JP2000273238A - 難燃性プリプレグ及び積層板 - Google Patents

難燃性プリプレグ及び積層板

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JP2000273238A
JP2000273238A JP11083478A JP8347899A JP2000273238A JP 2000273238 A JP2000273238 A JP 2000273238A JP 11083478 A JP11083478 A JP 11083478A JP 8347899 A JP8347899 A JP 8347899A JP 2000273238 A JP2000273238 A JP 2000273238A
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epoxy resin
weight
resin
prepreg
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Kido Murakawa
喜堂 村川
Eizo Tozaki
栄造 東崎
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉末状エポキシ樹脂組成物を使用し、ハロゲ
ン系難燃剤を使用しなくても優れた難燃性を有するプリ
プレグ及び積層板を得ること。 【解決手段】 (a)エポキシ樹脂、(b)フェノール
樹脂、(c)リン化合物、及び(d)無機充填材を
(a)+(b)+(c)の合計100重量部に対して1
〜200重量部含有する粉末状のエポキシ樹脂組成物
を、シート状繊維基材の少なくとも片面に存在させてな
ることを特徴とするプリプレグであり、前記粉末状エポ
キシ樹脂組成物は、各成分の混合物に機械的エネルギー
を与えてメカノケミカルな反応させたものであるか、又
は各成分の混合物を加熱混練ないし溶融混合し微粉砕し
たものであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末状エポキシ樹
脂組成物を使用し、ハロゲン系難燃剤を使用しなくても
優れた難燃性を有し、特に電気機器、電子機器、通信機
器等に使用される印刷回路板用として好適なプリプレグ
及び積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント回路板については小型化、高機
能化の要求が強くなる反面、価格競争が激しく、特にプ
リント回路板に用いられる多層積層板やガラス布基材エ
ポキシ樹脂積層板、あるいはガラス不織布を中間層基材
としガラス織布を表面層基材とした積層板は、いずれも
価格の低減が大きな課題となっている。従来これらに用
いられるプリプレグや積層板の製造工程では、多量の溶
剤が用いられてきた。これは、樹脂ワニスの調製が容易
で、基材への樹脂の塗布・含浸が均一で容易なためであ
る。この溶剤は塗布後の乾燥工程で蒸発して製品中に存
在せず、多くは、燃焼装置等で処理され、あるいはその
まま大気中に放出されてきた。この為地球温暖化や大気
汚染の一因となることが指摘されるようになってきた。
一方では、溶剤使用量の削減が種々検討されているが、
基材への樹脂塗布・含浸などの製造上の問題からこの削
減は困難であった。
【0003】溶剤を使用しないプリプレグ及び積層板の
製造のために、低融点の樹脂や液状の樹脂を加熱混合し
て均一化して基材へ塗布する研究が以前からなされてい
る(例えば特開平9−263647号公報)。しかしな
がら、このような方法では、均一混合が十分に出来な
い、連続生産時加熱温度の低下による設備への樹脂固
結、加熱中の熱硬化性樹脂のゲル化、これによる設備の
掃除等の問題があり、連続的な生産が困難であった。一
方粉末状樹脂をそのまま塗布する方法も提案されている
(特開昭50−143870号公報)が、均一な混合及
び塗布が困難であり、部分的な硬化が生じたり、基材へ
の含浸が不十分であるなどの問題があり、実用化には至
っていない。
【0004】また、エポキシ樹脂等に代表される熱硬化
性樹脂は、火災に対する安全性を確保するため難燃性が
付与されている場合が多い。これらの樹脂の難燃化は従
来臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン含有化合物を用いる
ことが一般的であった。これらのハロゲン含有化合物は
高度な難燃性を有するが、芳香族臭素化合物は熱分解す
ると腐食性の臭素、臭化水素を分離するだけでなく、酸
素存在下で分解した場合に毒性の高いポリブロムジベン
ゾフラン及びポリジブロモベンゾオキシンを形成する可
能性がある。この様な理由から臭素含有難燃剤に代わる
難燃剤としてリン化合物、窒素化合物及び無機系難燃剤
が検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来製造が
困難であった無溶剤樹脂の使用によるプリプレグ、ある
いは積層板を得んとして研究した結果、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、リン化合物及び無機充填材を必須成分
とする粉末状のエポキシ樹脂組成物を使用することこと
により基材への含浸性、硬化性及び難燃性が従来の溶剤
を使用した場合と同等になるとの知見を得、更にこの知
見に基づき種々研究を進めて本発明を完成するに至った
