JPH11349473A - 味マスキング医薬製剤 - Google Patents

味マスキング医薬製剤

Info

Publication number
JPH11349473A
JPH11349473A JP10154422A JP15442298A JPH11349473A JP H11349473 A JPH11349473 A JP H11349473A JP 10154422 A JP10154422 A JP 10154422A JP 15442298 A JP15442298 A JP 15442298A JP H11349473 A JPH11349473 A JP H11349473A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coated
coating
drug
unpleasant taste
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10154422A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3466921B2 (ja
Inventor
Yuzo Tomohira
裕三 友平
Yoshiharu Inoue
美晴 井上
Masashi Mukai
正志 向井
Keiichi Oka
慶一 岡
Toshio Nakamura
利夫 中村
Masaaki Kotomi
正昭 小富
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP15442298A priority Critical patent/JP3466921B2/ja
Publication of JPH11349473A publication Critical patent/JPH11349473A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3466921B2 publication Critical patent/JP3466921B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 苦味等の不快な味の薬物の製剤化に際して、
その薬物含有核粒子を被覆をほどこし、服用時における
薬物の不快な味を遮蔽すると共に、胃内酸性度に依存す
ることなく消化管内において速やかに薬物が溶出し、生
物学的利用率を低下させない味マスキング製剤を提供す
る。 【解決手段】 不快な味を有する薬物を含有した核粒子
に、低融点物質および低分子量水溶性物質からなる被膜
を被覆して被覆散剤または被覆顆粒剤とすることにより
所望の味マスキング医薬製剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不快な味をマスキン
グした医薬製剤、詳しくは、不快な味を有する薬物を含
有した核粒子に、低融点物質および低分子量水溶性物質
からなる被膜を被覆してなることを特徴とする被覆散剤
または被覆顆粒剤からなる味マスキング医薬製剤に関す
る。本発明の目的は、服用時において薬物の不快な味を
遮蔽し、服用感に優れ、消化管内では胃内酸性度に依存
することなく製剤が速やかに崩壊して薬物が溶出するこ
とにより、薬物のバイオアベイラビリティー(生物学的
利用率)を損なうことのない被覆散剤または被覆顆粒剤
を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】苦味などの不快な味を有した薬物は服用
が困難であるが、錠剤の場合には水溶性高分子等の簡単
な被膜を被覆することで簡単に苦味を遮蔽でき、また速
放出性の溶出も確保できる。一方、不快な味を有した薬
物を顆粒剤、散剤等の小さな固形粒子とした場合には、
速放出性の溶出と苦味マスキングの両立は困難である。
散剤、顆粒剤などでは、水不溶性高分子、胃溶性高分
子、腸溶性高分子の被膜を被覆することが一般的である
が、吸収部位が消化管上部に限定される薬物の場合に
は、消化管内、特に胃内で速やかに薬物を溶出させるこ
とが必要であり、その場合は被膜を厚くできないので、
薬物の苦味が強いほど苦味マスキングと速放性溶出の両
立はさらに困難となる。胃内で速やかに薬物を放出させ
るためには、腸溶性高分子被膜は好ましくなく、また、
投与患者が中高年齢である場合、平均して胃内酸性度が
低くpHが高いため、胃溶性高分子を被覆することは生
物学的利用率を低下させる可能性が高い。また、不快な
味を有する薬物が水に溶けにくく、苦味が非常に強い場
合においては、十分な苦味マスキング効果を達成するた
めそれらの被膜を厚くする必要があり、速放性を確保す
るために水不溶性高分子に水溶性高分子を添加した被膜
からなる混合被膜でさえも、薬物が徐放化する可能性が
ある。かかる事情にかんがみ、服用時の苦味をマスキン
グすると共に消化管内で速やかに崩壊、溶出させる方法
として、特開昭62−258327号公報には、硬化油
および水溶性コーティング基剤からなるコーティング組
