JPH09316792A - たばこフィルター用巻紙及びそれを用いたたばこフィルター - Google Patents
たばこフィルター用巻紙及びそれを用いたたばこフィルターInfo
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- JPH09316792A JPH09316792A JP8158895A JP15889596A JPH09316792A JP H09316792 A JPH09316792 A JP H09316792A JP 8158895 A JP8158895 A JP 8158895A JP 15889596 A JP15889596 A JP 15889596A JP H09316792 A JPH09316792 A JP H09316792A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 自然環境下での水の作用によりフィルター素
材から容易に脱離可能なたばこフィルター用巻紙を得
る。 【解決手段】 たばこフィルター用巻紙は、少なくとも
表面がセルロースエステルで構成された繊維又は粉粒体
を30〜90重量%程度含む抄紙構造を有する。前記セ
ルロースエステルで構成された繊維として、セルロース
エステル短繊維、フィブリル化されたセルロースエステ
ル繊維、エステル化処理されたセルロース繊維、セルロ
ースエステルでコーティングされた繊維などを使用でき
る。たばこフィルター用巻紙は、さらに叩解パルプを含
んでいてもよい。前記セルロースエステルで構成された
繊維又は粉粒体と叩解パルプとの割合は、例えば、前者
/後者(重量比)=85/15〜35/65程度であ
る。フィルター素材を上記たばこフィルター用巻紙で巻
回し、ロッド状に成形することにより、自然環境下での
崩壊性に優れるたばこフィルターが得られる。
材から容易に脱離可能なたばこフィルター用巻紙を得
る。 【解決手段】 たばこフィルター用巻紙は、少なくとも
表面がセルロースエステルで構成された繊維又は粉粒体
を30〜90重量%程度含む抄紙構造を有する。前記セ
ルロースエステルで構成された繊維として、セルロース
エステル短繊維、フィブリル化されたセルロースエステ
ル繊維、エステル化処理されたセルロース繊維、セルロ
ースエステルでコーティングされた繊維などを使用でき
る。たばこフィルター用巻紙は、さらに叩解パルプを含
んでいてもよい。前記セルロースエステルで構成された
繊維又は粉粒体と叩解パルプとの割合は、例えば、前者
/後者(重量比)=85/15〜35/65程度であ
る。フィルター素材を上記たばこフィルター用巻紙で巻
回し、ロッド状に成形することにより、自然環境下での
崩壊性に優れるたばこフィルターが得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自然環境下で雨水
などの水の作用によりたばこフィルターから容易に剥離
又は分散するたばこフィルター用巻紙と、これを用いた
たばこフィルター及びその製造法に関する。
などの水の作用によりたばこフィルターから容易に剥離
又は分散するたばこフィルター用巻紙と、これを用いた
たばこフィルター及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】たばこ煙中の有害成分を除去するととも
に、喫味に優れるたばこフィルターとして、セルロース
エステルの繊維束で構成されたたばこフィルターが広く
使用されている。このたばこフィルターでは、フィルタ
ープラグの形状を維持し、且つフィルタープラグからフ
ィルターチップを切断するために必要な硬度を得るた
め、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテー
ト、トリエチレングリコールジプロピオネート、ジブチ
ルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、クエン酸
トリエチルエステルなどの可塑剤が使用されている。
に、喫味に優れるたばこフィルターとして、セルロース
エステルの繊維束で構成されたたばこフィルターが広く
使用されている。このたばこフィルターでは、フィルタ
ープラグの形状を維持し、且つフィルタープラグからフ
ィルターチップを切断するために必要な硬度を得るた
め、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテー
ト、トリエチレングリコールジプロピオネート、ジブチ
ルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、クエン酸
トリエチルエステルなどの可塑剤が使用されている。
【0003】しかし、上記たばこフィルターでは、前記
可塑剤がバインダーとしての機能を有し、この可塑剤に
よりセルロースエステル繊維同士が部分的に融着してい
るため、使用後に廃棄すると、環境中で形状が崩壊する
までに長時間を要し、美観を損なうだけでなく、環境汚
染の一因となる。
可塑剤がバインダーとしての機能を有し、この可塑剤に
よりセルロースエステル繊維同士が部分的に融着してい
るため、使用後に廃棄すると、環境中で形状が崩壊する
までに長時間を要し、美観を損なうだけでなく、環境汚
染の一因となる。
【0004】一方、木材パルプを原料とし、クレープ状
に加工した紙製のたばこフィルターや再生セルロース繊
維束からなるたばこフィルターも知られている。これら
のフィルターは、セルロースエステルの繊維束からなる
フィルターと比較して、自然環境中での崩壊性が若干高
く、環境汚染をある程度軽減できる。しかし、たばこの
喫味が劣ると共に、フィルターとして必要なフェノール
類の選択除去性がセルロースエステルに比べて極端に低
く、しかも、同じ圧力損失においてフィルター硬度がセ
ルロースエステルに比して低い。
に加工した紙製のたばこフィルターや再生セルロース繊
維束からなるたばこフィルターも知られている。これら
のフィルターは、セルロースエステルの繊維束からなる
フィルターと比較して、自然環境中での崩壊性が若干高
く、環境汚染をある程度軽減できる。しかし、たばこの
喫味が劣ると共に、フィルターとして必要なフェノール
類の選択除去性がセルロースエステルに比べて極端に低
く、しかも、同じ圧力損失においてフィルター硬度がセ
ルロースエステルに比して低い。
【0005】これに対し、最近、喫味、濾過性能に優
れ、さらに自然環境中での崩壊性に優れたたばこフィル
ターが検討されている。例えば、特開平8−47385
号公報には、セルロースエステルと木材パルプとを含む
水分散性の良好なシート状フィルター材料から製造され
たたばこフィルターが開示されている。また、特開平7
−75542号公報および特開平6−319512号公
報には、セルロースエステル繊維束を水溶性高分子を用
いて接着することにより製造された水分散性の優れたた
ばこフィルターが開示されている。さらに、特開平7−
99958号公報には、フィルター材料である繊維束を
水溶性高分子で接着し、あるいは接着することなく巻上
げたフィルターを短く切り、その複数個をさらに巻紙で
同時に巻上げることにより製造された水分散性の優れた
たたばこフィルターが開示されている。また、置換度の
小さいセルロースエステル繊維束を巻上げることにより
製造された生分解性の優れたたたばこフィルターや光分
解促進剤としてアナターゼ型酸化チタンを含有したセル
ロースエステル繊維束を巻上げることにより製造された
光分解性の優れたたたばこフィルターなども知られてい
る。
れ、さらに自然環境中での崩壊性に優れたたばこフィル
ターが検討されている。例えば、特開平8−47385
号公報には、セルロースエステルと木材パルプとを含む
水分散性の良好なシート状フィルター材料から製造され
たたばこフィルターが開示されている。また、特開平7
−75542号公報および特開平6−319512号公
報には、セルロースエステル繊維束を水溶性高分子を用
いて接着することにより製造された水分散性の優れたた
ばこフィルターが開示されている。さらに、特開平7−
99958号公報には、フィルター材料である繊維束を
水溶性高分子で接着し、あるいは接着することなく巻上
げたフィルターを短く切り、その複数個をさらに巻紙で
同時に巻上げることにより製造された水分散性の優れた
たたばこフィルターが開示されている。また、置換度の
小さいセルロースエステル繊維束を巻上げることにより
製造された生分解性の優れたたたばこフィルターや光分
解促進剤としてアナターゼ型酸化チタンを含有したセル
ロースエステル繊維束を巻上げることにより製造された
光分解性の優れたたたばこフィルターなども知られてい
る。
【0006】これらのたばこフィルターでは、確かにフ
ィルター素材の自然環境中での崩壊性が向上するもの
の、フィルター素材が自然環境中で十分な崩壊性を発揮
するためには、フィルター巻紙がフィルター素材から剥
離、除去されることが必要である。しかし、通常使用さ
れているフィルター巻紙は木材パルプを原料としてお
り、自然環境中での崩壊性又は分散性に乏しい。また、
フィルター巻紙を接着するために一般に用いられている
糊剤も、自然環境中で接着力はさほど低下しない。その
ため、自然環境中で、フィルター巻紙がフィルター素材
から除去されるには、非常に長時間を要し、フィルター
素材が本来持つ自然環境中での崩壊性が充分に発揮され
ない。
ィルター素材の自然環境中での崩壊性が向上するもの
の、フィルター素材が自然環境中で十分な崩壊性を発揮
するためには、フィルター巻紙がフィルター素材から剥
離、除去されることが必要である。しかし、通常使用さ
れているフィルター巻紙は木材パルプを原料としてお
り、自然環境中での崩壊性又は分散性に乏しい。また、
フィルター巻紙を接着するために一般に用いられている
糊剤も、自然環境中で接着力はさほど低下しない。その
ため、自然環境中で、フィルター巻紙がフィルター素材
から除去されるには、非常に長時間を要し、フィルター
素材が本来持つ自然環境中での崩壊性が充分に発揮され
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、自然環境下での水の作用によりフィルター素材から
容易に脱離可能なたばこフィルター用巻紙を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、自然環境下での水の作
用によりフィルター巻紙が容易に脱離可能なたばこフィ
ルターおよびその製造法を提供することにある。本発明
のさらに他の目的は、フィルター素材の自然環境中での
崩壊性が有効に発揮され、環境汚染を軽減できるたばこ
フィルター及びその製造法を提供することにある。
は、自然環境下での水の作用によりフィルター素材から
容易に脱離可能なたばこフィルター用巻紙を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、自然環境下での水の作
用によりフィルター巻紙が容易に脱離可能なたばこフィ
ルターおよびその製造法を提供することにある。本発明
のさらに他の目的は、フィルター素材の自然環境中での
崩壊性が有効に発揮され、環境汚染を軽減できるたばこ
フィルター及びその製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、フィルター素材を、
少なくとも表面がセルロースエステルで構成された繊維
又は粉粒体を含む抄紙構造を有する巻紙で巻回すると、
自然環境下で、雨水などの水の作用により巻紙が容易に
フィルター素材から脱離し、フィルター素材が本来有す
る自然環境中での崩壊性を有効に発揮させることができ
ることを見出だし、本発明を完成した。
を達成するため鋭意検討した結果、フィルター素材を、
少なくとも表面がセルロースエステルで構成された繊維
又は粉粒体を含む抄紙構造を有する巻紙で巻回すると、
自然環境下で、雨水などの水の作用により巻紙が容易に
フィルター素材から脱離し、フィルター素材が本来有す
る自然環境中での崩壊性を有効に発揮させることができ
ることを見出だし、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、少なくとも表面がセ
ルロースエステルで構成された繊維又は粉粒体を含む抄
紙構造を有するたばこフィルター用巻紙を提供する。前
記セルロースエステルで構成された繊維又は粉粒体の含
有量は全体の30〜90重量%程度である。前記セルロ
ースエステルで構成された繊維として、例えば、(a)
セルロースエステル短繊維、(b)フィブリル化された
セルロースエステル繊維、(c)エステル化処理された
セルロース繊維、(d)セルロースエステルでコーティ
ングされた繊維などを使用できる。たばこフィルター用
巻紙は、さらに、木材パルプなどの叩解パルプを含んで
いてもよい。
ルロースエステルで構成された繊維又は粉粒体を含む抄
紙構造を有するたばこフィルター用巻紙を提供する。前
記セルロースエステルで構成された繊維又は粉粒体の含
有量は全体の30〜90重量%程度である。前記セルロ
ースエステルで構成された繊維として、例えば、(a)
セルロースエステル短繊維、(b)フィブリル化された
セルロースエステル繊維、(c)エステル化処理された
セルロース繊維、(d)セルロースエステルでコーティ
ングされた繊維などを使用できる。たばこフィルター用
巻紙は、さらに、木材パルプなどの叩解パルプを含んで
いてもよい。
【0010】本発明は、また、フィルター素材と、この
フィルター素材を巻回しロッド状に形成するための巻紙
とで構成されたたばこフィルターであって、前記巻紙が
前記たばこフィルター用巻紙であるたばこフィルターを
提供する。前記フィルター素材は、セルロースエステル
繊維、木材パルプ、再生セルロース繊維、ポリプロピレ
ン繊維などで構成できる。
フィルター素材を巻回しロッド状に形成するための巻紙
とで構成されたたばこフィルターであって、前記巻紙が
前記たばこフィルター用巻紙であるたばこフィルターを
提供する。前記フィルター素材は、セルロースエステル
繊維、木材パルプ、再生セルロース繊維、ポリプロピレ
ン繊維などで構成できる。
【0011】本発明は、さらに、フィルター素材を前記
たばこフィルター用巻紙で巻回してロッド状に成形する
