JPH11350359A - プリプレグ及び積層板の製造方法 - Google Patents

プリプレグ及び積層板の製造方法

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JPH11350359A
JPH11350359A JP8348199A JP8348199A JPH11350359A JP H11350359 A JPH11350359 A JP H11350359A JP 8348199 A JP8348199 A JP 8348199A JP 8348199 A JP8348199 A JP 8348199A JP H11350359 A JPH11350359 A JP H11350359A
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resin
resin composition
prepreg
powdery
epoxy resin
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JP8348199A
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English (en)
Inventor
Eizo Touzaki
栄造 東崎
Tetsuji Yamamoto
哲司 山本
Kazuyuki Najima
和行 名島
Wataru Kosaka
弥 小坂
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤を使用しないで、硬化性、含浸性の良好
なプリプレグを得、品質的に安定で良好な積層板を低コ
ストで得ることにより、大気汚染が無く、省資源化する
こと。 【解決手段】 エポキシ樹脂、ノボラック樹脂硬化剤、
硬化剤及び/または硬化促進剤を必須成分として含有す
る粉末状熱硬化性樹脂組成物を、シート状繊維基材の少
なくとも片面に存在せしめた後、加熱溶融及びシート状
繊維基材への含浸をさせることを特徴とするプリプレグ
の製造方法であり、前記粉末状熱硬化性樹脂組成物は、
各成分の混合物に機械的エネルギーを与えてメカノケミ
カルな反応させたものであるか、又は各成分の混合物を
加熱混練ないし溶融混合し微粉砕したものであることが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に電気機器、電
子機器、通信機器等に使用される印刷回路板用として好
適なプリプレグ及び積層板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】プリント回路板については小型化、高機
能化の要求が強くなる反面、価格競争が激しく、特にプ
リント回路板に用いられる多層積層板やガラス布基材エ
ポキシ樹脂積層板、あるいはガラス不織布を中間層基材
としガラス織布を表面層基材とした積層板は、いずれも
価格の低減が大きな課題となっている。従来これらに用
いられるプリプレグや積層板の製造工程では、多量の溶
剤が用いられてきた。これは、樹脂ワニスの調製が容易
で、基材への樹脂の塗布・含浸が均一で容易なためであ
る。この溶剤は塗布後の乾燥工程で蒸発して製品中に存
在せず、多くは、燃焼装置等で処理され、あるいはその
まま大気中に放出されてきた。この為地球温暖化や大気
汚染の一因となることが指摘されるようになってきた。
一方では、溶剤使用量の削減が種々検討されているが、
基材への樹脂塗布・含浸などの製造上の問題からこの削
減は困難であった。
【0003】溶剤を使用しないプリプレグ及び積層板の
製造のために、低融点の樹脂や液状の樹脂を加熱混合し
て均一化して基材へ塗布する研究が以前からなされてい
る(例えば、特開平9−263647号公報)が、均一
混合が十分に出来ない、連続生産時加熱温度の低下によ
る設備への樹脂固結、加熱中の熱硬化性樹脂のゲル化、
これによる設備の掃除等の問題があり、連続的な生産が
困難であった。一方粉末状樹脂をそのまま塗布する方法
も提案されている(特開昭50−143870号公報)
が、均一な混合及び塗布が困難であり、部分的な硬化が
生じたり、基材への含浸が不十分であるなどの問題があ
り、実用化には至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、従来製造
が困難であった無溶剤樹脂の使用によるプリプレグ、あ
るいは積層板を得んとして研究した結果、エポキシ樹脂
及びノボラック樹脂硬化剤及び特定の硬化触媒を使用し
て粉末状熱硬化性樹脂組成物を得、の粉末状混合物にメ
カノケミカルな反応を施すこと、あるいはエポキシ樹脂
及びノボラック樹脂硬化剤及び特定の硬化触媒からにな
る混合物を加熱混練ないし溶融混合し微粉砕して粉末状
熱硬化性樹脂組成物を得ること、次いで、この粉末状樹
脂組成物を基材へ塗布含浸させることにより、基材への
含浸性が従来の溶剤を使用した樹脂と同等になるとの知
見を得、更にこの知見に基づき種々研究を進めて本発明
を完成するに至ったものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、エポキシ樹
脂、及びノボラック樹脂硬化剤を必須成分として含有す
る粉末状熱硬化性樹脂組成物を、シート状繊維基材の少
なくとも片面に存在せしめた後、加熱溶融及びシート状
繊維基材への含浸をさせることを特徴とするプリプレグ
の製造方法であり、好ましくは前記粉末状熱硬化性樹脂
組成物が、各成分の混合物に機械的エネルギーを与えて
メカノケミカルな反応させたものプリプレグの製造方
法、あるいは前記粉末状熱硬化性樹脂組成物が、各成分
の混合物を加熱混練ないし溶融混合し微粉砕したもので
あるプリプレグの製造方法である。さらには、このよう
にして得たプリプレグを、1枚又は複数枚重ね合わせ、
加熱加圧してなることを特徴とする積層板又は金属箔張
積層板の製造方法に関するものである。
【0006】本発明に用いられるエポキシ樹脂は、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、含臭素エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型
エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジヒドロキ
シフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エ
ポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、複素環
式エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹
脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂などを挙げる
ことができる。これらは1種若しくは2種以上の混合物
を使用でき、通常常温で固形状のものである。融点は、
好ましくは50〜120℃の範囲である。
【0007】本発明に用いられるノボラック樹脂硬化剤
としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボ
ラック樹脂、パラキシリレン変性ノボラック樹脂、メタ
キシリレン・パラキシリレン変性ノボラック樹脂、テル
ペン変性ノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン変性ノ
ボラック樹脂などを挙げることができる。さらに、本発
明においては、フェノールアラルキル樹脂、ナフタレン
アラルキル樹脂などの芳香族アラルキル樹脂もノボラッ
ク樹脂に含むものとする。これらのノボラック樹脂は、
1種若しくは2種以上の混合物を使用でき、通常常温で
固形状のものである。融点は、好ましくは50〜120
℃の範囲である。
【0008】エポキシ樹脂のエポキシ基とノボラック樹
脂のフェノール性水酸基の当量比は0.5〜2.0であ
り、好ましくは0.8〜1.2である。当量比が0.5
未満であっても2.0を越えても、樹脂組成物の硬化性
の低下、あるいは硬化物のガラス転移温度の低下などが
生じる恐れがある。本発明において、硬化剤としてノボ
ラック樹脂を用いることにより、他の硬化剤、例えば、
芳香族アミン、ジシアンアミド、酸無水物等に比較し
て、高強度、高耐熱性を付与することが可能となる。そ
して、エポキシ樹脂に対する配合割合は、一般的には、
重量比で他の硬化剤より多いので、加熱混練、溶融混合
あるいはメカノケミカル的な反応を行う場合、より均一
な混合あるいは反応を行うことができる。
【0009】本発明において、必要に応じて前記ノボラ
ック樹脂とともに他の硬化剤を併用することができる。
かかる硬化剤としては、一般に用いられる各種硬化剤を
挙げることができる。例えば、4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン
等の芳香族ジアミン、脂肪族ポリアミン、イミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニ
ルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾー
ル、2−ウンデシルイミダゾール等のイミダゾール類、
無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサ
ヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリッ
ト酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の酸無水
物、三フッ化ホウ素のアミン錯体、ジシアンジアミドま
たはその誘導体等が挙げられ、これらをエポキシアダク
トしたものやマイクロカプセル化したものも使用でき
る。ノボラック樹脂と併用するものとして好ましいもの
は、芳香族ジアミン、ジシアンジアミドまたはその誘導
体である。かかる硬化剤は、ノボラック樹脂硬化剤の欠
点である密着性改良等のために必要に応じて使用される
ものであり、その量は硬化剤の種類によって異なるが、
通常グリシジル基に対して0.1〜1.0当量である。
【0010】本発明において、硬化促進剤を使用するこ
とが好ましい。硬化促進剤としては、一般に用いられる
各種硬化促進剤を使用することができる。例えば、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等
の第三級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、N−ベンジルイミダゾール等のイミダゾール類、尿
素類、ホスフィン類、金属塩類等が挙げられ、これらは
単独で使用しても2種以上を併用しても良い。硬化促進
剤の量は通常エポキシ樹脂100重量部に対して0.1
〜5重量部である。
【0011】必要により、充填材、カップリング剤等の
添加剤、着色剤等を配合することができる。充填材とし
て無機充填材を加えると耐トラッキング性、耐熱性、熱
膨張率の低下等の特性を付与することが出来る。かかる
無機充填材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、タルク、ウォラストナイ
ト、アルミナ、シリカ、未焼成クレー、焼成クレー、硫
酸バリウム等がある。
【0012】本発明において、粉末状熱硬化性樹脂組成
物を得るためには、好ましくは、エポキシ樹脂、ノボラ
ック樹脂硬化剤等を含む粉末状混合物にメカノケミカル
な反応を施すこと、あるいはエポキシ樹脂、ノボラック
樹脂硬化剤等からになる混合物を加熱混練ないし溶融混
合し微粉砕することが、エポキシ樹脂、硬化剤等の各成
分とが均一の混合分散され、微粒末化しているので、好
ましい。
【0013】粉末状混合物に機械的エネルギーを与えて
メカノケミカル反応を起こさせて得られた粉末状熱硬化
性樹脂組成物の場合、ノボラック樹脂硬化剤は通常粉末
状であることが好ましいが、少量の液状物を配合しても
よく、樹脂との混合物に機械的エネルギーを与えた後に
粉末化できれば使用可能である。これらの粉体の粒径と
しては、通常1000μm以下であり、好ましくは0.