成物を用いて、コーティングすることを特徴とする被覆
散剤及び被覆顆粒剤の製造方法が開示されている。しか
し、この方法は水溶性コーティング基剤として水溶性高
分子を用いているため、コーティング液の粘度が高く、
コーティング液中の固形分濃度を高くできないため、溶
媒の使用量が多くなるなり、コーティングに長時間を要
する等の欠点が生じる。
【0003】特開昭57−58631号公報には、胃液
および腸液に不溶性の高分子被覆剤と水溶性高分子被覆
剤とを有してなる被覆用組成物が開示されている。しか
し、この組成物は服用感が悪く、苦みマスキングを目的
とした速放性製剤とするには溶出制御が難しく、また胃
液酸性度の影響を受けやすいなどの問題点を有する。特
開平3−130214号公報には、水膨潤性物質を多量
に含む核粒子を、エチルセルロースおよび水溶性物質か
らなる被膜で被覆した製剤が開示されている。しかし、
この製剤は服用感が悪く、エチルセルロースおよび水溶
性物質として水溶性高分子を用いているため粘度が高く
なり、充分な全固形分濃度のコーティング剤が得られな
い。また、被膜量の増大に伴って溶出が遅延するため、
苦味をマスキングし且つ速放性を得るには最適な被膜量
の幅が狭い等の欠点を有する。特開平5−255075
号公報には、低融点物質を加熱溶融し、その中に胃溶性
高分子化合物を分散した被覆組成物と、不快な味を有す
る薬物を溶融造粒する方法が開示されている。しかし、
この方法は胃溶性高分子を用いるため、胃内酸性度が低
い患者では速放出性を確保できず、更に薬物が難溶性で
あれば益々溶出が遅延する欠点を有する。このように、
従来においては、散剤、顆粒剤による不快な味の遮蔽に
おいて、短時間の完全なる苦味の遮蔽と消化管内での速
やかな崩壊、溶出、および服用感についての全てを満足
する技術は開発されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は薬物の不快な
味の強さの程度とは無関係に不快な味を遮蔽し、服用感
に優れ、消化管内での速やかな溶出性及び生物学的利用
率を損なうことのない粒状の医薬用組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは、製剤や顆粒剤の被覆に適した被覆剤
について種々研究を重ねた結果、低融点物質と低分子量
の水溶性物質との組合せからなるコーティング基剤を用
いて薬物含有の核粒子を被覆することによりその目的を
達成しうることを見出し本発明を完成した。すなわち、
本発明は、不快な味を有する薬物を含有した核粒子に、
低融点物質及び低分子量水溶性物質からなる被膜を被覆
してなることを特徴とする被覆散剤または被覆顆粒剤か
ら選ばれる味マスキング医薬製剤を提供するものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の医薬製剤には、下記の態
様が含まれる。 (1)不快な味を有する薬物を含有した核粒子に、低融
点物質および低分子量水溶性物質からなる被膜を被覆し
てなることを特徴とする被覆散剤または被覆顆粒剤。 (2)核粒子の粒子径が50〜2000μmである
(1)の被覆散剤または被覆顆粒剤。 (3)核粒子に対して被膜成分が1〜200重量%であ
る(2)の被覆散剤または被覆顆粒剤。 (4)低融点物質と低分子量水溶性物質が重量比で1対
100〜100対1の混合割合である(1)の被覆散剤
または被覆顆粒剤。 (5)被膜に用いる低融点物質が高級アルコール、高級
脂肪酸あるいはこれらのグリセリンエステル、有機酸と
高級脂肪酸グリセリンエステルのエステル、油脂類、ロ
ウ類、またはこれらの混合物である(1)から(4)の
被覆散剤または被覆顆粒剤。 (6)低融点物質の融点が約40℃から約110℃であ
る(5)の被覆散剤または被覆顆粒剤。 (7)被膜に用いる低融点物質が高級脂肪酸グリセリン
エステル、及び/または有機酸と高級脂肪酸グリセリン
エステルとのエステルである(6)の被覆散剤及び被覆
顆粒剤。 (8)低分子量水溶性物質の分子量が約50から約10
00である(1)から(6)の被覆散剤または被覆顆粒
剤。 (9)低分子量水溶性物質が糖類、糖アルコール類、ま
たはこれらの混合物である(8)の被覆散剤または被覆
顆粒剤。 (10)核粒子の粒子径が75〜1400μmであリ、
核粒子に対して被膜成分が5〜100重量%であリ、低
融点物質と低分子量水溶性物質が重量比で20対100
〜100対20の混合割合である(1)の被覆散剤また
は被覆顆粒剤。 (11)低融点物質の融点が約40℃から約110℃で
あリ、低分子量水溶性物質の分子量が約50から約10
00である(10)の被覆散剤及び被覆顆粒剤。 (12)低融点物質の融点が約45℃から約80℃であ
リ、低分子量水溶性物質の分子量が約70から約800
である(11)の被覆散剤または被覆顆粒剤。 (13)被膜に用いる低融点物質が高級脂肪酸グリセリ
ンエステル、及び/または有機酸と高級脂肪酸グリセリ
ンエステルとのエステルであリ、低分子量水溶性物質が
