JP4721432B2 - 情報記録用紙 - Google Patents
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Description
しかし、この水崩壊性感熱記録シート及びそれを用いた水崩壊性粘着シートは、高価な有機溶剤を使用することや、塗工層(感熱記録層)の塗工と別工程になることから、コストアップになるという問題がある。更に、有機溶剤に溶解する水溶性樹脂又は水分散性樹脂を用いた有機溶剤系塗工液を塗工・形成された目止め層は、基材として使用されている水溶紙又は水分散紙、基紙上に設けられた塗工層と比較して水による崩壊性が劣るため、水で洗浄した際にフィルム状に剥がれて排水管が詰まるなどの問題が生じる。
また、一般に、水溶紙又は水分散紙の基紙に水溶性樹脂の水溶液又は非水溶性樹脂の水分散液からなる塗工液をバーコーター法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて塗工・乾燥した場合、基紙である水溶紙又は水分散紙が塗工液中の水分で過度に膨潤して強度が低下し、塗工機の中で断紙する問題が発生する。
一方、たばこのフィルター巻取り紙などを自然環境における雨水などにより容易に水解させるために、特定の繊維ディメンションや保水度を有する水分散性繊維からなる水解紙が開発され、効果を上げている(特許文献2,3)。
本発明の水分散性繊維は、本質的に水への分散性能を有する繊維素材であり、一般的に製紙用として用いられるものである。例えば、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、溶解パルプなどの木材パルプ繊維、ケナフパルプ、亜麻パルプ、リンターなどの非木材系植物繊維から選ばれるものであり、水分散性繊維の平均繊維長は、0.1〜10mm、好ましくは0.5〜3mm、更に好ましくは0.8〜2mmである。
なお、繊維ディメンションとは、繊維の長さ(L)、繊維の幅(D)、繊維のルーメンの幅(l)を光学顕微鏡などで拡大して測定し、下記(1)式、(2)式により計算される値であり、保水度とは、JAPAN TAPPI NO.26に規定されているパルプの膨潤度の指標であり、パルプ全体に占める膨潤繊維中に取り込まれて保持されている水分の割合を示すものである。
l/D=l÷D … (1)、 L/D=L÷D … (2)
水不溶性粉体としては、非金属無機物、金属、水不溶性無機塩、熱硬化性樹脂粉末、熱可塑性樹脂粉末などが用いられ、水難溶性粉体としては、水難溶性無機塩が用いられる。水不溶性粉体の具体例は、酸化アルミニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、炭化ケイ素、炭化ホウ素等の炭化物、四窒化三ケイ素、窒化ホウ素等の窒化物、雲母、長石族、シリカ鉱物族、粘土鉱物、合成ゼオライト、天然ゼオライト等の珪酸塩鉱物、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩化合物、珪酸マグネシウム等の珪酸塩化合物、リン酸亜鉛等のリン酸塩化合物、尿素樹脂系微粉末やスチレンアクリル樹脂系中空樹脂微粉末などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、単独又は水難溶性粉体を含めて2種以上を併用することも可能である。
これらの水不溶性粉体及び/又は水難溶性粉体は、基紙中に、1〜40重量%含有することが望ましい。基紙中に含まれる水不溶性及び/又は水難溶性粉体の量が1重量%に満たない場合には、水分散率や不透明度の向上効果はごく僅かであり、添加する意味がない。一方、水不溶性又は水難溶性粉体の量が40重量%を越えると水分散率や不透明度は極めて高くなるが、強度が大きく低下する。
なお、抄紙工程中で流亡することを考慮して、一般的には、これら粉体を水分散性繊維に添加する際、水分散性繊維100重量部に対して、水不溶性及び/又は水難溶性粉体を1〜200重量部、好ましくは、5〜100重量部の範囲で含有させることで、上記含有量のものを得ることができる。
繊維状カルボキシメチルセルロース塩又は繊維状カルボキシエチルセルロース塩のエーテル化度は0.1〜1.5、好ましくは0.3〜0.5である。
繊維状カルボキシメチルセルロース塩又は繊維状カルボキシエチルセルロース塩は、ナトリウム塩(CMC−Na、CEC−Na)、カリウム塩(CMC−K、CEC−K)、リチウム塩(CMC−Li、CEC−Li)などのアルカリ金属塩か、該金属塩とアンモニウム塩、アミン塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩などとの混合塩でもよい。
繊維状カルボキシメチルセルロース塩及び/又は繊維状カルボキシエチルセルロース塩の配合率は、(繊維状カルボキシメチルセルロース塩又は繊維状カルボキシエチルセルロース塩):(水分散性繊維を含む抄紙用繊維全体)=1重量%:99重量%〜15重量%:85重量%、好ましくは3重量%:97重量%〜8重量%:92重量%である。繊維状カルボキシメチルセルロース塩及び/又は繊維状カルボキシエチルセルロース塩の配合率が15重量%を越えると、該塩を構成する金属イオンにより感熱プリンターのヘッド腐食の問題が生じ、インクジェット記録媒体では印字物の彩度が低下する問題が生じるため望ましくない。
以下、感熱プリンター及びインクジェットプリンターに適応した塗工層の例を示す。
