JP2005060868A - 耐油性シート状物 - Google Patents

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Abstract

低い透気抵抗度で人体に安全、且つ優れた耐油性能、生産性に優れ、特に食用油を使用した食品の包装材料として好ましく使用できる耐油性シート状物を提供する。
【課題】
【解決手段】 製紙用繊維を主体としたシート状物に、グアーガム及び脂肪酸を添加する。また、グアーガムと脂肪酸の添加率を特定したり、脂肪酸がエピクロルヒドリン系薬剤で変性したり、さらにはこの表面に耐油層を設けることで優れた耐油性能を有する耐油性シート状物が得られる。
【選択図】 なし


Description

本発明は、耐油性、耐グリース性に優れるシート状物に関する。さらに詳しくは、フライ等の食用油を使用した食品の包装材料として好ましく使用できるシート状物に関する。
従来、一般に耐油紙と称されているフライ等の食用油を使用した食品に使用されるシート状物に耐油性を付与するためには、表面の臨界表面張力を油性物質の表面張力よりも小さくする方法が採られていた。このような機能を有する処理薬品を耐油剤と称し、フッ素系の耐油剤を用いたものが耐油紙の主流となっていた。
例えば特許文献1には新規な耐油剤としてフッ素系耐油剤の紹介があるように、過フッ素炭化水素のアクリレートまたはリン酸エステル等のようなフッ素系化合物を用いたものが低コストでかつ効果的であるので主流となっていた。
フッ素系の耐油剤を用いた耐油紙は、表面の臨界表面張力を油性物質の表面張力よりも極端に小さくすることができるため優れた耐油性能を得ることができ、さらには強力な撥水性も付与するという特徴を有していた。また、これらの特徴は基紙の表面に皮膜を形成することなく発現することができるので、耐油紙自体の透気抵抗度を低くすることが可能となる特徴を併せ持っていた。
しかし、近年になってこのようなフッ素系化合物からなる耐油剤を使用した耐油紙を使用してフライ等を包装し、電子レンジ等で100℃以上の高温で処理したような場合に、フッ化アルコールガスやフッ化水素ガスのような人体に蓄積されて害を及ぼすフッ素系ガスが発生することが報告されたことから、フッ素系耐油剤の使用が大きな問題となっている。また、レンジ等で加熱しなくても、100℃以上の食材の包装に使用される際は、同様なガスが発生する危険があることが指摘されていた。
また、フッ素系耐油剤のようなフッ素系有機化合物は生分解性が非常に悪く、これらの物質による地球規模での汚染が懸念されていた。このように人体への悪影響及び地球環境への影響を考え、フッ素系化合物の使用が社会的に大きな問題となっていた。
フッ素系化合物を使用しない耐油紙として特許文献2には、架橋したポリビニルアルコール及び/又はデンプンと耐水化剤とを主成分とするバリヤー層にシリコン樹脂、ヒートシール用接着剤を塗工し、それを容器とする耐油性容器が提案されている。しかし、この耐油性容器は必ずしも満足し得る耐油性能を有するものではなく、更にシリコン樹脂が高価であるため容器の価格が高くなるという問題点があった。
さらに特許文献3、特許文献4、特許文献5にはアクリルエマルションを耐油剤として使用した耐油紙が提案されている。しかし、これらの耐油紙は耐油性能を満足するためにしっかりとしたアクリル樹脂の皮膜を必要とし、このため透気抵抗度が非常に高くなり食品包装材料としての性能を損なうものであった。食品包装材料で透気抵抗度が高くなると、食品を包装材料に入れたまま加熱若しくは保温した場合、食品から発散する水蒸気が包装材料の中で充満し、結露した水が食品に付着する結果、食品の食感や味覚が大きく損なわれる場合があった。更に食品包装材料に入れたまま食品を電子レンジ等で再加熱したような場合、急速に発生する水蒸気が外部に放出できないで食品包装材料内部の圧力が高まり破袋する危険があった。また、充分な耐油性能を得るための皮膜を形成するためには多くの塗布量を必要とし、その結果包装材料の価格が高くなるという問題点があった。
特許文献6には保水度が210〜400%の微細繊維化パルプを含有した耐油紙が提案されている。しかし、この方法では透気抵抗度が高くなりすぎ、また必ずしも満足し得る耐油性能を有するものではなかった。
