JPH0949198A - たばこ用水分散性シート並びにこれを用いたたばこ - Google Patents
たばこ用水分散性シート並びにこれを用いたたばこInfo
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Abstract
ーに適した一定レベル以下の通気度と雨水などで容易に
分解する水分散性を備えたシートを提供する。 【解決手段】 水分散性繊維を含有する抄紙用繊維原料
を用いて作製した水解性基材の少なくとも片面に、水溶
性高分子を含む水分散性塗工層を設けて、通気性を紙通
気度手動測定器で200コレスタ以下の通気度または王
研式透気度試験器で0〜50000秒/100mlの範
囲の透気度になるように規制したことを特徴とするたば
こ用水分散性シート、並びにこれをチップペーパー又は
フィルター巻取り紙として用いたたばこ
Description
たばこのフィルター部分を覆うフィルター巻取り紙(プ
ラグペーパー)あるいは、フィルター巻取り紙の更に外
周を覆うチップペーパーに用いるのに適した水分散性シ
ート並びにこれを用いたたばこに関する。
分に用いるフィルター巻取り紙やチップペーパーは、比
較的低い通気性、不透明度、平滑度、強度などの特性が
要求される。通気性は、空気がフィルター巻取り紙やチ
ップペーパー表面から流入し、たばこの煙を過度に希釈
しないように、通気度が200コレスタ以下の範囲にな
るような比較的低い通気度とする必要がある。このた
め、フィルター巻取り紙やチップペーパーは、パルプ叩
解度を高くしたり、通気性の低いシートを形成する樹種
を原料としたパルプ銘柄を使用して製造されてきた。
水分散性は悪くなるので、廃棄された吸殻のフィルター
巻取り紙やチップペーパーは雨水などで容易に分散しに
くいという点で問題があった。フィルター巻取り紙やチ
ップペーパーが、自然環境において、雨水などで容易に
分散するようにするためには、これらに用いる原紙が水
分散性の良好なものでなければならない。
は、製紙用繊維と繊維状カルボキシメチルセルロースを
混抄し、アルカリ金属化合物を添加したもの(特公昭4
3−1214、特公昭43−28766、特公昭48−
27604)、製紙用繊維やカルボキシメチルセルロー
スに水不溶性ないし水難溶性の無機粉体を混抄するもの
(特開平3−8897、特開平3−180585)、原
料にカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩やア
ルカリ土類金属塩を配合したもの(特開平1−1689
99、特開平3−167400、特開平6−18498
4)などが提案されているが、これら従来の水分散紙は
通気性が低いことを必要とする用途のものではないた
め、通気性については全く考慮されておらず、極めて通
気性の高いものである。通常、水分解性を高めるほど通
気性が高くなるので、従来は、通気性が一定の低さのレ
ベルまで規制された水分散紙は得られていない。
ために木材パルプの叩解度を低くしたり、填料の配合量
を多くしたりすると、通気度が高くなってしまい、フィ
ルター巻取り紙やチップペーパーとしては、使用できな
いものとなってしまう。
巻取り紙やチップペーパー用に適した原紙として通気度
を一定のレベル以下に規制することと、水分解性を良好
なものとすることという、通常は相反する特性を併せ持
つたばこ用水分散性シートを提供すべくなされたもので
ある。
ディメンションと保水度を有する水分散性繊維を抄紙原
料に用いること、各種添加物、アルカリ処理、更にこれ
らの組み合わせにより、基材の水分散性が向上すること
を見出し、且つこの基材に水分散性塗工層を形成するこ
とにより通気度を規制し、フィルター巻取り紙やチップ
ペーパーに適した通気度に加えて水分散性を有するシー
トを得ることを可能とし、本発明に到達したものであ
る。
下、L/D値が60以下の繊維ディメンションを有し、
保水度が95%以下である水分散性繊維を20重量%以
上含有する抄紙用繊維原料を用いて作製した水解性基材
の少なくとも片面に、水溶性高分子からなる水分散性塗
工層を設けて、通気性を紙通気度手動測定器で200コ
レスタ以下の通気度または王研式透気度試験器で0〜5
0000秒/100mlの範囲の透気度になるように規
制したことを特徴とするたばこ用水分散性シートに関す
る。
下、L/D値が60以下の繊維ディメンションを有し、
保水度が95%以下である水分散性繊維を20重量%以
上含有する抄紙用繊維原料に水不溶性または水難溶性粉
体を混抄してなる水解性基材の少なくとも片面に、水溶
性高分子からなる水分散性塗工層を設けて、通気性を紙
通気度手動測定器で200コレスタ以下の通気度または
王研式透気度試験器で0〜50000秒/100mlの
範囲の透気度になるように規制したことを特徴とするた
ばこ用水分散性シートに関する。
下、L/D値が60以下の繊維ディメンションを有し、
保水度が95%以下である水分散性繊維を20重量%以
上含有する抄紙用繊維原料を抄紙した後アルカリ含浸加
工してなる水解性基材の少なくとも片面に、水溶性高分
子からなる水分散性塗工層を設けて、通気性を紙通気度
手動測定器で200コレスタ以下の通気度または王研式
透気度試験器で0〜50000秒/100mlの範囲の
透気度になるように規制したことを特徴とするたばこ用
水分散性シートに関する。
下、L/D値が60以下の繊維ディメンションを有し、
保水度が95%以下である水分散性繊維を20重量%以
上含有する抄紙用繊維原料に水不溶性または水難溶性粉
体を混抄した後アルカリ含浸加工してなる水解性基材の
少なくとも片面に、水溶性高分子からなる水分散性塗工
層を設けて、通気性を紙通気度手動測定器で200コレ
スタ以下の通気度または王研式透気度試験器で0〜50
000秒/100mlの範囲の透気度になるように規制
したことを特徴とするたばこ用水分散性シートに関す
る。
下、L/D値が60以下の繊維ディメンションを有し、
保水度が95%以下である水分散性繊維を20重量%以
上含有する抄紙用繊維原料に繊維状カルボキシメチルセ
ルロース塩または繊維状カルボキシエチルセルロース塩
を混抄してなる水解性基材の少なくとも片面に、水溶性
高分子からなる水分散性塗工層を設けて、通気性を紙通
気度手動測定器で200コレスタ以下の通気度または王
研式透気度試験器で0〜50000秒/100mlの範
囲の透気度になるように規制したことを特徴とするたば
こ用水分散性シートに関する。
下、L/D値が60以下の繊維ディメンションを有し、
保水度が95%以下である水分散性繊維を20重量%以
上含有する抄紙用繊維原料に、繊維状カルボキシメチル
セルロース塩または繊維状カルボキシエチルセルロース
塩と水不溶性または水難溶性粉体を混抄してなる水解性
基材の少なくとも片面に、水溶性高分子からなる水分散
性塗工層を設けて、通気性を紙通気度手動測定器で20
0コレスタ以下の通気度または王研式透気度試験器で0
〜50000秒/100mlの範囲の透気度になるよう
に規制したことを特徴とするたばこ用水分散性シートに
関する。
カルボキシメチルセルロースまたは繊維状カルボキシエ
チルセルロースを含有する抄紙用繊維原料を抄紙した後
アルカリ含浸加工してなる水解性基材の少なくとも片面
に、水溶性高分子からなる水分散性塗工層を設けて、通
気性を紙通気度手動測定器で200コレスタ以下の通気
度または王研式透気度試験器で0〜50000秒/10
0mlの範囲の透気度になるように規制したことを特徴
とするたばこ用水分散性シートに関する。
カルボキシメチルセルロースまたは繊維状カルボキシエ
