JP2013203747A - 複合体組成物および複合体組成物製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂に繊維状フィラーを充填し、力学強度を高め、さらに透明性を改善した複合組成物を得ることを目的とする。
【解決手段】織布または不織布と樹脂を含む複合体組成物であって、該織布または不織布を構成している繊維の一部が隣接する繊維と点または線上に融着した複合体組成物を作製。前記繊維はガラスで構成されおり、該織布または不織布はガラス繊維を含み、当該ガラスのガラス軟化温度より低い温度で加熱したことにより融着させものを使用した。
【選択図】 図1
【解決手段】織布または不織布と樹脂を含む複合体組成物であって、該織布または不織布を構成している繊維の一部が隣接する繊維と点または線上に融着した複合体組成物を作製。前記繊維はガラスで構成されおり、該織布または不織布はガラス繊維を含み、当該ガラスのガラス軟化温度より低い温度で加熱したことにより融着させものを使用した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、織布または不織布と樹脂を含む複合体組成物に関する。
フィラーによる樹脂の補強は、フィラーのヤング率が大きい程、樹脂への補強効果が大きいことが知られている。
本目的で使用されるフィラーとしては、粒子、織布、不織布などが良く使用される。
粒子を用いた場合は、ヤング率は大きくなるが、もろくなると言う欠点がある。
一方、織布または不織布のヤング率は、織布または不織布を構成する繊維の組成物のヤング率よりも小さくなることが知られている。これは、組成物が繊維の形態になることで、強度に方向性が生じるためである。そのため、織布または不織布を樹脂の補強に用いた場合、織布または不織布を構成する繊維の組成物が有する樹脂の補強効果を充分に活用できないという問題がある。
粒子を用いた場合は、ヤング率は大きくなるが、もろくなると言う欠点がある。
一方、織布または不織布のヤング率は、織布または不織布を構成する繊維の組成物のヤング率よりも小さくなることが知られている。これは、組成物が繊維の形態になることで、強度に方向性が生じるためである。そのため、織布または不織布を樹脂の補強に用いた場合、織布または不織布を構成する繊維の組成物が有する樹脂の補強効果を充分に活用できないという問題がある。
本発明の目的は、高いヤング率を有する織布または不織布を基材に用い、線膨張係数の低い複合体組成物を得ることである
このような目的は、下記(1)〜(7)に記載の本発明により達成される。
(1)織布または不織布(a)と樹脂(b)を含む複合体組成物であって、該織布または不織布を構成している繊維の一部が隣接する繊維と点または線上に融着したことを特徴とする複合体組成物。
(2)前記織布または不織布(a)を構成している繊維がガラス繊維である(1)に記載の複合体組成物。
(3)前記織布または不織布(a)の融着が、該織布または不織布を構成するガラス繊維のガラス軟化温度より低い温度で加熱したものである(1)または(2)に記載の複合体組成物。
(4)前記織布または不織布(a)の組成物が、EガラスまたはCガラスの少なくともいずれか1種である(1)ないし(3)いずれか1項に記載の複合体組成物。
(5)樹脂(b)が、熱可塑性樹脂、及び/又は硬化性樹脂であるである(1)記載の複合体組成物。
(6)前記硬化性樹脂が、エポキシ系樹脂またはアクリル系樹脂である(5)記載の複合体組成物。
(7)(1)ないし(6)いずれか1項に記載の複合体組成物であって、以下の工程で製造する複合体組成物製造方法
(1)該織布または不織布を構成するガラス繊維のガラス軟化温度より低い温度で加熱、(2)該織布または不織布に硬化性樹脂を含浸、
(3)織布または不織布含浸させた樹脂を硬化。
(1)織布または不織布(a)と樹脂(b)を含む複合体組成物であって、該織布または不織布を構成している繊維の一部が隣接する繊維と点または線上に融着したことを特徴とする複合体組成物。
(2)前記織布または不織布(a)を構成している繊維がガラス繊維である(1)に記載の複合体組成物。
(3)前記織布または不織布(a)の融着が、該織布または不織布を構成するガラス繊維のガラス軟化温度より低い温度で加熱したものである(1)または(2)に記載の複合体組成物。
(4)前記織布または不織布(a)の組成物が、EガラスまたはCガラスの少なくともいずれか1種である(1)ないし(3)いずれか1項に記載の複合体組成物。
(5)樹脂(b)が、熱可塑性樹脂、及び/又は硬化性樹脂であるである(1)記載の複合体組成物。
(6)前記硬化性樹脂が、エポキシ系樹脂またはアクリル系樹脂である(5)記載の複合体組成物。
(7)(1)ないし(6)いずれか1項に記載の複合体組成物であって、以下の工程で製造する複合体組成物製造方法