以上に述べたような従来技術のように食品包装材料としての耐油性能を確保するために各種の耐油剤を使用したり、パルプの叩解方法を工夫して紙の密度を高くする等の検討が色々なされてきたが、内添薬品によって耐油性能を向上させようとする試みはほとんどなされていなかった。
製紙工業における内添用薬品として脂肪酸サイズ剤やグアーガムは耐油性能を向上させる効果があることが知られている。しかし、ここでいう耐油性能とはオフセット印刷時におけるインキの裏抜けを防止する程度の耐油性能を意味しており、本発明でいうところの耐油性能と比較して格段に低いレベルの耐油性能である。このため、本発明のような食品包装材料としての耐油紙として脂肪酸やグアーガムを使用する検討は行われてこなかった。さらに脂肪酸とグアーガムを併用した際の相乗効果についてもまったく検討されていなかった。
特開平12−26601号公報 特公平6−2373号公報 特開平9−3795号公報 特開平9−11693号公報 特開2001−303745号公報 特開平8−188980号公報
本発明は、食品包装材料として従来のフッ素系耐油剤を使用した耐油紙の人体への安全性や環境への問題点、また非フッ素系耐油剤により耐油性能を付与させた耐油紙における高い透気抵抗度、高価格といった問題点を解決することを課題とする。具体的には低い透気抵抗度で人体に安全、且つ優れた耐油性能、生産性に優れる耐油性シート状物を提供することを課題とする。
即ち本発明の請求項1に係る発明は、製紙用繊維を主体とするシート状物に、グアーガム及び脂肪酸が含まれていることを特徴とする耐油性シート状物である。
本発明の請求項2に係る発明はグアーガムの配合率が、対繊維総質量の1〜10質量%であることを特徴とする請求項1に記載の耐油性シート状物である。
本発明の請求項3に係る発明は脂肪酸の配合率が対繊維総質量の0.1〜2質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐油性シート状物である。
本発明の請求項4に係る発明は脂肪酸がエピクロルヒドリン系薬剤で変性されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐油性シート状物である。
本発明の請求項5に係る発明は請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐油性シート状物の少なくとも片面に耐油層を設けたことを特徴とする耐油性シート状物である。
本発明によれば、低い透気抵抗度で人体に安全であり、且つ優れた耐油性能、生産性に優れる耐油性シート状物が得られる。本発明による耐油性シート状物は、特に食用油を使用した食品の包装材料として好ましく使用することができる。
本発明でいうグアーガムとは植物由来のガムのことであり、マメ科グアーの胚乳成分を粉砕して得られるものである。その主成分はガラクトマンナンからなる多糖類で、ヘミセルロースと非常に似た性質を有しており、木材パルプに対して定着しやすいという特徴がある。
グアーガムは用途によって、ヒドロキシアルキル変性、カチオン変性、カルボキシル変性等のように各種に変性されるが、本発明で使用されるグアーガムは変性されたものであっても未変性であっても何ら問題はない。また、酸化グアーガム、カチオン化グアーガム、両性グアーガムであっても何ら問題はない。食品包装材料として使用する際には、人体に悪影響を及ぼさないものを選択する必要がある。
グアーガムはその性状により水に溶解した際の粘度が異なっている。本発明に使用するには粘度は適度な範囲にあることが好ましい。粘度が高すぎるとパルプスラリーにした際の粘度が高くなるので濾水性の点から高い添加率が不可能になる。また、抄紙機を汚す、といった問題が発生する。粘度が低すぎると紙への定着が悪くなり、添加率を増加させても耐油性能が良くならず、非効率的となるので好ましくない。
グアーガムの配合率は対繊維総質量の1〜10質量%であることが好ましい。10質量%よりも多いと原料であるパルプスラリー粘度が高くなりすぎ、濾水性が著しく悪くなって生産性が悪化する。1質量%未満では充分な耐油性能が確保できない。
