JP2000064192A - 喫煙物における使用のための多孔性プラグ包装紙の湿潤強度を増大させるための方法、その方法により作成された多孔性プラグ包装紙、およびその多孔性プラグ包装紙を用いた喫煙物 - Google Patents

喫煙物における使用のための多孔性プラグ包装紙の湿潤強度を増大させるための方法、その方法により作成された多孔性プラグ包装紙、およびその多孔性プラグ包装紙を用いた喫煙物

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JP2000064192A
JP2000064192A JP11227925A JP22792599A JP2000064192A JP 2000064192 A JP2000064192 A JP 2000064192A JP 11227925 A JP11227925 A JP 11227925A JP 22792599 A JP22792599 A JP 22792599A JP 2000064192 A JP2000064192 A JP 2000064192A
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R Butt John Sr
アール． バット シニア ジョン
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    • A24—TOBACCO; CIGARS; CIGARETTES; SIMULATED SMOKING DEVICES; SMOKERS' REQUISITES
    • A24D—CIGARS; CIGARETTES; TOBACCO SMOKE FILTERS; MOUTHPIECES FOR CIGARS OR CIGARETTES; MANUFACTURE OF TOBACCO SMOKE FILTERS OR MOUTHPIECES
    • A24D1/00—Cigars; Cigarettes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 架橋剤および湿潤紙力増強樹脂を用いない、
湿潤引張強度を増大させたプラグ包装紙の製造方法、そ
のプラグ包装紙、およびそのプラグ包装紙を用いた喫煙
物の提供。 【解決手段】 水性懸濁液中にパルプ繊維を含有するパ
ルプスラリーを提供し、そのパルプスラリーに対してケ
テンダイマーから実質的に構成される湿潤強度増強剤を
添加し、そのパルプスラリーを紙に成形し、およびその
紙の表面にポリビニルアルコールを含むサイズ剤組成物
を塗布することを具えた方法であって、、そのケテンダ
イマーと協働するポリビニルアルコールがその紙の湿潤
強度を増大させる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に、喫煙物
の組立において用いられる多孔性プラグ包装紙のよう
な、高度に多孔性の紙の湿潤引張強度を増大させるため
の方法に関する。より具体的には、本発明は、その紙が
形成された後にその紙の表面上にポリビニルアルコール
を添加することと組み合わせて、紙の形成中にパルプ繊
維懸濁液に対してケテンダイマーを添加することによ
り、多孔性プラグ包装紙の湿潤強度を増大させるための
方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】紙巻タバコのような喫煙物は、白色の包
装紙内にタバコの柱状体を包装することにより、慣用的
に製造される。その一端において、喫煙物は、通常、そ
れを通してその喫煙物を喫煙するフィルターを含む。フ
ィルター類は、前記白色の包装紙に糊付けされるティッ
ピング紙を用いて喫煙物に取り付けられる。いくつかの
例外があるが、慣用のフィルターは典型的には、紙の圧
縮された細片または酢酸セルロースのトウのいずれかか
ら形成される。フィルター材料とティッピング紙の間に
は、包装されたタバコの柱状体に対する取り付けの前に
フィルターの形を保つ多孔性プラグ包装紙が存在する。