(1)該織布または不織布を構成するガラス繊維のガラス軟化温度より低い温度で加熱、(2)該織布または不織布に硬化性樹脂を含浸、
(3)織布または不織布含浸させた樹脂を硬化。
本発明により、基材に用いる織布または不織布のヤング率が増大することにより、線膨張係数の低い複合体組成物を得ることができた。
以下に、本発明について詳細に述べる。
まず、本発明は、樹脂と繊維状フィラーとを含む複合体組成物に関するものである。
まず、本発明は、樹脂と繊維状フィラーとを含む複合体組成物に関するものである。
樹脂と繊維状フィラーを含む複合体組成物において、繊維状フィラーのヤング率が大きいほど、樹脂の補強効果が大きいことはすでに知られている。例えば、樹脂とフィラーの複合体組成物の熱膨張率を推算するShapery式では、フィラーの弾性率が大きいほど、複合体組成物の熱膨張率が基材の熱膨張率に近い値となる、つまり、複合体組成物の熱膨張率が小さくなることを示している。(参考文献 J. COMPOSITE MATERIALS, Vol. 2, No. 3, p. 380-404)
しかし、繊維が形成する織布または不織布のヤング率は、構成する繊維に比べて低いため、繊維の高いヤング率の効果を充分に活用することが出来なかった。
かかる課題に対し、本発明者は、織布または不織布を構成する繊維同士を線または点で融着させることにより、高いヤング率を有する織布または不織布を作製し、該織布または不織布を用いることでより低い線膨張係数を有する複合体組成物を作製できることを見出した。
該織布または不織布は、織布または不織布をガラス軟化点より低い温度で加熱することで作製する。加熱温度はガラス軟化点より50℃から250℃低い温度が好ましく、この温度範囲より高い温度で加熱した場合は融着が過度に進行して板となり、低い温度で加熱した場合は融着が生じない。
該織布または不織布作製時の加熱温度が高いほど、ヤング率が大きい織布または不織布が得られる。例えば、Cガラスで構成された不織布の30℃におけるヤング率は0.63GPaであるが、Cガラスで構成された不織布を空気中、500℃で1時間加熱した不織布の30℃におけるヤング率は1.5GPaとなり、570℃で1時間加熱した不織布の30℃におけるヤング率は20GPaとなる。
上記条件で処理し、織布または不織布を構成する繊維同士で融着が起こっているか否かは、例えば、図1〜4に記載するように、走査型電子顕鏡を用いた繊維の観察で確認することが可能である。具体的には、各図の矢印箇所に繊維同士の融着が発生していることが観
察される。
察される。
まず、本発明で用いる繊維状フィラーについて説明する。本発明の繊維状フィラーは、ガラス繊維で構成された織布または不織布である。
ガラス繊維の平均繊維径は、50nm〜20μmが好ましく、選ぶ繊維径によって得られる複合体組成物の剛性や成型性、厚さ等の特性を所望の状態に調整することができる。
平均繊維径が、この範囲を超えると剛性が非常に高くなり、得られた複合体組成物の中で繊維が割れやすいという問題がある。また、50nm未満のガラス繊維の作製は困難である。
平均繊維径が、この範囲を超えると剛性が非常に高くなり、得られた複合体組成物の中で繊維が割れやすいという問題がある。また、50nm未満のガラス繊維の作製は困難である。
ガラス繊維のガラスの種類としては、例えば、Cガラス、Eガラス、Aガラス、Sガラス、T
ガラス、Dガラス、NEガラス、クオーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラスなどが上げら
れ、中でも軟化点温度の低いCガラスが好ましく、また、アルカリ金属などのイオン性不
純物が少なく入手の容易なEガラス、Sガラス、Tガラス、NEガラスが好ましい。
ガラス、Dガラス、NEガラス、クオーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラスなどが上げら
れ、中でも軟化点温度の低いCガラスが好ましく、また、アルカリ金属などのイオン性不
純物が少なく入手の容易なEガラス、Sガラス、Tガラス、NEガラスが好ましい。
ガラス繊維が織布である場合、例えば、断面が円形又は楕円形等であり、かつ断面最長径が3〜10μm程度の長繊維(フィラメント)を、100〜800本程度撚り合わせたヤーンを、経糸及び緯糸として用いて、これらの糸を交錯させるように織ることにより得られる。織り方としては、平織、綾織及び朱子織等が挙げられる。
ガラス繊維が不織布である場合、例えば、断面が円形又は楕円形のガラス繊維を抄造することにより得られる。
また、ガラス繊維が不織布である場合、例えば、エレクトロスピニングによるゾル−ゲル法によって、繊維径が1μm未満の不織布を得ることができる。また、市販の不織布を使用しても良い。
また、ガラス繊維が不織布である場合、例えば、エレクトロスピニングによるゾル−ゲル法によって、繊維径が1μm未満の不織布を得ることができる。また、市販の不織布を使用しても良い。
