JP3797605B2 - 粒状被覆製剤の製造方法 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、薬物を含有する粒子を被覆することにより、外部環境からの薬物への影響を受けにくくし、また、苦味、辛味、甘味等の不快な味を改善し、服用性を改善する粒状被覆製剤の製造方法、およびその粒状被覆製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
比表面積の大きいドライシロップ剤、散剤、細粒剤などの粒状製剤は、外部環境からの影響を受けやすく、また、味を感じやすく、薬物が不快な味(苦味、辛味、渋み、不快な臭いを含む)を有する場合には、服用性が非常に悪くなる。特に、小児用製剤においては、服薬困難等のコンプライアンスの問題が発生する。ドライシロップ剤、細粒剤は、処方、服用の簡便さから小児用剤形として選択されることが多いが、薬物の不快な味の漏出を充分抑制しているものは少なく、香料や甘味料を添加して矯味しているのが現状である。
【0003】
従来、医薬品において、不快な味を有する物質の味を軽減させる方法として、粒子の表面に高分子物質を被覆する方法が知られている。例えば、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性高分子物質を使用する場合には、薬物が水に易溶である場合は被覆膜表面への薬物の浸潤や、水に不安定な薬物は活性の低下が起こる可能性がある。また、エチルセルロース等の水不溶性高分子物質を使用する場合は、有機溶媒を使用する(特開平2−96516号公報)が、溶媒中への薬物の移行によってマスキング効果が悪くなる可能性があり、有機溶媒の使用は環境への影響の面から考えても好ましくなく、爆発・引火等の危険性もある。また、水溶性高分子物質を使用する場合は口中での粘着が、水不溶性高分子物質の場合もその形状からざらつき感を伴うため、いずれも服用性が好ましくない。
【0004】
近年これらの問題を解決するため、粒子表面に低融点物質を加熱処理することによって溶融させた後冷却し被覆する方法(特開平1−287021号公報、特開平2−96516号公報、特開平4−300821号公報等)が開発された。しかし、この方法でもマスキング効果を高めようとすると被膜内部と外部の接触を極力抑制しなくてはならず、そのために被覆部分が厚くなり、結果的に低融点物質を多量に必要としたり溶出遅延や凝集物の増加など製品の品質に悪影響を及ぼすなど問題がある。よって、現状の方法では品質とマスキングの両立は不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、服用性に優れ、しかも速やかな溶出を示し、生体内での吸収も優れた粒状被覆製剤の製造方法を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、2種以上の担体を該担体の融点を高い順に、薬物を含有する粒子を被覆してなる粒状被覆製剤の製造法であって、少なくとも以下のa)b)の工程を含む粒状被覆製剤の製造法を見出した。
a)薬物を含有する粒子を、2種以上の担体のうち最も融点の高い担体と、該融点以上の温度で混合した後、冷却し、一重被覆製剤を得る工程。
b)a)で得られた一重被覆製剤を、2種以上の担体のうち2番目に融点の高い担体と、2種以上の担体のうち2番目に高い融点以上、かつ最も高い融点未満の温度で混合した後、冷却し、二重被覆製剤を得る工程。
c)更に、担体が3種類以上ある場合にはb)で得られた二重被覆製剤を次に融点の高い担体と、その担体の融点以上、かつ直前に用いた担体の融点未満の温度で混合した後、冷却し、被覆する工程、以下この工程を必要に応じて順次繰り返して行う工程。
【0007】
本発明においては、薬物を含有する粒子に、融点が40〜90℃で薬学的に許容できる担体を2種類以上選択し、それらを融点が高い順に溶融混合して前記粒子の表面を順に被覆し冷却する事を繰り返して粒状被覆製剤を得ることが望ましい。2種類以上の担体の融点の差は各々10℃以上、特に15℃以上にすることが望ましい。また、薬物を含有する粒子100重量部に対し担体の総被覆量が10〜110重量部であることが望ましい、即ち少量で複数の被覆層を形成することによって充分なマスキング効果及び服用するのに適度な粒子径で表面が滑らかな粒状被覆製剤が得られる。すなわち、本発明は、不快な味を有する薬物を含有する造粒物を被覆して粒状被覆製剤を製造する際に、融点が40℃〜90℃である2種類以上の薬学的に許容できる担体を、その融点が高い順に用い、該担体を溶融混合して被覆することを繰り返す工程を含む不快な味の改善された粒状被覆製剤を製造するものである。
【0008】
さらに、この担体は、水不溶性であることが好ましく、具体的には油脂、特にヒマシ硬化油、ナタネ硬化油を用いることが好ましい。
また、担体被覆後の粒子は、その粒子径が、全て850μm以下であり、500μm以上のものが全重量の5%以下、かつ75μm以下のものが10%以下であることが望ましい。
これらの薬物としては不快な味、特に苦味を呈する薬物、具体的にはロキタマイシン、塩酸ミルナシプラン及び塩酸セフチゾキシムアラピボキシル等が用いられる。特に薬物が塩酸セフチゾキシムアラピボキシルの場合は、日本薬局方一般試験法溶出試験第2法において30分で薬物の含有率の75%以上が溶出するものであることが望ましい。
【0009】
また本発明は、不快な味を有する薬物を含有する造粒物を担体で被覆して得られる粒状被覆製剤に関する。
