JPH0952850A - グミ製剤 - Google Patents

グミ製剤

Info

Publication number
JPH0952850A
JPH0952850A JP14757596A JP14757596A JPH0952850A JP H0952850 A JPH0952850 A JP H0952850A JP 14757596 A JP14757596 A JP 14757596A JP 14757596 A JP14757596 A JP 14757596A JP H0952850 A JPH0952850 A JP H0952850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gummy
agent
water
gelatin
preparation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14757596A
Other languages
English (en)
Inventor
Tokuyuki Namiki
木 徳 之 並
Nobuyuki Takagi
木 宣 行 高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Seika Kaisha Ltd
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiji Seika Kaisha Ltd filed Critical Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority to JP14757596A priority Critical patent/JPH0952850A/ja
Publication of JPH0952850A publication Critical patent/JPH0952850A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水なしでかつ苦みや不快臭などがある医薬で
あっても容易に服用できるるコンプライアンス(服薬の
確実性)を向上させる医薬組成物とりわけ内服薬および
口腔外用薬の提供。 【構成】 グミ組成物に医薬を含有させてなるグミ製剤
であり、医薬の苦味、不快臭がマスキングされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は医薬組成物とりわけ経口用製剤または口腔外用
製剤に関し、さらに詳しくは特殊な剤型であるグミ製剤
からなる医薬組成物に関する。
【0002】背景技術 内服薬は、通常、水を用いて服薬することが原則とされ
ている。しかし、小児や老人の場合、水を用いて散剤、
錠剤などを服薬すると、水だけ飲んで薬は口の中に残っ
てしまい、医師の指示通り服薬できないケースも少なく
ない。また小児の急な発熱、外出時の急な痛みなどで、
薬を服用したいが水が無い場合や、他の疾病により水分
摂取を制限されている場合には、水なしで服薬できる内
服薬は臨床上有用であると考えられる。さらに、医薬に
はしばしば苦みや不快臭などが伴う。これらもその服用
の障害となることがあり、コンプライアンス(服薬の確
実性)の低下を招くおそれがある。
【0003】また口中の患部に適用される口腔外用薬と
しては、一般に軟膏剤が用いられている。しかしながら
軟膏剤は基剤に不快な味が有ることが多く、また容易に
唾液に溶解し、除去されるため、患部への浸透性・効力
が不十分な場合も考えられる。従って、口中の患部に適
用したときに十分な効力を発揮し、かつ風味的にも良好
な製剤の希求が存在していたといえる。
【0004】
【発明の概要】本発明者らは、水なしでかつ苦みや不快
臭などがある医薬であっても容易に服用できる医薬組成
物とりわけ内服薬および口腔外用薬について検討を行っ
た。その結果、小児から大人にわたる幅広い年齢層に好
まれている菓子であるグミ組成物と、医薬とを組み合わ
せることが極めて有効であるとの知見を得た。本発明は
かかる知見に基づくものである。
【0005】すなわち、本発明は、水が無くても容易に
服薬または使用が可能な医薬組成物の提供をその目的と
している。
【0006】また、本発明は、医薬の苦味、不快臭をマ
スキングすることで小児の服薬または使用を容易にし、
コンプライアンスを向上させる医薬組成物の提供をその
目的としている。
【0007】そして、本発明による医薬組成物は、グミ
組成物に医薬を含有させてなるグミ製剤である。
【0008】
【発明の具体的説明】グミ組成物 本発明において用いられるグミ組成物とは、糖質および
