JP2000336149A - 難燃性プリプレグ及び積層板 - Google Patents

難燃性プリプレグ及び積層板

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JP2000336149A
JP2000336149A JP11147180A JP14718099A JP2000336149A JP 2000336149 A JP2000336149 A JP 2000336149A JP 11147180 A JP11147180 A JP 11147180A JP 14718099 A JP14718099 A JP 14718099A JP 2000336149 A JP2000336149 A JP 2000336149A
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resin
powdery
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JP11147180A
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English (en)
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Eizo Tozaki
栄造 東崎
Kido Murakawa
喜堂 村川
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤を使用せず、ハロゲン系難燃剤を使
用することなく、難燃性、電気特性、耐熱性等品質の良
好な積層板を安定して得ること。 【解決手段】 (a)エポキシ樹脂、(b)フェノール
樹脂、(c)アミノ基を有するエポキシ樹脂硬化剤及び
(d)9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスフ
ァフェナントレン−10−オキシドを必須成分とする粉
末状のエポキシ樹脂組成物を、シート状繊維基材の少な
くとも片面に存在させてなるプリプレグ及び、このプリ
プレグから得られた積層板又は銅張積層板であり、粉末
状エポキシ樹脂組成物は、各成分が実質的に粉末状であ
り、これらに機械的エネルギーを与えてメカノケミカル
な反応をさせたものであるか、又は各成分を加熱混練な
いし溶融混合し、微粉砕したものであることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン系難燃剤
を使用しなくても優れた難燃性を有し特に電気機器、電
子機器、通信機器等に使用される印刷回路板用として好
適なプリプレグ及び積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント回路板については小型化、高機
能化の要求が強くなる反面、価格競争が激しく、特にプ
リント回路板に用いられる多層積層板やガラス布基材エ
ポキシ樹脂積層板、あるいはガラス不織布を中間層基材
としガラス織布を表面層基材とした積層板は、いずれも
価格の低減が大きな課題となっている。従来これらに用
いられるプリプレグや積層板の製造工程では、多量の溶
剤が用いられてきた。これは、樹脂ワニスの調製が容易
で、基材への樹脂の塗布・含浸が均一で容易なためであ
る。この溶剤は塗布後の乾燥工程で蒸発して製品中に存
在せず、多くは、燃焼装置等で処理され、あるいはその
まま大気中に放出されてきた。この為地球温暖化や大気
汚染の一因となることが指摘されるようになってきた。
一方では、溶剤使用量の削減が種々検討されているが、
基材への樹脂塗布・含浸などの製造上の問題からこの削
減は困難であった。
【0003】溶剤を使用しないプリプレグ及び積層板の
製造のために、低融点の樹脂や液状の樹脂を加熱混合し
て均一化して基材へ塗布する研究が以前からなされてい
る(例えば、特開平9−263647号公報)。しかし
ながら、このような方法では、均一混合が十分に出来な
い、連続生産時加熱温度の低下による設備への樹脂固
結、加熱中の熱硬化性樹脂のゲル化、これによる設備の
掃除等の問題があり、連続的な生産が困難であった。一
方粉末状樹脂をそのまま塗布する方法も提案されている
(例えば、特開昭50−143870号公報)が、均一
な混合及び塗布が困難であり、部分的な硬化が生じた
り、基材への含浸が不十分であるなどの問題があり、実
用化には至っていない。
【0004】また、エポキシ樹脂等に代表される熱硬化
性樹脂は、火災に対する安全性を確保するため難燃性が
付与されている場合が多い。これらの樹脂の難燃化は従
来臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン含有化合物を用いる
ことが一般的であった。これらのハロゲン含有化合物は
高度な難燃性を有するが、芳香族臭素化合物は熱分解す
ると腐食性の臭素、臭化水素を分離するだけでなく、酸
素存在下で分解した場合に毒性の高いポリブロムジベン
ゾフラン及びポリジブロモベンゾオキシンを形成する可
能性がある。この様な理由から臭素含有難燃剤に代わる