また、基紙(水解性基材)と情報記録用の塗工層(即ち、感熱記録層やアンダーコート層など)との間に顔料及びバインダーを主成分とする目止め層を設けてもよい。目止め層は、支持体に含有しているイオン又は粘着剤に含有されている可塑剤などの感熱記録層へのマイグレーションを防止するため望ましい。また、上記基紙は繊維間結合が弱いため、ポーラスな層(断熱効果の高い)を有しており、目止め層を設けることにより、基紙発色感度、耐カス付着性、耐スティッキング性が良好な感熱記録体が得られる。
アンダーコート層を塗設する基紙表面(目止め層を設けた場合も含む)の平滑性は特に限定されないが、一般的には高平滑な表面が好まれ、ヤンキードライヤー接触面、カレンダリング処理面が好適に用いられる。アンダーコート層は、感熱記録体において、基紙表面の平滑性を高めて画像のシャープネスと高感度を達成するために設けるもので、公知の顔料、バインダー、各種添加剤を適宜選択して用いることができる。
アンダーコート層や目止め層に用いる顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸ソーダ、アルミノケイ酸マグネシウムなどの無機顔料又はメラミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ポリエチレンパウダー、ナイロンパウダーなどの有機顔料が挙げられる。
これらのうち、水分散性の観点から、水溶性樹脂又は水分散性樹脂が好ましく、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンをバインダーの主成分として使用することが望ましい。
アンダーコート層は、前記顔料及びバインダーにその他の添加剤を分散混合して得られる塗料を、塗工機によって一層又は多層に分けて塗工し、ドライヤーで加熱乾燥することによって得られる。
アンダーコート層の塗工量は、乾燥後の重量として通常0.5〜50g/m2、好ましくは3〜15g/m2、目止め層の塗工量は0.5〜10g/m2である。塗工機としては、エアナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、チャンプレックスコーター、グラビアコーター等が挙げられる。
感熱記録層には、前記ロイコ染料、顕色剤及び結合剤と共に、必要に応じ、補助添加成分、例えば、増感剤、充填剤、p−ニトロ安息香酸金属塩(Ca、Zn)又はフタル酸モノベンジルエステル金属塩(Ca、Zn)等の安定剤、脂肪酸金属塩などの離型剤、ワックス類などの滑剤、圧力発色防止剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分散剤、消泡剤等を併用することができる。
本発明の水分散性塗工紙は使用後に排水溝ヘ洗い流される用途として使用される可能性もあることから、環境面を考慮し、これらの中でもより安全性の高い増感剤として、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、エチレンビスステアロアミド、パラベンジルオキシ安息香酸ベンジル、4−ビフェニルパラトリルエーテル、シュウ酸ビス(パラメチルベンジル)、シュウ酸ビス(パラクロロベンジル)、パラベンジルビフェニル、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、パラトルエンスルホンアミド、オルトトルエンスルホンアミド、ジフェニルスルホン、ベンジルオキシナフタレン、パラフェニルアセトフェノン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン等が好ましく使用される。
前述の有機顕色剤、ロイコ染料及び必要に応じて添加する材料はボールミル、アトライター、サンドグラインダーなどの粉砕機又は適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。
感熱記録層の形成方法については特に限定されず、例えば平版等の各種印刷方式をはじめ、エアナイフ塗工、ロッドブレード塗工、バー塗工、ブレード塗工、グラビア塗工、カーテン塗工等の方法によって塗液を基紙上に塗工乾燥する方法で形成される。また、塗液の塗工量については、通常2〜12g/m2、好ましくは3〜10g/m2程度の範囲である。
感熱記録層上に、保護層を塗設することによって、サーマルヘッド等のマッチング性や記録画像保存性を向上させることができる。
保護層に用いる結合剤は上記した結合剤と同種のものが使用でき、これらの中でも水剥離性の観点から、水溶性樹脂であるデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンをバインダーの主成分として使用することが望ましい。
保護層は、前記結合剤に各種添加剤を分散混合して得られる塗料を、塗工機によって一層又は多層に分けて塗工し、ドライヤーで加熱乾燥することによって得られる。
塗料の塗工量は、乾燥後の重量として通常0.2〜10g/m2、好ましくは0.5〜5g/m2である。塗工機としては、特に限定されるものではなく、エアナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、チャンプレックスコーター、グラビアコーター等の公知の塗工機を使用することができ、特に制限されることはない。
