JPH1136191A - たばこフィルター用巻紙及びそれを用いたたばこフィルター - Google Patents

たばこフィルター用巻紙及びそれを用いたたばこフィルター

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JPH1136191A
JPH1136191A JP9189494A JP18949497A JPH1136191A JP H1136191 A JPH1136191 A JP H1136191A JP 9189494 A JP9189494 A JP 9189494A JP 18949497 A JP18949497 A JP 18949497A JP H1136191 A JPH1136191 A JP H1136191A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然環境下での光の作用により容易に分解
し、フィルター素材から短期間に除去可能なたばこフィ
ルター用巻紙を得る。 【解決手段】 たばこフィルター用巻紙は、セルロース
繊維で構成された抄紙構造を有すると共に、(1)比表
面積30m2 /g以上、(2)一次粒子径0.001〜
0.07μm、又は(3)比表面積30m2 /g以上お
よび一次粒子径0.001〜0.07μmの特性を有す
るアナターゼ型酸化チタンを含む。光分解性および分散
性を高めるため、酸化チタンは、リン酸塩などのリン化
合物、多価アルコールやアミノ酸などで表面処理されて
いてもよい。フィルター素材を上記たばこフィルター用
巻紙で巻回し、ロッド状に成形することにより、自然環
境下での崩壊性に優れるたばこフィルターが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自然環境下で光の
作用により容易に分解するたばこフィルター用巻紙と、
これを用いたたばこフィルター及びその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】たばこ煙中の有害成分を除去するととも
に、喫味に優れるたばこフィルターとして、セルロース
エステルの繊維束で構成されたたばこフィルターが広く
使用されている。このたばこフィルターでは、フィルタ
ープラグの形状を維持し、且つフィルタープラグからフ
ィルターチップを切断するために必要な硬度を得るた
め、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテー
ト、トリエチレングリコールジプロピオネート、ジブチ
ルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、クエン酸
トリエチルエステルなどの可塑剤が使用されている。し
かし、上記たばこフィルターでは、前記可塑剤がバイン
ダーとしての機能を有し、この可塑剤によりセルロース
エステル繊維同士が部分的に融着しているため、使用後
に廃棄すると、環境中で形状が崩壊するまでに長時間を
要し、美観を損なうだけでなく、環境汚染の一因とな
る。
【0003】一方、木材パルプを原料とし、クレープ状
に加工した紙製のたばこフィルターや再生セルロース繊
維束からなるたばこフィルターも知られている。これら
のフィルターは、セルロースエステルの繊維束からなる
フィルターと比較して、自然環境中での崩壊性が若干高
く、環境汚染をある程度軽減できる。しかし、たばこの
喫味が劣ると共に、フィルターとして必要なフェノール
類の選択除去性がセルロースエステルに比べて極端に低
く、しかも、同じ圧力損失においてフィルター硬度がセ
ルロースエステルに比して低い。
【0004】これに対し、最近、喫味、濾過性能に優
れ、さらに自然環境中での崩壊性に優れたたばこフィル
ターが検討されている。例えば、特開平8−47385
号公報には、セルロースエステルと木材パルプとを含む
水分散性の良好なシート状フィルター材料から製造され
たたばこフィルターが開示されている。また、特開平7
−75542号公報および特開平6−319512号公
報には、セルロースエステル繊維束を水溶性高分子を用
いて接着することにより製造された水分散性の優れたた
ばこフィルターが開示されている。さらに、特開平7−
99958号公報には、フィルター材料である繊維束を
水溶性高分子で接着し、あるいは接着することなく巻上
げたフィルターを短く切り、その複数個をさらに巻紙で
同時に巻上げることにより製造された水分散性の優れた
たたばこフィルターが開示されている。また、置換度の
小さいセルロースエステル繊維束を巻上げることにより
製造された生分解性の優れたたたばこフィルターや光分
解促進剤としてアナターゼ型酸化チタンを含有したセル
ロースエステル繊維束を巻上げることにより製造された
光分解性の優れたたたばこフィルターなども知られてい
る。
【0005】これらのたばこフィルターでは、確かにフ
ィルター素材の自然環境中での崩壊性が向上するもの
の、フィルター素材が自然環境中で十分な崩壊性を発揮
するためには、フィルター巻紙がフィルター素材から剥
離、除去されることが必要である。しかし、通常使用さ
れているフィルター巻紙は、自然環境中での分解性又は
分散性に乏しい。また、フィルター巻紙を接着するため
に一般に用いられている糊剤も、自然環境中で接着力は
さほど低下しない。そのため、自然環境中で、フィルタ
ー巻紙がフィルター素材から除去されるには、非常に長
時間を要し、フィルター素材が本来持つ自然環境中での
崩壊性が充分に発揮されない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、自然環境下において、フィルター素材から容易に脱
離可能なたばこフィルター用巻紙を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、自然環境下において、フィル
ター巻紙が容易に脱離可能なたばこフィルターおよびそ
の製造法を提供することにある。本発明のさらに他の目
的は、フィルター素材の自然環境中での崩壊性が有効に
発揮され、環境汚染を軽減できるたばこフィルターおよ
びその製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、フィルター素材を、