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)エポキ
シ樹脂、(b)フェノール樹脂、(c)リン化合物及び
(d)無機充填材を必須成分とする粉末状のエポキシ樹
脂組成物を、シート状繊維基材の少なくとも片面に存在
させてなることを特徴とするプリプレグであり、好まし
くは、各成分の混合物に機械的エネルギーを与えてメカ
ノケミカルな反応をさせたものであるプリプレグ、ある
いは、各成分を加熱混練ないし溶融混合し、微粉砕した
ものであるプリプレグであり、さらには、かかるプリプ
レグを、1枚又は複数枚重ね合わせ、加熱加圧してなる
ことを特徴とする積層板に関するものである。
【0007】エポキシ樹脂(a)は、1分子中に2個以
上のエポキシ基を有するものであり、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビ
フェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状
脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹
脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、複素環式エポキ
シ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタ
レンアラルキル型エポキシ樹脂などを挙げることができ
る。特にフェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂は耐熱性が高く、また
ベンゼン環含有率が高いため、熱分解すると炭化されや
すい。このためビスフェノールA型エポキシ樹脂に比べ
て難燃性が高い特徴を持つため好ましい。これらの1種
若しくは2種以上の混合物も使用できる。エポキシ樹脂
は常温で固形であるものが組成物の粉末化のために好ま
しく、融点が50〜150℃、特に70〜130℃の範
囲にあるものがより好ましい。
【0008】フェノール樹脂(b)はフェノールノボラ
ック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、パラキシリレン
変性フェノール樹脂、メタキシリレン・パラキシリレン
変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジ
シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェノールア
ラルキル樹脂、ナフタレンアラルキル樹脂などを挙げる
ことができる。特にフェノールアラルキル樹脂及びナフ
タレンアラルキル樹脂は、吸水率が低くかつ難燃性が高
い特徴を持つので好ましい。また、これらのフェノール
樹脂は、1種若しくは2種以上の混合物を使用でき常温
で固形状のものである。融点は、通常50〜130℃の
範囲に有れば良い。
【0009】リン化合物(c)としては、融点の高いポ
リマー状の化合物が好ましい。特にポリリン酸アンモニ
ウム、ポリリン酸アミドなどのポリリン酸塩や、リン酸
メラミン等、分子中にリンと窒素を共に含有するような
リン化合物が好ましい。この他、トリメチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリー2―エチルヘキシルホスフェート、トリブト
キシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、
トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフ
ェニルホスフェート、2―エチルヘキシルジフェニルホ
スフェート、トリス(2、6―ジメチルフェニル)ホス
フェート、レゾルシンジフェニルホスフェート等のリン
酸エステル及びそれらの縮合物を用いることもできる。
【0010】さらに、上記のような(c)リン化合物
が、その表面を熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂により被
覆したカプセル化物は、極めて安定で耐薬品性、耐水性
が優れており、低融点のものや、水溶性のリン化合物に
ついても十分実用に供することができる。
【0011】無機充填材(d)としては、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、タル
ク、ウォラストナイト、アルミナ、シリカ、未焼成クレ
ー、焼成クレー、硫酸バリウム等がある。特に水酸化ア
ルミニウム及び水酸化マグネシウムを使用した場合、さ
らに高い難燃性が得られるので好ましい。
【0012】本発明において、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、リン化合物及び無機充填材を必須成分として含
有するが、本発明の目的に反しない範囲に於いて、その
他の硬化剤、硬化促進剤、カップリング剤、その他の成
分を添加してもかまわない。
【0013】各成分の配合割合について説明する。
(b)成分のフェノール樹脂は(a)成分のエポキシ樹
脂100重量部に対して20〜60重量部が好ましい。
20重量部未満である場合、樹脂の硬化が不十分とな
り、60重量部を越えると未反応のフェノール樹脂の影
響により耐熱性が低下する可能性があり好ましくない。
(c)成分のリン化合物は(a)及び(b)の合計10
0重量部に対してリンとして0.5〜4重量部が好まし