この粒状被覆製剤は、融点が40℃〜90℃である薬学的に許容できる担体による被覆された被覆層が2層以上形成されており、内側の被覆層から外側の被覆層の順に、融点が高い担体から低い担体が使用されていることを特徴とする不快な味の改善された粒状被覆製剤である。また、本発明により得られる製剤は、不快な味の改善に対して効果を示すだけではなく、例えば、薬剤の安定化、徐放化、溶出部位の選択にも効果を示す。吸湿性の高い薬剤であって、吸湿により分解する薬剤であれば、本発明により水不溶性の担体による粒状被覆製剤とすることで、分解を防止できる。また、特定臓器の消化液に分解されにくい担体を選択することにより、徐放化、溶出部位の選択も可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明の薬物としては、乾燥状態において固形となるものであれば特に限定されないが、好ましくは不快な味(苦味、辛味、渋み、不快な臭いを含む)を有するもの、徐放化が好ましいものなどが挙げられる。具体的には中枢神経系用薬(アスピリン、塩酸メクロフェノキサート、クロルプロマジン、トルメチンナトリウム、塩酸ミルナシプラン、フェノバルビタール等)、抹消神経系用薬(エトミドリン、塩酸トルペリゾン、臭化エチルピペタナート、臭化メチルベナクチジウム、フロプロピオン等)、循環器官用薬(アミノフィリン、塩酸エチレフリン、塩酸ジルチアゼム、ジギトキシン、カプトプリル等)呼吸器官用薬(塩酸エフェドリン、塩酸クロルプレナリン、クエン酸オキセラジン、クロペラスチン、クロモグリク酸ナトリウム等)、消化器官用薬(塩化ベルベリン、塩酸ロペラミド、シメチジン、センノシド、デヒドロコール酸等)、ビタミン剤(アスコルビン酸、塩酸セトチアミン、コカルボキシラーゼ、パントテン酸カルシウム、酪酸リボフラビン等)、代謝性製剤(メシル酸カモスタット、ミゾリビン、塩化リゾチーム等)アレルギー用薬(塩酸シプロヘプタジン、塩酸ジフェンヒドラミン、酒石酸アリメマジン、トシル酸スプラタスト、マレイン酸ジフェンヒドラミン等)、化学療法剤(アシクロビル、エノキサシン、オフロキサシン、ピペミド酸三水和物、レボフロキサシン等)、抗生物質製剤(エリスロマイシン、塩酸セフカペンピボキシル、セフテラムピボキシル、セフポドキシムプロキセチル、セファクロル、クラリスロマイシン、ロキタマイシン、塩酸セフチゾキシムアラピボキシルで示される(Pivaloyloxymethyl-[(6R,7R)-7-[(Z)-2-[(S)-alanylamino]-4-thiazolyl]-2-methoxyiminoacetamido]-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo[4,2,0]oct-2-ene-2-carboxylate)hydrochloride(特公平6−102667号公報等)が挙げられる。更にこのような薬物の中で、水に易溶性又は水の存在下で物質として不安定なものが特に好ましい。
【0011】
薬物は通常微粒子であるため、何らかの方法で一旦造粒することが好ましい。必要に応じて賦形剤、緩衝剤、崩壊剤、結合剤等の医薬用添加物を添加しても構わない。医薬用添加物を添加する場合には、通常の添加量、添加方法によればよい。造粒の方法としては、一般的には、乾式造粒法、湿式造粒法などが挙げられるが、方法は限定されず、造粒物が目的の粒子径を得られれば良い。最終製品(被覆後の造粒物)の平均粒子径が100μm〜1000μm程度、好ましくは第14改正日本薬局法の散剤の規格(850μm以上の粒子がなく,500μm以上の粒子が全重量の5%以下)、更に好ましくは第14改正日本薬局法の細粒剤の規格(散剤の規格に適合し、更に75μm以下の粒子が全重量の10%以下)に適合するような粒子径を目的とするので、造粒物の平均粒子径は50μm〜400μm程度が例示される。
【0012】
本発明の融点が40℃〜90℃である薬学的に許容できる担体としては、特に限定されない。これらの融点は、製造の作業性や薬物への影響を考慮すれば90℃以下であることが好ましく、製品の保存形態を考えると少なくとも40℃以上であることが好ましい。具体的には、例えば、ヒマシ硬化油(融点=86℃、以下括弧内は融点を示す)、大豆硬化油(67℃)、ナタネ硬化油(68℃)等の各種硬化油;ステアリルアルコール(59℃)、セタノール(50℃)等の高級アルコール;ステアリン酸(69℃)、パルミチン酸(56℃)等の高級脂肪酸;カルナウバロウ(86℃)、さらし蜜ロウ(67℃)等の植物性または動物性脂肪またはロウ;パラフィン(50〜70℃)等の炭化水素;マクロゴール4000(55℃)、マクロゴール6000(59℃)等のポリエチレングリコール;ショ糖脂肪酸エステル(40〜60℃)、モノステアリン酸グリセリン(60℃)等の高級脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシプロピレングリコール(40〜60℃)等の界面活性剤が挙げられる。好ましくは、水不溶性物質であり、特に好ましくは、保存時の温度影響を受けにくい融点が60℃〜90℃で、溶融時の液の展延性に優れたヒマシ硬化油、ナタネ硬化油、カルナウバロウ等が例示される。
【0013】
本発明において使用する融点が40℃〜90℃で薬学的に許容できる担体は、2種類以上であれば何種類でもかまわないが、それぞれの温度差が少なくとも10℃以上離れていることが好ましい。例えば、ヒマシ硬化油とナタネ硬化油(融点差18℃)、カルナウバロウとステアリルアルコール(融点差27℃)、ステアリン酸とセタノール(融点差19℃)等が好ましい組み合わせとして例示される。
【0014】
薬物を含有する造粒物に対するこれらの担体の添加方法は、適宜の方法を用いることができるが、通常は、造粒物に担体を加温しながら混合する方法が好ましい例として例示される。担体の添加に際しては、担体は、粉体又は液体のいずれの状態により添加しても構わないが、工程の簡便さを考慮すれば粉体での添加が好ましい。加温または加熱温度は、担体の融点以上にすればよいが、通常は、担体の融点より約5〜10℃高い程度、好ましくは10℃程度高い温度が例示される。加熱により担体を溶融させ、被覆し、その後冷却(室温程度)することで、担体が実質的な層(被覆層)を形成することによって被覆される。但し、それらの担体を被覆する際に、最初に被覆した物質が後から被覆する時に溶融する様な組み合わせでは充分な効果は得られない。即ち最初に被覆された層と後からの被覆された層の複数の被覆層を形成することによって、少量の添加で充分なマスキング効果を得られるのである。よって、最初の担体の融点はより高温で、後の担体の融点はより低温であるような組み合わせが好ましく、両者の融点の差が大きいほど明瞭な被服層が形成されやすく、また低温側の融点の担体を溶融処理する際の温度制御も容易であるので、前述したような融点差10℃程度の組み合わせが好ましい。さらに好ましくは15℃、より好ましくは18℃、最も好ましくは20℃以上の融点差が好ましい。なお、被膜形成を阻害するような物質以外は、担体と同時に被覆することも可能である。
【0015】
