JP2002201588A - 含浸用基紙、及びその製造方法 - Google Patents
含浸用基紙、及びその製造方法Info
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- JP2002201588A JP2002201588A JP2000395075A JP2000395075A JP2002201588A JP 2002201588 A JP2002201588 A JP 2002201588A JP 2000395075 A JP2000395075 A JP 2000395075A JP 2000395075 A JP2000395075 A JP 2000395075A JP 2002201588 A JP2002201588 A JP 2002201588A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、薬品を含浸し保持することにより、
該薬品の効果を一定期間持続させる含浸用基紙及びその
製造方法において、相反する性能である含浸性と加工適
性を同時に満足する含浸用基紙、及びその製造方法を提
供することを課題とする。 【解決手段】セルロース繊維を主成分として構成され、
中心部と比較して表面及び/または裏面の近傍に水溶性
高分子が多く含まれている含浸用基紙、及びセルロース
繊維を主成分としたスラリーから湿式抄紙法で含浸用シ
ート状体を製造する方法において、セルロース繊維を主
成分としたスラリーの固形分100重量部に対して、水
溶性高分子を未溶解状体で1〜15重量部添加して抄造
する製造方法。
該薬品の効果を一定期間持続させる含浸用基紙及びその
製造方法において、相反する性能である含浸性と加工適
性を同時に満足する含浸用基紙、及びその製造方法を提
供することを課題とする。 【解決手段】セルロース繊維を主成分として構成され、
中心部と比較して表面及び/または裏面の近傍に水溶性
高分子が多く含まれている含浸用基紙、及びセルロース
繊維を主成分としたスラリーから湿式抄紙法で含浸用シ
ート状体を製造する方法において、セルロース繊維を主
成分としたスラリーの固形分100重量部に対して、水
溶性高分子を未溶解状体で1〜15重量部添加して抄造
する製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬品を含浸し保持
することにより、該薬品の効果を一定期間持続させる含
浸用基紙及びその製造方法に関するものである。さらに
詳しくは、香料、殺虫剤、防虫剤、除虫剤等の薬剤を含
浸し、その効果をある一定期間以上持続させるための含
浸用基紙およびその製造方法に関するものである。より
詳しくは、香料、殺虫剤、防虫剤、除虫剤等が容易に含
浸でき、かつ適当な大きさに加工するための打ち抜き、
ギロチン等の加工適性を有する含浸用基紙およびその製
造方法に関するものである。
することにより、該薬品の効果を一定期間持続させる含
浸用基紙及びその製造方法に関するものである。さらに
詳しくは、香料、殺虫剤、防虫剤、除虫剤等の薬剤を含
浸し、その効果をある一定期間以上持続させるための含
浸用基紙およびその製造方法に関するものである。より
詳しくは、香料、殺虫剤、防虫剤、除虫剤等が容易に含
浸でき、かつ適当な大きさに加工するための打ち抜き、
ギロチン等の加工適性を有する含浸用基紙およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】香料マット、殺虫剤マットは、香料、防
虫剤、除虫剤等を含浸用基紙に含浸させて製造される。
このため、この含浸用基紙には、香料、殺虫剤、防虫
剤、除虫剤等の薬品を容易に含浸できるという含浸性、
薬品を一定量保持できるという保持性、さらに、最終製
品の形態に加工する、打ち抜き、ギロチン等の作業性
(以下「加工適性」と称す)が求められる。
虫剤、除虫剤等を含浸用基紙に含浸させて製造される。
このため、この含浸用基紙には、香料、殺虫剤、防虫
剤、除虫剤等の薬品を容易に含浸できるという含浸性、
薬品を一定量保持できるという保持性、さらに、最終製
品の形態に加工する、打ち抜き、ギロチン等の作業性
(以下「加工適性」と称す)が求められる。
【0003】含浸性を向上させるため、特開平3−89
9では叩解度530mlC.S.F.以上の広葉樹クラ
フトパルプを使用する方法、特開平3−890では未叩
解の広葉樹パルプを使用する方法が提案されている。し
かし、これらの方法は含浸性の向上に効果はあるが、打
ち抜きやギロチン等の加工適性に悪影響を及ぼす。叩解
度が比較的高い原料で抄造された含浸用基紙は、繊維同
士の結合が弱くなり、結果シート中の空隙が多くなる。
このため、含浸の際、この空隙に素早く薬剤が保持され
るため、含浸性、薬剤保持性を向上させることが可能で
ある。しかし、繊維同士の結合が弱いため、打ち抜きや
ギロチン等の最終製品への加工時に繊維が取られたり、
また端の部分の紙層が破壊されたり、紙表面の紙剥けや
紙層間での割れが発生したりする。これらの現象は商品
の見た目が極めて悪くなるばかりか、生産性が著しく阻
害される。
9では叩解度530mlC.S.F.以上の広葉樹クラ
フトパルプを使用する方法、特開平3−890では未叩
解の広葉樹パルプを使用する方法が提案されている。し
かし、これらの方法は含浸性の向上に効果はあるが、打
ち抜きやギロチン等の加工適性に悪影響を及ぼす。叩解
度が比較的高い原料で抄造された含浸用基紙は、繊維同
士の結合が弱くなり、結果シート中の空隙が多くなる。
このため、含浸の際、この空隙に素早く薬剤が保持され
るため、含浸性、薬剤保持性を向上させることが可能で
ある。しかし、繊維同士の結合が弱いため、打ち抜きや
ギロチン等の最終製品への加工時に繊維が取られたり、
また端の部分の紙層が破壊されたり、紙表面の紙剥けや
紙層間での割れが発生したりする。これらの現象は商品
の見た目が極めて悪くなるばかりか、生産性が著しく阻
害される。
【0004】この加工適性を向上させる方法として、ポ
リアクリルアミド、スチレンアクリル、PVA、SB
R、MBR等の合成紙力剤、澱粉等の天然紙力剤を使用
し紙力を向上させることが考えられる。これらの方法は
加工適性を向上させるには効果があるが、合成紙力剤を
添加すると、繊維にそれら薬品が付着し、繊維の持つ親
水性が損なわれ含浸性能が大きく低下する。含浸性を損
なわず紙力を上げる方法として澱粉、PVA等の親水性
の高い紙力剤を選択して使用することが考えられるが、
これら薬品も繊維を被覆することで含浸性能を低下させ
てしまう。
リアクリルアミド、スチレンアクリル、PVA、SB
R、MBR等の合成紙力剤、澱粉等の天然紙力剤を使用
し紙力を向上させることが考えられる。これらの方法は
加工適性を向上させるには効果があるが、合成紙力剤を
添加すると、繊維にそれら薬品が付着し、繊維の持つ親
水性が損なわれ含浸性能が大きく低下する。含浸性を損
なわず紙力を上げる方法として澱粉、PVA等の親水性
の高い紙力剤を選択して使用することが考えられるが、
これら薬品も繊維を被覆することで含浸性能を低下させ
てしまう。
【0005】含浸性を向上させる方法としてリンターが
古くから使用されてきたが、リンターは繊維形状がクリ
ンプ状であるので、繊維間が点で結合する形になるため
繊維間結合が弱く、加工適性については満足できるレベ
ルではない。つまり、従来の技術では、含浸性と加工適
性を同時に満足する含浸用基紙を製造することは不可能
であった。
古くから使用されてきたが、リンターは繊維形状がクリ
ンプ状であるので、繊維間が点で結合する形になるため
繊維間結合が弱く、加工適性については満足できるレベ
ルではない。つまり、従来の技術では、含浸性と加工適
性を同時に満足する含浸用基紙を製造することは不可能
であった。
【0006】一方、澱粉を未溶解状態で原料に添加し、
抄造することは古くから知られている。例えばグラシン