たばこフィルターの製造法を提供する。
たばこフィルター用巻紙で巻回してロッド状に成形する
たばこフィルターの製造法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のたばこフィルター用巻紙
は、少なくとも表面がセルロースエステルで構成された
繊維又は粉粒体を含んでいる。なお、本明細書におい
て、少なくとも表面がセルロースエステルで構成された
繊維又は粉粒体を、単に、セルロースエステルで構成さ
れた繊維又は粉粒体と称することがある。
は、少なくとも表面がセルロースエステルで構成された
繊維又は粉粒体を含んでいる。なお、本明細書におい
て、少なくとも表面がセルロースエステルで構成された
繊維又は粉粒体を、単に、セルロースエステルで構成さ
れた繊維又は粉粒体と称することがある。
【0013】セルロースエステルとしては、例えば、セ
ルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セル
ロースブチレートなどの有機酸エステル;硝酸セルロー
ス、硫酸セルロース、燐酸セルロースなどの無機酸エス
テル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロー
スアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレ
ート、硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル;および
ポリカプロラクトングラフト化セルロースアセテートな
どのセルロースエステル誘導体などが例示される。これ
らのセルロースエステルは、単独でまたは二種以上混合
して使用できる。
ルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セル
ロースブチレートなどの有機酸エステル;硝酸セルロー
ス、硫酸セルロース、燐酸セルロースなどの無機酸エス
テル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロー
スアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレ
ート、硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル;および
ポリカプロラクトングラフト化セルロースアセテートな
どのセルロースエステル誘導体などが例示される。これ
らのセルロースエステルは、単独でまたは二種以上混合
して使用できる。
【0014】セルロースエステルの平均重合度(粘度平
均重合度)は、通常10〜1000、好ましくは50〜
900、さらに好ましくは200〜800程度である。
平均重合度が小さすぎるとフィルター用巻紙の強度が低
下しやすく、平均重合度が大きすぎると成形性、生分解
性が低下しやすい。
均重合度)は、通常10〜1000、好ましくは50〜
900、さらに好ましくは200〜800程度である。
平均重合度が小さすぎるとフィルター用巻紙の強度が低
下しやすく、平均重合度が大きすぎると成形性、生分解
性が低下しやすい。
【0015】セルロースエステルの平均置換度は、例え
ば1〜3程度の範囲から選択できるが、平均置換度1〜
2.15、好ましくは1.1〜2.0程度のセルロース
エステルは、生分解性を高める上で有用である。
ば1〜3程度の範囲から選択できるが、平均置換度1〜
2.15、好ましくは1.1〜2.0程度のセルロース
エステルは、生分解性を高める上で有用である。
【0016】好ましいセルロースエステルには、有機酸
エステル(例えば炭素数2〜4程度の有機酸とのエステ
ル)、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロ
ピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテ
ートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート
などが含まれるが、特にセルロースアセテートが好まし
い。セルロースアセテートの酢化度は、43〜62%程
度である場合が多いが、酢化度30〜50%程度のセル
ロースエステルは、生分解性にも優れている。そのため
セルロースアセテートの酢化度は、30〜62%程度の
範囲で適当に選択できる。
エステル(例えば炭素数2〜4程度の有機酸とのエステ
ル)、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロ
ピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテ
ートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート
などが含まれるが、特にセルロースアセテートが好まし
い。セルロースアセテートの酢化度は、43〜62%程
度である場合が多いが、酢化度30〜50%程度のセル
ロースエステルは、生分解性にも優れている。そのため
セルロースアセテートの酢化度は、30〜62%程度の
範囲で適当に選択できる。
【0017】なお、前記セルロースエステルは、種々の
添加剤、例えば、カオリン、タルク、ケイソウ土、石
英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化
アルミニウムなどの無機微粉末;カルシウム、マグネシ
ウムなどのアルカリ土類金属の塩などの熱安定化剤;着
色剤、油剤、歩留まり向上剤、サイズ剤、活性炭などの
吸着剤などを含んでいてもよい。また、クエン酸、酒石
酸、リンゴ酸などの生分解促進剤、アナターゼ型酸化チ
タンなどの光分解促進剤などを含有させることにより、
セルロースエステルの環境分解性を高めることができ
る。また、セルロースエステルは、白色度改善剤を含む
場合が多い。前記酸化チタン、好ましくはアナターゼ型
酸化チタンは、白色度改善剤としても機能する。酸化チ
タンの平均粒子径は、例えば、0.1〜10μm、好ま
しくは0.2〜5μm程度である場合が多い。酸化チタ
ンの含有量は、セルロースエステル全体に対して、0.
05〜2.0重量%、好ましくは0.1〜1重量%、さ
らに好ましくは0.2〜0.8重量%程度であり、0.
4〜0.6重量%程度である場合が多い。
添加剤、例えば、カオリン、タルク、ケイソウ土、石
英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化
アルミニウムなどの無機微粉末;カルシウム、マグネシ
ウムなどのアルカリ土類金属の塩などの熱安定化剤;着
色剤、油剤、歩留まり向上剤、サイズ剤、活性炭などの
吸着剤などを含んでいてもよい。また、クエン酸、酒石
酸、リンゴ酸などの生分解促進剤、アナターゼ型酸化チ
タンなどの光分解促進剤などを含有させることにより、
セルロースエステルの環境分解性を高めることができ
る。また、セルロースエステルは、白色度改善剤を含む
場合が多い。前記酸化チタン、好ましくはアナターゼ型
酸化チタンは、白色度改善剤としても機能する。酸化チ
タンの平均粒子径は、例えば、0.1〜10μm、好ま
しくは0.2〜5μm程度である場合が多い。酸化チタ
ンの含有量は、セルロースエステル全体に対して、0.
05〜2.0重量%、好ましくは0.1〜1重量%、さ
らに好ましくは0.2〜0.8重量%程度であり、0.
4〜0.6重量%程度である場合が多い。
【0018】前記セルロースエステルで構成された繊維
および粉粒体は、必ずしもセルロースエステル単独で構
成されていなくてもよく、少なくとも表面がセルロース
エステルで構成されていればよい。また、前記繊維およ
び粉粒体の表面は少なくとも部分的にセルロースエステ
ルで構成されていればよい。前記セルロースエステルで
構成された繊維および粉粒体は、1種又は2種以上混合
して用いることができる。
および粉粒体は、必ずしもセルロースエステル単独で構
成されていなくてもよく、少なくとも表面がセルロース
エステルで構成されていればよい。また、前記繊維およ
び粉粒体の表面は少なくとも部分的にセルロースエステ
ルで構成されていればよい。前記セルロースエステルで
構成された繊維および粉粒体は、1種又は2種以上混合
して用いることができる。
【0019】少なくとも表面がセルロースエステルで構
成された繊維には、例えば、(a)セルロースエステル
短繊維、(b)フィブリル化されたセルロースエステル
繊維、(c)エステル化処理されたセルロース繊維およ
び(d)セルロースエステルでコーティングされた繊維
などが含まれる。
成された繊維には、例えば、(a)セルロースエステル
短繊維、(b)フィブリル化されたセルロースエステル
繊維、(c)エステル化処理されたセルロース繊維およ
び(d)セルロースエステルでコーティングされた繊維
などが含まれる。
【0020】(a)セルロースエステル短繊維は、例え
ば、慣用の紡糸法により製造された繊維を切断すること
により得ることができる。セルロースエステル短繊維の
平均繊維長は、湿式抄造などによるシート成形性を損な
わない範囲で選択でき、例えば、1〜20mm、好まし
くは1〜10mm(例えば、2〜8mm)程度であり、
3〜7mm程度である場合が多い。短繊維の繊維長が短
すぎると、短繊維の製造コストが上昇すると共に、シー
ト強度が低下し、フィルター素材の巻上げ操作時にシー
トが破断しやすくなる。また、繊維長が長すぎると、水
への分散性が低下し、湿式抄造によるシート化が困難に
なると共に、自然環境下での水による崩壊性も低下しや
すい。
ば、慣用の紡糸法により製造された繊維を切断すること
により得ることができる。セルロースエステル短繊維の
平均繊維長は、湿式抄造などによるシート成形性を損な
わない範囲で選択でき、例えば、1〜20mm、好まし
くは1〜10mm(例えば、2〜8mm)程度であり、
3〜7mm程度である場合が多い。短繊維の繊維長が短
すぎると、短繊維の製造コストが上昇すると共に、シー
ト強度が低下し、フィルター素材の巻上げ操作時にシー
トが破断しやすくなる。また、繊維長が長すぎると、水
への分散性が低下し、湿式抄造によるシート化が困難に
なると共に、自然環境下での水による崩壊性も低下しや
すい。
【0021】セルロースエステル短繊維の繊度は、例え
ば1〜10デニール、好ましくは2〜7デニール、さら
に好ましくは3〜6デニール程度である。繊度が小さす
ぎると、一般的な方法では効率よく製造するのが困難で
あり、紡糸に特殊な方法を必要とし、繊度が大きすぎる
と、抄紙して得られるシート(フィルター用巻紙)の強
度が低下するとともに、シートが嵩高くなり、フィルタ
ー素材の巻上げ操作が困難になる場合が生じる。
ば1〜10デニール、好ましくは2〜7デニール、さら
に好ましくは3〜6デニール程度である。繊度が小さす
ぎると、一般的な方法では効率よく製造するのが困難で
あり、紡糸に特殊な方法を必要とし、繊度が大きすぎる
と、抄紙して得られるシート(フィルター用巻紙)の強
度が低下するとともに、シートが嵩高くなり、フィルタ
ー素材の巻上げ操作が困難になる場合が生じる。
【0022】セルロースエステル短繊維は、捲縮繊維お
よび無捲縮繊維の何れであってもよいが、抄紙の操作
性、自然環境下での水による崩壊性、分散性の点から、
非捲縮繊維であるのがられる好ましい。
よび無捲縮繊維の何れであってもよいが、抄紙の操作
性、自然環境下での水による崩壊性、分散性の点から、
非捲縮繊維であるのがられる好ましい。
【0023】セルロースエステル短繊維の断面形状は、
特に制限されず、例えば、円形、楕円形、多角形、異形
断面形状、中空状などであってもよい。多角形や異形断
面のセルロースエステル短繊維において、フィルターの
通気抵抗を低減するとともに、硬度および濾過性能を高
めるためには、特願平6−292149号に記載されて
いるように、繊維の断面外縁に対する外接円の直径D1
と内接円の直径D2 との比R(=D1 /D2 )が2以上
(例えば、2.2〜6)、好ましくは2.3〜5、さら
に好ましくは3〜5程度のセルロース短繊維を用いるの
が有利である。異形断面形状の繊維には、断面形状が三
葉形、十字形、R字状、H字状、I字状、T字状、U字
状、V字状、Y字状、X字状、星形状などが含まれる。
好ましい異形断面形状の繊維には、例えば、X字形、Y
字形、H字形、I字形、R字状、特にX字形、Y字形、
H字形、I字形の断面形状を有する繊維が含まれる。中
でも、Y字形などの断面形状を有する繊維が好ましい。
特に制限されず、例えば、円形、楕円形、多角形、異形
断面形状、中空状などであってもよい。多角形や異形断
面のセルロースエステル短繊維において、フィルターの
通気抵抗を低減するとともに、硬度および濾過性能を高
めるためには、特願平6−292149号に記載されて
いるように、繊維の断面外縁に対する外接円の直径D1
と内接円の直径D2 との比R(=D1 /D2 )が2以上
(例えば、2.2〜6)、好ましくは2.3〜5、さら
に好ましくは3〜5程度のセルロース短繊維を用いるの
が有利である。異形断面形状の繊維には、断面形状が三
葉形、十字形、R字状、H字状、I字状、T字状、U字
状、V字状、Y字状、X字状、星形状などが含まれる。
好ましい異形断面形状の繊維には、例えば、X字形、Y
字形、H字形、I字形、R字状、特にX字形、Y字形、
H字形、I字形の断面形状を有する繊維が含まれる。中
でも、Y字形などの断面形状を有する繊維が好ましい。
【0024】(b)フィブリル化されたセルロースエス
テル繊維は、BET比表面積が、例えば0.5〜4.5
m2 /g、好ましくは0.5〜4m2 /g(例えば、1
〜3m2 /g)程度であり、0.7〜3.5m2 /g程
度である場合が多い。フィブリル化セルロースエステル
繊維は、通常、不規則に分岐した無定形の繊維状の形態
を有している。このようなフィブリル化セルロースエス
テル繊維は、フィブリル化されていない短繊維や、高度
にフィブリル化された微小繊維と異なり、強度が高いに
も拘らず、自然界における水による崩壊性に優れてお
り、高い強度と優れた崩壊性とを両立できる。
テル繊維は、BET比表面積が、例えば0.5〜4.5
m2 /g、好ましくは0.5〜4m2 /g(例えば、1
〜3m2 /g)程度であり、0.7〜3.5m2 /g程