特定の比表面積及び/又は平均粒子径を有するアナター
ゼ型酸化チタンを含み、かつセルロース繊維で構成され
た抄紙構造を有する巻紙で巻回すると、巻紙が自然環境
下で、短期間でフィルター素材から脱離し、フィルター
素材が本来有する自然環境中での崩壊性を有効に発揮さ
せることができることを見出だし、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明のたばこフィルター用巻
紙は、セルロース繊維で構成された抄紙構造を有するた
ばこフィルター用巻紙であって、(1)比表面積30m
2 /g以上、(2)一次粒子径0.001〜0.07μ
m、又は(3)比表面積30m2 /g以上および一次粒
子径0.001〜0.07μmの特性を有するアナター
ゼ型酸化チタンを含んでいる。光分解活性を高めるた
め、アナターゼ型酸化チタンは、リン化合物又はその
塩、多価アルコールおよびアミノ酸又はその塩から選択
された少なくとも1つの成分により表面処理されていて
もよく、遷移金属、貴金属又はその化合物を担持してい
てもよい。
【0009】たばこフィルター用巻紙は、セルロース繊
維で構成された抄紙構造を有し、かつアナターゼ型酸化
チタンを含むたばこフィルター用巻紙において、前記酸
化チタンが、リン化合物又はその塩、多価アルコールお
よびアミノ酸又はその塩から選択された少なくとも1つ
の成分により表面処理されている場合には、前記酸化チ
タンの比表面積及び/又は平均粒子径は特に制限されな
い。
【0010】アナターゼ型酸化チタンの使用量は、例え
ば、セルロース繊維100重量部に対して0.1〜30
重量部程度である。前記酸化チタンは、食品添加物とし
て認定されているとともに、食品、化粧品、塗料などに
利用されており、人体に対する安全性が高い。なお、本
明細書において、「酸化チタン」を「二酸化チタン」と
称する場合がある。セルロース繊維は、木材パルプなど
を叩解して得られる叩解パルプであってもよい。巻紙の
坪量は、20〜40g/m2 程度、密度は0.25〜
0.45g/cm3 程度、厚みは0.02〜0.15m
m程度である。
【0011】本発明は、また、フィルター素材と、この
フィルター素材を巻回しロッド状に形成するための巻紙
とで構成されたたばこフィルターであって、前記巻紙が
上記のたばこフィルター用巻紙であるたばこフィルター
を提供する。本発明は、さらに、フィルター素材を上記
のたばこフィルター用巻紙で巻回してロッド状に成形す
るたばこフィルターの製造法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
[セルロース繊維]セルロース繊維には、例えば、木材
繊維(針葉樹、広葉樹などの木材パルプなど)、種子毛
繊維(リンターなどの綿花、ボンバックス綿、カポック
など)、ジン皮繊維(例えば、麻、コウゾ、ミツマタな
ど)、葉繊維(例えば、マニラ麻、ニュージーランド麻
など)などの天然セルロース繊維(パルプ繊維)、及び
化学的に合成されたセルロース繊維が含まれる。これら
のセルロース繊維は単独で又は2種以上混合して使用で
きる。
【0013】上記セルロース繊維の中でもパルプを用い
る場合が多い。パルプとしては、叩解パルプ及び未叩解
パルプの何れであってもよいが、好ましくは叩解パルプ
である。叩解パルプは、叩解により繊維がフィブリル化
されており、抄紙性に優れる。叩解パルプとしては、広
葉樹又は針葉樹などから、例えばサルファイト法、クラ
フト法などの慣用の方法により得られる木材パルプを用
いる場合が多い。
【0014】叩解パルプの叩解度は、抄紙性を損なわな
い範囲で選択でき、例えば、ショッパーリーグラー式ろ
水度で20〜90゜SR、好ましくは20〜80゜S
R、さらに好ましくは30〜70゜SR程度であり、3
0〜60゜SR程度である場合が多い。叩解度が低すぎ
ると、絡み合いによる繊維間の接着が充分に行われず、
シート強度が低下しやすい。また、叩解度が高すぎる
と、繊維間の結合力、接着力が強くなりすぎ、シート密
度が高くなって、自然環境下での光の作用による光分解
効率が損なわれるおそれがある。
【0015】[酸化チタン]本発明の特色は、特定のア
ナターゼ型酸化チタンにより、セルロース繊維で構成さ
れた抄紙構造を有するたばこフィルター用巻紙の光分解
性を高める点にある。二酸化チタンの結晶構造は、ルチ
ル型とアナターゼ型に大別できるが、ルチル型酸化チタ
ンに比べてアナターゼ型酸化チタンは、紫外線などの光
線による活性度が非常に高い。そのため、光分解性を高
めるためには、アナターゼ型二酸化チタンを用いるのが
好ましい。
【0016】二酸化チタンの比表面積および粒子径も光
酸化性に大きく影響する。すなわち、二酸化チタンの粒
子径が小さく、比表面積が大きくなるにつれて、単位重
量当り、紫外線などの光線による二酸化チタンの活性化
度を高めることができる。そのため、粒子径が小さく、
比表面積の大きな酸化チタンを用いると、少量の添加で
たばこフィルター用巻紙の光分解性を高めることができ
る。
【0017】(1)二酸化チタンの比表面積は、例え
ば、BET法による比表面積30m2/g以上(例え
ば、30〜250m2 /g程度)、好ましくは50m2
/g以上(例えば、50〜250m2 /g程度)、さら
に好ましくは60〜150m2 /g(例えば、60〜1
00m2 /g)程度であり、50〜150m2 /g程度
である場合が多い。
【0018】(2)二酸化チタンの一次粒子の平均粒子
径は、例えば、0.001〜0.07μm(例えば、
0.002〜0.05μm)、好ましくは0.003〜
0.05μm、さらに好ましくは0.01〜0.05μ
m程度であり、0.005〜0.05μm程度である場
合が多い。
【0019】二酸化チタンは、前記(1)比表面積及び
(2)平均粒子径のいずれか一方の特性を有していれば
よいが、好ましい二酸化チタンには、前記(1)比表面
積及び(2)平均粒子径の双方の特性を有する酸化チタ
ンが含まれる。このような二酸化チタンは、(3)比表
面積30m2 /g以上および一次粒子径0.001〜
0.07μm(例えば、0.002〜0.05μm)、
好ましくは比表面積50m2 /g以上および一次粒子径
0.003〜0.05μm、さらに好ましくは比表面積
60〜150m2 /gおよび一次粒子径0.01〜0.
