JP3110302B2 - 絞り容器の製造方法 - Google Patents
絞り容器の製造方法Info
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Description
成形されたカップ状の絞り容器の製造方法に係り、その
絞り容器の開口部の縁切り、内径側インロー部などに利
用される開口部内周の段部の形成、および外径側インロ
ー部などに利用される容器の底部付近の外径部加工を行
う絞り容器の製造方法に関する。
絞り容器において、絞り加工後のスカート部(開口部)
を除去する場合、切削あるいは金型による縁切り加工が
行われている。このうち金型による方法は切削の不具合
な点を解消する方法として位置づけられ、カム機構を用
いた金型によりスカート部を外径方向へ剪断加工するシ
ミートリミングとよばれる方法や、絞りスカート部を軸
方向に剪断加工するピンチトリミングと呼ばれる方法が
ある。
に利用される段部を形成する場合には、絞り加工後の開
口部内周面を切削するか、あるいは特開昭62ー313
51号公報に開示されているように数回の絞り行程中に
段部を形成する方法がある。
の加工によって開口部と反対側のする底部における板厚
が減少するため、多くの場合、絞り加工後の外径精度が
得られなくなる。このため、絞り加工後の特に底部付近
の外径精度を得たい場合には、必要以上の板厚を有する
材料を用いて絞り加工を行い、絞り加工後に底部付近の
外径を切削加工するか、または絞り加工後に金型を用い
て外径部をしごき加工をするなどの方法がある。
去する場合、容器の外径部分あるいは内径部分をチャッ
クをして加工を行うことになるが、チャック力により製
品が変形し製品精度が悪化する等の不具合がある。ま
た、プレス機械等を用いた容器の絞り加工に要する加工
時間に比べ、上記のような切削に要する加工時間は製品
の供給および排出等の時間を含めると長くなり、この切
削加工工程の前に仕掛り品がたまる原因となる。さら
に、絞り加工後のスカート部は加工硬化しているため切
削抵抗が大きく、そのため切削工具の寿命が短くなり、
生産合理化の妨げとなる。シミートリミングやピンチト
リミングなどの金型を用いた縁切り方法は、このような
不具合を解消するための方法である。
や薄板製品では良く使用されるが、大物や厚板製品を加
工しようとすると剪断力が増大し、製品精度の悪化や金
型寿命の低下を招く可能性がある。しかも、金型が大型
化し複雑となるため、複数の行程を同時に行えるトラン
スファプレスなどへの適用は困難である。さらに、ピン
チトリミングの場合も、厚板製品を加工しようとすると
やはり剪断力が増大し、この場合も製品精度の悪化や金
型寿命の低下を招く可能性がある。特にこのピンチトリ
ミングでは、剪断時に曲げ応力が作用するためにクラッ
クの進展が遅れ、その結果縁切り端面のカエリが大きく
なるなどの不具合もある。
ー部としての段部を形成する際に、切削を利用する場合
には、上述の縁切りを切削により行う場合と類似の加工
力の増大、および製品精度の悪化や金型寿命の低下等の
不具合が発生する。さらに、特開昭62ー31351号
公報のように数回の絞り行程中に段部を形成する場合に
は、容器外径部分をしごきながら加工するために成形荷
重が大きくなり、型寿命が低下する。その上この方法で
は、容器の材料を軸方向および径方向に複雑に塑性流動
させながら加工するため、加工終了後のスプリングバッ
ク量が大きくなり製品精度が低下する可能性も大きい。
必要以上の板厚の材料を用いて絞り加工を行い、その後
に底部付近の外径を切削加工する場合には、材料費が増
加し、かつ上述の縁切りや段部形成を切削により行う場
合と類似の加工力の増大、および製品精度の悪化や金型
寿命の低下等の不具合が発生する。さらに、絞り加工後
の底部付近の外径を金型を用いてしごき加工する場合に
は、金型の焼き付きが発生しやすく、高い精度が得られ
ない。
り、内径側インロー部などに利用される開口部内周の段
部の形成、および外径側インロー部などに利用される容
器の底部付近の外径部加工を行う際に、高い製品精度で
かつ高い生産性で加工を行うことができる絞り容器の製
造方法を提供することである。
め、本発明によれば、絞り加工によって成形されたカッ
プ状の絞り容器の製造方法において、前記容器の絞り加