度である場合が多い。フィブリル化セルロースエステル
繊維は、通常、不規則に分岐した無定形の繊維状の形態
を有している。このようなフィブリル化セルロースエス
テル繊維は、フィブリル化されていない短繊維や、高度
にフィブリル化された微小繊維と異なり、強度が高いに
も拘らず、自然界における水による崩壊性に優れてお
り、高い強度と優れた崩壊性とを両立できる。
【0025】フィブリル化セルロースエステル繊維の平
均直径は、例えば、15〜250μm(例えば20〜2
00μm程度)、好ましくは20〜200μm、より好
ましくは30〜150μm程度である。また、繊維長
は、素材の強度や成形性を損なわない範囲で適宜選択で
き、通常0.1〜10mm、好ましくは0.2〜5mm
程度である。
均直径は、例えば、15〜250μm(例えば20〜2
00μm程度)、好ましくは20〜200μm、より好
ましくは30〜150μm程度である。また、繊維長
は、素材の強度や成形性を損なわない範囲で適宜選択で
き、通常0.1〜10mm、好ましくは0.2〜5mm
程度である。
【0026】フィブリル化されたセルロースエステル繊
維には、セルロースエステル溶液をノズルから沈殿剤
(非溶媒又は貧溶媒)中に押出し、凝固するまでの間に
剪断力を作用することにより得られる不定形の繊維、
慣用の紡糸法により得られた繊維状セルロースエステル
を、このセルロースエステルの良溶媒と貧溶媒との混合
液に浸漬し、繊維の表面を膨潤させた状態で剪断力を作
用させることによりフィブリル化した繊維、セルロー
スエステル繊維を叩解することによりフィブリル化した
繊維などが含まれる。
維には、セルロースエステル溶液をノズルから沈殿剤
(非溶媒又は貧溶媒)中に押出し、凝固するまでの間に
剪断力を作用することにより得られる不定形の繊維、
慣用の紡糸法により得られた繊維状セルロースエステル
を、このセルロースエステルの良溶媒と貧溶媒との混合
液に浸漬し、繊維の表面を膨潤させた状態で剪断力を作
用させることによりフィブリル化した繊維、セルロー
スエステル繊維を叩解することによりフィブリル化した
繊維などが含まれる。
【0027】前記の方法においては、ノズルから吐出
した繊維状セルロースエステル溶液(繊維状紡糸液)に
剪断力を作用させることにより、沈殿剤(凝固剤)との
接触により、セルロースエステルが固化する前に部分的
にフィブリル化すると共に切断し、前記特定の平均直径
およびBET比表面積を有するフィブリル化されたセル
ロースエステル繊維を得ることができる。以下、必要に
応じて図面を参照しつつ、この方法について説明する。
した繊維状セルロースエステル溶液(繊維状紡糸液)に
剪断力を作用させることにより、沈殿剤(凝固剤)との
接触により、セルロースエステルが固化する前に部分的
にフィブリル化すると共に切断し、前記特定の平均直径
およびBET比表面積を有するフィブリル化されたセル
ロースエステル繊維を得ることができる。以下、必要に
応じて図面を参照しつつ、この方法について説明する。
【0028】上記の方法では、繊維状紡糸液に剪断力
を作用させながら紡糸できる種々の装置が使用できる。
このような装置は、凝固液が供給される流路と、この流
路内にセルロースエステル溶液(以下、単に紡糸液と称
する場合がある)を吐出するためのノズル手段と、ノズ
ル手段から押出された繊維状の紡糸液をカッティングす
るための切断手段とを備えている場合が多い。
を作用させながら紡糸できる種々の装置が使用できる。
このような装置は、凝固液が供給される流路と、この流
路内にセルロースエステル溶液(以下、単に紡糸液と称
する場合がある)を吐出するためのノズル手段と、ノズ
ル手段から押出された繊維状の紡糸液をカッティングす
るための切断手段とを備えている場合が多い。
【0029】図1は上記方法に利用できる製造装置の
一例を示す概略構成図、図2は図1に示す装置のノズル
手段の概略斜視図である。
一例を示す概略構成図、図2は図1に示す装置のノズル
手段の概略斜視図である。
【0030】図1及び図2に示す装置は、パイプ1aの
側壁で規定された、凝固液が供給される流路1と、この
流路1内に配設され、紡糸液を前記流路1内に吐出する
ためのノズル手段2と、このノズル手段から押出された
繊維状紡糸液に剪断力を作用させながらカッティングす
るためのカッティング手段6とを備えている。
側壁で規定された、凝固液が供給される流路1と、この
流路1内に配設され、紡糸液を前記流路1内に吐出する
ためのノズル手段2と、このノズル手段から押出された
繊維状紡糸液に剪断力を作用させながらカッティングす
るためのカッティング手段6とを備えている。
【0031】前記ノズル手段2は、紡糸液を供給するた
めの供給口4を備えた筒状のケーシング3と、このケー
シングのうち前記流路1の下流側の側壁に形成された複
数の細孔5とを備えている。また、前記カッティング手
段6は、前記ケーシング3内で軸方向に延びるシャフト
7と、このシャフトの端部に取付けられ、かつモーター
などの回転駆動源により回転可能なカッタ8とを備えて
いる。また、カッティング手段6のカッタ8は、前記ケ
ーシング3のうち、紡糸液が吐出される側壁に摺接また
は近接して回転可能である。
めの供給口4を備えた筒状のケーシング3と、このケー
シングのうち前記流路1の下流側の側壁に形成された複
数の細孔5とを備えている。また、前記カッティング手
段6は、前記ケーシング3内で軸方向に延びるシャフト
7と、このシャフトの端部に取付けられ、かつモーター
などの回転駆動源により回転可能なカッタ8とを備えて
いる。また、カッティング手段6のカッタ8は、前記ケ
ーシング3のうち、紡糸液が吐出される側壁に摺接また
は近接して回転可能である。
【0032】このような装置を用いると、供給口4から
ケーシング3内に加圧状態で供給された紡糸液は、ノズ
ル手段2の細孔5から吐出される。細孔5から吐出した
繊維状紡糸液は、カッティング手段6のカッタ8により
切断されるとともに、流路1内に供給された凝固液と接
触する。その際、回転駆動されたカッタ8の回転力およ
び攪拌力により、細孔5から吐出された繊維状紡糸液に
剪断力を作用させることができるので、繊維状紡糸液を
部分的にフィブリル化しながら、切断し、短繊維として
凝固できる。
ケーシング3内に加圧状態で供給された紡糸液は、ノズ
ル手段2の細孔5から吐出される。細孔5から吐出した
繊維状紡糸液は、カッティング手段6のカッタ8により
切断されるとともに、流路1内に供給された凝固液と接
触する。その際、回転駆動されたカッタ8の回転力およ
び攪拌力により、細孔5から吐出された繊維状紡糸液に
剪断力を作用させることができるので、繊維状紡糸液を
部分的にフィブリル化しながら、切断し、短繊維として
凝固できる。
【0033】図3は上記方法に利用できる他の製造装
置の一例を示す概略構成図、図4は図3に示す装置のノ
ズル手段の概略斜視図である。
置の一例を示す概略構成図、図4は図3に示す装置のノ
ズル手段の概略斜視図である。
【0034】図3及び図4に示す装置は、パイプ11a
の側壁で規定された、凝固液が供給される流路11と、
この流路11内に配設され、かつ紡糸液を前記流路11
内に吐出するためのノズル手段12と、このノズル手段
から押出された繊維状紡糸液に旋回流による剪断力を作
用させながらカッティングするためのカッティング手段
17とを備えている。
の側壁で規定された、凝固液が供給される流路11と、
この流路11内に配設され、かつ紡糸液を前記流路11
内に吐出するためのノズル手段12と、このノズル手段
から押出された繊維状紡糸液に旋回流による剪断力を作
用させながらカッティングするためのカッティング手段
17とを備えている。
【0035】前記ノズル手段12は、前記と同様に、供
給口14を備えた筒状のケーシング13と、このケーシ
ングのうち前記流路1の下流側の吐出側壁に形成された
複数の細孔15とを備えている。前記供給口14からケ
ーシング13内に加圧状態で供給された紡糸液は、ノズ
ル手段12の細孔15から吐出され、細孔15から吐出
した繊維状紡糸液16は、流路1内に供給された凝固液
と接触する。
給口14を備えた筒状のケーシング13と、このケーシ
ングのうち前記流路1の下流側の吐出側壁に形成された
複数の細孔15とを備えている。前記供給口14からケ
ーシング13内に加圧状態で供給された紡糸液は、ノズ
ル手段12の細孔15から吐出され、細孔15から吐出
した繊維状紡糸液16は、流路1内に供給された凝固液
と接触する。
【0036】そして、非固化状態の繊維状紡糸液に剪断
力を作用させながらカッティングするため、前記流路1
1のうち、前記細孔15が形成された吐出側壁とは離れ
た下流側には、回転可能なインペラ状のカッタ(図示せ
ず)を備えたカッティング手段17が設けられている。
そのため、回転駆動されたカッタの回転力および攪拌力
により、細孔15から吐出された繊維状紡糸液16に
は、凝固液により凝固作用が開始するとともに、前記カ
ッティング手段17の旋回流により剪断力が作用する。
従って、カッティング手段17により、繊維状紡糸液1
6を部分的にフィブリル化しながら、切断し、短繊維と
して凝固できる。
力を作用させながらカッティングするため、前記流路1
1のうち、前記細孔15が形成された吐出側壁とは離れ
た下流側には、回転可能なインペラ状のカッタ(図示せ
ず)を備えたカッティング手段17が設けられている。
そのため、回転駆動されたカッタの回転力および攪拌力
により、細孔15から吐出された繊維状紡糸液16に
は、凝固液により凝固作用が開始するとともに、前記カ
ッティング手段17の旋回流により剪断力が作用する。
従って、カッティング手段17により、繊維状紡糸液1
6を部分的にフィブリル化しながら、切断し、短繊維と
して凝固できる。
【0037】なお、前記カッティング手段のカッタは、
ケーシングの吐出側壁に近接して回転可能であってもよ
く、吐出壁から離れた位置で回転可能であってもよい。
また、フィブリル化の程度や繊維長は、前記紡糸液の吐
出速度、吐出壁とカッティング手段との距離、カッティ
ング手段による剪断力(カッタの回転速度)などにより
調整できる。なお、剪断力は、紡糸液が完全に凝固する
前に作用させればよく、部分的に凝固した繊維状紡糸液
に作用させてもよい。剪断力は、前記カッタの回転剪断
力、インペラの旋回流に限らず、ジェット流、パルス波
による衝撃などを利用して繊維状紡糸液に作用させても
よい。
ケーシングの吐出側壁に近接して回転可能であってもよ
く、吐出壁から離れた位置で回転可能であってもよい。
また、フィブリル化の程度や繊維長は、前記紡糸液の吐
出速度、吐出壁とカッティング手段との距離、カッティ
ング手段による剪断力(カッタの回転速度)などにより
調整できる。なお、剪断力は、紡糸液が完全に凝固する
前に作用させればよく、部分的に凝固した繊維状紡糸液
に作用させてもよい。剪断力は、前記カッタの回転剪断
力、インペラの旋回流に限らず、ジェット流、パルス波
による衝撃などを利用して繊維状紡糸液に作用させても
よい。
【0038】円形のノズルを用いる場合、ノズル口径
は、所望の繊維径などに応じて選択できるが、通常10
〜1000μm程度である。ノズルとしては、前記例示
の円形ノズルに限らず、前記円形ノズルと同程度の断面
積を有する異形ノズルなどを用いることができる。
は、所望の繊維径などに応じて選択できるが、通常10
〜1000μm程度である。ノズルとしては、前記例示
の円形ノズルに限らず、前記円形ノズルと同程度の断面
積を有する異形ノズルなどを用いることができる。
【0039】セルロースエステル溶液は、セルロースエ
ステルを良溶媒に溶解することにより調製できる。前記
良溶媒は、セルロースエステルの種類や平均置換度など
に応じて適宜選択でき、例えば、アセトン、メチルエチ
ルケトンなどのケトン類;ジオキサンなどのエーテル
類;酢酸などのカルボン酸;酢酸メチルなどのエステル
類;ジクロロメタンなどのハロゲン化アルキル類;これ
らの有機溶媒の混合溶媒;およびこれらの有機溶媒と水
および/又はアルコール類との混合溶媒などを用いるこ
とができる。セルロースエステル溶液におけるセルロー
スエステルの濃度は、通常2〜50重量%、好ましくは
5〜40重量%、より好ましくは10〜25重量%程度
である。前記凝固剤としては、例えば、水;メタノール
などのアルコール類;水と前記良溶媒との混合溶媒(ア
セトン−水混合溶媒、ジオキサン−水混合溶媒など)な
どが挙げられる。
ステルを良溶媒に溶解することにより調製できる。前記
良溶媒は、セルロースエステルの種類や平均置換度など
に応じて適宜選択でき、例えば、アセトン、メチルエチ
ルケトンなどのケトン類;ジオキサンなどのエーテル
類;酢酸などのカルボン酸;酢酸メチルなどのエステル
類;ジクロロメタンなどのハロゲン化アルキル類;これ
らの有機溶媒の混合溶媒;およびこれらの有機溶媒と水
および/又はアルコール類との混合溶媒などを用いるこ
とができる。セルロースエステル溶液におけるセルロー
スエステルの濃度は、通常2〜50重量%、好ましくは
5〜40重量%、より好ましくは10〜25重量%程度
である。前記凝固剤としては、例えば、水;メタノール
などのアルコール類;水と前記良溶媒との混合溶媒(ア
セトン−水混合溶媒、ジオキサン−水混合溶媒など)な
どが挙げられる。
【0040】(c)エステル化処理されたセルロース繊
維は、例えば、セルロースエステルの貧溶媒中でセルロ
ース繊維をエステル化(例えば、酢酸や無水酢酸による
アセチル化)した繊維、表面が有機酸又はその酸無水物
などによりエステル化されているセルロース繊維などが
含まれる。これらのエステル化繊維では、セルロース繊
維の繊維表面(表層部)はエステル化され、繊維内部
(芯部)は、非エステル化部分を含む。
維は、例えば、セルロースエステルの貧溶媒中でセルロ
ース繊維をエステル化(例えば、酢酸や無水酢酸による
アセチル化)した繊維、表面が有機酸又はその酸無水物
などによりエステル化されているセルロース繊維などが
含まれる。これらのエステル化繊維では、セルロース繊
維の繊維表面(表層部)はエステル化され、繊維内部
(芯部)は、非エステル化部分を含む。
【0041】このようなエステル化繊維の平均置換度
は、1.5以下(例えば、0.01〜1.5)、好まし
くは0.02〜1.2、より好ましくは0.05〜0.