紙の製造では、澱粉を未溶解の状態で原料に添加し、こ
の澱粉が糊化する前でキャレンダー処理することにより
紙の空隙を該澱粉で埋めることが古くから行われてい
る。グラシンに使用される未溶解状態の澱粉は上述の通
りキャレンダー前で糊化しないように、溶解温度が比較
的高く、また紙内部に保持されるように粒子径の大きい
ものが使用される。グラシン紙の製造に未溶解状態の澱
粉を使用する技術は、澱粉を紙内部に留め、紙の空隙を
埋めるためのものであり、本発明とは根本的に異なる。
抄造することは古くから知られている。例えばグラシン
紙の製造では、澱粉を未溶解の状態で原料に添加し、こ
の澱粉が糊化する前でキャレンダー処理することにより
紙の空隙を該澱粉で埋めることが古くから行われてい
る。グラシンに使用される未溶解状態の澱粉は上述の通
りキャレンダー前で糊化しないように、溶解温度が比較
的高く、また紙内部に保持されるように粒子径の大きい
ものが使用される。グラシン紙の製造に未溶解状態の澱
粉を使用する技術は、澱粉を紙内部に留め、紙の空隙を
埋めるためのものであり、本発明とは根本的に異なる。
【0007】また、繊維板を製造する方法として、特開
昭52−81388号公報には、未溶解状態の澱粉を原
料に添加し、ウェットマットを形成し、次いでこのウェ
ットマットを板状物で挟み、ウェットマット中の未溶解
状態の澱粉を溶解させる方法が提案されている。この方
法では、乾燥時にウェットマットが板状物で挟まれてい
ることから、澱粉はマット表面にマイグレーションしな
いで紙内部に留まる。このためマットの内部強度(紙層
強度)を向上させるには効果があるが、澱粉によりマッ
ト内部の繊維が被覆され含浸性能が著しく低下する。さ
らに、マット表面に存在する澱粉が少ないため、マット
の表面強度を向上させる効果は少なく、加工適性を向上
させる効果は少ない。
昭52−81388号公報には、未溶解状態の澱粉を原
料に添加し、ウェットマットを形成し、次いでこのウェ
ットマットを板状物で挟み、ウェットマット中の未溶解
状態の澱粉を溶解させる方法が提案されている。この方
法では、乾燥時にウェットマットが板状物で挟まれてい
ることから、澱粉はマット表面にマイグレーションしな
いで紙内部に留まる。このためマットの内部強度(紙層
強度)を向上させるには効果があるが、澱粉によりマッ
ト内部の繊維が被覆され含浸性能が著しく低下する。さ
らに、マット表面に存在する澱粉が少ないため、マット
の表面強度を向上させる効果は少なく、加工適性を向上
させる効果は少ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述した通り、含浸
性、薬剤保持性と加工適性は相反する性能である。つま
り、含浸性、薬剤保持性を向上させるために繊維を叩解
せず低密度で抄造することによりシート中の空隙を多く
すると、最終製品への加工時の衝撃に耐えられなくな
る。逆に加工適性を向上させるために繊維を叩解してシ
ートの強度を強くすると、シートの密度が高くなること
により、シート中の空隙が小さくなり、含浸性は落ち
る。空隙を多くし、薬品で表面強度を向上させ加工適性
を向上させようとすると、該薬品が繊維表面を被覆し、
結果含浸性能は低下してしまう。
性、薬剤保持性と加工適性は相反する性能である。つま
り、含浸性、薬剤保持性を向上させるために繊維を叩解
せず低密度で抄造することによりシート中の空隙を多く
すると、最終製品への加工時の衝撃に耐えられなくな
る。逆に加工適性を向上させるために繊維を叩解してシ
ートの強度を強くすると、シートの密度が高くなること
により、シート中の空隙が小さくなり、含浸性は落ち
る。空隙を多くし、薬品で表面強度を向上させ加工適性
を向上させようとすると、該薬品が繊維表面を被覆し、
結果含浸性能は低下してしまう。
【0009】この2つの特性を同時に満足させるために
は、シート中の空隙が多く存在し、かつ強度が高い必要
がある。
は、シート中の空隙が多く存在し、かつ強度が高い必要
がある。
【0010】本発明では、上記の構成を実現させ、相反
する性能である含浸性と加工適性を同時に満足する含浸
用基紙及び、その製造方法を提供することを課題とす
る。
する性能である含浸性と加工適性を同時に満足する含浸
用基紙及び、その製造方法を提供することを課題とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、最終製品の加工
適性を向上させるには、含浸用基紙の表面強度を向上さ
せることが特に効果があることを見いだした。さらに、
シート内部の繊維を薬品で被覆することを抑えながらシ
ートの表面強度を向上させるには、セルロース繊維を主
成分としたスラリーに未溶解状態の水溶性高分子を添加
して抄造し、該未溶解状態の水溶性高分子を乾燥時にマ
イグレーションさせることが有効であることを見出し
た。つまり、前述した方法により、シート表面及び/又
は裏面付近に水溶性高分子を多く偏在させることが可能
となることを見出し、この現象を利用することにより、
含浸性能を阻害せず、且つ打ち抜きやギロチン等の加工
時の衝撃に耐えうる強度を得ることが可能になることを
見出し、本発明を完成させた。
解決するために鋭意検討を重ねた結果、最終製品の加工
適性を向上させるには、含浸用基紙の表面強度を向上さ
せることが特に効果があることを見いだした。さらに、
シート内部の繊維を薬品で被覆することを抑えながらシ
ートの表面強度を向上させるには、セルロース繊維を主
成分としたスラリーに未溶解状態の水溶性高分子を添加
して抄造し、該未溶解状態の水溶性高分子を乾燥時にマ
イグレーションさせることが有効であることを見出し
た。つまり、前述した方法により、シート表面及び/又
は裏面付近に水溶性高分子を多く偏在させることが可能
となることを見出し、この現象を利用することにより、
含浸性能を阻害せず、且つ打ち抜きやギロチン等の加工
時の衝撃に耐えうる強度を得ることが可能になることを
見出し、本発明を完成させた。
【0012】すなわち、本発明はセルロース繊維を主成
分として構成され、内部と比較して、表面及び/または
裏面の近傍に水溶性高分子が多く含まれていることを特
徴とする含浸用基紙である。また、本発明はセルロース
繊維を主成分としたスラリーに未溶解状態の水溶性高分
子を添加し、該スラリーで湿紙ウェブを形成した後、ヤ
ンキードライヤー又は多筒式ドライヤーで乾燥すること
により、水分の移行とともに該未溶解状態の水溶性高分
子をシート表面にマイグレーションさせ、中心部と比較
して表面及び/又は裏面の近傍に水溶性高分子を多く含
ませることを特徴とする含浸用基紙の製造方法である。
分として構成され、内部と比較して、表面及び/または
裏面の近傍に水溶性高分子が多く含まれていることを特
徴とする含浸用基紙である。また、本発明はセルロース
繊維を主成分としたスラリーに未溶解状態の水溶性高分
子を添加し、該スラリーで湿紙ウェブを形成した後、ヤ
ンキードライヤー又は多筒式ドライヤーで乾燥すること
により、水分の移行とともに該未溶解状態の水溶性高分
子をシート表面にマイグレーションさせ、中心部と比較
して表面及び/又は裏面の近傍に水溶性高分子を多く含
ませることを特徴とする含浸用基紙の製造方法である。
【0013】上記の様に形成された、水溶性高分子が表
面及び/または裏面に多く偏在して部分、又は皮膜を形
成している部分(以下 これらを総称して「皮膜」と称
す)は、基紙表面を完全に被覆せず、含浸性を損なうこ
とがない。また、基紙表面に被覆した水溶性高分子の皮
膜は、打ち抜きやギロチン等の加工時の衝撃に充分耐え
うる強度を含浸用基紙に付与する。さらに、水溶性高分
子を基紙表面にマイグレーションさせたことにより、基
紙内部には該水溶性高分子が多く存在せず、基紙内部の
繊維表面を水溶性高分子が被覆する量が極めて少ない。
つまり、加工適性に最も必要とされる表面強度を向上さ