い。0.5重量部未満の場合、難燃性に対する効果が小
さく、4重量部を越えると耐熱性を低下させるため好ま
しくない。(d)成分の無機充填材は(a)、(b)及
び(c)の合計100重量部に対して1〜200重量部
である。1重量部未満の場合、難燃性に対する効果が小
さく、200重量部を越えると耐熱性を低下させるため
好ましくない。好ましい範囲は5〜150重量部、さら
に好ましくは10〜120重量部である。なお、シート
状繊維基材が不織布の場合は、無機充填材の量を上記範
囲の大きい側に近づけることができる。
【0014】粉末状エポキシ樹脂組成物が、各成分の混
合物に機械的エネルギーを与えてメカノケミカルな反応
をさせたものである場合、各成分は通常粉体であるが、
一部の成分について、その配合量が少ない場合(例え
ば、樹脂に対して20重量%以下)その一部又は全部が
液状でもよく、樹脂等との混合物に機械的エネルギーを
与えた後に粉末化できれば使用可能である。
【0015】上記各成分において、粉体の粒径として
は、通常1000μm以下であり、好ましくは0.1〜
500μmであり、更に好ましくは0.1〜200μm
である。これは、1000μmを越えると粒子重量に対
しての表面積が小さくなり、エポキシ樹脂等各成分の互
いの接点が少なくなり、均一分散が困難となるため、反
応の目標比率とは異なった比率で反応したり、均一な反
応が行われないおそれがある。
【0016】メカノケミカル反応による改質とは、「固
体による固体の改質で、粉砕、磨砕、摩擦、接触による
粒子の表面活性、表面家電を利用するものである。活性
そのものが、結晶形の転移や歪みエネルギーの増大によ
る溶解、熱分解速度の改質、あるいは機械的強度、磁気
特性になる場合と、表面活性を他の物質との反応、付着
に用いる場合とがある。工学的には機械的衝撃エネルギ
ーが利用され、摩擦、接触による電荷、あるいは磁気に
よる付着、核物質への改質剤の埋め込み、溶融による皮
膜の形成等、物理的改質のみならず化学的改質も行われ
る。」(「実用表面改質技術総覧」材料技術研究協会
編、産業技術サービスセンター、1993.3.25発行、p786)
ものである。本発明は、メカノケミカル反応による化学
的改質を利用したものであるが、固体と液体が機械的エ
ネルギーにより化学的に改質される場合をも含むもので
ある。
【0017】メカノケミカル反応のために機械的エネル
ギーを与える粉体処理方法としては、ライカイ機、ヘン
シェルミキサー、プラネタリーミキサー、ボールミル、
媒体攪拌式ミル、ジェットミル、オングミル、多段石臼
型混練押し出し機等による混合乃至混練がある。この中
でオングミル(ホソカワミクロン(株)製 メカノフュー
ジョン方式等)、多段石臼型混練押し出し機((株)KC
K製:メカノケミカルディスパージョン方式等)、ジェ
ットミル((株)奈良機械製作所製:ハイブリタイザー方
式等)による混合乃至混練が好ましく、特に、メカノケ
ミカル反応を効率よく行うためには、多段石臼型混練押
し出し機((株)KCK製:メカノケミカルディスパージ
ョン方式)が好ましい。
【0018】メカノケミカル反応を行うためには、熱硬
化性樹脂の軟化点は、好ましくは50℃以上、より好ま
しくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上であ
る。これは、上記処理時に粉体間あるいは粉体と処理装
置との間で摩擦、粉砕、融合により20〜50℃程度の
熱が発生するため、この影響を最小限にとどめるためで
ある。一方、軟化点が高すぎても有効なメカノケミカル
反応が行われにくく、かつ、後の工程である樹脂組成物
の基材への含浸が困難となるので、150℃以下、特に
130℃以下の軟化点が好ましい。粉末状熱硬化性樹脂
及び硬化剤等の各成分は、メカノケミカル反応のための
粉体処理の前に、予め、上記粒径まで粉砕した後ヘンシ
ェルミキサー等にてできるだけ均一に混合することが好
ましい。
【0019】メカノケミカル反応された粉末状エポキシ
樹脂組成物の粒径は、通常1000μm以下であり、好
ましくは0.1〜500μmであり、更に好ましくは
0.1〜200μmである。かかる粒径は、粉末組成物
の散布ないし塗布時の流動性、及び加熱溶融時の流れや
表面の滑らかさを改良すること、基材への樹脂の含浸性
を改良すること、基材中での樹脂組成物の分布を安定化
させること等のために適している。
【0020】粉末状エポキシ樹脂組成物が、各成分を加
熱混練ないし溶融混合し、微粉砕したものである場合、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、リン化合物及び無機充
填材は、その他必要により添加される添加剤とともに、
加熱ロール等により加熱混練ないし溶融混合され、次い
で、粉砕機により微粉砕される。通常、各成分は固形の
ものが使用されるが、一部液状のものも使用可能であ
る。
【0021】加熱混練ないし溶融混合するために装置
は、加熱ロール、1軸又は2軸押出機、コニーダー等の
加熱混練機、あるいはヘンシェルミキサー等の加熱装置
の付いた攪拌容器、反応装置等があり、実用上は加熱ロ
ール、1軸又は2軸押出機、ヘンシェルミキサーが好ま
しい。また、粉砕機は、加熱混練ないし溶融混合された
樹脂組成物を微粉砕可能なものであればいかなるもので
もよく、例えば、ハンマーミル、アトマイザー、ジェッ
トミル等がある。
【0022】微粉砕された粉末状熱硬化性樹脂組成物の
粒径は、通常1000μm以下であり、好ましくは0.