難燃剤としてリン化合物や窒素化合物が検討されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来製造が
困難であった無溶剤樹脂の使用によるプリプレグ、ある
いは積層板を得んとして研究した結果、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、アミノ基を有するエポキシ樹脂硬化剤
及び9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファ
フェナントレン−10−オキシドを必須成分とする粉末
状のエポキシ樹脂組成物を使用することことにより、基
材への含浸性、硬化性及び難燃性が従来の溶剤及びハロ
ゲン系難燃剤を使用した場合と同等になるとの知見を
得、更にこの知見に基づき種々研究を進めて本発明を完
成するに至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)エポキ
シ樹脂、(b)フェノール樹脂、(c)アミノ基を有す
るエポキシ樹脂硬化剤及び(d)9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オ
キシドを必須成分とする粉末状のエポキシ樹脂組成物
を、シート状繊維基材の少なくとも片面に存在させてな
ることを特徴とするプリプレグであり、好ましくはこの
粉末状エポキシ樹脂組成物は、各成分が実質的に粉末状
であり、これらに機械的エネルギーを与えてメカノケミ
カルな反応をさせたものであるプリプレグ、あるいは各
成分を加熱混練ないし溶融混合し、微粉砕した粉末状物
であるプリプレグであり、さらには、かかるプリプレグ
を、1枚又は複数枚重ね合わせ、加熱加圧してなること
を特徴とする積層板に関するものである。
【0007】エポキシ樹脂(a)は、1分子中に2個以
上のエポキシ基を有するものであり、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビ
フェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状
脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹
脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、複素環式エポキ
シ樹脂などを挙げることができる。特にフェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂は耐熱性が高く、またベンゼン環含有率が高い
ため、熱分解すると炭化されやすい。このためビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂に比べて難燃性が高い特長を持
つため好ましい。これらの1種若しくは2種以上の混合
物も使用できる。エポキシ樹脂は常温で固形であるもの
が組成物の粉末化のために好ましく、融点が50〜13
0℃の範囲にあるものがより好ましい。
【0008】フェノール樹脂(b)はフェノールノボラ
ック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、パラキシリレン
変性フェノール樹脂、メタキシリレン・パラキシリレン
変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジ
シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェノールア
ラルキル樹脂、ナフタレンアラルキル樹脂などを挙げる
ことができる。特にフェノールアラルキル樹脂及びナフ
タレンアラルキル樹脂は、吸水率が低くかつ難燃性が高
い特長を持つので好ましい。また、これらのフェノール
樹脂は、1種若しくは2種以上の混合物を使用でき常温
で固形状のものである。融点は、通常50〜130℃の
範囲に有れば良い。
【0009】アミノ基を有するエポキシ樹脂硬化剤
(c)は、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニ
ルメタン、ジアミノジフェニルスルフォンなどの芳香族
アミン、ジシアンジアミン及びその変性物、トリアジン
変性ノボラック樹脂などを挙げることができる。特にト
リアジン変性ノボラック樹脂は、保存性及び窒素含有量
の調節が容易であり配合量も多くなることで取り扱いや
すく好ましい。また、これらの硬化剤は、1種若しくは
2種以上の混合物を使用でき常温で固形状のものであ
る。融点は、通常50℃以上で有れば良い。本発明にお
いて、粉末状エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、アミノ基を有するエポキシ樹脂硬化剤及
び9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフ
ェナントレン−10−オキシドを必須成分として含有す
るが、本発明の目的に反しない範囲において、他の硬化
剤、硬化促進剤、カップリング剤、その他の成分を添加
してもかまわない。
【0010】粉末状エポキシ樹脂組成物が、各成分が実
