。
金型4は図示しないプレス装置の下部ボルスタ10に、
上金型5は同プレス装置の上部ラムヘッド11に取り付
けられている。ラムヘッド11は図示しない油圧シリン
ダにて上下動し、上金型5を下金型4に所定の力で押し
付ける。下金型4と上金型5の間には、素管を収納する
溝(以下ダイス溝と記す)4a、5aとガイド溝4b、5b
が設けられている。ダイス溝4a、5aは、上下金型を合
わせた状態で製品膨出部を形成する空間を構成し、その
内郭形状は製品膨出部2a の外郭形状と同一である。ま
た、上下金型を合わせた状態でのガイド溝4b、5b の
内径は素管1の外径D0と同一である。左右の軸押し工
具6、7は、図示しない左右横プレス装置に取り付けら
れており、金型の左右ガイド溝4b、5bに向かって前進
あるいは後退する。
加工方法を説明する。
ための図で、同図(a1)、(a2)は金型に素管をセ
ットした縦断面およびC−C断面図、同図(b1)、
(b2)は加工終了した時点の縦断面図およびC−C断
面図、同図(c)は同図(b2)図の丸印イ部の拡大
図、同図(d)は成形した後の製品の斜視図である。
ず下金型両端部のガイド溝4a に素管1をセットし、ラ
ムヘッド11を降下させ、上金型5を下金型4に押しつ
け、左右方向から軸押し工具6、7を前進させ、素管1
の両管端内径部に軸押し工具先頭部6a、7aを圧入して
シールをおこなう。次いで、左側の軸押し工具6を貫通
させた流路6b から図示しないポンプ装置によって、加
工液8を注入しながら右側の軸押し工具7を貫通する流
路7bから素管内の空気を押し出し、流路7bの延長上を
図示しないバルブで閉鎖してから素管1の内部を加工液
8で充満させる。
分を水に分散させたエマルジョンが一般に用いられる。
次いで、左右方向から軸押し工具6、7を前進させると
ともに素管内の加工液8の圧力を徐々に増加し、図9
(b1)、(b2)に示すように材料をダイス溝4a、
5a内に膨出させて製品2を得る。
と軸押しによって材料が膨出する際に上金型が浮き上が
るのを防止するためである。また、軸押しを行うのは、
ガイド溝内の材料をダイス溝内に供給することによって
材料の膨出にともなう減肉を軽減するためである。
上金型5を上昇させ、軸押し工具6、7を後退させて製
品内の加工液8を流し出し、製品2を取り出す。
いて説明する。 図10は、同製品3を加工するのに用
いられている従来の金型部分を示す図で、同図(a
1)、(a2)は各縦断面図とC−C断面図で、同図
(b1)、(b2)は他の金型の縦断面図とC−C断面
図である。
下金型14、上金型15のダイス溝14a、15aで構成
される矩形断面の縦方向の辺長D1 が横方向の辺長より
も短い場合である。図10(b1)、(b2)の金型
は、下金型24、上金型25のダイス溝24a、25aで
構成される矩形断面の横方向の辺長D1 が縦方向の辺長
よりも短い場合である。
場合でも素管をあらかじめ後述するように偏平加工して
おく必要がある。
溝14a、15a の横方向幅D2が素管径D0よりも大き
いので素管をそのままセットして加工できるように見え
るが、上下間隔D1が素管径D0よりも小さいので、ガイ
ド溝14b、15bにはセットできない。すなわち、素管
を下金型のダイス溝14a にセットして上金型を降下さ
せると素管は上金型のダイス溝15aで上下方向につぶ
される。
にダイス溝の横方向幅D2 より大きい径D0 の素管をセ
ットして加工した場合の素管の変形状態を示す断面図
で、図11(a)は、ダイス溝内における素管の変形状
態を、同図(b)はダイスガイド溝内における素管の変
形状態を示す断面図である。
にセットして上金型を降下させると素管16が変形し、
ダイス溝内においてはまゆ形につぶれ、両サイドに腰折
れ17が生ずる。また、この影響により、ダイス溝に近
いガイド溝内においても、図11(b)に示すような腰
折れ18が生ずる。
に噛み込むので、製品と金型を損傷することになる。ダ
イス溝幅D2 が大きい場合には腰折れ17と上下金型の
