JPH08140654A - たばこ煙用フィルター素材及びその製造方法 - Google Patents
たばこ煙用フィルター素材及びその製造方法Info
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- JPH08140654A JPH08140654A JP26909495A JP26909495A JPH08140654A JP H08140654 A JPH08140654 A JP H08140654A JP 26909495 A JP26909495 A JP 26909495A JP 26909495 A JP26909495 A JP 26909495A JP H08140654 A JPH08140654 A JP H08140654A
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Abstract
分解性に優れるたばこ煙用フィルター素材により、環境
汚染を軽減する。 【解決手段】 たばこ煙用フィルター素材は、表面がセ
ルロースアセテートなどのセルロースエステルで被覆さ
れたセルロース繊維又は粉末を含む。セルロース繊維又
は粉末としては、木材パルプなどが用いられる。前記被
覆セルロースにおけるセルロースエステルの被覆量は、
例えば、0.1重量%以上である。このようなフィルタ
ー素材は、繊維状、シート状でたばこ煙用フィルターと
して用いることができ、たばこの喫味が良好で、しかも
生分解性及び湿潤時の崩壊性に優れ、環境汚染を軽減で
きる。
Description
の崩壊性に優れるたばこ煙用フィルター素材及びその製
造方法、並びに前記素材を用いた、たばこ煙の喫味が良
好なたばこ煙用フィルターに関する。
れるたばこ煙用フィルターとして、セルロースアセテー
トの繊維束をトリアセチンなどの可塑剤を用いて成型し
たフィルタープラグが広く使用されている。しかしこの
フィルタープラグは、生分解性に劣ると共に、可塑剤に
より繊維同士が部分的に融着しているため、使用後に廃
棄すると、環境中で形状が崩壊して分解するまでに長時
間を要し、環境汚染の一因となる。また、廃棄されたフ
ィルタープラグをすべて回収することは多大な費用を要
し、事実上不可能であると共に、フィルタープラグを焼
却処分すると、焼却時の発熱量が大きいため焼却炉の寿
命が短くなる。
クレープ状に加工した紙製のたばこフィルターや、再生
セルロース繊維束からなるたばこ煙用フィルターも知ら
れている。これらのフィルターは、セルロースアセテー
ト繊維からなるフィルタープラグと比較して、生分解性
に優れ、湿潤時の崩壊性も若干高いため、環境汚染をあ
る程度軽減できる。しかし、たばこの喫味が劣ると共
に、セルロースアセテートと比較して、フェノール類の
選択除去性が極端に低く、同一圧力損失時においてフィ
ルター硬度が低い。さらに、木材パルプからなるシート
状素材は、嵩高性が低く、通気抵抗を低下させるため、
嵩高性を付与しようとすると毛羽立ちやすくなり、成形
性に劣る。
積の大きなセルロースエステル小繊維5〜35重量%と
セルロースエステル短繊維65〜95重量%とを含む不
織繊維状シートを用いたシートが開示されている。ま
た、この先行文献には、セルロースエステル小繊維とセ
ルロースエステル短繊維との混合物に木材パルプを混合
しても良いことも記載されている。しかし、前記セルロ
ースエステルはフィブリル化しにくいため、表面積の大
きな前記小繊維を得るためには、特殊な方法を採用する
必要があるだけでなく、フィルター材料の崩壊性、生分
解性が十分ではなく、環境汚染の虞れが高い。
材パルプ繊維を主とするシート状物とセルロースエステ
ル誘導体繊維トウよりなるシート状物を接合した複合シ
ート状物で構成されたフィルター素材が開示されてい
る。しかし、前記フィルター素材は、たばこの喫味はあ
る程度改善されるものの、トリアセチンなどの可塑剤を
用いてシート状物の成型及び両シートの接合を行ってい
るので、繊維同士、シート同士が融着し、湿潤時の崩壊
性が十分でない。
形する際に、クレープ加工などを施すことがあるが、こ
の加工や乾燥状態での使用には、乾燥状態の高い強度が
要求される。しかし、乾燥時の強度が十分なシート状素
材は湿潤時の崩壊性に乏しく、また湿潤時の崩壊性に優
れた素材は乾燥状態での強度が不十分である。
水性高分子溶液を含浸またはスプレーによって添加した
ものを棒状に成形したたばこフィルターが開示されてい
る。このようなたばこフィルターは硬度と弾力性が改善
されており、たばこ喫味もある程度改善されているよう
である。しかし、疎水性高分子の添加により紙を構成す
るセルロース繊維などが接着またはコーティングされる
ので、紙製フィルターが従来有する湿潤時の崩壊性が大
きく損なわれる。
良好なたばこの喫味、高い有害成分の除去効率や乾燥状
態での強度などのフィルター素材としての優れた特性
と、高い生分解性や湿潤時の崩壊性とを両立させること
が困難である。
は、たばこの喫味を損なうことなく、湿潤時の崩壊性及
び生分解性に優れ、環境汚染を軽減できるたばこ煙用フ
ィルター素材及びその製造方法を提供することにある。
強度が大きく、湿潤時には容易かつ迅速に崩壊するたば
こ煙用フィルター素材及びその製造方法を提供すること
にある。
有害成分を効率よく除去できると共に、適度な通気抵抗
(圧力降下)を有するフィルター素材を提供することに
ある。
性を有するたばこ煙用フィルターを提供することであ
る。
を達成するため鋭意検討した結果、繊維状又は粉末状セ
ルロース表面をセルロースエステルにより被覆した被覆
