JP5842329B2 - 水分散性ラミネート紙 - Google Patents
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Description
しかしながら、粉末状の肥料や農薬を散布する場合には、粉末が飛散するため、必要以上に散布する必要がある上、周辺の環境に悪影響を与える可能性がある。また、粉末状の各種ビタミンを配合した餌や抗生物質などを養殖場に撒く場合には、撒く範囲に偏りが生じてしまう。このため、養殖場全体に餌や抗生物質を均一に撒くことができない問題があった。そこで、粉末状の肥料や農薬を袋に入れることで、粉末が飛散することを防止できるとともに、必要以上に散布することがなくなる。なお、袋に入れた粉末状の肥料や農薬は、雨などにより溶出してその効果が発現される。また、粉末状の餌や抗生物質を袋に入れることで、投込む事ができるため、養殖場の広範囲に撒くことができるようになる。なお、袋に入れた粉末状の餌や抗生物質などは、海水により溶出してその効果が発現される。しかしながら、袋に入れた肥料や農薬あるいは餌や抗生物質が溶出した後は、袋がごみになる問題があった。そこで、特許文献1に記載されている、製紙用繊維と繊維状カルボキシメチルセルロースを混抄し、アルカリ金属化合物を添加した水溶紙を基材として、この基材の片面に水溶性PVA樹脂をラミネートしたヒートシール性を有する包装材料を用いて、袋入りの肥料、農薬、餌、抗生物質を作成したところ、雨水あるいは海水によって袋が溶けて無くなり、袋がごみになる問題は解消されている。
そこで、本発明は、迅速な水分散性及び経時での水分散性の低下を防止した水分散性ラミネート紙を提供することを目的とする。
本発明の基材に用いる精製パルプとは、針葉樹、広葉樹等の木材、亜麻、リンター等の非木材を原料としたマーセル化パルプまたは溶解パルプなどのように、パルプ製造時の蒸解条件の強化、蒸解前または蒸解後の化学処理によってヘミセルロース等を除去し、セルロース純度を高めたパルプを言う。
なお、本発明において、αセルロース含有量は、TAPPIスタンダードT203om−83(JIS P8101−1994(現在廃止))に規定されるαセルロースによって測定された値である。
カチオン性定着剤として用いるポリアミン樹脂は、カチオン当量がpH3〜9の範囲において0.1〜20ミリ当量/g、好ましくは1〜15ミリ当量/g、更に好ましくは2〜10ミリ当量/gであり、数平均分子量は5000〜100000、好ましくは5000〜70000、更に好ましくは5000〜20000である。
(ラミネート層)
本発明において、PVA樹脂ラミネート層とは、基材上にPVA樹脂をラミネートして設けた層である。
3cm角の試験片5枚を用意した。次に300ml容ビーカーに脱イオン水300mlを入れてスターラーで650rpmに攪拌しながら上記試験片1枚を投入した。試験片の基紙部分が2つ以上に千切れる時間と試験片が完全に繊維一本一本にほぐれる時間をストップウオッチで求め、5回の測定の平均値をそれぞれフロック状水分散時間、繊維状水分散時間とし、PVA樹脂ラミネート層が2つ以上に千切れる時間と完全溶解するまでの時間を、それぞれフィルム溶断時間、フィルム溶解時間とした。
また、試験片を60℃、80%RHの環境下で処理(1日間、4日間、8日間)し、フロック状水分散時間、繊維状水分散時間、フィルム溶断時間、フィルム溶解時間を評価した。
JIS P8113に準拠して測定した。
紙面pHの測定はJAPAN TAPPI No.49−1に準拠し、湿潤液は蒸留水を用い、蒸留水を滴下した紙の湿潤面を電極に接触させて2分後のpH値を読み取った。
ヒートシーラー(ヒートシールテスターTP−701、テスター産業株式会社製)を用いて、PVAラミネート層面同士を下記の条件でヒートシールし、ヒートシール強度を測定した。
条件1:120℃×2Kgf/cm2×1秒
条件2:160℃×2Kgf/cm2×1秒
ヒートシール強度はJIS Z0238記載のヒートシール強さ試験法に準じて測定した。
