JP2000336190A - プリプレグ及び積層板の製造方法 - Google Patents

プリプレグ及び積層板の製造方法

Info

Publication number
JP2000336190A
JP2000336190A JP11147179A JP14717999A JP2000336190A JP 2000336190 A JP2000336190 A JP 2000336190A JP 11147179 A JP11147179 A JP 11147179A JP 14717999 A JP14717999 A JP 14717999A JP 2000336190 A JP2000336190 A JP 2000336190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermosetting resin
resin composition
prepreg
powdery
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11147179A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Nakada
高弘 中田
Junichi Oba
淳一 大庭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP11147179A priority Critical patent/JP2000336190A/ja
Publication of JP2000336190A publication Critical patent/JP2000336190A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気汚染が無く、省資源化することができ、
品質上も安定で良好な積層板を低コストで得ること。 【解決手段】 熱硬化性樹脂及び硬化剤を必須成分とす
る粉末状熱硬化性樹脂組成物を、熱により繊維表面を融
着させたシート状繊維基材の少なくとも表面に存在させ
ることを特徴とするプリプレグの製造方法であり、好ま
しくは前記粉末状熱硬化性樹脂組成物が各成分の混合物
に機械的エネルギーを与えてメカノケミカル反応を起こ
させて得られたものであり、更には、この熱硬化性樹脂
組成物にカップリング剤が添加されていることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に電気機器、電
子機器、通信機器等に使用される印刷回路板用として好
適なプリプレグ及び積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント回路板については小型化、高機
能化の要求が強くなる反面、価格競争が激しく、特にプ
リント回路板に用いられる多層積層板やガラス布基材エ
ポキシ樹脂積層板、あるいはガラス不織布を中間層基材
としガラス織布を表面層基材とした積層板は、いずれも
価格の低減が大きな課題となっている。従来これらに用
いられるプリプレグや積層板の製造工程では、多量の溶
剤が用いられてきた。これは、樹脂ワニスの調製が容易
で、基材への樹脂の塗布・含浸が均一で容易なためであ
る。この溶剤は塗布後の乾燥工程で蒸発して製品中に存
在せず、多くは、燃焼装置等で処理され、あるいはその
まま大気中に放出されてきた。この為地球温暖化や大気
汚染の一因となることが指摘されるようになってきた。
一方では、溶剤使用量の削減が種々検討されているが、
基材への樹脂塗布・含浸などの製造上の問題からこの削
減は困難であり、低コスト化にも限界があった。
【0003】溶剤を使用しないプリプレグ及び積層板の
製造のために、低融点の樹脂や液状の樹脂を加熱混合し
て均一化して基材へ塗布する研究が以前からなされてい
るが、均一混合が十分に出来ない、連続生産時加熱温度
の低下による設備への樹脂固結、加熱中の熱硬化性樹脂
のゲル化、これによる設備の掃除等の問題があり、連続
的な生産が困難であった。一方粉末状樹脂をそのまま塗
布する方法も提案されている(特開昭50−14387
0号公報、など)が、均一な混合及び塗布が困難であ
り、部分的な硬化が生じたり、基材への含浸が不十分で
あるなどの問題があり、実用化には至っていない。
【0004】また、シート状繊維基材が持つ歪みにより
これを使用して成形された積層板は、寸法変化や反りが
大きい等の問題があった。特にガラスクロスにおいて
は、カップリング処理をする際、収束剤を除去するため
熱処理した後、ガラスクロスにテンションを掛けカップ
リング処理をするのが一般的であり、この熱処理時に発
生する歪みにより、積層板は寸法変化や反りが大きいも
のであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、従来製造
が困難であった無溶剤樹脂の使用によるプリプレグ、あ
るいは積層板を得んとして研究した結果、樹脂及び硬化
剤を含有する粉末状組成物を使用すること、好ましくは