1〜500μmであり、更に好ましくは0.1〜200
μmである。かかる粒径は、粉末組成物の散布ないし塗
布時の流動性、及び加熱溶融時の流れや表面の滑らかさ
を改良すること、基材への樹脂の含浸性を改良するこ
と、基材中での樹脂組成物の分布を安定化させること等
のために適している。
【0023】本発明に用いられる熱硬化性樹脂組成物に
は、メカノケミカル反応を起こさる前に、あるいは加熱
混練ないし溶融混合する前に、予め無機充填材を添加す
るが、無機充填材を加えることにより、難燃性が向上
し、耐トラッキング性、耐熱性、熱膨張率の低減等の特
性を付与することが出来る。また、ガラスクロスとの密
着性を向上させるために、エポキシシラン、アミノシラ
ン等のカップリング剤の添加してもよい。
【0024】以上のようにして得られた粉末状エポキシ
樹脂組成物には、この流動特性を向上させるために微粉
末添加剤を配合することが好ましい。微粉末添加剤を配
合することにより、この粉末組成物を基材へ塗布・含浸
する際、該粉末組成物の均一な散布ないし塗布を行うこ
とができ、基材上での粉末組成物の均一な分布及び粉末
組成物塗布面の平滑性を得ることができる。これにより
基材への均一な塗布が可能となる。微粉末添加剤として
は、無機系微粉末が望ましいが、有機系微粉末も用いる
ことができる。また、微粉末添加剤は平均粒径で0.0
1〜1μmのものを用いるが、好ましくは0.01〜
0.1μm(比表面積:50〜500m2/g程度)の
ものを用いる。平均粒径が1μmを越えると比表面積が
小さくなり単位重量当たりの粒子数が減少すること、及
び、主成分である粉末状熱硬化性樹脂との粒径差が小さ
くなることにより、流動性向上のためのベアリング効果
が十分に得られないおそれがある。粉体中のベアリング
効果とは、比較的粒径の大きな粒子同士の接触点に微粒
子を存在させることにより、粒径の大きな粒子の移動を
より自由にし、粉末組成物全体としての流動性を向上さ
せるものである。
【0025】微粉末添加剤の配合量は、粉末組成物全体
に対して0.1〜5重量%が好ましく、0.2〜2.0
重量%がより好ましい。0.1〜5重量%の範囲におい
て、積層板の特性を余り低下させることなく、粉末組成
物の流動性を向上させることができ、0.2〜2.0重
量%の範囲でその効果が最もよく発揮される。微粉末添
加剤を配合した粉末組成物の流動性を向上させるための
処理方法としては、微粉末添加剤を均一に混合分散でき
る方法であればいずれの方法でも良く、このような処理
方法としては、例えばヘンシェルミキサー,ライカイ
機,プラネタリーミキサー,タンブラー、ボールミル等
による混合が挙げられる。
【0026】粉末組成物は、散布ないし塗布等により基
材の少なくとも表面に存在させる。この粉末組成物の量
は、基材の繊維材質、性状、重量(単位面積当たり)に
より異なるが、通常、基材の重量の40〜60%程度で
ある。粉末組成物を基材に存在させる方法は、基材の上
面から振りかける方法、静電塗装法、流動浸漬法、スプ
レーによる吹き付け法、ナイフコーター、コンマコータ
ー等の各種コーターによる塗布法等があり、特に限定さ
れない。基材としては、ガラスクロス、ガラス不繊布等
のガラス繊維基材の他、紙、合成繊維等からなる織布や
不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる
織布、不織布、マット類等が挙げられ、これらの基材の
原料繊維は単独又は混合して使用してもよい。
【0027】前記基材に粉末組成物を存在せしめると
き、基材の片面のみに粉末組成物を存在せしめてもよい
が、好ましくは、反り防止等の点から表裏のバランスを
とるために基材の両面に粉末組成物を存在せしるのが好
ましい。この場合、まず基材の片面(上面)に散布ない
し塗布等により粉末組成物を存在させ、次いで、加温し
て粉末組成物を基材に十分付着させる。さらに反対面に
も粉末組成物を存在させる場合、基材を反転させ、基材
の上面に同様に粉末組成物を存在させ、次いで、加温し
て粉末組成物を基材に十分付着させる。加温は、基材の
上面に粉末組成物を存在させた場合、下面のみ、あるい
は両面からの加温の場合下面をより高温にして行うと、
溶融した樹脂の含浸が良好に行われるので、好ましい。