水から主としてなる組成物をゼラチンを主体としてなる
ゲル化剤、好ましくはゼラチンのみからなるゲル化剤、
によってゲル化させたゲル状組成物をいい、一般にはグ
ミ、グミキャンデー等の名で呼ばれる菓子として広く知
られているものである。より具体的には、ゲル化剤の主
成分がゼラチンであって、水分含量が10〜25重量%
程度、好ましくは20重量%前後、であり、Aw(水分
活性、20℃)が0.7程度以下で、微生物の繁殖の恐
れのない日持ちする菓子組成物である。ここでAwと
は、食品中に含まれる自由水、すなわち微生物が利用可
能な水分量を表す指標である。これが0.7程度以下で
あればグミ組成物への微生物の繁殖の恐れの無い事が経
験的に知られている。
【0009】ゲル化剤はゼラチン以外にスターチ、ペク
チン、カラギーナン、寒天等の他のゲル化剤を含んでい
てもよく、好ましくはゼラチンのみからなる。
【0010】また、ゲル組成物の主原料である糖質の例
としては、砂糖、水飴、ブドウ糖、果糖、乳糖、パラチ
ノース、糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチ
トール、ラクチトール、キシリトール、エリスリトー
ル、還元パラチノース、還元澱粉糖化物)、オリゴ糖
(例えば、フラクトオリゴ糖、イヌロオリゴ糖、ガラク
トオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、ラ
クトスクロース、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、パラ
チノースオリゴ糖)、ポリデキストロース等が挙げられ
る。とりわけ、糖アルコールなどの非発酵性または難う
蝕性の糖質の利用は、虫歯になりにくいグミ製剤を製造
出来るので好ましいといえる。
【0011】本発明の好ましい態様によれば、その基本
的組成は、主原料としての糖質を65〜87重量%、ゼ
ラチンを主体としてなるゲル化剤好ましくはゼラチンの
みからなるゲル化剤を3〜10重量%、水分を10〜2
5重量%、さらに必要に応じて酸味料、香料、着色料そ
の他の副原料を含んでなる。
【0012】本発明によるグミ製剤に含有される医薬
は、グミ組成物の安定的な形成および維持を阻害しない
限り特に限定されないが、ゲル化剤であるゼラチンのゲ
ル化に影響を与えるおそれのある場合は、後記する製造
方法によって製造されるのが好ましい。すなわち、ゲル
化剤として用いられているゼラチンは一旦完全に水に溶
解した後、分子間の水素結合によってゲル化する。従っ
てゼラチンを不溶化させたり水素結合の形成を阻害する
ような医薬を含有させる場合には、グミ組成物の形成お
よび維持に悪影響を与えないよう配慮がなされる必要が
あるからである。配慮が必要な医薬としては、水に溶け
て酸性やアルカリ性を示すようなものが挙げられる。一
方で、グミ組成物中の成分についても、含有させる医薬
に悪影響を及ぼさないものを選択し利用するよう考慮さ
れるのが望ましい。例えば、含有させる医薬と反応性の
物質の添加は避けるのが好ましい。
【0013】本発明において用いられる医薬の具体例と
しては、抗不安剤(例えば、ジアゼパム、ニトラゼパ
ム、ロフラゼプ酸エチル、クロラゼプ酸二カリウム、ト
フィソパム、トリアゾラム、ブロマゼパム、オキサゾパ
ム、オキサゼパム、クロサキゾラム、バルビタール)、
抗てんかん剤(例えば、フェニトイン、バルプロ酸ナト
リウム、フェノバルビタール、ニトラゼパム)、解熱鎮
痛剤(例えば、アセトアミノフェン、イブプロフェン、
ケトプロフェン、インドメタシン、メフェナム酸、フル
フェナム酸、フルフェナム酸アルミニウム、アスピリ
ン、アスピリンアルミニウム、エテンザミド、イソプロ
ピルアンチピリン、スルピリン、ジクロフェナックナト
リウム、ロキソプロフェンナトリウム、塩酸チアラミ
ド、エモルファゾン、サリチルアミド、サザピリン)、
精神神経用剤(例えば、ペルフェナジンレボメプロマジ
ン、塩酸クロルプロマジン、クロルプロチキセン、メプ
ロバメート、塩酸ヒドロキシジン、塩酸イミプラミン、
アモキサピン、スルピリド、クロチアゼパム、エチゾラ
ム、ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル
尿素、塩酸ジフェニドール)、鎮けい剤(例えば、臭化
ブチルスコポラミン、フロプロピオン、ロートエキス、
臭化メチルベナクチジウム、臭化チメピジウム、臭化メ
チルスコポラミン、臭化水素酸スコポラミン)、強心剤
(例えば、塩酸エチレフリン、ユビデカレノン、カフェ
イン、デノパミン、ベスナリノン)、不整脈用剤(例え
ば、塩酸カルテオロール、ピンドロール、塩酸プロプラ