その粉末状組成物がメカノケミカルな反応を施されたも
のであることにより、均一混合や基材への含浸性が従来
の溶剤を使用した樹脂と同等であること、熱により繊維
表面を融着させたシート状繊維基材を使用することによ
り、寸法変化、反り等を防止できること、即ち、熱によ
り繊維表面を融着させたシート状繊維基材がテンション
等による歪みが無いこと、またプリント板加工時の熱に
対して繊維が動きにくいとの知見を得、更には、粉末状
組成物においては、表面積が大きく溶融時に空気の抜け
道があるため、溶剤タイプに比べ空気の抜けがよく、空
気が内包されないこと、繊維基材への含浸性に優れてい
ること、従来の溶剤を使用したプリプレグは溶剤が完全
には無くならないため後のプレス工程で溶剤による気泡
が発生してボイドになっていたが、樹脂粉体を使用する
ことによりボイドが無く成形できるとの知見を得、これ
らの知見に基づき種々研究を進めて本発明を完成するに
至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱硬化性樹脂
及び硬化剤を必須成分とする粉末状熱硬化性樹脂組成物
を、熱により繊維表面を融着させたシート状繊維基材の
少なくとも表面に存在させることを特徴とするプリプレ
グの製造方法に関するものであり、好ましくは、粉末状
熱硬化性樹脂組成物が各成分の混合物に機械的エネルギ
ーを与えてメカノケミカル反応をさせて得られたもので
あるプリプレグの製造方法に関するものであり、また、
好ましくは前記熱硬化性樹脂組成物にカップリング剤が
添加されているプリプレグの製造方法に関するものであ
る。さらには、かかるプリプレグを、1枚又は複数枚重
ね合わせ、加熱加圧してなることを特徴とする積層板に
関するものである。
【0007】本発明において、用いられる熱硬化性樹脂
は通常粉末状であり、エポキシ樹脂が好ましいが、この
ほか、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール
樹脂などを用いることができる。熱硬化性樹脂がエポキ
シ樹脂の場合、粉末状の硬化剤としてはジシアンジアミ
ドや芳香族アミン等のアミン系硬化剤、及びノボラック
樹脂が望ましいが、酸無水物系なども用いることができ
る。また、好ましくは、粉末状の硬化促進剤を使用す
る。かかる硬化促進剤としては、イミダゾール系、第3
級アミン系等を用いることができる。これらの各成分は
上記のものに限定されるものではない。
【0008】これらの粉体の粒径としては、通常100
0μm以下であり、好ましくは0.1〜500μm、さ
らに好ましくは0.1〜200μmである。これは、1
000μmを越えると粒子重量に対しての表面積が小さ
くなり、熱硬化性樹脂、硬化剤や硬化促進剤等各成分の
互いの接点が少なくなり、均一分散が困難となるため、
反応の目標比率とは異なった比率で反応したり、均一な
反応が行われないおそれがある。また、熱硬化樹脂、硬
化剤、及び硬化促進剤の粒径の比は、前記と同様な理由
で、即ち、反応の目標比率と同じ比率で反応すること及
び均一な反応が行われるために、これらの成分の配合比
率と同じ比であることが好ましい。ただし、メカノケミ
カル反応を行う場合は、熱硬化性樹脂の粒径は、硬化
剤、硬化促進剤等の粒径に対して5〜15倍が好まし
い。これは、この範囲では熱硬化性樹脂に硬化剤及び硬
化促進剤が融合しやすい為である。
【0009】メカノケミカル反応による改質とは、「固
体による固体の改質で、粉砕、磨砕、摩擦、接触による
粒子の表面活性、表面家電を利用するものである。活性
そのものが、結晶形の転移や歪みエネルギーの増大によ
る溶解、熱分解速度の改質、あるいは機械的強度、磁気
特性になる場合と、表面活性を他の物質との反応、付着
に用いる場合とがある。工学的には機械的衝撃エネルギ
ーが利用され、摩擦、接触による電荷、あるいは磁気に
よる付着、核物質への改質剤の埋め込み、溶融による皮
膜の形成等、物理的改質のみならず化学的改質も行われ
る。」(「実用表面改質技術総覧」材料技術研究協会
編、産業技術サービスセンター、1993.3.25発行、p786)
ものである。本発明は、メカノケミカル反応による化学
的改質を利用したものであるが、固体と液体が機械的エ
ネルギーにより化学的に改質される場合をも含むもので
ある。
【0010】メカノケミカル反応のために機械的エネル
ギーを与える粉体処理方法としては、ライカイ機、ヘン
シェルミキサー、プラネタリーミキサー、ボールミル、
媒体撹拌ミル、ジェットミル、オングミル、多段石臼型
混練押し出し機等による混合乃至混練がある。この中で
オングミル(ホソカワミクロン(株)製 メカノフュージ
ョン方式等)、多段石臼型混練押し出し機((株)KCK
製:メカノケミカルディスパージョン方式等)、ジェッ
トミル((株)奈良機械製作所製:ハイブリタイザー方式
等)、媒体攪拌ミル(三井鉱山(株)乾式連続微粉砕機
ダイナミックミル)による混合乃至混練が好ましく、特
に、メカノケミカル反応を効率よく行うためには、多段