幅15.0±0.1mm×長さ150mmの試験片を長手方向が抄紙方向(ラミネート方向)となるように採取した。試験片の一端から約20mmの長さにわたってラミネート樹脂を基紙との境界面で剥がし、定速伸張形引張試験機(テンシロン 東洋精機(株)製)のつかみ具に各々くわえてT字剥離試験を行った、つかみ具の移動速さを毎分300mmとして、ラミネート樹脂と基紙とが剥がれるときの最大荷重を層間剥離抵抗とした。なお、試料の調湿及び測定は、気温23℃、相対湿度50%の恒温室内で行った。
針葉樹晒しクラフトパルプ(以下NBKPという。αセルロース含有率 85.6%)60重量%と針葉樹マーセル化パルプ(αセルロース含有率 97.5%、450mlCSFにおける保水度138%)の40重量%とを配合し、濾水度641mlCSFに混合叩解した抄紙用原料に、カチオン性定着剤としてポリアミン樹脂(商品名アルコフィックス159、チバスペシャリティケミカルズ社製品)を固形分換算で原料に対して0.9重量%添加し、更に水溶性高分子電解質塩としてカルボキシルメチルセルロースナトリウム塩(以下CMCという。商品名サンローズ、日本製紙ケミカル社製品)の水溶液を固形分換算で2.0重量%添加した後、坪量60g/m2の原紙を手抄きした。得られた原紙に、水溶性重合体としてCMC(商品名サンローズ、日本製紙ケミカル社製品、20℃における2重量%水溶液の粘度が5mPa・s)の4重量%液をサイズプレス方式で原紙に対して9.3重量%(5.6g/m2)塗工し、紙面pHが6.8である中性の水分散性基紙(坪量:59.7g/m2、厚さ:89.2μm)を作製した。
得られた基紙上に、185℃に溶融したPVA樹脂(商品名:CP−1220T10、クラレ社製)を膜厚が15μmになるように押し出しラミネートを行い、実施例1の水分散性ラミネート紙(坪量:83.4g/m2、厚さ:105.8μm)を得た。
この水分散性ラミネート紙の水分散時間、引張強度、紙面pH(非ラミネート面)、ヒートシール強度の測定結果を表1に示した。
基紙に紙面pHが9.8でアルカリ性を呈する市販の水溶紙(商品名:60MDP、日本製紙パピリア社製)を用いた以外は実施例1と同様にして水分散性ラミネート紙を得た。
Claims (3)
- 木材パルプおよびまたは非木材パルプから成る基材の少なくとも一方の面にポリビニルアルコール樹脂ラミネート層を有するラミネート紙において、該基材の紙面pHが6〜8であり、該基材を構成するパルプの15〜95重量%がαセルロース含有量88%以上であって、且つカナダ標準ろ水度で450mlCSFまで叩解した時の保水度が140%以下の精製パルプであり、該基材を構成するパルプの残りの85〜5重量%がαセルロース含有率88%未満の無精製パルプであり、精製パルプと無精製パルプを配合した紙料のカナダ標準ろ水度が450〜700mlであることを特徴とする水分散性ラミネート紙。
- 前記αセルロース含有量88%以上であって、且つカナダ標準ろ水度で450mlCS
Fまで叩解した時の保水度が140%以下の精製パルプが、マーセル化パルプ及び若しく
は溶解パルプのうちいずれか1種類もしくはそれらの混合物であることを特徴とする請求
項1記載の水分散性ラミネート紙。 - 300ml容ビーカーに脱イオン水300mlを入れてスターラーで650rpmに撹
拌した水中に3cm角の試験片を投入した時に、試験片のうち、基材が完全に繊維一本一
本にほぐれる時間、およびラミネート層が完全溶解するまでの時間が、それぞれ20秒以
内であることを特徴とする請求項1及び2記載の水分散性ラミネート紙。
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JP2010285364A Active JP5842329B2 (ja) | 2010-12-22 | 2010-12-22 | 水分散性ラミネート紙 |
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