1〜500μmであり、更に好ましくは0.1〜200
μmである。これは、1000μmを越えると粒子重量
に対しての表面積が小さくなり、エポキシ樹脂、ノボラ
ック樹脂硬化剤や硬化促進剤等各成分の互いの接点が少
なくなり、均一分散が困難となるため、反応の目標比率
とは異なった比率で反応したり、均一な反応が行われな
いおそれがある。メカノケミカル反応のためには、エポ
キシ樹脂の粒径は、硬化剤や硬化促進剤等の粒径に対し
て5〜15倍が好ましい。これは、この範囲ではエポキ
シ樹脂に硬化剤や硬化促進剤等が融合しやすいためであ
る。更に必要により無機充填材等の添加剤を配合するこ
とができる。
【0014】これは、メカノケミカル反応による化学的
改質を利用したものであるが、固体と液体が機械的エネ
ルギーにより化学的に改質される場合をも含むものであ
る。メカノケミカル反応のために機械的エネルギーを与
える粉体処理方法としては、ライカイ機、ヘンシェルミ
キサー、プラネタリーミキサー、ボールミル、媒体攪拌
式ミル、ジェットミル、オングミル、多段石臼型混練押
し出し機等による混合乃至混練がある。この中でオング
ミル(ホソカワミクロン(株)製 メカノフュージョン方
式等)、多段石臼型混練押し出し機((株)KCK製:メ
カノケミカルディスパージョン方式等)、ジェットミル
((株)奈良機械製作所製:ハイブリタイザー方式等)に
よる混合乃至混練が好ましく、特に、メカノケミカル反
応を効率よく行うためには、多段石臼型混練押し出し機
((株)KCK製:メカノケミカルディスパージョン方
式)が好ましい。
【0015】メカノケミカル反応を行うためには、エポ
キシ樹脂の軟化点は、好ましくは50℃以上、より好ま
しくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上であ
る。これは、上記処理時に粉体間あるいは粉体と処理装
置との間で摩擦、粉砕、融合により20〜50℃程度の
熱が発生するため、この影響を最小限にとどめるためで
ある。一方、軟化点が高すぎても有効なメカノケミカル
反応が行われにくく、かつ、後の工程である樹脂組成物
の基材への含浸が困難となるので、150℃以下、特に
120℃以下の軟化点が好ましい。エポキシ樹脂、ノボ
ラック樹脂硬化剤、及び硬化促進剤等の各成分は、メカ
ノケミカル反応のための粉体処理の前に、予め、上記粒
径まで粉砕した後ヘンシェルミキサー等にてできるだけ
均一に混合することが好ましい。
【0016】メカノケミカル反応された粉末状熱硬化性
樹脂組成物の粒径は、通常1000μm以下であり、好
ましくは0.1〜500μmであり、更に好ましくは
0.1〜200μmである。かかる粒径は、粉末樹脂組
成物の散布ないし塗布時の流動性、及び加熱溶融時の流
れや表面の滑らかさを改良すること、基材への樹脂の含
浸性を改良すること、基材中での粉末樹脂組成物の分布
を安定化させること等のために適している。
【0017】エポキシ樹脂、ノボラック樹脂硬化剤等を
含む混合物を加熱混練ないし溶融混合し、微粉砕した粉
末状熱硬化性樹脂組成物の場合、エポキシ樹脂、ノボラ
ック樹脂硬化剤及び硬化促進剤、その他必要により添加
される無機充填材等の添加剤とともに、加熱ロール等に
より加熱混練ないし溶融混合され、次いで、粉砕機によ
り微粉砕される。エポキシ樹脂及びノボラック樹脂硬化
剤は、通常、固形のものが使用されるが、エポキシ樹
脂、無機充填材以外の成分(例えば、硬化剤、硬化促進
剤)は一部液状のものも使用可能である。
【0018】加熱混練ないし溶融混合するために装置
は、加熱ロール、1軸又は2軸押出機、コニーダー等の
加熱混練機、あるいはヘンシェルミキサー等の加熱装置
の付いた攪拌容器、反応装置等があり、実用上は加熱ロ