石臼型混練押し出し機((株)KCK製:メカノケミカル
ディスパージョン方式)が好ましい。
【0011】メカノケミカル反応を行うためには、粉体
の軟化点は50℃以上のものが好ましく、より好ましく
は70℃以上、さらに好ましくは80℃以上である。こ
れは、処理時粉体間あるいは粉体と処理装置との間で摩
擦、粉砕、融合により20〜50℃程度の熱が発生する
ため、この影響を受けないためである。一方、軟化点が
高すぎても有効なメカノケミカル反応が行われにくく、
かつ、後の工程である樹脂組成物の基材への含浸が困難
となるので、150℃以下、特に130℃の軟化点が好
ましい。
【0012】本発明において、粉末状熱硬化性樹脂組成
物には基材との密着性向上のためにカップリング剤が添
加されていることが好ましい。カップリング剤は、前記
組成物に対して0.2〜5.0重量%添加することが好
ましく、0.2重量%未満ではその添加効果が小さく、
5.0重量%を越えても密着性向上の効果はこれ以上良
くならず、コストアップ等の要因となる。カップリング
剤としては、エポキシシラン、アミノシラン、チタネー
ト系のカップリング剤等がある。
【0013】本発明に用いられる熱硬化性樹脂組成物に
は、耐熱性、耐燃性、耐トラッキング性等を付与するた
めに、無機充填材を加えるとことが出来る。かかる無機
充填材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、炭酸カルシウム、タルク、ウォラストナイト、ア
ルミナ、シリカ、未焼成クレー、焼成クレー、硫酸バリ
ウム等がある。これらの粒径も前記と同様である。熱硬
化性樹脂及び硬化剤等の各成分は、メカノケミカル反応
のための処理の前に、予め上記粒径にまで粉砕した後ヘ
ンシェルミキサー等にてできるだけ均一に混合すること
が好ましい。
【0014】粉体処理によりメカノケミカル反応された
粉末組成物の粒径は、通常1000μm以下であり、好
ましくは0.1〜500μmであり、更に好ましくは
0.1〜200μmである。かかる粒径は、粉末組成物
の散布ないし塗布時の流動性、及び加熱溶融時の流れや
表面の滑らかさを改良すること、基材への樹脂の含浸性
を改良すること、基材中での樹脂組成物の分布を安定化
させること等のために適している。
【0015】粉末状熱硬化性樹脂組成物は、その後、そ
のままあるいは平均粒径0.01〜1μmの微粉末添加
剤を配合し均一混合して、シート状繊維基材の少なくと
も表面に存在させることによりプリプレグを得る。
【0016】微粉末添加剤を配合することにより、粉末
状組成物の均一分散性、及び流動特性を大きく向上させ
ことができる。このような技術により、粉末状組成物を
シート状基材へ塗布・含浸する際の均一な分布、粉体塗
布面の平滑性を得ることにより均一な含浸が可能とな
る。微粉末添加剤としては、無機系微粉末が望ましいが
有機系微粉末も用いることができる。また、粒径は平均
粒径で0.01〜1μmのものを用いるが、好ましくは
0.01〜0.1μm(比表面積:50〜500m2
g程度)のものを使用する。かかる微粉末添加剤として
は、シリカ微粉末,酸化チタン微粉末等がある。平均粒
径が1μmを越えると比表面積が小さくなり単位重量当
たりの粒子数が減少すること、及び、主成分である粉末
状樹脂及び粉末状硬化剤との粒径差が小さくなることに
より、流動性向上のためのベアリング効果が十分に得ら
れないおそれがある。粉体中のベアリング効果とは、比
較的粒径の大きな粒子同士の接触点に微粒子を存在させ
ることにより、粒径の大きな粒子の移動をより自由に
し、粉末状組成物全体としての流動性を向上させるもの
である。また、微粉末添加剤の場合、2次凝集して粒径
が2〜10μmになる場合があるが<このようなもので
も1次粒子経が平均粒径0.01〜1μmのものであれ
ば十分効果がある。
【0017】粉末状組成物全体としての流動性を向上さ
せるための処理方法としては、微粉末添加剤を均一に分
散混合できる方法であればいずれの方法でも良く、この
ような処理方法としては、例えばヘンシェルミキサー,
ライカイ機,プラネタリーミキサー,ボールミル等によ
る混合が挙げられる。特に2次凝集した微粉末について
は剪断力のあるボールミル、ヘンシェルミキサーが好ま
しい。
【0018】以上のようにして得られた粉末組成物は、
散布ないし塗布等により基材の少なくとも表面に存在さ
せる。この粉末組成物の量は、基材の繊維材質、性状、
重量(単位面積当たり)により異なるが、通常、基材の
重量の40〜60%程度である。粉末組成物を基材に存
在させる方法は、基材の上面から振りかける方法、静電
塗装法、流動浸漬法、スプレーによる吹き付け法、ナイ
フコーター、コンマコーター等の各種コーターによる塗
布法等があり、特に限定されない。基材としては、ガラ
スクロス、ガラス不繊布等のガラス繊維基材の他、紙、
合成繊維等からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン
繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が
挙げられ、これらの基材の原料繊維は単独又は混合して
使用してもよい。熱により繊維表面を融着させる温度
は、繊維により異なるが、例えばガラス繊維の場合、表
面が溶け縦糸・横糸の融着する400〜900℃が好ま
しい。この熱処理後樹脂との密着性を上げるためカップ
リング処理してもよい。
【0019】前記基材に粉末組成物を基材の片面に粉末
組成物を存在せしめてもよいが、好ましくは、反り等の
面から表裏のバランスをとるために前記基材の両面に粉
末組成物を存在せしめるのが好ましい。この操作は、通
常、基材の片面ずつ行う。即ち、一方の面に存在させた
後加温して粉末組成物を基材に付着させ、次いで、他方
の面にも同様の操作を行う。この加温温度は、粉末組成
物の軟化点にもよるが、前記の理由により、粉末組成物
が付着した面の反対面(下面)では、通常、90〜17
0℃であり、好ましくは110〜150℃である。ま
た、付着面では、通常、80〜150℃であり、好まし
くは100〜140℃である。樹脂組成物を更に十分に
含浸させ、必要により樹脂を半硬化の状態にするため
に、樹脂含浸基材を加熱してもよい。この加熱温度は、
通常、100〜200℃であり、好ましくは120〜1
90℃であるが、樹脂組成物の流動性や硬化性より異な
る場合がある。
【0020】但し、基材の厚みが100μm以下(ガラ
ス基材では100g/m2 以下)と薄い場合、あるいは
粉末組成物が容易に均一に溶融する場合、片面にのみに
粉末組成物を存在せしめる方法でもよい。この場合も、
通常、その後に加温及び又は加熱する工程を設ける。
【0021】以上のようにして得られたプリプレグは、
この1枚又は複数枚を、必要により銅箔等の金属箔を重
ね合わせ、通常の方法あるいは連続的に加熱加圧して積
層板に成形される。また、かかるプリプレグを用い15
kg/cm2 以下の低圧条件にて積層板を成形すると、
得られた積層板は寸法変化及び反りが一段と向上したも
のとなる。
【0022】以上のようにして、プリプレグ及び積層板
の寸法精度、反りの性能を向上させ、さらに無溶剤によ
る省資源化及び大気汚染の低減化が図られ、低コスト化
をも達成することができる。本発明の考え方は、粉末状
熱硬化性樹脂組成物、好ましくはメカノケミカル反応し
た粉末状組成物及び熱により繊維表面を融着させたシー
ト状繊維基材を使用しこれらを組み合わせたものであ
り、このような技術により、積層板の寸法変化及び反り
の向上を可能としたものである。
【0023】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例とともに具体
的に説明する。
【0024】〔実施例1〕 高圧成形 210g/m2 のガラスクロス(日東紡績製 WE-18K )
を700℃で10分間加熱処理して縦糸と横糸の繊維を
融着させた。平均粒径150μmの粉末状のエポキシ樹
脂(油化シェル製臭素化エポキシ樹脂Ep5048,エ
ポキシ当量675)100重量部、平均粒子径15μm
の粉末状の硬化剤(ジシアンジアミド)5重量部、平均
粒径15μmの粉末状の硬化促進剤(2−エチル−4−
メチルイミダゾール)1重量部、及びエポキシシラン
(日本ユニカー製A−187)1重量部をヘンシェルミ
キサーで500rpm、5分間処理で予備混合し、次い
で、多段石臼型混練押し出し機((株)KCK製メカノケ
ミカルディスパージョンシステム KCK−80X2−
V(6))を用い、回転数200rpmにて1分間処理
してメカノケミカル反応をさせ、平均粒径150μmの
粉末樹脂組成物を得た。
【0025】この粉末樹脂組成物を、上記加熱処理した
ガラスクロスの上面に、ナイフコーターで組成物重量が
100g/m2 になるように均一に塗布し、下面側より
150℃のパネルヒーターにより約1分間加温した。次
いで、ガラスクロスを上下反対にし、もう一方の面にナ
イフコーターで重量が100g/m2 になるように均一
に塗布し、170℃の熱風加熱機で1分間加熱してプリ
プレグを得た。このプリプレグを2枚重ね合わせ、さら
にその上下に厚さ18μmの銅箔を重ね合わせ、温度1
65℃、圧力60kg/cm2 で90分間加熱加圧成形
して、厚さ0.42mmの銅張積層板を作製した。
【0026】〔実施例2〕 低圧成形 実施例1と同様にして得られた平均粒径150μmの粉
末樹脂組成物を、実施例1と同様に加熱処理したガラス
クロスの上面に、ナイフコーターで組成物重量が200
g/m2 になるように均一に塗布して、下面側より15
0℃のパネルヒーターにより約2分間加温した。このプ
リプレグを2枚重ね合わせ、さらにその上下に厚さ18
μmの銅箔を重ね合わせ、温度165℃、圧力10kg
/cm2 で90分間加熱加圧成形して、厚さ0.42m
mの銅張積層板を作製した。
【0027】〔比較例1〕実施例1と同様にして得られ
た平均粒径150μmの粉末樹脂組成物を、210g/
2 のカップリング処理したガラスクロス(日東紡績製