本発明で使用する脂肪酸には飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、蒸留脂肪酸、硬化脂肪酸等がある。脂肪酸は通常、融点以下の温度では固形物として存在するが、このように固形物となっている脂肪酸は抄紙機におけるサイズプレス等で塗工できるようにエマルション化、ソープ化して液化されていることが好ましい。固形物の脂肪酸であっても加熱溶融させてから塗工する等で塗工が可能であればエマルション化、ソープ化されていなくてもかまわない。また、脂肪酸は動物性脂肪酸であっても植物性脂肪酸であっても何ら問題はない。
使用される脂肪酸の融点は20℃以上であることが好ましい。更に好ましくは40℃以上である。20℃未満であると、塗工されたシート状物が油っぽくなり扱いづらい。40℃未満であると、食品包装材料として使用した場合、加熱、保温時に脂肪酸が溶け出して耐油性能が悪化する危険がある。
本発明で使用される脂肪酸は、エピクロルヒドリン系の薬剤で変性されていることが好ましい。エピクロルヒドリン系の薬剤で変性されていると耐油性能が向上する。本発明でエピクロルヒドリンで変性されているとは、単に脂肪酸にエピクロルヒドリン基が導入されているものだけでなく、脂肪酸の分散剤にエピクロルヒドリンを使用するなど、脂肪酸に何らかの形でエピクロルヒドリンが付与されている場合も含む。エピクロルヒドリン系の薬剤にはポリアミドエピクロルヒドリン、ポリアミンエピクロルヒドリン、ポリアクリルポリアミドエピクロルヒドリン、ポリアクリルポリアミンエピクロルヒドリン等がある。
脂肪酸の配合率は、対繊維総質量の0.1〜2質量%であることが好ましい。2質量%以上になっても効果が向上せずコスト的に問題がある。また、使用する脂肪酸によってはシート状物が油っぽくなって好ましくない。0.1質量%未満であると充分な耐油性能が確保できなくなる。
グアーガムと脂肪酸を併用することで、その相乗効果によって耐油性能は著しく向上する。併用によって相乗効果が発現する原理は定かではない。グアーガムと脂肪酸を併用して添加する際の配合割合は、グアーガムの固形分100質量部に対して脂肪酸の固形分換算で1〜100質量部とするのが好ましい。100質量部より多く配合しても添加量の割に耐油性能が向上せず、コスト的に問題がある。また、1質量部未満では充分な相乗効果が発現されず、耐油性能が満足できなくなる。
本発明に使用される製紙用繊維としては一般的に製紙用繊維として使用されるものが全て使用できる。例えば針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニパルパルプ(TMP)等の木材パルプの単独若しくは混合物を主体とし、これに麻、竹、藁、ケナフ、楮、三椏や木綿等の非木材パルプさらにはカチオン化パルプ、マーセル化パルプ等の変性パルプ、ミクロフィブリル化パルプ、またレーヨン、ビニロン、ナイロン、アクリル、ポリエステル等の合成繊維や半合成繊維あるいは硝子繊維やロックウール等の無機繊維を必要に応じて単独であるいは混合して使用することができる。
上記したような製紙用繊維を使用して100〜500C.S.F.に叩解することが好ましい。叩解度が100mlより低いと紙を製造する際に抄紙ワイヤー上での濾水性が悪くなり、製造効率が著しく悪くなる。また叩解度が500mlより高いと充分な耐油性能が得られなくなる危険がある。
内添薬品としては、一般的に抄紙用として使用される抄紙薬品が使用できる。例えば湿潤紙力増強剤としてはメラミン系、尿素系、エピクロルヒドリン系等の湿潤紙力増強剤が使用できる。特にエピクロルヒドリン系紙力増強剤は、グアーガムや脂肪酸の歩留まりを向上させる効果があり、それ単独でも耐油性能を向上させる効果もあるので好ましい。エピクロルヒドリン系紙力増強剤を使用する場合は、繊維総質量100質量部に対し固形分で0.01〜2質量部使用することが好ましい。2質量部より多く使用しても添加量の割には耐油性能は向上しない。また、0.01質量部未満であると満足できる耐油性が得られなくなる。