05μm程度である場合が多い。
【0020】酸化チタンは光分解性および分散性を高め
るため、有機物及び/又は無機物により表面処理されて
いるのが好ましい。好ましい処理剤の成分には、リン化
合物、多価アルコールおよびアミノ酸から選択された少
なくとも1つの成分が含まれる。特にリン化合物と、多
価アルコールおよびアミノ酸から選択された少なくとも
1つの成分とを組合せて表面処理した二酸化チタンが好
ましい。
【0021】このような表面処理剤で表面処理された酸
化チタンは、分散性が高く、単位重量当りの利用可能な
表面積が増加し、光分解性を高めることができる。その
ため、前記成分で表面処理された酸化チタンは、酸化チ
タンの活性を有効に利用できるため、前記の酸化チタン
と異なり、前記比表面積及び/又は一次粒子の平均粒子
径を有していなくてもよい。例えば、表面処理される酸
化チタンのBET法による比表面積は30m2 /g未満
であってもよく、一次粒子の平均粒子径は0.001μ
m未満又は0.07μmを越える粒径(例えば、0.0
8〜1.5μm)であってもよい。しかし、粒子径が小
さな酸化チタン及び/又は比表面積の大きな酸化チタン
を表面処理すると、光分解性をさらに高めることができ
る。前記成分で表面処理される好ましい酸化チタンに
は、前記の比表面積及び/又は一次粒子の平均粒子径を
有する酸化チタンが含まれる。
【0022】リン化合物には、例えば、三酸化リン、五
酸化リンなどの酸化リン;次亜リン酸、亜リン酸、次リ
ン酸、オルトリン酸、ピロリン酸、三リン酸、メタリン
酸、ポリリン酸などのリン酸又はその塩;ホスホニウム
塩;ホスフィン類、例えば、メチルホスフィン、エチル
ホスフィン、ブチルホスフィン、ジメチルホスフィン、
ジエチルホスフィン、ジブチルホスフィン、ジオクチル
ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフ
ィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン
などのアルキルホスフィン、フェニルホスフィン、ジフ
ェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどのアリ
ールホスフィンなど;リン酸エステルなどが含まれる。
好ましいリン化合物には、親水性又は水溶性リン化合
物、例えば、五酸化リンなどの酸化リン、リン酸又はそ
の塩が含まれる。リン酸塩には、例えば、ナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などが
含まれる。これらのリン化合物は単独又は二種以上混合
して使用できる。
【0023】多価アルコールには、例えば、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオ
ール、テトラメチレングリコールなどのアルキレングリ
コール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコ
ールなどのポリオキシアルキレングリコール;グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの糖類を含む
多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエステ
ル、エチレングリコールモノブチルエステル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエステル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエステル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエステル、プロピレングリコールモノメチルエステ
ル、プロピレングリコールモノブチルエステルなどのグ
リコールの脂肪酸エステルなどが含まれる。好ましい多
価アルコールには、例えば、プロピレングリコールなど
の親水性又は水溶性グリコールが含まれる。これらの多
価アルコールは一種又は二種以上混合して使用できる。
【0024】アミノ酸には、例えば、グリシン、アラニ
ン、バリン、イソロイシン、ロイシンなどのアルキル基
を有するアミノ酸、セリン、トレオニン、チロシンなど
のヒドロキシル基を有するアミノ酸、プロリンなどの隣
接する窒素原子とともにシクロ環を形成するアミノ酸、
アスパラギン酸、グルタミン酸などの2つのカルボキシ
ル基を有するアミノ酸、リジン、アルギニンなど2つの
アミノ基を有するアミノ酸、アスパラギン、グルタミン
酸などのアミド基を有するアミノ酸、システィン、メチ
オニンなどのメルカプト基又はアルキルチオ基を有する
アミノ酸、トリプトファン、フェニルアラニン、ヒスチ
ジンなどの芳香環又は複素環を有するアミノ酸などが含
まれる。これらのアミノ酸は、D−,L−又はDL−体
のいずれであってもよく、ナトリウム、カリウムなどの
アルカリ金属塩、アンモニウム塩などの塩として使用し
てもよい。好ましいアミノ酸には、アミノ酸を構成する
アミノ基およびカルボキシル基以外に、ヒドロキシル