加温温度は、粉末組成物の軟化点にもよるが、粉末組成
物の存在する面(上面)は、加温する場合、通常、80
〜150℃であり、好ましくは100〜140℃であ
る。また、反対面(下面)では、通常、90〜170℃
であり、好ましくは110〜150℃である。
【0028】樹脂組成物を更に十分に含浸させ、必要に
より樹脂を半硬化の状態にするために、樹脂含浸基材を
加熱してもよい。この加熱温度は、通常、100〜20
0℃であり、好ましくは120〜190℃であるが、樹
脂組成物の流動性や硬化性より異なる場合がある。
【0029】基材の厚みが100μm以下(ガラス基材
では100g/m2 以下)と薄い場合、あるいは粉末組
成物が容易に均一に溶融する場合、片面にのみに粉末組
成物を存在せしめる方法でもよい。この場合も、通常、
その後に加温及び又は加熱する工程を設ける。
【0030】以上のようにして得られたプリプレグは、
この1枚又は複数枚を、必要により銅箔等の金属箔を重
ね合わせ、通常の方法により加熱加圧して積層板又は金
属箔張積層板に成形される。本発明のプリプレグ及び積
層板は、これらプリプレグあるいは積層板の性能を、従
来のものと実質的に変えることなく、粉末樹脂組成物に
よる製造が容易となり、無溶剤による省資源化、省エネ
ルギー化及び大気汚染の低減化が図られ、さらに低コス
ト化をも達成することができる。
【0031】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。
【0032】〔実施例1〕(KCK、コーター法) 平均粒径150μmの粉末状エポキシ樹脂(大日本イン
キ(株)製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂N−69
5,エポキシ当量213)100重量部、平均粒子径1
00μmの粉末状フェノールノボラック樹脂(住友デュ
レズ(株)製PR−51470)49重量部、平均粒径1
0μmの粉末状2−フェニル−4−メチルイミダゾール
0.5重量部、平均粒子径25μmの粉末状カプセル化
ポリリン酸アンモニウム11重量部及び水酸化アルミニ
ウム(住友化学(株)製CL−310)55重量部を予備
混合し、次いで、多段石臼型混練押し出し機((株)KC
K製 メカノケミカルディスパージョンシステム KC
K−80X2−V(6))を用い、回転数200rpm
にて1分間処理し粉末組成物を得た。
【0033】次いで、この粉末組成物を100g/m2
のガラスクロスの上面ににナイフコーターで樹脂重量が
60g/m2 になるように均一に塗布した。その後、下
面側より150℃のパネルヒーター120℃により約1
分間加温した。次いで、ガラスクロスを上下反対にし、
もう一方の面にナイフコーターで樹脂重量が60g/m
2 になるように均一に塗布し、170℃の熱風加熱機で
1分間加熱してプリプレグを得た。このプリプレグを2
枚重ね合わせ、さらにその上下に厚さ18μmの銅箔を
重ね合わせ、温度165℃、圧力40kg/cm2 で9
0分間加熱加圧成形して、厚さ0.22mmの銅張積層
板を作製した。
【0034】〔実施例2〕(KCK、アエロジル、厚手
クロス、コーター法) 実施例1で得た粉末状樹脂組成物100重量部に、平均
粒径0.05μmの微粉末シリカ(日本アエロジル製ア
エロジル#200)1重量部の割合で添加し、ヘンシェ
ルミキサーで回転数500rpm、5分間混合処理し
た。得られた粉末組成物を210g/m2 のガラスクロ
スの片面上にナイフコーターで樹脂重量が90g/m2
になるように均一に塗布した。その後、下面側より12
0℃の熱風加熱機により約1分間加温した。次いで、ガ
ラスクロスを上下反対にし、もう一方の面にナイフコー
ターで樹脂重量が90g/m2 になるように均一に塗布
し、170℃の熱風加熱機で1分間加熱してプリプレグ
を得た。このプリプレグ1枚を用い、実施例1と同様に
して、厚さ0.22mmの銅張積層板を作製した。
【0035】〔実施例3〕(ロール、コーター法) 粉末状エポキシ樹脂(大日本インキ(株)製クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂N−695,エポキシ当量21
3)100重量部、粉末状フェノールノボラック樹脂
