JPH0947271A - 水分散性フィルター付シガレット - Google Patents
水分散性フィルター付シガレットInfo
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- JPH0947271A JPH0947271A JP20344395A JP20344395A JPH0947271A JP H0947271 A JPH0947271 A JP H0947271A JP 20344395 A JP20344395 A JP 20344395A JP 20344395 A JP20344395 A JP 20344395A JP H0947271 A JPH0947271 A JP H0947271A
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Abstract
散および散逸する水分散性フィルター付シガレットを提
供する。 【解決手段】水分散性フィルター付シガレットは、フィ
ルターロッド、フィルターロッドの周面上に配置された
ラッパーおよびラッパーの周面上に水溶性接着剤を介し
て配置されたチップペーパーを包含するフィルターチッ
プ、並びに、フィルターチップの一端部に接続された紙
巻たばこロッドを包含し、ラッパーおよびチップペーパ
ーの水分散率が40ないし100%の範囲内であってラ
ッパーの水分散率がチップペーパーの水分散率と同等ま
たはそれ以上である。
Description
ー付シガレットに関する。
して、政府、企業、消費者全体にわたり諸問題解決への
取り組みが行われている。特に、環境汚染の面では、公
共の場所でのたばこ吸殻の投げ捨てが大きな社会問題と
なっている。たばこ吸殻による環境汚染の解消には、消
費者のマナーの向上が必須であるが、そのための啓蒙活
動だけでは十分な改善効果を期待できない。そこで、例
えたばこの吸殻が投げ捨てされたとしても、速やかに分
散および散逸して環境への影響を極力抑えることができ
るフィルター付シガレットが求められている。
案がなされている。例えば、フィルターについては、水
溶性材料からなるフィルターロッド(特開平6−787
38号公報、特開平6−327454号公報)、生物分
解性材料からなるフィルターロッド(実用新案登録第3
003418号の登録実用新案公報、実開平6−644
93号公報、実開平5−74299号公報)および水分
散性(水分崩壊性)材料からなるフィルターロッド(特
開平7−166号公報)が提案されている。
ットに用いられる材料には、量産に適した物性と高品位
な商品特性が望まれる。これらの材料のうち、フィルタ
ーロッドを包むラッパーやチップペーパーに用いられる
紙には、シガレットの高速製造技術に対応した機械的強
度を初めとした、紙の強さ(引っ張り強さ、耐折強さ、
耐水性等)に優れていることが要求される。従って、こ
のようなラッパーやチップペーパーが使用されたたばこ
吸殻は、フィルターロッド自体が水溶性、生物分解性ま
たは水分散性であっても、フィルターチップの部分が長
期間にわたり原型を保ったままとなる。
であり、たばこ吸殻そのものが降雨等により速やかに分
散および散逸する水分散性フィルター付シガレットを提
供する。
ッド、前記フィルターロッドの周面上に配置されたラッ
パーおよび前記ラッパーの周面上に水溶性接着剤を介し
て配置されたチップペーパーを包含するフィルターチッ
プ、並びに、前記フィルター部の一端部に接続された紙
巻たばこロッドを包含する水分散性フィルター付シガレ
ットであって、前記ラッパーおよび前記チップペーパー
の水分散率が40ないし100%の範囲内であって前記
ラッパーの水分散率が前記チップペーパーの水分散率と
同等またはそれ以上であることを特徴とする水分散性フ
ィルター付シガレットを提供する。
る。本発明者らは、従来のフィルター付シガレットの吸
殻を屋外に放置して経時的にその劣化を観察した。その
結果、吸殻の紙巻たばこロッドは早い時期に分散および
