JPH1136657A - 免振装置 - Google Patents

免振装置

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JPH1136657A
JPH1136657A JP19746297A JP19746297A JPH1136657A JP H1136657 A JPH1136657 A JP H1136657A JP 19746297 A JP19746297 A JP 19746297A JP 19746297 A JP19746297 A JP 19746297A JP H1136657 A JPH1136657 A JP H1136657A
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JP
Japan
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damping force
vibration
horizontal
building
damper
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JP19746297A
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Inventor
Yukihiro Kanzaka
幸弘 勘坂
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Obayashi Corp
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Obayashi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気的な制御回路を用いることなく、機械的
メカニズムを用いて微振動から大振動まで効果的に振動
減衰することができる免振装置を提供する。 【解決手段】 建物基礎12と、これの上方に位置する
建物14との間に、建物14を弾性支持しつつ建物14
と建物基礎12との水平方向の相対移動に所定の弾発力
をもって復元力を与える積層ゴム体16と、鉛直方向若
しくは略鉛直方向を指向して軸方向一端部が建物基礎1
2に、軸方向他端部が建物14に回動自在に取り付けら
れ、減衰力の発生主軸C1 が軸方向となる鉛直ダンパ1
8と、上記建物基礎12と上記建物14との水平方向の
相対移動に伴う減衰力の発生主軸C2 が水平方向若しく
は略水平方向となる水平ダンパ20と、を設けて構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免振対象物である
中,高層建物を地震や強風等の振動外力から免振する装
置に関し、とりわけ、この免振機能を微少な水平振動か
ら効果的に発揮させることができる免振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の免振装置としては、例えば特
開昭61−215825号公報(Int.Cl.F16F 15/02 )
に開示されるように、免振対象となる建物と基礎との間
の隙間に積層ゴムとオイルダンパを設けることにより構
成したものがある。上記積層ゴムは建物の荷重を支持す
ると共に、建物と基礎との間の相対的な水平振動に対し
て剪断変形し、この変形が弾発力をもって復帰されるよ
うになっている。上記オイルダンパは鉛直配置されてお
り、建物と基礎との水平方向の相対変位によって該オイ
ルダンパが傾斜されることにより伸長し、この伸長によ
り該オイルダンパに発生される減衰力によって建物の振
動を減衰するようになっている。
【0003】また、特開平2−35139号公報(In
t.Cl.E04B 1/36)や特開平5−98845号公報(In
t.Cl.E04H 9/02)には、電気的に減衰力が制御される可
変減衰力ダンパによって、広範囲の振動領域に対して建
物の減衰効果を発揮できるようにしたものが提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、の特
開昭61−215825号公報に示した免振装置では、
鉛直に配置されたオイルダンパの減衰力の発生主軸は鉛
直方向となり、上下方向の変位に対しては、その変位量
を全て減衰力を発生させるための仕事量として用いるこ
とができるのであるが、水平方向の変位に対しては、オ
イルダンパの傾斜に伴って伸長される量が減衰力を発生