基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基などの親
水性基を有するアミノ酸又はその塩が含まれる。アミノ
酸又はその塩は、単独又は二種以上混合して使用でき
る。
【0025】前記表面処理剤のうち、人体に対して安全
性の高い化合物、例えば、食品添加物として認定されて
いる化合物を用いる場合が多い。このような化合物に
は、例えば、メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリ
ウム、ピロリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポ
リリン酸カリウムなどのリン酸とその塩、プロピレング
リコールなどのグリコール類、グリシン、トレオニンな
どのアミノ酸類などが含まれる。
【0026】前記表面処理剤の成分は単独で用いてもよ
く、二種以上の成分を組合せて用いてもよい。好ましい
表面処理剤は、リン酸又はその塩などのリン化合物と、
多価アルコール及びアミノ酸又はその塩のうち少なくと
も1つの成分との組合せが含まれ、特に前記リン化合物
で処理した後、多価アルコール及びアミノ酸又はその塩
のうち少なくとも1つの成分で処理した酸化チタン、特
に親水化処理された酸化チタンが好ましい。
【0027】酸化チタンの表面処理に際しては、界面活
性剤(例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面
活性剤など)や金属石鹸などを用いてもよい。
【0028】前記酸化チタンの表面処理は、慣用の方
法、例えば、前記成分を含む溶液への酸化チタンの浸
漬、酸化チタンへの噴霧などにより行なうことができ
る。前記成分の総処理量は、酸化チタンの分散性、光活
性などを損わない範囲で選択でき、例えば、酸化チタン
100重量部に対して0.01〜20重量部、好ましく
は0.05〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5
重量部程度であり、0.5〜3重量部程度である場合の
が多い。なお、リン化合物の処理量は、酸化チタン10
0重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.
5〜5重量部程度である場合が多い。
【0029】酸化チタンは、光照射による活性およびた
ばこフィルター巻紙の光分解効率を高めるため、金属触
媒を担持してもよい。遷移金属には、Zrなどの周期表
3A族金属、Vなどの周期表4A族金属、Cr、Moな
どの周期表5A族金属、Mnなどの周期表6A族金属、
Fe、Ruなどの周期表8族金属、Co、Rhなどの周
期表9族金属、Ni、Pd、Ptなどの周期表10族金
属、Cu、Ag、Auなどの周期表1B族金属などが例
示される。これらの金属のうち周期表10族および周期
表1B族の貴金属、例えば、Pd、Pt、Auなどが好
ましい。これらの金属は、塩化物などのハロゲン化物、
酸化物、錯体などとして担持させてもよい。 酸化チタ
ン100重量部に対する前記金属又はその化合物の担持
量は、金属換算で、例えば、0.001〜10重量部、
好ましくは0.01〜5重量部程度である。
【0030】たばこフィルター用巻紙において、酸化チ
タンの含有量は、光分解性および抄紙性などを損わない
範囲で選択でき、例えば、セルロース繊維100重量部
に対して0.1〜30重量部、好ましくは0.2〜25
重量部、さらに好ましくは0.25〜20重量部程度で
あり、0.5〜20重量部(例えば3〜18重量部)程
度である場合が多い。酸化チタンの含有量が0.1重量
部未満では、たばこフィルター巻紙の光分解性がさほど
向上せず、30重量部を越えると、抄紙性が損われ易い
場合がある。
【0031】前記二酸化チタンは、慣用の方法でセルロ
ース繊維に分散、定着させることができる。例えば、セ
ルロース繊維と二酸化チタンとを、水などの溶媒に分散
させてスラリーとし、凝集剤(例えば、水酸化アルミニ
ウムなど)により、二酸化チタンをセルロース繊維に凝
集、定着させる方法、セルロース繊維を水などの溶媒に
分散させてスラリーとし、これに、予め前記凝集剤によ
り凝集させた酸化チタンを添加し、二酸化チタンをセル
ロース繊維に定着させる方法などが例示できる。なお、
水などを用いた抄紙用スラリー、特に有機溶媒を含んだ
スラリーに酸化チタンを添加すると、酸化チタンを均一
に分散させることが困難となる。しかし、前記のような
表面処理を施した酸化チタンを用いると、酸化チタンを
容易に分散でき、分散安定性を高めることができる。
【0032】本発明のたばこフィルター用巻紙は、前記
特定のアナターゼ型酸化チタンを含んでいればよく、前
記以外のアナターゼ型酸化チタン(例えば、比表面積3
0m 2 /g未満、一次粒子径0.001μm未満又は
0.07μmを越える未処理の酸化チタンなど)、ルチ
ル型酸化チタンを含んでいてもよい。
【0033】また、本発明のたばこフィルター用巻紙に
は、必要に応じて、前記酸化チタンに加えて、他の光分
解促進剤を含んでいてもよい。光分解促進剤としては、
例えば、ベンゾイン類;ベンゾインアルキルエーテル