ここで平均繊維径の測定は以下のように行う。
固形分率で0.05重量%〜0.1重量%の繊維状フィラーの分散体を調製し、該分散体を、カーボン膜被覆グリッド上にキャストしてTEM観察用試料とする。また、大きな繊維径の繊維を含む場合には、ガラス上へキャストした表面のSEM像を観察してもよい。構成する繊維の大きさに応じて5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。この際に、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定した場合に少なくとも軸に対し、20本以上の繊維が軸と交差するような試料および観察条件(倍率等)とする。この条件を満足する観察画像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維径を目視で読み取っていく。こうして最低3枚の重なっていない表面部分の画像を電子顕微鏡で撮影し、各々2つの軸に交錯する繊維の繊維径の値を読み取る(したがって、最低20本×2×3=120本の繊維径の情報が得られる)。こうして得られた繊維径のデータにより平均繊維径を算出する。
固形分率で0.05重量%〜0.1重量%の繊維状フィラーの分散体を調製し、該分散体を、カーボン膜被覆グリッド上にキャストしてTEM観察用試料とする。また、大きな繊維径の繊維を含む場合には、ガラス上へキャストした表面のSEM像を観察してもよい。構成する繊維の大きさに応じて5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。この際に、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定した場合に少なくとも軸に対し、20本以上の繊維が軸と交差するような試料および観察条件(倍率等)とする。この条件を満足する観察画像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維径を目視で読み取っていく。こうして最低3枚の重なっていない表面部分の画像を電子顕微鏡で撮影し、各々2つの軸に交錯する繊維の繊維径の値を読み取る(したがって、最低20本×2×3=120本の繊維径の情報が得られる)。こうして得られた繊維径のデータにより平均繊維径を算出する。
本発明に用いられる樹脂材料としては特に制限されないが、各種熱可塑性樹脂、各種硬化性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリポリスチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレート、ポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトン、ポリプロピルラクトン等のポリエステル、ポリエチレン
グリコール等のポリエーテル、ポリグルタミン酸、ポリリジン等のポリアミド、アルキルノルボルネン共重合体、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等を用いることが出来る。
グリコール等のポリエーテル、ポリグルタミン酸、ポリリジン等のポリアミド、アルキルノルボルネン共重合体、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等を用いることが出来る。
硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
複合体組成物をディスプレイ用途に用いる場合は、特にエポキシ樹脂、アクリル樹脂は透明性が優れるため、最も好適である。
複合体組成物をディスプレイ用途に用いる場合は、特にエポキシ樹脂、アクリル樹脂は透明性が優れるため、最も好適である。
具体的には、化1に示す化合物から構成されるアクリル樹脂、および、化2に示す化合物から構成されるエポキシ樹脂は、透明性が優れるため、前記用途に用いる場合に好適である。
また前記熱可塑性樹脂及び硬化性樹脂はそれぞれ個々に用いることが出来、また、2つ以上を組み合わせて用いることも出来る。
硬化性樹脂を用いる場合は、例えば、該織布または不織布を、樹脂に硬化促進剤を添加したもの(ワニス)に含浸し、離型フィルムに挟んだ後に紫外光を照射することで樹脂を硬化させ、加熱してアニーリングを行うことで複合体組成物が得られる。
ここで用いる離型フィルムは、紫外光を透過するものが効率が良く好ましい。
また、アニーリング温度は、特に限定しないが、100〜300℃で樹脂が溶融しない温度が好ましい。
ここで用いる離型フィルムは、紫外光を透過するものが効率が良く好ましい。
また、アニーリング温度は、特に限定しないが、100〜300℃で樹脂が溶融しない温度が好ましい。
含浸させ硬化させるまでの間に、樹脂中に含まれる気泡、溶存気体を除去するために、減圧による脱泡操作を実施しても良い。