干渉は避けられるが、腰折れ18と上下金型ガイド溝と
の干渉は避けられない。そのため、上下金型を密着させ
た状態のダイス溝14a、15aおよびガイド溝14b、
15bの中に素管を収納できるように、予め素管を偏平
加工しておく必要がある。 また、前述の図10(b
1)の場合も、素管がダイス溝24a、25a内に入らな
いので、素管を予め偏平加工しておく必要がある。
するための図で、同図(a1)は、素管を偏平加工用ダ
イスにセットし、素管両端にプラグを挿入した状態を示
す縦断面図およびC−C断面図である。同図(b1)、
(b2)は上方から図示しないプレス装置によってポン
チを降下させ、偏平素管に加工とした状態の縦断面図お
よびC−C断面図である。
端にプラグ32を挿入した状態で偏平加工用ダイス30
にセットする。このとき、ダイス30の溝幅 D2´は図
10(a2)、(b2)に示すダイス溝14a、15aの
溝幅D2 よりも僅かに小さくしておく。プラグ32は、
金型のガイド溝14b、15b内に入る素管部位の変形防
止が目的であり、頭部32a の直径は素管の内径部にほ
ぼ一致させておく。プラグ32の位置決めはフランジ3
2 bを素管の管端に当てることによって行われる。
示しないプレス装置によってポンチ31を降下させ、素
管を高さD1´まで加工して偏平素管33とする。高さ
D1´は、図10(a2)、(b2)に示すダイス溝高
さD1 よりも僅かに小さくしておく。偏平素管33の偏
平加工部33a の断面はまゆ形に変形するが、ダイス内
壁30a によって図11(a)に示す腰折れ17は防止
される。また、プラグ32によって図11(b)に示す
腰折れ18も防止される。なお、偏平加工中にプラグ3
2が抜け出さないようにしておく。
33を、図10(a1)あるいは同(b1)の金型にセ
ットして液圧バルジ加工を行う。
した金型を用いての液圧バルジ加工を説明するための断
面図で、図13(a1)、(a2)は、素管を金型にセ
ットした縦断面図およびC−C断面図で、(b1)(b
2)は液圧により製品形状に加工した状態を示す縦断面
図およびC−C断面図である。 図13(a1)に示す
ように、下金型のダイス溝14aおよびガイド溝14bに
偏平素管33をセットし、上金型15を降下し、所定の
力で下金型14に押しつけ、左右方向から軸押し工具
6、7を前進させ、偏平素管33に軸押し工具先頭部6
a、7aを圧入してシールを行い、加工液8を充満させ
る。次いで、加工液8の内圧を増加してダイス溝14
a、15a内のまゆ形断面の材料を膨張させ、図13
(b)に示すようにダイス溝に沿った形状の製品に成形
する。
の製品2のような液圧バルジ加工方法には2つの問題が
ある。
で示す膨出部断面の4つのコーナ部での減肉の発生であ
る。製品膨出部2aの周長S2と素管周長S0 の比S2/
S0が大きいほど、また、図9(c) に拡大図で示すコー
ナ部の半径rが小さいほどコーナ部の減肉が大きくな
る。したがって、製品に必要な肉厚を確保できなくなっ
たり、減肉が大きくなると図9(d)に示すコーナ部の
破断70が生じてしまう。強度が大きい材料は延性が乏
しいので、コーナ半径によっては適用できなくなる。
料を押し込んでダイス溝内に材料を供給することでコー
ナ部の減肉をある程度は抑制することが可能であるが、
製品膨出部2a の長さLが大きい場合には膨出部の中央
部分にまで軸押しの効果が及ばないので、やはりコーナ
部の減肉が問題となる。
40kgf/mm2級の炭素鋼素管でLが素管径D0の4倍、
製品膨出部の周長S2と素管周長S0の比 S2/S0 =
1.25の正方形断面の膨出部2a を成形する場合は、
rを肉厚tの5倍以下にすることは困難である。
いのは、膨出によるコーナ対角線方向の直径増加が最大
となるからで、さらに、ダイス溝14a、15aに早い段
階で接触する直辺部の周方向伸び変形がダイス溝との摩
擦によって抑制される分だけコーナ部の周方向伸び変形
が促進されるからである。