類;ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジメチルアミ
ノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン及びその誘導
体;アセトフェノン、α,α−ジエトキシアセトフェノ
ンなどのアセトフェノン及びその誘導体;キノン類;チ
オキサントン類;フタロシアニンなどの光励起剤;エチ
レン−一酸化炭素共重合体;芳香族ケトンと金属塩とで
構成される増感剤;N,N−ジアルキルジチオカーバメ
ートなどが例示される。これらの光分解促進剤は単独で
または2種以上組合わせて使用できる。
【0034】[バインダー、その他の添加剤]本発明の
たばこフィルター用巻紙は、繊維間の接着性や抄紙性を
高めるために、バインダーを含んでいてもよい。バイン
ダーは、乾式抄造法により抄紙する場合等に特に有用で
ある。前記バインダーには、天然及び合成樹脂系のバイ
ンダーが含まれる。バインダーとしては、人体に悪影響
を及ぼさず、たばこ喫味及び自然環境下での光の作用に
よるたばこフィルター用巻紙の光分解性を損なわないも
のが使用される。このようなバインダーとしては、例え
ば、食品添加物の範疇に属し、臭気のないバインダーが
挙げられる。好ましいバインダーには、自然環境中の雨
水などの水の作用により溶解して、たばこフィルター巻
紙から流出しやすく、かつたばこフィルター用巻紙の光
分解性を損なわない水溶性バインダー(水溶性接着剤)
が含まれる。水溶性バインダーとして、天然物系接着剤
(例えば、デンプン、変性デンプン、可溶性デンプン、
デキストラン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、
カゼイン、ゼラチンなど);セルロース誘導体(例え
ば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、エチルセルロース、水溶性酢酸セルロースな
ど);合成樹脂系接着剤(例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、水溶性アクリル樹脂など)
等が例示される。これらのバインダーは1種または2種
以上使用できる。なお、非水溶性のバインダーであって
も、たばこフィルター用巻紙の光分解性を損なわない程
度の少量であれば使用してもよく、また、臭気を有する
バインダーであっても、たばこ喫味を損なわない程度の
ものであれば使用してもよい。バインダーの使用量は、
できる限り少量(例えば、たばこフィルター用巻紙全体
に対して10重量%以下)であることが好ましい。本発
明のたばこフィルター用巻紙は、さらに必要に応じて種
々の添加剤、例えば、酸化防止剤などの老化防止剤、充
填剤、帯電防止剤、着色剤、生分解促進剤、前記凝集剤
などを含んでいてもよい。
【0035】[たばこフィルター用巻紙の製造]本発明
のたばこフィルター用巻紙は、繊維が互いに絡み合った
不織布状の抄紙構造を有している。本発明のフィルター
用巻紙は、慣用の乾式抄造法又は湿式抄造法により容易
に製造できる。例えば、乾式抄造法では、酸化チタンと
セルロース繊維と、必要に応じてバインダーなどの他の
成分を含む混合組成物を、気流を用いてネットなどの通
気性支持体に吹き付けることにより、抄紙構造を有する
フィルター用巻紙を製造できる。また、湿式抄造法で
は、前記酸化チタンとセルロース繊維と、必要に応じて
凝集剤などの他の成分とを水などの溶媒に分散させてス
ラリーを調製し、このスラリーを多孔板などを備えた慣
用の湿式抄造機を用いて抄紙し、脱水、乾燥することに
より、本発明のフィルター用巻紙を製造できる。好まし
い抄造法には湿式抄造法が含まれる。たばこフィルター
用巻紙を湿式抄造により製造する場合、前記スラリーの
固形分濃度は、例えば0.005〜0.5重量%、好ま
しくは0.008〜0.3重量%程度である。
【0036】たばこフィルター用巻紙の坪量、密度、厚
みは、取扱作業性、光分解性等を損なわない範囲で適当
に定められる。たばこフィルター用巻紙の坪量は、例え
ば20〜40g/m2 、好ましくは25〜35g/m2
程度、密度は0.25〜0.45g/cm3 、好ましく
は0.30〜0.40g/cm3 程度であり、厚みは
0.02〜0.15mm、好ましくは0.03〜0.1
0mm程度である。坪量、密度、厚みが小さすぎると、
調製が困難になると共に、紙の強度が低下し、フィルタ
ー素材を巻上げる際の操作性が低下しやすい。また、坪
量、密度、厚さが大きすぎると、柔軟性が低下して、フ
ィルター巻上げ操作が困難になるとともに、自然環境下
での光の作用による光分解効率が低下しやすくなる。
【0037】本発明のたばこフィルター巻紙は、特定の
酸化チタンを含んでいるため、自然環境下において、光
の作用によるセルロース繊維の分解が速やかに進行する
と共に、自然環境中での外力(雨、風、人による踏付け
等)により光分解した部位からセルロース繊維の絡みが
ほぐれやすくなり、抄紙構造が崩壊する。そのため、保
管時や使用時には強度が高いにも拘らず、自然環境下で
は、フィルター素材から短期間内に脱離、除去される。
【0038】[たばこフィルター]本発明のたばこフィ
ルターは、フィルター素材が前記たばこフィルター用巻