セルロースが、たばこの喫味を損なうことがなく、たば
こ煙中の有害成分の除去効率に優れ、しかも雨水などに
より自然環境下で容易に崩壊し、生分解されることを見
いだし、本発明を完成した。
素材は、繊維状又は粉末状セルロースがセルロースエス
テルで被覆された被覆セルロースを含む。前記被覆セル
ロースにおけるセルロースエステルの被覆量は、広い範
囲から選択でき、例えば、被覆セルロースの総量に対し
て、0.1重量%以上である。セルロースエステルに
は、例えば炭素数2〜4程度の有機酸エステルが含まれ
る。フィルター素材は、抄紙構造を有するシート状であ
る場合が多く、クレープ加工又はエンボス加工されてい
てもよい。たばこ煙用フィルターは、前記たばこ煙用フ
ィルター素材で構成される。
又は粉末状セルロースの表面を、セルロースエステルで
被覆することにより得られる。前記被覆は、例えば、浸
漬、噴霧などによりセルロースエステルを繊維又は粉末
の表面に付着させ、乾燥したり、セルロースエステルと
繊維状又は粉末状セルロースとの混合物を、セルロース
エステルに対する貧溶媒に添加したり、噴霧乾燥するこ
とにより行える。
は、二次元的拡がりを有する紙状物を意味し、巻き取り
可能であればよい。
る。前記セルロースとしては、天然又は再生セルロース
のいずれを用いてもよく、例えば、木材繊維(例えば、
針葉樹、広葉樹等の木材パルプなど)、種子毛繊維(例
えば、リンターなどの綿花、ボンバックス綿、カポック
など)、ジン皮繊維(例えば、麻、亜麻、黄麻、ラミ
ー、コウゾ、ミツマタなど)、葉繊維(例えば、マニラ
麻、ニュージーランド麻など)等から得られる天然セル
ロース;ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、
硝酸人絹等の再生セルロースを用いることができる。こ
れらは、一種又は二種以上組み合わせて使用できる。
ある。繊維状セルロースは、通常、フィブリル化されて
いる場合が多い。セルロースのフィブリル化の方法は、
特に限定されず、慣用のフィブリル化方法、例えば、木
材パルプなどのセルロース原料を、叩解機などの叩解手
段を用いて叩解処理することにより行うことができる。
また、フィブリル化されたセルロースにさらに衝撃力を
作用させて、微細化してもよい。
フィルターとしての特性を損なわない範囲で適宜選択で
きる。繊維状セルロースの繊維径は、特に制限されない
が、例えば、0.01〜100μm、好ましくは0.1
〜50μm程度である場合が多い。繊維長も特に限定さ
れず、いずれの繊維長のものも用いることができるが、
例えば、50〜3000μm、好ましくは100〜20
00μm程度である場合が多い。
いることが好ましいが、粉末状セルロースを用いること
もできる。粉末状セルロースの粒度は、成形性や崩壊性
を損なわない限り広い範囲で選択でき、例えば、平均粒
度は0.1〜600μm、好ましくは10〜500μ
m、より好ましくは20〜250μm程度である。平均
粒度が0.1μm未満では、素材からの粉末の脱離が生
じ易く、600μmと越えると、素材の表面平滑性が低
下するとともに、素材の比表面積が低下する。
は、木材繊維、特に、木材パルプが含まれる。木材パル
プとしては、慣用のパルプが使用でき、その純度は特に
限定されず、α−セルロース含有量が90%以上の高度
に精製された木材パルプの外、例えば、ヘミセルロース
含有量の高い、低純度のペーパーグレードパルプなども
用いることができる。木材パルプは、解砕されていても
よく、また、叩解処理によりフィブリル化され、あるい
はフィブリル化されたものを乾式又は湿式抄紙してシー
ト状にしたものであってもよい。木材パルプの叩解度
は、適宜選択できるが、カナディアンフリーネステスタ
(カナダ標準形試験器)によるろ水度、すなわちカナダ
標準ろ水度が100〜800ml、好ましくは150〜
700ml程度のものを用いる場合が多い。このような
木材パルプは、フィブリル化により、繊維同士の絡み合
いが強化され、強度が高いとともに嵩高く、しかも湿潤
時の崩壊性が高い。
表面がセルロースエステルで被覆され、被覆セルロース
を構成する。なお、セルロースエステルは、繊維又は粉
末の表面が少なくとも部分的にセルロースエステルで被
覆されていればよいが、表面全体が均一に被覆されてい
ることが好ましい。
ルロースの表面を、セルロースエステルで被覆すること
により、良好なたばこ喫味などのフィルター素材として
の特性と、優れた生分解性及び湿潤時の崩壊性とを両立
させる点にある。すなわち、このような被覆セルロース
を含むフィルター素材は、たばこ煙の瀘過に関係する繊
維又は粉末の表面がセルロースエステルで被覆されてい
るので、たばこ煙の喫味やたばこ煙中の有害成分、例え
ばタール分の除去効率などの瀘過特性は、セルロースア
セテート繊維からなるフィルターと同程度に優れている
と共に、木材パルプや再生セルロース繊維からなるフィ
ルターに匹敵する優れた生分解性を示す。しかも、前記
被覆セルロースは、可塑剤などを用いなくても成形でき
るので、湿潤時の崩壊性に優れる。また、前記被覆繊維
又は粉末は、表面積が大きく、有害成分の除去効率に優
れると共に、良好な成形性を維持しつつ、適度な通気抵
抗が得られる。
セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セ
ルロースブチレートなどの有機酸エステル;硝酸セルロ
ース、硫酸セルロース、燐酸セルロースなどの無機酸エ
ステル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタ
レート、硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル;およ
びポリカプロラクトングラフト化セルロースアセテート
などのセルロースエステル誘導体などが例示される。こ
れらのセルロースエステルは、単独でまたは二種以上混
合して使用できる。
は、前記例示の天然又は再生セルロースなどの種々のセ
ルロース、例えば木材パルプなどを用いることができ
る。木材パルプの純度は、高純度であっても、低純度で
あってもよい。
均重合度)は、通常10〜1000(例えば50〜10
00)、好ましくは50〜900(例えば100〜80
0)、より好ましくは200〜800程度である。平均
重合度が小さすぎると、フィルター素材の機械的強度が
低下し、平均重合度が大きすぎると、流動性、成形性の
みならず、生分解性が低下する。
ば1〜3程度の範囲から選択でき、平均置換度1〜2.
15、好ましくは1.1〜2.0程度のセルロースエス
テルは、生分解性を高める上で有用である。なお、本発
明のフィルター素材は、平均置換度が2.0〜2.6程
度のセルロースエステルを用いた場合であっても、高い
生分解性が得られるという特色がある。
アルカリ金属又はアルカリ土類金属との当量比が0.1
〜1.5、好ましくは0.3〜1.3(例えば、0.5
〜1.1)程度のセルロースエステルは、耐熱性が高い
と共に、生分解性に優れる。前記硫酸は、セルロースエ
ステルの製造に触媒として使用する硫酸に由来し、硫
酸、硫酸塩、スルホアセテートや硫酸エステルとして残
存し、遊離していてもよい。アルカリ金属(例えば、リ
チウム、ナトリウム、カリウムなど)やアルカリ土類金
属(例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウムなど)は、触媒である硫酸の中和剤として
添加されると共に、セルロースエステルの耐熱性を高め
るために添加される。
エステル(例えば炭素数2〜4程度の有機酸とのエステ
ル)、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロ
ピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテ
ートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート
などが含まれるが、特にセルロースアセテートが好まし
い。セルロースアセテートの結合酢酸(酢化度)は、4
3〜62%程度である場合が多いが、酢化度30〜50
%程度のセルロースアセテートは、生分解性にも優れて
いる。そのためセルロースアセテートの酢化度は、30
〜62%程度の範囲で適当に選択できる。
ステルの被覆量は、例えば、被覆セルロースの総量に対
して、0.1重量%以上(例えば0.1〜50重量%程
度)、好ましくは1重量%以上(例えば1〜30重量%
程度)、より好ましくは5重量%以上(例えば、5〜1
5重量%程度)である。被覆セルロースは、その総量に
対して、例えば0.5〜15重量%、好ましくは1〜1
2%程度のセルロースエステルで被覆されている場合が
多い。被覆量が0.1重量%未満では、たばこの喫味に
劣ると共に、有害成分の除去効率が低下し、50重量%
を越えると、生分解性や崩壊性が低下する場合がある。
成される。素材の形状は、特に制限されず、繊維状、毛
状、織布状、不織布状、トウ状、シート状などいずれで
あってもよい。好ましい素材には、不織布状で抄紙構造
を有するシート状の素材が含まれる。なお、抄紙構造と
は、繊維が互いに絡み合った構造を意味する。このよう
な素材は、乾燥時の紙力が大きく、しかも雨水などによ
る湿潤に伴って迅速に崩壊する。このようなシート状素
材は、前記被覆セルロースを含むスラリーを、慣用の方
法に従って抄造機等を用いて湿式抄紙することにより得
られる。
ー素材は、その特性を損なわない範囲で、種々の添加
剤、例えば、カオリン、タルク、ケイソウ土、酸化チタ
ン、アルミナ、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウムな
どの無機微粉末等のサイズ剤;前記例示のアルカリ金属
やアルカリ土類金属の塩などの熱安定化剤;着色剤;歩
留まり向上剤などを含んでいてもよい。また、微小繊維
状セルロース(例えば、比表面積100〜300m2 /
g、繊維径2μm以下、好ましくは1μm以下、繊維長
50〜1000μm程度)などの紙力強化剤等を含有さ
せることにより、乾燥時の強度を高めることができる。
さらに、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの生分解促進
剤、アナターゼ型酸化チタンなどの光分解促進剤のいず
れか一方、又は双方を含有させることにより、前記高い
生分解性及び崩壊性と相俟って、素材の分解性をさらに
高めることができる。
性を損なわない範囲で、トリアセチン、トリエチレング
リコールジアセテートなどの可塑剤を含んでいてもよい
が、湿潤による崩壊性を高めるため、可塑剤は含まない
のが好ましい。また、必要により、接着剤を含んでいて
もよいが、湿潤時の崩壊性を高めるため、接着剤として
は、水溶性接着剤を用いるのが好ましい。前記水溶性接
着剤としては、例えば、天然物系接着剤(例えば、デン
プン、変性デンプン、可溶性デンプン、デキストラン、
アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン、ゼラ
チンなど);セルロース誘導体(例えば、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチル
セルロースなど);合成樹脂系接着剤(例えば、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性アクリ
ル樹脂など)等が例示される。
を用いる場合、水性溶媒の使用量によっては、フィルタ
ーロッドの強度及び硬度が低下する場合がある。そのた
め、フィルター素材の巻き上げ性が低下するだけでな
く、ロッドをフィルターチップに切断するのが困難にな
りやすい。特に、水溶性接着剤の水溶液を、浸漬により
前記繊維または粒子に添加すると、素材の強度及び硬度
が著しく損なわれることが多い。従って、水溶性接着剤
の水溶液または分散液を用いる場合、前記繊維または粒
子に添加する水の量はできるだけ少ないことが望まし
い。一方、溶融によって接着性を発現するホットメルト
接着剤(水溶性ホットメルト接着剤)は溶媒が不要であ
り、溶媒による上記のような問題が生じない。このよう
な水溶性接着剤(水溶性ホットメルト接着剤)には、例
えば、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイ
ド、ポリアミド、ポリエステル、アクリル系ポリマーな
どのホットメルト接着性を有するポリマーなどが含まれ
る。
れ、例えば、ASTM(American Society for Testing
and Materials) D5209に準ずる試験方法におい
て、発生する炭酸ガス量を基準として、4週間後に20
重量%以上(例えば30〜100重量%)、好ましくは
40重量%以上(例えば50〜100重量%程度)分解
する。生分解性の測定に際して、活性汚泥として、都市
下水処理場の活性汚泥が使用できる。なお、被覆セルロ
ースの分解%は、二酸化炭素の発生量を分解された炭素
数に換算し、分解前の総炭素数に対する割合から算出す
ることができる。また、前記素材は、例えばセルラーゼ
などの酵素による分解性も高い。
ルロースは、前記繊維状又は粉末状セルロースをセルロ
ースエステルで被覆することにより得られる。被覆は、
(1)浸漬、又は(2)噴霧により、セルロースエステ
ル溶液を前記繊維又は粉末の表面に付着させ、乾燥する
方法(以下、各々溶液浸漬法及び溶液噴霧乾燥法とい
う)、(3)繊維状又は粉末状セルロースと、セルロー
スエステル溶液との混合物を、セルロースエステルに対
する貧溶媒に添加する方法(以下、混合物添加法とい
う)、(4)前記混合物を、噴霧乾燥する方法(以下、
混合物噴霧乾燥法という)などにより行うことができ
る。
セルロースエステルに対する良溶媒の中から適宜選択で
き、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサ
ン、酢酸などの有機溶媒;アセトン−水混合溶媒、ジク
ロロメタン−アルコール混合溶媒、酢酸−水混合溶媒、
塩化メチレン−メタノール混合溶媒などの混合溶媒等を
用いることができる。好ましい溶媒には、アセトンが含
まれる。
液に浸漬し、乾燥して、被覆を形成する方法である。
ステルの濃度は、通常、0.01〜30重量%、好まし
くは0.1〜20重量%、より好ましくは0.1〜10
重量%程度である。濃度が30重量%を越えると、溶液
の粘度が上昇し、操作性が低下する。繊維状又は粉末状
セルロースとセルロース溶液との割合は、通常、前者:
後者=1:10000〜1:1(重量比)、好ましくは
1:200〜1:20(重量比)程度の広い範囲から選
択できる。浸漬時間は、セルロースエステル溶液の濃度
などに応じて、数秒以上(例えば3秒〜10分間、好ま
しくは5秒〜3分間程度)の範囲から適当に選択でき
る。
ース繊維又は粉末を、例えば風乾又は加熱下乾燥するこ
とにより、セルロース繊維又は粉末の表面にセルロース
エステルの被覆を形成できる。
霧し、乾燥することにより被覆を形成する方法である。
ステル濃度は、通常、0.01〜25重量%(例えば
0.1〜15重量%)、好ましくは、0.5〜10重量
%(例えば0.1〜7重量%)程度である。また、繊維
状又は粉末状セルロースとセルロース溶液との割合は、
通常、前者:後者=1:100〜1:0.5(重量
比)、好ましくは1:20〜1:1(重量比)、より好
ましくは1:10〜1:2(重量比)程度の広い範囲か
ら選択できる。なお、パルプなどの繊維状セルロースを
用いる場合、予め解砕しておくと、セルロースエステル
溶液を均一に噴霧できる。このようにしてセルロースエ
ステル溶液を噴霧したセルロース繊維又は粉末を、風乾
又は加熱下乾燥することにより、表面がセルロースエス
テルで被覆された被覆セルロースを得ることができる。
混合物を、セルロースエステル溶液に対する貧溶媒に撹
拌下添加することにより、被覆を形成する方法である。
ロースエステルを凝固、沈澱化させることにより被覆を
形成できる。その際、前記混合物を添加した貧溶媒に、
撹拌などにより剪断力を加えると、過剰のセルロースエ
ステルが付着するのを抑制でき、セルロース繊維又は粉
末の表面の被覆がより効率よく、かつ均一に行える。前
記剪断力は、通常、ミキサー、ホモジナイザー、渦巻き
ポンプ、スターラーなどを用いて作用させることができ
る。
1〜30重量%、好ましくは1〜25重量%(例えば1
〜10重量%)程度のセルロースエステルを含む場合が
多い。セルロースエステルの濃度が30重量%を越える
と、溶液の粘度が高くなり、特にセルロース繊維又は粉
末の割合が多い場合に、前記繊維又は粉末を均一に分
散、混合できず、繊維又は粉末の表面の被覆効率が低下
し易い。前記混合物におけるセルロース繊維又は粉末の
含有量は、固形物換算で、混合物の全量に対して、0.