【０００３】喫煙物を製造するのに用いられる紙の部品
は、構造を提供するだけでなく、また紙巻タバコの多く
の物理的性質および特性にも寄与し、あるいはそれらを
制御もする。たとえば、紙は、紙巻タバコが燃えるとき
の速度、紙巻タバコ１本当りの息の数、および１息当た
りの総タール送出量を制御するのに用いることができ
る。上記の性質の多くは、特定の透気度を有する紙を製
造することにより、制御される。
【０００４】たとえば、多孔性プラグ包装紙は、非常に
高い空隙率および透気度を有する軽量の紙類である。特
に、多孔性プラグ包装紙は、非常に高い透気度をもって
製造されるので、紙巻タバコ包装紙およびティッピング
紙によってより適切に制御される喫煙物の燃焼特性に干
渉しない。
【０００５】都合の悪いことには、プラグ包装紙は非常
に高い空隙率を有する必要があるので、プラグ包装紙は
比較的低い強度を有し、それは紙の形成中、および喫煙
物の形成中に問題を生じさせる。
【０００６】たとえば、喫煙物の形成中に、典型的には
接着糊が多孔性プラグ包装紙に塗布されて円柱状フィル
タートウに対する定着線として役に立つ。その接着剤
は、塗布されたところの紙を湿潤させることができ、お
よび、したがって紙の強度を減少させるおそれがある。
その紙が、それに加えられる力、特に圧縮されたフィル
タートウから加えられる力に耐えるのに十分に強いこと
は重要である。
【０００７】プラグ包装紙料は、堅く巻き付けられてト
ウ材料の棒状物を包み込む。具体的には、得られるプラ
グ包装棒状物は、その棒状物を所望される直径にするガ
ーニチュア(garniture)を通過する。次に、プラグ包装
紙によりフィルタートウが包装された後に、紙および接
着剤を乾燥させるために、そのフィルターは熱にさらさ
れる。引き続いて、そのフィルターは冷却される。製造
手順のこの工程において、フィルターの形成中に経験す
る別の問題は、冷却中にそのフィルタートウおよびプラ
グ包装紙が水滴（結露）を捕捉することである。その水
滴は、紙を弱くし、そしてプラグ包装紙が膨張すること
をもたらすおそれがある。多孔性プラグ包装紙の強度の
損失を伴うこの膨張は、プラグ包装紙における円周の変
化あるいは完全に割れることのいずれかに起因する製造
中の故障をもたらすおそれがある。
【０００８】紙巻タバコのフィルターの製造中に経験す
る上記の潜在的な問題点および困難を考慮して、当業者
は、多孔性プラグ包装紙の強度を増大させること、ある
いは多孔性プラグ包装紙をより防湿性にすることのいず
れをも、過去において試みてきた。たとえば、湿度に対
する暴露中に紙が耐えることすなわち「持ちこたえるこ
と」ができる水の量を増大させるために、過去において
プラグ包装紙に対してサイズ剤を塗布してきた。この方
法は、プラグ包装紙の湿潤引張強度を確かに増大させた
が、それは製造中の故障を完全に排除するのに足る十分
なレベルまで湿潤引張強度を増大させない。同様に過去
において、強度増強剤を多孔性紙に塗布してきた。その
ような強度増強剤の例は、いくつかの架橋剤および湿潤
紙力増強用樹脂を含む。都合の悪いことには、これらの
添加剤は、最近、種々の国々において環境的監視下にお
かれるようになってきている。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】したがって、改良され
た湿潤引張強度特性を有する喫煙物用のプラグ包装紙に
対する必要性は依然として残っている。同様に、そのよ
うなプラグ包装紙を作成する方法の必要性も存在する。
湿度に対する暴露中のプラグ包装紙の「持ち」を改良す
るだけでなく、多孔性プラグ包装紙の湿潤引張強度も増
大させる方法に関する必要性も同様に存在する。架橋剤
およびある種の湿潤紙力増強樹脂を用いないでプラグ包
装紙の湿潤引張強度を増大させることに関する必要性
も、さらに存在する。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の不利な
点、および先行技術の構成物および方法の他の不利な点
を、認識しかつ検討する。
【００１１】一般的に、本発明は、喫煙物の組立におい