散逸するか、著しく収縮した。これに対して、フィルタ
ーチップは長期間にわたり原形を留め、放置開始1年で
漸くフィルターロッドを包むチップペーパーおよびラッ
パーの地面と接する箇所に対して反対側の部分が分散
し、フィルターロッドが露出した。また、各種の水溶性
接着剤を用いたセルロース系繊維からなるフィルターロ
ッドを一般的に使用されているラッパーおよびチップペ
ーパーと組み合わせた場合でも、吸殻の分散および散逸
は大きな違いは認められなかった。
よびラッパーがフィルターチップの分散および散逸を妨
げていると推察し、種々のチップペーパーおよびラッパ
ーの材料について検討を重ね、本発明を完成するに至っ
た。
に使用されるラッパーおよびチップペーパーは、水分散
率が40ないし100%の範囲内のものである。ここ
で、水分散率は、次のようにして決定される。まず、水
200mlを入れたビーカの中に、重量が既知である一
片が2.5cmの正方形に裁断した試料を投入し、撹拌
子により600r.p.mで20分間撹拌する。撹拌
後、目開き10メッシュの篩に直ちに注ぎ入れ、篩上の
残渣を乾燥させ、重量を測定する。この後、次式(1)
を用いて水分散率を算出する。
が40%未満である場合には、フィルターチップは水中
で撹拌された際に分散しても大きなフロックとして乖離
し、フィルターチップの水分散性に十分な改善効果は認
められない。ラッパーおよびチップペーパーの水分散性
はできる限り優れているものが望ましいが、水分散率が
95%を超えると紙の強さが著しく弱まると共に通気性
も後述の通気度の低減化処理では改善することが困難に
なる。このため、ラッパーおよびチップペーパーの水分
散率は、好ましくは40〜95%、特に好ましくは50
〜95%の範囲内である。
ペーパーは、例えば、特公昭43−1214号公報、特
公昭48−27605号公報、特開平6−192991
号公報等に開示されているような、公知の水溶紙または
水解紙の製造方法に従って製造することができる。
率がチップペーパーの水分散率よりも高い場合に、フィ
ルターチップの水分散性がより一層改善されることを見
出した。すなわち、チップペーパーよりも内側に配置さ
れたラッパーの水分散性が高いことにより、チップペー
パーおよびラッパーの水分散性が同等である場合に比べ
て、フィルターチップの水分散性が相乗的に向上する。
これとは反対に、チップペーパーの水分散率がラッパー
よりも高い場合には、フィルターチップの水分散性はラ
ッパーの水分散性に依存するため、フィルターチップの
水分散性の相乗的な向上は認められない。ラッパーの水
分散率は、チップペーパーの水分散率よりも10%以上
高い場合にフィルターチップの水分散性の向上が著し
く、特に好ましい。
ップペーパーで覆われたラッパーが二層になっている、
いわゆるデュアルフィルター、または、2つのフィルタ
ーの間にキャビティーが配置された、トリプルフィルタ
ー等を使用したフィルター付シガレットのフィルターチ
ップでも同様に認められる。このことは、従来、水分散
性を犠牲にしても所定の通気性に低減する必要があるチ
ップペーパーを水分散性フィルター付シガレットに使用
する上で重要な発見である。すなわち、口中に移行する
タールおよびニコチンの量を規制する要素の一つとして
フィルター換気(フィルターベンチレーション)があ
る。フィルターチップにフィルター換気を行わせない場
合には、外包しているチップペーパーに通気性がほとん
どないものを使用し、フィルターチップにフィルター換
気を行わせる場合には、チップペーパーに機械またはレ
ーザー等で所定量の開孔を設けることが一般的である。
このように、チップペーパーは、その換気レベルに合わ
せて通気性の異なるものを使い分けるよりも、開孔の大
小で使い分ける方が、シガレット設計および生産コスト
の点で一般的に有利である。
は、シガレットの商品品質を左右する煙中のタールおよ
びニコチンの生成量に影響を与えるため、ある程度低い