ノロール、アミサリン、塩酸インデノロール、塩酸カル
テオロール、アテノロール、ジソピラミド、塩酸メキシ
レチン、塩酸ベラパミル、塩酸アプリンジン、塩酸プロ
パフェノン、コハク酸ジベンゾリン)、利尿剤(例え
ば、スピロノラクトン、フロセミド、トリクロルメチア
ジド、ポリチアジド、トリアムテレン、クロルタリド
ン、ピレタニド、メトラゾン、メフルシド)、血圧降下
剤(例えば、塩酸トドララジン、メチルドパ、レシナミ
ン、塩酸テラゾシン、塩酸プラゾシン、塩酸カルテオロ
ール、ピンドロール、塩酸ニカルジピン、塩酸マニジピ
ン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニルバジピン、ア
ラセプリル、塩酸デラプリル、カプトプリル、マレイン
酸エナラプリル)、高脂血症用剤(例えば、ガンマーオ
リザノール、ニコモール、プラバスタチンナトリウム、
シンバスタチン、プロブコール)、鎮咳去たん剤(例え
ば、クエン酸ペントキシベリン、塩酸ブロムヘキシン、
リン酸コデイン、硫酸オルシプレナリン、硫酸サルブタ
モール、塩酸トリメトキノール、フマル酸ケトチフェ
ン、塩酸アゼラスチン、オキサトミド、テルフェナジ
ン、リン酸ジヒドロコデイン、リン酸ヒドロコデインセ
キサノール、デキストロメトルファンフェノールフタリ
ン酸、臭化水素酸デキストロメトルファン、クエン酸チ
ペピジン、ヒベンズ酸チペピジン、ノスカピン、塩酸ノ
スカピン、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸
カリウム)、ステロイド剤(例えば、メスタノロン、プ
レドニゾロン、エストリオール、プロゲステロン、酢酸
トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン)、
痛風治療剤(例えば、アロプリノール、コルヒチン、プ
ロベネシド)、糖尿病用剤(例えば、塩酸ブホルミン、
トルブタミド、グリクラシド)、抗ヒスタミン剤(例え
ば、フマル酸クレマスチン、マレイン酸クレマスチン、
塩酸ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミ
ン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、d−マレイン酸ク
ロルフェニラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、メ
タキジン、塩酸トリプロリジン、マレイン酸ジメチンデ
ン、酒石酸アリメマジン、塩酸メクリジン、ジメンヒド
リナート、塩酸プロメタジン、マレイン酸カルビノキサ
ミン、塩酸ジフェニルピラリン)、アレルギー用剤(例
えば、トラニラスト、トラネキサム酸、フマル酸ケトチ
フェン、レピリナスト、オキサトミド、グロモグリク酸
ナトリウム、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、グ
リチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニ
ウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、塩酸メチル
エフェドリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸
フェニレフリン、塩酸ナファゾリン、テトリゾリン、塩
酸メトキシフェナミン)、消化性潰瘍治療剤(塩酸セト
ラキサート、ソファルコン、テプレノン、マレイン酸イ
ルソグラジン、レバミピド、シメチジン、ファモチジ
ン、塩酸ラニチジン、オメプラゾール)、禁煙補助剤
(例えば、ニコチン)、歯科口腔用剤(例えば、塩化セ
チルピリジニウム、アズレンスルホン酸ナトリウム、塩
酸デカリニウム、キキョウエキス、カミツレエキス、塩
酸クロルヘキシジン)、脳梗塞後遺症改善剤(例えば、
メシル酸ジヒドロエルゴトキシン)、気管支拡張剤(ア
ミノフィリン、ジプロフィリン、テオフィリン、ブロキ
シフィリン)、制酸剤(合成ケイ酸アルミニウム、合成
ヒドロタルサイト、炭化水素ナトリウム、沈降炭酸カル
シウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグ
ネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水
酸化アルミニウムゲル)、酸剤(塩酸ベタイン、グルタ
ミン酸塩酸塩)、胃腸機能調整剤(塩化カルニチン、塩
化ベタネコール)、止瀉剤(塩化ベルベリン、タンニン
酸ベルベリン、次硝酸ビスマス、次没子酸ビスマス、タ
ンニン酸アルブミン)、粘膜修復剤(アルジオキサ、銅
クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィリンカリウ
ム、メチルメチオニンスルホニウムクロライド)、緩下
剤(センノシド、センノシドA・B、ビサコジル、フェ
ノバリン、フェノールフタレイン、ジオクチルソジウム
スルホサクシネート)、駆虫抗原虫剤(サントニン、メ
トロニダゾール)、ビタミン剤(酢酸レチノール、肝
油、エルゴカルシフェロール、アルファカルシドール、
塩酸チアミン、硫酸チアミン、フルスルチアミン、オク
トチアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ニコチ
ン酸、パントテン酸カルシウム、コバマミド、ビオチ
ン、アルコルビン酸、酢酸トコフェロール、メナテトレ
ノン)などが挙げられる。
【0014】医薬はそのまま用いられてもよいが、(例
えば、糖、ゼラチンなどによる)被覆処理を行い、マイ
クロカプセル化されたものでもよく、また一旦水溶液と
された後バインダー(例えば、デキストリン)とともに
造粒されたものであってもよい。さらに、医薬水溶液を
水不溶性のマトリックスに含浸させて乾燥させたものを
医薬としてグミ組成物に加えてもよい。さらに、医薬が
水不溶性のものである場合には、上のようなマイクロカ
プセル化、造粒、またはマトリックスに含浸させること
で、グミ製剤の製造中さらにはグミ製剤中において均一
に組成物中に分散させておくことができるので有利であ
る。医薬が水溶性、非水溶性のいずれであってもグミ組
成物中に均質に分散されることが、グミ製剤の力価を一
定に保つ上で重要であるといえる。
【0015】本発明によるグミ製剤は、必要に応じて着
色剤、香料、酸味料などを含むことができる。とりわ
け、香料については、苦みや不快臭のある医薬である場
合、それらをマスキングし、服用を容易にする。また、
着色剤については、医薬の種類によって着色剤の色を変
えることで、複数のグミ製剤を同時に携帯しても、服用
時の誤飲を防止することができるので有利である。着色
剤の具体例としては、赤キャベツ(赤色)、ベニ花黄
(黄色)、クチナシ青(青色)などが挙げられる。さら
に香料の具体例としては、オレンジフレーバー、グレー
プフレーバー、マスカットフレーバーなどが挙げられ
る。また、酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、リン
酸などが挙げられる。なお、これらグミ組成物の成分に
関し、含有される医薬に悪影響を及ぼさないものを選択
し利用するのが望ましいことは前記したとおりである。
【0016】さらに、本発明の好ましい態様によれば、
グミ製剤はその表面にコーティングが施される。コーテ
ィングによって、グミ組成物中の医薬の光による分解や
変性を防止できるので有利である。コーティングの好ま
しい例としては、糖衣、チョコレート掛けなどが挙げら
れる。このコーティングの色を含有している医薬によっ
て換えることで、上記したように服用時の誤飲を防止で
きるので有利である。
【0017】グミ製剤の製造 本発明の好ましい態様によれば、医薬がゼラチンのゲル
化を阻害するおそれのない場合には、本発明によるグミ
製剤は、基本的には従来知られたグミ組成物の製造法
(例えば、R.Lees等、“Sugar Cofectionary and Choco
late Manufacture”、第226 頁、1973年、Leonard Hill
Scotland 発行)に準じて、次のように製造される。
【0018】まず、糖質を水と共に加熱し、ゼラチンを
主体としてなるゲル化剤を添加して混合する。この混合
液に、医薬を添加し、さらに必要に応じて酸味料、色
素、香料等を添加し、グミ製剤生地を調製する。この生
地を冷却固化してグミ製剤とする。好ましくは、このグ
ミ製剤生地をスターチモールド(例えば、トレー内にス
ターチを充填し、その表面を平らに圧密した後、このス
ターチ層に凸型を押しつけることにより形成された凹
窩)に注入し、次いで24時間程度静置する。この静置
の間に、生地から遊離する水分がスターチモールドに移
行し、グミ製剤生地が固化する。その後、固化物を取り
出し、スターチ粉を取り除き、グミ製剤とする。
【0019】さらに通常は、得られたグミ製剤に食用油
脂やザラメなどによる被覆を施す。この被覆によってグ
ミ製剤同士が相互に結着することを防止できる。具体的
には、回転するドラム内にグミ製剤を入れ、ここに常温
で液状のオイルを滴下しながらドラムを回転させること
によって表面に薄く均一なオイルの皮膜を形成させる。
【0020】グミ製剤の嗜好性を向上させるために、果
汁、果肉等の副原料を添加する場合には、特開平3−8