力が大きいことである。図9で説明した加工法において
は、図9(c)に示す製品コーナ半径rを形成するのに
必要な内圧pを付加する必要がある。この場合の必要内
圧pは一般に次式で見積もられる。
5mmとすれば、p=10kgf/mm2すなわち1000気圧の
高圧が必要である。高圧になればなるほど、圧力発生装
置が大がかりとなるほか、上下の金型を締め付けるのに
必要なプレス力が大きくなる。金型の強度も大きくする
必要があるので、液圧バルジ加工装置全体が高価なもの
になってしまい、加工コストの上昇をきたしてしまう。
うな液圧バルジ加工方法には2つの問題がある。
に断面コーナ部の減肉である。図13のバルジ加工にお
いては、素管材料がダイス段差部14c、15cを通過す
る際の抵抗が障害となってガイド溝14b、15b 内の
素管材料をダイス溝14a、15a内にスムースに押し込
むことが困難である。その結果として、膨出部3aの長
さLが小さい場合でも断面コーナ部の減肉が大きくなっ
てしまう。
形の加工前形状が原因となって、図13(b1)、(b
2)に示すような矩形断面形状にならない形状不良が生
じることである。
発生する形状不良の発生状況を示す図で、同図(a)は
液圧バルジ加工初期の段階、同図(b)は加工中期の段
階および同図(c)は加工終了段階におけるそれぞれの
断面図である。
工初期の段階においては、加工液8の圧力によってまゆ
形の凸部35がダイス溝14a、15aに接触した状態と
なる。この後の内圧上昇によって凹部34の深さが徐々
に減少するとともに、同図(b)に示すように凹部34
の両側にダイス溝との接触域36が形成される。接触域
36の摩擦効果によって凹部34はもはや引き延ばされ
ることはなく、コーナ部37の材料は周方向に伸びなが
らコーナrは徐々に小さくなっていく。凹部34では材
料の線長が余っているので内圧を増加させても、この部
位をダイス溝に沿わせることはできず、図14(c)に
示すように凹部34が製品に残留してしまう。以上の問
題点は図10(b)の金型による成形の場合も同様であ
る。
で、コーナ部の減肉および形状不良が発生しない液圧バ
ルジ加工方法と装置を提供することにある。
問題に鑑みなされたもので、高い液圧を必要としない
で、コーナ部の減肉および形状不良が発生しない液圧バ
ルジ加工方法と装置を開発すべく種々実験、検討した結
果、素管の膨出予定部位の周長を製品膨出部周長と同一
に一旦膨出加工する一次バルジ加工と、膨出部の外面を
機械的に押圧して曲げ成形し、その断面を製品膨出部の
断面形状に仕上げる二次バルジ加工とに分けて加工する
ことにより上記問題を解消できるとの知見を得るに至っ
た。本発明は、このような知見に基づきなされたもの
で、その要旨は以下の通りである。
の内部に液圧を付与して金属素管に異形断面の膨出部を
成形する液圧バルジ加工方法において、金属素管軸方向
に直交した水平方向の金型溝幅が製品の膨出部位の幅と
同じである金型を用い、金属素管の膨出予定部位の周長
を製品膨出部周長と同一に膨出させる一次バルジ加工
と、上金型内と下金型内にそれぞれ組み込んだ上下動可
能なパッドによって、前記一次バルジ加工で形成した膨
出部を上下方向から押圧して製品膨出部断面形状に仕上
げる二次バルジ加工を同一金型内で連続しておこなうこ
とを特徴とする金属管の液圧バルジ加工方法。
の内部に液圧を付与して金属素管に異形断面の膨出部を
成形する液圧バルジ加工方法において、金属素管軸方向
に直交した水平方向の金型内部の幅が製品の水平方向の
幅と同じ金型を用い、かつ周長が製品膨出部の周長と同
一である金属素管を用い、上金型内と下金型内にそれぞ
れ組み込んだ上下動可能なパッドによって上下方向から
押圧して製品膨出部断面形状に仕上げるバルジ加工をお
こなうことを特徴とする金属管の液圧バルジ加工方法。
型と上部ラムヘッドに取り付けられた上金型間に収納し
た金属素管の内部から液圧を付与して金属素管に異形断
面の膨出部を成形する液圧バルジ加工装置において、上