ール、1軸又は2軸押出機、ヘンシェルミキサーが好ま
しい。また、粉砕機は、加熱混練ないし溶融混合された
樹脂組成物を微粉砕可能なものであればいかなるもので
もよく、例えば、ハンマーミル、アトマイザー、ジェッ
トミル等がある。
【0019】微粉砕された樹脂粉体の粒径は、通常10
00μm以下であり、好ましくは0.1〜500μmで
あり、更に好ましくは0.1〜200μmである。かか
る粒径は、樹脂粉体の散布ないし塗布時の流動性、及び
加熱溶融時の流れや表面の滑らかさを改良すること、基
材への樹脂の含浸性を改良すること、基材中での樹脂粉
体の分布を安定化させること等のために適している。
【0020】以上のようにして得られた樹脂粉体は、好
ましくは微粉末添加剤を配合することにより、粉体の流
動特性を大きく向上させることができる。従って、この
粉体を基材へ塗布・含浸する際、該粉体の均一な散布な
いし塗布を行うことができ、基材上での粉体の均一な分
布及び粉体塗布面の平滑性を得ることができる。これに
より基材への均一な塗布が可能となる。微粉末添加剤と
しては、無機系微粉末が望ましいが、有機系微粉末も用
いることができる。また、微粉末添加剤の一次粒子径は
平均粒径で0.01〜1μmのものを用いるが、好まし
くは0.01〜0.1μm(比表面積:50〜500m
2 /g程度)のものを用いる。かかる微粉末添加剤とし
ては、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末等がある。平均
粒径が1μmを越えると比表面積が小さくなり単位重量
当たりの粒子数が減少すること、及び、樹脂粉体ないし
主成分である粉末状熱硬化性樹脂との粒径差が小さくな
ることにより、流動性向上のためのベアリング効果が十
分に得られないおそれがある。粉体中のベアリング効果
とは、比較的粒径の大きな粒子同士間に微粒子を存在さ
せることにより、粒径の大きな粒子の移動をより自由に
し、粉体全体としての流動性を向上させるものである。
【0021】次に、得られた粉末状熱硬化性樹脂組成物
は、シート状繊維基材上に均一に塗布ないし散布して少
なくともその片面に存在せしめる。この塗布ないし散布
量は、シート状繊維基材の繊維材質、性状、重量(単位
面積当たり)により異なるが、通常、シート状繊維基材
の重量の40〜60%程度である。ただし、基材の両面
に付着させる場合は、片面に前記量のおよそ半量を塗布
し、加熱溶融させた後、基材を反転し反対面に残りの半
量を塗布するのが好ましい。樹脂粉体をシート状基材に
塗布ないし散布する方法は、シート状繊維基材上面から
振りかける方法、各種コーターによる塗布方法、静電塗
装法、流動浸漬法、スプレーによる吹き付け法等、基材
表面に樹脂粉末を均一に存在せしめる方法であれば特に
限定されない。更に、シート状繊維基材は予め加熱され
ている場合は、シート状繊維基材に樹脂粉末を存在させ
るとき、この基材は、水平であっても垂直であってもよ
いが、通常は水平に移動する基材の上面に塗布ないし散
布する。その後の加熱により樹脂を溶融し基材に付着な
いし含浸させて、プリプレグを得る。
【0022】シート状繊維基材としては、ガラスクロ
ス、ガラス不繊布等のガラス繊維基材の他、紙、合成繊
維等からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン繊維、
鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が挙げら
れ、これらの基材の原料繊維は単独又は混合して使用し
てもよい。
【0023】以上のようにして得られたプリプレグは、
この1枚又は複数枚を、必要により銅箔等の金属箔を重