工後の開口部付近に、外径側に開く向きに傾斜した傾斜
部と、その傾斜部の開口端側に連続すると共に前記絞り
容器の内周面よりもその絞り容器の板厚程度外径側にシ
フトした内周面を有するストレート部とを形成する予備
加工を施し、前記絞り容器外径に嵌合可能な内径を有す
るパンチと、パンチに対し絞り容器の板厚程度のクリア
ランスを有するガイド部および絞り容器開口端側の前記
ストレート部内径とほぼ同じ外径を有する切刃部を備え
たダイと、によって上記絞り容器を加圧することによ
り、絞り容器開口部の縁切りを行うことを特徴とする絞
り容器の製造方法が提供される。
いて、容器の絞り加工後の開口部付近に外径側に開く向
きに傾斜した傾斜部を形成し、さらにその傾斜部の開口
端側に連続するストレート部を形成しておく。この時、
ストレート部の内周面の位置は、絞り容器の内周面より
もその絞り容器の板厚程度外径側にシフトするように構
成する。この予備加工後に、パンチとダイとによって絞
り容器を加圧しその開口部の縁切りを行う。この時用い
るパンチは絞り容器外径に嵌合可能な内径を有するもの
であり、ダイは上記パンチに対し絞り容器の板厚程度の
クリアランスをもつガイド部と、絞り容器開口端側のス
トレート部内径とほぼ同じ外径をもつ切刃部とを備える
ものである。上記のようなパンチとダイによる加圧力
は、予備加工時に形成した傾斜部に対する局部的な剪断
応力となって作用するため、クラックの進展が速まり、
その結果縁切り加工後のカエリを小さくできる。これに
より、製品精度の悪化や金型寿命の低下等の不具合を招
くことがなく、生産性の向上に寄与することが可能とな
る。
くは、前記傾斜部は、前記絞り容器の内周面に対し、4
5゜の傾斜を有する。
によれば、絞り加工によって成形されたカップ状の絞り
容器の製造方法において、前記容器の絞り加工後の開口
部付近に、外径側に開く向きに傾斜した傾斜部と、その
傾斜部の開口端側に連続すると共に前記絞り容器の内周
面よりもその絞り容器の板厚程度外径側にシフトした内
周面を有するストレート部とを形成する予備加工を施
し、前記絞り容器外径、前記傾斜部および前記ストレー
ト部に嵌合可能な内径を有する雌型によって少なくとも
傾斜部を拘束し、その雌型に対し絞り容器の板厚程度の
クリアランスを有するガイド部および絞り容器開口端側
の前記ストレート部内径とほぼ同じ外径を有する段部を
備えた雄型によって上記絞り容器を加圧することによ
り、絞り容器の傾斜部に段部を形成することを特徴とす
る絞り容器の製造方法が提供される。
予備加工を行う。即ち、容器の絞り加工後の開口部付近
に外径側に開く向きに傾斜した傾斜部を形成し、さらに
その傾斜部の開口端側に連続するストレート部を形成
し、そのストレート部の内周面の位置を、絞り容器の内
周面よりも板厚程度外径側にシフトするように構成して
おく。この予備加工後に、雌型によって少なくとも傾斜
部を拘束しながら雄型で絞り容器を加圧しその傾斜部に
段部を形成する。この時用いる雌型は絞り容器外径、傾
斜部およびストレート部に嵌合可能な内径を有するもの
であり、雄型は上記雌型に対し絞り容器の板厚程度のク
リアランスをもつガイド部と、絞り容器開口端側の前記
ストレート部内径とほぼ同じ外径をもつ段部とを備える
ものである。上記のような雄型による段部の形成は予備
加工時に形成した傾斜部を外周部より雌型で拘束しなが
ら行うため、局部的な変形のみが傾斜部内径側に起こ
り、複雑な塑性流動が起こらず低荷重でその段部の形成
を実施することができる。これにより、内径側インロー
部などに利用される開口部内周の段部の形成を行う際
に、製品精度の悪化や金型寿命の低下等の不具合を招く
ことがなく、生産性の向上に寄与することが可能とな
る。
の縁切りの両方の加工を組み合わせて行うことが可能で
ある。即ち、段部形成用のと予備加工を施す際に、段部
形成用のストレート部よりさらに外径側に開く向きに傾
斜した第2の(縁切り用の)傾斜部と、その第2の傾斜
部の開口端側に連続すると共に上記ストレート部の内周
面よりもその絞り容器の板厚程度外径側にシフトした内
周面を有する第2の(縁切り用の)ストレート部とをさ
らに形成しておき、段部の形成後に、第2のストレート
部外径に嵌合可能な内径を有するパンチと、そのパンチ
に対し絞り容器の板厚程度のクリアランスを有するガイ