3550号公報に記載の手法を、またゼリー菓子の製造
工程および保存時におけるフレーバーの変質防止、テク
スチャーの悪影響を防止するために特開平5−56号公
報に記載の手法を利用することも有利である。
【0021】さらに本発明の好ましい態様によれば、グ
ミ製剤の耐熱性を向上させるため、次のような手法を採
用することも好ましい。すなわち、その第一として、製
品中のゼラチン濃度を高めることであり、ゼラチンを主
体としてなるゲル化剤の使用量そのものを増加させる
か、製品中の水分量を低く抑えて相対的にゼラチンを主
体としてなるゲル化剤の濃度を高めることで達成でき
る。その第二は、ゼラチンと他のゲル化剤を併用する方
法である。即ち寒天、ペクチン、カラギーナン等の高融
点または熱不可逆性のゲルを形成するゲル化剤を少量併
用することにより、製品中のゼラチンが溶解温度に達し
ても、他のゲル化剤によりゲル構造を保持させることが
できる。さらにその第三は、上記したコーティングを施
すことである。
【0022】本発明の好ましい態様によれば、薬品がゼ
ラチンのゲル化を阻害するおそれがあるものである場
合、本発明によるグミ製剤は次のように製造されるのが
好ましい。すなわち、上記した製法において、医薬以外
の原料を混合してグミ生地を調製する。このグミ生地を
ゲル化開始温度まで冷却して一定時間保持し、ゼラチン
に水素結合を形成させて増粘させる。グミ生地が十分に
固化する前に医薬を加え、混合し、十分に分散させる。
この方法によれば、薬品の混入前にゼラチンに水素結合
が形成されるため、良好に固化したグミ製剤を得ること
が出来る。また、薬品の投入前にグミ生地の温度を下げ
ることにより薬品の溶解を抑えることができる点でも有
利である。
【0023】
【実施例】本発明によるグミ製剤について、以下実施例
により更に説明する。
【0024】実施例1 アセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)を含有したグミ製剤
を以下のようにして製造した。 (1)グミ製剤生地の調製 第1表に示される配合に従い、砂糖を水あめに混合し、
約130℃まで煮詰めた。一方、ゼラチンをその1.5
倍量の水で膨潤させた後、約60℃で加温溶解させてお
き、これを素早く前述の煮詰めた糖に混合した。これ
に、別途調製した1/5濃縮果汁、クエン酸、色素、香
料の混合溶液を添加して撹拌、混合した後、加水して水
分21重量%のグミ生地を調製した。そしてこのグミ生
地の温度が低下し(約40℃)固化する直前に、あらか
じめ微粉末化したアセトアミノフェンを表2に示す割合
で素早く加え、薬品を固体の状態で均一に分散させ、グ
ミ製剤生地を調製した。
【0025】 第1表 グミ生地の処方 成分名 配合量(g) ゼラチン 70 砂糖 400 水あめ 470 クエン酸 13 1/5濃縮果汁 60 (ピーチ、グレープ、オレンジ、イチゴ、マスカット等) 色素 2 香料 2 計 1018
【0026】 (2)グミ製剤の固化 次に、充分に乾燥させたコーンスターチをトレーの中に
敷き詰め表面を平らにし、グミ製剤を形成する凸型をコ
ーンスターチ表面に押し付けて一個当たり10gを充填
できるスターチモールドを準備した。グミ製剤生地を注
射器に充填し、先に作成したスターチモールド中に10
gずつ定量的にデポジットした。よって、グミ製剤一個
あたりに含有されるアセトアミノフェンの量は50mg
となった。
【0027】室温で約24時間エージングして固化させ
た後、グミ製剤をスターチモールドから取り出しオイル
コーティングした。エージング中にグミ製剤の水分含量
は減少し、18重量%となった。水分は変化してもグミ
製剤一個当たりのアセトアミノフェン含有量は50mg
である。また、グミ製剤のAw(水分活性)は20℃で
0.68であり、常温で流通、保存しても問題のない値
であった。
【0028】実施例2 実施例1のグミ製剤生地をコーンスターチにデポジット
する代わりに、厚さ1mmの塩化ビニル製の容器の内面
に食用油脂を塗布したものにデポジットした。実施例1
のコーンスターチにデポジットするのと異なり、PTP
包装として直接取り扱える利点がある。このようにプラ
スチック容器にデポジットした場合、スターチモールド
とは異なりグミ製剤の水分はグミ製剤生地の水分と等し
くなるため、水分の摂取を制限されている患者が服用す
る場合など、製剤の水分含量を厳密にコントロールする
必要がある場合に適している。
【0029】実施例3 スプレードライにより造粒したオキサトミド(アレルギ
ー用剤)を含有したグミ製剤を次のようにして製造し
た。まず、オキサトミド100gおよびグラニュー糖2
0gを水1000gに懸濁または溶解した。この懸濁液