ね合わせ、通常の方法により加熱加圧して積層板に成形
される。本発明のプリプレグ及び積層板の製造方法は、
得られたプリプレグあるいは積層板の性能を実質的に変
えることなく、無溶剤による省資源化及び大気汚染の低
減化が図られ、溶剤を蒸発させ、燃焼させるための熱エ
ネルギーも不要となる。溶剤が存在しないため、プリフ
レグ製造時において加熱時間を短縮することができ、積
層板製造時において成形時間が短縮され、さらに原材料
及び設備の低コスト化をも達成することができる。
【0024】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。
【0025】〔実施例1〕(KCK、コーター法) 平均粒径150μmの粉末状のエポキシ樹脂(油化シェ
ル製臭素化エポキシ樹脂Ep5048,エポキシ当量6
75)100重量部、平均粒子径30μmの粉末状のフ
ェノールノボラック樹脂(住友デュレズ製フェノールノ
ボラックPR−51470、フェノール性水酸基当量1
05)16重量部、平均粒子径10μmの粉末状トリフ
ェニルホスフィン1重量部を予備混合し、次いで、多段
石臼型混練押し出し機((株)KCK製 メカノケミカル
ディスパージョンシステム KCK−80X2−V
(6))を用い、回転数200rpmにて1分間処理
し、平均粒径150μmの粉末樹脂組成物を得た。この
粉末組成物を100g/m2 のガラスクロスの上面にナ
イフコーターで樹脂重量が50g/m2 になるように均
一に塗布した。その後、下面側より150℃のパネルヒ
ーターにより約1分間加温した。次いで、ガラスクロス
を上下反対にし、もう一方の面にナイフコーターで樹脂
重量が50g/m2 になるように均一に塗布し、170
℃の加熱機で1分間加熱してプリプレグを得た。このプ
リプレグを2枚重ね合わせ、さらにその上下に厚さ18
μmの銅箔を重ね合わせ、温度165℃、圧力60kg
/cm2 で90分間加熱加圧成形して、厚さ0.22m
mの銅張積層板を作製した。
【0026】〔実施例2〕(ホソカワミクロン、コータ
ー法) 平均粒子径30μmの粉末状のフェノールノボラック樹
脂(住友デュレズ製フェノールノボラックPR−514
70)16重量部、平均粒径10μmの粉末状のトリフ
ェニルホスフィン1重量部を予備混合し、メカノフュー
ジョン機(ホソカワミクロン製AM−15F)で回転数
2000rpm、2分間処理したのち、平均粒径150
μmの粉末状のエポキシ樹脂(油化シェル製臭素化エポ
キシEp5048)100重量部を混合し、さらにメカ
ノフュージョン機で回転数2000rpmにて3分間処
理し、平均粒径150μmの粉末樹脂組成物を得た。こ
の粉末樹脂組成物を用い実施例1と同様にしてプリプレ
グを得た。このプリプレグを2枚重ね合わせ、さらにそ
の上下に厚さ18μmの銅箔を重ね合わせ、温度175
℃、圧力60kg/cm2 で90分間加熱加圧成形し
て、厚さ0.22mmの銅張積層板を作製した。
【0027】〔実施例3〕(KCK、アエロジル、コー
ター法) 実施例1の方法により得られた粉末樹脂組成物100重
量部に、平均一次粒子径0.05μmの微粉末シリカ
(日本アエロジル製アエロジル#200)1重量部を添
加し、ヘンシェルミキサーで回転数500rpm、5分
間混合処理し、粉末樹脂組成物を得た。この粉末樹脂組
成物を用い実施例1と同様にしてプリプレグを得た。こ
のプリプレグを2枚重ね合わせ、さらにその上下に厚さ
18μmの銅箔を重ね合わせ、温度175℃、圧力60
kg/cm2 で90分間加熱加圧成形して、厚さ0.2
2mmの銅張積層板を作製した。
【0028】〔実施例4〕(ロール、アエロジル、コー
ター法) 粒状ないし粉末状のエポキシ樹脂(油化シェル製臭素化