ド部および絞り容器開口端側の第2のストレート部内径
とほぼ同じ外径を有する切刃部を備えたダイと、によっ
て絞り容器を加圧することにより、絞り容器開口部の縁
切りを行う。
によれば、絞り加工によって成形されたカップ状の絞り
容器の製造方法において、前記絞り容器外径に嵌合可能
な内径を有する雌型と、その雌型奥部に嵌合されるパン
チと、前記雌型に対し絞り容器の板厚よりも大きなクリ
アランスを有するガイド部および前記雌型内径とほぼ同
じ外径を有する段部を備えた雄型と、によって絞り容器
を加圧することにより、絞り容器の底部付近を座屈させ
その底部付近の外径部を前記雌型の内径部に密着させる
ように成形することを特徴とする絞り容器の製造方法が
提供される。
可能な内径を有する雌型の奥部にパンチを嵌合し、これ
ら雌型、パンチ、雄型によって絞り容器を加圧し、それ
によって絞り容器の底部付近を座屈させ、その底部付近
の外径部を雌型の内径部に密着させるように成形する。
この時用いる雄型は、上記雌型に対し絞り容器の板厚よ
りも大きなクリアランスをもつガイド部と、雌型内径と
ほぼ同じ外径をもつ段部とを備える。これにより、絞り
容器の底部付近の外径部を雌型でガイドした状態で、雄
型とパンチで絞り容器の底部付近が加圧され、その部分
の材料が雌型の内径部に密着するまで外径側に塑性流動
する。これにより、外径側インロー部などに利用される
容器の底部付近の外径精度が向上し、金型寿命の低下等
の不具合を招くことがなく、生産性の向上に寄与するこ
とが可能となる。
近の成形と、縁切りの加工および前述の段部の形成を組
み合わせて行うことが可能である。即ち、段部の形成と
縁切りの加工の前または後または同時に、絞り容器外径
に嵌合可能な内径を有する第2の雌型と、その第2の雌
型奥部に嵌合される第2のパンチと、第2の雌型に対し
絞り容器の板厚よりも大きなクリアランスを有する第2
の雄型と、によって絞り容器を加圧することにより、絞
り容器の底部付近を座屈させその底部付近の外径部を第
2の雌型の内径部に密着させるように成形する。
図7を参照しながら説明する。図2は、絞り加工によっ
て得られた絞り容器(ブランク)の縦断面図であり、曲
面状のスカート部1Aが設けられている。本実施形態
は、図2の状態の絞り容器1を材料としてさらに加工
(縁切り加工、段部形成、底部付近の成形)を行う実施
形態である。
は、図2の絞り容器1のスカート部1Aに、金型によっ
て予備加工を施している状況を示す断面図である。雄型
2はプレス装置の下スライド5に取り付けられ、雌型3
はプレス装置の上スライド4に取り付けられている。雄
型2には、本実施形態の特徴的な形状を成形するための
傾斜部2Bとストレート部2Cとが連続的に形成され、
傾斜部2Bよりも先の部分は絞り容器1の案内となるガ
イド部2Aとなっている。なお、本実施形態において
は、後述する縁切り作業を円滑に進めるために傾斜部2
Bの角度をストレート部2Cに対して45°としている
が、この角度は45°以外であってもよい。また、雌型
3には、雄型2に形成されている傾斜部2B、ストレー
ト部2C、ガイド部2Aのそれぞれに対して、ほぼ絞り
容器1の板厚t1分だけ大きな内径寸法を有する(即ち
板厚t1分のクリアランスを有する)傾斜部3B、スト
レート部3C、ガイド部3Aが連続的に形成されてい
る。
ド部2Aに案内され、雄型2に挿入される。その後、上
スライド4が下降し、絞り容器1のスカート部1Aは、
雄型2、雌型3により加圧成形される。図3の金型によ
り成形された絞り容器1のスカート部1Cの部分拡大図
を図4に示す。スカート部1Cの内径側は、雄型2のガ
イド部2A、傾斜部2B、ストレート部2Cのそれぞれ
により成形されたストレート部1D、ストレート部1D
に対してほぼ45°の角度で外径側に開く向きに傾斜し
た傾斜部1E、ストレート部1F、曲面部(以下、適宜
R部という)1Gが連続的に形成される。また、スカー
ト部1Cの外径側は、ほぼ板厚t1を確保した状態で内
径側の形状に沿った形状となり、傾斜部1Hが形成され
る。つまり、ストレート部1Fの内周面の位置は、スト
レート部1Dよりも板厚t程度外径側にシフトするよう
になる。
は、絞り容器1のスカート部1Cに、金型によって縁切
り加工を施している状況を示す断面図である。パンチ6