チルセルロースを含有する抄紙用繊維原料に水不溶性ま
たは水難溶性粉体を混抄した後アルカリ含浸加工してな
る水解性基材の少なくとも片面に、水溶性高分子からな
る水分散性塗工層を設けて、通気性を紙通気度手動測定
器で200コレスタ以下の通気度または王研式透気度試
験器で0〜50000秒/100mlの範囲の透気度に
なるように規制したことを特徴とするたばこ用水分散性
シートに関する。
て、水解性基材の作製に用いられる水分散性繊維とは、
本質的に水への分散性能を有する繊維素材であり、一般
的に製紙用として用いられるものである。例えば、針葉
樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、溶解パルプ
などの木材パルプ繊維、ケナフパルプ、亜麻パルプ、リ
ンターなどの非木材系植物繊維から選ばれるものであ
り、水分散性繊維の平均繊維長は、0.1〜10mm、
好ましくは0.5〜3mm、更に好ましくは0.8〜2
mmである。
は、水分散性繊維として、未叩解時に特定の繊維ディメ
ンションと保水度を有する繊維を使用することを特徴と
する。繊維ディメンションとは、繊維の長さ(L)、繊
維の幅(D)、繊維のルーメンの幅(l)を光学顕微鏡
などで拡大して測定し、下記(1)式、(2)式により
計算される値である。 l/D=l÷D … (1)、 L/D=L÷D … (2)
規定されているパルプの膨潤度の指標であり、パルプ全
体に占める膨潤繊維中に取り込まれて保持されている水
分の割合を示すものである。
維は、未叩解時の特性としてl/D値が0.45以下、
L/D値が60以下、保水度95%以下であることを同
時に満たさなければならない。第1から第6の発明で用
いられる水分散性繊維のように、l/D値が0.45以
下、L/D値が60以下、保水度95%以下の範囲にあ
る木材パルプ繊維または非木材系植物繊維は、抄紙によ
るシート形成過程で膨潤および圧潰し難く、繊維相互の
接触や結合状態が不安定となるため、水中で分散し易く
なる。
原料となる植物の品種によって異なるため、l/D値、
L/D値や保水度が特定範囲のものを得るためには、特
定の植物品種を選定して製造されたパルプが使用され
る。例えば、コナラ属、ハコヤナギ属、モクレン属、ユ
ーカリ属などの木材、エスパルト草などの非木材系植物
が例示できる。上記特定範囲の繊維ディメンションや保
水度のパルプは市販のパルプの中から選択したり、必要
に応じて複数のパルプを混合することによって調達す
る。
維は、水中で分散させた状態もしくは叩解を施してから
使用する。叩解を進めると繊維間結合が増して、基材の
水分解性や通気度が低くなるので、叩解の程度が高すぎ
ると、シートの水分散性が不十分となり、叩解の程度が
低すぎると、通気度が高くなり過ぎたり、強度が低くな
ったりする。 本願第1、第3または第5の発明の場合
は、カナダ濾水度で140mlCSF〜650mlCS
F、またはショッパー濾水度で17〜60°SRの範囲
となるように調節するのが望ましい。
おいては、水不溶性または水難溶性の粉体の配合により
シートの水分散性が向上するので、これらの粉体を配合
しない上記第1、第3または第5の発明に比べて叩解の
程度を高くすることができ、カナダ濾水度で60mlC
SF〜650mlCSF、またはショッパー濾水度で1
7〜72°SRの範囲となるように調節するのが望まし
い。
水分散性繊維は抄紙用繊維原料全体に対して、20重量
%以上配合する必要がある。抄紙用繊維原料全体を水分
散性繊維のみで占めてもよい。水分散性繊維の配合割合
が20重量%未満の場合は水分散性が大幅に低下する。
本願第1〜第6の発明において、水分散性繊維の配合量
が抄紙用繊維原料の100重量%未満の場合は、残りの
抄紙用繊維原料として、繊維ディメンションおよび保水
度が前記範囲にない木材パルプまたは非木材系植物繊維
を80重量%まで配合することができる。
は、水解性基材の作製に際し、水不溶性または水難溶性
粉体を混抄する。水不溶性粉体または水難溶性粉体を配
合することにより、水分散性と不透明度を高めることが
できる。不透明度が低いとたばこのフィルター部分の濾
材が透けて見え、たばこの外観が悪くなるので、不透明
度が高まることは、本発明の目的とするフィルター巻取
り紙やチップペーパーの用途に望ましいことである。
水解性基材の作製に際し混抄される水不溶性粉体として
は、非金属無機物、金属、水不溶性無機塩、熱硬化性樹
脂粉末、熱可塑性樹脂粉末などが用いられ、水難溶性粉
体としては、水難溶性無機塩が用いられる。水不溶性粉
体の具体例は、次の通りであり、単独で使用しても水難
溶性粉体を含めて2種以上を併用しても良い。酸化アル
ミニウム、二酸化チタン等の金属酸化物。炭化ケイ素、
炭化ホウ素等の炭化物。四窒化三ケイ素、窒化ホウ素等
の窒化物。雲母、長石族、シリカ鉱物族、粘土鉱物、合
成ゼオライト、天然ゼオライト等の珪酸塩鉱物。チタン
酸カリウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩化合物。
珪酸亜鉛等の珪酸塩化合物。リン酸亜鉛等のリン酸塩化
合物。尿素樹脂系微粉末やスチレンアクリル樹脂系中空
樹脂微粉末。
り、単独で使用しても水不溶性粉体を含めて2種以上を
併用しても良い。水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム等の金属水酸化物。炭酸カルシウム、炭酸バリウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛等の炭酸塩化合物。硫
酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム等の
硫酸塩化合物。
は、抄紙用繊維原料に添加して抄紙されるが、水解性基
材の中に、4〜40重量%含有されるように添加量を調
整することが望ましい。シート中に含まれる水不溶性ま
たは水難溶性粉体の量が4重量%に満たない場合には、
水分散率や不透明度の向上効果はごく僅かであり、添加
する意味がない。一方、水不溶性または水難溶性粉体の
量が40重量%を越えると水分散率や不透明度は極めて
高くなるが、強度が大きく低下し、通気度が著しく増大
して目的とする通気度範囲内に規制することが出来なく
なる。
般的には、粉体を抄紙用繊維原料に添加する際、それら
の比率を抄紙用繊維原料100に対して、水不溶性また
は水難溶性粉体を1〜200、好ましくは、5〜100
の範囲から選択すれば、上記含有量のものを得ることが
できる。
料を抄紙した後アルカリ含浸加工して水解性基材とす
る。水分散性繊維はアルカリで膨潤し易くなるため、水
分散性繊維を抄紙した後アルカリ化合物を含浸加工した
シートは水中で繊維が膨潤、離解し易くなり水分散性が
向上する。アルカリ性化合物とは、次に列挙されるもの
であり、2種以上を混合して使用しても良いが、いずれ
も水溶性化合物でなければならない。水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物。炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等のア
ルカリ金属の炭酸塩並びに炭酸水素塩。リン酸水素ナト
リウム等のアルカリ金属のリン酸塩、リン酸水素塩。酢
酸ナトリウム等のアルカリ金属の有機酸塩。水酸化カル
シウム等のアルカリ土類金属の水酸化物。エタノールア
ミン等のアミン類。
は、0.05g/m2 〜 20g/m2 、好ましくは
0.1g/m2 〜 10g/m2 、更に好ましくは0.