て用いられる多孔性プラグ包装紙の湿潤引張強度を増大
させるための方法に関する。ポリビニルアルコールサイ
ズ剤と協働するケテンダイマー組成物の添加により、プ
ラグ包装紙の湿潤引張強度は増大される。この方法によ
り、架橋剤の添加なしに、プラグ包装紙の湿潤引張強度
を増大することができる。これ以後詳細にわたって記載
するように、本発明の方法を用いて、多孔性プラグ包装
紙が作成されつつある時に、湿潤引張強度を自動的に増
大することができる。
【００１２】したがって、多孔性プラグ包装紙の湿潤引
張強度を増大させるための改良法を提供することが、本
発明の目的である。
【００１３】本発明の別の目的は、架橋剤および／また
はある種の湿潤紙力増強樹脂の添加を排除すると同時
に、プラグ包装紙の湿潤引張強度を増大させるための方
法を提供することである。
【００１４】紙が作成されつつある時に、多孔性プラグ
包装紙の湿潤引張強度を自動的に増大させるための方法
を提供することが、本発明の別の目的である。
【００１５】本発明のこれらの目的および別の目的は、
喫煙物用の多孔性プラグ包装紙の湿潤引張強度を増大さ
せるための方法を提供することにより達成される。その
方法は、紙中にケテンダイマー組成物を組み込み、引き
続いてポリビニルアルコールサイズ剤のようなポリマー
結合剤のサイズ剤の付着を行う工程を含む。添加の順序
は、紙の湿潤引張強度の増大に対して重要である。
【００１６】本発明によれば、最近環境的監視を受ける
ようになってきた架橋剤および／または湿潤紙力増強剤
の使用を伴わずに、多孔性プラグ包装紙の湿潤引張強度
を、前述の慣用のプラグ包装紙を越えて増大させること
ができる。詳細には、本発明によって作成されたプラグ
包装紙は、２０％を越える湿潤引張強度残率を示し、お
よびより詳細には約２０％から３５％の間の湿潤引張強
度残率を示す。多孔性プラグ包装紙の坪量は、約１０ｇ
／ｍ2から約４０ｇ／ｍ2の間であることができ、より詳
細には、約１５ｇ／ｍ2から約２５ｇ／ｍ2の間であるこ
とができる。大抵の用途に関して、プラグ包装紙は、た
とえば６００Coresta単位以上、およびより詳細には３
０００Coresta単位を越える透気度を有して形成され
る。
【００１７】プラグ包装紙に添加されるケテンダイマー
組成物およびポリマー結合剤サイズ剤は、それぞれアル
キルケテンダイマーおよびポリビニルアルコールである
ことができる。
【００１８】１つの実施の形態において、アルキルケテ
ンダイマーを、紙中に含有される繊維の重量を基準とし
て、約０．００００１重量％から約１重量％までの量で
添加することができる。ポリビニルアルコールは、約
０．５重量％から約１５重量％までの量で添加されるボ
レート化されていないポリビニルアルコールであること
ができる。
【００１９】本発明のこれらの目的および他の目的は、
紙が作成されつつある時に、多孔性包装紙の湿潤引張強
度を増大するための方法を提供することにより達成され
る。そのシステムは、繊維の懸濁液から紙の連続シート
を形成するための製紙装置を含む。アルキルケテンダイ
マーは、製紙プロセスの湿潤側において、具体的にはヘ
ッドボックス(head box)の前にまたはヘッドボックスに
おいてのように製紙用パルプスラリーに対して、添加さ
れる。次にポリビニルアルコールは、乾燥器の組の後の
サイズプレスコーティングのような製紙プロセスの乾燥
側において添加される。
【００２０】本発明の別の目的、特徴および態様を、以
下で詳細に議論する。
【００２１】
【発明の実施の形態】当業者に向けられる、その最良の
形態を含む本発明の完全で実施可能な記載は、添付され
る図面に対する参照を含んで、以下の明細書中により詳
細に示される。
【００２２】図１は、慣用的に作成される紙巻タバコの
斜視図である。
【００２３】図２は、紙巻タバコを作成するのに用いら
れる別個の部品を示す斜視図である。
【００２４】本明細書および図面における参照符号の反
復される使用は、本発明の要素の同一または類似の特徴
を表わすことを意図している。
【００２５】当業者は、本明細書の議論が単に例示的実