は上スライド4に取り付けられ、ダイ7は下スライド5
に取り付けられる。ダイ7は絞り容器1の案内となるガ
イド部7Aと、切刃部7Bとを有する。図3の金型によ
り予備加工された絞り容器1はガイド部7Aに挿入さ
れ、上スライド4が下降する。これによりスカート部1
Cはパンチ6およびダイ7によって縁切り加工され、抜
きカス1Iが分離される。
加工部分の拡大図を図6に示す。絞り容器1の外径側の
傾斜部1Hにパンチ6を接触させ傾斜部1Hを加圧する
と、パンチ6との接触部の図中左側部分に引張応力が、
図中下側部分に圧縮応力が働く。また、絞り容器1の内
径側では、ダイ7の切刃部7Bとの接触部の図中上側部
分に圧縮応力が、図中右側部分に引張応力が働く。これ
により、傾斜部1E,1Hには局部的に剪断応力が働
き、それによってクラックが進展し、縁切り加工が行わ
れる。
器1の縦断面図を、図7に縁切り加工後の絞り容器1の
開口部1Bの部分拡大図を示す。絞り容器1の外径側に
は、剪断面1K、破断面1L、カエリ1Mが形成されて
いる。絞り容器1の内径側には、ストレート部1Dとそ
れに連続する傾斜部1Eに加え、傾斜部1Eが縁切り加
工時の圧縮応力で変形することにより形成された平坦部
1Jが形成されている。従来技術であるピンチトリミン
グでは、前述のように縁切り加工の時に曲げ応力が働く
ため、内径側からクラックが進展しにくく、カエリが大
きくなる傾向にあるが、上記のような本実施形態では、
通常の板材の打ち抜きで得られるような応力場によって
加工が行われるため、図7のようにカエリ1Mができた
としてもそれは小さく、従って、良好な打ち抜き面が得
られる。
ート部1Fの位置をストレート部1Dよりも板厚t1程
度外径側にシフトさせるようにしながら、外径側に開く
向きに傾斜した傾斜部1E,1H、およびストレート部
1Fを絞り容器1に形成する予備加工を施しておき、切
刃部7Bを有するダイ7とパンチ6とによって絞り容器
1を加圧し傾斜部1E,1Hの部分で縁切り加工を行う
ので、縁切り加工後のカエリ1Mを小さくできる。しか
も、切削による加工を行わないので、生産性の向上に寄
与することができる。
13を参照しながら説明する。まず、予備加工について
説明する。図8は、絞り容器8のスカート部に、金型に
よって予備加工を施している状況を示す断面図である。
雄型9はプレス装置の下スライド5に取り付けられ、雌
型10はプレス装置の上スライド4に取り付けられてい
る。雄型9には、本実施形態の特徴的な形状を成形する
ための傾斜部9Bとストレート部9Cとが連続的に形成
され、傾斜部9Bよりも先の部分は絞り容器8の案内と
なるガイド部9Aとなっている。なお、本実施形態にお
いては、後述する段部の形成作業を円滑に進めるために
傾斜部9Bの角度をストレート部9Cに対して30°と
しているが、この角度は30°以外であってもよい。ま
た、雌型10には、雄型9に形成されるている傾斜部9
B、ストレート部9C、ガイド部9Aのそれぞれに対し
て、ほぼ絞り容器8の板厚t2分だけ大きな内径寸法を
有する(即ち板厚t2分のクリアランスを有する)傾斜
部10B、ストレート部10C、ガイド部10Aが連続
的に形成されている。
内され、雄型9に挿入される。その後、上スライド4が
下降し、絞り容器8のスカート部は、雄型9、雌型10
により加圧成形される。図8の金型により成形された絞
り容器8のスカート部8Cの部分拡大図を図9に示す。
スカート部8Cの内径側は、雄型9のガイド部9A、傾
斜部9B、ストレート部9Cのそれぞれにより成形され
たストレート部8D、ストレート部8Dに対してほぼ3
0°の角度で外径側に開く向きに傾斜した傾斜部8E、
ストレート部8F、R部8Gが連続的に形成される。ま
た、スカート部8Cの外径側は、ほぼ板厚tを確保した
状態で内径側の形状に沿った形状となり、傾斜部8Hが
形成される。つまり、ストレート部8Fの内周面の位置
は、ストレート部8Dよりも板厚t程度外径側にシフト
するようになる。
段部の形成について説明する。図10は、絞り容器8の
スカート部8Cに、金型によって段部を形成している状
況を示す断面図である。雌型11は上スライド4に取り
付けられ、雄型12は下スライド5に取り付けられる。
雌型11の内径側はスカート部8Cの外径側とほぼ同様
の形状をしており、雄型12は絞り容器8の案内となる