させる仕事量となる。この水平変位によりオイルダンパ
が傾斜して伸長される量は、オイルダンパの長さをL,
減衰力の発生主軸となる鉛直方向に対する傾斜角をθと
した場合に、該オイルダンパの伸長量をΔLとすると、
ΔL=L(secθ−1)として得られる。従って、こ
の式から理解されるようにθが小さい領域ではsecθ
は1の近似値となるため、水平の変位量に対して伸長量
ΔLは著しく小さくなり、このため、微振動時には上記
オイルダンパによる水平方向の減衰力は著しく小さいも
のとなる。
【0005】一方、の特開平2−35139号公報お
よびの特開平5−98845号公報に示すように可変
減衰力ダンパを用いて電子制御する場合は、ソレノイド
や制御回路等の制御装置を必要とし、構造が複雑になっ
て高価なものになると共に、かつ、大地震発生時には電
気回路が断線する等の恐れがあり、信頼性に欠けるとい
う各種課題があった。
【0006】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、電気的な制御回路を用いることなく、機械的メカニ
ズムを用いて微振動から大振動まで効果的に振動減衰す
ることができる免振装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の請求項1に示す免振装置は、支持体とこれ
の上方に位置する免振対象物との間に設けられ、免振対
象物を弾性支持しつつ該免振対象物と上記支持体との水
平方向の相対移動に対し所定の弾発力をもって復元力を
与える積層ゴム体と、鉛直方向若しくは略鉛直方向を指
向して軸方向一端部が上記支持体に、軸方向他端部が上
記免振対象物にそれぞれ回動自在に取り付けられ、その
軸方向に沿って減衰力を発生する第1減衰力発生手段
と、上記支持体と上記免振対象物との水平方向の相対移
動に対し水平方向若しくは略水平方向に沿って減衰力を
発生する第2減衰力発生手段と、を備えたことを特徴と
する。
【0008】また、上記第1減衰力発生手段はその軸方
向に伸縮されて減衰力を発生し、かつその減衰力を、伸
長する方向に比較して短縮する方向を大きくする減衰力
可変機構を有していることを特徴とする。
【0009】以上の構成により本発明の作用を以下述べ
ると、請求項1では支持体と免振対象物との間に積層ゴ
ム体,第1減衰力発生手段および第2減衰力発生手段が
設けられており、免振対象物を支持する積層ゴム体は、
振動外力の入力時にこれの変形を伴って支持体と免振対
象物との水平方向の相対移動を許容すると共に、この相
対移動を復元するように弾発力を発生する。そして、鉛
直方向若しくは略鉛直方向を指向させて取り付けられた
上記第1減衰力発生手段は、その軸方向に沿って減衰力
を発生するため、上記積層ゴム体の圧縮変形を伴う免振
対象物の上下振動に対して大きな減衰力を発生する。一
方、免振対象物の水平振動に対しては、第1減衰力発生
手段の傾斜により伸長される量によって減衰力が発生さ
れ、この減衰力を該免振対象物の水平振動の補助減衰力
として用いることができる。
【0010】上記第2減衰力発生手段は、水平方向若し
くは略水平方向に沿って減衰力を発生するため、上記免
振対象物が上記積層ゴム体の剪断変形を伴って水平方向
に振動されると、この水平振動の変位量の略全てを減衰
力発生のための仕事量として用いることができる。この
ため、免振対象物に発生する微少な水平振動から地震や
強風等を原因とする大きな水平振動に至るまで効果的に
減衰させることができる。
【0011】従って、上記積層ゴム体により支持体から
免振対象物を免振すると共に、上記第1減衰力発生手段
により上下振動に対して大きな振動減衰力を、そしてま
た水平振動に対して補助減衰力を得ることができ、更に
は上記第2減衰力発生手段により水平方向の微振動から
地震や強風により発生される大振動まで効果的に振動減
衰させることができ、延いては、免振対象物の免振効果
を著しく向上させることができる。
【0012】また、請求項2では、上記第1減衰力発生
手段はその軸方向に伸縮されて減衰力を発生し、かつそ
の減衰力を、伸長する方向に比較して短縮する方向を大
きくする減衰力可変機構を有しているので、直下型地震
等のように突き上げ方向の変位量が大きな振動が入力さ
れた場合には、支持体と免振対象物との間の隙間が短縮
され、これに伴って上記第1減衰力発生手段が短縮され
る。上記減衰力可変機構は第1減衰力発生手段の短縮方
向に大きな減衰力を発生するため、上記突き上げ振動に
対して大きな緩衝効果を発揮して、この突き上げ振動を