施の形態の記載であり、例示的構造物中で具体化される
本発明のより広範囲の態様を制限することを目的としな
いことを理解するべきである。
【００２６】本発明は、一般的に、喫煙物の組立におい
て用いられる多孔性プラグ包装紙の湿潤引張強度を増大
するための方法に関する。本方法は、製紙プロセスの湿
潤側において用いられるケテンダイマー組成物の添加
と、引き続いて行われる製紙プロセスの乾燥側における
ポリマー結合剤の添加とを含む。
【００２７】本発明によって作成される多孔性プラグ包
装紙は、改良された湿潤引張強度を有するだけでなく、
また環境に優しくない可能性があることにより現在監視
されつつある架橋剤または他の成分を用いることなしに
作成される。湿潤引張強度は、パーセント残率で測定さ
れ、それは紙が濡れた後に保持される本来の引張強度の
パーセントである。本発明によって作成される多孔性プ
ラグ包装紙は、２０％を越える湿潤引張強度残率を有す
ることができ、およびいくつかの用途においては３０％
さえ越える湿潤引張強度残率を有することができる。例
として、今までのところ、多孔性プラグ包装紙は、約２
０％から約３５％までの湿潤引張強度残率を有して作成
されている。そのように高い湿潤引張強度残率の特性
は、喫煙物製造中の多孔性プラグ包装紙の直径の変化、
および／または多孔性プラグ包装紙が完全に破れること
の総計の減少を可能にする。
【００２８】より詳細には、過去において作成された多
くの慣用の紙より相当に大きく湿潤引張強度残率の特性
を増大させる方法において、本発明によって作成される
多孔性プラグ包装紙は、ポリマー結合剤（具体的にはポ
リビニルアルコール(PVA)）と組み合わせられる、ケテ
ンダイマー（具体的にはアルキルケテンダイマー(AK
D)）を含有する。本発明によれば、紙中にケテンダイマ
ーを組み込むことにより、紙に付着されるポリマー結合
剤の量を、かなり（５０％程度を）減少させることがで
きることもまた見いだされている。特に、アルキルケテ
ンダイマーを含有する紙は、紙に引き続いて塗布される
サイズ剤の付着量レベルが減少することが見いだされて
いる。格別な利点であることは、サイズ剤の慣用的レベ
ルが付着されている場合と同一の結果的な強度の増大を
伴いながら、紙に対してより少ない量のサイズ剤を付着
できることである。したがって、紙に対して付着される
ポリマー結合剤の量を最小限にして、一方同時に加工中
に紙の強度を増大させる。さらに、本発明の方法は、垂
直の細管吸収をも減少させることが見いだされている。
【００２９】同様に重要な利点であることは、グリオキ
サールのような架橋剤およびエピクロロヒドリン樹脂の
ような湿潤紙力増強樹脂を、紙の形成および喫煙物の製
造において必要としないことである。前記の添加剤を用
いないことは、より環境的に安全な紙製品を提供するも
のと信じる。
【００３０】図１および図２は、組み合わされて一般的
に１０である喫煙物を形成する部品を示し、喫煙物１０
は、包装材１４の内側にタバコ柱状体１２を有する。包
装材１４は、商業的に入手可能な紙巻タバコ包装材のい
ずれの種類をも含んでもよい。紙ウェブ（包装材）１４
は、タバコ柱状体１２を包んだときに、外側の円周状表
面１６を規定する。
【００３１】喫煙物１０は、同様に、圧縮された紙また
は酢酸セルローストウ２８で作成されているフィルター
２６を含んでもよい。フィルター材料２８は、多孔性プ
ラグ包装紙３０により円柱形態に保持される。多孔性プ
ラグ包装紙３０により包み込まれたフィルター材料２８
は、ティッピング紙３２および接着剤を用いてタバコ柱
状体１２に取り付けられる。
【００３２】包装材１４、ティッピング紙３２および多
孔性プラグ包装紙３０の異なる透気度のレベルが、喫煙
物の燃焼速度および他の物理的特性を制御することに寄
与する。前記のように、紙巻タバコの特徴および特性に
対して包装材１４およびティッピング紙３２が有する効
果と実質的に干渉させないために、プラグ包装紙３０
は、一般的に非常に高い透気度を有して作成される。不
都合なことには、プラグ包装紙３０は高い透気度を持た
なければならないので、その紙は比較的に弱い。本発明