質的に粉末状であり、これらに機械的エネルギーを与え
てメカノケミカルな反応をさせたものである場合、配合
量が少ないもの(例えば、組成物全体に対して20重量
%以下)はその一部又は全部が液状でもよく、樹脂等と
の混合物に機械的エネルギーを与えた後に粉末化できれ
ば使用可能である。
【0011】これらの粉体の粒径としては、通常100
0μm以下であり、好ましくは0.1〜500μmであ
り、更に好ましくは0.1〜200μmである。これ
は、1000μmを越えると粒子重量に対しての表面積
が小さくなり、エポキシ樹脂等各成分の互いの接点が少
なくなり、均一分散が困難となるため、反応の目標比率
とは異なった比率で反応したり、均一な反応が行われな
いおそれがある。
【0012】メカノケミカル反応による改質とは、「固
体による固体の改質で、粉砕、磨砕、摩擦、接触による
粒子の表面活性、表面家電を利用するものである。活性
そのものが、結晶形の転移や歪みエネルギーの増大によ
る溶解、熱分解速度の改質、あるいは機械的強度、磁気
特性になる場合と、表面活性を他の物質との反応、付着
に用いる場合とがある。工学的には機械的衝撃エネルギ
ーが利用され、摩擦、接触による電荷、あるいは磁気に
よる付着、核物質への改質剤の埋め込み、溶融による皮
膜の形成等、物理的改質のみならず化学的改質も行われ
る。」(「実用表面改質技術総覧」材料技術研究協会
編、産業技術サービスセンター、1993.3.25発行、p786)
ものである。本発明は、メカノケミカル反応による化学
的改質を利用したものであるが、固体と液体が機械的エ
ネルギーにより化学的に改質される場合を含むものであ
る。
【0013】メカノケミカル反応のために機械的エネル
ギーを与える粉体処理方法としては、ライカイ機、ヘン
シェルミキサー、プラネタリーミキサー、ボールミル、
媒体攪拌ミル、ジェットミル、オングミル、多段石臼型
混練押し出し機等による混合乃至混練がある。この中で
オングミル(ホソカワミクロン(株)製 メカノフュージ
ョン方式等)、多段石臼型混練押し出し機((株)KCK
製:メカノケミカルディスパージョン方式等)、ジェッ
トミル((株)奈良機械製作所製:ハイブリタイザー方式
等)、媒体攪拌ミル(三井鉱山(株)乾式連続微粉砕機
ダイナミックミル)による混合乃至混練が好ましく、特
に、メカノケミカル反応を効率よく行うためには、多段
石臼型混練押し出し機((株)KCK製:メカノケミカル
ディスパージョン方式)が好ましい。
【0014】メカノケミカル反応を行うためには、熱硬
化性樹脂の軟化点は、好ましくは50℃以上、より好ま
しくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上であ
る。これは、上記処理時に粉体間あるいは粉体と処理装
置との間で摩擦、粉砕、融合により20〜50℃程度の
熱が発生するため、この影響を最小限にとどめるためで
ある。一方、軟化点が高すぎても有効なメカノケミカル
反応が行われにくく、かつ、後の工程である樹脂組成物
の基材への含浸が困難となるので、150℃以下、特に
130℃以下の軟化点が好ましい。粉末状熱硬化性樹脂
及び硬化剤等の各成分は、メカノケミカル反応のための
粉体処理の前に、予め、上記粒径まで粉砕した後ヘンシ
ェルミキサー等にてできるだけ均一に混合することが好
ましい。
【0015】メカノケミカル反応された粉末状エポキシ
樹脂組成物の粒径は、通常1000μm以下であり、好
ましくは0.1〜500μmであり、更に好ましくは
0.1〜200μmである。かかる粒径は、粉末組成物
の散布ないし塗布時の流動性、及び加熱溶融時の流れや
表面の滑らかさを改良すること、基材への樹脂の含浸性
を改良すること、基材中での樹脂組成物の分布を安定化
させること等のために適している。
【0016】粉末状エポキシ樹脂組成物が、各成分を加
熱混練ないし溶融混合し、微粉砕した粉末状物である場
合、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ基を有する
エポキシ樹脂硬化剤及び9,10−ジヒドロ−9−オキ
サ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、
その他必要により添加される添加剤とともに、加熱ロー
ル等により加熱混練ないし溶融混合され、次いで、粉砕
機により微粉砕される。通常、固形のものが使用される
が、一部の成分は、加熱混練ないし溶融混合した後、粉
末化できるものであれば、液状のものも使用可能であ
る。
【0017】加熱混練ないし溶融混合するために装置
は、加熱ロール、1軸又は2軸押出機、コニーダー等の
加熱混練機、あるいはヘンシェルミキサー等の加熱装置
の付いた攪拌容器、反応装置等があり、実用上は加熱ロ
ール、1軸又は2軸押出機、ヘンシェルミキサーが好ま
しい。また、粉砕機は、加熱混練ないし溶融混合された
樹脂組成物を微粉砕可能なものであればいかなるもので
もよく、例えば、ハンマーミル、アトマイザー、ジェッ
トミル等がある。
【0018】微粉砕された粉末状熱硬化性樹脂組成物の
粒径は、通常1000μm以下であり、好ましくは0.