効果的に緩和することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1から図4は本発明の
免振装置の一実施形態を示し、図1は免振装置の全体を
示す基本構成図、図2は本実施形態に用いられる積層ゴ
ム体と第1減衰力発生手段である鉛直ダンパとの組み合
わせ構造を示す斜視図、図3は鉛直ダンパのピストン構
造を示す断面図、図4は鉛直ダンパの傾斜状態を示す説
明図である。
【0014】即ち、本実施形態の免振装置10の基本構
成は、図1に示すように支持体としての建物基礎12
と、これの上方に位置する免振対象物としての、例えば
中,高層の建物14との間に設けられ、この建物14を
弾性支持しつつ該建物14と上記建物基礎12との水平
(図中左右)方向の相対移動に対し所定の弾発力をもっ
て復元力を与える積層ゴム体16と、鉛直(図中上下)
方向若しくは略鉛直方向を指向して軸方向一端部が上記
建物基礎12に、軸方向他端部が上記建物14にそれぞ
れ回動自在に取り付けられ、その軸方向C1 に沿って減
衰力を発生する第1減衰力発生手段としての鉛直ダンパ
18と、上記建物基礎12と上記建物14との水平方向
の相対移動に対し水平方向若しくは略水平方向に沿って
その軸方向C2 に減衰力を発生する第2減衰力発生手段
としての水平ダンパ20とを設けて構成される。
【0015】上記積層ゴム体16は、図2に示すように
ゴム本体部分16aおよびこのゴム本体部分16aの上
下端部に設けられる取付けフランジ16b,16cによ
って構成される。ゴム本体部分16aは基本的な構造で
はゴム板と鋼板とを交互に積層して構成される。下方の
取付けフランジ16cは、建物基礎12から上方に突設
される第1取付け台12aの上面にアンカーボルト等を
介して固定されると共に、上方の取付けフランジ16b
は建物14の下側に突設される第2取付け台14aの下
面に同様にして固定される。上記積層ゴム体16は、建
物14に設けられる図外の柱直下に位置させる等して建
物14の下側の適宜位置に複数個が設けられ、これら複
数の積層ゴム体16によって建物14の荷重が支持され
る。
【0016】上記鉛直ダンパ18は、図2に示したよう
に上記積層ゴム体16の上下の取付けフランジ16b,
16c間に、ゴム本体部分16aを挟んで複数設けられ
ると共に、該鉛直ダンパ18は、シリンダ18a内にオ
イルとかシリコン樹脂等の非圧縮性の粘性流体を封入し
た流体ダンパとして構成され、該鉛直ダンパ18の減衰
力の発生主軸C1 、つまりシリンダ18aとこれから出
没されるピストンロッド18bとの相対移動方向を鉛直
方向に指向させて配置される。上記ピストンロッド18
bの先端部は、上記上方の取付けフランジ16bに球面
継手21を介して回動自在に取り付けられると共に、上
記シリンダ18aのボトム部分は、上記下方の取付けフ
ランジ16cに同様に球面継手21aを介して回動自在
に取り付けられる。
【0017】上記鉛直ダンパ18のピストン18cは、
図3に示すようにシリンダ18a内に摺動自在に密接嵌
合され、該ピストン18cによってシリンダ18a内は
第1シリンダ室18dと第2シリンダ室18eとに隔成
される。ピストン18cには上記第1シリンダ室18d
と上記第2シリンダ室18eとを連通するオリフィス2
2およびバネ24bで一方向に閉止される逆止弁24a
を備えた減衰力可変機構としての一方向オリフィス24
が形成される。
【0018】上記一方向オリフィス24は比較的大きな
開口面積をもって形成され、逆止弁24aによって第1
シリンダ室18dから第2シリンダ室18eへの流体通
過を許容し、その逆に第2シリンダ室18eから第1シ
リンダ室18dへの流体通過を遮断するようになってい
る。つまり、上記鉛直ダンパ18はピストンロッド18
bがシリンダ18a内に押し込まれる方向(短縮される
方向)には、上記逆止弁24aが閉止されてオリフィス
22のみを介して流体が通過するため、大きな抵抗力が
発生されて減衰力が大きくなる。一方、ピストンロッド
18bがシリンダ18aから引き出される方向(伸長さ
れる方向)には、逆止弁24aが開弁されてオリフィス
22と一方向オリフィス24の両者を介して流体が通過
するため、抵抗力が小さくなって減衰力が小さくなる。
【0019】上記水平ダンパ20は、上記鉛直ダンパ1
8と同様に流体ダンパとして構成され、軸方向に配置さ
れるシリンダ20aとこれに出没自在なピストンロッド
20bとの相対移動方向が減衰力の発生主軸C2 であっ