5g/m2 〜 5g/m2 である。含浸は、上記アルカ
リ性化合物の水溶液または該水溶液と相溶性のある水性
有機溶媒との混合液の中に、抄紙後の紙を浸漬した後、
加圧ロールで過剰液を絞る方法が好ましく、具体的には
サイズプレス装置等を用いて実施される。また、乾燥後
にアルカリ性化合物が脱落するのを防ぐために、上記ア
ルカリ化合物の水溶液の中に、該水溶液と相溶性のある
水溶性高分子を配合しても良い。
解性基材の作製に際し、繊維状カルボキシメチルセルロ
ース塩または繊維状カルボキシエチルセルロース塩を添
加する。繊維状カルボキシメチルセルロース塩または繊
維状カルボキシエチルセルロース塩は、水中においてそ
れ自体が膨潤、ゲル化するため、これらの塩同士または
これらの塩と抄紙用繊維との繊維間結合は容易に解裂し
てシートは迅速に水中で分散する。
は繊維状カルボキシエチルセルロース塩は、ナトリウム
塩(CMC−Na、CEC−Na)、カリウム塩(CM
C−K、CEC−K)、リチウム塩(CMC−Li、C
EC−Li)などのアルカリ金属塩か、該金属塩とアン
モニウム塩、アミン塩、カルシウム塩、マグネシウム
塩、アルミニウム塩などとの混合塩でもよい。繊維状カ
ルボキシメチルセルロース塩または繊維状カルボキシエ
チルセルロース塩のエーテル化度は0.1〜1.5、好
ましくは0.3〜0.5である。繊維状カルボキシメチ
ルセルロース塩または繊維状カルボキシエチルセルロー
ス塩の配合率は、(繊維状カルボキシメチルセルロース
塩または繊維状カルボキシエチルセルロース塩):(水
分散性繊維を含む抄紙用繊維全体)=1:99〜50:
50、好ましくは3:97〜15:85、更に好ましく
は5:95〜10:90である。
分散性繊維は、第1〜第6の発明の場合のように特定の
繊維ディメンションや保水度の繊維を使用しなくてもよ
い。水分散性繊維として、針葉樹クラフトパルプ、広葉
樹クラフトパルプ、溶解パルプなどの木材パルプ繊維、
ケナフパルプ、亜麻パルプ、リンターなどの非木材系植
物繊維から適宜選択して使用することができる。平均繊
維長は、0.1〜10mm、好ましくは0.5〜3m
m、更に好ましくは0.8〜2mmである。水分散性繊
維の繊維ディメンションと保水度について制限がないの
は、第7または第8の発明においては、繊維状カルボキ
シメチルセルロースまたは繊維状カルボキシエチルセル
ロースの添加とアルカリ処理によって、基材に十分な水
分散性が付与されるからである。
は、アルカリ処理をシートの厚さ方向で均一に行うた
め、叩解の程度を低くして含浸性の高いシートを形成さ
せることが必要であるので、カナダ濾水度で140ml
CSF〜720mlCSF、またはショッパー濾水度で
14〜60°SRの範囲となるように調節するのが望ま
しい。
分散性繊維に加えて、抄紙用繊維原料として繊維状カル
ボキシメチルセルロースまたは繊維状カルボキシエチル
セルロースが配合される。これは、遊離の状態のCMC
−H、CEC−Hであり、本願第5、6の発明において
基材に添加される繊維状カルボキシメチルセルロース塩
や繊維状カルボキシエチルセルロース塩のような膨潤性
を有しておらず、水中においても繊維形態を保持するも
のであり、抄紙用繊維原料を構成する。なお、水分散性
の調整のためにCMC−HまたはCEC−Hの20重量
%以下を水溶性または水難溶性の塩に置き換えることが
できる。例えばカルシウム塩(CMC−Ca、CEC−
Ca)、ジルコニウム塩(CMC−Zr、CEC−Z
r)、マグネシウム塩(CMC−Mg、CEC−M
g)、アルミニウム塩(CMC−Al、CEC−A
l)、亜鉛塩(CMC−Zn、CEC−Zn)などを用
いることができ、これらは2種以上併用してもよい。繊
維状カルボキシメチルセルロースまたは繊維状カルボキ
シエチルセルロースのエーテル化度は0.1〜1.5、
好ましくは0.3〜0.5である。繊維状カルボキシメ
チルセルロースまたは繊維状カルボキシエチルセルロー
スの叩解度は300mlCSF〜750mlCSFが好
ましく、300mlCSF以下では水分散性が著しく低
下して使用できない。
分散性繊維は抄紙用繊維原料全体の30〜99重量%配
合する。残りの抄紙用繊維原料として、繊維状カルボキ
シメチルセルロースまたはカルボキシエチルセルロース
を使用し、必要に応じて半合成繊維、合成繊維、無機繊
維を配合することができる。繊維状カルボキシメチルセ
ルロースまたは繊維状カルボキシエチルセルロースの配
合率は、抄紙用繊維原料全体の1重量%〜50重量%、
好ましくは3重量%〜20重量%、更に好ましくは5重
量%〜10重量%である。ただし、必要に応じて配合さ
れる半合成繊維、合成繊維、無機繊維などは20重量%
を限度とし、水分散性繊維と繊維状カルボキシメチルセ
ルロースまたはカルボキシエチルセルロースの合計量が
抄紙用繊維原料の80〜100重量%を占めるようにす
る。
浸加工処理に用いるアルカリ性化合物とは、次に列挙さ
れるものであり、2種以上を混合して使用しても良い
が、いずれも水溶性化合物でなければならない。水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化
物。炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム等のアルカリ金属の炭酸塩並びに炭酸水素塩。リン酸
水素ナトリウム等のアルカリ金属のリン酸塩、リン酸水
素塩。水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化
物。エタノールアミン等のアミン類およびアンモニア。
ホウ砂等のホウ酸塩。珪酸ナトリウム等の珪酸塩。
ある水性有機溶媒との混合液として、抄紙後の基材に添
加される。添加量は、基材中の繊維状カルボキシメチル
セルロース(CMC−H)または繊維状カルボキシエチ
ルセルロース(CEC−H)を遊離酸に換算して求めた
中和当量以上、好ましくは、中和当量の1〜2倍とす
る。基材への添加方法は、上記アルカリ性化合物の水溶
液または該水溶液と相溶性のある水性有機溶媒との混合
液の中に、基材を浸漬した後、加圧ロールで過剰液を絞
る方法が好ましく、具体的にはサイズプレス装置等を用
いて実施される。
作製される水解性基材は、通気度が40000コレスタ
以下となるように濾水度及び坪量を調節するのが望まし
い。水解性基材の通気度が40000コレスタを越える
と水分散性塗工層の塗設やスーパーカレンダー処理を併
用しても塗工紙の通気度を200コレスタ以下の規制範
囲に納めることが難しくなる。水解性基材の通気度が4
0000コレスタ以下となるならば、通気度との関係で
水解性基材の坪量を特に規制する必要はないが、本発明
の目的とするたばこのフィルター巻取り紙やチップペー
パーなどの用途には、好ましくは15g/m2〜80g
/m2 、さらに好ましくは25g/m2 〜45g/m2
である。
の発明においては、それぞれ作製された水解性基材の片
面または両面に、水溶性高分子からなる塗工層を設ける
ことを特徴とする。この塗工層を設ける理由は次の通り
である。水解性基材は、水分散性を高めるため繊維相互
の接触や結合状態が不安定なパルプ繊維などを用いた
り、水分散性を高めるための添加物が添加されている。
その結果、水解性基材は多孔性となり、通気性が高いも
のとなる。このため、たばこ用のフィルター巻取り紙や
チップペーパーに適した通気度とするために通気度を規
制する必要があるためである。
2種以上を併用して使用することができる。馬鈴薯澱
粉、コースターチ等の澱粉 酸化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、リン酸エステル化
澱粉、ヒドロキシアルキル化澱粉等の澱粉誘導体 カルボキシメチルセルロース塩、カルボキシエチルセル
ロース塩、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体 アルギン酸塩、マンナンなどの植物構成多糖類 ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリア
ルキレンオキサイド系重合体、ポリアクリル酸塩系重合
体などの合成高分子 アラビアゴム、トラガントゴムなどの植物粘質物 デキストラン、レバンなどの微生物粘質物 カゼイン、にかわ、ゼラチンなどのタンパク質 ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、
ポリ酢酸ビニル系共重合体のエマルジョン
ドコーターなどを用いて、水溶性高分子からなる塗工液
を水解性基材の片面または両面に表面塗工するが、塗工
液は一部基材に浸透して表面塗工層を形成する。塗工後
のシートの通気度が600コレスタ以下であれは、カレ
ンダー加工などで、最終的な通気度を200コレスタ以
下に調整することが可能である。従って、塗工後の通気
度が600コレスタ以下となるように、片面または両面
に塗工する。塗工量は、0.1〜30g/m2、好まし
くは1〜10g/m2 、更に好ましくは2〜6g/m2
である。水溶性高分子の塗工後、必要に応じてカレンダ
ー加工を行う。
解性基材の片面または両面に設ける水溶性高分子からな
る水分散性塗工層は、水溶性高分子1重量部に対して、
水不溶性粉体または水難溶性粉体20重量部以下を含有
してもよい。水溶性高分子からなる水分散性塗工層が水
不溶性粉体または水難溶性粉体を含むことによって、不
透明度や平滑度が高くなり、印刷適性も向上する利点が
ある。
は、本願第2、4、6の発明において、水解性基材に添
加された粉体と同様のものであり、非金属無機物、金
属、水不溶性無機塩、熱硬化性樹脂粉末、熱可塑性樹脂
粉末など、または水難溶性無機塩が用いられる。水不溶
性粉体の具体例は次の通りであり、単独であるいは水難
溶性粉体を含めて2種以上を併用してもよい。酸化アル
ミニウム、二酸化チタン等の金属酸化物。炭化ケイ素、
炭化ホウ素等の炭化物。四窒化三ケイ素、窒化ホウ素等
の窒化物。雲母、長石族、シリカ鉱物族、粘土鉱物、合
成ゼオライト、天然ゼオライト等の珪酸塩鉱物。チタン
酸カリウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩化合物。
珪酸亜鉛等の珪酸塩化合物。リン酸亜鉛等のリン酸塩化
合物。尿素樹脂系微粉末やスチレンアクリル樹脂系中空
樹脂微粉末。
単独であるいは水不溶性粉体を含めて2種以上を併用し
てもよい。水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等
の金属水酸化物。炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸
マグネシウム、炭酸亜鉛等の炭酸塩化合物。硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム等の硫酸塩化
合物。塗工層における水溶性高分子と水不溶性また水難
溶性粉体との配合割合は、水溶性高分子1重量部に対し
て、水不溶性また水難溶性粉体20重量部以下、好まし
くは3〜10重量部である。これらの粉体を含有する場
合でも、塗工量は、水溶性高分子のみの場合と同様0.