ことが好ましい。また、ラッパーおよびチップペーパー
は、フィルター巻上げ機およびシガレット巻上げ機での
高速処理に耐え得るように相当の強度を有することが好
ましい。
水溶紙および水解紙は、その製造の際に抄紙原料の叩解
を抑え、かつ、繊維間結合が少ないシート構造に形成さ
れているため、紙の強さが弱く、必然的に通気性が極め
て高い。従って、水溶紙および水解紙の通気性を低減す
るためには、例えば、紙表面にフィルム形成性を有する
水溶性樹脂を塗布する塗工処理、または、水溶性樹脂シ
ートまたはフィルムを積層する方法等のような公知の紙
通気性の低減化処理を施す必要がある。
パーの通気度を各種変更して、煙中のタールおよびニコ
チンの量を調べた。この結果、ラッパーおよびチップペ
ーパーの通気度が、1〜200コレスタの範囲内である
場合には、煙中のタールおよびニコチンの量にほとんど
変化がなかった。
気度の強度については、シガレットの製造に一般的に用
いられている装置を使用して検討した結果、JIS P
8113に記載された測定方法によるラッパーおよびチ
ップペーパーの縦方向(フィルタチップの長手方向)の
引っ張り強度が1kg以上であれば問題がないことがわ
かった。
れるフィルターロッドは、水分散性または生分解性に優
れた材料で構成されることが好ましい。フィルターロッ
ドは、より具体的には、シガレットの香喫味への影響が
少なく生分解性を合わせ持ったセルロース系繊維(セル
ロースアセテート、ビスコースレーヨン、木材パルプ、
麻パルプ等)からなり、公知技術に従って水分散性を改
善したものが有用である。フィルターロッドとして最も
多用されているセルロースアセテート繊維は、一般的
に、繊維束を収束させて可塑剤により繊維間を融着およ
び固定させている。しかし、このフィルターロッドは繊
維間が融着しているため、降雨等による分散性の点では
不利である。従って、セルロースアセテート繊維をフィ
ルターロッドとする場合には、可塑剤を添加せずにその
まま収束させるか、常温付近で水溶性の接着剤で繊維間
を接着することにより、水分散性を高めることが好まし
い。この水溶性接着剤としては、例えば、特開平6−3
19512号に記載されているポリビニルアルコール系
樹脂を用いることができる。また、水溶性接着剤を用い
てセルロース系繊維から製造された不織布を用いても良
い。また、植物繊維からなる紙も使用できる。
ッパーおよびチップペーパーが順次巻き上げられる。こ
こで、ラッパーおよびチップペーパーの巻き上げには、
水溶性接着剤を用いることが好ましい。水溶性接着剤を
使用することにより、水の介在により各部材の間の接着
強度が弱まり、フィルターチップの分散および散逸が促
進される。水溶性接着剤としては、一般的に使用されて
いる合成高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン等)、セルロース誘導体(例えば、カ
ルボキシメチルセルロース塩、カルボキシエチルセルロ
ース塩等)、デンプン(例えば、バレイショデンプン、
デンプン誘導体等)、植物構成多糖類(例えば、アルギ
ン酸塩、マンナン等)または植物粘質物(例えば、アラ
ビアガム、トランガントガム等)並びにこれらのうち少
なくとも2種の混合物の中から、機械適性や接着力等を
考慮して適宜選択して使用できる。
するには、シガレットの品質を低下させない範囲内で接
着剤の塗布面積を極力少なくすることが、フィルターチ
ップの水分散性を向上する上で有用である。例えば、接
着剤をチップペーパーの両側縁部の重ね合わせ部、紙巻
きたばこロッドとの接合部側および吸い口側の近傍領域
にのみ分布させることができる。このように接着剤をラ
ッパーの周面の限られた領域内にのみ分布させることに
より、接着剤が塗布されていない領域からチップペーパ
ーの分散および散逸が始まり、接着剤をラッパーの周面
全体に分布させた場合に比べて分散および散逸の開始が
早い。なお、接着剤は、ラッパーの外側表面およびチッ
プペーパーの内側表面の両方あるいはいずれか一方に塗