1〜500μmであり、更に好ましくは0.1〜200
μmである。かかる粒径は、粉末組成物の散布ないし塗
布時の流動性、及び加熱溶融時の流れや表面の滑らかさ
を改良すること、基材への樹脂の含浸性を改良するこ
と、基材中での樹脂組成物の分布を安定化させること等
のために適している。
【0019】本発明に用いられる熱硬化性樹脂組成物に
は、必要により、メカノケミカル反応を起こさせる前
に、あるいは加熱混練ないし溶融混合する前に、予め無
機充填材を添加することができる。無機充填材を加える
と耐トラッキング性、耐熱性、熱膨張率の低下等の特性
を付与することが出来る。かかる無機充填材としては、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシ
ウム、タルク、ウォラストナイト、アルミナ、シリカ、
未焼成クレー、焼成クレー、硫酸バリウム等がある。こ
れらの粒径も前記と同様である。また、ガラスクロスと
の密着性を向上させるために、エポキシシラン、アミノ
シラン等のカップリング剤の添加してもよい。
【0020】以上のようにして得られた粉末状エポキシ
樹脂組成物には、この流動特性を向上させるために微粉
末添加剤を配合することが好ましい。微粉末添加剤を配
合することにより、この粉末組成物を基材へ塗布・含浸
する際、該粉末組成物の均一な散布ないし塗布を行うこ
とができ、基材上での粉末組成物の均一な分布及び粉末
組成物塗布面の平滑性を得ることができる。これにより
基材への均一な塗布が可能となる。微粉末添加剤として
は、無機系微粉末が望ましいが、有機系微粉末も用いる
ことができる。また、微粉末添加剤は平均粒径で0.0
1〜1μmのものを用いるが、好ましくは0.01〜
0.1μm(比表面積:50〜500m/g程度)の
ものを用いる。平均粒径が1μmを越えると比表面積が
小さくなり単位重量当たりの粒子数が減少すること、及
び、主成分である粉末状熱硬化性樹脂との粒径差が小さ
くなることにより、流動性向上のためのベアリング効果
が十分に得られないおそれがある。粉体中のベアリング
効果とは、比較的粒径の大きな粒子同士の接触点に微粒
子を存在させることにより、粒径の大きな粒子の移動を
より自由にし、粉末組成物全体としての流動性を向上さ
せるものである。
【0021】微粉末添加剤の配合量は、粉末組成物全体
に対して0.1〜5重量%が好ましく、0.2〜2.0
重量%がより好ましい。0.1〜5重量%の範囲におい
て、積層板の特性を実質的に低下させることなく、粉末
組成物の流動性を向上させることができ、0.2〜2.
0重量%の範囲でその効果が最もよく発揮される。微粉
末添加剤を配合した粉末組成物の流動性を向上させるた
めの処理方法としては、微粉末添加剤を均一に混合分散
できる方法であればいずれの方法でも良く、このような
処理方法としては、例えばヘンシェルミキサー、ライカ
イ機、プラネタリーミキサー、タンブラー、ボールミル
等による混合が挙げられる。
【0022】粉末組成物は、散布ないし塗布等により基
材の少なくとも表面に存在させる。この粉末組成物の量
は、基材の繊維材質、性状、重量(単位面積当たり)に
より異なるが、通常、基材の重量の40〜60%程度で
ある。粉末組成物を基材に存在させる方法は、基材の上
面から振りかける方法、静電塗装法、流動浸漬法、スプ
レーによる吹き付け法、ナイフコーター、コンマコータ
ー等の各種コーターによる塗布法等があり、特に限定さ
れない。基材としては、ガラスクロス、ガラス不繊布等
のガラス繊維基材の他、紙、合成繊維等からなる織布や
不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる
織布、不織布、マット類等が挙げられ、これらの基材の
原料繊維は単独又は混合して使用してもよい。
【0023】前記基材に粉末組成物を存在せしめると
き、基材の片面のみに粉末組成物を存在せしめてもよい
が、好ましくは、反り防止等の点から表裏のバランスを
とるために基材の両面に粉末組成物を存在せしるのが好
ましい。この場合、まず基材の片面(上面)に散布ない
し塗布等により粉末組成物を存在させ、次いで、加温し
て粉末組成物を基材に十分付着させる。さらに反対面に
も粉末組成物を存在させる場合、基材を反転させ、基材
の上面に同様に粉末組成物を存在させ、次いで、加温し
て粉末組成物を基材に十分付着させる。この加温温度
は、粉末組成物の軟化点にもよるが、粉末組成物の存在
する面(上面)では、通常、80〜150℃であり、好
ましくは100〜140℃である。また、反対面(下
面)では、通常、90〜170℃であり、好ましくは1
10〜150℃である。樹脂の存在する面の反対面をよ
り高い温度にすることが好ましい。