1〜30g/m2 、好ましくは1〜10g/m2 、更に
好ましくは2〜6g/m2 であり、塗工後、平滑度、印
刷適性の向上、通気度の低減など必要に応じてカレンダ
ー加工を行う。
散性塗工層を形成する場合、両面とも水溶性高分子のみ
からなる塗工層を形成する、あるいは、両面とも水不溶
性または水難溶性粉体を含有する塗工層を形成する他、
片面に水溶性高分子のみからなる塗工層を形成し、他面
に水不溶性または水難溶性粉体を含有する塗工層を形成
してもよい。
いて、紙通気度手動測定器で測定される通気度と、王研
式透気度との関係を測定した結果、次の回帰式が得られ
た。 通気度=−0.418×透気度+56.85 通気度1コレスタ以下の通気性の低い領域は透気度で測
定する必要があり、上記式から、透気度は数値が大きい
ほど通気性が低いことが判る。また、上記回帰式より通
気度1コレスタ以下は透気度133.6秒/100ml
となり、透気度が133.6秒/100ml以上の範囲
では通気度が測定できない。通気度が56.85コレス
タ以上の場合は、透気度は測定ができず、下記の範囲で
は通気度も透気度も測定可能である。 通気度 56.85〜1 コレスタ 透気度 0 〜133.6 秒/100ml
ローナー社製の通気度測定器で、差圧100mmH2O
の時に試料の1cm2 を通過する空気の流量を測定す
る。また、王研式透気度試験器とは、加圧空気が試料の
10.75cm2 を通過するときの水柱マノメーターの
指示値を測定するもので、測定値は秒/100mlで示
される。
トをたばこのフィルター巻取り紙やチップペーパーとし
て用いるのに好適である。たばこ用材料品としてのフィ
ルター巻取り紙は、たばこ煙を濾過するためのフィルタ
ー濾材、主としてセルロースアセテートを円柱状に包み
込むシートであり、チップペーパーは、たばこ刻みをた
ばこ巻紙で巻いた部分とフィルター濾材をフィルター巻
取り紙で巻いた部分を結合する紙である。これらの材料
品は種々の機能を兼備していなければならない。
る。紙を機械的もしくはレーザーなどによって開孔する
こと、または紙自体の通気度により、喫煙時のフィルタ
ーにおける空気流入量を増加させ、たばこ煙中成分、例
えばタールやニコチンの濃度を希釈し、喫煙時の煙中成
分量を少なくさせることができる。紙の通気度や、開孔
度の煙中成分量との関係については、種々の知見が得ら
れており、たばこ商品の設計、製造において煙中成分量
がコントロールされている。従来の水溶紙、水解紙技術
では、空気流入量が開孔時の通気度よりも高かったり、
紙自体の通気度が高くタール、ニコチン量をコントロー
ルすることが不可能となってしまい、商品の差別化が行
えないことが欠点であった。本発明の水分散性シートを
用いれば、煙中の成分量をコントロールする機能を維持
することができる。
の適性である。チップペーパーへの印刷により、たばこ
商品の差別化と商品イメージの向上を図っているが、従
来の水溶紙、水解紙技術による紙は、多孔質で平滑度が
低く、印刷の際インクが紙の裏側に通り抜け、表面イン
クの量が減少してしまい印刷効果が薄れてしまう、所謂
“裏抜け”や、インクが印刷面でムラになる“泳ぎ”、
さらにグラビア印刷の様な印刷を行う場合、印刷すべき
点のうち印刷できなかった点の数であるミスドッド数が
増加するなどの現象が発生する。しかし、本発明では、
水溶性高分子からなる塗工液を表面塗工するので、表面
の平滑度が向上し、印刷時に上記の欠陥の発生を抑制す
ることができる。
れたシートである本発明を利用することによって、商品
価値を失わずに自然環境におけるフィルターの分解を促
進したたばこを提供することができる。本発明にかかる
たばこ用水分散性シートをチップペーパーとして用いる
には、シートをチップ原紙としてこれにグラビア印刷、
フレキソ印刷などにより単色もしくは2〜5色の多色刷
りを行って、線紋やロゴマーク、たばこのブランド名或
いはコルク地模様などが施され、チップペーパーとして
所定の幅に裁断される。フィルター巻取り紙として用い
る場合には、フィルター巻取り紙として所定の幅に裁断
される。
原料として、特定の繊維ディメンション及び特定の保水
度を有する水分散性繊維を用いるので、抄紙時のシート
形成過程で膨潤、圧潰し難く、繊維相互の接触や結合状
態が不安定となるため、水中で分散し易い水解性基材が
得られる。
水解性基材の作製に際し、水不溶性または水難溶性の粉
体を混抄するので、繊維相互の接触が阻害されて繊維間
の結合状態が不安定となり、該粉体無添加の場合に比べ
て水中で分散し易い水解性基材が得られる。
抄紙した後アルカリ含浸加工する。水分散性繊維はアル
カリ性で膨潤しやすくなるため、アルカリ含浸加工処理
した基材は水中で繊維が膨潤し、離解し易くなり、水解
性基材の水分散性が向上する。
基材の作製に際し、膨潤性を有する繊維状カルボキシメ
チルセルロース塩や繊維状カルボキシエチルセルロース
塩を添加するので、これらが水中で膨潤ゲル化し、これ
らの塩と抄紙用繊維との繊維間結合が容易に解裂するの
で、基材の水分散性が向上する。
繊維原料の一部として、繊維状カルボキシメチルセルロ
ースあるいは繊維状カルボキシエチルセルロースを用
い、抄紙後、アルカリ含浸加工処理をする。その結果、
繊維状カルボキシメチルセルロースあるいは繊維状カル
ボキシエチルセルロースは、該当する塩を形成し、水中
で溶解及び膨潤可能な状態となるため、これらの塩と抄
紙用繊維との繊維間結合が容易に解裂して基材の水分散
性が向上する。本願第7、第8の発明においては、繊維
状カルボキシメチルセルロースあるいは繊維状カルボキ
シエチルセルロースは水に不溶な状態で分散、抄紙され
るため、本願第5、第6の発明のように繊維状カルボキ
シメチルセルロース塩あるいは繊維状カルボキシエチル
セルロース塩を分散、抄紙する場合に比べ、該塩の一部
可溶部が抄紙時に流亡することなくシート中に保持され
るため、水分散性のより高い基材が得られる。
時間、通気度、引っ張り強さなどの評価方法は、以下の
ようにして行った。 〔水分散率〕2.5cm角の試験片10枚を用意し、こ
のうち5枚を用いて水分を測定し、残り5枚を水分散率
測定用試験片とする。下記(I)式を用いて水分から試
験片の換算絶乾重量を計算する。次に、200mlビー
カーに脱イオン水200mlを入れてスターラーで60
0rpmに攪拌しながら上記試験片5枚を次々に投入す
る。所定時間攪拌後、内容物を目開き1.7mmの標準
篩で濾別し、105℃で5時間以上乾燥して絶乾重量を
測定する。攪拌時間は5分又は20分として、水分散率
を下記(II)式から求める。水分散率が大きいほど水分
散性は優れていると評価する。 試験片の換算絶乾重量 =試験片重量×水分測定試料絶乾重量÷水分測定試料風乾重量 … (I) 水分散率 =(試験片換算絶乾重量−篩上の残滓絶乾重量)÷試験片換算絶乾重量×100 … (II)
意する。次に300mlビーカーに脱イオン水300m
lを入れてスターラーで650rpmに攪拌しながら上
記試験片1枚を投入する。試験片が2つ以上に千切れる
時間をストップウォッチで求め、5回の測定の平均値を
水分散時間とする。水分散時間が短いほど水分散性は優
れていると評価する。水分散時間は、すべての実施例に
ついて測定した。
手動測定器(形式、PPM100型)を用いて、差圧1
00mmH2Oの時、試料の1cm2を1分間に通過する
空気の容積を測定した。通気度が1コレスタより低い場
合には、旭精工株式会社製の王研式透気度試験器(形
式、KG1形)で透気度を測定した。
じて測定した。
する繊維が水中で分散し易いものであることを示すもの
である。繊維ディメンションと保水度の異なる次の4種
の木材パルプを調達した。これらを便宜上、木材パルプ
A、B、C、Dと称し、未叩解時以下の特性を有する。 木材パルプA(針葉樹晒クラフトパルプ) l/D値 0.722 L/D値 79.6 保水度 103% 木材パルプB(広葉樹晒クラフトパルプ) l/D値 0.480 L/D値 44.2 保水度 109% 木材パルプC(広葉樹晒クラフトパルプ) l/D値 0.420 L/D値 57.6 保水度 77% 木材パルプD(広葉樹晒クラフトパルプ) l/D値 0.330 L/D値 56.8 保水度 93%