糖アルコール類である(12)の被覆散剤または被覆顆
粒剤。 (14)不快な味を有する薬物がレバミピドである
(1)から(13)の被覆散剤または被覆顆粒剤。
【0007】本発明の医薬製剤は、低融点物質および低
分子量水溶性物質の被膜によりバイオアベイラビリティ
ーを損なうことなく、服用時の不快な味を遮蔽し、服用
感に優れ、消化管内で胃酸性度の影響なく、薬物を速や
かに溶出するものである。本発明の方法により被膜が施
される核粒子は、通常固形製剤の製造に汎用される物
質、例えば結晶セルロース、バレイショデンプン、デキ
ストリン、コーンスターチ、乳糖、白糖、マンニトー
ル、タルク、炭酸カルシウム等の賦形剤、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
アルミニウム等の滑沢剤、カルボキシメチルスターチナ
トリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低
置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウ
ム、ヒドロキシプロピルスターチ、バイレイショデンプ
ン等の崩壊剤、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ゼラチン等の結合剤、ラウリル硫酸ナトリウム、ポ
リソルベート80等の界面活性剤、セチルアルコール、
ステアリルアルコール等の高級アルコール、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂
肪酸或いはこれらのグリセリンエステル、酢酸、クエン
酸、コハク酸等の有機酸とグリセリンモノまたはジ高級
脂肪酸エステルとのエステル、硬化大豆油、硬化ヒマシ
油、モクロウ、硬化牛脂等の油脂類、カルナウバロウ、
ミツロウ等のロウ類、パラフィン、セレシン、マイクロ
クリスタリンワックス等の高級炭化水素類、或いはこれ
らの混合物等により製造することができるが、これらに
は限定されず、その大きさは一般に50〜2000μ
m、好ましくは75〜1400μmの範囲が適当であ
る。また、この核粒子が適当な大きさであれば、薬物自
身の結晶であってもよい。また、レバミピド等の不快な
味の程度が強い薬物及び/または難溶性の薬物を含有す
る製剤の場合は、カルボキシメチルスターチナトリウ
ム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換度
ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒ
ドロキシプロピルスターチ、バレイショデンプン等の水
膨潤性の崩壊剤を添加するのが好ましい。本発明に好適
な核粒子は、より具体的には、結晶セルロース、デキス
トリン、コーンスターチ、乳糖等の賦形剤、カルボキシ
メチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリ
ウム等の水膨潤性の崩壊剤、ポリソルベート80等の界
面活性剤等と混合することにより製造することができ
る。
【0008】核粒子の製法はそれ自体公知の方法、例え
ば押し出し造粒、粉砕造粒、流動層造粒、転動造粒、高
速撹拌造粒、低融点物質との噴霧冷却、溶融造粒法等に
より得られるが、より均一なコーティングを施す為には
核粒子の粒子径がなるべく揃っていて、粒子表面が平滑
なほうが好ましい。より具体的な好ましい核粒子の製法
は、上記の結晶セルロース、デキストリン、コーンスタ
ーチ、乳糖等の賦形剤、カルボキシメチルスターチナト
リウム、クロスカルメロースナトリウム等の水膨潤性の
崩壊剤、ポリソルベート80等の界面活性剤等とマスキ
ングすべき薬物とからなる組成物を水及び/またはアル
コールで練合した後、押し出し造粒する方法である。
【0009】本発明において使用する低融点物質として
は例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール等
の高級アルコール、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸或いはこれらのグリ
セリンエステル、酢酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸
とグリセリンモノまたはジ高級脂肪酸エステルとのエス
テル、硬化大豆油、硬化ヒマシ油、モクロウ、硬化牛脂
等の油脂類、カルナウバロウ、ミツロウ等のロウ類、パ
ラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等
の高級炭化水素類、或いはこれらの混合物があげられ
る。より好ましい低融点物質としては、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸
グリセリンエステル、酢酸、クエン酸、コハク酸等の有
機酸とグリセリンモノまたはジ高級脂肪酸エステルとの
エステルがあげられる。低融点物質の融点は約40℃か
ら約110℃であり、好ましくは約45℃から約100