WE-18KRB-84)の上面に、ナイフコーターで組成物重量
が200g/m2 になるように均一に塗布して実施例1
と同様にしてプリプレグを得た。このプリプレグを2枚
重ね合わせ、さらにその上下に厚さ18μmの銅箔を重
ね合わせ、温度165℃、圧力60kg/cm2 で90
分間加熱加圧成形して、厚さ0.42mmの銅張積層板
を作製した。
【0028】以上の実施例及び比較例で得られたプリプ
レグについては、ガラスクロスへの組成物の含浸性を測
定し、銅張積層板については、成形性、寸法変化、半田
耐熱性及び絶縁抵抗を測定した。その結果を表1に示
す。
【0029】
【表1】
【0030】(測定方法) 1.含浸性:プリプレグを実体顕微鏡にて観察して、ガ
ラス繊維間のボイドの有無を確認した。 2.成形性:銅張積層板の銅箔をエッチングして、目視
により硬化剤等の析出の有無を観察し、分散性の評価を
する。 3.寸法変化率:穴間隔が250mmの銅張積層板のテ
ストピースを170℃、30分間加熱した後の穴間隔の
寸法変化率を測定した。 4.半田耐熱性:50×50mm角の積層板を、260
℃の半田浴に3分間フロートさせ、ふくれの有無を測定
した。 5.絶縁抵抗:JIS C 6481により測定した。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法は、有機溶剤を使用しない
ので、大気汚染が無く、省資源化することができる。ま
た、熱により繊維表面を融着させたシート状繊維基材を
使用するので、品質上も寸法変化が小さく安定しており
良好な特性の積層板を得ることができる。そして、低コ
スト化の点でも優れており、工業的な積層板の製造方法
として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/04 B32B 27/04 Z 27/38 27/38 31/20 31/20 H05K 3/46 H05K 3/46 G // B29K 63:00 105:08 Fターム(参考) 4F072 AA07 AB09 AB30 AC01 AD29 AE01 AE02 AG03 AH05 AH25 AJ04 AJ13 AJ15 AK02 AK05 AK14 AL13 4F100 AB17 AB33B AG00 AH02H AH03H AH06H AK01A AK53 AL05A BA02 BA03 BA44 CA02A CA30A DE01A DE01H DG06A DG12 DH01A EA061 EH012 EH071 EH171 EH462 EJ161 EJ202 EJ422 GB43 JB13A JL00 JL04 5E346 CC02 CC08 DD02 EE02 EE09 EE13 GG02 HH11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂及び硬化剤を必須成分とす
    る粉末状熱硬化性樹脂組成物を、熱により繊維表面を融
    着させたシート状繊維基材の少なくとも表面に存在させ
    ることを特徴とするプリプレグの製造方法。
  2. 【請求項2】 粉末状熱硬化性樹脂組成物が各成分の混
    合物に機械的エネルギーを与えてメカノケミカル反応を
    させて得られたものである請求項1記載のプリプレグの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂及び硬化剤が粉末状である
    請求項2記載のプリプレグの製造方法。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂組成物にカップリング剤が
    添加されている請求項1,2又は3記載のプリプレグの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 メカノケミカル反応を起こさせるための
    装置が、ジェットミル、オングミル、媒体撹拌式ミル又
    は多段石臼型混練押し出し機である請求項1、2,3又
    は4記載のプリプレグの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1,2、3,4又は5記載の方法
    により得られたプリプレグを1枚又は複数枚重ね合わ
    せ、加熱加圧することを特徴とする積層板又は金属箔張
    積層板の製造方法。
JP11147179A 1999-05-26 1999-05-26 プリプレグ及び積層板の製造方法 Pending JP2000336190A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11147179A JP2000336190A (ja) 1999-05-26 1999-05-26 プリプレグ及び積層板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11147179A JP2000336190A (ja) 1999-05-26 1999-05-26 プリプレグ及び積層板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000336190A true JP2000336190A (ja) 2000-12-05