をスプレードライ(スプレードライヤー L−8型:大
川原化工機社製)し、乾燥粉体76gを得た。この乾燥
粉体7.2gおよびグミ生地992.8gを用い、実施
例1と同様にしてグミ製剤生地を調製した。次いで、こ
のグミ製剤生地5gずつをスターチモールド中にデボジ
ットし、オキサトミド30mgを含有するグミ製剤を得
た。
【0030】実施例4 マイクロカプセル化したクロモグリク酸ナトリウム(ア
レルギー用剤)を含有したグミ製剤を次のようにして製
造した。シクロヘキサン500mlを加温し、これにエ
チルセルロース3gおよびポリエチレン0.3gを溶解
した。この溶液に、クロモグリク酸ナトリウム30gお
よびステアリン酸マグネシウム0.1gを懸濁した後、
攪枠しながら放冷し、徐々に室温まで冷却した。固形分
を濾紙上に捕集し、この固形分をn−へキサン100m
lで洗浄した後、40℃で減圧下に1晩乾燥した。この
操作を2回繰り返してマイクロカプセル58gを得た。
このマイクロカプセル50gに、グラニュー糖1.8g
とプルラン0.2gとを含む水溶液50mlを、流動層
コーティング装置(フローコーターミニ:フロイント産
業社製)を用いてコーティングした。このコーティング
粒子のうち42号飾を通過した23.5gおよびグミ生
地976.5gを用いて、実施例1と同様にしてグミ製
剤生地を調製した。このグミ製剤生地5gずつをスター
チモールド中にデボジットし、クロモグリク酸ナトリウ
ム100mgを含有するグミ製剤を得た。
【0031】実施例5 薬剤と反応しやすい成分および虫歯になりやすい成分を
含まない、バルプロ酸ナトリウム(抗てんかん薬剤)を
含有したグミ製剤を次のようにして製造した。バルプロ
酸ナトリウム50g、色素2g、および香料2gを水6
0gに溶解し、薬物水溶液とした。D−ソルビトール4
68g、粉末還元澱粉糖化物468g、および水50g
を加熱し、糖溶液とした後、80℃まで放冷し、これに
薬物水溶液を加えて混合した。この混合溶液に、60g
のゼラチンを90gの水に溶解し60℃に保っておいた
溶液150gを加えて混合し、グミ製剤生地を調製し
た。このグミ製剤生地2.5gずつをスターチモールド
中にデボジットし、バルプロ酸ナトリウム100mgを
含有するグミ製剤を得た。
【0032】実施例6 フマル酸ケトチフェン(アレルギー用剤)を含有したグ
ミ製剤を次のようにして製造した。フマル酸ケトチフェ
ン0.4g、色素2g、および香料2gを水59.6g
に溶解し、薬物水溶液とした。その後、実施例5と同様
にしてグミ製剤生地を調製した。得られたグミ製剤生地
3gずつをスターチモールド中にデボジットし、フマル
酸ケトチフェン1mgを含有するグミ製剤を得た。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グミ組成物に医薬を含有させてなる、グミ
    製剤。
  2. 【請求項2】内服薬または口腔外用薬の形態である、請
    求項1に記載のグミ製剤。
  3. 【請求項3】その表面にコーティングが施されてなる、
    請求項1または2に記載のグミ製剤。
  4. 【請求項4】グミ組成物のゲル化剤の主成分がゼラチン
    であって、水分含量が10〜25重量%であり、Aw
    (水分活性、20℃)が0.7以下で微生物の繁殖の恐
    れのない、請求項1記載のグミ製剤。
  5. 【請求項5】医薬と、糖質65〜87重量%と、ゼラチ
    ンを主体としてなるゲル化剤3〜10重量%と、水分1
    0〜25重量%とを含んでなる、請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載のグミ製剤。
  6. 【請求項6】香料、着色料、または酸味料を更に含んで
    なる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のグミ製剤。
  7. 【請求項7】ゼラチンを主体としてなるゲル化剤がゼラ
    チンのみからなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載
    のグミ製剤。
  8. 【請求項8】医薬がマイクロカプセル化された形態また
    はバインダーとともに造粒された粒状形態である、請求
    項1〜7のいずれか一項に記載のグミ製剤。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか一項に記載のグミ
    製剤の製造法であって、糖質を水と混合加熱し、これに
    ゼラチンを主体としてなるゲル化剤および医薬を加え、