せ、且つ、含浸性能を損なう薬品による繊維の被覆が少
ない。このため、含浸性能を低下することなく、打ち抜
きやギロチン等の加工時の衝撃に耐えうる強度を付与す
ることが可能となる。
面及び/または裏面に多く偏在して部分、又は皮膜を形
成している部分(以下 これらを総称して「皮膜」と称
す)は、基紙表面を完全に被覆せず、含浸性を損なうこ
とがない。また、基紙表面に被覆した水溶性高分子の皮
膜は、打ち抜きやギロチン等の加工時の衝撃に充分耐え
うる強度を含浸用基紙に付与する。さらに、水溶性高分
子を基紙表面にマイグレーションさせたことにより、基
紙内部には該水溶性高分子が多く存在せず、基紙内部の
繊維表面を水溶性高分子が被覆する量が極めて少ない。
つまり、加工適性に最も必要とされる表面強度を向上さ
せ、且つ、含浸性能を損なう薬品による繊維の被覆が少
ない。このため、含浸性能を低下することなく、打ち抜
きやギロチン等の加工時の衝撃に耐えうる強度を付与す
ることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳しく説明する。
【0015】本発明で言う、「内部」とは、紙厚み方向
に対する内部を意味する。つまり、紙厚みを3つに区分
した時、外側に存在するものを「表面及び/又は裏面の
近傍」、内側に存在する部分を「内部」と言う。本発明
で言う、「多く含まれる」とは内部と比較して表面及び
/又は裏面近傍に多く偏在している状態すべてを指す。
つまり、紙を厚み方向に3つに区分した時、表面及び/
または裏面近傍の部分に含まれる水溶性高分子の量が、
内部に含まれる水溶性高分子の量より多い状態を指す。
この状態は、シートを、厚みが3等分になるように正確
に剥離し、得られた3つのサンプルに含まれる水溶性高
分子の量を測定することにより確認できる。本発明の含
浸用基紙は、内部と比較して表面及び/又は裏面近傍に
水溶性高分子が多く含まれる必要がある。表面及び/ま
たは裏面近傍に水溶性高分子が多く存在することによ
り、含浸性を損なわず表面強度を向上させ、結果、打ち
抜き適性を向上させることができる。基紙を厚み方向で
3等分した時、表面又は裏面にあたる外側の部分に含ま
れる水溶性高分子の量が、基紙内部にあたる内側部分に
含まれる水溶性高分子の量と比較して1.3倍以上多く
含まれていることがより好ましい。上述した含浸用基紙
を製造するには、水溶性高分子を未溶解状態でスラリー
に添加し、該未溶解状態の水溶性高分子を乾燥時にマイ
グレーションさせ、表面及び/または裏面に多く偏在さ
せる方法がある。この製造方法は、水溶性高分子の選
択、製造方法等に大きく影響される。以下、この製造方
法及び使用される薬品について説明する。本発明で使用
される水溶性高分子は水に溶解し、且つ乾燥すると固化
する性質を有するものであれば特に制限されない。これ
らの水溶性高分子はPVA、澱粉(小麦澱粉、米澱粉、
キビ澱粉、サツマイモ澱粉、ジャガイモ澱粉、サトイモ
澱粉、カンナ澱粉、トウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉等
の生澱粉;α化澱粉、分別アミロース、湿熱処理澱粉等
の物理的変性澱粉;酸処理澱粉等の化学分解変性澱粉;
エステル化澱粉、カチオン化澱粉等の化学変性澱粉誘導
体等)、カルボキシルメチルセルロース等のセルロース
系水溶性高分子、ポリエチレンオキサイド系水溶性高分
子、アクリルアミド系水溶性高分子等が挙げられ、これ
らを単独あるいは2種類以上を混合物して用いられる。
に対する内部を意味する。つまり、紙厚みを3つに区分
した時、外側に存在するものを「表面及び/又は裏面の
近傍」、内側に存在する部分を「内部」と言う。本発明
で言う、「多く含まれる」とは内部と比較して表面及び
/又は裏面近傍に多く偏在している状態すべてを指す。
つまり、紙を厚み方向に3つに区分した時、表面及び/
または裏面近傍の部分に含まれる水溶性高分子の量が、
内部に含まれる水溶性高分子の量より多い状態を指す。
この状態は、シートを、厚みが3等分になるように正確
に剥離し、得られた3つのサンプルに含まれる水溶性高
分子の量を測定することにより確認できる。本発明の含
浸用基紙は、内部と比較して表面及び/又は裏面近傍に
水溶性高分子が多く含まれる必要がある。表面及び/ま
たは裏面近傍に水溶性高分子が多く存在することによ
り、含浸性を損なわず表面強度を向上させ、結果、打ち
抜き適性を向上させることができる。基紙を厚み方向で
3等分した時、表面又は裏面にあたる外側の部分に含ま
れる水溶性高分子の量が、基紙内部にあたる内側部分に
含まれる水溶性高分子の量と比較して1.3倍以上多く
含まれていることがより好ましい。上述した含浸用基紙
を製造するには、水溶性高分子を未溶解状態でスラリー
に添加し、該未溶解状態の水溶性高分子を乾燥時にマイ
グレーションさせ、表面及び/または裏面に多く偏在さ
せる方法がある。この製造方法は、水溶性高分子の選
択、製造方法等に大きく影響される。以下、この製造方
法及び使用される薬品について説明する。本発明で使用
される水溶性高分子は水に溶解し、且つ乾燥すると固化
する性質を有するものであれば特に制限されない。これ
らの水溶性高分子はPVA、澱粉(小麦澱粉、米澱粉、
キビ澱粉、サツマイモ澱粉、ジャガイモ澱粉、サトイモ
澱粉、カンナ澱粉、トウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉等
の生澱粉;α化澱粉、分別アミロース、湿熱処理澱粉等
の物理的変性澱粉;酸処理澱粉等の化学分解変性澱粉;
エステル化澱粉、カチオン化澱粉等の化学変性澱粉誘導
体等)、カルボキシルメチルセルロース等のセルロース
系水溶性高分子、ポリエチレンオキサイド系水溶性高分
子、アクリルアミド系水溶性高分子等が挙げられ、これ
らを単独あるいは2種類以上を混合物して用いられる。
【0016】この中で、澱粉は親水性高分子であること
から、特に水系の薬品を含浸する際は有利である。ま
た、含浸用基紙に皮膜を形成しても、薬品の含浸を妨げ
にくい性質をもっているため、特に本発明に適する。
から、特に水系の薬品を含浸する際は有利である。ま
た、含浸用基紙に皮膜を形成しても、薬品の含浸を妨げ
にくい性質をもっているため、特に本発明に適する。
【0017】本発明は、水溶性高分子が基紙表面にマイ
グレーションする条件で乾燥することが好ましい。本発
明で言うマイグレーションとは、湿潤状態のシート乾燥
時にシート中の水分が移動する際、シート中の粒状物、
薬品がこの水分の移動とともにシート表面に移動する現
象である。つまり、シートが湿潤状態の時に、例えばヤ
ンキードライヤーや多筒ドライヤーで乾燥すると、ドラ
イヤーの熱により、シート中の水分はシート表面より蒸
発する。このためシート中の水分はシート表面に移動す
る。この水分の移動に伴い、シート中の紙力剤、サイズ
剤等の薬品、填料、顔料等の粒子がシート表面に移動す
る現象をマイグレーションと言う。水溶性高分子がマイ
グレーションする条件は、薬品の種類や状態、乾燥方
法、乾燥温度、粒子径、溶解温度に大きく影響される。
グレーションする条件で乾燥することが好ましい。本発
明で言うマイグレーションとは、湿潤状態のシート乾燥
時にシート中の水分が移動する際、シート中の粒状物、
薬品がこの水分の移動とともにシート表面に移動する現
象である。つまり、シートが湿潤状態の時に、例えばヤ
ンキードライヤーや多筒ドライヤーで乾燥すると、ドラ
イヤーの熱により、シート中の水分はシート表面より蒸
発する。このためシート中の水分はシート表面に移動す
る。この水分の移動に伴い、シート中の紙力剤、サイズ
剤等の薬品、填料、顔料等の粒子がシート表面に移動す
る現象をマイグレーションと言う。水溶性高分子がマイ
グレーションする条件は、薬品の種類や状態、乾燥方
法、乾燥温度、粒子径、溶解温度に大きく影響される。
【0018】水溶性高分子がマイグレーションするに