の主要の目的は、改良された強度特性、特に喫煙物の製
造を容易にする湿潤引張強度特性を有する高度に多孔性
のプラグ包装紙を製造するための方法を提供することで
ある。
【００３３】本発明の湿潤強度増強剤は、ケテンダイマ
ー、およびより詳細にはアルキルケテンダイマーを含
む。たとえば、１つの実施の形態において、Hercules L
imited製の「HERCON 79」を用い、それは約４０％の活
性固体を含有する商業的に入手可能なスラリーである。
ＡＫＤ組成物は、製紙プロセスの湿潤側、すなわちパル
プ繊維が水中にあるときに添加される。特にＡＫＤは、
好ましくは、ヘッドボックスの前でかつパルプ製造機の
後で、製紙用パルプスラリーに対して添加される。ＡＫ
Ｄを、繊維の０．００００１重量％から１重量％に相当
する量で添加することができる。好ましくは、ＡＫＤの
量は、繊維の約０．０５重量％から約０．２重量％まで
である。適切な時間中に湿潤側におけるＡＫＤの添加
は、より長い共鳴時間(resonance time)によって、その
有効性を増大させると信じる。
【００３４】本発明によってＡＫＤとともに用いられる
ポリマー結合剤は、典型的にはポリビニルアルコールで
あり、好ましくはボレート化（ホウ酸エステル化）され
ていないポリビニルアルコールである。たとえば、本発
明のプロセスに用いられてもよい商業的に入手可能なボ
レート化されていない１つのポリビニルアルコールは、
ＤｕＰｏｎｔによりＥＶＡＮＯＬの商標名で市販されて
いる。そのボレート化されていないＰＶＡは、湿潤側で
のＡＫＤの添加とは別に、製紙プロセスの乾燥側におい
て、有効に添加される。具体的には、ボレート化されて
いないＰＶＡは好ましくは、紙が乾燥器を通して供給さ
れる後に、サイズプレスコーティングとして付着され
る。繊維で結合されたシート材料（たとえば、紙等）に
付着されるＰＶＡの量は、約０．５重量％から約１５重
量％までであることができる。好ましくは、ＰＶＡは、
約１重量％から約５重量％までの量で、紙に対して付着
される。今までのところ、ボレート化されたＰＶＡを用
いるのとは対照的に、ＡＫＤと組み合わせてボレート化
されていないＰＶＡを用いるときに、相乗的な結果が得
られている。しかし、ボレート化されているＰＶＡを用
いるときも、許容可能な結果が得られている。
【００３５】その上にボレート化されていないＰＶＡを
付着される繊維で結合されるシート（紙など）は、好ま
しくは、約１０ｇ／ｍ2から約４０ｇ／ｍ2までの仕上が
りの坪量を有する軽量で多孔性の材料である。好ましく
は、シート材料の重量の範囲は約１５ｇ／ｍ2から約２
５ｇ／ｍ2までである。繊維で結合されたシートの透気
度または空隙率は、典型的にはCoresta単位を用いて測
定される。本発明によれば、プラグ包装紙の透気度は、
少なくとも６００から７００Coresta単位であり、およ
びより好ましくは３，０００Coresta単位を越える。
【００３６】本発明のＡＫＤと協働するＰＶＡの付着順
序は、多孔性プラグ包装紙の湿潤引張強度の増大におい
て特に重要であると信じる。好ましくは、ＡＫＤは製紙
プロセスの湿潤側において付着されて、そのプロセスの
乾燥側におけるボレート化されていないＰＶＡの添加が
続いて行われる。さらに、本発明はＡＫＤと組み合わさ
れるボレート化されていないＰＶＡの使用が好ましい。
ＰＶＡのボレート化反応の排除は、架橋剤の使用なし
に、そのポリマー結合剤が、繊維性シート材料内のＡＫ
Ｄと反応しおよび結合することを可能にすると信じる。
【００３７】本発明は、以下の実施例を参照して、より
良好に理解されるだろう
【００３８】
【実施例】（実施例１）異なる添加剤を用いて作成され
た別個のベースシートの乾燥引張強度、湿潤引張強度、
および湿潤引張強度残率を試験した。詳細には、本発明
に従って作成される多孔性プラグ包装紙を試験し、およ
び異なる方法により作成されるプラグ包装紙と比較し
た。詳細には、以下の添加剤を含有する多孔性プラグ包
装紙を試験した。
【００３９】
【表１】
【００４０】上記のベースシートの全ては、６，５００