また、硬化において加熱、加圧によって硬化反応を実施することも可能である。
また、硬化において加熱、加圧によって硬化反応を実施することも可能である。
熱可塑性樹脂を用いる場合は、例えば、溶融させた樹脂を織布、不織布に含浸させた後、加圧式プレス、その後の冷却によって、作製することができる。
本発明の複合体組成物は任意の方法により各成分を混合することにより得ることができる。例えば、該織布または不織布を、樹脂を含浸することにより複合することができる。
本発明の複合体組成物を太陽電池用基板、有機EL用基板、電子ペーパー用基板、液晶表示素子用プラスチック基板などの透明フィルムとして用いる場合、全光線透過率が60%以
上であることが好ましく、さらに好ましくは80%以上であり、最も好ましくは88%以上である。少なくとも可視光領域である波長400〜700nmの光線透過率が60%以上であることが好ましい。
上であることが好ましく、さらに好ましくは80%以上であり、最も好ましくは88%以上である。少なくとも可視光領域である波長400〜700nmの光線透過率が60%以上であることが好ましい。
本発明において作製した複合体組成物を、光学用途、すなわち透明板、光学レンズ、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路、LED封止材等に適用する場合、25〜200℃の平均熱膨張係数(線膨張係数)が4〜50ppm/℃であることが好ましく、4〜40ppm/℃以下であることがさらに好ましい。平均熱膨張係数が上限値を超えると、製造工程において複合体組成物の反りや複合体組成物上に形成されたアルミ配線の断線などの問題が生じるおそれがあるからである。
本発明の複合体組成物を、例えば液晶表示用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用基板、太陽電池用基板、タッチパネルとして用いる場合、基板の厚さは10〜2000μmであることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましい。基板の厚さがこの範囲にあれば、平坦性に優れ、ガラス基板と比較して、基板の軽量化を図ることができる。
本発明の複合体組成物において、硬化性樹脂を用いた場合、硬化させる方法は特に限定されないが、例えばカルボジイミド、ヒドラジド、エポキシ樹脂、酸無水物や脂肪族アミン等の架橋剤、またはカチオン系硬化触媒もしくはアニオン系硬化触媒等の硬化促進剤を添加することができる。
以上、本発明の複合体組成物の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば複合体組成物には、任意の構成物が付加されていてもよい。
本発明の複合体組成物は、以下の手順により作製することができる。
(1)ガラス繊維を含む織布、不織布を、ガラス軟化温度より低い温度で処理し、ガラス繊維が連結した織布、不織布を作製する工程。
(2)続いて、ガラス繊維を連結させた織布、不織布に、硬化性樹脂を含浸させる工程。(3)さらに、含浸させた樹脂を硬化させ複合体組成物を得る工程。
以上の三工程を経て、繊維状フィラーを充填し、力学強度を高め、さらに透明性を改善した複合体組成物を得ることが可能となる。
前記三工程は、各工程を別々にしたバッチ方式で行っても良く、また連続的に行っても良い。
(1)ガラス繊維を含む織布、不織布を、ガラス軟化温度より低い温度で処理し、ガラス繊維が連結した織布、不織布を作製する工程。
(2)続いて、ガラス繊維を連結させた織布、不織布に、硬化性樹脂を含浸させる工程。(3)さらに、含浸させた樹脂を硬化させ複合体組成物を得る工程。
以上の三工程を経て、繊維状フィラーを充填し、力学強度を高め、さらに透明性を改善した複合体組成物を得ることが可能となる。
前記三工程は、各工程を別々にしたバッチ方式で行っても良く、また連続的に行っても良い。
本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明の技術範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
Cガラス系ガラス不織布(日本板硝子製、ガラスペーパー)をオーブンに入れ空気中580 oC
で1時間加熱した。
該不織布をSEM観察し、繊維同士の連結を確認した。SEM観察は、具体的には該不織布にPt粒子を蒸着させ、日本電子(株)JSM‐7401F型走査電子顕微鏡を用いて真空条件下にて行った。
Cガラス系ガラス不織布(日本板硝子製、ガラスペーパー)をオーブンに入れ空気中580 oC
で1時間加熱した。
該不織布をSEM観察し、繊維同士の連結を確認した。SEM観察は、具体的には該不織布にPt粒子を蒸着させ、日本電子(株)JSM‐7401F型走査電子顕微鏡を用いて真空条件下にて行った。