    場合によって香料、着色料、または酸味料を加えてグミ
    製剤生地を得て、このグミ製剤生地を冷却固化させるこ
    とを含んでなる、方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜8のいずれか一項に記載のグ
    ミ製剤の製造法であって、糖質を水と混合加熱し、これ
    にゼラチンを主体としてなるゲル化剤を加え、場合によ
    って香料、着色料、または酸味料を加えてグミ生地を得
    て、このグミ生地を冷却し、グミ生地が増粘するが十分
    に固化する前に医薬を加え、混合した後、グミ製剤生地
    を冷却固化させることを含んでなる、方法。
JP14757596A 1995-06-09 1996-06-10 グミ製剤 Pending JPH0952850A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14757596A JPH0952850A (ja) 1995-06-09 1996-06-10 グミ製剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-143501 1995-06-09
JP14350195 1995-06-09
JP14757596A JPH0952850A (ja) 1995-06-09 1996-06-10 グミ製剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0952850A true JPH0952850A (ja) 1997-02-25

Family

ID=26475209

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14757596A Pending JPH0952850A (ja) 1995-06-09 1996-06-10 グミ製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0952850A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11349473A (ja) * 1998-06-03 1999-12-21 Otsuka Pharmaceut Co Ltd 味マスキング医薬製剤
JP2004210780A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Altergon Sa 甲状腺ホルモン用医薬形態およびそれを得るための方法
JP2004337132A (ja) * 2003-05-19 2004-12-02 Mitsui Norin Co Ltd 苦渋味抑制剤
US8048470B2 (en) * 2005-02-01 2011-11-01 Wm. Wrigley, Jr. Company Coated confectionary product
JP2012519686A (ja) * 2009-03-05 2012-08-30 ヒーロー ニュートリショナルズ, エルエルシー 有機チュアブルサプリメント
JP2018039749A (ja) * 2016-09-06 2018-03-15 ライオン株式会社 内服用半固形製剤及びその製造方法
EP3641773A4 (en) * 2017-06-20 2021-03-17 Seattle Gummy Company GELATIN-BASED GUMMY COMPOSITIONS AND THEIR PRODUCTION AND USE PROCESSES
JP2021519798A (ja) * 2018-04-10 2021-08-12 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.Dsm Ip Assets B.V. 弾性食感を有する多粒子固体剤形
GB2613695A (en) * 2021-10-29 2023-06-14 Soothing Solutions Ltd Lollipop for the administration of pharmaceuticals, food supplements and nutraceuticals

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11349473A (ja) * 1998-06-03 1999-12-21 Otsuka Pharmaceut Co Ltd 味マスキング医薬製剤