Coresta単位の透気度の評価を有して作成された。以下
の結果を得るために、多孔性プラグ包装紙は、前記の添
加剤を組み込んで作成されて、そして次に縦方向（Ｍ
Ｄ）および横方向（ＣＤ）の応力にさらされた。
【００４１】
【表２】
【００４２】上記の結果から分かるように、本発明に従
って作成されたサンプルＥおよびサンプルＦは、他のベ
ースシートと比較して、改良された湿潤引張強度残率の
特性を示した。同様に分かるように、ボレート化されて
いないＰＶＡを用いて作成されたプラグ包装紙（サンプ
ルＦ）は、ボレート化されたＰＶＡを用いて作成された
サンプル（サンプルＥ）よりも、はるかに良好な湿潤引
張強度残率の特性を有した。
【００４３】（実施例２）２６，０００Coresta単位の
透気度測定値を有するベースシートを、異なる添加剤を
含有させて、同様に作成した。それぞれのサンプルは、
乾燥引張強度、湿潤引張強度、および湿潤引張強度残率
に関して比較された。本実施例の場合には、それらの結
果を観察するために、添加剤の１つとして架橋剤を用い
た。詳細には、以下のサンプルを作成した。
【００４４】
【表３】
【００４５】上記から分かるように、サンプルＤは本発
明により作成され、一方、サンプルＣは架橋剤を含有し
た。以下の結果を得るために、実施例１においてと同様
に、多孔性プラグ包装紙は前記の添加剤を組み込んで作
成されて、そして次に縦方向（ＭＤ）および横方向（Ｃ
Ｄ）の応力にさらされた。
【００４６】
【表４】
【００４７】上記から分かるように、本発明によって作
成されたサンプルＤは、架橋剤を含有するサンプルを含
む他のサンプルと比較して、優れた湿潤引張強度残率の
特性を示した。
【００４８】添付される請求の範囲に詳細に示される本
発明の真意および請求の範囲から離れることなしに、当
業者によって、本発明のこれらのおよび別の修飾および
変化は実施されるであろう。加えて、種々の実施の形態
の態様は、全体としてまたは部分的に交換できることを
理解するべきである。さらに、前述の記載は単に例示の
目的にすぎず、および前記請求の範囲においてさらに記
載された以上に本発明を制限することを目的としていな
いことを、当業者は理解するであろう。
【００４９】
【発明の効果】本発明は、架橋剤および湿潤紙力増強樹
脂を用いることなく、湿潤引張強度の改良されたプラグ
包装紙の製造方法を提供する。さらに、その方法により
製造されるプラグ包装紙、およびそのプラグ包装紙を用
いて作成した喫煙物をも提供する。本発明により製造さ
れたプラグ包装紙は、接着剤に含有される水分および結
露による水分に抵抗してその形状を維持することが可能
であるので、喫煙物製造工程における不良品の発生を抑
制することができる。また、本発明の方法は環境的に優
しくない可能性がある架橋剤および湿潤紙力増強樹脂を
用いないので、本方法により作成されたプラグ包装紙
は、環境的に優しいものと信じる。
【図面の簡単な説明】
【図１】慣用的に作成される紙巻タバコの斜視図であ
る。
【図２】紙巻タバコを作成するのに用いられる別個の部
品を示す斜視図である。
【符号の説明】
１０ 喫煙物 １２ タバコ柱状体 １４ 包装材 １６ 外側円周状表面 ２６ フィルター ２８ フィルター材料 ３０ 多孔性プラグ包装紙 ３２ ティッピング紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 398022202 100 Ｎｏｒｔｈ Ｐｏｉｎｔ Ｃｏｎｔ ｅｒ Ｅａｓｔ，Ｓｕｉｔｅ 600，Ａｌ ｐｈａｒｅｔｔａ，Ｇｅｏｒｇｉａ Ｕ. Ｓ．Ａ. (72)発明者 ジョン アール． バット シニア アメリカ合衆国 30188 ジョージア州 ウッドストック リバー ロック ウェイ 4020

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 紙の湿潤強度特性を増大させるための方
    法であって、 水性懸濁液中にパルプ繊維を含有するパルプスラリーを
    提供する工程と；前記パルプスラリーに対して、湿潤強