布しても良いことは言うまでもない。
面上に印刷を施すこともできる。この場合、通常のグラ
ビア印刷またはオフセット用インキを使用すると、形成
された被膜が耐水性であり、印刷部分の水分散性が著し
く損なわれる。そこで、印刷には水溶性樹脂を配合した
水溶性インキが有用である。この水溶性インキは、印刷
業界で一般的に使用されている水性インキとは異なり、
配合するビヒクルが水溶性樹脂であり、印刷後に形成さ
れた被膜が水に溶解するものをいう。この水溶性インキ
は、以下説明する各種材料を印刷の仕上がり具合と水分
散性を考慮して調製される。
樹脂としては、例えば、デンプン、デキストリン、ポリ
ビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースまたは
カルボキシメチルセルロース塩等あるいはこれらのうち
少なくとも2種の混合物を使用できる。このような水溶
性樹脂だけをビヒクルに使用した場合、印刷品質が低下
し、モットリング等の問題を生じる可能性が高く、実用
性に劣るおそれがある。この場合、一般的な印刷用イン
キにビヒクルとして使用されている、鉱物油、アマニ油
等の植物油、脱水ヒマシ油等の合成乾性油、ロジン等の
天然樹脂類、変成アルキッド樹脂などの合成樹脂類、ニ
トロセルロース等のセルロース誘導体等を少量添加する
ことにより、問題を解消できる。
ンキ被膜の乾燥性、顔料の分散性、インキの流動性等を
改善する目的から、水溶性でありかつ適度な沸点を持つ
アルコール、グリコール、グリコールケトン等の有機溶
剤を併用することもできる。また、顔料は、一般的な印
刷用インキに使用されているものでも良く、必要に応じ
て界面活性剤、シリコンオイル等の消泡剤を添加しても
良い。
は、ラッパーおよびチップペーパーの水分散率が40な
いし100%の範囲内であって、ラッパーの水分散率が
チップペーパーの水分散率と同等またはそれ以上であ
る。このため、フィルターロッドを包むラッパーおよび
チップペーパーが降雨等により速やかに分散および散逸
する。従って、フィルターチップ全体の分散および散逸
が促進される。
よび水分散率を有する水分散紙A〜Gを用意した。これ
らの水分散紙は三島製紙株式会社から入手した。また、
対照品として従来用いられているチップペーパーおよび
ラッパーを用意した。ここで、水分散紙A〜Gおよび対
照品の通気度は、コレスタ推奨法No.3(CORESTA RE
COMMENDED METHOD No.3)で定められた方法に従い、たば
こ通気度測定装置を用いて測定した。
パーおよびチップペーパーとして用いて、試料番号1〜
9のフィルター付シガレットを作製した。これらの試料
に用いたフィルターロッドは、濾材としてセルロースア
セテート・トウ(3Y−36000)を用い、可塑剤を
添加せずにそのままラッパーで巻き上げたものである。
このラッパーの接着剤には、ポリビニルアルコール水溶
液(乾物濃度6重量%)を用いた。このフィルターロッ
ドは長さ25mmに切断し、全ての試料に共通な紙巻た
ばこロッドの一端部にチップペーパーで接続した。この
チップペーパーの接着剤には、ポリビニルアルコール水
溶液(乾物濃度6重量%)を用いた。接着剤は、チップ
ペーパーの内側表面の全体にわたって塗布した。このよ
うにして得られたフィルター付シガレットの規格は次の
通りである。
フィルターチップ25mm、全長85mm 円 周 ; 25mm ラッパーおよびチップペーパーの巻き上げは、1分間あ
たり5000本巻上のシガレット巻上げ機、および、1
分間あたり400m巻上のフィルター巻上げ機を用いて
行った。
ガレットについて、製造の可否、分散性、煙中のタール
およびニコチンの量および喫煙回数を調べた。これらの
結果を表2に併記する。
は、耐候性試験機;キセノンアークランプウエザーメー
ター[スガ試験器(株)社製]を用い、ISO4892
−1981の試験方法に準拠し、12分間の水噴射およ
び60分間の40℃、60%RHでの光照射の組み合わ