01〜80重量%、好ましくは0.1〜40重量%、よ
り好ましくは1〜20重量%程度である。前記混合物
は、固形物換算で、例えば0.1〜10重量%、好まし
くは1〜5重量%程度のセルロース繊維又は粉末を含む
場合が多い。
は、例えば、水、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、シク
ロヘキサンなどの脂環式炭化水素、灯油などが挙げられ
る。好ましい貧溶媒には水が含まれる。前記貧溶媒の使
用量は、例えば、前記混合物の全量に対して、1〜10
00倍(重量比)、好ましくは10〜100倍(重量
比)程度の広い範囲から選択できる。
スエステル溶液とを混合し、得られた混合物を、噴霧乾
燥することにより被覆を形成できる。
ーなどを用いて、前記混合物を、気流中(例えば、高温
気流中)に噴霧することにより、繊維又は粉末表面をセ
ルロースエステルで被覆できる。
ステル濃度は、通常、0.1〜30重量%、好ましくは
1〜25重量%(例えば1〜10重量%)程度である。
セルロースエステルの濃度が30重量%を越えると、溶
液の粘度が高くなり、特にセルロース繊維又は粉末の割
合が多い場合に、前記繊維又は粉末を均一に分散、混合
できず、繊維又は粉末の表面を効率的に被覆できない。
前記混合物におけるセルロース繊維又は粉末の含有量
は、固形物換算の割合で、混合物の全量に対して、0.
01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、よ
り好ましくは0.5〜5重量%程度である。
燥時に被覆セルロースの塊状物が生成する場合には、乾
燥時又は乾燥後に、例えばリファイナー等の解砕手段を
用いて解砕するとよい。また、少量のセルロースエステ
ルの溶媒を塊状物の表面と接触させることにより、セル
ロースエステルを部分的に除去し、セルロースエステル
の被覆量を調整し、塊状物を小さくすることができる。
は、疎水性高分子溶液を紙に含浸または噴霧したものを
棒状に成形して得られるたばこフィルターが開示されて
いるが、このようなフィルターは疎水性高分子の添加に
よりフィルターを構成するセルロース繊維などが接着ま
たは被覆されているため、フィルターの湿潤時の崩壊性
が著しく損なわれる。
維を予めセルロースエステルで被覆し、得られた被覆繊
維を所望の形状に成形する。従って、本願発明のフィル
ター素材は湿潤時の崩壊性が高く、しかも良好なたばこ
喫味が得られる。
スの表面をセルロースエステルで被覆する本発明の方法
によれば、繊度の細い被覆繊維や粒度の小さい被覆粉末
を容易に得ることができ、表面積の大きな被覆セルロー
スを得ることができるという特色がある。
ばこ煙用フィルター(たばこ用フィルターロッド)を製
造する上で有用である。前記たばこ煙用フィルターは、
慣用の方法、例えば(a)繊維状、粉末状などのフィル
ター素材を、そのままフィルターロッド成型用金型に充
填してフィルタープラグとする方法、(b)シート状フ
ィルター素材を、プラグ巻上げ機を用いて渦巻き状に巻
き上げ又は折りたたんで、フィルタープラグとする方法
などにより得られる。前記(b)の方法では、シート状
素材を渦巻き状に巻き上げ又は折りたたんで成型した後
乾燥してもよいし、乾燥した後に渦巻き状折りたたんで
成型してもよい。
を通じて、チャンネリングを抑制しつつ、煙を円滑かつ
均一に通過させるため、クレープ加工又はエンボス加工
されているのが好ましい。クレープ加工又はエンボス加
工によって、断面が均一で外観の良好なフィルタープラ
グが得られる。クレープ加工によりシートの進行方向に
沿って皺及び若干の裂け目が形成される。またエンボス
加工により格子状、ランダム状などの凹凸部が分散して
形成される。クレープ加工又はエンボス加工の深さは
0.3〜5mm(例えば、0.5〜5mm)、ピッチは
0.1〜2mm(例えば、0.1〜1mm)程度である
場合が多い。このようなシート状フィルター素材は、成
形性、通気性(通気抵抗)、吸着除去率などの特性を調
整できる利点がある。さらに、クレープ加工やエンボス
加工により、たばこ煙用に適した通気性(例えば、20
0〜600mmWG(ウォーターゲージ)、好ましくは
300〜500mmWG程度)を有するフィルターを得
ることができる。
はエンボス加工したシート状素材をロート中に巻き込ん
だ後、巻紙により円筒状に巻き上げ、糊付けし、適当な
長さに切断することにより、フィルタープラグを作製で
きる。巻き上げに際して、クレープ加工したシート状素
材は、皺が延びる方向に横断又はほぼ直交する方向に巻
き上げる場合が多い。