    度増強剤を添加し、前記湿潤強度増強剤は、ケテンダイ
    マーから実質的に構成される工程と；前記パルプスラリ
    ーを紙に成形する工程と；前記紙の表面にサイズ剤組成
    物を塗布し、前記サイズ剤組成物はポリビニルアルコー
    ルを含み、ケテンダイマーと協働して前記ポリビニルア
    ルコールが前記紙の湿潤強度を増大する工程とを具えた
    ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項２】 前記ケテンダイマーは、アルキルケテン
    ダイマーを含むことを特徴とする請求項１に記載の方
    法。
  3. 【請求項３】 前記ポリビニルアルコールは、ボレート
    化されていないポリビニルアルコールを含むことを特徴
    とする請求項１に記載の方法。
  4. 【請求項４】 前記パルプスラリーに対して、前記スラ
    リー中に含有される繊維の重量を基準として約１重量％
    までの量で、前記ケテンダイマーが添加されることを特
    徴とする請求項１に記載の方法。
  5. 【請求項５】 前記紙に対して、前記紙の重量を基準と
    して０．５重量％から１５重量％までの量で、前記サイ
    ズ剤組成物が塗布されることを特徴とする請求項４に記
    載の方法。
  6. 【請求項６】 前記パルプスラリーに対して、前記スラ
    リー中に含有される繊維の重量を基準として０．０５重
    量％から０．２重量％までの量で、前記ケテンダイマー
    が添加されることを特徴とする請求項５に記載の方法。
  7. 【請求項７】 前記紙に対して、前記紙の重量を基準と
    して１重量％から５重量％までの量で、サイズ剤組成物
    が塗布されることを特徴とする請求項４に記載の方法。
  8. 【請求項８】 前記形成された紙は、６００Ｃｏｒｅｓ
    ｔａ単位を越える透気度を有することを特徴とする請求
    項１に記載の方法。
  9. 【請求項９】 前記紙に対して、前記湿潤強度増強剤と
    前記サイズ剤組成物とが、前記紙が少なくとも２０％の
    湿潤引張強度残率を有するのに十分な量で添加されるこ
    とを特徴とする請求項１に記載の方法。
  10. 【請求項１０】 喫煙物のためのフィルターを包むため
    に用いられるプラグ包装紙の湿潤強度特性を増大させる
    ための方法であって、前記方法は、 水性懸濁液中にパルプ繊維を含有するパルプスラリーを
    提供する工程と；前記パルプスラリーに対して、湿潤強
    度増強剤を添加し、前記湿潤強度増強剤は、アルキルケ
    テンダイマーから実質的に構成される工程と；前記パル
    プスラリーを紙に成形する工程と；前記紙の表面にサイ
    ズ剤組成物を塗布し、前記サイズ剤組成物はポリビニル
    アルコールを含み、前記アルキルケテンダイマーと協働
    して前記ポリビニルアルコールが前記紙の湿潤強度を増
    大する工程とを具え、前記紙は、１０ｇ／ｍ2から４０
    ｇ／ｍ2までの坪量を有し、および少なくとも６００Cor
    esta単位の透気度を有することを特徴とする方法。
  11. 【請求項１１】 前記アルキルケテンダイマーは、前記
    スラリーに含有される繊維の重量を基準として１重量％
    までの量で、前記パルプスラリー中に存在することを特
    徴とする請求項１０に記載の方法。
  12. 【請求項１２】 前記ポリビニルアルコールは、ボレー
    ト化されていないポリビニルアルコールを含むことを特
    徴とする請求項１０に記載の方法。
  13. 【請求項１３】 前記サイズ剤組成物は、前記紙の重量
    を基準として１重量％から５重量％までの量で前記紙に
    塗布されることを特徴とする請求項１２に記載の方法。
  14. 【請求項１４】 前記形成された紙は、少なくとも３，
    ０００Coresta単位を越える透気度を有することを特徴
    とする請求項１０に記載の方法。
  15. 【請求項１５】 喫煙物中のフィルターを包み込むため