金型内と下金型内にそれぞれ組み込まれた上下動可能な
パッドと、これらパッドを押圧するための加圧ユニット
を下部ボルスタおよび上部ラムヘッド内に収納している
ことを特徴とする金属管の液圧バルジ加工装置。
装置の1例を示す断面図で、同図(a)は素管をセット
する金型の長手方向断面図、同図(b)は同図(a)に
おけるC−Cの断面図である。
り、下金型41は図示しないプレス装置の下部ボルスタ
50に、上金型42は同プレス装置の上部ラムヘッド5
1に取り付けられている。
ダにて上下動し、上金型42を下金型41に所定の力で
押し付ける。ボルスタ50およびラムヘッド51にはそ
れぞれ加圧ユニット52が上下対向して収納されてい
る。
スタ50およびラムヘッド51にそれぞれ2個づつ配置
されているが、数については制約はない。加圧ユニット
52は、ケース52a、シリンダ52b、ピストンロッド
52c およびピストンヘッド52dで構成されている。
図示しないポンプから作動液を配管52eあるいは52f
を通じてシリンダ52bに送り込むことによってピスト
ンロッド52c を上下動させ、ピストンヘッド52dは
ケース52aの内壁でガイドされて上下動する。
ィ(ダイス内の空間部)41a 、42aとガイド溝41
b、42bが上下対向して設けられている。ダイキャビテ
ィ41a、42aにはパッド43、44が収納されてお
り、ダイキャビティ41a、42a の側面とパッド4
3、44で囲まれた空間で製品膨出部を成形する。すな
わち、ダイキャビティの長さLおよび幅D2 (金型溝
幅)は図7(b)、(c)の製品膨出部2a、3aの長さ
および幅と同一である。また、ガイド溝41b、42bの
内径D0 は素管1の外径と同一である。パッド43、4
4と上下のピストンヘッド52dの間にはピン60が設
置されており、ピストンロッド52cの上下動によって
パッド43、44が上下する。上部のパッド44、ピン
60については、落下しないように、例えば上部ラムヘ
ッド側のピストンヘッド52dに接続しておく。 図
2は、図1に示した液圧バルジ加工装置を用いて、製品
2を加工する方法を説明するための金型部の図で、2図
(a1)は素管を金型にセットした状態、同図(b1)
は一次バルジ加工した状態、同図(c1)は二次バルジ
加工した状態を示すそれぞれの縦断面図である。なお、
図2の(a2)〜c2)は、図2(a1)〜(c1)の
C−C断面図である。
し、上方より図示しないラムヘッド51を降下して上金
型42を図示しないボルスタ50の上の下金型41に所
定の力で押しつけ、左右方向から軸押し工具6、7を前
進させ、素管1の両管端内径部に軸押し工具先頭部6
a、7aを圧入してシールを行う。次いで、左側の軸押し
工具6を貫通させた流路6b から図示しないポンプ装置
によって加工液8を注入しながら右側の軸押し工具7を
貫通する流路7b から素管内の空気を押し出し、素管1
を加工液8で充満させる。
わち、軸押し工具6、7を前進させながら加工液8の圧
力を上昇させ、図2(b1)、(b2)に示すようにダ
イキャビテイ41a、42a 内に材料を一次膨出させ
る。一次膨出部2a´の周長は、図7bの製品膨出部2a
の周長と同一にしておく。なお、周長は、外周の長さで
なく、肉厚の中央部における周長を示すものとする。そ
れは、一次バルジ加工時に外周面の長さにしておくと、
下記する二次バルジ加工でコーナ部の外周面がわずかに
伸び製品の外周よりそれだけ長くなるからである。肉厚
の中央における周長とすると、二次バルジ加工でも肉厚
中央部は伸びないので、一次バルジ加工の肉厚中央部で
の外周は二次加工後も変化しないためである。
一にするのは、一次膨出部の周長が製品膨出部の周長よ
り長いと、二次バルジ加工でしわ等の形状不良が発生す
るためである。
っているが、これは断面全体が周方向になるべく均等に
伸びるように配慮したものであり、この形状に限定され
るものではない。断面丸み部の半径は製品膨出部の2a
のコーナ半径よりも大きいので、一次バルジ加工に必要