本発明において、画像のシャープネス及び感度の向上を目的に、カレンダー、スーパーカレンダー、ソフトニップカレンダー等の平滑化装置を用いて感熱記録層側の表面平滑性を高めることは好ましい。感熱記録層側表面のベック平滑度は50〜2000sにすることが好ましく、より好ましくは100〜2000sである。ベック平滑度が50sに満たない場合は、印字画質の向上効果が乏しく平滑処理の効果がない。また、ベック平滑度が2000sを越えると、基紙の密度向上による水分散性の低下が目立つようになり好ましくない。
インクジェット記録層には公知の顔料を使用することができる。具体例しては、前記のバインダーを挙げることができ、特に制限されるものではないが、インク吸収性及び発色性の点から、シリカ、アルミナ、焼成カオリン、炭酸カルシウムなどを用いることが好ましい。
インクジェット記録層には公知のバインダーを使用することができる。具体例しては、前記のバインダーを挙げることができ、特に制限されるものではないが、インク吸収性及び発色性の点から、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールなどを主成分として用いることが好ましい。
各種添加剤としては、カチオン性樹脂(染料定着剤)、顔料分散剤、消泡剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、サイズ剤、蛍光染料、防腐剤等が挙げられる。中でも、カチオン性樹脂は画像部の耐水性及び発色性を著しく向上させるため、併用することは望ましい。
塗工機としては、特に限定されるものではなく、エアナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、キャストコーター、チャンプレックスコーター、グラビアコーター、2ロールコーター、トランスファーロールコーター等が使用される。
水溶性アクリル系粘着剤の例としては、アクリル酸アルコキシアルキルとスチレンスルホン酸塩と他の共重合性単量体とからなる共重合体や、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有ビニル系単量体と水酸基含有単量体と場合により用いられる共重合可能な他の単量体との共重合体をベースポリマーとして含有するものなどを挙げることができる。また、水再分散性アクリル系粘着剤の例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとカルボキシル基含有ビニル系単量体とアルコキシ基を有するビニル系単量体と場合により用いられる共重合可能な他の単量体との共重合体や、カルボキシル化ロジンエステル含有ビニル系単量体とカルボキシル基含有ビニル系単量体と水溶性ビニル系単量体が共重合されてなる共重合体をベースポリマーとして含有するものなどを挙げることができる。なお、これらの共重合体のカルボキシル基は、必要に応じ一部又は全部がアルカリにより中和された塩型であってもよく、アルカリ金属塩、アミン塩、アルカノールアミン塩が好適に用いられる。
これらの粘着剤は、基紙の非塗工面に直接塗布して粘着剤層を設けてもよいし、剥離シートの剥離剤表面上に粘着剤を塗布して粘着剤層を設けたのち、非塗工面に貼着し、該粘着剤層を転写してもよい。何れの場合も、粘着剤層は使用時以外での不要な粘着を防ぐために剥離シートを貼合し、所望により剥がして使用してもよい。基紙に設けられる粘着剤層の塗工量は固形分として3〜60g/m2、好ましくは10〜50g/m2程度である。粘着剤塗工量が5g/m2未満では、得られる粘着シートの接着性能が不足し、一方、60g/m2を越えると粘着シートの製造時や後加工工程で粘着剤がはみ出し易くなり好ましくない。
また、粘着剤の塗布を印刷方式で行い、エッジ部分等を除いてパターン状に塗布してもよく、この場合に用いる剥離シートも粘着剤の塗布パターンに対応して剥離剤を部分塗布することもできる。更に、本発明の情報用紙の塗工面側表面に、点状や矩形状の非連続パターンで剥離剤を部分塗布し、一方、反対面側の表面に剥離剤と対応するパターンで粘着剤を部分塗布し、粘着剤部分塗布面と剥離剤部分塗布面とを重ね合わせることにより、剥離シートが不要の粘着シートを形成することもできる。
かくして得られる本発明の水分散性塗工紙の粘着シートは、コンテナなどの被着体に貼付された後、水で洗い流すのみで、被着体から容易に取り除くことができる。
なお、実施例及び皮革例中の部数及び%は特に断わらない限り、それぞれ重量部及び重量%を示す。
1.水分散性
23℃×50%RHの雰囲気で24時間以上調和させた試料(情報記録用紙)から3cm角の試験片5枚を作製した。次に300mlビーカーに脱イオン水300mlを入れてスターラーで650rpmに攪拌しながら上記試験片1枚を投入した。試験片が2つ以上に千切れる時間をストップウォッチで求め、5回測定の平均値を水分散時間とし、下記の基準で評価した。
◎:水分散時間が30秒以内であり、水分散性が優秀である
○:水分散時間が90秒以内であり、水分散性が良い
×:水分散時間が90秒を越え、不溶であると判断される
2−1.感熱記録紙(感熱プリンターによる評価)
実施例1〜9,11及び比較例1〜4で作成した情報記録用紙について、Zebra社製「バーコードプリンター140XiII」を用いて印字した。サーマルヘッドの発熱エネルギー0.2mJで印字した試料の印字部分及び未印字部分の地肌を「マクベスRD−918型」反射濃度計にて測定した。印字部分の測定値は大きいほど発色感度に優れ、未印字部分の地肌は小さいほど、地肌かぶりが少なく優れている。
2−2.インクジェット記録紙(インクジェットプリンターによる評価)