紙で巻回され、ロッド状に成形されている。フィルター
素材としては、特に限定されず、たばこのフィルター素
材として通常用いられる自然環境下で崩壊性を有する素
材、例えば、水分散性、光分解性又は生分解性を有する
素材であれば特に限定されない。
【0039】フィルター素材を構成する材料として、例
えば、セルロースエステル繊維(セルロースアセテー
ト、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート
などの繊維);天然セルロース繊維(木材パルプ、種子
毛繊維、ジン皮繊維、葉繊維など)や再生セルロース繊
維(ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨンなど)
などのセルロース繊維;ポリプロピレン繊維などの合成
繊維などが含まれる。これらは1種で又は2種以上混合
して使用できる。フィルター素材を構成する好ましい材
料には、セルロースアセテート繊維などのセルロースエ
ステル繊維、木材パルプなどの天然セルロース繊維、ポ
リプロピレン繊維などの合成繊維、セルロースエステル
繊維と天然セルロース繊維との混合繊維(例えば、セル
ロースアセテート繊維と木材パルプとの混合繊維)など
が含まれる。
【0040】フィルター素材の形状は特に限定されない
が、繊維、繊維束(例えば、セルロースエステル繊維
束、再生セルロース繊維束、ポリプロピレン繊維束な
ど)又はシート状(例えば、木材パルプ、又は木材パル
プとセルロースエステル繊維などの他の繊維を抄造した
抄紙構造を有するシート)等の形状で使用される場合が
多い。シート状の素材は、フィルタープラグを通じて、
チャンネリングを抑制しつつ煙を円滑且つ均一に通過さ
せるため、クレープ加工又はエンボス加工されているの
が好ましい。
【0041】自然環境中での崩壊性に優れる好ましいフ
ィルター素材には、可塑剤により接着していないセルロ
ースエステル繊維束;水溶性高分子や生分解性高分子な
どを用いて接着したセルロースエステル繊維束;置換度
の小さいセルロースエステル繊維束;光分解促進剤や生
分解促進剤などを含有したセルロースエステル繊維束;
木材パルプ又は木材パルプとセルロースエステル繊維な
どの他の繊維を抄造し、必要に応じてクレープ加工又は
エンボス加工したシート状素材などが含まれる。
【0042】本発明のたばこフィルターは、気相成分の
選択的除去により、たばこ喫味を向上させるための添加
剤、例えば、活性炭、ゼオライトなどの吸着剤等を含ん
でいてもよい。吸着剤は繊維状であってもよいが、粉粒
状で使用される場合が多い。また、吸着剤は造粒活性炭
などのように、バインダーを用いて造粒した造粒物であ
ってもよい。
【0043】本発明のたばこフィルターは、フィルター
素材を前記たばこフィルター用巻紙で巻回し、ロッド状
に成形することにより製造することができる。例えば、
たばこフィルターは、(a)繊維状などのフィルター素
材をフィルターロッド成形用金型に充填して棒状に成形
し、前記たばこフィルター用巻紙で巻回する方法、
(b)シート状のフィルター素材をフィルタープラグ巻
上げ機に導入して、前記たばこフィルター用巻紙でロッ
ド状に巻き上げ、糊付けし、適当な長さに切断する方法
などにより得ることができる。
【0044】たばこフィルターの作製に際して、巻紙の
糊付け、巻上げられたフィルター素材と巻紙との糊付け
が必要な場合、自然環境下において、フィルター素材か
ら巻紙がより容易に脱離できるように、接着剤として前
記例示の水溶性接着剤を用いるのが好ましい。
【0045】
【発明の効果】本発明のたばこフィルター用巻紙は、特
定の酸化チタンを含むので、光分解性が高く、通常の保
管状態では分解しないものの、光線が作用する自然環境
下では光分解が速やかに進行する。また、自然環境下で
は、雨、風、人による踏付けなどの外力により、光分解
した部位から、より崩壊しやすくなる。そのため、巻紙
の抄紙構造が崩壊し、フィルター素材から短期間で除去
され、フィルター素材の有する自然環境下での崩壊性を
有効に発揮させることができる。本発明のたばこフィル
ターでは、フィルター素材が前記たばこフィルター巻紙
により巻回されているので、自然環境下において、フィ
ルター巻紙が容易に除去される。そのため、喫煙後に誤
って廃棄されたとしても、自然環境中で迅速に崩壊また
は分散するので、環境の美観を損ねることがなく、環境
汚染を軽減することができる。本発明のたばこフィルタ
ーの製造法によれば、上記の優れたたばこフィルターを
簡易に効率よく製造できる。
【0046】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0047】なお、本発明の実施例及び比較例におい
て、ショッパーリーグラー式ろ水度(叩解度)、紙坪
量、紙厚み、紙密度、たばこフィルター用巻紙光分解
性、喫味及びエタノール減少率は、下記の方法により測
定、評価した。
【0048】(1)ショッパーリーグラー式ろ水度(°
SR):JIS−P−8121 (2)紙坪量(g/m2 ):JIS−P−8124 (3)紙厚み(mm):JIS−P−8118 (4)紙密度(g/cm3 ):紙坪量(g/m2 )÷紙