せからなる基本サイクルを繰り返し、経時的に分散の程
度を目視観察して観察した。
ールおよびニコチンの量は、TIOJ(日本たばこ協
会)法に従って、標準喫煙条件の下で喫煙させて測定し
た。表2に示す通り、試料番号7および8のフィルター
付シガレットは、引っ張り強さが0.8kgの水分散紙
Gを用いたために、巻上げ機を用いた製造の際にラッパ
ーおよびチップペーパーが夫々断裂してしまい製造でき
なかった。
ついては、試料番号9の対照品をラッパーおよびチップ
ペーパーに用いたフィルター付シガレットは50サイク
ルでもほとんど変化が認めらなかった。これに対して、
水分散率が40%以上の水分散紙B〜Fを使用した試料
番号2〜6のフィルター付シガレットは、いずれも10
サイクル以内で分散した。水分散率が高くなるほどフィ
ルターチップの散逸が促進された。特に、試料番号5お
よび6のフィルター付シガレットは1〜2サイクルで速
やかに分散した。
散紙Aを使用した試料番号1のフィルター付シガレット
は、30サイクルで漸く一部が散逸する程度であり、水
分散性に劣っていた。
ついては、まず、ラッパーおよびチップペーパーに使用
した紙の通気度が200コレスタを超えた試料番号6の
フィルター付シガレットを除き、対照品を使用した試料
番号9のフィルター付シガレットと同程度であることが
確認された。
散率が異なる水分散紙を組み合わせて試験例1と同様の
手順に従って試料番号11〜16のフィルター付シガレ
ットを作製し、分散性を観察した。この結果を表3に併
記する。
にラッパーよりも水分散率が高い水分散紙を使用した試
料番号11のフィルター付シガレットは、容易にチップ
ペーパーが分散したがラッパーの分散が遅く、30サイ
クルでもフィルターチップの形状が崩壊するまでに至ら
なかった。これに対して、チップペーパーの水分散率が
ラッパーの水分散率よりも低くかつ両者の開差が10%
以上である試料番号13〜16のフィルター付シガレッ
トは、いずれも1〜5サイクルで速やかに分散および散
逸した。また、開差が大きいほど分散がより促進され、
結果としてフィルターチップの形状崩壊も早められるこ
とがわかった。
酢酸ビニル樹脂(乾物濃度40重量%)に変更した以外
は、試験例1において良好な分散性を示した試料番号4
のフィルター付シガレットと同様の手順に従って、試料
番号21のフィルター付シガレットを作製し、試料番号
4および21のフィルター付シガレットの分散性を比較
検討した。この結果を表4に示す。
ニールアルコールからなる接着剤を用いた試料番号4の
フィルター付シガレットは、2〜4サイクルで分散し
た。これに対して水に不溶な酢酸ビニル樹脂を用いた試
料番号21のフィルター付シガレットは、5〜6サイク
ルで漸く分散し、分散の遅延が認められた。
1(A)に示すように、チップペーパー11の両側縁部
の重ね合わせ部12、紙巻きたばこロッドとの接合部側
の近傍領域13および吸い口側の近傍領域14にのみ塗
布した以外は、試験例1の試料番号2のシガレットと同
様にして、試験番号31のフィルター付シガレットを作
製した。また、図1(B)に示すように、チップペーパ
ー11の両側縁部の重ね合わせ部12、紙巻きたばこロ
ッドとの接合部側の近傍領域13および吸い口側の近傍
領域14、並びに、領域13および14の間に間隔をお
いて設けられた帯状の領域15,16,17,18にの
み塗布した以外は、試験例1の試料番号2のシガレット
と同様にして、試験番号32のフィルター付シガレット
を作製した。これらのシガレットについて分散性を比較
した。この結果を表5に示す。
32のフィルター付シガレットにおいて、いずれも、接
着剤の塗布しなかった部分からチップペーパーの分散が
著しく、試験例1の試料番号2のフィルター付シガレッ
トに比べて分散性が著しく改善された。
るグラビア印刷用黄色インキ(インキI)およびそれに
用いるビヒクルのうち、被膜形成後に耐水性となる樹脂
(具体的には、ニトロセルロース、脱水ヒマシ油、塩化