5程度である。上記「平均置換度」とは、不均一にエス
テル化されたセルロース繊維の置換度の平均を表すもの
であり、いわゆる溶解法エステル化により製造される均
一に反応されたセルロースエステル繊維の置換度とは異
なる。
は、1.5以下(例えば、0.01〜1.5)、好まし
くは0.02〜1.2、より好ましくは0.05〜0.
5程度である。上記「平均置換度」とは、不均一にエス
テル化されたセルロース繊維の置換度の平均を表すもの
であり、いわゆる溶解法エステル化により製造される均
一に反応されたセルロースエステル繊維の置換度とは異
なる。
【0042】なお、エステル化された部分が分散染料で
染色でき、直接染料では染色できなず、未置換のセルロ
ース部分が直接染料で染色でき、分散染料では染色でき
ないことを利用して、例えば、エステルかセルロース繊
維を、直接染料又は分散染料で染色し、繊維断面を観察
することによりエステル化セルロース繊維のエステル化
の分布を確認できる。
染色でき、直接染料では染色できなず、未置換のセルロ
ース部分が直接染料で染色でき、分散染料では染色でき
ないことを利用して、例えば、エステルかセルロース繊
維を、直接染料又は分散染料で染色し、繊維断面を観察
することによりエステル化セルロース繊維のエステル化
の分布を確認できる。
【0043】エステル化セルロース繊維は、例えば、
セルロース繊維を、ヘキサン、トルエンなどのセルロー
スエステルに対する貧溶媒中で、触媒(ピリジンなどの
塩基、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの有機カルボ
ン酸のアルカリ金属塩など)の存在下、有機酸無水物又
は有機酸ハロゲン化物などで処理する方法(以下、触媒
法という)、セルロース繊維を、有機酸及び有機酸無
水物又は有機酸ハロゲン化物で処理する方法などにより
製造できる。前記セルロース繊維の繊維長は、例えば、
50〜3000μm、好ましくは100〜2000μm
程度である。
セルロース繊維を、ヘキサン、トルエンなどのセルロー
スエステルに対する貧溶媒中で、触媒(ピリジンなどの
塩基、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの有機カルボ
ン酸のアルカリ金属塩など)の存在下、有機酸無水物又
は有機酸ハロゲン化物などで処理する方法(以下、触媒
法という)、セルロース繊維を、有機酸及び有機酸無
水物又は有機酸ハロゲン化物で処理する方法などにより
製造できる。前記セルロース繊維の繊維長は、例えば、
50〜3000μm、好ましくは100〜2000μm
程度である。
【0044】後者の方法では、触媒の存在下又は非存
在下で処理できる。前記有機酸としては、前記セルロー
スエステルに対応する有機酸、例えば、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸などの炭素数2〜4程度の脂肪族飽和カルボ
ン酸などが例示される。前記有機酸無水物又は有機酸ハ
ロゲン化物としては、前記有機酸の酸無水物、塩化物、
臭化物、ヨウ化物などのハロゲン化物が使用できる。有
機酸、有機酸無水物又は有機酸ハロゲン化物の使用量
は、セルロース繊維原料に対して、重量比で5〜500
倍、好ましくは20〜200倍程度の広い範囲から選択
できる。
在下で処理できる。前記有機酸としては、前記セルロー
スエステルに対応する有機酸、例えば、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸などの炭素数2〜4程度の脂肪族飽和カルボ
ン酸などが例示される。前記有機酸無水物又は有機酸ハ
ロゲン化物としては、前記有機酸の酸無水物、塩化物、
臭化物、ヨウ化物などのハロゲン化物が使用できる。有
機酸、有機酸無水物又は有機酸ハロゲン化物の使用量
は、セルロース繊維原料に対して、重量比で5〜500
倍、好ましくは20〜200倍程度の広い範囲から選択
できる。
【0045】エステル化処理において、反応温度は、通
常、40〜120℃、好ましくは60〜100℃程度、
反応時間は、通常10分〜10時間、好ましくは30分
〜3時間程度である。
常、40〜120℃、好ましくは60〜100℃程度、
反応時間は、通常10分〜10時間、好ましくは30分
〜3時間程度である。
【0046】(d)セルロースエステルでコーティング
された繊維には、木材パルプなどの繊維状セルロース等
の繊維をセルロースエステルで被覆したものである。表
面がセルロースエステルで被覆された被覆繊維は、セル
ロース繊維などの繊維の表面が少なくとも部分的にセル
ロースエステルで被覆されていればよいが、表面全体が
ほぼ均一に被覆されていることが好ましい。繊維として
は、天然繊維、合成繊維のいずれであってもよいが、木
材パルプなどのセルロース繊維が好ましい。
された繊維には、木材パルプなどの繊維状セルロース等
の繊維をセルロースエステルで被覆したものである。表
面がセルロースエステルで被覆された被覆繊維は、セル
ロース繊維などの繊維の表面が少なくとも部分的にセル
ロースエステルで被覆されていればよいが、表面全体が
ほぼ均一に被覆されていることが好ましい。繊維として
は、天然繊維、合成繊維のいずれであってもよいが、木
材パルプなどのセルロース繊維が好ましい。
【0047】前記被覆繊維におけるセルロースエステル
の被覆量は、例えば、被覆繊維の総量に対して、0.1
重量%以上(例えば0.1〜50重量%程度)、好まし
くは1〜30重量%、より好ましくは5〜15重量%程
度であり、0.5〜15重量%、特に1〜12重量%程
度である場合が多い。セルロースエステルで被覆される
繊維の繊維長は、例えば、50〜3000μm、好まし
くは100〜2000μm程度である。
の被覆量は、例えば、被覆繊維の総量に対して、0.1
重量%以上(例えば0.1〜50重量%程度)、好まし
くは1〜30重量%、より好ましくは5〜15重量%程
度であり、0.5〜15重量%、特に1〜12重量%程
度である場合が多い。セルロースエステルで被覆される
繊維の繊維長は、例えば、50〜3000μm、好まし
くは100〜2000μm程度である。
【0048】前記エステル化セルロース繊維(c)、被
覆繊維(d)において、好ましい繊維には、フィブリル
化した繊維が含まれる。このようなフィブリル化繊維
は、後述する叩解パルプなどのように、叩解などにより
フィブリル化したセルロース繊維をエステル化又はコー
ティングする方法、エステル化セルロース繊維又は被覆
セルロース繊維を叩解などによりフィブリル化する方法
により得ることができる。
覆繊維(d)において、好ましい繊維には、フィブリル
化した繊維が含まれる。このようなフィブリル化繊維
は、後述する叩解パルプなどのように、叩解などにより
フィブリル化したセルロース繊維をエステル化又はコー
ティングする方法、エステル化セルロース繊維又は被覆
セルロース繊維を叩解などによりフィブリル化する方法
により得ることができる。
【0049】前記少なくとも表面がセルロースエステル
で構成された繊維の繊維径及び繊維長は、湿式抄造にお
いて繊維間に有効に保持され、紙力発現に寄与する範囲
で選択でき、アスペクト比5以上であるのが好ましい。
上記繊維の繊維径は0.01〜100μm(例えば、1
〜50μm)程度であり、繊維長は0.1mm〜5cm
程度の範囲から選択でき、0.1〜10mm(例えば、
0.5〜4mm)程度である場合が多い。上記のセルロ
ースエステルで構成された繊維は、1種又は2種以上混
合して使用できる。
で構成された繊維の繊維径及び繊維長は、湿式抄造にお
いて繊維間に有効に保持され、紙力発現に寄与する範囲
で選択でき、アスペクト比5以上であるのが好ましい。
上記繊維の繊維径は0.01〜100μm(例えば、1
〜50μm)程度であり、繊維長は0.1mm〜5cm
程度の範囲から選択でき、0.1〜10mm(例えば、
0.5〜4mm)程度である場合が多い。上記のセルロ
ースエステルで構成された繊維は、1種又は2種以上混
合して使用できる。
【0050】少なくとも表面がセルロースエステルで構
成された粉粒体には、セルロースエステルの粉粒体、エ
ステル化処理したセルロース粉粒体、セルロースエステ
ルで被覆された粉粒体などが含まれる。
成された粉粒体には、セルロースエステルの粉粒体、エ
ステル化処理したセルロース粉粒体、セルロースエステ
ルで被覆された粉粒体などが含まれる。
【0051】セルロースエステルの粉粒体は、例えば、
慣用の成形法により粉粒状に成形したり、塊状等のセル
ロースエステルを慣用の粉砕手段により所望の大きさに
粉砕することにより得ることができる。エステル化処理
したセルロース粉粒体は、例えば、セルロースの粉粒体
を、前記エステル化処理されたセルロース繊維を得る方
法に準じてエステル化することにより製造することがで
きる。セルロースエステルで被覆された粉粒体は、慣用
のコーティング法により、セルロース粉末などの粉粒体
の表面をセルロースエステルでコーティングすることに
より得られる。セルロースエステルで被覆された粉粒体
におけるセルロースエステルの被覆量は、前記セルロー
スエステルでコーティングされた繊維と同程度である。
慣用の成形法により粉粒状に成形したり、塊状等のセル
ロースエステルを慣用の粉砕手段により所望の大きさに
粉砕することにより得ることができる。エステル化処理
したセルロース粉粒体は、例えば、セルロースの粉粒体
を、前記エステル化処理されたセルロース繊維を得る方
法に準じてエステル化することにより製造することがで
きる。セルロースエステルで被覆された粉粒体は、慣用
のコーティング法により、セルロース粉末などの粉粒体
の表面をセルロースエステルでコーティングすることに
より得られる。セルロースエステルで被覆された粉粒体
におけるセルロースエステルの被覆量は、前記セルロー
スエステルでコーティングされた繊維と同程度である。
【0052】前記セルロースエステルで構成された粉粒
体の粒度は、抄造性や崩壊性を損なわない広い範囲で選
択でき、例えば、平均粒度は、0.1〜600μm、好
ましくは10〜500μm程度、さらに好ましくは20
〜250μm程度である。前記粒度が小さすぎると、粉
粒体がフィルター用巻紙から脱離しやすく、逆に大きす
ぎると、フィルター用巻紙の表面平滑性が低下しやす
い。上記セルロースエステルで構成された粉粒体は、1
種又は2種以上組合わせて用いてもよい。
体の粒度は、抄造性や崩壊性を損なわない広い範囲で選
択でき、例えば、平均粒度は、0.1〜600μm、好
ましくは10〜500μm程度、さらに好ましくは20
〜250μm程度である。前記粒度が小さすぎると、粉
粒体がフィルター用巻紙から脱離しやすく、逆に大きす
ぎると、フィルター用巻紙の表面平滑性が低下しやす
い。上記セルロースエステルで構成された粉粒体は、1
種又は2種以上組合わせて用いてもよい。
【0053】本発明のたばこフィルター用巻紙におい
て、前記セルロースエステルで構成された繊維及び粉粒
体の総含有量は、特に限定されないが、通常30〜90
重量%、好ましくは40〜80重量%、さらに好ましく
は50〜70重量%程度である。セルロースエステルで
構成された繊維および粉粒体の含有量が少なすぎると、
自然環境下における水による崩壊性、分散性が低下しや
すく、逆に多すぎると強度が低下しやすくなる。
て、前記セルロースエステルで構成された繊維及び粉粒
体の総含有量は、特に限定されないが、通常30〜90
重量%、好ましくは40〜80重量%、さらに好ましく
は50〜70重量%程度である。セルロースエステルで
構成された繊維および粉粒体の含有量が少なすぎると、
自然環境下における水による崩壊性、分散性が低下しや
すく、逆に多すぎると強度が低下しやすくなる。
【0054】本発明のたばこフィルター用巻紙は、前記
セルロースエステルで構成された繊維又は粉粒体に加え
て、前記繊維以外の繊維状物質を含んでいてもよい。こ
のような繊維状物質としては、例えば、天然セルロース
繊維[木材繊維(針葉樹、広葉樹などの木材パルプな
ど)、種子毛繊維(リンターなどの綿花、ボンバックス
綿、カポックなど)、ジン皮繊維(例えば、麻、コウ
ゾ、ミツマタなど)、葉繊維(例えば、マニラ麻、ニュ
ージーランド麻など)]、合成繊維(ポリプロピレン繊
維)などが含まれる。これらの繊維状物質は1種で又は
2種以上混合して使用できる。このような繊維状物質を
セルロースエステルで構成された繊維又は粉粒体と併用
すると、紙の強度を向上できるとともに、セルロースエ
ステル短繊維やセルロースエステルで構成された粉粒体