厚み(mm)÷1000 (5)たばこフィルター用巻紙光分解性:長さ25mm
に切断したたばこフィルターの試料をダイセル化学工業
(株)フィルター研究所(大阪府堺市)敷地内の土地表
面に放置し、6か月経過後の形状変化を観察し、下記の
基準により評価した。
【0049】A:たばこフィルター用巻紙がほぼ完全に
分解し、フィルター素材から除去されている。
【0050】B:たばこフィルター用巻紙が半分程度分
解し、半分程度がフィルター素材から除去されている。
【0051】C:たばこフィルター用巻紙がほぼ原形を
とどめており、フィルター素材を巻回した状態のままで
ある。
【0052】(6)喫味:長さ25mmに切断したたば
こフィルターの試料を市販のたばこ(日本たばこ産業
(株)製マイルドセブン)の葉たばこ部分に接続したも
のについて、10人のパネラーにより、現行のフィルタ
ー巻紙を使用した場合との比較による喫味評価を行っ
た。
【0053】なお、上記のたばこフィルターに関する評
価については、温度22℃、相対湿度60%の雰囲気中
で24時間以上放置して、調湿した後の試料を用いて行
った。
【0054】(7)エタノール減少率:酸化チタン15
mg、エタノール100ppm及び水40mlで構成さ
れた反応系に、酸素存在下、キセノンランプ(1kW)
を25cmの距離から30分間照射し、紫外線照射によ
るエタノールの減少率を測定した。
【0055】実施例1 叩解度45゜SRの針葉樹漂白クラフトパルプ繊維10
0重量部と、アナターゼ型酸化チタン(A)(平均粒子
径0.03μm、比表面積75m2 /g、五酸化リン2
重量%とDL−トレオニン0.5重量%で表面処理、エ
タノール減少率61%)15重量部とを、300000
重量部の水に均一に分散した後、水酸化アルミニウムを
凝集剤として加え、酸化チタンをパルプ繊維に定着さ
せ、円網式抄紙機を用いて湿式抄紙し、脱水、乾燥した
後、26mm幅にスリットして、紙秤量33g/m2
紙密度0.37g/cm3 、紙厚み0.09mmのたば
こフィルター用巻紙を得た。得られたたばこフィルター
用巻紙を用いて、セルロースアセテート繊維のトウ(フ
ィラメント繊度:4.0デニール、トータル繊度:35
000デニール、断面形状:Y字状、置換度:2.4
5)をたばこフィルター用巻上機(ハウニ社製、KDF
2/AF1)で巻上げ、長さ25mmに切断して、たば
こフィルターを得た。得られたたばこフィルターについ
て、たばこフィルター用巻紙光分解性を測定したとこ
ろ、評価は「A」であり、自然環境中での光分解性は良
好であった。また、喫味については、市販のたばこと何
ら変わるところがなかった。
【0056】実施例2 酸化チタンとして、前記アナターゼ型酸化チタン(A)
10重量部と、アナターゼ型酸化チタン(B)(平均粒
子径0.3μm、比表面積9m2 /g、未処理、エタノ
ール減少率28%)5重量部とを用いた以外は、実施例
1と同様にしてたばこフィルターを得た。得られたたば
こフィルターについて、たばこフィルター用巻紙光分解
性を測定したところ、評価は「A」であり、自然環境中
での光分解性は良好であった。また、喫味については、
市販のたばこと何ら変わるところがなかった。
【0057】実施例3 酸化チタンとして、前記アナターゼ型酸化チタン(A)
10重量部と、ルチル型酸化チタン(C)(Kemir
a社製、Unitane OR−450、平均粒子径
0.2μm、比表面積6m2 /g、未処理、エタノール
減少率3%)5重量部とを用いた以外は、実施例1と同
様にしてたばこフィルターを得た。得られたたばこフィ
ルターについて、たばこフィルター用巻紙光分解性を測
定したところ、評価は「A」であり、自然環境中での光
分解性は良好であった。また、喫味については、市販の
たばこと何ら変わるところがなかった。
【0058】実施例4 酸化チタンとして、アナターゼ型酸化チタン(D)(平
均粒子径0.016μm、比表面積92m2 /g、五酸
化リン2.3重量%とDL−トレオニン0.7重量%で
表面処理、エタノール減少率66%)15重量部を用い
た以外は、実施例1と同様にしてたばこフィルターを得
た。得られたたばこフィルターについて、たばこフィル
ター用巻紙光分解性を測定したところ、評価は「A」で
あり、自然環境中での光分解性は良好であった。また、
喫味については、市販のたばこと何ら変わるところがな
かった。
【0059】実施例5 酸化チタンとして、前記アナターゼ型酸化チタン(D)
10重量部と、前記アナターゼ型酸化チタン(B)5重
量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてたばこフィ
ルターを得た。得られたたばこフィルターについて、た
ばこフィルター用巻紙光分解性を測定したところ、評価
は「A」であり、自然環境中での光分解性は良好であっ
た。また、喫味については、市販のたばこと何ら変わる
ところがなかった。
【0060】実施例6 酸化チタンとして、前記アナターゼ型酸化チタン(D)
10重量部と、前記ルチル型酸化チタン(C)5重量部
を用いた以外は、実施例1と同様にしてたばこフィルタ
ーを得た。得られたたばこフィルターについて、たばこ