の濾水度まで叩解した後、単独で或いは同じ濾水度まで
叩解した別種の木材パルプを配合し、JISP8209
に準じて坪量27g/m2 または37g/m2 の手抄き
紙を作製した。手抄き紙の水分散時間を測定し、90秒
未満のものを水分散性ありと判定して表1に示した。
ンまたは保水度が規定範囲に入らないAおよびBは、そ
れぞれ単独で作製した手抄き紙の水分散時間が極めて長
い。一方、繊維ディメンションおよび保水度が規定範囲
にあるCおよびDは、それぞれ単独で用いた場合も、あ
るいは配合率が20重量%以上であれば、木材パルプA
と配合した場合も、水分散時間が短く極めて優れた水分
散性を有している。
体を添加することにより抄紙された基材の水分散性が向
上することを示すものである。実験例1で使用した木材
パルプAとCを用意し、実施例1と同様にして叩解、配
合した。これに水不溶性または難溶性の粉体として炭酸
カルシウムまたは炭酸カルシウム:二酸化チタン=6:
1を添加し、坪量27g/m2 または37g/m2 の手
抄き紙を作製した。水分散性を測定し、表2に示した。
紙に含まれる水不溶性または水難溶性粉体の量はJIS
P8128の900℃灰分により表示した。
試料No.14のものに炭酸カルシウムを添加したも
の、試料No.22は、表1の試料No.7のものに炭
酸カルシウムを添加してものに該当し、水不溶性または
水難溶性粉体の添加により、水分散性が向上することが
わかる。
難溶性粉体の量に応じて抄紙された基材の水分散性が向
上することを示すものである。実験例1で使用した木材
パルプAを40重量部と木材パルプCを60重量部、い
ずれも濾水度140mlCSFまで叩解し、配合した。
この繊維原料の100重量部に対して炭酸カルシウムを
それぞれ50、100、150、200重量部添加し、
JIS P8209に準じて坪量27g/m2 の水解性
基材を手抄きにより作製し、水分散時間、水分散率、通
気度、引っ張り強さを測定した。
の含有量が多くなるにつれて、水分散性が向上すること
が判る。ただし、炭酸カルシウムの含有量が多くなると
通気度が高くなり、引っ張り強さが低くなる傾向を示
し、炭酸カルシウム含有量と引っ張り強さの関係を外挿
すると、炭酸カルシウム含有量が40重量%以上では引
っ張り強さが0.5Kg以下になると推定されるので、
塗工層による強度の向上を考慮しても、実用上、炭酸カ
ルシウム含有量は40重量%までとすることが望まし
い。
リ含浸加工を施すことにより、該基材の水分散性が向上
することを示すものである。実験例1で使用した木材パ
ルプAを20重量部と木材パルプCを80重量部、いず
れもカナダ濾水度450mlCSFまで叩解し、この繊
維原料の100重量部に対して炭酸カルシウムを100
重量部添加し、JIS P8209に準じて坪量37g
/m2 の手抄き紙を作製した。
シメチルセルロースナトリウム塩を表4の割合で配合
し、固形分濃度がそれぞれ0.07、0.7、5.89
重量%のアルカリ含浸加工液を調製した。手抄き紙を該
加工液に含浸した後、過剰分を絞って乾燥し、アルカリ
含浸した水解性基材を作製した。該水解性基材につい
て、水分散時間並びに、1重量%濃度の分散液のpHを
測定して表4に示した。
時間が短くなり、水分散性が向上していることが判る。
配合することにより、水分散性が向上することを示すも
のである。実験例1で使用した木材パルプAを40重量
部と木材パルプCを60重量部、いずれもカナダ濾水度
600mlCSFまで叩解し、配合した。この木材パル
プ所定重量部にエーテル化度0.43の繊維状カルボキ
シメチルセルロースナトリウム塩を所定重量部配合して
抄紙用繊維原料を調成し、JIS P8209に準じて
坪量37g/m2 の手抄き紙を作製し、実験例1と同様
にして水分散率を測定した結果を表5に示す。表5より
繊維状カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の配合
により水分散率が向上することが判る。通気度も、塗工
層の形成やカレンダー処理により所定の値に規制できる
範囲にある。
維ディメンションと保水度について制限はない。この実
験例は、水分散性繊維に繊維状カルボキシメチルセルロ
ースまたは繊維状カルボキシエチルセルロースを混抄し
た後アルカリ含浸加工する場合には、水分散性繊維の繊
維ディメンションと保水度が、本願第1〜第6の発明の
ような特定の範囲のものでなくても水分散性の良好な水
解性基材が得られることを示すものである。
木材パルプAと木材パルプCを用意した。これらをJI
S P8210記載のビーターで所定の濾水度まで叩解
した後、表6の各重量部で、エーテル化度0.43の繊
維状カルボキシメチルセルロースの所定重量部を配合し
て抄紙用繊維を調成し、JIS P8210に準じて手
抄き紙を作製した。該手抄き紙を炭酸ナトリウムまたは
炭酸カリウムの5%水溶液に30秒間浸漬し、過剰液を
絞って乾燥してアルカリ含浸加工紙を得た。該含浸加工
紙について水分散時間と通気度を測定した結果を表6に
示した。
ョンや保水度が所定の範囲内にある木材パルプCを全く
配合しない場合であっても、木材パルプCを配合したも
のと同様、繊維状カルボキシメチルセルロースの配合と
アルカリ含浸処理により、水分散性の良好な水解性基材
が得られることが判る。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実
施例において用いた評価方法を次に示すが、これらは各
実施例において共通して用いられた。
ったが、攪拌時間はすべて5分とした。水分散率は、実
施例1〜6、9〜11及び13について測定した。実施
例7、8、12及び14については試験片の水分散率が
100%に近いものが多く、試料間での有意差が評価で
きないため、水分散性の評価は水分散時間のみで行っ
た。
行った。水分散時間は、すべての実施例について測定し
た。
た。
o.5に準じて測定した。
じて測定した。
験機株式会社製複合サイクルウェザーメーターの中に調
査用シガレットのフィルター部分を入れ、30時間連続
的に水を散布した後、絶乾重量を測定した。重量減少率
は次式から算出した。 重量減少率(%)=(降雨前の換算絶乾重量−降雨後の
絶乾重量)÷降雨前の換算絶乾重量×100
が56.8、保水度が93%の広葉樹晒クラフトパルプ
をカナダ濾水度600mlCSFまで叩解したもの60
重量部と、l/D値が0.722、L/D値が79.
6、保水度が103%の針葉樹晒クラフトパルプをカナ
ダ濾水度600mlCSFまで叩解したもの40重量部
からなる抄紙原料を調成し、JIS P8209に準じ
て坪量38g/m2 の手抄き紙(水解性基材)を作製し
た。次に、ポリビニルアルコール50重量部と澱粉50
重量部を配合し、固形分濃度20%の塗工液をロールコ
ーターで片面に2.5g/m2 、又は各片面に2.5g
/m2 づつ両面に塗工した。塗工紙は更に線圧175K
g/cm、温度90℃でスーパーカレンダー加工してカ
レンダー加工紙を作製した。
率、水分散時間、平滑度、引っ張り強さを測定したとこ
ろ、片面塗工(試料No.1−1)、両面塗工(試料N
o.No.1−2)のものそれぞれについて、通気度が
77、83コレスタ、水分散率(5分)が44、38
%、水分散時間が40、52秒であり、通気性を低く抑
えながら、水分散性の優れた水分散性シートが得られる
ことが判る。また、引っ張り強さは、3.7、5.0K
g、平滑度が232、238秒/10mlであり、たば
こ用チップ原紙、フィルター巻取り紙として好適な特性
を有していた。
が57.6、保水度が77%の広葉樹晒クラフトパルプ
をカナダ濾水度600mlCSFまで叩解したもの80
重量部と、l/D値が0.722、L/D値が79.