本発明において造粒物を被覆する担体の添加量(以下被覆量と呼ぶ)は、造粒物を被覆する最低量であれば特に制限されない。しかし、粒子の表面積により不快な味をマスキングする被覆量は異なるため、均一な被覆厚さを達成する量としては、造粒物100重量部に対して被覆量10重量部以上が好ましい。ただし、被覆することによって薬物の溶出性が極端に悪くなることを避けるため、塩酸セフチゾキシムアラピボキシルの場合は、日本薬局方一般試験法 溶出試験法 第2法(パドル法、パドル回転数50回転)に従い900mLの緩衝液(塩化ナトリウム2.0gに希塩酸24.0mL及び水を溶かして1000mLとした液でpH約1.2、液温度37℃)中において30分で薬物の含有率の75%以上が溶出するような被覆量が好ましい。また、被覆量が多くなれば粒子径が大きくなり、ざらつきなどの服用感が悪くなるため、通常は造粒物100重量部に対して110重量部以下、特に好ましくは30重量部以下が好ましい。
【0016】
本発明の粒状被覆製剤の製造方法は、例えば以下の方法により行なうことができる。まず、薬物と各種添加剤を混合・造粒し、薬物を含有する粒子を得る。この薬物を含有する粒子の粒径は50〜400μmが好ましい。この薬物を含有する粒子と2種以上の担体のうち最も融点の高い担体を加温機能を有する撹拌造粒機中に投入し、混合しながらこの担体の融点より5〜10℃高い温度に加温し、充分に溶融され薬物を含有する粒子の表面に均一に付着されたことを確認後、室温に戻し冷却することによって一重被覆製剤を得る。この際予め撹拌造粒機を上記の温度に加温しておくと短時間で被覆できる。次いで、この一重被覆製剤と前記の担体の次に融点の高い担体を撹拌造粒機中で混合し、融点の最も高い担体は融けないが、次に融点の高い担体は融ける温度、すなわち2種以上の担体のうち2番目に高い融点以上かつ最も高い融点未満の温度に加温し、融点の2番目に高い担体が充分に溶融され一重被覆製剤に均一に付着されたことを確認後、室温に戻し冷却することによって二次被覆製剤を得る。この場合も予め撹拌造粒機を加温しておくと短時間で被覆できる。また、必要に応じて更に高次の被覆製剤を得てもよい。この場合、更に整粒装置を用いて粒子形状を揃える。最後に、通常医薬品添加物として使用されている各種添加剤を加えて粒状被覆製剤を得る。
【0017】
本発明において、粒状被覆製剤としては、具体的には、ドライシロップ剤、散剤、細粒剤等が例示される。
【0018】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は実施例により限定されない。
【0019】
【実施例1】
塩酸セフチゾキシムアラピボキシル30重量部(薬物、特公平6−102667号公報記載の方法に従い製したもの)、沈降炭酸カルシウム30重量部(備北粉化工業(株)製)、結晶セルロース40重量部(旭化成(株)製、商品名アビセルPH−101)を混合し、乾式造粒機(フロイント産業(株)製、商品名TF−MINI)にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。この造粒物90重量部に対しヒマシ硬化油(フロイント産業(株)製、商品名Lubri wax 101、融点86℃)10重量部を加えて撹拌造粒機((株)パウレック製、商品名FM−VG−01)中でゆっくり混合しながら約95℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。更にこの1回被覆した造粒物90重量部に対しナタネ硬化油(フロイント産業(株)製、商品名Lubri wax 103、融点68℃)を10重量部加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約75℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。その後500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状被覆製剤とし、更にアスパルテーム(味の素(株)製)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学(株)製、商品名ノイシリンUFL2)を適量加えた。(造粒物100重量部に対し約23重量部の被覆量、粒子径850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下1%,平均粒子径=260μm)
【0020】
【実施例2】
塩酸セフチゾキシムアラピボキシル30重量部、沈降炭酸カルシウム15重量部、クエン酸三ナトリウム(昭和化工(株)製)15重量部、結晶セルロース40重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。以降の被覆の方法は実施例1と同様に行い、500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状被覆製剤とした後、沈降炭酸カルシウム、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し約23重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下1%,平均粒子径=260μm)
【0021】
【実施例3】
塩酸セフチゾキシムアラピボキシル30重量部、沈降炭酸カルシウム30重量部、結晶セルロース40重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。この造粒物70重量部に対しヒマシ硬化油(融点86℃)30重量部を加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約95℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。更にこの1回被覆した造粒物70重量部に対しナタネ硬化油(融点68℃)を30重量部加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約75℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。その後500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状被覆製剤とし、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し約104重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上1%,75μm以下4%,平均粒子径=370μm)