℃であり、より好ましくは約45℃から約80℃であ
る。
【0010】本発明において使用する低分子量水溶性物
質としては、白糖、果糖等の糖類、マンニトール、ソル
ビトール、キシリトール等の糖アルコール類、あるいは
これらの混合物などが用いられる。より好ましい低分子
量水溶性物質としては、マンニトール、ソルビトール、
キシリトール等の糖アルコールがあげられる。低分子量
水溶性物質の分子量は約50から約1000であり、好
ましくは約60から約900であり、より好ましくは約
70から約800である。低分子量水溶性物質の溶解度
は約0.01g/mlから約2g/mlである。
【0011】低融点物質と低分子量水溶性物質を重量比
で1対100〜100対1の混合割合、好ましくは10
対100〜100対10、更に好ましくは20対100
〜100対20の割合で有機溶媒、有機溶媒と水との混
合溶媒に固形部として1〜70%、好ましくは5〜60
重量%の濃度で溶解、分散させ、核粒子を流動させなが
らコーティングする。コーティング液は必要があれば加
熱して溶解しても構わない。有機溶媒としてはメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジエ
チルエーテル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロ
ロホルム、アセトン等が用いられるが、用いる低融点物
質の種類により適宜選択できる。或いは有機溶媒を用い
ず、低融点物質と水溶性物質とを直接加熱溶融しても構
わない。また、溶出を制御するためにステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アル
ミニウム等の撥水性の滑沢剤を被膜物質中に配合するこ
ともできる。本発明での核粒子を流動させる方法として
は流動層、遠心流動、糖衣パン、通気式コーティングパ
ン、真空式コーティングパン、高速撹拌或いはこれらの
複合型の装置が使用され、核粒子の形状、大きさ、製造
方法等により適した装置を選択する。
【0012】本発明において核粒子に被覆する被膜量と
しては特に制限はされない。しかし、薬物の不快な味を
遮蔽し、消化管内において速やかな溶出を確保するため
に適した被膜量であることが望ましく、その量は不快な
味の程度、核粒子の大きさ、形状、平滑度に依存する
が、核粒子に対して被膜成分が1〜200重量%が好ま
しく、更に1〜100重量%が好ましく、更に5〜10
0重量%がより好適である。
【0013】本発明における薬物としては、不快な程度
に関わらず種々の薬物が適用でき、例えば抗生物質、抗
菌薬、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、抗ヒスタミン薬、消化
性潰瘍治療薬等が挙げられる。本発明の製剤は、不快な
味の遮蔽効果が優れていることから、不快な味の程度が
強い薬物にも有利に適用できる。また消化管内において
速やかに薬物が溶出することから、難溶性の薬物にも有
利に適用できる。不快な味の程度が強くかつ難溶性の薬
物に好適に適用でき、具体的にはレバミピド等の薬物に
適用できる。
【0014】
【発明の効果】本発明の医薬製剤は服用時において薬物
の不快な味を遮蔽し、服用感に優れ、胃内酸性度に依存
することなく消化管内において速やかに薬物が溶出し、
生物学的利用率を低下させない。また、有機溶媒使用量
が少なく、コーティング液中の全固形分濃度を高くでき
るため、短時間で充分な量のコーティングが可能であ
る。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例及び参考例により説明
するが本発明はこれらに限定されるものではない。尚、
実施例及び参考例において基剤材料として下記の市販品
を使用した。 グリセリンクエン酸脂肪酸エステル(サンソフトNo.621
G/太陽化学) グリセリンモノステアリン酸エステル(ポエムS-100/
理研ビタミン) グリセリンベヘニン酸エステル(サンソフトNo.1030/
太陽化学) D−マンニトール(協和醗酵) デキストリン(アミコールNo.10/日澱化学工業) コーンスターチ(日食品コーンスターチXX16/日本食品
化工) ポリソルベート80(TO−10M/日光ケミカルズ)
【0016】参考例1 レバミピド920g、デキストリン315g、コーンス
ターチ2650gを高速攪袢造粒機によりエタノール5
0g、精製水750g及びポリソルベート80の252
gを混合した結合液と練合し、0.6mmφの孔径をも
つスクリーンを装着した押しだし造粒機ドームグラン
(DG-L1/不二パウダル)により素麺状とし、押し出さ
れた素麺状物質をマルメライザー(QJ-400/不二パウダ
ル)によりマルメ処理した後に、流動乾燥して球形ある
いは俵型の核顆粒を得た。
【0017】参考例2 レバミピド920g、デキストリン630g、コーンス
ターチ460g、結晶セルロース126g、乳糖165
0g、カルボキシメチルスターチナトリウム135g、