フィルター用巻紙光分解性を測定したところ、評価は
「A」であり、自然環境中での光分解性は良好であっ
た。また、喫味については、市販のたばこと何ら変わる
ところがなかった。
【0061】比較例1 酸化チタンを添加しなかった点以外は、実施例1と同様
にして、たばこフィルターを得た。得られたたばこフィ
ルターについて、たばこフィルター用巻紙光分解性を測
定したところ、評価は「C」であり、自然環境中での光
分解性は極めて劣っていた。なお、喫味については、市
販のたばこと変わらなかった。
【0062】比較例2 酸化チタンとして、前記アナターゼ型酸化チタン(B)
15重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、た
ばこフィルターを得た。得られたたばこフィルターにつ
いて、たばこフィルター用巻紙光分解性を測定したとこ
ろ、評価は「B」〜「C」であり、自然環境中での光分
解性は劣っていた。なお、喫味については、市販のたば
こと変わらなかった。
【0063】比較例3 酸化チタンとして、前記ルチル型酸化チタン(C)15
重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、たばこ
フィルターを得た。得られたたばこフィルターについ
て、たばこフィルター用巻紙光分解性を測定したとこ
ろ、評価は「C」であり、自然環境中での光分解性は極
めて劣っていた。なお、喫味については、市販のたばこ
と変わらなかった。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース繊維で構成された抄紙構造を
    有するたばこフィルター用巻紙であって、(1)比表面
    積30m2 /g以上、(2)一次粒子径0.001〜
    0.07μm、又は(3)比表面積30m2 /g以上お
    よび一次粒子径0.001〜0.07μmの特性を有す
    るアナターゼ型酸化チタンを含むたばこフィルター用巻
    紙。
  2. 【請求項2】 酸化チタンが、リン化合物又はその塩、
    多価アルコールおよびアミノ酸又はその塩から選択され
    た少なくとも1つの成分により表面処理されている請求
    項1記載のたばこフィルター用巻紙。
  3. 【請求項3】 酸化チタンが、リン化合物又はその塩
    と、多価アルコールおよびアミノ酸又はその塩の少なく
    とも1つの成分とにより表面処理されている請求項1又
    は2記載のたばこフィルター用巻紙。
  4. 【請求項4】 酸化チタンが、リン酸又はその塩、グリ
    コール、およびアミノ酸を構成するアミノ基、カルボキ
    シル基以外にさらに親水性基を有するアミノ酸又はその
    塩からなる群から選択された少なくとも1つの成分によ
    り処理されている請求項1〜3のいずれかの項に記載の
    たばこフィルター用巻紙。
  5. 【請求項5】 酸化チタン100重量部に対する処理量
    が、0.01〜20重量部である請求項2〜4のいずれ
    かの項に記載のたばこフィルター用巻紙。
  6. 【請求項6】 酸化チタンが、遷移金属、貴金属又はそ
    の化合物を担持している請求項1記載のたばこフィルタ
    ー用巻紙。
  7. 【請求項7】 セルロース繊維で構成された抄紙構造を
    有するたばこフィルター用巻紙であって、リン化合物又
    はその塩、多価アルコールおよびアミノ酸又はその塩か
    ら選択された少なくとも1つの成分により表面処理され
    たアナターゼ型酸化チタンを含むたばこフィルター用巻
    紙。
  8. 【請求項8】 セルロース繊維が叩解パルプである請求
    項1又は7記載のたばこフィルター用巻紙。
  9. 【請求項9】 叩解パルプが木材パルプ由来の叩解パル
    プである請求項8記載のたばこフィルター用巻紙。
  10. 【請求項10】 セルロース繊維100重量部に対し
    て、酸化チタン0.1〜30重量部を含む請求項1又は
    7記載のたばこフィルター用巻紙。
  11. 【請求項11】 坪量が20〜40g/m2 、密度が
    0.25〜0.45g/cm3 、および厚みが0.02
    〜0.15mmである請求項1又は7記載のたばこフィ
    ルター用巻紙。
  12. 【請求項12】 フィルター素材と、このフィルター素
    材を巻回しロッド状に形成するための巻紙とで構成され
    たたばこフィルターであって、前記巻紙が請求項1又は
    7記載のたばこフィルター用巻紙であるたばこフィルタ
    ー。
  13. 【請求項13】 フィルター素材が、セルロースエステ
    ル繊維、木材パルプ、再生セルロース繊維およびポリプ
    ロピレン繊維から選択された少なくとも1種で構成され
    ている請求項12記載のたばこフィルター。
  14. 【請求項14】 フィルター素材を請求項1又は7記載
    のたばこフィルター用巻紙で巻回してロッド状に成形す
    るたばこフィルターの製造法。
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