6、保水度が103%の針葉樹晒クラフトパルプをカナ
ダ濾水度600mlCSFまで叩解したもの20重量
部、及びカオリンまたは炭酸カルシウム30重量部から
なる抄紙原料を調成し、JIS P8209に準じて坪
量38g/m2 の手抄き紙(水解性基材)を作製した。
次に、ポリビニルアルコール50重量部と澱粉50重量
部を配合し、固形分濃度20%の塗工液をロールコータ
ーで片面に2.5g/m2 、又は各片面に2.5g/m
2 づつ両面に塗工した。塗工紙は更に線圧175Kg/
cm、温度90℃でスーパーカレンダー加工してカレン
ダー加工紙を作製した。
4)について、通気度、水分散率、水分散時間、平滑
度、引っ張り強さを測定した結果を表7に示した。表7
より、いずれの試料も通気度が200コレスタより低
く、水分散性に優れるとともに、引っ張り強さ、平滑度
もたばこ用チップ原紙、フィルター巻き取り紙として好
適な特性を有していた。
が57.6、保水度が77%の広葉樹晒クラフトパルプ
をカナダ濾水度600mlCSFまで叩解したもの60
重量部と、l/D値が0.722、L/D値が79.
6、保水度が103%の針葉樹晒クラフトパルプをカナ
ダ濾水度600mlCSFまで叩解したもの40重量部
からなる抄紙原料を調成し、JIS P8209に準じ
て坪量38g/m2 の手抄き紙を作製した。
たは炭酸カリウムを用い、乾燥後にアルカリ性化合物が
脱落するのを防ぐために、アルカリ性化合物の水溶液の
中に該水溶液と相溶性のある水溶性高分子としてカルボ
キシメチルセルロースナトリウム塩を添加した。アルカ
リ性化合物:カルボキシメチルセルロースナトリウム塩
=3:2の重量比で配合し、固形分濃度を8重量%、B
形粘度を70CPSとした水溶液をサイズプレス装置で
含浸加工して、アルカリ含浸加工水解性基材を作製し
た。含浸されたアルカリ性化合物量はいずれも0.8g
/m2 であった。
澱粉50重量部を配合し、固形分濃度20%の塗工液を
ロールコーターで、炭酸カリウムを含浸した加工紙につ
いては片面に2.5g/m2 塗工し、炭酸ナトリウムを
含浸した加工紙については各片面に2.5g/m2 づつ
両面に塗工した。塗工紙は更に線圧175Kg/cm、
温度90℃でスーパーカレンダー加工してカレンダー加
工紙を作製した。
率、水分散時間、平滑度、引っ張り強さを測定したとこ
ろ、炭酸カリウム含浸後片面塗工(試料No.3−
1)、炭酸ナトリウム含浸後両面塗工(試料No.3−
2)のものそれぞれについて、通気度が46、26コレ
スタ、水分散率(5分)が54、53%、水分散時間が
30、39秒であり、通気性を低く抑えながら、水分散
性の優れた水分散性シートが得られることが判る。ま
た、引っ張り強さは、3.2、4.9Kg、平滑度が2
94、390秒/10mlであり、たばこ用チップ原
紙、フィルター巻取り紙として好適な特性を有してい
た。
が57.6、保水度が77%の広葉樹晒クラフトパルプ
をカナダ濾水度600mlCSFまで叩解したもの80
重量部と、l/D値が0.722、L/D値が79.
6、保水度が103%の針葉樹晒クラフトパルプをカナ
ダ濾水度600mlCSFまで叩解したもの20重量
部、及び炭酸カルシウム30重量部からなる抄紙原料を
調成し、JIS P8209に準じて坪量38g/m2
の手抄き紙を作製した。実施例3と同様にしてアルカリ
含浸加工して水解性基材を作製し、実施例3と同様にし
て塗工層の形成、スーパーカレンダー処理を行った。
率、水分散時間、平滑度、引っ張り強さを測定したとこ
ろ、炭酸カリウム含浸後片面塗工(試料No.4−
1)、炭酸ナトリウム含浸後両面塗工(試料No.4−
2)のものそれぞれについて、通気度が69、23コレ
スタ、水分散率(5分)が74、83%、水分散時間が
9、26秒であり、通気性を低く抑えながら、水分散性
の優れた水分散性シートが得られることが判る。また、
引っ張り強さは、2.6、4.0Kg、平滑度が33
3、298秒/10mlであり、たばこ用チップ原紙、
フィルター巻取り紙として好適な特性を有していた。
が56.8、保水度が93%の広葉樹晒クラフトパルプ
をカナダ濾水度600mlCSFまで叩解したもの60
重量%と、l/D値が0.722、L/D値が79.
6、保水度が103%の針葉樹晒クラフトパルプをカナ
ダ濾水度600mlCSFまで叩解したもの40重量%
からなる木材パルプ原料95重量部に、繊維状カルボキ
シメチルセルロースナトリウム塩(エーテル化度0.4
3)5重量部を配合した抄紙原料を調成し、長網式抄紙
機で坪量37g/m2 の水解性基材を作製した。
澱粉50重量部を配合し、固形分濃度20%の塗工液を
ロールコーターで各片面に2.5g/m2 づつ両面に塗
工した。塗工紙は更に線圧175Kg/cm、温度90
℃でスーパーカレンダー加工してカレンダー加工紙を作
製した。
いて、通気度、水分散率、水分散時間、平滑度、引っ張
り強さを測定したところ、通気度が83コレスタ、水分
散率(5分)が40%、水分散時間が81秒であり、通
気性を低く抑えながら、水分散性の優れた水分散性シー
トが得られることが判る。また、引っ張り強さは、4.
7Kg、平滑度が95秒/10mlであり、たばこ用チ
ップ原紙、フィルター巻取り紙として好適な特性を有し
ていた。
が57.6、保水度が77%の広葉樹晒クラフトパルプ
をカナダ濾水度530mlCSFまで叩解したもの60
重量%と、l/D値が0.722、L/D値が79.
6、保水度が103%の針葉樹晒クラフトパルプをカナ
ダ濾水度530mlCSFまで叩解したもの40重量%
からなる木材パルプ原料95重量部に、繊維状カルボキ
シメチルセルロースナトリウム塩(エーテル化度0.4
3)5重量部、炭酸カルシウム30重量部、二酸化チタ
ン5重量部を配合した抄紙原料を調成し、長網式抄紙機
で坪量38g/m2 の水解性基材を作製した。
澱粉を表8に示す各重量部の割合で配合し、固形分濃度
20%の塗工液をロールコーターで片面に2.5g/m
2 あるいは各片面に2.5g/m2 づつ両面に塗工し
た。塗工紙は更に線圧175Kg/cm、温度90℃で
スーパーカレンダー加工してカレンダー加工紙を作製し
た。
6)について、通気度、水分散率、水分散時間、平滑
度、引っ張り強さを測定し表8に示した。表8より通気
性を低く抑えながら、水分散性の優れた水分散性シート
が得られることが判る。また、引っ張り強さや平滑度
は、たばこ用チップ原紙、フィルター巻取り紙として好
適な特性を有していた。
が44.2、保水度が109%の広葉樹晒クラフトパル
プをカナダ濾水度500mlCSFまで叩解したもの5
8重量部と、l/D値が0.722、L/D値が79.