Family

ID=15424377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11147179A Pending JP2000336190A (ja) 1999-05-26 1999-05-26 プリプレグ及び積層板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000336190A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003025325A (ja) * 2001-07-23 2003-01-29 Sumitomo Bakelite Co Ltd 複合粒子の製造方法
JP2013203747A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Sumitomo Bakelite Co Ltd 複合体組成物および複合体組成物製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003025325A (ja) * 2001-07-23 2003-01-29 Sumitomo Bakelite Co Ltd 複合粒子の製造方法
JP2013203747A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Sumitomo Bakelite Co Ltd 複合体組成物および複合体組成物製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1999027002A1 (fr) Procedes de production de preimpregnes et de stratifies en planche
JP2000344917A (ja) 難燃性プリプレグ及び積層板
JP3373164B2 (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法
JP2000336190A (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法
JP2000345006A (ja) 難燃性プリプレグ及び積層板
JP2000280241A (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法
JP2000273222A (ja) 難燃性プリプレグ及び積層板
JPH11302411A (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法
JP2000344916A (ja) 難燃性プリプレグ及び積層板
JP3582770B2 (ja) 積層板の製造方法
JPH11240967A (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法
JP2000327812A (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法
JP2000280242A (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法
JP2000273219A (ja) プリプレグ及び積層板
JP2000273217A (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法
JPH11309808A (ja) 接着剤付き金属箔、金属箔付きプリプレグ及び積層板
JP2000273218A (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法
JPH11246687A (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法
JP2000273238A (ja) 難燃性プリプレグ及び積層板
JP2000271930A (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法
JPH11246688A (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法
JPH11350359A (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法
JP3565737B2 (ja) 積層板の製造方法
JP2000273223A (ja) 難燃性プリプレグ及び積層板
JP4301044B2 (ja) プリプレグ及び積層板の製造方法