実施例10及び比較例5で作成した情報記録用紙について、エプソン社製「PM−970C」を用いてベタ印字(黒)し、「マクベスRD−918型」反射濃度計にて印字濃度を測定した。また、前記プリンターを用いて「電」の文字をフォント8の大きさで印字し、インクの滲みを下記の基準で目視評価した。
○:ほとんどインクが滲まない又は若干インクが滲んでいるが文字の判別に支障はない。
×:インクが滲んでおり文字の判別に支障がある。
繊維ディメンションのl/D値が0.67、L/D値が49、保水度が86%の広葉樹晒クラフトパルプを80部と、l/D値が0.72、L/D値が80、保水度が103%の針葉樹晒クラフトパルプの20部とを配合し、全体のl/D値が0.69、L/D値が58、保水度が89%である水分散性繊維原料を450〜500mlCSFになるように叩解し、長網式抄紙機で坪量35〜40g/m2になるように水解性基紙を抄紙した。
上記基紙に、カオリン(エンゲルハード社製)70部、二酸化チタン(古河機械金属株式会社製)30部、分散剤0.3部、冷水可溶性PVA(株式会社クラレ製)5.2部、リン酸エステル化澱粉(アベベ社製)13.8部、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(日本製紙ケミカル株式会社製)0.35部、水102部からなる目止め層塗液を前記抄紙機に装着したゲートロールコーターを用いて片面の乾燥重量が2.5g/m2となるようにして両面に塗工し、乾燥させて目止め塗工層を形成した。
次いで、線圧175Kg/cm、温度90℃でスーパーカレンダー加工して目止め塗工層を有する坪量40g/m2の水解性基紙を作製した。
得られた水解性基紙の、水分散時間は34秒、平滑度は500秒、縦方向の引張強さは1.77kN/mであった。
(アンダー層の塗設)
製造例1で得た水解性基紙について、フェルト面側に塗設された目止め塗工層の上に、焼成カオリン(XCI3OOFECC製、吸油量70ml/100g)100部、分散剤0.2部、10%PVA溶液80部、水50部からなるアンダー層塗液を乾燥重量6g/m2となるようにエアナイフコーター(塗工速度:200m/min)を用いて塗工・乾燥させアンダー層を形成した。
(感熱記録層の塗設)
次に、上記アンダー層の上に、顕色剤分散液36.0部、染料分散液9.2部、増感剤分散液12.0部、炭酸カルシウム(Brilliant−15白石工業製 平均粒子径0.20=50%分散液)12.0部からなる感熱記録層塗液を乾燥重量が5g/m2になるようにエアナイフコーター(塗工速度:200m/min)を用いて、塗工・乾燥(50℃)させ感熱記録層を形成した。この際に使用した顕色剤分散液、染料分散液、増感剤分散液はそれぞれ次のようにして調製した。
(1)顕色剤分散液:10%PVA水溶液18.8部、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン6.0部、水11.2部を分散させサンドグラインダーを用いて平均粒子径lμmに粉砕した。
(2)染料分散液:3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン2.0部、10%PVA水溶液4.6部、水2.6部を分散させサンドグラインダーを用いて平均粒子径lμmに粉砕した。
(3)増感剤分散液:4−ビフェニルp−トリルエーテル4.0部、10%PVA水溶液5.0部、水3.0部を分散させサンドグラインダーを用いて平均粒子径lμmに粉砕した。
上記の感熱記録層塗設後に、カレンダーを用いて感熱記録層面のべック平滑度が200〜300秒になるように平滑化処理を行った。
以上のようにして情報記録用紙(感熱記録紙)を得た。
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例1と同様にして情報記録用紙を得た。
・広葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.45、L/D値:54、保水度:77%)
80部
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.72、L/D値:80、保水度:103%)
20部
混合した水分散性繊維原料のl/D値、L/D値、保水度は、それぞれ0.55、63、82%であった。
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例1と同様にして情報記録用紙を得た。
・広葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.64、L/D値:37、保水度:78%)
80部
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.64、L/D値:72、保水度:96%)
20部
混合した水分散性繊維原料のl/D値、L/D値、保水度は、それぞれ0.64、47、82%であった。
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例1と同様にして情報記録用紙を得た。
・広葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.67、L/D値:49、保水度:86%)
80部
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.76、L/D値:69、保水度:114%)
20部
混合した水分散性繊維原料のl/D値、L/D値、保水度は、それぞれ0.70、55、91%であった。