JP2004210780A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Altergon Sa 甲状腺ホルモン用医薬形態およびそれを得るための方法
JP2004337132A (ja) * 2003-05-19 2004-12-02 Mitsui Norin Co Ltd 苦渋味抑制剤
US8048470B2 (en) * 2005-02-01 2011-11-01 Wm. Wrigley, Jr. Company Coated confectionary product
JP2012519686A (ja) * 2009-03-05 2012-08-30 ヒーロー ニュートリショナルズ, エルエルシー 有機チュアブルサプリメント
JP2018039749A (ja) * 2016-09-06 2018-03-15 ライオン株式会社 内服用半固形製剤及びその製造方法
EP3641773A4 (en) * 2017-06-20 2021-03-17 Seattle Gummy Company GELATIN-BASED GUMMY COMPOSITIONS AND THEIR PRODUCTION AND USE PROCESSES
JP2021519798A (ja) * 2018-04-10 2021-08-12 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.Dsm Ip Assets B.V. 弾性食感を有する多粒子固体剤形
GB2613695A (en) * 2021-10-29 2023-06-14 Soothing Solutions Ltd Lollipop for the administration of pharmaceuticals, food supplements and nutraceuticals
GB2613538A (en) * 2021-10-29 2023-06-14 Soothing Solutions Ltd Lollipop for the administration of pharmaceuticals, food supplements and nutraceuticals

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2002230589B2 (en) Fast dissolving tablet
AU666509B2 (en) Intrabuccally disintegrating preparation and production thereof
JP5674666B2 (ja) 崩壊性粒子組成物及び口腔内速崩壊錠
RU2093143C1 (ru) Лекарственная форма и способ ее получения
EP1443968B1 (en) Edible film
DE60213190T2 (de) In der mundhöhle schnell zerfallende tabletten und prozess zu deren herstellung
US20060035008A1 (en) Edible film containing food acid
US20110288135A1 (en) Fast Dissolving Tablet
JP2000264836A (ja) 口腔内崩壊型錠剤およびその製造法
AU2002230589A1 (en) Fast dissolving tablet
CA2419089A1 (en) Composition comprises sustained-release fine particles for quick-disintegrating tablets in the buccal cavity and manufacturing method thereof
JP5956475B2 (ja) 苦味マスク顆粒含有口腔内崩壊錠
JP2015078182A (ja) 速崩壊性圧縮成型物及びその製法
JPH0952850A (ja) グミ製剤
US20040137061A1 (en) Functional grain-containing preparations quickly disintegrated in the oral cavity
CN110325178A (zh) 改善含量均一性的制剂的制造方法
JP6360795B2 (ja) 経口製剤
JPH09316006A (ja) 口腔内溶解性固形製剤
JPH10130140A (ja) グミ製剤の製造方法
JPH10316556A (ja) 安定な口腔内崩壊型揮散性薬物含有固形剤およびその製造法
JP2000186032A (ja) 易崩壊性固形物およびその製造方法