6、保水度が103%の針葉樹晒クラフトパルプをカナ
ダ濾水度500mlCSFまで叩解したもの42重量
部、繊維状カルボキシメチルセルロース(エーテル化度
0.43)11重量部を配合した抄紙原料を調成し、長
網式抄紙機で基材を作製した。これに5重量%濃度の炭
酸ナトリウム水溶液をサイズプレスで塗工して坪量41
g/m2 のアルカリ含浸加工水解性基材を作製した。
表9に示すような塗工材を塗工して水分散性塗工層を形
成した。塗工紙は更に線圧175Kg/cm、温度90
℃でスーパーカレンダー加工してカレンダー加工紙を作
製した。得られた塗工紙または塗工後カレンダー加工紙
(試料No.7−1〜7−8)について、通気度、水分
散時間、平滑度、引っ張り強さを測定し表9に示した。
表9より通気性を低く抑えながら、水分散性の優れた水
分散性シートが得られることが判る。また、十分な引っ
張り強さを有し、カレンダー加工により平滑度が向上
し、たばこ用チップ原紙、フィルター巻取り紙として好
適な特性を有していた。
が44.2、保水度が109%の広葉樹晒クラフトパル
プをカナダ濾水度640mlCSFまで叩解したもの7
5重量部と、繊維状カルボキシメチルセルロース(エー
テル化度0.43)25重量部、カオリン30重量部、
二酸化チタン5重量部を配合した抄紙原料を調成し、J
IS P8209に準じて手抄き紙を作製した。これに
8重量%濃度の炭酸ナトリウム水溶液をサイズプレスで
塗工して坪量49g/m2 のアルカリ含浸加工水解性基
材を作製した。
表10に示すような塗工材を塗工して水分散性塗工層を
形成した。塗工紙は更に必要に応じて線圧175Kg/
cm、温度90℃でスーパーカレンダー加工してカレン
ダー加工紙を作製した。
工紙(試料No.8−1〜8−5)について、通気度、
水分散時間、平滑度、引っ張り強さを測定し表10に示
した。これらは、いずれも通気度が1コレスタでたばこ
用チップ原紙、フィルター巻取り紙として使用可能な低
い水準にある一方、水分散時間は10〜20秒と短く、
通気性を低く抑えながら、水分散性の優れた水分散性シ
ートが得られることが判る。また、十分な引っ張り強さ
を有し、カレンダー加工により平滑度が向上し、たばこ
用チップ原紙、フィルター巻取り紙として好適な特性を
有していた。
量38g/m2 の水解性基材を作製した。次に、カオリ
ン70重量部、二酸化チタン30重量部、ポリビニルア
ルコール5.2重量部、澱粉13.8重量部を配合した
塗工液をブレードコーターで片面または両面に塗工し
て、水不溶性粉体を含む水分散性塗工層を形成した。塗
工紙は更に線圧175Kg/cm、温度90℃でスーパ
ーカレンダー加工してカレンダー加工紙を作製した。
工紙(試料No.9−1〜9−4)について、通気度、
水分散率、水分散時間、平滑度、引っ張り強さを測定し
表11に示した。表11より通気性を低く抑えながら、
水分散性の優れた水分散性シートが得られることが判
る。また、十分な引っ張り強さを有し、カレンダー加工
により平滑度が向上し、たばこ用チップ原紙、フィルタ
ー巻取り紙として好適な特性を有していた。
作製した。次に、カオリン70重量部、二酸化チタン3
0重量部、澱粉19重量部を配合した塗工液をブレード
コーターで片面に塗工して、水不溶性粉体を含む水分散
性塗工層を形成した。塗工紙は更に線圧175Kg/c
m、温度90℃でスーパーカレンダー加工してカレンダ
ー加工紙を作製した。
ついて、通気度、水分散率、水分散時間、平滑度、引っ
張り強さを測定し表11に示した。表11より通気性を
低く抑えながら、水分散性の優れた水分散性シートが得
られることが判る。また、引っ張り強さや平滑度は、た
ばこ用チップ原紙、フィルター巻取り紙として好適な特
性を有していた。
作製した。次に、カオリン70重量部、二酸化チタン3
0重量部、ポリビニルアルコール13.8重量部、澱粉
5.2重量部を配合した塗工液をブレードコーターで片
面または両面に塗工して、水不溶性粉体を含む水分散性
塗工層を形成した。塗工紙は更に線圧175Kg/c
m、温度90℃でスーパーカレンダー加工してカレンダ
ー加工紙を作製した。
1−2)について、通気度、水分散率、水分散時間、平
滑度、引っ張り強さを測定し表11に示した。表11よ
り通気性を低く抑えながら、水分散性の優れた水分散性
シートが得られることが判る。また、引っ張り強さや平
滑度は、たばこ用チップ原紙、フィルター巻取り紙とし
て好適な特性を有していた。
が79.6、保水度が103%の針葉樹晒クラフトパル
プをカナダ濾水度500mlCSFまで叩解したもの4
0重量部、l/D値が0.480、L/D値が44.
2、保水度が109%の広葉樹晒クラフトパルプをカナ
ダ濾水度500mlCSFまで叩解したもの60重量部
と、繊維状カルボキシメチルセルロース(エーテル化度
0.43)10重量部、カオリン30重量部、二酸化チ
タン5重量部を配合した抄紙原料を調成し、JIS P
8209に準じて手抄き紙を作製した。これに30重量
%濃度のメタノールを含む5重量%濃度の炭酸ナトリウ
ム水溶液をサイズプレスで塗工して坪量38g/m2 の
アルカリ含浸加工水解性基材を作製した。
30重量部、澱粉19重量部を配合した塗工液をブレー
ドコーターで片面に塗工して、水不溶性粉体を含む水分
散性塗工層を形成した。塗工紙は更に線圧175Kg/
cm、温度90℃でスーパーカレンダー加工してカレン
ダー加工紙を作製した。
ついて、通気度、水分散率、水分散時間、平滑度、引っ
張り強さを測定し表11に示した。表11より通気性を
低く抑えながら、水分散性の優れた水分散性シートが得
られることが判る。また、引っ張り強さや平滑度は、た
ばこ用チップ原紙、フィルター巻取り紙として好適な特
性を有していた。
作製した。次に、カオリン70重量部、二酸化チタン3
0重量部、ポリビニルアルコール13.8重量部、澱粉
5.2重量部を配合した塗工液をブレードコーターで片
面に4.7g/m2 塗工して、水不溶性粉体を含む水分
散性塗工層を形成した。他面には、ポリビニルアルコー
ル40重量部と澱粉60重量部を配合した塗工液をブレ
ードコーターで3.7g/m2 塗工して、水不溶性粉体
を含まない水分散性塗工層を形成した。この両面塗工紙
は更に線圧175Kg/cm、温度90℃でスーパーカ
レンダー加工してカレンダー加工紙を作製した。
は、通気度66コレスタ、不透明度71.6%、水分散
時間33秒、平滑度323秒/10ml、引っ張り強さ
4.68Kgであり、たばこ用チップ原紙、フィルター
巻取り紙として好適な特性を有していた。
加工水解性基材を作製した。次に、カオリン70重量
部、二酸化チタン30重量部、澱粉19重量部を配合し
た塗工液をブレードコーターで片面に10g/m2 塗工
して、水不溶性粉体を含む水分散性塗工層を形成した。
他面には、アクリル酸エステル・アクリル酸共重合体4
5重量部とポリビニルアルコール55重量部を配合した
塗工液をブレードコーターで10.7g/m2 塗工し
て、水不溶性粉体を含まない水分散性塗工層を形成し
た。この両面塗工紙は更に線圧175Kg/cm、温度
90℃でスーパーカレンダー加工してカレンダー加工紙
を作製した。
は、透気度が280秒/100mlで通気性が極めて低
く、水分散時間は11秒と極めて短いものであった。ま
た、平滑度320秒/10ml、引っ張り強さ2.61
Kgであり、たばこ用チップ原紙、フィルター巻取り紙
として好適な特性を有していた。
レスタ)をチップ原紙とし、これに絵模様を印刷し、規
格寸法幅に裁断してチップペーパーとした(試料No.
15)。
−2のスーパーカレンダー加工を行わないシートを作製
した。このシートの通気度188コレスタであり、上記
と同様にしてチップペーパーとした(試料No.1
6)。
て、実施例11における水解性基材へ塗工を行わずに線
圧175kg/cm、温度90℃でスーパーカレンダー
加工を施してカレンダー加工紙を得た。この加工紙の通
気度は270コレスタであり、上記と同様にして比較用
のチップペーパーを作製した(試料No.17)。
0.420、L/D値が57.6、保水度が77%の広
葉樹晒クラフトパルプをカナダ濾水度240mlCSF
まで叩解したもの80重量%と、l/D値が0.72
2、L/D値が79.6、保水度が103%の針葉樹晒
クラフトパルプをカナダ濾水度240mlCSFまで叩
解したもの20重量%からなる木材パルプ原料95重量
部に、繊維状カルボキシメチルセルロースナトリウム塩
(エーテル化度0.43)5重量部、炭酸カルシウム6
5重量部を配合した抄紙原料を調成し、長網式抄紙機で
坪量30g/m2 の水解性基材を作製した。次に、固形
分濃度20%の澱粉塗工液をロールコーターで片面に1
g/m2 づつ両面に塗工し、更に線圧175Kg/c
m、温度90℃でスーパーカレンダー加工してカレンダ
ー加工紙を得た。この加工紙の通気度は109コレスタ
であり、これを所定寸法に裁断してフィルター巻取り紙
とした(試料No.18)。
な抄造条件で抄紙したチップペーパーおよびフィルター
巻取り紙によりたばこを作製した。すなわち、繊維ディ
メンションのl/D値が0.530、L/D値が55.