【0022】
【実施例4】
塩酸セフチゾキシムアラピボキシル30重量部、沈降炭酸カルシウム30重量部、結晶セルロース40重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。この造粒物95重量部に対しヒマシ硬化油(融点86℃)5重量部を加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約95℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。更にこの1回被覆した造粒物95重量部に対しナタネ硬化油(融点68℃)を5重量部加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約75℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。その後500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とし、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し約11重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下0%,平均粒子径=230μm)
【0023】
【実施例5】
塩酸セフチゾキシムアラピボキシル30重量部、沈降炭酸カルシウム30重量部、結晶セルロース40重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。この造粒物90重量部に対しヒマシ硬化油(融点86℃)10重量部を加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約95℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。更にこの1回被覆した造粒物90重量部に対しナタネ硬化油(融点68℃)を10重量部加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約75℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。その後、更にアスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し約23重量部の被覆量、粒子径850μm以上2%,500μm以上3%,75μm以下1%,平均粒子径=300μm)
【0024】
【実施例6】
塩酸セフチゾキシムアラピボキシル30重量部、クエン酸三ナトリウム30重量部、結晶セルロース10重量部(旭化成(株)製、商品名アビセルPH−302)、エチルセルロース30重量部(ダウケミカル(株)製、商品名エトセル10FP)を混合し、無水エタノールを結合液として攪拌造粒機にて造粒後、乾燥、整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。この造粒物80重量部に対しヒマシ硬化油(融点86℃)20重量部を加えて撹拌造粒機でゆっくり混合しながら約95℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。次にこの1回被覆した造粒物90重量部に対しナタネ硬化油(融点68℃)を10重量部加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約75℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。更にこの2回被覆した造粒物80重量部に対し沈降炭酸カルシウム8重量部、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、商品名シュガーエステルP-1670)10重量部、アスパルテーム2重量部を加えて攪拌造粒機中でゆっくり混合しながら約55℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。その後500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とし、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、香料を適量加えた。(造粒物100重量部に対し約74重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下3%,平均粒子径=300μm)
【0025】
【実施例7】
塩酸セフチゾキシムアラピボキシル30重量部、沈降炭酸カルシウム30重量部、結晶セルロース10重量部、エチルセルロース30重量部を混合し、無水エタノールを結合液として攪拌造粒機にて造粒後、乾燥、整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。この造粒物80重量部に対しヒマシ硬化油(融点86℃)20重量部を加えて撹拌造粒機でゆっくり混合しながら約95℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。次にこの1回被覆した造粒物90重量部に対しナタネ硬化油(融点68℃)を10重量部加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約75℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。更にこの2回被覆した造粒物80重量部に対しクエン酸三ナトリウム8重量部、ショ糖脂肪酸エステル10重量部、アスパルテーム2重量部を加えて攪拌造粒機中でゆっくり混合しながら約55℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。その後500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とし、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、香料を適量加えた。(造粒物100重量部に対し約74重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下3%,平均粒子径=300μm)