を用いた場合でも、抄紙性が向上し、高いシート成形性
を付与できる。
セルロースエステルで構成された繊維又は粉粒体に加え
て、前記繊維以外の繊維状物質を含んでいてもよい。こ
のような繊維状物質としては、例えば、天然セルロース
繊維[木材繊維(針葉樹、広葉樹などの木材パルプな
ど)、種子毛繊維(リンターなどの綿花、ボンバックス
綿、カポックなど)、ジン皮繊維(例えば、麻、コウ
ゾ、ミツマタなど)、葉繊維(例えば、マニラ麻、ニュ
ージーランド麻など)]、合成繊維(ポリプロピレン繊
維)などが含まれる。これらの繊維状物質は1種で又は
2種以上混合して使用できる。このような繊維状物質を
セルロースエステルで構成された繊維又は粉粒体と併用
すると、紙の強度を向上できるとともに、セルロースエ
ステル短繊維やセルロースエステルで構成された粉粒体
を用いた場合でも、抄紙性が向上し、高いシート成形性
を付与できる。
【0055】前記繊維状物質はパルプ化されていてもよ
く、このパルプは叩解又は未叩解パルプであってもよ
い。好ましい繊維状物質には、叩解パルプが含まれる。
なお、「叩解パルプ」とは、慣用の叩解機または解砕機
で叩解した木材パルプ、リンター、麻などの天然セルロ
ース繊維パルプのほか、合成繊維のパルプも含む意味に
用いる。叩解パルプは、叩解により繊維がフィブリル化
されており、抄紙性に優れる。叩解パルプとしては、例
えば、サルファイト法、クラフト法などの慣用の方法に
より、広葉樹、針葉樹などから得られる木材パルプを用
いる場合が多い。
く、このパルプは叩解又は未叩解パルプであってもよ
い。好ましい繊維状物質には、叩解パルプが含まれる。
なお、「叩解パルプ」とは、慣用の叩解機または解砕機
で叩解した木材パルプ、リンター、麻などの天然セルロ
ース繊維パルプのほか、合成繊維のパルプも含む意味に
用いる。叩解パルプは、叩解により繊維がフィブリル化
されており、抄紙性に優れる。叩解パルプとしては、例
えば、サルファイト法、クラフト法などの慣用の方法に
より、広葉樹、針葉樹などから得られる木材パルプを用
いる場合が多い。
【0056】叩解パルプの叩解度は、抄紙性などを損な
わない範囲で選択でき、例えば、ショッパーリーグラー
式ろ水度で20〜90°SR、好ましくは20〜80°
SR、さらに好ましくは30〜70°SR程度であり、
30〜60°SR程度である場合が多い。叩解度が低す
ぎると、絡み合いによる繊維間(例えば、叩解パルプと
セルロースエステル短繊維)の接着が充分に行われず、
シート強度が低下しやすい。叩解度が高すぎると繊維間
の結合力、接着力が強くなりすぎ、シート密度が高くな
り、自然環境下での水の作用による崩壊性が低下しやす
い。
わない範囲で選択でき、例えば、ショッパーリーグラー
式ろ水度で20〜90°SR、好ましくは20〜80°
SR、さらに好ましくは30〜70°SR程度であり、
30〜60°SR程度である場合が多い。叩解度が低す
ぎると、絡み合いによる繊維間(例えば、叩解パルプと
セルロースエステル短繊維)の接着が充分に行われず、
シート強度が低下しやすい。叩解度が高すぎると繊維間
の結合力、接着力が強くなりすぎ、シート密度が高くな
り、自然環境下での水の作用による崩壊性が低下しやす
い。
【0057】セルロースエステルで構成された繊維又は
粉粒体と叩解パルプとの割合は、前記繊維又は粉粒体の
種類に応じて適当に選択できるが、例えば、前者/後者
(重量比)=100/0〜30/70(例えば90/1
0〜30/70)、好ましくは85/15〜35/6
5、さらに好ましくは80/20〜40/60程度であ
り、70/30〜50/50程度である場合が多い。
粉粒体と叩解パルプとの割合は、前記繊維又は粉粒体の
種類に応じて適当に選択できるが、例えば、前者/後者
(重量比)=100/0〜30/70(例えば90/1
0〜30/70)、好ましくは85/15〜35/6
5、さらに好ましくは80/20〜40/60程度であ
り、70/30〜50/50程度である場合が多い。
【0058】本発明のたばこフィルター用巻紙におい
て、前記セルロースエステルで構成された繊維と、それ
以外の前記繊維状物質の総含有量は、抄紙性、シート成
形性を高めるため、例えば50重量%以上、好ましくは
70重量%以上(例えば80重量%以上)、さらに好ま
しくは90重量%以上であり、実質的に前記繊維および
繊維状物質のみで構成されていてもよい。
て、前記セルロースエステルで構成された繊維と、それ
以外の前記繊維状物質の総含有量は、抄紙性、シート成
形性を高めるため、例えば50重量%以上、好ましくは
70重量%以上(例えば80重量%以上)、さらに好ま
しくは90重量%以上であり、実質的に前記繊維および
繊維状物質のみで構成されていてもよい。
【0059】本発明のたばこフィルター用巻紙は、繊維
間の接着性や抄紙性を高めるために、バインダーを含ん
でいてもよい。バインダーは、セルロースエステルで構
成された粉粒体を用いた場合、短繊維の含有量が多い繊
維を用いた場合、乾式抄造法により抄紙する場合等に特
に有用である。
間の接着性や抄紙性を高めるために、バインダーを含ん
でいてもよい。バインダーは、セルロースエステルで構
成された粉粒体を用いた場合、短繊維の含有量が多い繊
維を用いた場合、乾式抄造法により抄紙する場合等に特
に有用である。
【0060】前記バインダーには、天然及び合成樹脂系
のバインダーが含まれる。バインダーとしては、人体に
悪影響を及ぼさず、たばこ喫味及び自然環境下での水の
作用による崩壊性を損なわないものが使用される。この
ようなバインダーとしては、例えば、食品添加物の範疇
に属し、臭気のないバインダーが挙げられる。
のバインダーが含まれる。バインダーとしては、人体に
悪影響を及ぼさず、たばこ喫味及び自然環境下での水の
作用による崩壊性を損なわないものが使用される。この
ようなバインダーとしては、例えば、食品添加物の範疇
に属し、臭気のないバインダーが挙げられる。
【0061】好ましいバインダーには、水溶性バインダ
ー(水溶性接着剤)が含まれる。水溶性バインダーとし
て、天然物系接着剤(例えば、デンプン、変性デンプ
ン、可溶性デンプン、デキストラン、アラビアゴム、ア
ルギン酸ナトリウム、カゼイン、ゼラチンなど);セル
ロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、水溶
性酢酸セルロースなど);合成樹脂系接着剤(例えば、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性
アクリル樹脂、ポリアルキレンオキサイド樹脂など)等
が例示される。これらのバインダーは1種または2種以
上使用できる。なお、非水溶性のバインダーであって
も、崩壊性を損なわない程度の少量であれば使用しても
よく、また、臭気を有するバインダーであっても、たば
こ喫味を損なわない程度のものであれば使用してもよ
い。
ー(水溶性接着剤)が含まれる。水溶性バインダーとし
て、天然物系接着剤(例えば、デンプン、変性デンプ
ン、可溶性デンプン、デキストラン、アラビアゴム、ア
ルギン酸ナトリウム、カゼイン、ゼラチンなど);セル
ロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、水溶
性酢酸セルロースなど);合成樹脂系接着剤(例えば、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性
アクリル樹脂、ポリアルキレンオキサイド樹脂など)等
が例示される。これらのバインダーは1種または2種以
上使用できる。なお、非水溶性のバインダーであって
も、崩壊性を損なわない程度の少量であれば使用しても
よく、また、臭気を有するバインダーであっても、たば
こ喫味を損なわない程度のものであれば使用してもよ
い。
【0062】バインダーの使用量は、できる限り少量
(例えば、たばこフィルター用巻紙全体に対して10重
量%以下)であることが好ましい。
(例えば、たばこフィルター用巻紙全体に対して10重
量%以下)であることが好ましい。
【0063】本発明のたばこフィルター用巻紙は、セル
ロースエステルに慣用の可塑剤を含有しないのが好まし
いが、自然環境下での水の作用による崩壊性を損なわな
い範囲で含んでいてもよい。また、たばこフィルター用
巻紙は、種々の添加剤を含んでいてもよい。このような
添加剤としては、前記セルロースエステルが含んでいて
もよい添加剤として例示したものなどが挙げられる。
ロースエステルに慣用の可塑剤を含有しないのが好まし
いが、自然環境下での水の作用による崩壊性を損なわな
い範囲で含んでいてもよい。また、たばこフィルター用
巻紙は、種々の添加剤を含んでいてもよい。このような
添加剤としては、前記セルロースエステルが含んでいて
もよい添加剤として例示したものなどが挙げられる。
【0064】本発明のたばこフィルター用巻紙は、繊維
が互いに絡み合った不織布状の抄紙構造を有している。
このような巻紙は、乾燥時の紙力が大きく、しかも雨水
などの水により、容易に崩壊する。
が互いに絡み合った不織布状の抄紙構造を有している。
このような巻紙は、乾燥時の紙力が大きく、しかも雨水
などの水により、容易に崩壊する。
【0065】本発明のフィルター用巻紙は、慣用の乾式
抄造法又は湿式抄造法により容易に製造できる。例え
ば、乾式抄造法では、繊維状又は粉粒状のセルロースエ
ステルと、必要に応じて叩解パルプなどの他の成分を含
む繊維混合物を、気流を用いてネットなどの通気性支持
体に吹き付けることにより、抄紙構造を有するフィルタ
ー用巻紙を製造できる。また、湿式抄造法では、前記セ
ルロースエステルと必要に応じて他の成分とを水に分散
させて繊維を含むスラリーを調製し、このスラリーを多
孔板などを備えた慣用の湿式抄造機を用いて抄紙し、脱
水、乾燥することにより、本発明のフィルター用巻紙を
製造できる。好ましい抄造法には湿式抄造法が含まれ
る。
抄造法又は湿式抄造法により容易に製造できる。例え
ば、乾式抄造法では、繊維状又は粉粒状のセルロースエ
ステルと、必要に応じて叩解パルプなどの他の成分を含
む繊維混合物を、気流を用いてネットなどの通気性支持
体に吹き付けることにより、抄紙構造を有するフィルタ
ー用巻紙を製造できる。また、湿式抄造法では、前記セ
ルロースエステルと必要に応じて他の成分とを水に分散
させて繊維を含むスラリーを調製し、このスラリーを多
孔板などを備えた慣用の湿式抄造機を用いて抄紙し、脱
水、乾燥することにより、本発明のフィルター用巻紙を
製造できる。好ましい抄造法には湿式抄造法が含まれ
る。
【0066】フィルター用巻紙を湿式抄造により製造す
る場合、前記スラリーの固形分濃度は、例えば0.00
5〜0.5重量%、好ましくは0.008〜0.3重量
%程度である。
る場合、前記スラリーの固形分濃度は、例えば0.00
5〜0.5重量%、好ましくは0.008〜0.3重量
%程度である。
【0067】たばこフィルター用巻紙の坪量、密度、厚
みは、取扱作業性、崩壊性等を損なわない範囲で適当に
定められる。たばこフィルター用巻紙の坪量は、例えば
20〜40g/m2 、好ましくは25〜35g/m2 程
度、密度は0.25〜0.45g/m3 、好ましくは
0.30〜0.40g/m3 程度であり、厚みは0.0
25〜0.15mm、好ましくは0.03〜0.10m
m程度である。坪量、密度、厚みが小さすぎると、調製
が困難になると共に、紙の強度が低下し、フィルター素
材を巻上げる際の操作性が低下しやすい。また、坪量、
密度、厚さが大きすぎると、柔軟性が低下して、フィル
ター巻上げ操作が困難になるとともに、自然環境下での
水の作用による崩壊性が低下しやすくなる。
みは、取扱作業性、崩壊性等を損なわない範囲で適当に
定められる。たばこフィルター用巻紙の坪量は、例えば
20〜40g/m2 、好ましくは25〜35g/m2 程
度、密度は0.25〜0.45g/m3 、好ましくは
0.30〜0.40g/m3 程度であり、厚みは0.0
25〜0.15mm、好ましくは0.03〜0.10m
m程度である。坪量、密度、厚みが小さすぎると、調製
が困難になると共に、紙の強度が低下し、フィルター素
材を巻上げる際の操作性が低下しやすい。また、坪量、
密度、厚さが大きすぎると、柔軟性が低下して、フィル
ター巻上げ操作が困難になるとともに、自然環境下での
水の作用による崩壊性が低下しやすくなる。
【0068】本発明のたばこフィルター用巻紙は、抄紙
構造を有するとともに、少なくとも表面がセルロースエ
ステルで構成された繊維又は粉粒体を含むので、乾燥状