クロスカルメロースナトリウム81gを高速攪拌造粒機
によりエタノール95g、精製水830g及びポリソル
ベート80の126gを混合した結合液と練合し、0.
6mmφの孔径をもつスクリーンを装着した押しだし造
粒機ドームグラン(DG−L1/不二パウダル)により
素麺状とし、押し出された素麺状物質をマルメライザー
(QJ−400/不二パウダル)によりマルメ処理した
後に、流動乾燥して俵型の核顆粒を得た。
【0018】実施例1 エタノール240g及び精製水60gの混液にグリセリ
ンクエン酸脂肪酸エステル100g及びD−マンニトー
ル100gを加え、加熱装置を用いて撹拌しながら約7
0℃まで加熱し、溶解・分散させてコーティング液とし
た。参考例1で得られた核顆粒600gを流動層造粒機
に仕込み、給気温度55℃にて流動させながら、コーテ
ィング液200gを噴霧して被覆顆粒剤を得た。
【0019】試験例1 上記実施例1で得られた被覆顆粒剤をパネルテストに付
した。すなわち、10名の健常者に該製剤の約0.5g
を服用させ、味覚テストを行ったところ、いずれのパネ
ラーも、苦味を全く感じなかった。それに対して、参考
例1の核顆粒について同様に味覚テストを行ったとこ
ろ、いずれのパネラーも活性成分のレバミピドの苦味を
訴えた。
【0020】試験例2 参考例1の核顆粒及び実施例1の被覆顆粒剤について、
第十三改正日本薬局方溶出試験法第2法(パドル法)に
したがって、薬物の溶出試験を行った。試験液として、
すなわち、該薬局方に記載のpH5.4のリン酸水素二ナ
トリウム・クエン酸緩衝液(クエン酸1.05gおよび
リン酸水素二ナトリウム十二水和物2.92gを水20
0mLに溶かし、必要ならばリン酸または水酸化ナトリ
ウム試液を加えてpH5.4に調整する)を、用い、その
試験液900mlに試験すべき核顆粒0.46gおよび
被覆顆粒剤0.5gを加え、その混合液をパドル回数:
100rpmにて37℃で攪拌溶出させた。2分毎に試
験液をサンプリングして、溶出した薬物(レバミピド)
の濃度を測定し、仕入含量から溶出率(%)を算出し
た。その結果を表1に示す。
【表1】
【0021】上記表1のデータから明らかなように、実
施例1の被覆顆粒剤は初期に薬物の溶出を抑えられ、服
用時の苦味がマスキング出来ていることを示し、その後
は速やかな溶出を確保していることが示される。それに
対して、被覆処理していない核顆粒では初期段階から多
量の薬物が溶出しており、マスキングがなされていない
ことを示している。
【0022】実施例2〜4 参考例1で得られた核顆粒を用い、表2に示す種々のコ
ーティング基剤を用いて同様の操作によりコーティング
を施して被覆顆粒剤を得た。
【表2】
【0023】試験例3 上記実施例2〜実施例4の被覆顆粒について、試験例1
と同様にして10名の味覚パネリストにて味覚テストを
行ったところ、いずれの被覆顆粒剤についても苦味を全
く感じず、服用時の苦味が充分マスキングされているこ
とが示された。
【0024】実施例5〜8 参考例1で得られた核顆粒600gを参考例2で得られ
た核顆粒600gに変えた以外は、実施例1〜4と同様
にして本発明の被覆顆粒剤を得た。
フロントページの続き (72)発明者 中村 利夫 徳島県板野郡北島町新喜来字二分1−115 (72)発明者 小富 正昭 徳島県徳島市中洲町3−19−1−603

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不快な味を有する薬物を含有した核粒子
    に、低融点物質および低分子量水溶性物質からなる被膜
    を被覆してなることを特徴とする被覆散剤または被覆顆
    粒剤からなる味マスキング医薬製剤。
JP15442298A 1998-06-03 1998-06-03 味マスキング医薬製剤 Expired - Lifetime JP3466921B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15442298A JP3466921B2 (ja) 1998-06-03 1998-06-03 味マスキング医薬製剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15442298A JP3466921B2 (ja) 1998-06-03 1998-06-03 味マスキング医薬製剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11349473A true JPH11349473A (ja) 1999-12-21
JP3466921B2 JP3466921B2 (ja) 2003-11-17

Family

ID=15583827