の巻紙同士での端部での糊付け、巻き上げられた円筒状
の素材と巻紙との糊付けが必要な場合は、崩壊性を損な
わないため、接着剤として、例えば、前記水溶性接着剤
を用いるのが好ましい。
と、たばこ煙の喫味が良好である。すなわち、本発明の
たばこ煙用フィルターを構成する被覆セルロースは、前
記のように、たばこ喫味が良好であり、高い生分解性、
湿潤時の崩壊性を有する。そのため、フィルターを屋外
などに廃棄したとしても、速やかに雨水などにより崩壊
し、分解されるので、環境汚染の虞れが少ない。
しうる種々の外部環境、例えば、温度0〜50℃、好ま
しくは10〜40℃、相対湿度30〜90%程度で行う
ことができる。また、フィルターの生分解を促進するた
めに、セルロースや有機酸などのセルロースエステルの
構成成分に対して馴化した微生物を含む土壌や水中など
の環境下にフィルターを晒すのが有用である。上記微生
物を含む活性汚泥を用いると、フィルターの生分解性を
高めることができる。
たばこ煙用フィルターは、セルロースエステルで表面を
被覆した繊維状又は粉末状セルロースを用いるので、た
ばこの喫味を損なうことなく、湿潤時の崩壊性及び生分
解性に優れ、環境汚染を軽減できる。また、乾燥状態に
おいては紙力が大きいにも拘わらず、湿潤時に容易かつ
迅速に崩壊する。さらに、有害物質の除去効率に優れ、
適度な通気性を有するにも拘わらず、成形性及び生分解
性に優れる。
特性を有するたばこ煙用フィルター素材を製造できる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例および比較例において、崩壊
性、ろ水度、秤量、被覆量及び粘度平均重合度は、以下
の方法により測定した。
し、1リットルビーカー(外径110mm×高さ150
mm)内の水500ml中に投入し、渦中心部の高さが
最も高い液面の高さの1/2の高さとなるように、マグ
ネチックスターラーで撹拌し、30分後に5メッシュの
金網で瀘過し、105℃、2時間乾燥後の瀘残重量を測
定し、下記式により水崩壊度を算出し、湿潤時の崩壊性
を評価した。
(g)を示す。
8121 秤量(g/m2 ):JIS−P−8121 被覆量(重量%):原料繊維又は粉末を精秤し、セルロ
ースアセテートで被覆し、得られた被覆セルロースを1
05℃、2時間乾燥後秤量し、下記式に従って、重量増
加分を算出することよりセルロースアセテートの被覆量
を求めた。
スの重量(g)を示す。
コに乾燥した試料0.5000gを精秤し、これをCと
する。約70mlのアセトンを加え試料を溶解させた
後、25℃に温調し、アセトンで全溶を100mlに合
わせる。その10mlをオストワルド粘度管にとり、2
5℃で標線間を流下する時間を0.01秒の精度で測定
しこれをtとした。同様にブランクテストを行いこのと
きの流下時間をt0として下記の式から平均重合度を求
めた。 平均重合度=169.93×[η]1.623 [η]=(ηsp/C)/(1+k×ηsp) ηsp=t/t0−1 k=0.366
り評価した。 (1)活性汚泥法:ASTM D5209に準拠し、活
性汚泥として都市下水処理場活性汚泥を用いた。また供
試試料は、試料2gを液体窒素中で3分間初期凍結し、
コーヒーミルで3分間粉砕した後、液体窒素で1分間凍
結し、振動粉砕機で3分間粉砕することにより調製した
(100メッシュパス)。供試試料100ppm(仕込
量30mg)と前記汚泥30ppm(仕込量9mg)の
濃度で、25±1℃で4週間に亘って試験し、発生した
二酸化炭素を分解された炭素数に換算し、供試試料の総
炭素数との比率から4週間後の分解率(%)を求めた。
定する方法であり、試料0.1gをセルラーゼ(セルク
ラスト1.5L、ノボルボデイスクバイオインダストリ
ー製)288CUNを含む緩衝液(PH4.8)20m
lに添加し、100rpmで撹拌しながら45℃で7時
間反応させた。反応終了後洗浄し、G4のグラスフィル
ターで瀘過、乾燥して反応後の試料重量を測定し、下記
式により試料の残存率(%)を求めた。
(日本たばこ産業(株)、商品名わかば)のフィルター
プラグを除去したもの]にフィルタープラグ化した試料
を取り付け、喫煙愛好者5人によって喫味試験を行い、
下記の基準で香喫味を評価し、5人の評価の平均値で表
した。 評価基準 香喫味3:辛味がなく、たばこの旨味がある 香喫味2:辛味はないが、旨味が落ちる 香喫味1:辛味がある
2.45、残存カルシウム/残存硫酸=1.2(モル
比)、平均重合度370)を0.15重量%含むアセト
ン溶液500ml中に、水解砕後アセトン置換した針葉
樹漂白クラフトパルプ(カナダ標準ろ水度270ml)