態においては強度が高く、しかもたばこを口にくわえた
際に付着する唾液程度では容易には崩壊しないにも拘ら
ず、自然環境下に置かれた場合、主に、雨水などの水を
吸収したたばこフィルターが膨潤する際の応力により、
抄紙構造を構成する繊維等の絡み合いが容易に解け、迅
速に崩壊、分散する。そのため、シート状のフィルター
素材を巻上げても、フィルター素材を所定形状に確実に
保持できると共に、このような巻紙を用いたたばこフィ
ルターが誤って自然環境中に廃棄されたとしても、フィ
ルター素材から容易に脱離するので、フィルター素材の
有する自然環境中での崩壊性が有効に発揮され、環境汚
染を軽減できる。また、セルロースエステルで構成され
た繊維又は粉粒体を含むので、たばこの喫味を損なうこ
とがない。
構造を有するとともに、少なくとも表面がセルロースエ
ステルで構成された繊維又は粉粒体を含むので、乾燥状
態においては強度が高く、しかもたばこを口にくわえた
際に付着する唾液程度では容易には崩壊しないにも拘ら
ず、自然環境下に置かれた場合、主に、雨水などの水を
吸収したたばこフィルターが膨潤する際の応力により、
抄紙構造を構成する繊維等の絡み合いが容易に解け、迅
速に崩壊、分散する。そのため、シート状のフィルター
素材を巻上げても、フィルター素材を所定形状に確実に
保持できると共に、このような巻紙を用いたたばこフィ
ルターが誤って自然環境中に廃棄されたとしても、フィ
ルター素材から容易に脱離するので、フィルター素材の
有する自然環境中での崩壊性が有効に発揮され、環境汚
染を軽減できる。また、セルロースエステルで構成され
た繊維又は粉粒体を含むので、たばこの喫味を損なうこ
とがない。
【0069】本発明のたばこフィルターでは、フィルタ
ー素材が前記たばこフィルター用巻紙で巻回され、ロッ
ド状に成形されている。フィルター素材としては、特に
限定されず、たばこのフィルター素材として通常用いら
れる自然環境下で崩壊性を有する素材、例えば、水分散
性、光分解性又は生分解性を有する素材であれば特に限
定されない。
ー素材が前記たばこフィルター用巻紙で巻回され、ロッ
ド状に成形されている。フィルター素材としては、特に
限定されず、たばこのフィルター素材として通常用いら
れる自然環境下で崩壊性を有する素材、例えば、水分散
性、光分解性又は生分解性を有する素材であれば特に限
定されない。
【0070】フィルター素材を構成する材料として、例
えば、セルロースエステル繊維(セルロースアセテー
ト、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート
などの繊維);天然セルロース繊維(木材パルプ、種子
毛繊維、ジン皮繊維、葉繊維など)や再生セルロース繊
維(ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨンなど)
などのセルロース繊維;ポリプロピレン繊維などの合成
繊維などが含まれる。これらは1種で又は2種以上混合
して使用できる。フィルター素材を構成する好ましい材
料には、セルロースアセテート繊維などのセルロースエ
ステル繊維、木材パルプなどの天然セルロース繊維、ポ
リプロピレン繊維などの合成繊維、セルロースエステル
繊維と天然セルロース繊維との混合繊維(例えば、セル
ロースアセテート繊維と木材パルプとの混合繊維)など
が含まれる。
えば、セルロースエステル繊維(セルロースアセテー
ト、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート
などの繊維);天然セルロース繊維(木材パルプ、種子
毛繊維、ジン皮繊維、葉繊維など)や再生セルロース繊
維(ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨンなど)
などのセルロース繊維;ポリプロピレン繊維などの合成
繊維などが含まれる。これらは1種で又は2種以上混合
して使用できる。フィルター素材を構成する好ましい材
料には、セルロースアセテート繊維などのセルロースエ
ステル繊維、木材パルプなどの天然セルロース繊維、ポ
リプロピレン繊維などの合成繊維、セルロースエステル
繊維と天然セルロース繊維との混合繊維(例えば、セル
ロースアセテート繊維と木材パルプとの混合繊維)など
が含まれる。
【0071】フィルター素材の形状は特に限定されない
が、繊維、繊維束(例えば、セルロースエステル繊維
束、再生セルロース繊維束、ポリプロピレン繊維束な
ど)又はシート状(例えば、木材パルプ、又は木材パル
プとセルロースエステル繊維などの他の繊維を抄造した
抄紙構造を有するシート)等の形状で使用される場合が
多い。シート状の素材は、フィルタープラグを通じて、
チャンネリングを抑制しつつ煙を円滑且つ均一に通過さ
せるため、クレープ加工又はエンボス加工されているの
が好ましい。
が、繊維、繊維束(例えば、セルロースエステル繊維
束、再生セルロース繊維束、ポリプロピレン繊維束な
ど)又はシート状(例えば、木材パルプ、又は木材パル
プとセルロースエステル繊維などの他の繊維を抄造した
抄紙構造を有するシート)等の形状で使用される場合が
多い。シート状の素材は、フィルタープラグを通じて、
チャンネリングを抑制しつつ煙を円滑且つ均一に通過さ
せるため、クレープ加工又はエンボス加工されているの
が好ましい。
【0072】自然環境中での崩壊性に優れる好ましいフ
ィルター素材には、可塑剤により接着していないセルロ
ースエステル繊維束;水溶性高分子や生分解性高分子な
どを用いて接着したセルロースエステル繊維束;置換度
の小さいセルロースエステル繊維束;光分解促進剤や生
分解促進剤などを含有したセルロースエステル繊維束;
木材パルプ又は木材パルプとセルロースエステル繊維な
どの他の繊維を抄造し、必要に応じてクレープ加工又は
エンボス加工したシート状素材等が含まれる。前記シー
ト状素材として、本発明のたばこフィルター用巻紙と同
様の組成を有する抄紙構造のシート状素材、特にこのシ
ート状素材をクレープ加工若しくはエンボス加工したシ
ート状素材などが挙げられる。
ィルター素材には、可塑剤により接着していないセルロ
ースエステル繊維束;水溶性高分子や生分解性高分子な
どを用いて接着したセルロースエステル繊維束;置換度
の小さいセルロースエステル繊維束;光分解促進剤や生
分解促進剤などを含有したセルロースエステル繊維束;
木材パルプ又は木材パルプとセルロースエステル繊維な
どの他の繊維を抄造し、必要に応じてクレープ加工又は
エンボス加工したシート状素材等が含まれる。前記シー
ト状素材として、本発明のたばこフィルター用巻紙と同
様の組成を有する抄紙構造のシート状素材、特にこのシ
ート状素材をクレープ加工若しくはエンボス加工したシ
ート状素材などが挙げられる。
【0073】本発明のたばこフィルターは、気相成分の
選択的除去により、たばこ喫味を向上させるための添加
剤、例えば、活性炭、ゼオライトなどの吸着剤等を含ん
でいてもよい。吸着剤は繊維状であってもよいが、粉粒
状で使用される場合が多い。また、吸着剤は造粒活性炭
などのように、バインダーを用いて造粒した造粒物であ
ってもよい。
選択的除去により、たばこ喫味を向上させるための添加
剤、例えば、活性炭、ゼオライトなどの吸着剤等を含ん
でいてもよい。吸着剤は繊維状であってもよいが、粉粒
状で使用される場合が多い。また、吸着剤は造粒活性炭
などのように、バインダーを用いて造粒した造粒物であ
ってもよい。
【0074】粉粒状吸着剤の平均粒子径は、喫味、フィ
ルター構成材料の一体性などを損なわない広い範囲から
選択でき、例えば、0.1〜1000μm、好ましくは
5〜500μm、さらに好ましくは10〜300μm程
度である。また、粉粒状吸着剤の平均粒径は、例えば1
6〜200メッシュ、好ましくは20〜150メッシ
ュ、さらに好ましくは28〜60メッシュ程度である場
合が多い。
ルター構成材料の一体性などを損なわない広い範囲から
選択でき、例えば、0.1〜1000μm、好ましくは
5〜500μm、さらに好ましくは10〜300μm程
度である。また、粉粒状吸着剤の平均粒径は、例えば1
6〜200メッシュ、好ましくは20〜150メッシ
ュ、さらに好ましくは28〜60メッシュ程度である場
合が多い。
【0075】吸着剤の比表面積は、フェノール類などの
有害成分の除去効率を損わない範囲で選択でき、例え
ば、200〜4000m2 /g、好ましくは300〜3
000m2 /g、さらに好ましくは500〜2500m
2 /g程度であり、1000〜2000m2 /g程度で
ある場合が多い。
有害成分の除去効率を損わない範囲で選択でき、例え
ば、200〜4000m2 /g、好ましくは300〜3
000m2 /g、さらに好ましくは500〜2500m
2 /g程度であり、1000〜2000m2 /g程度で
ある場合が多い。
【0076】フィルター素材に対する吸着剤の添加量
は、有害成分の除去効率及び喫味の点を考慮して適当に
選択でき、例えば、フィルター素材100重量部に対し
て1〜200重量部、好ましくは10〜150重量部、
さらに好ましくは25〜120重量部(例えば、30〜
100重量部)程度であり、50〜100重量部程度で
ある場合が多い。
は、有害成分の除去効率及び喫味の点を考慮して適当に
選択でき、例えば、フィルター素材100重量部に対し
て1〜200重量部、好ましくは10〜150重量部、
さらに好ましくは25〜120重量部(例えば、30〜
100重量部)程度であり、50〜100重量部程度で
ある場合が多い。
【0077】前記吸着剤には、有害成分に対する選択除
去性を高めるため、必要に応じて、非揮発性薬剤、例え
ば、有機酸または無機酸などの酸成分、有機塩基または
無機塩基等の塩基成分が担持されていてもよい。
去性を高めるため、必要に応じて、非揮発性薬剤、例え
ば、有機酸または無機酸などの酸成分、有機塩基または
無機塩基等の塩基成分が担持されていてもよい。
【0078】吸着剤は、フィルター素材内で全体に亘り
均一に分布していてもよく、不均一または部分的に存在
していてもよい。吸着剤が前記フィルター素材内で部分
的に分布する場合、例えば、フィルター材料の軸方向に
沿って中心部または外周部に存在していてもよく、リン
グ状または螺旋状などの適当な形状に分布または存在し
ていてもよい。
均一に分布していてもよく、不均一または部分的に存在
していてもよい。吸着剤が前記フィルター素材内で部分
的に分布する場合、例えば、フィルター材料の軸方向に
沿って中心部または外周部に存在していてもよく、リン
グ状または螺旋状などの適当な形状に分布または存在し
ていてもよい。
【0079】吸着剤は慣用の添加装置によりたばこフィ
ルター内に含有させることができる。例えば、粉末状の
吸着剤の添加には、たばこ活性炭添加フィルターの製造
装置に装着されている活性炭粉末添加装置などを利用で
きる。
ルター内に含有させることができる。例えば、粉末状の
吸着剤の添加には、たばこ活性炭添加フィルターの製造
装置に装着されている活性炭粉末添加装置などを利用で
きる。
【0080】本発明のたばこフィルターは、フィルター
素材を前記たばこフィルター用巻紙で巻回し、ロッド状
に成形することにより製造することができる。例えば、
たばこフィルターは、(a)繊維状などのフィルター素
材をフィルターロッド成形用金型に充填して棒状に成形
し、前記たばこフィルター用巻紙で巻回する方法、
(b)シート状のフィルター素材をフィルタープラグ巻
上げ機に導入して、前記たばこフィルター用巻紙でロッ
ド状に巻き上げ、糊付けし、適当な長さに切断する方法
などにより得ることができる。
素材を前記たばこフィルター用巻紙で巻回し、ロッド状
に成形することにより製造することができる。例えば、
たばこフィルターは、(a)繊維状などのフィルター素
材をフィルターロッド成形用金型に充填して棒状に成形
し、前記たばこフィルター用巻紙で巻回する方法、
(b)シート状のフィルター素材をフィルタープラグ巻
上げ機に導入して、前記たばこフィルター用巻紙でロッ
ド状に巻き上げ、糊付けし、適当な長さに切断する方法
などにより得ることができる。
【0081】たばこフィルターの作製に際して、巻紙の
糊付け、巻上げられたフィルター素材と巻紙との糊付け
が必要な場合、自然環境下において、フィルター素材か
ら巻紙がより容易に脱離できるように、接着剤として前
記例示の水溶性接着剤を用いるのが好ましい。
糊付け、巻上げられたフィルター素材と巻紙との糊付け
が必要な場合、自然環境下において、フィルター素材か
ら巻紙がより容易に脱離できるように、接着剤として前