脂肪酸はサイズ剤としての効果があるが、その他のサイズ剤を併用しても何ら問題はない。その他のサイズ剤としてはロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、合成サイズ剤、スチレン系サイズ剤等が必要に応じて使用できる。
製紙工業では、薬品を定着させ歩留まりを向上させるために硫酸バンドをよく使用するが、硫酸バンドを使用するとグアーガムと脂肪酸の併用による耐油性能の向上効果がさらに向上するので好ましい。この理由は定かではないが、グアーガム、脂肪酸が酸性領域で耐油性が向上するのではないかと推測する。また、グアーガムは上記したようにヘミセルロースと非常に似た性質を有しているために、硫酸バンドによる定着時に何らかの変化が起きて耐油性能が向上するのではないかと推測する。
その他、内添薬品としては、通常の抄紙時に使用される一般的な薬品、例えば乾燥紙力増強剤、歩留まり向上剤、染料、顔料、スライムコントロール剤等が必要に応じて適宜使用できる。
このように各種薬品を添加して調合されたパルプスラリーをシート化するに当たり、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤーフォーマー、短網抄紙機またはこれらのコンビネーション等の一般的な抄紙機が適用できる。
本発明の基紙に耐油剤を塗布すると更に耐油性能が向上する。この際、透気抵抗度が高くなりすぎないように耐油剤の種類、塗布量を選択する必要がある。耐油剤としてはポリビニルアルコール、デンプン等の水溶性高分子及びこれらを架橋させたもの、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコン系樹脂等が使用できる。特に耐油剤に疎水化デンプンと架橋剤を併用した塗料、又は疎水化デンプンと架橋剤に、脂肪酸及び/又はポリビニルアルコールを添加した塗料を使用すると、透気抵抗度を低く抑えつつ、高い耐油性能を実現できるので好ましい。
耐油剤の塗工方法としては、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、ロッド及びブレードメタリングコーター等のオンマシンコーターや、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、ダイスロッドコーター、ショートドウエルコーター等のオフマシンコーター又は抄紙機と一体化したコーターやディッピングマシン、各種印刷機等を使用することができるが、コスト的利点からオンマシンでの処理装置を使用するのが好ましい。
[実施例1]
木材パルプとして広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)50質量%、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)50質量%を使用し、ダブルディスクリファイナーで350mlC.S.F.に叩解してパルプスラリーを製造した。このパルプスラリーに未変性グアーガムを対パルプ質量当たり固形分で2質量%添加した。次にエピクロルヒドリン系湿潤紙力増強剤を対パルプ質量当たり固形分で0.5質量%添加した。次にエピクロルヒドリンで変性された脂肪酸を対パルプ質量当たり0.5質量%添加し、最後に硫酸バンドを対パルプ質量当たり固形分で4質量%添加し原料スラリーを調製した。この原料スラリーを長網抄紙機を使用して坪量45g/mにシート化し、耐油性シート状物を得た。
[実施例2]
実施例1で得られた原料スラリーを長網抄紙機を使用して坪量42g/mにシート化し、さらにこのシート上に疎水化デンプン及び架橋剤としてポリアミドエピクロルヒドリン樹脂を、対疎水化デンプンの質量当たり固形分で10質量%添加し、更にエピクロルヒドリンで変性された脂肪酸を対疎水化デンプン質量当たり固形分で10質量%添加し、次に鹸化度93〜95%、重合度2000のカルボキシル変性ポリビニルアルコールを、対脂肪酸質量当たり300質量%添加した塗工液を、塗工量が固形分換算で両面で3g/mになるように塗工し、坪量45g/mの耐油性シート状物を得た。
[実施例3]
硫酸バンドを使用しない以外は実施例1と同様にして、坪量45g/mの耐油性シート状物を得た。
[比較例1]