な加工液圧力は小さくできる。
ジ圧力に設定し、二次バルジ加工をおこなう。すなわ
ち、図1の加圧ユニット52を作動させ、ピン60を介
してパッド43、44により、図2(c1)に示すよう
に上下から一次膨出部 2a´を押しつぶし、製品膨出部
2aの断面形状に仕上げる。
圧力によって材料が内側から支えられる効果により、図
12(b)に示したようなまゆ形変形は生じない。逆に
言えば、二次バルジ圧力はまゆ形変形を防止する程度で
よく、例えば100〜200気圧程度で十分である。
な周長が得られているので、断面コーナ部は加工液圧力
で形成されるのではなく、素管材料の曲げ変形によって
形成される。したがって、コーナ部の減肉を抑制するこ
とができるばかりでなく、小さいコーナ半径を低い加工
液圧力で得ることができる。
て、製品3を加工する状況を示す一例で、図3(a1)
は素管を金型にセットした状態、同図(b)は一次バル
ジ加工した状態、同図(c)は二次バルジ加工した状態
を示す縦断面図で、同図(a2)〜(c2)は同図(a
1)〜(c1)のC−C断面図である。
し、上方より図示しないラムヘッド51を降下して上金
型42を図示しないボルスタ50の上の下金型41に所
定の力で押しつけ、左右方向から軸押し工具67を前進
させ、素管1の両管端内径部に軸押し工具先頭部6a、
7aを圧入してシールを行う。次いで、左側の軸押し工
具6を貫通させた流路6b から図示しないポンプ装置に
よって加工液8を注入しながら右側の軸押し工具7を貫
通する流路7b から素管内の空気を押し出し、素管1を
加工液8で充満させる。
わち、軸押し工具6、7を前進させながら加工液8の圧
力を上昇させ、図3(b)に示すようにダイキャビテイ
41a、42a 内に材料を一次膨出させる。一次膨出部
3a´の周長は、図7(c1)の製品膨出部3aの周長と
同一にしておく。
a の周長と同一の場合は、図2(b)に示す一次バルジ
加工は不要である。
てあるが、これは断面全体が周方向になるべく均等に伸
びるように配慮したものであり、この形状に限定される
ものではない。断面丸み部の半径は製品膨出部の2aの
コーナ半径よりも大きいので、一次バルジ加工に必要な
加工液圧力は小さくて済む。
設定し、二次バルジ加工を行う。すなわち、図1の加圧
ユニット52を作動させ、ピン60を介してパッド4
3、44により、図3(c1)に示すように上下から一
次膨出部 3a´を押しつぶし、製品膨出部3aの断面形
状に仕上げる。
圧力によって材料が内側から支えられる効果により、図
12(b)に示すようなまゆ形変形は生じない。二次バ
ルジ圧力は、図2の場合と同様にまゆ形変形を防止する
程度でよく、例えば100〜200気圧程度で十分であ
る。この場合も一次バルジ加工ですでに製品膨出部に必
要な周長が得られているので、必要な断面コーナ半径を
減肉を抑制しつつ、しかも低い加工液圧力で形成するこ
とができる。
等をバルジ加工する場合、断面コーナ部の減肉を抑制す
ることができるので、強度が大きく延性が小さい材料で
あっても小さなコーナrに仕上げることができる。
でバルジ加工設備が安価となり、加工費を低減すること
が可能となる。さらに、製品3の場合には、図12に示
すような素管の偏平加工が不要である。したがって、偏
平加工に伴う図14に示すような凹み欠陥が製品に残る
こともない。
は、膨出部が図7(b)、(c)に示すような矩形断面
のものに限定されるものではない。
工製品の断面形状の例を示す断面図である。これらのよ
うな異形のものであっても上下パッドの形状をそれぞれ
の形状に対応したものにしておけば成形可能である。
な直線状の製品に限定されるものではない。
図で、同図(a)は平面図、同図(b)、(c)は膨出
部の断面図である。
うに全体が曲がっているような製品にも適用できる。製
品70は複数の膨出部70a、70b、70c と素管と同
径の部位70d、70e、70fから成り、70bの断面
を図5(b)に、70c の断面を図5(c)に示す。