ガイド部12A、段部12B、ストレート部12Cを有
する。なお、雌型11の代わりに雌型10をそのまま流
用してもよい。図8の金型により予備加工された絞り容
器8はガイド部12Aに挿入され、上スライド4が下降
する。これによりスカート部8Cには雌型11および雄
型12により段部が形成される。
加工部分の拡大図を図11に示す。絞り容器8の外径側
の傾斜部8H、ストレート部8I、ストレート部8Jを
雌型11によって拘束しながら、傾斜部8Eに雄型12
の段部12Bを接触させ加圧すると、傾斜部8Eの雄型
12に接触する部分に局部的に圧縮応力が働く。傾斜部
8Eにおける材料は、ガイド部12Aとの間の空間12
Fの方に単純に塑性流動を起こし、段部が形成される。
口部8Aの部分拡大図を示す。絞り容器8の外径側は図
8の金型で成形された状態とほとんど変化はないが、内
径側には、ストレート部8Dおよび傾斜部8Eに加え、
傾斜部8Eが縁切り加工時の圧縮応力で変形(塑性流
動)することにより形成された変形部8Kが形成されて
いる。図13に、本実施形態の段部の形成が完了した絞
り容器8の断面図を示す。 以上のような本実施形態に
よれば、ストレート部8Fの位置をストレート部8Dよ
りも板厚t2程度外径側にシフトさせるようにしなが
ら、外径側に開く向きに傾斜した傾斜部8E,8H、お
よびストレート部8Fを絞り容器8に形成する予備加工
を施しておき、雌型11によって傾斜部8H、ストレー
ト部8I、ストレート部8Jを拘束しながら段部12B
を有する雄型12によって絞り容器8を加圧し傾斜部8
Eに段部を形成するので、複雑な塑性流動を起こすこと
なく低荷重で段部の形成を実施することができる。しか
も、切削による加工を行わないので、生産性の向上に寄
与することができる。
よび図15を参照しながら説明する。本実施形態は、第
1の実施形態と第2の実施形態とを組合せたものであ
る。まず、図2と同様の絞り容器を用い、金型により絞
り容器のスカート部1を図14に示すように予備加工す
る。即ち、予備加工された絞り容器13のスカート部1
3Dには、段部の成形に必要なストレート部13E、傾
斜部13F、ストレート部13Gが形成され、さらにス
トレート部13Gに連続して縁切り加工に必要な傾斜部
13H、ストレート部13I、R部13Jが形成され
る。
は、第1の実施形態および第2の実施形態と同様の段部
の形成および縁切り加工が施される。図15に、本実施
形態の段部の形成および縁切り加工が完了した絞り容器
13の断面図を示す。以上のような本実施形態によれ
ば、前述の第1の実施形態の効果と第2の実施形態の効
果とを同時に得ることができる。
図18を参照しながら説明する。絞り加工によって容器
を製造する際には板厚減少を伴うため、図16に示すよ
うなカップ状の絞り容器14で内径精度を確保しようと
すると、底部付近の外径D1が開口部付近の外径D2より
小さくなってしまうことが多く、絞り加工時に底部付近
の外径部が金型に接触しなくなり、高い外径精度を得る
ことは不可能である。従って、絞り容器14の底部付近
を外径側インロー部として利用することが困難となる。
技術のように必要以上の板厚を有する材料を用いて絞り
加工を行い、絞り加工後に底部付近の外径を切削加工し
たり、絞り加工後に金型を用いて外径部をしごき加工を
する方法があるが、既に述べたように材料費の増加、加
工力の増大、および製品精度の悪化や金型寿命の低下等
の不具合が発生し、特にしごき加工では金型の焼き付き
等により高精度が得られない。本実施形態は、このよう
な従来技術の課題を解決するものである。
型によって外径部加工を施している状況を示す断面図で
ある。雄型17はプレス装置の下スライド5に取り付け
られ、雌型15はプレス装置の上スライド4に取り付け
られている。雌型15は絞り容器14の外径よりも大き
な内径を有しており、雌型15内側の奥部にパンチ16
が嵌合されている。雄型17は雌型15に対し絞り容器
14の板厚t3よりも大きなクリアランスをもつガイド
部17Aと、雌型15内径とほぼ同じ外径をもつ段部1
7Bとを有する。
付近の外径部を加工する際の加工部分の拡大図を図18
に示す。絞り容器14の底部付近の外径部は雌型15で
ガイドされ、その状態で雄型17とパンチ16で絞り容
器14の底面14Aおよびコーナ部14Bが加圧され、