(住友デュレズ(株)製PR−51470)49重量部、
粉末状2−フェニル−4−メチルイミダゾール0.5重
量部、平均粒子径25μmの粉末状カプセル化ポリリン
酸アンモニウム11重量部及び水酸化マグネシウム(協
和化学工業(株)製キスマ5A)50重量部を予備混合
し、次いで、直径12インチの2本ロールを用い、高速
側回転数20rpm、高速側ロール温度60℃、低速側
ロール温度30℃、回転比1.5:1にて30回処理し
た後、シート状で取りだし冷風にて冷却後、微粉砕機に
て粉砕して粉末状樹脂組成物を得た。この粉末組成物を
用い、実施例1と同様にしてプリプレグを得、さらに、
このプリプレグを用い、実施例1と同様にして厚さ0.
22mmの銅張積層板を作製した。
【0036】〔実施例4〕(ロール、アエロジル、コー
ター法) 実施例3で得た粉末状樹脂組成物100重量部に、平均
粒径0.05μmの微粉末シリカ(日本アエロジル製ア
エロジル#200)1重量部の割合で添加し、ヘンシェ
ルミキサーで回転数500rpm、5分間混合処理し
た。この粉末状組成物を用いて実施例5と同様にしてプ
リプレグを得、次いで、このプリプレグを用い厚さ0.
22mmの銅張積層板を作製した。
【0037】〔比較例1〕(粉末、メカノケミカル処理
無し) 平均粒径150μmの粉末状エポキシ樹脂(大日本イン
キ(株)製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂N−69
5,エポキシ当量213)100重量部、平均粒子径1
00μmの粉末状フェノールノボラック樹脂(住友デュ
レズ(株)製PR−51470)49重量部、平均粒径1
0μmの粉末状2−フェニル−4−メチルイミダゾール
0.5重量部、平均粒子径25μmの粉末状ポリリン酸
アンモニウム11重量部及び水酸化アルミニウム(住友
化学(株)製CL−310)55重量部を錨羽ね型の撹拌
機で回転数70rpmにて1分間撹拌混合処理した。こ
の粉末組成物を実施例1と同様にしてプリプレグを得
た。このプリプレグを2枚重ね合わせ、さらにその上下
に厚さ18μmの銅箔を重ね合わせ、温度165℃、圧
力40kg/cm2 で90分間加熱加圧成形して、厚さ
0.22mmの銅張積層板を作製した。
【0038】〔比較例2〕(従来の含浸法) エポキシ樹脂(大日本インキ(株)製クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂N−695,エポキシ当量213)1
00重量部、フェノールノボラック樹脂(住友デュレズ
(株)製PR−51470)49重量部、2−フェニル−
4−メチルイミダゾール0.5重量部及び平均粒子径2
5μmの粉末状カプセル化ポリリン酸アンモニウム11
重量部の比率で混合したものをメチルセルソルブ100
重量部に溶かした。このワニスを樹脂固形分で100g
/m2 になるように100g/m2 のガラスクロスに含
浸させた後、170℃の熱風加熱機で3分間加熱してプ
リプレグを得た。このプリプレグを2枚重ね合わせ、さ
らにその上下に厚さ18μmの銅箔を重ね合わせ、温度
165℃、圧力60kg/cm2 で90分間加熱加圧成
形して、厚さ0.22mmの銅張積層板を作製した。
【0039】以上実施例及び比較例において、銅張積層
板について、含浸性、成形性、引張り強さ、銅箔引剥し
強さ、半田耐熱性、絶縁抵抗及び耐燃性を測定した。そ
の結果を表1及び表2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】(測定方法) 1.含浸性:積層板の断面を顕微鏡にて観察し、ガラス
繊維間のボイドの有無を確認した。 2.成形性:銅張積層板の銅箔をエッチングして、目視
により硬化剤等の析出の有無を観察し、樹脂組成物の分
散性の評価をした。 3.引張り強さ:銅張積層板の銅箔をエッチングして、
10×100mmに切断後テンシロンにて引張り強度を
測定した。 4.銅箔引剥し強さ:JIS C 6481により測定し
た。 5.半田耐熱性:50×50mmの積層板を、260℃
の半田浴に3分間フロートさせ、ふくれの有無を測定し
た。 6.絶縁抵抗:JIS C6481により測定した。 1.耐燃性:UL−94規格に従い垂直法により評価し
た。
【0043】なお、製造コストについては、実施例の方