は、まず、水溶性高分子がシート表面に移動できる状態
であることが重要である。水溶性高分子は水溶液の状態
ではマイグレーションし難い。これは、水溶液状態では
繊維に付着しやすいため、水分の移動とともに移動でき
なくなるためと推測する。この傾向は特に澱粉で顕著で
ある。このため、水溶性高分子を基紙表面にマイグレー
ションさせるには、ある程度粒子の状態でシート中に存
在している時に乾燥させる必要がある。このことから水
溶性高分子は水溶液とせず、粒子のまま添加させる必要
がある。粒子のまま添加することは、薬品の歩留まりを
向上させるのにも効果がある。
は、まず、水溶性高分子がシート表面に移動できる状態
であることが重要である。水溶性高分子は水溶液の状態
ではマイグレーションし難い。これは、水溶液状態では
繊維に付着しやすいため、水分の移動とともに移動でき
なくなるためと推測する。この傾向は特に澱粉で顕著で
ある。このため、水溶性高分子を基紙表面にマイグレー
ションさせるには、ある程度粒子の状態でシート中に存
在している時に乾燥させる必要がある。このことから水
溶性高分子は水溶液とせず、粒子のまま添加させる必要
がある。粒子のまま添加することは、薬品の歩留まりを
向上させるのにも効果がある。
【0019】また、水溶性高分子を未溶解状態のまま添
加すると、繊維同士の点接着が可能となる。これは粒子
の状態で繊維間に捕捉されるため、水溶化した水溶性高
分子と異なり繊維を被覆することなく繊維同士を点接着
できるためである。水溶性高分子をマイグレーションさ
せ紙表面に移動させる際、移動できなかった粒子状の水
溶性高分子は前述した通り、点で繊維同士を接着し、含
浸性能を損なうことなく強度を向上させることができ
る。
加すると、繊維同士の点接着が可能となる。これは粒子
の状態で繊維間に捕捉されるため、水溶化した水溶性高
分子と異なり繊維を被覆することなく繊維同士を点接着
できるためである。水溶性高分子をマイグレーションさ
せ紙表面に移動させる際、移動できなかった粒子状の水
溶性高分子は前述した通り、点で繊維同士を接着し、含
浸性能を損なうことなく強度を向上させることができ
る。
【0020】このように、未溶解状態の水溶性高分子を
添加することにより、マイグレーションを起こしやすく
し、繊維を被覆することなくシートの表面強度を向上さ
せることが可能となるばかりか、マイグレーションでき
なかった未溶解状態の水溶性高分子は繊維同士を点で接
着し、含浸性能を損なうことなくシートの強度を向上さ
せることができる。
添加することにより、マイグレーションを起こしやすく
し、繊維を被覆することなくシートの表面強度を向上さ
せることが可能となるばかりか、マイグレーションでき
なかった未溶解状態の水溶性高分子は繊維同士を点で接
着し、含浸性能を損なうことなくシートの強度を向上さ
せることができる。
【0021】本発明で使用される未溶解状態の水溶性高
分子の粒子径は5〜50μmであることが好ましい。通
常、「粒子径」は平均粒子径を指すため、本発明でも
「粒子径」の記載は平均粒子径を指す。水溶性高分子の
粒子径が5μmより少ないと極端に歩留まりが悪くな
り、経済的に不利になるばかりか、打ち抜きやギロチン
等の加工に耐えうる強度を得られない。水溶性高分子の
粒子径が50μmより大きいと、マイグレーションの
際、繊維間に捕捉されシート表面に移動できなくなる。
このため、繊維同士を点接着することは可能であるが、
表面強度を向上させることができない。加工適性向上に
は、基紙の表面強度が特に影響するため、前記粒子径で
あると加工適性を十分満足することはできない。
分子の粒子径は5〜50μmであることが好ましい。通
常、「粒子径」は平均粒子径を指すため、本発明でも
「粒子径」の記載は平均粒子径を指す。水溶性高分子の
粒子径が5μmより少ないと極端に歩留まりが悪くな
り、経済的に不利になるばかりか、打ち抜きやギロチン
等の加工に耐えうる強度を得られない。水溶性高分子の
粒子径が50μmより大きいと、マイグレーションの
際、繊維間に捕捉されシート表面に移動できなくなる。
このため、繊維同士を点接着することは可能であるが、
表面強度を向上させることができない。加工適性向上に
は、基紙の表面強度が特に影響するため、前記粒子径で
あると加工適性を十分満足することはできない。
【0022】湿紙状態の基紙の乾燥は公知の方法を採用
できるが、多筒式ドライヤーで行うことが好ましい。こ
れは多筒式ドライヤーであれば、その表裏乾燥する構造
ゆえに表裏に水溶性高分子の皮膜を生成することが可能
であるためである。例えばヤンキードライヤー等の片面
乾燥では、皮膜は片面にしか生成しえない。このため加
工適性の面では不利になる。しかし、一方では片面に皮
膜がないことから多筒式ドライヤーに比べ含浸性能に優
れる。このため用途によってはヤンキードライヤーで製
造することも有効である。
できるが、多筒式ドライヤーで行うことが好ましい。こ
れは多筒式ドライヤーであれば、その表裏乾燥する構造
ゆえに表裏に水溶性高分子の皮膜を生成することが可能
であるためである。例えばヤンキードライヤー等の片面
乾燥では、皮膜は片面にしか生成しえない。このため加
工適性の面では不利になる。しかし、一方では片面に皮
膜がないことから多筒式ドライヤーに比べ含浸性能に優
れる。このため用途によってはヤンキードライヤーで製
造することも有効である。
【0023】含浸用基紙は、長網抄紙機で製造すること
が有利である。これは円網抄紙機で多層抄紙すると、打
ち抜きやギロチン等の加工時に抄き合わせ部分から層剥
離が発生し、不良品が発生しやすいからである。これに
対して長網抄紙機では必要とされるシートを1層で抄紙
するので、紙の厚さ方向に対してセルロース繊維の絡み
合いが生じるため、打ち抜きやギロチン等の加工時に層
剥離が発生しない。
が有利である。これは円網抄紙機で多層抄紙すると、打
ち抜きやギロチン等の加工時に抄き合わせ部分から層剥
離が発生し、不良品が発生しやすいからである。これに
対して長網抄紙機では必要とされるシートを1層で抄紙
するので、紙の厚さ方向に対してセルロース繊維の絡み
合いが生じるため、打ち抜きやギロチン等の加工時に層
剥離が発生しない。
【0024】湿紙状態の含浸用基紙を公知の方法で乾燥
する際、乾燥温度は水溶性高分子の溶解温度より10〜
90度高いことが好ましい。さらに好ましくは30度〜
70度高いことが好ましい。未溶解状態の水溶性高分子
をマイグレーションさせるには、この乾燥温度と溶解温
度の関係が非常に重要となる。乾燥温度が水溶性高分子
の溶解温度より90度を超える温度である場合、未溶解
状態の水溶性高分子はシート中で直ぐに水溶液となるた
め、マイグレーションする前にセルロース繊維に補足さ
れてしまい粒子で添加した意味はなくなる。逆に乾燥温
度が水溶性高分子の溶解温度より10度未満高い場合、
未溶解状態の水溶性高分子は完全に溶解されないで粒子
のまま乾燥が終了することになり、表面にマイグレーシ
ョンしても皮膜を形成することができなくなる。また、
粒子のままでは強度を発現することが出来ない。さら
に、乾燥効率が悪くなり、生産性が悪くなる。
する際、乾燥温度は水溶性高分子の溶解温度より10〜
90度高いことが好ましい。さらに好ましくは30度〜
70度高いことが好ましい。未溶解状態の水溶性高分子
をマイグレーションさせるには、この乾燥温度と溶解温
度の関係が非常に重要となる。乾燥温度が水溶性高分子
の溶解温度より90度を超える温度である場合、未溶解
状態の水溶性高分子はシート中で直ぐに水溶液となるた
め、マイグレーションする前にセルロース繊維に補足さ
れてしまい粒子で添加した意味はなくなる。逆に乾燥温
度が水溶性高分子の溶解温度より10度未満高い場合、
未溶解状態の水溶性高分子は完全に溶解されないで粒子
のまま乾燥が終了することになり、表面にマイグレーシ
ョンしても皮膜を形成することができなくなる。また、