の液圧バルジ加工装置のボルスタおよびラムヘッド5の
配置を示す平面図である。
するには、図6に示すようなボルスタ50およびラムヘ
ッド51を備えた液圧バルジ加工装置を使用し、製品膨
出部の位置に対応した複数の加圧ユニット、例えば図5
の製品の場合は、70a、〜70cに対応する52−
4、52−2、52−6を作動させて成形すればよい。
これら加圧ユニットの加圧力および加圧ストロークはそ
れぞれ必要に応じて独立して制御することも可能であ
る。
のようなどのような金属の管であってもよい。
の対象とし、製品の寸法は、それぞれ D1=90mm、
D2=90mm、R=6mm、L=400mm、L1=5
00mm、D0=89.1mmとした。まず、本発明の
方法として、図1に示す、ボルスタ50およびラムヘッ
ド51内に最大推力40ton、最大ストローク100
mmの加圧ユニット52を2個づつ内蔵した液圧バルジ
加工装置を使用した。
mm、長さL0=600mm の機械構造用炭素鋼鋼管S
TKM12A(JISG3445)である。この素管を
図2(a)に示すように下金型41にセットし、上金型
42を金型締め力150tonで下金型41に押しつ
け、両管端を軸押し工具6、7でシールして3%の油脂
分を水に分散させたエマルジョン加工液8で充満させ
た。次いで、図2(b1)に示すように軸押し工具6、
7を前進させながら加工液圧力を300atmまで増加
させ、周長が350mmの膨出部2a´を形成する一次
バルジ加工を行った。 軸押し力は最大40tonであ
った。一次膨出部2a´の断面は短径90mm、長径1
24mmの小判形である。
させた後、前記加圧ユニット52を作動させて上下のパ
ッド43、44で前記一次膨出部を長径方向に押圧し、
図2(c1)に示すように高さD2=90mmの矩形断
面の膨出部2aを得る二次バルジ加工を行い、製品2を
成形した。膨出部2aの断面コーナ半径Rは所定の6m
mが得られた。また、最小肉厚は2.0mmで、製品の
必要肉厚1.8mmを満足した。
(a1)に示すように下金型41にセットし、上金型4
2を金型締め力450tonで下金型41に押しつけ、
両管端を軸押し工具67でシールして3%の油脂分を懸
濁させたエマルジョン加工液8で充満させた。次いで図
9(b1)に示すように、軸押し工具6、7を前進させ
ながら加工液圧力を900atmまで増加させて、膨出
部2a を成形した。軸押し力は最大80tonであっ
た。膨出部2aの断面コーナ半径Rは14mmで、その
部位の最小肉厚は1.8mm製品の必要肉厚であった。
さらに加工液圧力を増加させると製品必要肉厚以下にな
ってしまうため、製品2のコーナ半径(6mm)を得る
ことはできなかった。
さい金型締め力、軸押し力、加工液内圧で加工ができ、
しかも膨出部断面のコーナ半径を小さくすることができ
た。 (実施例2)図7(c1)に示した製品3をバルジ加工
の対象とし、製品寸法はそれぞれD1=50mm、D2=
137mm、R=14mm、L=400mm、L1=5
00mm、D0=89.1mm とした。
ボルスタ50およびラムヘッド51内に最大推力40t
on、最大ストローク100mmの加圧ユニット52を
2個づつ内蔵した液圧バルジ加工装置を使用した。
mm、長さL0=600mmの機械構造用炭素鋼鋼管S
TKM12A(JISG3445)である。この素管を
図3(a1)に示すように下金型41にセットし、上金
型42を金型締め力150tonで下金型41に押しつ
け、両管端を軸押し工具67でシールして3%の油脂を
水に分散させたエマルジョン加工液8で充満させた。次
いで、図3(b)に示すように軸押し工具67を前進さ
せながら加工液圧力を150atmまで増加させ、周長
が350mmの円形断面の膨出部3a´を形成する一次
バルジ加工を行った。
で、加工液圧力を150atmのまま、前記加圧ユニッ
ト52を作動させて上下のパッド43、44で前記一次
膨出部を上下方向に押圧し、図3(c1)に示すように
高さD2=50mm、幅D1=150mmの矩形断面の膨