て、該発生主軸C2 が水平方向に配置される。そして、
シリンダ20aのボトム部分が、建物基礎12から突設
される第1支柱12bに固定された取付けブラケット2
6に球面継手を介して回動可能に取り付けられると共
に、上記ピストンロッド20bの先端部が、建物14の
下側から突設される第2支柱14bに固定された取付け
ブラケット28に同様に球面継手を介して回動可能に取
り付けられる。
【0020】かかる構成になる本実施形態の免振装置1
0にあっては、建物基礎12と建物14との間に積層ゴ
ム体16,鉛直ダンパ18および水平ダンパ20が設け
られることにより構成される。建物14を支持する積層
ゴム体16は、地震や強風等の水平方向の振動外力が入
力された時に、該積層ゴム体16の剪断変形を伴って建
物基礎12と建物14との水平方向の相対移動を許容
し、かつこの相対移動を復元するように弾発力を発生す
るようになっている。従って、上記建物14は上記積層
ゴム体16をばねとして固有振動の周期が調整されるこ
とになり、該積層ゴム体16が備えるばね剛性により該
建物14の固有周期を長周期化し、地震や強風による振
動外力に対する振動の遮断性を著しく高めることができ
る。 上記鉛直ダンパ18は、これの減衰力の発生主軸
C1 が鉛直方向を指向するため、上記積層ゴム体16の
圧縮変形を伴う建物14の上下振動に対して大きな減衰
力を発生することができる。一方、建物14が水平振動
された場合には図4に示すように鉛直ダンパ18が傾斜
されるが、このときの傾斜角をθとすると、該鉛直ダン
パ18の取付け状態での長さLに対して傾斜された状態
の全長(L+ΔL)は、(L+ΔL)=Lsecθとな
る。このときに伸長される量ΔLが減衰力を発生させる
ための仕事量として用いられ、ΔL=L(secθ−
1)に対応する減衰力が発生される。このときの発生減
衰力はΔLに伴って小さくなるが、この減衰力を該建物
14の水平振動の補助減衰力として用いることができ
る。
【0021】ところで、上記鉛直ダンパ18はピストン
18cに設けたオリフィス22によって減衰力が発生さ
れるが、該オリフィス22以外に逆止弁24a付きの一
方向オリフィス24を設けたので、該一方向オリフィス
24によって鉛直ダンパ18の伸縮により発生される減
衰力は、伸長する方向に比較して短縮する方向が大きく
なっている。このため、直下型地震等のように突き上げ
方向の変位量の大きな振動が入力された場合に、この突
き上げによる衝撃が建物14に入力されるのを緩和する
ことができる。つまり、上記突き上げ方向の振動により
建物基礎12と建物14との間の上下隙間が急激に短縮
されると、この上下隙間の短縮に伴って鉛直ダンパ18
が短縮されるため、上記一方向オリフィス24の逆止弁
24aが閉止されて、第2シリンダ室18eから第1シ
リンダ室18dへの流体通過はオリフィス22のみで行
われる。従って、このときに発生される減衰力が大きく
なるため、上記突き上げ振動に対して大きな緩衝効果を
発揮して、この突き上げ振動を緩和することができる。
【0022】ここで、本実施形態では上記鉛直ダンパ1
8以外に、減衰力の発生主軸C2 が水平方向を指向する
水平ダンパ20を設けたので、上記建物14が上記積層
ゴム体16の剪断変形を伴って水平方向に振動される
と、該水平ダンパ20はこの水平振動の変位量の全て
を、減衰力を発生させるための仕事量として用いること
ができる。このように水平ダンパ20は水平変位の全て
で減衰力を発生できるため、地震や強風等を原因として
建物14に発生する微少な水平振動から大きな水平振動
に至るまで効果的に減衰させることができる。
【0023】従って、本実施形態の免振装置10にあっ
ては、上記積層ゴム体16によって建物14の固有周期
を長周期化させて振動遮断機能を向上させると共に、上
記鉛直ダンパ18により上下振動に対して大きな振動減
衰力を得ることができ、更には上記水平ダンパ20によ
り水平方向の微振動から地震や強風により発生される大
振動までを効果的に振動減衰させることができる。この
ため、電気的な制御回路を用いることなく機械的メカニ
ズムによって免振装置10を構成したにもかかわらず、
建物14の免振効果を著しく向上させることができ、延
いては、該建物14の居住性を向上できると共に、地震
や強風に対する安全性を高めることができる。
【0024】図5は他の実施形態を示す基本構成図で、
上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複す