粒子のままでは強度を発現することが出来ない。さら
に、乾燥効率が悪くなり、生産性が悪くなる。
【0025】上記現象は溶解温度に対しても同様のこと
が言える。つまり、乾燥温度に比較して溶解温度が極端
に低い場合は、直ぐに溶解し、未溶解状態で添加した意
味はなくなる。溶解温度が極端に高い場合は、前述した
理由により被膜を形成しなくなる。
が言える。つまり、乾燥温度に比較して溶解温度が極端
に低い場合は、直ぐに溶解し、未溶解状態で添加した意
味はなくなる。溶解温度が極端に高い場合は、前述した
理由により被膜を形成しなくなる。
【0026】通常の湿式抄紙法では、乾燥時のドライヤ
ー温度は100〜150度程度であるため、本発明で採
用される水溶性高分子の溶解温度は10〜110度にな
るが、セルロース繊維を主成分としたスラリーに水溶性
高分子を添加した時点で水溶性高分子が溶解してしまう
と本発明にそぐわなくなる。また、本発明では水溶性高
分子はセルロース繊維を主成分としたスラリー中に添加
されるため、水溶性高分子の溶解温度が水の沸点を超え
ると水溶性高分子は溶解しなくなる。したがって、本発
明で使用する水溶性高分子の溶解温度は40〜100度
が好ましいが、水溶性高分子をマイグレーションしやす
くするためには、水溶性高分子の溶解温度が50〜85
度であるとより好ましい。
ー温度は100〜150度程度であるため、本発明で採
用される水溶性高分子の溶解温度は10〜110度にな
るが、セルロース繊維を主成分としたスラリーに水溶性
高分子を添加した時点で水溶性高分子が溶解してしまう
と本発明にそぐわなくなる。また、本発明では水溶性高
分子はセルロース繊維を主成分としたスラリー中に添加
されるため、水溶性高分子の溶解温度が水の沸点を超え
ると水溶性高分子は溶解しなくなる。したがって、本発
明で使用する水溶性高分子の溶解温度は40〜100度
が好ましいが、水溶性高分子をマイグレーションしやす
くするためには、水溶性高分子の溶解温度が50〜85
度であるとより好ましい。
【0027】水溶性高分子の添加量は、全繊維量に対し
重量部で1〜15重量部である必要がある。1重量部よ
り少ないと打ち抜きやギロチン等の加工に耐えうる強度
を得ることができない。また15重量部より多いと、表
面にマイグレーションしてもシート中に多くの水溶性高
分子が残留し、結果含浸性能が悪化する。また、湿紙抄
紙する際、濾水性が悪化し生産性が極端に悪くなる。
重量部で1〜15重量部である必要がある。1重量部よ
り少ないと打ち抜きやギロチン等の加工に耐えうる強度
を得ることができない。また15重量部より多いと、表
面にマイグレーションしてもシート中に多くの水溶性高
分子が残留し、結果含浸性能が悪化する。また、湿紙抄
紙する際、濾水性が悪化し生産性が極端に悪くなる。
【0028】本発明で含浸液に使用する香料としては、
動物性、植物性の天然香料や、テルペン系炭化水素;テ
ルペン系アルコール、ベンジルアルコール等のアルコー
ル類;フェノールおよびその誘導体;脂肪族アルデヒ
ド、テルペン系アルデヒド、芳香族アルデヒド等のアル
デヒド類;アセタール類;脂肪族ケトン、テルペン系ケ
トン、芳香族ケトン、脂環式ケトン、大環状ケトン等の
ケトン類;脂環式エーテル、環状エーテル等のエーテル
類;脂環式ラクトン、大環状ラクトン等のラクトン類;
ムスクアンブレット、ムスクキシレン等の人造ジャコ
ウ;複素環式化合物;脂肪酸エステル、芳香族酸エステ
ル等のエステル類等の公知の合成香料が挙げられ、それ
らの1種あるいは2種以上の混合物が用いられる。
動物性、植物性の天然香料や、テルペン系炭化水素;テ
ルペン系アルコール、ベンジルアルコール等のアルコー
ル類;フェノールおよびその誘導体;脂肪族アルデヒ
ド、テルペン系アルデヒド、芳香族アルデヒド等のアル
デヒド類;アセタール類;脂肪族ケトン、テルペン系ケ
トン、芳香族ケトン、脂環式ケトン、大環状ケトン等の
ケトン類;脂環式エーテル、環状エーテル等のエーテル
類;脂環式ラクトン、大環状ラクトン等のラクトン類;
ムスクアンブレット、ムスクキシレン等の人造ジャコ
ウ;複素環式化合物;脂肪酸エステル、芳香族酸エステ
ル等のエステル類等の公知の合成香料が挙げられ、それ
らの1種あるいは2種以上の混合物が用いられる。
【0029】本発明で使用する防虫剤、殺虫剤、除虫剤
としては公知のものが使用できる。例えば、合成または
天然のピレトリンまたはピレトラム、デリス、ニコチ
ン、松ヤニ合剤、ロテノン、DDT、BHC等が用いら
れる。これら防虫剤等の濃度は、人的あるいは動物に対
して無害な状態となる程度の濃度とするのが好ましい。
としては公知のものが使用できる。例えば、合成または
天然のピレトリンまたはピレトラム、デリス、ニコチ
ン、松ヤニ合剤、ロテノン、DDT、BHC等が用いら
れる。これら防虫剤等の濃度は、人的あるいは動物に対
して無害な状態となる程度の濃度とするのが好ましい。
【0030】本発明の香料、殺虫剤防虫剤、除虫剤等の
含浸用基紙の製造方法について説明する。本発明の含浸
用基紙は、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹サルファイトパル
プ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、
藁パルプ、麻パルプ、ケナフパルプ、コットン、コット
ンリンター、コットンラグ、マーセル化パルプ、等の製
紙用パルプ単独あるいは2種類以上を併用する。この中
で特にコットン繊維はよじれたリボン状で、細胞膜壁が
厚いため紙にした時に潰れにくい。そのため低密度の紙
の製造には適した繊維である。また、SPもKP等と比
較して密度がつき難く低密度紙の製造には適している。
上記製紙用パルプ以外にも、必要に応じてレーヨン、リ
ヨセル、カルボキシルメチルセルロース繊維等のセルロ
ース繊維、アクリル繊維等の合成繊維も必要に応じて使
用できる。
含浸用基紙の製造方法について説明する。本発明の含浸
用基紙は、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹サルファイトパル
プ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、
藁パルプ、麻パルプ、ケナフパルプ、コットン、コット
ンリンター、コットンラグ、マーセル化パルプ、等の製
紙用パルプ単独あるいは2種類以上を併用する。この中
で特にコットン繊維はよじれたリボン状で、細胞膜壁が
厚いため紙にした時に潰れにくい。そのため低密度の紙
の製造には適した繊維である。また、SPもKP等と比
較して密度がつき難く低密度紙の製造には適している。
上記製紙用パルプ以外にも、必要に応じてレーヨン、リ
ヨセル、カルボキシルメチルセルロース繊維等のセルロ
ース繊維、アクリル繊維等の合成繊維も必要に応じて使
用できる。
【0031】原料となるパルプは叩解度が600ml
C.S.F.以上であることが好ましい。パルプを60
0mlC.S.F.未満まで叩解処理すると、フィブリ
ル化あるいはカッティングによって繊維間の結合が増え
るため、密度がつきやすくなり、薬品の含浸性が悪くな
るからである。
C.S.F.以上であることが好ましい。パルプを60
0mlC.S.F.未満まで叩解処理すると、フィブリ
ル化あるいはカッティングによって繊維間の結合が増え
るため、密度がつきやすくなり、薬品の含浸性が悪くな
るからである。
【0032】本発明の含浸用基紙は、香料、殺虫剤、防
虫剤、除虫剤等の薬品を容易に含浸できる必要がある。
このため、含浸用基紙の密度が薬品の含浸性に大きな影
響を及ぼす。薬品を容易に含浸させるためには、含浸用
基紙の密度は0.50g/cm3以下であることが好ま
しい。含浸用基紙の密度が0.50g/cm3を超える
と含浸用基紙の空隙が少なくなるため、薬品の含浸性は
悪くなる。含浸用基紙の密度が0.45g/cm3以下