記例示の水溶性接着剤を用いるのが好ましい。
【0082】
【発明の効果】本発明のたばこフィルター用巻紙は、抄
紙構造を有するとともに、少なくとも表面がセルロース
エステルで構成された繊維又は粉粒体を含んでいるの
で、乾燥状態では強度が高いにも拘らず、多量の水と接
触すると、フィルター素材が膨潤する際の応力などによ
り容易に崩壊、分散する。そのため、フィルター素材を
所定形状に確実に保持できると共に、自然環境下での雨
水などの水によりフィルター素材から容易に脱離し、フ
ィルター素材の有する自然環境下での崩壊性を有効に発
揮させることができる。
紙構造を有するとともに、少なくとも表面がセルロース
エステルで構成された繊維又は粉粒体を含んでいるの
で、乾燥状態では強度が高いにも拘らず、多量の水と接
触すると、フィルター素材が膨潤する際の応力などによ
り容易に崩壊、分散する。そのため、フィルター素材を
所定形状に確実に保持できると共に、自然環境下での雨
水などの水によりフィルター素材から容易に脱離し、フ
ィルター素材の有する自然環境下での崩壊性を有効に発
揮させることができる。
【0083】本発明のたばこフィルターは、フィルター
素材が前記たばこフィルター用巻紙により巻回されてい
るので、乾燥状態では所定形状に確実に保持できると共
に、自然環境下での水の作用により、フィルター用巻紙
がフィルター素材から容易に脱離し、フィルター素材の
自然環境下での崩壊が円滑に進行する。そのため、喫煙
後に誤って廃棄されたとしても、自然環境中で迅速に崩
壊または分散するので、環境の美観を損ねることがな
く、環境汚染を軽減することができる。
素材が前記たばこフィルター用巻紙により巻回されてい
るので、乾燥状態では所定形状に確実に保持できると共
に、自然環境下での水の作用により、フィルター用巻紙
がフィルター素材から容易に脱離し、フィルター素材の
自然環境下での崩壊が円滑に進行する。そのため、喫煙
後に誤って廃棄されたとしても、自然環境中で迅速に崩
壊または分散するので、環境の美観を損ねることがな
く、環境汚染を軽減することができる。
【0084】本発明のたばこフィルターの製造法によれ
ば、上記の優れたたばこフィルターを簡易に効率よく製
造できる。
ば、上記の優れたたばこフィルターを簡易に効率よく製
造できる。
【0085】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0086】なお、本発明の実施例及び比較例におい
て、ショッパーリーグラー式ろ水度(叩解度)、シート
坪量、シート厚さ、シート密度、シート崩壊性、フィル
ター崩壊性、および喫味は、下記の方法により測定、評
価した。
て、ショッパーリーグラー式ろ水度(叩解度)、シート
坪量、シート厚さ、シート密度、シート崩壊性、フィル
ター崩壊性、および喫味は、下記の方法により測定、評
価した。
【0087】(1)ショッパーリーグラー式ろ水度(°
SR):JIS−P−8121 (2)シート坪量(g/m2 ):JIS−P−8124 (3)シート厚さ(mm):JIS−P−8118 (4)シート密度(g/cm3 ):シート坪量(g/m
2 )÷シート厚さ(mm)÷1000 (5)シート(たばこフィルター用巻紙)崩壊性:試料
約0.2gを、300mlのビーカー(直径75mm)
内の200mlの水に投入し、渦中心部の高さが、最も
高い液面の高さの3/4となるように、マグネチックス
ターラーで撹拌し、10分後および20分後の試料の形
状変化を観察し、下記の基準で評価した。
SR):JIS−P−8121 (2)シート坪量(g/m2 ):JIS−P−8124 (3)シート厚さ(mm):JIS−P−8118 (4)シート密度(g/cm3 ):シート坪量(g/m
2 )÷シート厚さ(mm)÷1000 (5)シート(たばこフィルター用巻紙)崩壊性:試料
約0.2gを、300mlのビーカー(直径75mm)
内の200mlの水に投入し、渦中心部の高さが、最も
高い液面の高さの3/4となるように、マグネチックス
ターラーで撹拌し、10分後および20分後の試料の形
状変化を観察し、下記の基準で評価した。
【0088】A:10分後に完全に崩壊する B:10分後では一部崩壊しない部分(塊)があるもの
の、20分後には完全に崩壊する C:20分後にも一部崩壊しない部分が残る、又は形状
は崩壊しているものの、再凝集などにより一部塊が残る D:20分後にも半量以上の崩壊しない部分が残る、又
は形状は崩壊しているものの、再凝集などにより半量以
上の塊が残る E:20分後にもほとんど崩壊しない (6)フィルター崩壊性:長さ25mmに切断したたば
こフィルターの試料をダイセル化学工業(株)フィルタ
ー研究所(大阪府堺市)敷地内の土地表面に放置し、6
か月経過後の形状変化を観察し、下記の基準により評価
した。
の、20分後には完全に崩壊する C:20分後にも一部崩壊しない部分が残る、又は形状
は崩壊しているものの、再凝集などにより一部塊が残る D:20分後にも半量以上の崩壊しない部分が残る、又
は形状は崩壊しているものの、再凝集などにより半量以
上の塊が残る E:20分後にもほとんど崩壊しない (6)フィルター崩壊性:長さ25mmに切断したたば
こフィルターの試料をダイセル化学工業(株)フィルタ
ー研究所(大阪府堺市)敷地内の土地表面に放置し、6
か月経過後の形状変化を観察し、下記の基準により評価
した。
【0089】A:フィルター巻紙、フィルター素材とも
にほぼ完全に崩壊している B:フィルター巻紙がほぼ完全に崩壊し、フィルター素
材が原形をとどめない程度に崩壊している C:フィルター巻紙はほぼ完全に崩壊しているものの、
フィルター素材が半分以上原形をとどめている D:フィルター巻紙はほぼ完全に崩壊しているものの、
フィルター素材がほぼ原形をとどめている E:フィルター巻紙が半分程度剥離しているものの、フ
ィルター素材がほぼ原形をとどめている F:フィルター巻紙、フィルター素材ともにほぼ原形を
とどめている (7)喫味:長さ25mmに切断したたばこフィルター
の試料を市販のたばこ(日本たばこ産業(株)製ハイラ
イト)の葉たばこ部分に接続したものについて、10人
のパネラーにより、現行のフィルター巻紙を使用した場
合との比較による喫味評価を行った。
にほぼ完全に崩壊している B:フィルター巻紙がほぼ完全に崩壊し、フィルター素
材が原形をとどめない程度に崩壊している C:フィルター巻紙はほぼ完全に崩壊しているものの、
フィルター素材が半分以上原形をとどめている D:フィルター巻紙はほぼ完全に崩壊しているものの、
フィルター素材がほぼ原形をとどめている E:フィルター巻紙が半分程度剥離しているものの、フ
ィルター素材がほぼ原形をとどめている F:フィルター巻紙、フィルター素材ともにほぼ原形を
とどめている (7)喫味:長さ25mmに切断したたばこフィルター
の試料を市販のたばこ(日本たばこ産業(株)製ハイラ
イト)の葉たばこ部分に接続したものについて、10人
のパネラーにより、現行のフィルター巻紙を使用した場
合との比較による喫味評価を行った。
【0090】なお、上記のたばこフィルターに関する評
価については、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気中
で24時間以上放置して、調湿した後の試料を用いて行
った。
価については、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気中
で24時間以上放置して、調湿した後の試料を用いて行
った。
【0091】実施例1 セルロースアセテート短繊維(繊度:3.3デニール、
断面形状:Y字状、繊維長4mm、置換度:2.45)
60重量部と、叩解度45°SRの針葉樹漂白クラフト
パルプ40重量部とを、300000重量部の水に均一
に分散し、円網式抄紙機を用いて湿式抄造し、脱水、乾
燥した後、それぞれ、26mm幅及び250mm幅にス
リットして、坪量33g/m2 、密度0.37g/cm
3 、厚さ0.09mmのシートを得た。得られたシート
のシート崩壊性はAであり、良好な崩壊性を示した。
断面形状:Y字状、繊維長4mm、置換度:2.45)
60重量部と、叩解度45°SRの針葉樹漂白クラフト
パルプ40重量部とを、300000重量部の水に均一
に分散し、円網式抄紙機を用いて湿式抄造し、脱水、乾
燥した後、それぞれ、26mm幅及び250mm幅にス
リットして、坪量33g/m2 、密度0.37g/cm
3 、厚さ0.09mmのシートを得た。得られたシート
のシート崩壊性はAであり、良好な崩壊性を示した。
【0092】たばこ用紙製フィルター製造用巻上機(デ
コフレ製CU−20/ハウニ製KDF2)を用い、上記
250mm幅のシートに、クレープローラー温度130
℃でクレープ深さ0.05mmのクレープ加工を施した
後、上記26mm幅のシートを巻紙として、巻上速度4
00m/分で巻上げ、得られたフィルターロッドをカッ
ターで長さ100mmに切断し、たばこフィルターを得
た。
コフレ製CU−20/ハウニ製KDF2)を用い、上記
250mm幅のシートに、クレープローラー温度130
℃でクレープ深さ0.05mmのクレープ加工を施した
後、上記26mm幅のシートを巻紙として、巻上速度4
00m/分で巻上げ、得られたフィルターロッドをカッ
ターで長さ100mmに切断し、たばこフィルターを得
た。
【0093】得られたたばこフィルターのフィルター崩
壊性はAであり、自然環境中での崩壊性は良好であっ
た。また、喫味については、市販のたばこと何ら変わる
ところがなかった 実施例2 セルロースアセテート短繊維75重量部と、叩解度45
°SRの針葉樹漂白クラフトパルプ25重量部を用いた
以外は、実施例1と同様の操作を行い、坪量33g/m
2 、密度0.33g/cm3 、厚さ0.10mmの幅の
異なる2種のシートを得た。得られたシートのシート崩
壊性はAであり、良好な崩壊性を示した。
壊性はAであり、自然環境中での崩壊性は良好であっ
た。また、喫味については、市販のたばこと何ら変わる
ところがなかった 実施例2 セルロースアセテート短繊維75重量部と、叩解度45
°SRの針葉樹漂白クラフトパルプ25重量部を用いた
以外は、実施例1と同様の操作を行い、坪量33g/m
2 、密度0.33g/cm3 、厚さ0.10mmの幅の
異なる2種のシートを得た。得られたシートのシート崩
壊性はAであり、良好な崩壊性を示した。
【0094】これらのシートを用いる以外は、実施例1
と同様の操作によりたばこフィルターを得た。得られた
たばこフィルターのフィルター崩壊性はAであり、自然
環境中での崩壊性は良好であった。また、喫味について
は、市販のたばこと何ら変わるところがなかった。
と同様の操作によりたばこフィルターを得た。得られた
たばこフィルターのフィルター崩壊性はAであり、自然
環境中での崩壊性は良好であった。また、喫味について
は、市販のたばこと何ら変わるところがなかった。
【0095】実施例3 叩解度45°SRの針葉樹漂白クラフトパルプに代え
て、叩解度75°SRの針葉樹漂白クラフトパルプを用
いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、坪量32g
/m2 、密度0.36g/cm3 、厚さ0.09mmの
幅の異なる2種のシートを得た。得られたシートのシー
ト崩壊性はAであり、良好な崩壊性を示した。
て、叩解度75°SRの針葉樹漂白クラフトパルプを用
いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、坪量32g
/m2 、密度0.36g/cm3 、厚さ0.09mmの
幅の異なる2種のシートを得た。得られたシートのシー
ト崩壊性はAであり、良好な崩壊性を示した。
【0096】これらのシートを用いる以外は、実施例1
と同様の操作によりたばこフィルターを得た。得られた
たばこフィルターのフィルター崩壊性はAであり、自然
環境中での崩壊性は良好であった。また、喫味について
は、市販のたばこと何ら変わるところがなかった。
と同様の操作によりたばこフィルターを得た。得られた
たばこフィルターのフィルター崩壊性はAであり、自然
環境中での崩壊性は良好であった。また、喫味について
は、市販のたばこと何ら変わるところがなかった。
【0097】実施例4 セルロースアセテート繊維のトウ(フィラメント繊度:
4.0デニール、トータル繊度:35000デニール、
断面形状:Y字状、置換度:2.45)を幅約20cm
に開繊した。開繊したトウの表面に、たばこ用活性炭添