【0024】樹脂組成物を更に十分に含浸させ、必要に
より樹脂を半硬化の状態にするために、樹脂含浸基材を
加熱してもよい。この加熱温度は、通常、100〜20
0℃であり、好ましくは120〜190℃であるが、樹
脂組成物の流動性や硬化性より異なる場合がある。
【0025】基材の厚みが100μm以下(ガラス基材
では100g/m 以下)と薄い場合、あるいは粉末
組成物が容易に均一に溶融する場合、片面にのみに粉末
組成物を存在せしめる方法でもよい。この場合も、通
常、その後に加温及び又は加熱する工程を設ける。
【0026】以上のようにして得られたプリプレグは、
この1枚又は複数枚を、必要により銅箔等の金属箔を重
ね合わせ、通常の方法により加熱加圧して積層板又は金
属箔張積層板に成形される。本発明のプリプレグ及び積
層板は、これらプリプレグあるいは積層板の性能を、従
来のものと実質的に変えることなく、粉末樹脂組成物に
よる製造が容易となり、無溶剤による省資源化、省エネ
ルギー化及び大気汚染の低減化が図られ、さらに低コス
ト化をも達成することができる。
【0027】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。
【0028】〔実施例1〕(KCK、コーター法) 平均粒径150μmの粉末状エポキシ樹脂(大日本イン
キ(株)製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂N−69
5,エポキシ当量213)100重量部、平均粒子径1
00μmの粉末状フェノールノボラック樹脂17重量
部、平均粒子径100μmの粉末状トリアジン変性ノボ
ラック(大日本インキ(株)製、窒素含有率12%)18
重量部、平均粒子径15μmの粉末状9,10−ジヒド
ロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10
−オキシド30重量部、及び平均粒径10μmの粉末状
2−フェニル−4−メチルイミダゾール0.5重量部を
予備混合し、次いで、多段石臼型混練押し出し機((株)
KCK製 メカノケミカルディスパージョンシステム
KCK−80X2−V(6))を用い、回転数200r
pmにて1分間処理しメカノケミカル反応させた粉末組
成物を得た。
【0029】次いで、この粉末組成物を100g/m2
のガラスクロスの上面ににナイフコーターで樹脂重量が
50g/m2 になるように均一に塗布した。その後、下
面側より150℃のパネルヒーター120℃により約1
分間加温した。次いで、ガラスクロスを上下反対にし、
もう一方の面にナイフコーターで樹脂重量が50g/m
2 になるように均一に塗布し、170℃の熱風加熱機で
1分間加熱してプリプレグを得た。このプリプレグを2
枚重ね合わせ、さらにその上下に厚さ18μmの銅箔を
重ね合わせ、温度165℃、圧力40kg/cm2 で9
0分間加熱加圧成形して、厚さ0.22mmの銅張積層
板を作製した。
【0030】〔実施例2〕(KCK、アエロジル、厚手
クロス、コーター法) 実施例1で得た粉末状樹脂組成物100重量部に、平均
粒径0.05μmの微粉末シリカ(日本アエロジル製ア
エロジル#200)1重量部の割合で添加し、ヘンシェ
ルミキサーで回転数500rpm、5分間混合処理し
た。得られた粉末組成物を210g/m2 のガラスクロ
スの片面上にナイフコーターで樹脂重量が85g/m2
になるように均一に塗布した。その後、下面側より12
0℃の熱風加熱機により約1分間加温した。次いで、ガ
ラスクロスを上下反対にし、もう一方の面にナイフコー
ターで樹脂重量が85g/m2 になるように均一に塗布
し、170℃の熱風加熱機で1分間加熱してプリプレグ
を得た。このプリプレグ1枚を用い、実施例1と同様に
して、厚さ0.22mmの銅張積層板を作製した。
【0031】〔実施例3〕(ロール、コーター法) 粉末状エポキシ樹脂(大日本インキ(株)製クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂N−695,エポキシ当量21
3)100重量部、粉末状フェノールノボラック樹脂1
7重量部、平均粒子径100μmの粉末状トリアジン変
性ノボラック(大日本インキ(株)製、窒素含有率12
%)18重量部、粉末状9,10−ジヒドロ−9−オキ
サ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド3
0重量部、及び粉末状2−フェニル−4−メチルイミダ
ゾール0.5重量部を予備混合し、次いで、直径12イ
ンチの2本ロールを用い、高速側回転数20rpm、高
速側ロール温度60℃、低速側ロール温度30℃、回転
比1.5:1にて30回処理した後、シート状で取りだ