3、保水度が116%の広葉樹晒クラフトパルプをカナ
ダ濾水度80mlCSFまで叩解したもの50重量%
と、l/D値が0.786、L/D値が77.6、保水
度が91.5%の針葉樹晒クラフトパルプをカナダ濾水
度80mlCSFまで叩解したもの50重量%からなる
木材パルプ原料100重量部に、炭酸カルシウム30重
量部を内添させた抄紙原料を調成し、長網式抄紙機で坪
量37g/m2 のチップペーパー用原紙と坪量27g/
m2 のフィルター巻取り紙用原紙を作製した。このそれ
ぞれについて、表面塗工を施すことなく、線圧175K
g/cm、温度90℃でスーパーカレンダー加工して、
カレンダー加工紙を得た。これらの通気度はチップペー
パー用が5コレスタ、フィルター巻取り紙用が9コレス
タであった。それぞれを所定の寸法に裁断して比較用の
チップペーパー(試料No.19)と比較用のフィルタ
ー巻取り紙(試料No.20)とした。
0)は、通常のたばこ用フィルターと同様にアセテート
トウを巻き上げ、たばこ用フィルターを作製した。この
とき機械的、品質的な問題は発生しなかった。
一のたばこ刻みをたばこ巻紙で巻いた部分とを、表12
に示すチップペーパー(試料No.15、16、17、
19)との組み合わせで4種のたばこを試製した。いず
れのたばこ用試料の試製時にも機械的な問題、煙中成分
以外の品質上の問題は、発生せず良好であった。これら
のたばこについて、TIOJ(日本たばこ協会)法に準
じて、たばこの通気抵抗、煙中タール量、煙中ニコチン
量、吸煙回数を測定した結果および複合サイクルウェザ
ーメーターを用いた連続降雨試験による30時間後のチ
ップペーパーとフィルター巻取り紙の減少率を比較した
データーを併せて表12に示した。
準として、試製No.BおよびCのたばこは、複合サイ
クルウェザーメーターによる減少率が高く水分散性が良
好であり、また、煙中成分の減少もほとんど発生しなっ
たことからたばこ用材料として好適な特性を有している
といえる。試製No.Dのたばこについては、ニコチ
ン、タールの値がかなり減少することは認められた。よ
って、試製No.Dのように用紙の通気度が200コレ
スタを超える場合には、煙中のニコチン、タール等の煙
中成分量がかなり減少するためにチップペーパーとして
の使用に適合しないといえる。
ィルター部分に用いられているフィルター巻取り紙やチ
ップペーパーと同レベルの通気度を保持しつつ、雨水な
どで分解しやすいたばこ用水分散性シートが得られる。
従って、このシートから作製されるフィルター巻取り紙
やチップペーパーを用いたたばこは、廃棄された吸殻が
雨水などで容易に分解し、環境の保全、美化に役立つも
のである。
Claims (13)
- 【請求項1】 l/D値が0.45以下、L/D値が6
0以下の繊維ディメンションを有し、保水度が95%以
下である水分散性繊維を20重量%以上含有する抄紙用
繊維原料を用いて作製した水解性基材の少なくとも片面
に、水溶性高分子からなる水分散性塗工層を設けて、通
気性を紙通気度手動測定器で200コレスタ以下の通気
度または王研式透気度試験器で0〜50000秒/10
0mlの範囲の透気度になるように規制したことを特徴
とするたばこ用水分散性シート。 - 【請求項2】 l/D値が0.45以下、L/D値が6
0以下の繊維ディメンションを有し、保水度が95%以
下である水分散性繊維を20重量%以上含有する抄紙用
繊維原料に水不溶性または水難溶性粉体を混抄してなる
水解性基材の少なくとも片面に、水溶性高分子からなる
水分散性塗工層を設けて、通気性を紙通気度手動測定器
で200コレスタ以下の通気度または王研式透気度試験
器で0〜50000秒/100mlの範囲の透気度にな
るように規制したことを特徴とするたばこ用水分散性シ
ート。 - 【請求項3】 l/D値が0.45以下、L/D値が6
0以下の繊維ディメンションを有し、保水度が95%以
下である水分散性繊維を20重量%以上含有する抄紙用
繊維原料を抄紙した後アルカリ含浸加工してなる水解性
基材の少なくとも片面に、水溶性高分子からなる水分散
性塗工層を設けて、通気性を紙通気度手動測定器で20
0コレスタ以下の通気度または王研式透気度試験器で0
〜50000秒/100mlの範囲の透気度になるよう
に規制したことを特徴とするたばこ用水分散性シート。 - 【請求項4】 l/D値が0.45以下、L/D値が6
0以下の繊維ディメンションを有し、保水度が95%以
下である水分散性繊維を20重量%以上含有する抄紙用
繊維原料に水不溶性または水難溶性粉体を混抄した後ア
ルカリ含浸加工してなる水解性基材の少なくとも片面
に、水溶性高分子からなる水分散性塗工層を設けて、通
気性を紙通気度手動測定器で200コレスタ以下の通気
度または王研式透気度試験器で0〜50000秒/10
0mlの範囲の透気度になるように規制したことを特徴
とするたばこ用水分散性シート。 - 【請求項5】 l/D値が0.45以下、L/D値が6
0以下の繊維ディメンションを有し、保水度が95%以
下である水分散性繊維を20重量%以上含有する抄紙用
繊維原料に繊維状カルボキシメチルセルロース塩または
繊維状カルボキシエチルセルロース塩を混抄してなる水
解性基材の少なくとも片面に、水溶性高分子からなる水
分散性塗工層を設けて、通気性を紙通気度手動測定器で
200コレスタ以下の通気度または王研式透気度試験器
で0〜50000秒/100mlの範囲の透気度になる
ように規制したことを特徴とするたばこ用水分散性シー
ト。 - 【請求項6】 l/D値が0.45以下、L/D値が6
0以下の繊維ディメンションを有し、保水度が95%以
下である水分散性繊維を20重量%以上含有する抄紙用
繊維原料に、繊維状カルボキシメチルセルロース塩また
は繊維状カルボキシエチルセルロース塩と水不溶性また
は水難溶性粉体を混抄してなる水解性基材の少なくとも
片面に、水溶性高分子からなる水分散性塗工層を設け
て、通気性を紙通気度手動測定器で200コレスタ以下
の通気度または王研式透気度試験器で0〜50000秒
/100mlの範囲の透気度になるように規制したこと
を特徴とするたばこ用水分散性シート。 - 【請求項7】 水分散性繊維と繊維状カルボキシメチル
セルロースまたは繊維状カルボキシエチルセルロースを
含有する抄紙用繊維原料を抄紙した後アルカリ含浸加工
してなる水解性基材の少なくとも片面に、水溶性高分子
からなる水分散性塗工層を設けて、通気性を紙通気度手
動測定器で200コレスタ以下の通気度または王研式透
気度試験器で0〜50000秒/100mlの範囲の透
気度になるように規制したことを特徴とするたばこ用水
分散性シート。 - 【請求項8】 水分散性繊維と繊維状カルボキシメチル
セルロースまたは繊維状カルボキシエチルセルロースを
含有する抄紙用繊維原料に水不溶性または水難溶性粉体
を混抄した後アルカリ含浸加工してなる水解性基材の少
なくとも片面に、水溶性高分子からなる水分散性塗工層
を設けて、通気性を紙通気度手動測定器で200コレス
タ以下の通気度または王研式透気度試験器で0〜500
00秒/100mlの範囲の透気度になるように規制し
たことを特徴とするたばこ用水分散性シート。 - 【請求項9】 水溶性高分子からなる水分散性塗工層
が、水溶性高分子1重量部に対して、水不溶性または水
難溶性粉体20重量部以下含有することを特徴とする請
求項1〜8のいずれかに記載のたばこ用水分散性シー
ト。 - 【請求項10】 水分散性塗工層を、水解性基材の両面
に設けることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記
載のたばこ用水分散性シート。 - 【請求項11】 水解性基材の片面に、水溶性高分子の
みからなる水分散性塗工層を設け、他面に、水溶性高分
子1重量部に対して、水不溶性または水難溶性粉体20
重量部以下含有する水分散性塗工層を設けることを特徴
とする請求項1〜8のいずれかに記載のたばこ用水分散
性シート。 - 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載のた
ばこ用水分散性シートをフィルター巻取り紙として用い
たことを特徴とするたばこ。 - 【請求項13】 請求項1〜11のいずれかに記載のた
ばこ用水分散性シートをチップペーパーとして用いたこ
とを特徴とするたばこ。
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