ゴム)を、耐水性に劣るポリビニルアルコール樹脂に置
き換え、さらに、溶剤としてイソプロピルアルコール6
0%水溶液に変更して調製したインキIと同等の発色を
呈するインキ(インキII)を用意した。これらのインキ
I,IIを用いて、それぞれザーンカップNo.3で15
秒通過に調整した後、グラビア印刷機(版深30μm)
を使用してチップペーパーの外側表面に夫々ベタ印刷し
た。
は、試験例2の試料番号16のシガレットと同様の手順
に従って試料番号41および42のシガレットを作製し
た。これらのシガレットの分散性を観察した。この結果
を表6に示す。なお、インキIIによる印刷によれば、溶
剤(イソプロピルアルコール水溶液)の影響で乾燥時間
がやや長くなり、印刷面に「およぎ」や「モットリン
グ」が僅かに生じていた。
シガレット、すなわち通常のインキIを用いた場合に
は、印刷されていない試料番号16のシガレットに比べ
て分散性が著しく低下した。これに対して、試料番号4
2のシガレット、すなわち水溶性のビヒクルを使用した
インキIIを用いた場合には、僅かに分散が遅れる程度で
あり、実質的にシガレットの分散を阻害するとは認めら
れなかった。
テート・トウ(3Y−36000)にポリビニルアルコ
ールおよびポリビニルピロリドンを等量配合した水溶性
接着剤組成物(乾物濃度7重量%)を10%添加した繊
維束、(2)セルロースアセテート短繊維(単糸繊度3
Y,長さ5mm)に上述の水溶性接着剤組成物を10%
添加して作製した不織布(坪量156g/m2 、厚さ
3.1mm)、(3)低叩解度の広葉樹木材パルプLB
KPと針葉樹木材パルプNBKPを主体原料として作製
した薄葉紙(坪量25.0g/m2 、厚さ32.4μ
m)、(4)前述の主体原料と併せて繊維状カルボキシ
メチルセルロースナトリウムを配合した水分散性紙(坪
量38.3g/m2 、厚さ49.6μm)、および、
(5)対照としてセルロースアセテート・トウ(3Y−
36000)にトリアセチン8%添加した繊維束を夫々
用いたフィルターロッドを作製した。これらのフィルタ
ーロッドを用いて、表7に示すようにラッパーに水分散
紙B、チップペーパーに水分散紙Dを夫々用いて試験例
1と同様の手順に従って試料番号51〜55のフィルタ
ー付シガレットを作製した。これらのフィルター付シガ
レットについて分散性を観察した。この結果を表7に併
記する。
リアセチンにより繊維を融着させた対照品を用いたフィ
ルター付シガレットは、ラッパーおよびチップペーパー
のみが分散し、フィルターロッドの分散はほとんど認め
られなかった。これに対して、(1)セルロースアセテ
ート・トウ繊維束、(2)セルロースアセテート不織布
および(4)水分散性紙を用いた、試料番号51、5
2、54のフィルター付シガレットは、ラッパーおよび
チップペーパーの分散と共にフィルターロッドの分散が
並行的に進み、2〜4サイクルでほとんど分散した。ま
た、(3)薄葉紙を用いた試料番号53のフィルター付
シガレットは、他の濾材を用いた試料番号51、52、
54のフィルター付シガレットに比べて分散の進み具合
が遅かったが、試料番号55の(5)トリアセチンによ
り繊維を融着させた対照品を用いたフィルター付シガレ
ットと異なり最終的にフィルター付シガレットの大きさ
が縮小した。
フィルター付シガレットは、ラッパーおよびチップペー
パーの水分散率が40ないし100%の範囲内であっ
て、ラッパーの水分散率がチップペーパーの水分散率と
同等またはそれ以上である。このため、フィルターロッ
ドを包むラッパーおよびチップペーパーが降雨等により
速やかに分散および散逸し、フィルターチップ全体の分
散および散逸が促進される。この結果、当該水分散性フ
ィルター付シガレットのたばこ吸殻が投げ捨てられたと
しても、降雨等により速やかに分散および散逸し、環境
に与える影響が少なくて済む。
の接着剤の塗布パターンの一例を示す説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 フィルターロッド、前記フィルターロッ