この繊維同士が連結した不織布に、式(1)で示されるポリエチレングリコール‐ジアクリレート(新中村化学製、A600)100重量部に、光重合開始剤として2‐ヒドロキシ‐2‐メ
チル‐1‐フェニル‐プロパン‐1‐オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、DAROCUR
1173)1重量部添加したワニスを含浸し、脱泡した。
チル‐1‐フェニル‐プロパン‐1‐オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、DAROCUR
1173)1重量部添加したワニスを含浸し、脱泡した。
この樹脂を含浸した不織布を離型PETフィルムで挟み、さらにガラス板で挟み、両面から
約1400 mJ / cm2のUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中250 oCで1時間加熱し、厚さ110μmの透明シートを得た。
約1400 mJ / cm2のUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中250 oCで1時間加熱し、厚さ110μmの透明シートを得た。
該シートの線膨張係数は、セイコー電子(株)TMA/SS120C型熱応力歪測定装置を用いて求
めた。該シートをカットし、金属チャックを用いて装置内に設置し、窒素雰囲気下で、1
分間に7 oCの割合で25 oCから250 oCまで上昇させて10分間保持し、その後、1分間に7oC
の割合で250 oCから−50 oCまで低下させ、その後1分間に7 oCの割合で−50 oCから250 oCまで上昇させた。線膨張係数は、二度目の昇温時の20〜30 oC、95〜105 oC、145〜155 oC、195〜205 oCにおける伸長を測定して求めた。求めた線膨張係数は表1に記載した。
めた。該シートをカットし、金属チャックを用いて装置内に設置し、窒素雰囲気下で、1
分間に7 oCの割合で25 oCから250 oCまで上昇させて10分間保持し、その後、1分間に7oC
の割合で250 oCから−50 oCまで低下させ、その後1分間に7 oCの割合で−50 oCから250 oCまで上昇させた。線膨張係数は、二度目の昇温時の20〜30 oC、95〜105 oC、145〜155 oC、195〜205 oCにおける伸長を測定して求めた。求めた線膨張係数は表1に記載した。
(実施例2)
不織布の加熱処理温度が570 oC、得られた透明シートの厚さが120μmであること以外は実施例1と同じ。
不織布の加熱処理温度が570 oC、得られた透明シートの厚さが120μmであること以外は実施例1と同じ。
(実施例3)
不織布の加熱処理温度が500 oC、得られた透明シートの厚さが160μmであること以外は実施例1と同じ。
不織布の加熱処理温度が500 oC、得られた透明シートの厚さが160μmであること以外は実施例1と同じ。
(実施例4)
不織布に含浸した樹脂が式(2)で示される脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、EBP)100重量部、光重合開始剤が芳香族スルホニウム塩(三新化学工業製、サンエ
イドSI-100Lと旭電化工業製、アデカオプトマーSP‐170の光重合開始剤1:1の混合物)
2重量部、得られた透明シートの厚さが110μmであること以外は実施例1と同じ。
不織布に含浸した樹脂が式(2)で示される脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、EBP)100重量部、光重合開始剤が芳香族スルホニウム塩(三新化学工業製、サンエ
イドSI-100Lと旭電化工業製、アデカオプトマーSP‐170の光重合開始剤1:1の混合物)
2重量部、得られた透明シートの厚さが110μmであること以外は実施例1と同じ。
(実施例5)
不織布の加熱処理温度が570 oCであり、不織布に含浸した樹脂が式(2)で示される脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、EBP)100重量部、光重合開始剤が芳香族スルホニウム塩(三新化学工業製、サンエイドSI-100Lと旭電化工業製、アデカオプトマーSP
‐170の光重合開始剤1:1の混合物)2重量部、得られた透明シートの厚さが130μ
mであること以外は実施例1と同じ。
不織布の加熱処理温度が570 oCであり、不織布に含浸した樹脂が式(2)で示される脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、EBP)100重量部、光重合開始剤が芳香族スルホニウム塩(三新化学工業製、サンエイドSI-100Lと旭電化工業製、アデカオプトマーSP
‐170の光重合開始剤1:1の混合物)2重量部、得られた透明シートの厚さが130μ
mであること以外は実施例1と同じ。
(実施例6)