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15442298A Expired - Lifetime JP3466921B2 (ja) 1998-06-03 1998-06-03 味マスキング医薬製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3466921B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001288117A (ja) * 2000-04-05 2001-10-16 Otsuka Pharmaceut Co Ltd 医薬製剤用組成物
WO2005039538A1 (ja) * 2003-10-29 2005-05-06 Shionogi & Co., Ltd. 不快味を改善した被覆製剤の製造方法
JP2006290903A (ja) * 2000-04-28 2006-10-26 Glaxo Smith Kline Kk バラシクロビル層で被覆されたキャリアビーズを含んでなる医薬製剤
JP2008001687A (ja) * 2006-05-24 2008-01-10 Taisho Pharmaceut Co Ltd 圧縮成型物およびその製造方法
WO2009022674A1 (en) * 2007-08-10 2009-02-19 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. Medical composition containing rebamipide
JP2011225468A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Otsuka Pharmaceut Co Ltd 固形製剤
US8420115B2 (en) 2004-06-03 2013-04-16 Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. Oral preparations and process for production thereof

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01287021A (ja) * 1988-05-13 1989-11-17 Shin Etsu Chem Co Ltd ワックス複覆薬剤の製造方法
JPH02240016A (ja) * 1989-02-02 1990-09-25 Warner Lambert Co 水分散性ジエムフイブロジル組成物
JPH04217913A (ja) * 1990-04-12 1992-08-07 Shionogi & Co Ltd 被覆製剤およびその製造法
JPH05310599A (ja) * 1990-02-23 1993-11-22 Takeda Chem Ind Ltd 安定な放出制御性製剤用コーティング剤
JPH06116138A (ja) * 1992-03-12 1994-04-26 Taisho Pharmaceut Co Ltd 経口製剤用組成物
JPH0952850A (ja) * 1995-06-09 1997-02-25 Meiji Seika Kaisha Ltd グミ製剤
WO1997018798A1 (en) * 1995-11-22 1997-05-29 Recordati S.A. Chemical And Pharmaceutical Company Prompt-release pharmaceutical compositions
JPH1135486A (ja) * 1997-07-23 1999-02-09 Lion Corp 薬用固形製剤

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01287021A (ja) * 1988-05-13 1989-11-17 Shin Etsu Chem Co Ltd ワックス複覆薬剤の製造方法
JPH02240016A (ja) * 1989-02-02 1990-09-25 Warner Lambert Co 水分散性ジエムフイブロジル組成物
JPH05310599A (ja) * 1990-02-23 1993-11-22 Takeda Chem Ind Ltd 安定な放出制御性製剤用コーティング剤
JPH04217913A (ja) * 1990-04-12 1992-08-07 Shionogi & Co Ltd 被覆製剤およびその製造法
JPH06116138A (ja) * 1992-03-12 1994-04-26 Taisho Pharmaceut Co Ltd 経口製剤用組成物
JPH0952850A (ja) * 1995-06-09 1997-02-25 Meiji Seika Kaisha Ltd グミ製剤
WO1997018798A1 (en) * 1995-11-22 1997-05-29 Recordati S.A. Chemical And Pharmaceutical Company Prompt-release pharmaceutical compositions
JPH1135486A (ja) * 1997-07-23 1999-02-09 Lion Corp 薬用固形製剤