それによって絞り容器14の底部付近の材料が外径側に
塑性変形する。つまり、絞り容器14の底部付近が座屈
して雌型15の内径部に密着し、それによる密着部14
Cの外径が雌型15の内径とほぼ同一となる。この時の
塑性変形量を適切に設定することによって雌型15の内
径部への密着部14Cの長さLを決定することができ
る。
器14の底部付近の外径部を雌型15でガイドしなが
ら、雄型17とパンチ16で絞り容器14の底面14A
およびコーナ部14Bを加圧するので、座屈により形成
された密着部14Cの外径を雌型15の内径と同一にす
ることが可能となる。そしてこの密着部14Cによって
絞り容器14の底部付近の外径精度を向上させることが
でき、外径側インロー部として利用することができる。
しかも、切削による加工を行わないので、、生産性の向
上に寄与することが可能となる。
部付近の成形と、第1の実施形態で説明した縁切り加工
および第2の実施形態で説明した段部の形成を組み合わ
せて行ってもよい。この場合、絞り容器の底部付近の成
形と段部の形成または縁切り加工を同時に行えば能率を
向上することができる。また、上記では断面が円である
カップ状の絞り容器の加工について説明したが、断面が
多角形の絞り容器に本発明を適用することも可能であ
る。
切り加工の際にカエリを小さくでき、内径側インロー部
などに利用される開口部内周の段を複雑な塑性流動を起
こすことなく低荷重で形成でき、外径側インロー部など
に利用される容器の底部付近の外径部加工を高い製品精
度で行うことができる。しかも、切削による加工を廃止
でき、さらに加工力の増大や製品精度の悪化や金型寿命
の低下等の不具合が発生しない。従って、生産性が向上
し、品質的に安定した製品を得ることができる。
施された後の絞り容器の縦断面図である。
容器(ブランク)の縦断面図である。
て、図2の絞り容器のスカート部に、金型によって予備
加工を施している状況を示す断面図である。
ト部の部分拡大図である。
加工を施している状況を示す断面図である。
部分の拡大図である。
である。
て、絞り容器のスカート部に、金型によって予備加工を
施している状況を示す断面図である。
ト部の部分拡大図である。
を形成している状況を示す断面図である。
工部分の拡大図である。
図である。
る。
て、予備加工を施したスカート部を示す断面図である。
容器の断面図である。
器について説明する図である。
て、絞り容器の底部付近に、金型によって外径部加工を
施している状況を示す断面図である。
外径部を加工する際の加工部分の拡大図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 絞り加工によって成形されたカップ状の
絞り容器の製造方法において、 前記容器の絞り加工後の開口部付近に、外径側に開く向
きに傾斜した傾斜部と、その傾斜部の開口端側に連続す
ると共に前記絞り容器の内周面よりもその絞り容器の板
厚程度外径側にシフトした内周面を有するストレート部
とを形成する予備加工を施し、 前記絞り容器外径に嵌合可能な内径を有するパンチと、
前記パンチに対し前記絞り容器の板厚程度のクリアラン
スを有するガイド部および前記絞り容器開口端側の前記
ストレート部内径とほぼ同じ外径を有する切刃部を備え
たダイと、によって前記絞り容器を加圧することによ
り、前記絞り容器開口部の縁切りを行うことを特徴とす
る絞り容器の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の絞り容器の製造方法にお
いて、前記傾斜部は、前記絞り容器の内周面に対し、4
5゜の傾斜を有することを特徴とする絞り容器の製造方
法。 - 【請求項3】 絞り加工によって成形されたカップ状の
絞り容器の製造方法において、 前記容器の絞り加工後の開口部付近に、外径側に開く向
きに傾斜した傾斜部と、その傾斜部の開口端側に連続す
ると共に前記絞り容器の内周面よりも前記絞り容器の板
厚程度外径側にシフトした内周面を有するストレート部
とを形成する予備加工を施し、 前記絞り容器外径、前記傾斜部および前記ストレート部
に嵌合可能な内径を有する雌型によって少なくとも前記
傾斜部を拘束し、前記雌型に対し前記絞り容器の板厚程
度のクリアランスを有するガイド部および前記絞り容器
開口端側の前記ストレート部内径とほぼ同じ外径を有す