エポキシ樹脂Ep5048)100重量部、粉末状のフ
ェノールノボラック樹脂(住友デュレズ製フェノールノ
ボラックPR−51470)16重量部、粉末状トリフ
ェニルホスフィン1重量部を予備混合し、次いで、直径
12インチの2本ロールを用い、高速側回転数20rp
m、高速側ロール温度60℃、低速側ロール温度30
℃、回転比1.5:1にて30回処理した後、シート状
で取りだし冷風にて冷却後、微粉砕機にて粉砕して平均
粒径200μmの粉末状熱硬化性樹脂組成物を得た。得
られた粉末状組成物100重量部に、平均一次粒子径
0.05μmの微粉末シリカ(日本アエロジル製アエロ
ジル#200)1重量部を添加し、ヘンシェルミキサー
で回転数500rpm、5分間混合処理し、粉末樹脂組
成物を得た。この粉末樹脂組成物を用い実施例1と同様
にしてプリプレグを得た。このプリプレグを2枚重ね合
わせ、さらにその上下に厚さ18μmの銅箔を重ね合わ
せ、温度175℃、圧力60kg/cm2 で90分間加
熱加圧成形して、厚さ0.22mmの銅張積層板を作製
した。
【0029】〔実施例6〕(ホソカワミクロン、ふりか
け法) 平均粒径150μmの粉末状のエポキシ樹脂(油化シェ
ル製臭素化エポキシ樹脂Ep5048)100重量部、
平均粒子径30μmの粉末状のフェノールノボラック樹
脂(住友デュレズ製フェノールノボラックPR−514
70)16重量部、平均粒子径10μmの粉末状のトリ
フェニルホスフィン1重量部を予備混合し、次いで、メ
カノフュージョン機(ホソカワミクロン製AM−15
F)を用い、回転数2000rpmにて5分間処理し、
平均粒径150μmのを得た。この粉末樹脂組成物を1
00g/m2 のガラスクロスの片面上に60メッシュ篩
いで50g/m2 になるように均一に振りまいた。その
後、120℃の乾燥機で30秒加熱した後、ガラスクロ
スを上下反対にし、もう一方の面に60メッシュ篩いで
50g/m2 になるように均一に振りまき、120℃の
乾燥機で3分間乾燥してプリプレグを得た。このプリプ
レグを2枚重ね合わせ、さらにその上下に厚さ18μm
の銅箔を重ね合わせ、温度175℃、圧力60kg/c
2 で90分間加熱加圧成形して、厚さ0.22mmの
銅張積層板を作製した。
【0030】〔比較例1〕(粉体混合) 平均粒径150μmの粉末状のエポキシ樹脂(油化シェ
ル製臭素化エポキシEp5048)100重量部、平均
粒子径30μmの粉末状のフェノールノボラック樹脂
(住友デュレズ製フェノールノボラックPR−5147
0)16重量部、平均粒径10μmの粉末状の硬化触媒
(2−エチル−4−メチルイミダゾール)1重量部の比
率で予備混合したものを錨羽ね型の撹拌機で回転数70
rpmにて1分間撹拌混合した。得られた粉末樹脂組成
物を用い実施例1と同様にしてプリプレグを得た。この
プリプレグを2枚重ね合わせ、さらにその上下に厚さ1
8μmの銅箔を重ね合わせ、温度175℃、圧力60k
g/cm2 で90分間加熱加圧成形して、厚さ0.22
mmの銅張積層板を作製した。
【0031】〔比較例2〕(ホットメルト) 平均粒径150μmの粉末状のエポキシ樹脂(油化シェ
ル製臭素化エポキシEp5048)100重量部、平均
粒子径15μmの粉末状の硬化剤(ジシアンジアミド)
5重量部、平均粒径15μmの粉末状の硬化促進剤1重
量部の比率で混合したのち、この粉体を100℃で加温
して溶かした後、樹脂固形分で100g/m2 になるよ
うに100g/m2 のガラスクロスを浸けて含浸させて
170℃の乾燥機で2分間乾燥してプリプレグを得た。
このプリプレグを2枚重ね合わせ、さらにその上下に厚
さ18μmの銅箔を重ね合わせ、温度165℃、圧力6
0kg/cm2 で90分間加熱加圧成形して、厚さ0.