10gを、撹拌下、15秒間浸漬し、浸漬後のパルプを
引き上げて風乾し、表面をセルロースアセテートで被覆
した被覆繊維を得た。被覆繊維におけるセルロースアセ
テートの被覆量は、5.0重量%であった。得られた被
覆繊維を、水50リットルに均一に分散し、常法に従っ
て湿式抄造し、脱水乾燥して坪量30g/m2 のシート
を得た。そして、水崩壊性を調べたところ、65.9%
であった。生分解性は、活性汚泥法では4週間後に63
%の分解率を示し、酵素分解法では72.2%の残存率
を示した。
(カナダ標準ろ水度270ml)10gと、セルロース
アセテート(酢化度55.5%、平均置換度2.45、
残存カルシウム/残存硫酸=1.2(モル比)、平均重
合度370)を3.0重量%含むアセトン溶液400m
lとを撹拌下混合した後、瀘過により脱液した。得られ
た混合物をミキサーで十分な撹拌力を与えた水浴中に投
入し、セルロースアセテートを凝固させた後、風乾し
て、表面をセルロースアセテートで被覆した被覆繊維を
得た。前記被覆繊維におけるセルロースアセテートの被
覆量は2.1重量%であった。そして、実施例1と同様
にして、常法により湿式抄造し、脱水、乾燥して秤量3
4.1g/m2 のシートを得た。そして崩壊性、生分解
性を調べたところ、水崩壊性は63.2%、活性汚泥法
による分解率は63%、酵素分解法による残存率は7
1.5%であった。
を用いる以外は実施例2と同様にして、セルロースアセ
テートによる被覆量が9.7重量%の被覆繊維を調製し
た。そして、得られた被覆繊維から、実施例1と同様に
して秤量34.6g/m2 のシートを作製した。前記シ
ートの崩壊性、生分解性を調べたところ、水崩壊性は6
0.2%、活性汚泥法による分解率は59%、酵素分解
法による残存率は72.1%であった。
2.45、残存カルシウム/残存硫酸=1.2(モル
比)、平均重合度370)を5.0重量%含むアセトン
溶液1リットル中に、粉末状に解砕した針葉樹漂白クラ
フトパルプ(60メッシュパス)30.0gを加え、ミ
キサーで撹拌し均一に分散させた。この混合物を直径1
mmのノズルから1mm/秒の速度で、回転数1000
0回転/分の羽根で撹拌された水浴中に押し出し、表面
を被覆量9.76重量%のセルロースアセテートで被覆
した被覆繊維を得た。前記被覆繊維から、実施例1と同
様にして秤量25.0g/m2 のシートを作製した。得
られたシートの水崩壊性は58.6%であり、生分解性
は、活性汚泥法では4週間で60%の分解率、酵素分解
法では76.4%の残存率を示した。
2.45、残存カルシウム/残存硫酸=1.2(モル
比)、平均重合度370)を1.0重量%含むアセトン
溶液1リットル中に、粉末状セルロース(針葉樹漂白サ
ルファイトパルプ、330メッシュパス)10gを加
え、ミキサーで撹拌し均一に分散させて混合物を調製し
た。この混合物をスプレードライヤーを用いて100℃
の気流中に噴霧し、乾燥して、表面をセルロースアセテ
ートで被覆したセルロース粉末を得た。被覆粉末におけ
るセルロースアセテートの被覆量は、10.2重量%で
あった。得られた被覆粉末を、実施例1と同様に湿式抄
造し、脱水乾燥して秤量25.0g/m2 のシートを作
製した。そして崩壊性及び生分解性を調べたところ、水
崩壊性は61.2%であり、生分解性は、活性汚泥法に
では60%の分解率、酵素分解法では、73.0%の残
存率を示した。
0gを十分に揉みほぐした後、セルロースアセテート
(酢化度55.5%、平均置換度2.45、残存カルシ
ウム/残存硫酸=1.2(モル比)、平均重合度37
0)を1.0重量%含むアセトン溶液30gを噴霧器を
用いて、出来るだけ均一になるようにパルプの表面に吹
き付けた後風乾し、表面をセルロースアセテートで被覆
した被覆繊維を得た。前記被覆繊維におけるセルロース
アセテートの被覆量は1.8重量%であった。そして、
得られた被覆繊維を実施例1と同様にして湿式抄造し、
脱水乾燥して、秤量28.4g/m2 のシートを作製し
た。得られたシートの崩壊性、生分解性を調べたとこ
ろ、水崩壊性は64.8%、活性汚泥法による分解率は
66%、酵素分解法による残存率は70.1%であっ
た。
液を用いる以外は実施例6と同様にして、セルロースア
セテートによる被覆量が5.7重量%の被覆繊維を得
た。前記被覆繊維を用いて、実施例1と同様にして、秤
量29.0g/m2 のシートを得た。前記シートの崩壊
性及び生分解性を調べたところ、水崩壊性は、62.2
%、活性汚泥法による分解率は65%、酵素分解法によ
る残存率は71.6%であった。
液を用いる以外は実施例6と同様にして、被覆繊維(セ