加フィルター製造用巻上機(ハウニ製KDF2/AC1
/AF1)の活性炭粉末添加装置を用いて、水溶性高分
子接着剤として、トウに対して15重量%のポリアルキ
レンオキサイド系樹脂(第一工業製薬(株)製、パオゲ
ンPP−15;融点55℃)の粉末(平均粒子径80μ
m)を均一に散布した。水溶性高分子接着剤を散布した
トウを紙巻装置に供給し、実施例1と同様のシートを巻
紙とし、巻上速度400m/分で巻き上げ、得られたフ
ィルターロッドをカッターで長さ100mmに切断し
た。切断されたフィルターロッドを70℃に設定したオ
ーブン中に入れ、フィルターロッド内の水溶性高分子接
着剤を加熱溶融させ、次いで冷却古掠ることにより、ト
ウが接着されたたばこフィルターを得た。得られたたば
こフィルターのフィルター崩壊性はBであり、自然環境
下での崩壊性は良好であった。また、喫味については、
市販のたばこと何ら変わるところがなかった。
4.0デニール、トータル繊度:35000デニール、
断面形状:Y字状、置換度:2.45)を幅約20cm
に開繊した。開繊したトウの表面に、たばこ用活性炭添
加フィルター製造用巻上機(ハウニ製KDF2/AC1
/AF1)の活性炭粉末添加装置を用いて、水溶性高分
子接着剤として、トウに対して15重量%のポリアルキ
レンオキサイド系樹脂(第一工業製薬(株)製、パオゲ
ンPP−15;融点55℃)の粉末(平均粒子径80μ
m)を均一に散布した。水溶性高分子接着剤を散布した
トウを紙巻装置に供給し、実施例1と同様のシートを巻
紙とし、巻上速度400m/分で巻き上げ、得られたフ
ィルターロッドをカッターで長さ100mmに切断し
た。切断されたフィルターロッドを70℃に設定したオ
ーブン中に入れ、フィルターロッド内の水溶性高分子接
着剤を加熱溶融させ、次いで冷却古掠ることにより、ト
ウが接着されたたばこフィルターを得た。得られたたば
こフィルターのフィルター崩壊性はBであり、自然環境
下での崩壊性は良好であった。また、喫味については、
市販のたばこと何ら変わるところがなかった。
【0098】実施例5 水溶性高分子接着剤を添加しないこと以外は実施例4と
同様の操作を行い、たばこフィルターを得た。得られた
たばこフィルターのフィルター崩壊性はBであり、自然
環境下での崩壊性は良好であった。また、喫味について
は、市販のたばこと何ら変わるところがなかった。
同様の操作を行い、たばこフィルターを得た。得られた
たばこフィルターのフィルター崩壊性はBであり、自然
環境下での崩壊性は良好であった。また、喫味について
は、市販のたばこと何ら変わるところがなかった。
【0099】実施例6 置換度2.14のセルロースアセテート繊維のトウを用
いること以外は実施例4と同様の操作を行い、たばこフ
ィルターを得た。得られたたばこフィルターのフィルタ
ー崩壊性はA〜Bであり、自然環境下での崩壊性は良好
であった。また、喫味については、市販のたばこと何ら
変わるところがなかった。
いること以外は実施例4と同様の操作を行い、たばこフ
ィルターを得た。得られたたばこフィルターのフィルタ
ー崩壊性はA〜Bであり、自然環境下での崩壊性は良好
であった。また、喫味については、市販のたばこと何ら
変わるところがなかった。
【0100】実施例7 光分解促進剤として、光触媒活性を有する微粒子アナタ
ーゼ型酸化チタン(テイカ(株)製;平均粒子径0.0
3μm)を0.5重量%含有するセルロースアセテート
繊維のトウを用いること以外は実施例4と同様の操作を
行い、たばこフィルターを得た。得られたたばこフィル
ターのフィルター崩壊性はA〜Bであり、自然環境下で
の崩壊性は良好であった。また、喫味については、市販
のたばこと何ら変わるところがなかった。
ーゼ型酸化チタン(テイカ(株)製;平均粒子径0.0
3μm)を0.5重量%含有するセルロースアセテート
繊維のトウを用いること以外は実施例4と同様の操作を
行い、たばこフィルターを得た。得られたたばこフィル
ターのフィルター崩壊性はA〜Bであり、自然環境下で
の崩壊性は良好であった。また、喫味については、市販
のたばこと何ら変わるところがなかった。
【0101】比較例1 叩解度45°SRの針葉樹漂白クラフトパルプ100重
量部を、300000重量部の水に均一に分散し、円網
式抄紙機を用いて湿式抄造し、脱水、乾燥した後、それ
ぞれ、26mm幅及び250mm幅にスリットして、坪
量34g/m2、密度0.57g/cm3 、厚さ0.0
6mmのシートを得た。得られたシートのシート崩壊性
はCであり、崩壊性は劣っていた。
量部を、300000重量部の水に均一に分散し、円網
式抄紙機を用いて湿式抄造し、脱水、乾燥した後、それ
ぞれ、26mm幅及び250mm幅にスリットして、坪
量34g/m2、密度0.57g/cm3 、厚さ0.0
6mmのシートを得た。得られたシートのシート崩壊性
はCであり、崩壊性は劣っていた。
【0102】上記シートを用いる以外は、実施例1と同
様の操作を行い、たばこフィルターを得た。得られたた
ばこフィルターのフィルター崩壊性はFであり、自然環
境下での崩壊性は極めて劣っていた。なお、喫味につい
ては、市販のたばこと変わらなかった。
様の操作を行い、たばこフィルターを得た。得られたた
ばこフィルターのフィルター崩壊性はFであり、自然環
境下での崩壊性は極めて劣っていた。なお、喫味につい
ては、市販のたばこと変わらなかった。
【0103】比較例2 水溶性高分子接着剤に代えて、セルロースアセテートの
可塑剤であるトリアセチン(ダイセル化学工業(株)
製)を、たばこ用フィルター製造用巻上機(ハウニ製、
KDF2/AF1)の可塑剤添加装置を用いて、トウに
対して10重量%添加すること、および実施例1と同様
のシートに代えて、比較例1と同様のシートを巻紙とし
て使用すること以外は、実施例4と同様の操作を行い、
たばこフィルターを得た。得られたたばこフィルターの
フィルター崩壊性はFであり、自然環境下での崩壊性は
極めて劣っていた。なお、喫味については、市販のたば
こと変わらなかった。
可塑剤であるトリアセチン(ダイセル化学工業(株)
製)を、たばこ用フィルター製造用巻上機(ハウニ製、
KDF2/AF1)の可塑剤添加装置を用いて、トウに
対して10重量%添加すること、および実施例1と同様
のシートに代えて、比較例1と同様のシートを巻紙とし
て使用すること以外は、実施例4と同様の操作を行い、
たばこフィルターを得た。得られたたばこフィルターの
フィルター崩壊性はFであり、自然環境下での崩壊性は
極めて劣っていた。なお、喫味については、市販のたば
こと変わらなかった。
【0104】比較例3 巻紙として、比較例1と同様のシートを用いる以外は実
施例2と同様の操作を行い、たばこフィルターを得た。
得られたたばこフィルターのフィルター崩壊性はFであ
り、自然環境下での崩壊性は極めて劣っていた。なお、
喫味については、市販のたばこと変わらなかった。
施例2と同様の操作を行い、たばこフィルターを得た。
得られたたばこフィルターのフィルター崩壊性はFであ
り、自然環境下での崩壊性は極めて劣っていた。なお、
喫味については、市販のたばこと変わらなかった。
【0105】比較例4 巻紙として、比較例1と同様のシートを用いる以外は実
施例4と同様の操作を行い、たばこフィルターを得た。
得られたたばこフィルターのフィルター崩壊性はFであ
り、自然環境下での崩壊性は極めて劣っていた。なお、
喫味については、市販のたばこと変わらなかった。
施例4と同様の操作を行い、たばこフィルターを得た。
得られたたばこフィルターのフィルター崩壊性はFであ
り、自然環境下での崩壊性は極めて劣っていた。なお、
喫味については、市販のたばこと変わらなかった。
【図1】図1は、本発明のたばこフィルター用巻紙に含
まれる繊維の製造に用いる装置の一例を示す概略断面図
である。
まれる繊維の製造に用いる装置の一例を示す概略断面図
である。
【図2】図2は、図1に示す装置のノズル手段の概略斜
視図である。
視図である。
【図3】図3は、本発明のたばこフィルター用巻紙に含
まれる繊維の製造に用いる装置の他の例を示す概略断面
図である。
まれる繊維の製造に用いる装置の他の例を示す概略断面
図である。
【図4】図4は、図3に示す装置のノズル手段の概略斜
視図である。
視図である。
1,11…流路 2,12…ノズル 3,13…ケーシング 4,14…供給口 5,15…細孔 6,17…カッティング手段 16…繊維状紡糸液
Claims (11)
- 【請求項1】 少なくとも表面がセルロースエステルで
構成された繊維又は粉粒体を含む抄紙構造を有するたば
こフィルター用巻紙。 - 【請求項2】 少なくとも表面がセルロースエステルで
構成された繊維又は粉粒体を全体の30〜90重量%含
む請求項1記載のたばこフィルター用巻紙。 - 【請求項3】 少なくとも表面がセルロースエステルで
構成された繊維が、(a)セルロースエステル短繊維、
(b)フィブリル化されたセルロースエステル繊維、
(c)エステル化処理されたセルロース繊維及び(d)
セルロースエステルでコーティングされた繊維から選択
された少なくとも1種である請求項1記載のたばこフィ
ルター用巻紙。 - 【請求項4】 少なくとも表面がセルロースエステルで
構成された繊維の平均繊維長が1〜10mmである請求
項1記載のたばこフィルター用巻紙。 - 【請求項5】 さらに、叩解パルプを含む請求項1記載
のたばこフィルター用巻紙。 - 【請求項6】 叩解パルプが木材パルプである請求項5
記載のたばこフィルター用巻紙。 - 【請求項7】 少なくとも表面がセルロースエステルで
構成された繊維又は粉粒体と叩解パルプとの割合が、前
者/後者(重量比)=85/15〜35/65である請
求項5記載のたばこフィルター用巻紙。 - 【請求項8】 坪量が20〜40g/m2 、密度が0.
25〜0.45g/cm3 、および厚みが0.02〜
0.15mmである請求項1記載のたばこフィルター用
巻紙。 - 【請求項9】 フィルター素材と、このフィルター素材
を巻回しロッド状に形成するための巻紙とで構成された
たばこフィルターであって、前記巻紙が請求項1記載の
たばこフィルター用巻紙であるたばこフィルター。 - 【請求項10】 フィルター素材が、セルロースエステ
ル繊維、木材パルプ、再生セルロース繊維及びポリプロ
ピレン繊維から選択された少なくとも1種で構成されて
いる請求項9記載のたばこフィルター。 - 【請求項11】 フィルター素材を請求項1記載のたば
こフィルター用巻紙で巻回してロッド状に成形するたば
こフィルターの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8158895A JPH09316792A (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | たばこフィルター用巻紙及びそれを用いたたばこフィルター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8158895A JPH09316792A (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | たばこフィルター用巻紙及びそれを用いたたばこフィルター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09316792A true JPH09316792A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=15681726
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8158895A Pending JPH09316792A (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | たばこフィルター用巻紙及びそれを用いたたばこフィルター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09316792A (ja) |
Cited By (5)
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JP2004337161A (ja) * | 2003-04-03 | 2004-12-02 | Hauni Maschinenbau Ag | フリース連続体の製造方法と装置 |
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