る説明を省略して述べる。即ち、この実施形態の免振装
置10aは、積層ゴム体16のゴム本体部分16aの中
心部に形成された上下に貫通する中心穴内に第2減衰力
発生手段としての棒状の鉛プラグ30を鉛直方向に挿入
し、この鉛プラグ30の上下端を上下の取付けフランジ
16b,16cに固設することにより構成される。上記
鉛プラグ30は塑性変形される時にエネルギーを吸収し
て減衰力を発生させるようになっており、本実施形態で
は該鉛プラグ30の軸直角方向、つまり水平方向に変形
力が入力された場合に最も効率よくエネルギーを吸収す
ることができ、従って、上記鉛プラグ30は水平方向が
減衰力の発生主軸C3 となる。この実施形態にあっても
上記上下の取付けフランジ16b,16c間に鉛直ダン
パ18が設けられている。
【0025】従って、この実施形態にあっては水平方向
の振動が入力された場合に、建物基礎12と建物14は
水平方向に相対移動して上記鉛プラグ30を剪断変形さ
せ、建物14の振動を減衰させることができる。このと
き、鉛プラグ30は減衰力の発生主軸C3 が水平方向を
指向するため、水平方向の微振動から大振動まで効果的
に減衰力を発生させることができ、上記実施形態と同様
に建物14の免振機能を著しく向上することができる。
【0026】図6は更に他の実施形態を示す基本構成図
で、上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重
複する説明を省略して述べる。即ち、この実施形態の免
振装置10bは建物基礎12と建物14との間に第2減
衰力発生手段としての摩擦ダンパ(履歴ダンパ)32を
設けることにより構成される。摩擦ダンパ32は滑動板
34と、この滑動板34の表面34aを摺動することに
より摩擦力を発生する摩擦材36とから構成され、滑動
板34は建物基礎12側に取り付けられると共に、摩擦
材36は建物14側に取り付けられる。この取付け状態
では摩擦材36の摩擦力を発生する先端面36aが、上
記滑動板34の表面34a上方に近接状態で対向配置さ
れるようになっている。また、上記摩擦ダンパ32は滑
動板34の表面34aの指向方向が減衰力の発生主軸C
4 となり、本実施形態では該表面34aを水平方向に配
置してある。
【0027】従って、この実施形態にあっては水平振動
の入力により積層ゴム体16の剪断変形を伴いつつ建物
基礎12と建物14とが水平方向に相対変位される際、
建物14は水平移動しつつ積層ゴム体16の変形に伴っ
て僅かに沈み込みを生ずる。このため、上記滑動板34
の表面34aに摩擦材36の先端面36aが圧接しつつ
摺動することとなり、該表面34aに沿って大きな摩擦
力が発生し、この摩擦力によって相対移動のエネルギー
を吸収して減衰力を発生させることができる。このと
き、上記摩擦ダンパ32の減衰力の発生主軸C4 は水平
方向に配置されるため、滑動板34と摩擦材36とを略
接触状態で近接させておくことにより、上記各実施形態
と同様に水平方向の微振動から減衰力を発生させること
ができる。
【0028】勿論、この実施形態にあっても上記積層ゴ
ム体16の上下の取付けフランジ16b,16c間に鉛
直ダンパ18が設けられ、鉛直方向の振動入力が効果的
に吸収されるようになっている。また、この実施形態に
あって上記摩擦材36は滑動板34方向にばね付勢させ
て、これら摩擦材36と滑動板34とを常時接触させて
おくことが望ましい。
【0029】ところで、上記各実施形態では鉛直ダンパ
18をその減衰力の発生主軸C1 が鉛直方向となるよう
に配置した場合を示したが、上下振動に対するダンパ機
能を損なわない限りにおいて、該発生主軸C1 が鉛直か
ら若干ずれた略鉛直状態で取り付けておくことができ
る。また、同様に第2減衰力発生手段として用いた水平
ダンパ20,鉛プラグ30および摩擦ダンパ32につい
ても、その減衰力の発生主軸C2 ,C3 ,C4 を水平方
向に配置した場合を示したが、これら減衰力の発生主軸
C2 ,C3 ,C4 を水平方向から若干ずれた略水平状態
で取り付けた場合にも、やや劣るが水平方向の減衰力を
十分に得ることができる。
【0030】更に、鉛直ダンパ18を積層ゴム体16の
上下の取付けフランジ16b,16c間に組み込んで構
成した場合を開示したが、該鉛直ダンパ18を積層ゴム
体16とは別体として、建物基礎12と建物14との間
に取り付けることもできる。また、上記鉛直ダンパ18
には一方向オリフィス24を設けて、突き上げ方向の振