不織布の加熱処理温度が500 oCであり、不織布に含浸した樹脂が式(2)で示される脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、EBP)100重量部、光重合開始剤が芳香族スルホニウム塩(三新化学工業製、サンエイドSI-100Lと旭電化工業製、アデカオプトマーSP
‐170の光重合開始剤1:1の混合物)2重量部、得られた透明シートの厚さが170μmであること以外は実施例1と同じ。
不織布の加熱処理温度が500 oCであり、不織布に含浸した樹脂が式(2)で示される脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、EBP)100重量部、光重合開始剤が芳香族スルホニウム塩(三新化学工業製、サンエイドSI-100Lと旭電化工業製、アデカオプトマーSP
‐170の光重合開始剤1:1の混合物)2重量部、得られた透明シートの厚さが170μmであること以外は実施例1と同じ。
(実施例7)
用いた不織布がEガラス不織布(日本バイリーン社製、EPM−4015)であり、不織布の加熱処理温度が740 oC、得られた透明シートの厚さが70μmであること以外は実施例1と同じ。
用いた不織布がEガラス不織布(日本バイリーン社製、EPM−4015)であり、不織布の加熱処理温度が740 oC、得られた透明シートの厚さが70μmであること以外は実施例1と同じ。
(比較例1)
不織布に加熱処理を行っていないこと、得られた透明シートの厚さが200μmであること以外は実施例1と同じ。
不織布に加熱処理を行っていないこと、得られた透明シートの厚さが200μmであること以外は実施例1と同じ。
(比較例2)
不織布に加熱処理を行っておらず、また、不織布に含浸した樹脂が式(2)で示される脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、EBP)100重量部、光重合開始剤が芳香族スルホニウム塩(三新化学工業製、サンエイドSI-100Lと旭電化工業製、アデカオプトマーSP‐170の光重合開始剤1:1の混合物)2重量部、得られた透明シートの厚さが180μmであること以外は実施例1と同じ。
不織布に加熱処理を行っておらず、また、不織布に含浸した樹脂が式(2)で示される脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、EBP)100重量部、光重合開始剤が芳香族スルホニウム塩(三新化学工業製、サンエイドSI-100Lと旭電化工業製、アデカオプトマーSP‐170の光重合開始剤1:1の混合物)2重量部、得られた透明シートの厚さが180μmであること以外は実施例1と同じ。
前記の表1において、ガラスCは日本板硝子社製Cガラスペーパー、ガラスEは日本バイリーン社製EPM-4015,樹脂A600は新中村化学社製PEG−ジアクリレートA
600、樹脂EBPはダイセル化学EBP、加熱温度は不織布加熱時の温度、加熱時間は不織布を加熱温度で保持した時間であり、線膨張係数は前述の通りである。
600、樹脂EBPはダイセル化学EBP、加熱温度は不織布加熱時の温度、加熱時間は不織布を加熱温度で保持した時間であり、線膨張係数は前述の通りである。
Claims (7)
- 織布または不織布(a)と樹脂(b)を含む複合体組成物であって、
該織布または不織布を構成している繊維の一部が隣接する繊維と点または線上に融着したことを
特徴とする複合体組成物。 - 前記織布または不織布(a)を構成している繊維がガラス繊維である請求項1に記載の複合体組成物。
- 前記織布または不織布(a)の融着が、該織布または不織布を構成するガラス繊維のガラス軟化温度より低い温度で加熱したものである請求項1または2に記載の複合体組成物。
- 前記織布または不織布(a)の組成物が、EガラスまたはCガラスの少なくともいずれか1種である請求項1ないし3いずれか1項に記載の複合体組成物。
- 樹脂(b)が、熱可塑性樹脂、及び/又は硬化性樹脂であるである請求項1記載の複合体組成物。
- 前記硬化性樹脂が、エポキシ系樹脂またはアクリル系樹脂である請求項5記載の複合体組成物。
- 請求項1ないし6いずれか1項に記載の複合体組成物であって、以下の工程で製造する複合体組成物製造方法
(1)該織布または不織布を構成するガラス繊維のガラス軟化温度より低い温度で加熱、(2)該織布または不織布に硬化性樹脂を含浸、
(3)織布または不織布含浸させた樹脂を硬化。
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2012
- 2012-03-27 JP JP2012070687A patent/JP2013203747A/ja active Pending
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