になると、より良好な薬品含浸性が得られる。
虫剤、除虫剤等の薬品を容易に含浸できる必要がある。
このため、含浸用基紙の密度が薬品の含浸性に大きな影
響を及ぼす。薬品を容易に含浸させるためには、含浸用
基紙の密度は0.50g/cm3以下であることが好ま
しい。含浸用基紙の密度が0.50g/cm3を超える
と含浸用基紙の空隙が少なくなるため、薬品の含浸性は
悪くなる。含浸用基紙の密度が0.45g/cm3以下
になると、より良好な薬品含浸性が得られる。
【0033】未溶解状態の水溶性高分子の他、含浸性を
損なわない程度であれば、一般的な抄紙薬品は全て使用
できる。例えば紙力増強剤としてポリアクリルアミド、
糊化澱粉、糊化変性澱粉、PVA、変性PVA、ホルマ
リン系紙力剤、エピクロロヒドリン系紙力剤、スチレン
アクリル等が必要に応じて1種類以上使用出来る。ま
た、含浸性の調整用として、サイズ剤としてロジン系サ
イズ剤、中性ロジンサイズ剤、AKD、ASA等が必要
に応じて1種類以上使用できる。また、加工時にどうし
ても湿潤紙力が必要な時、含浸用基紙に塗工等の処理を
する際はこれらサイズ剤を必要に応じて使用できる。
損なわない程度であれば、一般的な抄紙薬品は全て使用
できる。例えば紙力増強剤としてポリアクリルアミド、
糊化澱粉、糊化変性澱粉、PVA、変性PVA、ホルマ
リン系紙力剤、エピクロロヒドリン系紙力剤、スチレン
アクリル等が必要に応じて1種類以上使用出来る。ま
た、含浸性の調整用として、サイズ剤としてロジン系サ
イズ剤、中性ロジンサイズ剤、AKD、ASA等が必要
に応じて1種類以上使用できる。また、加工時にどうし
ても湿潤紙力が必要な時、含浸用基紙に塗工等の処理を
する際はこれらサイズ剤を必要に応じて使用できる。
【0034】
【実施例】実施例1 NBSP100重量部をパルパーで離解し、叩解度73
0mlC.S.F.の紙料を調整した。得られたパルプ
スラリーの固形分100重量部に対し、糊化温度80
度、平均粒子径12μmの未溶解状態の小麦澱粉(商品
名「HS−425」、千葉製粉(株)製)3.5重量
部、ポリエチレンイミン系の定着剤(商品名「ポリミン
SN」、BASF社製)0.1重量部を加え、紙料を調
整した。長網抄紙機を使用して、多筒式ドライヤーでド
ライヤー表面温度130度で乾燥し、常法により坪量8
00g/m2、厚さ2.00mm、密度0.40g/c
m3の含浸用基紙を得た。
0mlC.S.F.の紙料を調整した。得られたパルプ
スラリーの固形分100重量部に対し、糊化温度80
度、平均粒子径12μmの未溶解状態の小麦澱粉(商品
名「HS−425」、千葉製粉(株)製)3.5重量
部、ポリエチレンイミン系の定着剤(商品名「ポリミン
SN」、BASF社製)0.1重量部を加え、紙料を調
整した。長網抄紙機を使用して、多筒式ドライヤーでド
ライヤー表面温度130度で乾燥し、常法により坪量8
00g/m2、厚さ2.00mm、密度0.40g/c
m3の含浸用基紙を得た。
【0035】実施例2 NBSP100重量部をパルパーで離解し、叩解度73
0mlC.S.F.の紙料を調整した。得られたパルプ
スラリーの固形分100重量部に対し、溶解温度80
度、平均粒子径12μmの未溶解状態の小麦澱粉(商品
名「HS−425」、千葉製粉(株)製)3.5重量
部、ポリエチレンイミン系の定着剤(商品名「ポリミン
SN」、BASF社製)を0.1重量部加え、紙料を調
整した。長網抄紙機を使用して、多筒式ドライヤーでド
ライヤー表面温度100度で乾燥し、常法により坪量8
00g/m2、厚さ2.00mm、密度0.40g/c
m3の含浸用基紙を得た。
0mlC.S.F.の紙料を調整した。得られたパルプ
スラリーの固形分100重量部に対し、溶解温度80
度、平均粒子径12μmの未溶解状態の小麦澱粉(商品
名「HS−425」、千葉製粉(株)製)3.5重量
部、ポリエチレンイミン系の定着剤(商品名「ポリミン
SN」、BASF社製)を0.1重量部加え、紙料を調
整した。長網抄紙機を使用して、多筒式ドライヤーでド
ライヤー表面温度100度で乾燥し、常法により坪量8
00g/m2、厚さ2.00mm、密度0.40g/c
m3の含浸用基紙を得た。
【0036】実施例3 NBSP100重量部をパルパーで離解し、叩解度73
0mlC.S.F.の紙料を調整した。得られたパルプ
スラリーの固形分100重量部に対し、これに溶解温度
80度、平均粒子径12μmの未溶解状態の小麦澱粉
(商品名「HS−425」、千葉製粉(株)製)3.5
重量部、ポリエチレンイミン系の定着剤(商品名「ポリ
ミンSN」、BASF社製)を0.1重量部加え、紙料
を調整した。長網抄紙機を使用して、多筒式ドライヤー
でドライヤー表面温度150度で乾燥し、常法により坪
量800g/m2、厚さ2.00mm、密度0.40g
/cm3の含浸用基紙を得た。
0mlC.S.F.の紙料を調整した。得られたパルプ
スラリーの固形分100重量部に対し、これに溶解温度
80度、平均粒子径12μmの未溶解状態の小麦澱粉
(商品名「HS−425」、千葉製粉(株)製)3.5
重量部、ポリエチレンイミン系の定着剤(商品名「ポリ
ミンSN」、BASF社製)を0.1重量部加え、紙料
を調整した。長網抄紙機を使用して、多筒式ドライヤー
でドライヤー表面温度150度で乾燥し、常法により坪
量800g/m2、厚さ2.00mm、密度0.40g
/cm3の含浸用基紙を得た。
【0037】実施例4 NBSP100重量部をパルパーで離解し、叩解度73
0mlC.S.F.の紙料を調整した。得られたパルプ
スラリーの固形分100重量部に対し、これに溶解温度
80度、平均粒子径12μmの未溶解状態の小麦澱粉
(商品名「HS−425」、千葉製粉(株)製)15重
量部、ポリエチレンイミン系の定着剤(商品名「ポリミ
ンSN」、BASF社製)0.1重量部を加え、紙料を
調整した。長網抄紙機を使用して、多筒式ドライヤーで
ドライヤー表面温度130度で乾燥し、常法により坪量
880g/m2、厚さ2.00mm、密度0.44g/
cm3の含浸用基紙を得た。
0mlC.S.F.の紙料を調整した。得られたパルプ
スラリーの固形分100重量部に対し、これに溶解温度
80度、平均粒子径12μmの未溶解状態の小麦澱粉
(商品名「HS−425」、千葉製粉(株)製)15重
量部、ポリエチレンイミン系の定着剤(商品名「ポリミ
ンSN」、BASF社製)0.1重量部を加え、紙料を
調整した。長網抄紙機を使用して、多筒式ドライヤーで
ドライヤー表面温度130度で乾燥し、常法により坪量
880g/m2、厚さ2.00mm、密度0.44g/
cm3の含浸用基紙を得た。
【0038】実施例5 NBSP100重量部をパルパーで離解し、叩解度65
0mlC.S.F.の紙料を調整した。得られたパルプ
スラリーの固形分100重量部に対し、溶解温度80
度、平均粒子径12μmの未溶解状態の小麦澱粉(商品
名「HS−425」、千葉製粉(株)製)1重量部、エ
ピクロロヒドリン系紙力剤(商品名「WS−570」、
日本PMC(株)製)1重量部を加え、紙料を調整し
た。長網抄紙機を使用して、多筒式ドライヤーでドライ
ヤー表面温度130度で乾燥し、常法により坪量900
g/m2、厚さ2.00mm、密度0.45g/cm3の
含浸用基紙を得た。
0mlC.S.F.の紙料を調整した。得られたパルプ
スラリーの固形分100重量部に対し、溶解温度80
度、平均粒子径12μmの未溶解状態の小麦澱粉(商品
名「HS−425」、千葉製粉(株)製)1重量部、エ
ピクロロヒドリン系紙力剤(商品名「WS−570」、
日本PMC(株)製)1重量部を加え、紙料を調整し
た。長網抄紙機を使用して、多筒式ドライヤーでドライ
ヤー表面温度130度で乾燥し、常法により坪量900
g/m2、厚さ2.00mm、密度0.45g/cm3の
含浸用基紙を得た。
【0039】実施例6 NBSP70重量部、コットンリンターパルプ30重量
部をパルパーで離解し、叩解度720mlC.S.F.