動を緩和させる場合を開示したが、該一方向オリフィス
24に代えて他の構成を用いた減衰力可変機構を用いて
もよく、更にはこの減衰力可変機構を設けない場合にあ
っても本発明を構成することができることはいうまでも
ない。
【0031】ここで、上記建物14を免振対象物として
示したが、該免振対象物とは、免振装置上に支持されて
免振が施されるべき対象を意味し、上述した建物基礎1
2上方に構築される構造物のみならず、当該構造物を上
層部分と下層部分とに上下に分離した場合における下層
部分に対する上層部分や、二重床構造における免振床な
どをも含むものとし、また、支持体とは、免振装置の下
方にあって、免振対象物に対し振動を遮断する側を意味
し、上述した基礎のみならず、上記上層部分に対する下
層部分や免振床下方の床スラブなどをも含むものとす
る。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
示す免振装置にあっては、支持体と免振対象物との間に
積層ゴム体,第1減衰力発生手段および第2減衰力発生
手段を設けて構成し、積層ゴム体によって免振対象物の
固有周期を長周期化させて地震や強風等の振動外力を支
持体に対して効果的に遮断できると共に、第1減衰力発
生手段によって上記積層ゴム体の圧縮変形を伴う免振対
象物の上下振動に対し大きな減衰力を確保することがで
きる。そしてまた、上記第2減衰力発生手段は、水平方
向若しくは略水平方向に沿って減衰力を発生するので、
上記免振対象物が上記積層ゴム体の剪断変形を伴って水
平方向に振動されると、この水平振動の変位量の略全て
を減衰力を発生させるための仕事量として用いることが
できるため、免振対象物に発生する微少な水平振動から
地震や強風等を原因とする大きな水平振動に至るまで効
果的に減衰させることができる。従って、電気的制御回
路を用いない機械的メカニズムによって免振対象物の優
れた免振効果を得ることができ、かつ、その信頼性を大
幅に向上することができる。
【0033】また、本発明の請求項2に示す免振装置に
あっては、上記第1減衰力発生手段はその軸方向に伸縮
されて減衰力を発生し、かつその減衰力を、伸長する方
向に比較して短縮する方向を大きくする減衰力可変機構
を有しているので、直下型地震等のように突き上げ方向
の変位量が大きな振動が入力された場合に大きな緩衝効
果を発揮させることができて、この突き上げ振動を効果
的に緩和することができるという各種優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免振装置の一実施形態を示す全体の基
本構成図である。
【図2】図1の積層ゴム体と鉛直ダンパとの組み合わせ
構造の斜視図である。
【図3】図1の鉛直ダンパのピストン構造を示す断面図
である。
【図4】図1の鉛直ダンパの傾斜状態の説明図である。
【図5】本発明の免振装置の他の実施形態を示す全体の
基本構成図である。
【図6】本発明の免振装置の更に他の実施形態を示す全
体の基本構成図である。
【符号の説明】
10 免振装置 12 建物基礎 14 建物 16 積層ゴム体 18 鉛直ダンパ 20 水平ダンパ 22 オリフィス 24 一方向オリフィス 30 鉛プラグ 32 摩擦ダンパ C1 ,C2 ,C3 ,C4 減衰力の発生主軸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体とこれの上方に位置する免振対象
    物との間に設けられ、免振対象物を弾性支持しつつ該免
    振対象物と上記支持体との水平方向の相対移動に対し所
    定の弾発力をもって復元力を与える積層ゴム体と、鉛直
    方向若しくは略鉛直方向を指向して軸方向一端部が上記
    支持体に、軸方向他端部が上記免振対象物にそれぞれ回
    動自在に取り付けられ、その軸方向に沿って減衰力を発
    生する第1減衰力発生手段と、上記支持体と上記免振対
    象物との水平方向の相対移動に対し水平方向若しくは略
    水平方向に沿って減衰力を発生する第2減衰力発生手段
    と、を備えたことを特徴とする免振装置。
  2. 【請求項2】 上記第1減衰力発生手段はその軸方向に
    伸縮されて減衰力を発生し、かつその減衰力を、伸長す
    る方向に比較して短縮する方向を大きくする減衰力可変
    機構を有していることを特徴とする請求項1に記載の免
    振装置。
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