【0026】
【実施例8】
塩酸ミルナシプラン30重量部(薬物、ピエール・ファブル社製)、結晶セルロース70重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。以降の被覆の方法は実施例1と同様に行い、500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とした後、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クエン酸三ナトリウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し約23重量部の被覆量、粒子径850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下1%,平均粒子径=240μm)
【0027】
【実施例9】
塩酸ミルナシプラン30重量部、結晶セルロース70重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。以降の被覆の方法は実施例3と同様に行い、500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とした後、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クエン酸三ナトリウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し約104重量部の被覆量、粒子径850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下2%,平均粒子径=360μm)
【0028】
【実施例10】
ロキタマイシン30重量部(薬物、旭化成(株)製)、結晶セルロース70重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。以降の被覆の方法は実施例1と同様に行い、500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とした後、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クエン酸三ナトリウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し約23重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下1%,平均粒子径=220μm)
【0029】
【実施例11】
ロキタマイシン30重量部、結晶セルロース70重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。以降の被覆の方法は実施例3と同様に行い、500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とした後、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クエン酸三ナトリウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し約104重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下3%,平均粒子径=330μm)
【0030】
【比較例1】
塩酸セフチゾキシムアラピボキシル30重量部、沈降炭酸カルシウム30重量部、結晶セルロース40重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。この造粒物80重量部に対しヒマシ硬化油(融点86℃)20重量部を加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約95℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。その後500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とし、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し25重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下1%,平均粒子径=260μm)
【0031】
【比較例2】
塩酸セフチゾキシムアラピボキシル30重量部、沈降炭酸カルシウム30重量部、結晶セルロース40重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。この造粒物50重量部に対しヒマシ硬化油(融点86℃)50重量部を加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約95℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。その後500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とし、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し100重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上1%,75μm以下5%,平均粒子径=380μm)
【0032】
【比較例3】
塩酸セフチゾキシムアラピボキシル30重量部、沈降炭酸カルシウム30重量部、結晶セルロース40重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。この造粒物80重量部に対しナタネ硬化油(融点68℃)20重量部を加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約75℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。その後500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とし、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し25重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下1%,平均粒子径=260μm)