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001288117A (ja) * 2000-04-05 2001-10-16 Otsuka Pharmaceut Co Ltd 医薬製剤用組成物
JP4570725B2 (ja) * 2000-04-05 2010-10-27 大塚製薬株式会社 医薬製剤用組成物
JP2006290903A (ja) * 2000-04-28 2006-10-26 Glaxo Smith Kline Kk バラシクロビル層で被覆されたキャリアビーズを含んでなる医薬製剤
WO2005039538A1 (ja) * 2003-10-29 2005-05-06 Shionogi & Co., Ltd. 不快味を改善した被覆製剤の製造方法
JPWO2005039538A1 (ja) * 2003-10-29 2007-11-22 塩野義製薬株式会社 不快味を改善した被覆製剤の製造方法
US8420115B2 (en) 2004-06-03 2013-04-16 Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. Oral preparations and process for production thereof
JP2008001687A (ja) * 2006-05-24 2008-01-10 Taisho Pharmaceut Co Ltd 圧縮成型物およびその製造方法
WO2009022674A1 (en) * 2007-08-10 2009-02-19 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. Medical composition containing rebamipide
JP2010535757A (ja) * 2007-08-10 2010-11-25 大塚製薬株式会社 レバミピドを含有する医薬組成物
JP2011225468A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Otsuka Pharmaceut Co Ltd 固形製剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP3466921B2 (ja) 2003-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2916978B2 (ja) 放出開始制御型製剤
JP3265680B2 (ja) 経口製剤用組成物
JPH0122245B2 (ja)
WO1999016448A1 (fr) Comprime de theophylline a liberation prolongee
JP2002080398A (ja) pHに依存する多相的な放出を伴う経口用の固体の薬学的組成物
JP4310605B2 (ja) 医薬用組成物
WO2004052345A1 (en) Coating composition for taste masking coating and methods for their application and use
JP2000191519A (ja) 薬効成分の不快な官能的性質が隠蔽された速放性粒状物
WO2009101656A1 (ja) 時限放出製剤
WO2009101658A1 (ja) 時限放出製剤
JP3466921B2 (ja) 味マスキング医薬製剤
JP2000103730A (ja) 服用感が改善された医薬組成物
JP3833314B2 (ja) 発泡性組成物およびその製造方法
JPH0776517A (ja) 医薬用組成物
JP3797605B2 (ja) 粒状被覆製剤の製造方法
JP2973751B2 (ja) 矯味経口組成物の製造方法
EP1618873B1 (de) Granulat zur kontrollierten Freisetzung von Tamsulosin, enthaltend Alginat
US3784683A (en) Tablet preparation
JP4257865B1 (ja) 口腔内速崩錠の製造方法
KR101168189B1 (ko) 불쾌미를 개선한 피복 제제의 제조 방법
KR101680925B1 (ko) 불쾌미 마스킹 입자 및 이것을 함유하는 경구제제
JP6905972B2 (ja) 医薬組成物粒子とそれを含む口腔内崩壊製剤、医薬組成物粒子の製造方法
JP4711478B2 (ja) 味がマスクされた薬物
TWI282737B (en) Sustained release oral preparations
JP2000128776A (ja) フィルムコーティング顆粒およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150829

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term