    の多孔性プラグ包装紙であって、前記紙は、 パルプ繊維を含有するベースウェブと、 前記ベースウェブ中に組み込まれる湿潤強度増強剤であ
    って、アルキルケテンダイマーを含む湿潤強度増強剤
    と、 前記ベースウェブの表面に塗布されるサイズ剤組成物で
    あって、ポリビニルアルコールを含有するサイズ剤組成
    物とを含み、前記プラグ包装紙は、１０ｇ／ｍ2から４
    ０ｇ／ｍ2の坪量を有し、および少なくとも６００Cores
    ta単位の透気度を有することを特徴とする多孔性プラグ
    包装紙。
  16. 【請求項１６】 前記湿潤強度増強剤は、前記アルキル
    ケテンダイマーから実質的に構成されることを特徴とす
    る請求項１５に記載の多孔性プラグ包装紙。
  17. 【請求項１７】 前記アルキルケテンダイマーは、前記
    ベースウェブに含有される繊維の重量を基準として０．
    ５重量％から０．２重量％までの量で、前記ベースウェ
    ブ中に存在することを特徴とする請求項１５に記載の多
    孔性プラグ包装紙。
  18. 【請求項１８】 前記ポリビニルアルコールは、ボレー
    ト化されていないポリビニルアルコールを含み、および
    前記サイズ剤組成物は、前記プラグ包装紙の重量を基準
    として１重量％から５重量％までの量で塗布されること
    を特徴とする請求項１７に記載の多孔性プラグ包装紙。
  19. 【請求項１９】 前記サイズ剤組成物は、前記ボレート
    化されていないポリビニルアルコールから実質的に構成
    されていることを特徴とする請求項１８に記載の多孔性
    プラグ包装紙。
  20. 【請求項２０】 前記湿潤強度増強剤および前記サイズ
    剤組成物は、前記紙が少なくとも２０％の湿潤引張強度
    残率を有するのに十分な量で、前記紙中に存在すること
    を特徴とする請求項１８に記載の多孔性プラグ包装紙。
  21. 【請求項２１】 タバコの柱状体と、 前記タバコの柱状体を取り巻く包装紙と、 前記タバコの柱状体の一端に隣接して配置されたフィル
    ターと、 前記タバコの柱状体に対して前記フィルターを取り付け
    るティッピング紙と、 前記フィルターを包み込み、および前記ティッピング紙
    により覆われた多孔性プラグ包装紙とを含む喫煙物であ
    って、 前記多孔性プラグ包装紙は、少なくとも３，０００Core
    sta単位の透気度と、１０ｇ／ｍ2から４０ｇ／ｍ2まで
    の坪量とを有し；前記多孔性プラグ包装紙はベースウェ
    ブを含み、前記ベースウェブは、パルプ繊維を含み、か
    つ前記ベースウェブ中に組み込まれた湿潤強度増強剤を
    有し、および前記湿潤強度増強剤は、アルキルケテンダ
    イマーから実質的に構成され；および前記多孔性プラグ
    包装紙は、前記ベースウェブの表面上に塗布されたサイ
    ズ剤組成物をさらに含み、前記サイズ剤組成物は、ボレ
    ート化されていないポリビニルアルコールを含むことを
    特徴とする喫煙物。
  22. 【請求項２２】 前記アルキルケテンダイマーは、前記
    ベースウェブ中に含有される繊維の重量を基準として１
    重量％までの量で、前記ベースウェブ中に組み込まれる
    ことを特徴とする請求項２１に記載の喫煙物。
  23. 【請求項２３】 前記サイズ剤組成物は、前記多孔性プ
    ラグ包装紙の重量を基準として１重量％から５重量％ま
    での量で前記ベースウェブの表面上に存在することを特
    徴とする請求項２１に記載の喫煙物。
  24. 【請求項２４】 前記多孔性プラグ包装紙は、少なくと
    も２０％の湿潤引張強度残率を有することを特徴とする
    請求項２１に記載の喫煙物。
  25. 【請求項２５】 前記多孔性プラグ包装紙は、少なくと
    も２５％の湿潤引張強度残率を有することを特徴とする
    請求項２１に記載の喫煙物。
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