出部3a を得る二次バルジ加工を行い、製品3を成形し
た。膨出部3a の断面コーナ半径Rは所定の14mmが
得られた。また、最小肉厚は1.8mmで、製品の必要
肉厚1.6mmを満足した。 次に、従来方法として、
上記と同様の素管を使用し、図12(a1)に示すよう
に、素管両管端に外径84.5mmのプラグ32b を挿
入し、図12(b1)のように偏平加工をおこなってD
1´=48mm、D2´=110mmとし、ついで図13
(a1)に示すように下金型41にセットし、上金型4
2を金型締め力500tonで下金型41に押しつけ、
両管端を軸押し工具67でシールして3%の油脂分を水
に分散させたエマルジョン加工液8で充満させた。
工具6、7を停止させたままの状態で加工液圧力を70
0atmまで増加させ、膨出部3a を有する製品3を成
形した。膨出部3a の断面コーナ半径Rは14mmが得
られ、その部位の肉厚は1.6mm(製品必要肉厚)で
あった。
(c)に示す深さ2mm、幅8mmの凹み34が残留
し、無欠陥の製品3を得ることはできなかった。
法では従来法よりも小さい金型締め力と加工液内圧で加
工ができ、しかも膨出部の減肉が少なく、凹みなどの欠
陥のない製品3を製造できた。
バルジ加工装置によれば、膨出部の断面コーナ部の減肉
を抑制できるので、素管肉厚を必要最小限にできるほ
か、延性が小さい材料も加工できるようになる。
うに偏平加工する必要はないので、バルジ加工後に凹み
欠陥が残ることもない。さらに、バルジ加工での加工液
圧力を小さくすることができるので、従来法よりもラム
ヘッドの金型締め力と軸押し力を低下させることが可能
となる。これらは、バルジ加工設備費用の低下につなが
る。加工液圧力の低下はバルジ加工金型の強度を低下す
ることも可能にするので、金型費の低減効果もある。以
上のように、本発明は管の液圧バルジ加工のコストダウ
ンに大きな効果を奏する。
図である。
金型部の断面図である。
ための断面図である。
である。
図である。
配置例を示す図である。
ある。
型部の断面図である。
ラブルの説明図である。
す断面図である。
態を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】上下一対の金型に収納した金属素管の内部
に液圧を付与して金属素管に異形断面の膨出部を成形す
る液圧バルジ加工方法において、金属素管軸方向に直交
した水平方向の金型溝幅が製品の膨出部位の幅と同じで
ある金型を用い、金属素管の膨出予定部位の周長を製品
膨出部周長と同一に膨出させる一次バルジ加工と、上金
型内と下金型内にそれぞれ組み込んだ上下動可能なパッ
ドによって、前記一次バルジ加工で形成した膨出部を上
下方向から押圧して製品膨出部断面形状に仕上げる二次
バルジ加工を同一金型内で連続しておこなうことを特徴
とする金属管の液圧バルジ加工方法。 - 【請求項2】上下一対の金型に収納した金属素管の内部
に液圧を付与して金属素管に異形断面の膨出部を成形す
る液圧バルジ加工方法において、金属素管軸方向に直交
した水平方向の金型溝幅が製品の水平方向の幅と同じ金
型を用い、かつ周長が製品膨出部の周長と同一である金
属素管を用い、上金型内と下金型内にそれぞれ組み込ん
だ上下動可能なパッドによって上下方向から押圧して製
品膨出部断面形状に仕上げるバルジ加工をおこなうこと
を特徴とする金属管の液圧バルジ加工方法。 - 【請求項3】下部ボルスタに取り付けられた下金型と上
部ラムヘッドに取り付けられた上金型間に収納した金属
素管の内部から液圧を付与して金属素管に異形断面の膨
出部を成形する液圧バルジ加工装置において、上金型内
と下金型内にそれぞれ組み込まれた上下動可能なパッド
と、これらパッドを押圧するための加圧ユニットを下部
ボルスタおよび上部ラムヘッド内に収納していることを
特徴とする金属管の液圧バルジ加工装置。
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