ルロースアセテートによる被覆量:9.4重量%)を得
た。得られた被覆繊維を用いて、実施例1と同様にし
て、秤量28.6g/m2 のシートを作製した。得られ
たシートの水崩壊性は56.1%、生分解性は、活性汚
泥法による分解率が61%、酵素分解法による残存率が
73.5%であった。
プを用いて、常法に従って湿式抄造し、脱水乾燥して坪
量29.5g/m2 のシートを得た。前記シートの崩壊
性及び生分解性を評価したところ、水崩壊性は69.7
%であり、生分解性は、活性汚泥法では73%の分解率
を、酵素分解法では54.3%の残存率を示した。
ニール、繊維長5mm、酢化度55.5%、平均置換度
2.45、残存カルシウム/残存硫酸=1.2(モル
比)、平均重合度370)の生分解性を調べたところ、
活性汚泥法では分解率6%、酵素分解法では残存率9
6.8%であった。
を、クレープ化ロール(表面温度150℃、溝ピッチ幅
2.0mm、溝深さ0.7mm)により100m/分の
速度でクレープ化加工したところ、良好な加工性を示し
た。クレープ化したシート状フィルター素材を、可塑剤
を添加せずに、250m/分の速度で巻き上げ、長さ1
08mm、円周23.5mm、重量1.05g/本のフ
ィルタープラグを作製した。
用いる以外は、実施例9と同様にして、フィルタープラ
グを作製した。
は、実施例9と同様にして、フィルタープラグを作製し
た。
塑剤としてトリアセチンを用いて、フィルタープラグ
(長さ108mm、円周23.5mm、重量1.10g
/本)を作製した。
ルタープラグの崩壊性を調べたところ、表に示す結果を
得た。
は、比較例4のフィルターより水崩壊性に優れ、たばこ
喫味は、比較例3のフィルターよりも良好で、比較例4
のフィルターに匹敵する。
Claims (13)
- 【請求項1】 繊維状又は粉末状セルロースがセルロー
スエステルで被覆された被覆セルロースを含むたばこ煙
用フィルター素材。 - 【請求項2】 被覆セルロースにおけるセルロースエス
テルの被覆量が、被覆セルロースの総量に対して、0.
1重量%以上である請求項1記載のたばこ煙用フィルタ
ー素材。 - 【請求項3】 セルロースエステルが、炭素数2〜4の
有機酸とのエステルである請求項1記載のたばこ煙用フ
ィルター素材。 - 【請求項4】 セルロースエステルが、セルロースアセ
テートである請求項1記載のたばこ煙用フィルター素
材。 - 【請求項5】 繊維状又は粉末状セルロースが、木材パ
ルプである請求項1記載のたばこ煙用フィルター素材。 - 【請求項6】 木材パルプが、平均置換度1〜3のセル
ロースアセテートで被覆され、前記セルロースエステル
の被覆量が、被覆セルロースの総量に対して、0.1〜
50重量%である請求項1記載のたばこ煙用フィルター
素材。 - 【請求項7】 木材パルプ又はその粉末の表面が、酢化
度30〜62%のセルロースアセテートで被覆された被
覆セルロースを含む抄紙構造のシート状たばこフィルタ
ー素材であり、セルロースアセテートの被覆量が、被覆
セルロースの総量に対して、1.0〜30重量%であ
り、ASTM D5209に準ずる試験方法において、
発生する炭酸ガス量を基準として、4週間後に40重量
%以上分解するたばこ煙用フィルター素材。 - 【請求項8】 請求項1記載のたばこ煙用フィルター素
材からなるたばこ煙用フィルター。 - 【請求項9】 繊維状又は粉末状セルロースの表面を、
セルロースエステルで被覆するたばこ煙用フィルター素
材の製造方法。 - 【請求項10】 繊維状又は粉末状セルロースの表面
に、セルロースエステルを付着させ、乾燥する請求項9
記載のたばこ煙用フィルター素材の製造方法。 - 【請求項11】 浸漬又は噴霧によりセルロースエステ
ルを付着させる請求項10記載のたばこ煙用フィルター
素材の製造方法。 - 【請求項12】 繊維状又は粉末状セルロースとセルロ
ースエステル溶液との混合物を、撹拌下、前記セルロー
スエステルに対する貧溶媒に添加する請求項9記載のた
ばこ煙用フィルター素材の製造方法。 - 【請求項13】 繊維状又は粉末状セルロースとセルロ
ースエステル溶液との混合物を、噴霧乾燥する請求項9
記載のたばこ煙用フィルター素材の製造方法。
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- 1995-09-22 JP JP26909495A patent/JP3696951B2/ja not_active Expired - Lifetime
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