の紙料を調整した。これに溶解温度80度、平均粒子径
12μmの未溶解状態の小麦澱粉(商品名「HS−42
5」、千葉製粉(株)製)2重量部、糊化した小麦澱粉
(商品名「HS−425」、千葉製粉(株)製)1重量
部を加え、紙料を調整した。長網抄紙機を使用して、多
筒式ドライヤーでドライヤー表面温度130度で乾燥
し、常法により坪量800g/m2、厚さ2.00m
m、密度0.40g/cm3の含浸用基紙を得た。
部をパルパーで離解し、叩解度720mlC.S.F.
の紙料を調整した。これに溶解温度80度、平均粒子径
12μmの未溶解状態の小麦澱粉(商品名「HS−42
5」、千葉製粉(株)製)2重量部、糊化した小麦澱粉
(商品名「HS−425」、千葉製粉(株)製)1重量
部を加え、紙料を調整した。長網抄紙機を使用して、多
筒式ドライヤーでドライヤー表面温度130度で乾燥
し、常法により坪量800g/m2、厚さ2.00m
m、密度0.40g/cm3の含浸用基紙を得た。
【0040】実施例7 NBSP100重量部をパルパーで離解し、叩解度73
0mlC.S.F.の紙料を調整した。これに未溶解状
体のPVA(商品名「ゴーセノールAH−22パウダ
ー」、日本合成(株)製)を篩にかけ平均粒子径12μ
mとして2重量部加え、紙料を調整した。長網抄紙機を
使用して、多筒式ドライヤーでドライヤー表面温度13
0度で乾燥し、常法により坪量800g/m2、厚さ
2.00mm、密度0.40g/cm3の含浸用基紙を
得た。
0mlC.S.F.の紙料を調整した。これに未溶解状
体のPVA(商品名「ゴーセノールAH−22パウダ
ー」、日本合成(株)製)を篩にかけ平均粒子径12μ
mとして2重量部加え、紙料を調整した。長網抄紙機を
使用して、多筒式ドライヤーでドライヤー表面温度13
0度で乾燥し、常法により坪量800g/m2、厚さ
2.00mm、密度0.40g/cm3の含浸用基紙を
得た。
【0041】
【比較例】比較例1 NBSP100重量部をパルパーで離解し、叩解度73
0mlC.S.F.の紙料を調整した。これに溶解した
状態の小麦澱粉(商品名「HS−425」、千葉製粉
(株)製)3.5重量部、ポリエチレンイミン系の定着
剤(商品名「ポリミンSN」、BASF社製)0.1重
量部を加え、紙料を調整した。長網抄紙機を使用して、
多筒式ドライヤーでドライヤー表面温度130度で乾燥
し、常法により坪量800g/m2、厚さ2.00m
m、密度0.40g/cm3の含浸用基紙を得た。
0mlC.S.F.の紙料を調整した。これに溶解した
状態の小麦澱粉(商品名「HS−425」、千葉製粉
(株)製)3.5重量部、ポリエチレンイミン系の定着
剤(商品名「ポリミンSN」、BASF社製)0.1重
量部を加え、紙料を調整した。長網抄紙機を使用して、
多筒式ドライヤーでドライヤー表面温度130度で乾燥
し、常法により坪量800g/m2、厚さ2.00m
m、密度0.40g/cm3の含浸用基紙を得た。
【0042】比較例2 NBSP100重量部をパルパーで離解し、叩解度73
0mlC.S.F.の紙料を調整した。これに溶解した
状態のPVA(商品名「ゴーセノールAH−22 パウ
ダー」、日本合成(株)製)2重量部を加え、紙料を調
整した。長網抄紙機を使用して、多筒式ドライヤーでド
ライヤー表面温度130度で乾燥し、常法により坪量8
00g/m2、厚さ2.00mm、密度0.40g/c
m3の含浸用基紙を得た。
0mlC.S.F.の紙料を調整した。これに溶解した
状態のPVA(商品名「ゴーセノールAH−22 パウ
ダー」、日本合成(株)製)2重量部を加え、紙料を調
整した。長網抄紙機を使用して、多筒式ドライヤーでド
ライヤー表面温度130度で乾燥し、常法により坪量8
00g/m2、厚さ2.00mm、密度0.40g/c
m3の含浸用基紙を得た。
【0043】比較例3 NBSP100重量部をパルパーで離解し、叩解度73
0mlC.S.F.の紙料を調整した。これに溶解温度
60度、平均粒子径10μmの未溶解状態の小麦澱粉
(商品名「HS−425」、千葉製粉(株)製)20重
量部、ポリエチレンイミン系の定着剤(商品名「ポリミ
ンSN」、BASF社製)0.1重量部を加え、紙料を
調整した。長網抄紙機を使用して、多筒式ドライヤーで
ドライヤー表面温度130度で乾燥し、常法により坪量
920g/m2、厚さ2.00mm、密度0.46g/
cm3の含浸用基紙を得た。 比較例4 NBSP100重量部をパルパーで離解し、叩解度73
0mlC.S.F.の紙料を調整した。得られたスラリ
ーを、長網抄紙機で、多筒式ドライヤーでドライヤー表
面温度130度で乾燥し、常法により坪量800g/m
2、厚さ2.00mm、密度0.40g/cm3の含浸用
基紙を得た。
0mlC.S.F.の紙料を調整した。これに溶解温度
60度、平均粒子径10μmの未溶解状態の小麦澱粉
(商品名「HS−425」、千葉製粉(株)製)20重
量部、ポリエチレンイミン系の定着剤(商品名「ポリミ
ンSN」、BASF社製)0.1重量部を加え、紙料を
調整した。長網抄紙機を使用して、多筒式ドライヤーで
ドライヤー表面温度130度で乾燥し、常法により坪量
920g/m2、厚さ2.00mm、密度0.46g/
cm3の含浸用基紙を得た。 比較例4 NBSP100重量部をパルパーで離解し、叩解度73
0mlC.S.F.の紙料を調整した。得られたスラリ
ーを、長網抄紙機で、多筒式ドライヤーでドライヤー表
面温度130度で乾燥し、常法により坪量800g/m
2、厚さ2.00mm、密度0.40g/cm3の含浸用
基紙を得た。
【0044】実施例および比較例で得られた含浸用基紙
のギロチンや打ち抜き等の加工適性は、打ち抜き機で打
ち抜き作業が可能な540mm×390mmの大きさに
含浸用基紙をギロチンで断裁し、断裁した含浸用基紙を
打ち抜き機で25mm×35mmの大きさに打ち抜い
て、打ち抜いた小型の含浸用基紙の打ち抜き状態、特に
打ち抜き後の断裁面、層間の割れおよび表面のむけの状
態を目視で評価した。次の様な基準で評価し、△以上を
実用可能なレベルとした。
のギロチンや打ち抜き等の加工適性は、打ち抜き機で打
ち抜き作業が可能な540mm×390mmの大きさに
含浸用基紙をギロチンで断裁し、断裁した含浸用基紙を
打ち抜き機で25mm×35mmの大きさに打ち抜い
て、打ち抜いた小型の含浸用基紙の打ち抜き状態、特に
打ち抜き後の断裁面、層間の割れおよび表面のむけの状
態を目視で評価した。次の様な基準で評価し、△以上を
実用可能なレベルとした。
【0045】 ○打ち抜き後の状態が非常に良好なもの △:外観は損なわない程度の割れや表面のむけが見られ
るもの ×:著しく外観を損なうような割れやむけが見られるも
の 結果を表−2に示す。
るもの ×:著しく外観を損なうような割れやむけが見られるも
の 結果を表−2に示す。
【0046】さらに、含浸用基紙の表面強度は、JIS
P 8129の紙及び板紙の紙むけ試験方法に規定さ
れた電気式IGT試験機を使用して評価した。評価には
タックグレード6のインキを使用し、加速印刷後のシー
ト表面のむけの程度でシートの表面状態を目視で評価し
た。次の様な基準で評価し、△以上を実用可能なレベル
とした。
P 8129の紙及び板紙の紙むけ試験方法に規定さ