実施例1で得られたパルプスラリーに未変性グアーガムを対パルプ質量当たり固形分で2質量%添加した。次にエピクロルヒドリン系湿潤紙力増強剤を対パルプ質量当たり4質量%添加し、原料スラリーを調製した。この原料スラリーを長網抄紙機を使用して坪量45g/mにシート化し、耐油性シート状物を得た。
[比較例2]
実施例1で得られたパルプスラリーにエピクロルヒドリン系湿潤紙力増強剤を対パルプ質量当たり固形分で0.5質量%添加した。次にエピクロルヒドリンで変性された脂肪酸を対パルプ質量当たり固形分で0.5質量%添加し、最後に硫酸バンドを対パルプ質量当たり固形分で4質量%添加し原料スラリーを調製した。この原料スラリーを長網抄紙機を使用して坪量45g/mにシート化し、耐油性シート状物を得た。
上記の実施例及び比較例で得られた耐油性シート状物の性能評価結果を表1に示す。性能評価は、耐油性、透湿性、耐熱水性及び破袋の有無について下記の方法により行った。
(耐油性の評価試験):耐油性シート状物にヒマシ油0.5mlを滴下し、ヒマシ油滴下面に5g/cmの荷重を掛け(荷重掛けには金属板を使用)、ヒマシ油滴下部分の反対の面を観察し、10分後のヒマシ油の浸透具合を目視により官能評価した。ヒマシ油の浸透度合いの評価基準は次の通りとし、△以上を合格とした。
◎:ヒマシ油滴下面の反対面へのヒマシ油の浸透はほとんど認められない。
○:ヒマシ油滴下面の反対面へのヒマシ油の浸透が認められ、ヒマシ油が浸透している面積が全体の面積の5%以下である。
△:ヒマシ油滴下面の反対面へのヒマシ油の浸透が認められ、ヒマシ油が浸透している面積が全体の面積の50%未満である。
×:ヒマシ油滴下面の反対面へのヒマシ油の浸透が認められ、ヒマシ油が浸透している面積が全体の面積の50%以上90%未満である。
××:ヒマシ油滴下面の反対面へのヒマシ油の浸透が認められ、ヒマシ油が浸透している面積が全体の面積の90%以上である。
(透湿性の評価試験):沸騰水100mlをビーカーに入れ、その上から袋状にした耐油性シート状物のサンプルをかぶせて1時間放置し、袋内部の結露状態を目視で判断した。結露状態の判断基準は次の通りとした。結露しないものほど、透湿性が良好であるといえる。
○:1時間放置後、袋内部が結露しない状態である。
×:1時間放置後、袋内部に結露が見られる状態である。
(耐熱水性の評価試験):耐油性シート状物のサンプルを5cm角に切り、100mlの熱水(90℃)で10分間抽出後、抽出液を蒸発させ、蒸発残滓を測定する方法で評価した。試験結果は全抽出物の質量として2mg/25cm以下を○、それ以上のものを×とした。
(破袋の有無の評価試験):スポンジを入れる口を一方に設けた8cm×14cmの耐油性シート状物の袋を作成し、この中に20mlの水を含ませた5cm×7cm×4cmの大きさのスポンジを入れて、袋の口を2回折り曲げ、中央部を1カ所セロハンテープでシールして、800W出力の電子レンジに入れ、5分間加熱処理した際における袋の破袋の有無を確認した。評価基準は次の通りとした。
○:袋が破袋せず、セロハンテープの剥がれも確認しないレベルである。
×:袋が破袋するか、あるいはセロハンテープが剥がれるレベルである。
Figure 2005060868

Claims (5)

  1. 製紙用繊維を主体とするシート状物に、グアーガム及び脂肪酸が含まれていることを特徴とする耐油性シート状物。
  2. グアーガムの配合率が、対繊維総質量の1〜10質量%であることを特徴とする請求項1に記載の耐油性シート状物。
  3. 脂肪酸の配合率が対繊維総質量の0.1〜2質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐油性シート状物。
  4. 脂肪酸がエピクロルヒドリン系薬剤で変性されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐油性シート状物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐油性シート状物の少なくとも片面に耐油層を設けたことを特徴とする耐油性シート状物。









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