ドの周面上に配置されたラッパーおよび前記ラッパーの
周面上に水溶性接着剤を介して配置されたチップペーパ
ーを包含するフィルターチップ、並びに、前記フィルタ
ーチップの一端部に接続された紙巻たばこロッドを包含
する水分散性フィルター付シガレットであって、 前記ラッパーおよび前記チップペーパーの水分散率が4
0ないし100%の範囲内であって前記ラッパーの水分
散率が前記チップペーパーの水分散率と同等またはそれ
以上であることを特徴とする水分散性フィルター付シガ
レット。 - 【請求項2】 ラッパーおよびチップペーパーの水分散
率が40ないし95%の範囲内である請求項1記載の水
分散性フィルター付シガレット。 - 【請求項3】 ラッパーの水分散率が50ないし95%
の範囲内であって、チップペーパーの水分散率よりも1
0%以上高い請求項1または2記載の水分散性フィルタ
ー付シガレット。 - 【請求項4】 ラッパーおよびチップペーパーの縦方向
の引っ張り強さが1kg以上である請求項1ないし3の
いずれか1つに記載の水分散性フィルター付シガレッ
ト。 - 【請求項5】 ラッパーおよびチップペーパーの通気度
が1ないし200コレスタの範囲内である請求項1ない
し4のいずれか1つに記載の水分散性フィルター付シガ
レット。 - 【請求項6】 水溶性接着剤がチップペーパーの両側縁
部の重ね合わせ部、紙巻きたばこロッドとの接合部側お
よび吸い口側の近傍領域にのみ分布している請求項1な
いし5のいずれか1つに記載の水分散性フィルター付シ
ガレット。 - 【請求項7】 チップペーパーの周面上に水溶性樹脂を
含有する水溶性インキで印刷が施されている請求項1な
いし6のいずれか1つに記載の水分散性フィルター付シ
ガレット。 - 【請求項8】 フィルターロッドが、可塑剤を添加しな
いまま収束させたセルロースアセテートの繊維束、水溶
性接着剤で接着されたセルロースアセテートの繊維束も
しくは不織布または植物繊維の紙からなる請求項1ない
し7のいずれか1つに記載の水分散性フィルター付シガ
レット。
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP3235952B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6550483B1 (en) | 1996-01-12 | 2003-04-22 | British-American Tobacco (Investments) Limited | Smoking article with water-disintegratable paper filtration material having water-susceptible adhesives |
WO2013186938A1 (ja) | 2012-06-14 | 2013-12-19 | 株式会社ダイセル | タバコフィルター |
EP3829351B1 (en) | 2018-12-06 | 2022-03-23 | Philip Morris Products S.A. | Aerosol-generating article with laminated wrapper |
CN118526001A (zh) * | 2024-07-19 | 2024-08-23 | 安徽天翔高新特种包装材料集团有限公司 | 便于涂布的接装纸及其制备方法 |
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1995
- 1995-08-09 JP JP20344395A patent/JP3235952B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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