法は溶剤を使用しないので、実施例では得られた積層板
は比較例2で得られたものに比べ30〜40%程度低コ
スト化することができた。
【0044】
【発明の効果】本発明のプリプレグ及び積層板は、有機
溶剤を使用しないで、良好な含浸性を有し成形性のよい
粉末状エポキシ樹脂組成物を使用して得られるで、省資
源、省エネルギー及び大気汚染の低減化が図られ、省資
源化及び省エネルギー化することにより、低コスト化の
点でも優れている。さらには、ハロゲン系難燃剤を使用
することなしに難燃性、電気特性、耐熱性等品質の良好
な積層板を安定して得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/10 C08K 9/10 C08L 63/00 C08L 63/00 B C Fターム(参考) 4F072 AA01 AA05 AA08 AA09 AB09 AB10 AB11 AB28 AB29 AD14 AD15 AD17 AD18 AD23 AD26 AD28 AD32 AE01 AE02 AE07 AF06 AG03 AH05 AH25 AJ04 AJ15 AK05 AK14 AL13 4F100 AA00A AB17 AB33 AG00 AH00A AH10A AK01A AK33A AK53A BA01 BA02 BA04 CA23A DG01 DG06A DH01A EH46A EJ82A GB41 GB43 JB13A JB16A JG00 JJ03 JJ07 4J002 CC04X CC05X CC12X CD01W CD04W CD05W CD06W CD07W CD13W CE00X DH056 DL007 EW046 FA047 FD010 GQ00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エポキシ樹脂、(b)フェノール
    樹脂、(c)リン化合物、及び(d)無機充填材を
    (a)+(b)+(c)の合計100重量部に対して1
    〜200重量部含有する粉末状のエポキシ樹脂組成物
    を、シート状繊維基材の少なくとも片面に存在させてな
    ることを特徴とするプリプレグ。
  2. 【請求項2】 (c)リン化合物の少なくとも一部が、
    分子中にリン及び窒素原子を含むポリリン酸塩である請
    求項1記載のプリプレグ。
  3. 【請求項3】 (c)リン化合物が、リン酸エステル及
    びそれらの縮合物である請求項1記載のプリプレグ。
  4. 【請求項4】 (c)リン化合物が、その表面を熱可塑
    性樹脂又は熱硬化性樹脂により被覆したカプセル化物と
    して含有されている請求項1、2又は3記載のプリプレ
    グ。
  5. 【請求項5】 粉末状エポキシ樹脂組成物が、各成分の
    混合物に機械的エネルギーを与えてメカノケミカルな反
    応をさせたものである請求項1、2、3又は4記載のプ
    リプレグ。
  6. 【請求項6】 粉末状エポキシ樹脂組成物が、各成分を
    加熱混練ないし溶融混合し、微粉砕したものである請求
    項1、2、3又は4記載のプリプレグ。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3、4、5又は6記載の
    プリプレグを、1枚又は複数枚重ね合わせ、加熱加圧し
    てなることを特徴とする積層板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007099710A1 (ja) * 2006-03-03 2007-09-07 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. 中間層材料およびコンポジット積層板
US8067088B2 (en) 2004-05-20 2011-11-29 Albemarle Corporation Pelletized brominated anionic styrenic polymers and their preparation and use

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