22mmの銅張積層板を作製した。
【0032】〔比較例3〕(従来の含浸法) 平均粒径150μmの粉末状のエポキシ樹脂(油化シェ
ル製臭素化エポキシEp5048)100重量部、平均
粒子径15μmの粉末状の硬化剤(ジシアンジアミド)
5重量部、平均粒径15μmの粉末状の硬化促進剤1重
量部の比率で混合したものをメチルセルソルブ100重
量部に溶かした。このワニスを樹脂固形分で100g/
2 になるように100g/m2 のガラスクロスを浸け
て含浸させた後、170℃の乾燥機で3分間乾燥してプ
リプレグを得た。このプリプレグを2枚重ね合わせ、さ
らにその上下に厚さ18μmの銅箔を重ね合わせ、温度
165℃、圧力60kg/cm2 で90分間加熱加圧成
形して、厚さ0.22mmの銅張積層板を作製した。
【0033】以上実施例及び比較例で得られた銅張積層
板について、含浸性、成形性、引張り強さ、銅箔引剥し
強さ、半田耐熱性及び絶縁抵抗を測定した。その結果を
表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】(測定方法) 1.含浸性:ガラス繊維間のボイドの有無を、積層板の
断面を実体顕微鏡にて確認した。 2.成形性:銅張積層板の銅箔をエッチングして、目視
により硬化剤等の析出の有無を観察し、分散性の評価を
する。 3.引張り強さ:銅張積層板の銅箔をエッチングして、
10×100mmに切断後テンシロンにて引張り強度を
測定した。 4.銅箔引剥し強さ:JIS C 6481 5.半田耐熱性:50×50mm角の積層板を、260
℃の半田浴に3分間フロートさせ、ふくれの有無を測定
した。
【0037】なお、製造コストについては、実施例の方
法は溶剤を使用せずまた加熱硬化時間が短縮されている
ため、実施例で得られた積層板は比較例3で得られたも
のに比べ30〜40%程度低コスト化することができ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法は、有機溶剤を使用しない
ので、大気汚染が無く、省資源化することができ、溶剤
を蒸発させ、燃焼させるための熱エネルギーも不要とな
る。プリフレグ及び積層板製造時において、溶剤がもと
もと存在しないため反応が速く、乾燥、成形時間が短縮
される。さらに、本発明は、エポキシ樹脂とノボラック
樹脂とを必須成分とする粉末状樹脂組成物を使用し、さ
らにシート状基材の少なくとも片面に樹脂粉体を存在さ
せることにより、樹脂の含浸性を良好としたものであ
る。得られたプリプレグ及び積層板は品質も安定してお
り、良好な特性、特に高強度、高耐熱性を有している。
そして、設備的にも溶剤燃焼処理装置が不要で乾燥装置
の簡略等により安価となる。したがって原材料的にも設
備的にも低コスト化の点で優れており、工業的な積層板
の製造方法として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // H05K 3/00 F16L 11/12 Z (72)発明者 小坂 弥 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、及びノボラック樹脂硬化
    剤を必須成分として含有する粉末状熱硬化性樹脂組成物
    を、シート状繊維基材の少なくとも片面に存在せしめた
    後、加熱溶融及びシート状繊維基材への含浸をさせるこ
    とを特徴とするプリプレグの製造方法。
  2. 【請求項2】 粉末状熱硬化性樹脂組成物が、各成分の
    混合物に機械的エネルギーを与えてメカノケミカルな反
    応をさせたものである請求項1記載のプリプレグの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 粉末状熱硬化性樹脂組成物が、各成分の
    混合物を加熱混練ないし溶融混合し微粉砕したものであ
    る請求項1記載のプリプレグの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の方法により得
    られたプリプレグを1枚又は複数枚重ね合わせ、加熱加
    圧することを特徴とする積層板の製造方法。
JP8348199A 1998-04-02 1999-03-26 プリプレグ及び積層板の製造方法 Pending JPH11350359A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012524843A (ja) * 2009-04-22 2012-10-18 ナサッティ・マウリジオ 床材用又は家具、壁などの表面仕上げ用化粧紙及び/又は化粧板の製造方法及び製造装置

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JP2012524843A (ja) * 2009-04-22 2012-10-18 ナサッティ・マウリジオ 床材用又は家具、壁などの表面仕上げ用化粧紙及び/又は化粧板の製造方法及び製造装置

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