し冷風にて冷却後、微粉砕機にて粉砕して粉末状樹脂組
成物を得た。この粉末組成物を用い、実施例1と同様に
してプリプレグを得、さらに、このプリプレグを用い、
実施例1と同様にして厚さ0.22mmの銅張積層板を
作製した。
【0032】〔比較例1〕(従来の含浸法) エポキシ樹脂(大日本インキ(株)製クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂N−695,エポキシ当量213)1
00重量部、フェノールノボラック樹脂17重量部、平
均粒子径100μmの粉末状トリアジン変性ノボラック
(大日本インキ(株)製、窒素含有率12%)18重量
部、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファ
フェナントレン−10−オキシド30重量部、及び2−
フェニル−4−メチルイミダゾール0.5重量部の比率
で混合したものをメチルセルソルブ100重量部に溶か
した。このワニスを樹脂固形分で100g/m2 になる
ように100g/m2 のガラスクロスを浸けて含浸させ
た後、170℃の熱風加熱機で3分間加熱してプリプレ
グを得た。このプリプレグを2枚重ね合わせ、さらにそ
の上下に厚さ18μmの銅箔を重ね合わせ、温度165
℃、圧力60kg/cm2 で90分間加熱加圧成形し
て、厚さ0.22mmの銅張積層板を作製した。
【0033】以上実施例及び比較例において、銅張積層
板については、含浸性、成形性、引張り強さ、銅箔引剥
し強さ、半田耐熱性、耐燃性及び絶縁抵抗を測定した。
その結果を表1に示す。なお、製造コストについては、
実施例の方法は溶剤を使用しないので、実施例では得ら
れた積層板は比較例2で得られたものに比べ30〜40
%程度低コスト化することができた。
【0034】
【表1】
【0035】(測定方法) 1.含浸性:積層板の断面を顕微鏡にて観察し、ガラス
繊維間のボイドの有無を確認した。 2.成形性:銅張積層板の銅箔をエッチングして、目視
により硬化剤等の析出の有無を観察し、樹脂組成物の分
散性の評価をした。 3.引張り強さ:銅張積層板の銅箔をエッチングして、
10×100mmに切断後テンシロンにて引張り強度を
測定した。 4.銅箔引剥し強さ:JIS C 6481により測定し
た。 5.半田耐熱性:50×50mmの積層板を、260℃
の半田浴に3分間フロートさせ、ふくれの有無を測定し
た。 6.絶縁抵抗:JIS C6481により測定した。 7.耐燃性:UL−94規格に従い垂直法により評価し
た。
【0036】
【発明の効果】本発明のプリプレグ及び積層板は、有機
溶剤を使用しないで、良好な保存性及び速硬化性の粉末
状エポキシ樹脂組成物を使用して得られるで、省資源、
省エネルギー及び大気汚染の低減化が図られ、省資源化
及び省エネルギー化することにより、低コスト化の点で
も優れている。さらには、ハロゲン系難燃剤を使用する
ことなしに難燃性、電気特性、耐熱性等品質の良好な積
層板を安定して得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB17 AG00 AK33A AK53A BA02 BA03 CA02A DE01A DG11B EH462 EJ172 EJ422 GB43 JJ03 JJ07 4J036 AA01 AF06 AF08 DB07 DB08 DC10 DC31 DD07 JA08 JA11 KA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エポキシ樹脂、(b)フェノール
    樹脂、(c)アミノ基を有するエポキシ樹脂硬化剤及び
    (d)9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスフ
    ァフェナントレン−10−オキシドを必須成分とする粉
    末状のエポキシ樹脂組成物を、シート状繊維基材の少な
    くとも片面に存在させてなることを特徴とするプリプレ
    グ。
  2. 【請求項2】 粉末状エポキシ樹脂組成物は、各成分が
    実質的に粉末状であり、これらに機械的エネルギーを与
    えてメカノケミカルな反応をさせたものである請求項1
    記載のプリプレグ。
  3. 【請求項3】 粉末状エポキシ樹脂組成物は、各成分を
    加熱混練ないし溶融混合し、微粉砕した粉末状物である
    請求項1記載のプリプレグ。
  4. 【請求項4】 請求項1,2,3又は4記載のプリプレ
    グを、1枚又は複数枚重ね合わせ、加熱加圧してなるこ
    とを特徴とする積層板。
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