る段部を備えた雄型によって前記絞り容器を加圧するこ
とにより、前記絞り容器の前記傾斜部に段部を形成する
ことを特徴とする絞り容器の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の絞り容器の製造方法にお
いて、前記予備加工を施す際に、前記ストレート部より
さらに外径側に開く向きに傾斜した第2の傾斜部と、そ
の第2の傾斜部の開口端側に連続すると共に前記ストレ
ート部の内周面よりもその絞り容器の板厚程度外径側に
シフトした内周面を有する第2のストレート部とをさら
に形成しておき、前記段部の形成後、前記第2のストレ
ート部外径に嵌合可能な内径を有するパンチと、前記パ
ンチに対し前記絞り容器の板厚程度のクリアランスを有
するガイド部および前記絞り容器開口端側の前記第2の
ストレート部内径とほぼ同じ外径を有する切刃部を備え
たダイと、によって前記絞り容器を加圧することによ
り、前記絞り容器開口部の縁切りを行うことを特徴とす
る絞り容器の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1から4のうちいずれか1項記載
の絞り容器の製造方法において、前記絞り容器外径に嵌
合可能な内径を有する第2の雌型と、その第2の雌型奥
部に嵌合される第2のパンチと、前記第2の雌型に対し
前記絞り容器の板厚よりも大きなクリアランスを有する
第2の雄型と、によって前記絞り容器を加圧することに
より、前記絞り容器の底部付近を座屈させ前記底部付近
の外径部を前記第2の雌型の内径部に密着させるように
成形することを特徴とする絞り容器の製造方法。 - 【請求項6】 絞り加工によって成形されたカップ状の
絞り容器の製造方法において、 前記絞り容器外径に嵌合可能な内径を有する雌型と、そ
の雌型奥部に嵌合されるパンチと、前記雌型に対し前記
絞り容器の板厚よりも大きなクリアランスを有するガイ
ド部および前記雌型内径とほぼ同じ外径を有する段部を
備えた雄型と、によって前記絞り容器を加圧することに
より、前記絞り容器の底部付近を座屈させ前記底部付近
の外径部を前記雌型の内径部に密着させるように成形す
ることを特徴とする絞り容器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08000669A JP3110302B2 (ja) | 1996-01-08 | 1996-01-08 | 絞り容器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08000669A JP3110302B2 (ja) | 1996-01-08 | 1996-01-08 | 絞り容器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09192762A JPH09192762A (ja) | 1997-07-29 |
JP3110302B2 true JP3110302B2 (ja) | 2000-11-20 |
Family
ID=11480160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08000669A Expired - Lifetime JP3110302B2 (ja) | 1996-01-08 | 1996-01-08 | 絞り容器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3110302B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5570081B2 (ja) * | 2012-04-27 | 2014-08-13 | 株式会社エフ・シー・シー | プレス部品の成形方法、プレス部品の製造方法およびプレス部品の成形用金型 |
-
1996
- 1996-01-08 JP JP08000669A patent/JP3110302B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH09192762A (ja) | 1997-07-29 |
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