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例1と同様にして情報記録用紙を得た。
・広葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.38、L/D値:67、保水度:93%)
50部
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.72、L/D値:80、保水度:103%)
50部
混合した水分散性繊維原料のl/D値、L/D値、保水度は、それぞれ0.63、76、100%であった。
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例1と同様にして情報記録用紙を得た。
・広葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.64、L/D値:37、保水度:78%)
80部
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.79、L/D値:78、保水度:92%)
20部
混合した水分散性繊維原料のl/D値、L/D値、保水度は、それぞれ0.68、48、81%であった。
実施例6で用いた混合パルプ100部に対して、繊維状カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(エーテル化度0.43)5部添加した以外は実施例6と同様にして情報記録用紙を作製した。
実施例6で用いた混合パルプ100部に対して、炭酸カルシウム17部添加した以外は実施例6と同様にして情報記録用紙を作製した。
実施例6で用いた混合パルプ100部に対して、繊維状カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(エーテル化度0.43)5部、炭酸カルシウム17部添加した以外は実施例6と同様にして情報記録用紙を作製した。
製造例1で得た基紙上に、シリカ20%分散液(トクヤマ製、商品名:ファインシールX37B)100部、10%PVA溶液 50部、カチオン性樹脂(星光PMC社製、商品名:SRD−150、固形分:50%)2部からなるピグメントコート層塗液を乾燥重量10g/m2となるようにブレードコーターで300m/minで塗布、乾燥しピグメントコート層を形成した。次いで、カレンダリング処理を行って本発明の情報記録用紙(インクジェット記録媒体)を作製した。
実施例1で得た情報記録用紙の非記録面に下記の粘着層を設けてに情報用紙記録ラベルを作成した。
(4)粘着剤層:水溶性のエマルジョン型アクリル系粘着剤[日本カーバイド工業(株)製、商品名「ニカゾールHS−002」、固形分濃度40重量%]100重量部、エポキシ樹脂系硬化剤[日本カーバイド工業株式会社製、商品名「FX−931」、固形分濃度10重量%]2重量部を混合し粘着剤塗液を調製した。この粘着剤塗液を、シリコーン剥離剤を塗布した剥離シート[三島製紙株式会社製、「35SIP」、坪量36g/m2]の剥離処理面に固形分として30g/m2塗布乾燥して、粘着剤層を設けた。
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例1と同様にして情報記録用紙を得た。
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.72、L/D値:80、保水度:103%) 100部
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例7〜9と同様にして情報記録用紙を得た。
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.72、L/D値:80、保水度:103%) 100部
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例10と同様にして情報記録用紙を得た。
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.72、L/D値:80、保水度:103%) 100部
Claims (6)
- 水解性基材の少なくとも一面に情報記録用の塗工層を設けた情報記録用紙であって、該水解性基材が、l/D値が0.50〜0.70かつL/D値が76以下の繊維ディメンションを有し、保水度が100%以下である水分散性繊維からなることを特徴とする情報記録用紙。
- 前記水解性基材が、繊維状カルボキシメチルセルロース塩及び/又はカルボキシエチルセルロース塩を含有する請求項1に記載の情報記録用紙。
- 前記水解性基材が、更に水不溶性粉体及び/又は水難溶性粉体を含有する請求項1又は2に記載の情報記録用紙。
- 前記水解性基材と前記情報記録用の塗工層との間に目止め層を設け、その塗工量が0.5〜10g/m 2 である請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報記録用紙。
- 前記情報記録用の塗工層が、感熱記録層又はインクジェット記録層である請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報記録用紙。
- 前記基材の非塗工面に粘着剤層を塗設又は貼着した請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報記録用紙。
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