れた電気式IGT試験機を使用して評価した。評価には
タックグレード6のインキを使用し、加速印刷後のシー
ト表面のむけの程度でシートの表面状態を目視で評価し
た。次の様な基準で評価し、△以上を実用可能なレベル
とした。
【0047】 ○:紙むけが見られないもの △:紙むけがわずかに見られるもの ×:紙むけが著しく見られるもの 結果を表−2に示す。
【0048】実施例および比較例で得られた含浸用基紙
の薬品含浸性は、薬品の種類や粘度によって異なる。ま
た、同じ種類の薬品でも薬品メーカーによって浸透性が
異なるので、評価方法を一定にするために、粘性の高い
溶媒である、3−メチル−3−メトキシブタノールを使
用して浸透性を評価した。評価方法は、打ち抜いた小型
含浸用基紙の表面から溶媒を1ml滴下し、溶媒の滴下
開始から含浸用基紙表面の溶媒が完全に浸透して表面か
ら見えなくなるまでの時間を測定した。数字が大きいほ
ど浸透性が悪くなる。実際の生産性を考慮して浸透時間
15秒以下を合格とした。結果を表1に示す。
の薬品含浸性は、薬品の種類や粘度によって異なる。ま
た、同じ種類の薬品でも薬品メーカーによって浸透性が
異なるので、評価方法を一定にするために、粘性の高い
溶媒である、3−メチル−3−メトキシブタノールを使
用して浸透性を評価した。評価方法は、打ち抜いた小型
含浸用基紙の表面から溶媒を1ml滴下し、溶媒の滴下
開始から含浸用基紙表面の溶媒が完全に浸透して表面か
ら見えなくなるまでの時間を測定した。数字が大きいほ
ど浸透性が悪くなる。実際の生産性を考慮して浸透時間
15秒以下を合格とした。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】以上に述べた如く、本発明の含浸用基紙
及びその製造方法によれば、以下に示す顕著な効果を有
する。 (1)未溶解状態の水溶性高分子を使用することで、打
ち抜きやギロチン等の加工適性の良好な含浸用基紙を得
ることができる。
及びその製造方法によれば、以下に示す顕著な効果を有
する。 (1)未溶解状態の水溶性高分子を使用することで、打
ち抜きやギロチン等の加工適性の良好な含浸用基紙を得
ることができる。
Claims (11)
- 【請求項1】セルロース繊維を主成分として構成され、
内部と比較して、表面及び/または裏面の近傍に水溶性
高分子が多く含まれていることを特徴とする含浸用基
紙。 - 【請求項2】セルロース繊維を主成分としたスラリー
に、該スラリーの温度では溶解しない未溶解状態の水溶
性高分子を、スラリーの固形分100重量部に対し1〜
10重量部添加させて抄造し、該未溶解状態の水溶性高
分子をマイグレーションによって、シート内部と比較し
てシート表面及び/又は裏面近傍に多く含ませた、密度
0.50g/cm3以下の請求項1に記載の含浸用基
紙。 - 【請求項3】未溶解状態の水溶性高分子が澱粉であるこ
とを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の含
浸用基紙。 - 【請求項4】セルロース繊維を主成分としたスラリーか
ら湿式抄紙法で含浸用基紙を製造する方法において、セ
ルロース繊維を主成分としたスラリーの固形分100重
量部に対して、スラリーの温度では溶解しない水溶性高
分子を、未溶解状態で1〜15重量部添加し、抄造する
ことを特徴とする含浸用基紙の製造方法。 - 【請求項5】未溶解状態の水溶性高分子が澱粉であるこ
とを特徴とする請求項4に記載の含浸基紙の製造方法。 - 【請求項6】未溶解状態の水溶性高分子が乾燥時にシー
ト表面にマイグレーションする条件で乾燥することを特
徴とする請求項4,5のいずれか1項に記載の含浸用基
紙の製造方法。 - 【請求項7】乾燥温度が、未溶解状態の水溶性高分子の
溶解温度より10〜90度高いことを特徴とする請求項
4〜6のいずれか1項に記載の含浸用基紙の製造方法。 - 【請求項8】未溶解状態の水溶性高分子の粒子径が5〜
50μmであることを特徴とする請求項4〜7のいずれ
か1項に記載の含浸用基紙の製造方法。 - 【請求項9】未溶解状態の水溶性高分子の溶解温度が5
0〜85度であることを特徴とする請求項4〜8のいず
れか1項に記載の含浸用基紙の製造方法。 - 【請求項10】セルロース繊維を主成分としたスラリー
の叩解度が600mlC.S.F.であることを特徴と
する請求項4〜9に記載の含浸用基紙の製造方法。 - 【請求項11】長網抄紙機で抄造することを特徴とする
請求項4〜10に記載の含浸用基紙の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000395075A JP2002201588A (ja) | 2000-12-26 | 2000-12-26 | 含浸用基紙、及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000395075A JP2002201588A (ja) | 2000-12-26 | 2000-12-26 | 含浸用基紙、及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002201588A true JP2002201588A (ja) | 2002-07-19 |
Family
ID=18860597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000395075A Pending JP2002201588A (ja) | 2000-12-26 | 2000-12-26 | 含浸用基紙、及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002201588A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010084278A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Daio Paper Corp | 含浸紙及びインジケーター台紙 |
JP2014115073A (ja) * | 2012-11-15 | 2014-06-26 | Taisei Shiki Insatsu Kk | ペーパー加湿器 |
-
2000
- 2000-12-26 JP JP2000395075A patent/JP2002201588A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010084278A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Daio Paper Corp | 含浸紙及びインジケーター台紙 |
JP2014115073A (ja) * | 2012-11-15 | 2014-06-26 | Taisei Shiki Insatsu Kk | ペーパー加湿器 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060222 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060628 |