【0033】
【比較例4】
塩酸セフチゾキシムアラピボキシル30重量部、沈降炭酸カルシウム30重量部、結晶セルロース40重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。この造粒物80重量部に対しヒマシ硬化油(融点86℃)の塩化メチレン溶液を流動層造粒機((株)パウレック製、商品名STREA−1)にて20重量部被覆した。その後500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とし、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し25重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下4%,平均粒子径=240μm)
【0034】
【比較例5】
塩酸セフチゾキシムアラピボキシル30重量部、沈降炭酸カルシウム30重量部、結晶セルロース40重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。この造粒物80重量部に対し水不溶性高分子であるエチルセルロースのエタノール溶液を流動層造粒機にて20重量部被覆した。その後500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とし、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し25重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下4%,平均粒子径=220μm)
【0035】
【比較例6】
塩酸セフチゾキシムアラピボキシル30重量部、沈降炭酸カルシウム30重量部、結晶セルロース40重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。この造粒物80重量部に対しヒマシ硬化油(融点86℃)20重量部を加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約95℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。更にこの1回被覆した造粒物90重量部に対し水不溶性高分子であるエチルセルロースのエタノール溶液を流動層造粒機にて10重量部被覆した。その後500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とし、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し約39重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上1%,75μm以下3%,平均粒子径=280μm)
【0036】
【比較例7】
塩酸セフチゾキシムアラピボキシル30重量部、沈降炭酸カルシウム30重量部、結晶セルロース40重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。この造粒物80重量部に対しヒマシ硬化油(融点86℃)20重量部を加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約95℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。更にこの1回被覆した造粒物80重量部に対しヒマシ硬化油(融点86℃)を20重量部加えて撹拌造粒機中でゆっくり混合しながら約95℃に加熱処理し、充分溶融され造粒物に均一に付着されたことを確認後、撹拌造粒機中から取り出し室温放置することによって冷却処理した。その後500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とし、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し56重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上1%,75μm以下4%,平均粒子径=310μm)
【0037】
【比較例8】
塩酸ミルナシプラン30重量部と結晶セルロース70重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。以降の被覆の方法は比較例1と同様に行い、500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とした後、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クエン酸三ナトリウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し25重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下1%,平均粒子径=230μm)
【0038】
【比較例9】
塩酸ミルナシプラン30重量部と結晶セルロース70重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。以降の被覆の方法は比較例4と同様に行い、500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とした後、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クエン酸三ナトリウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し25重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下5%,平均粒子径=230μm)
【0039】
【比較例10】
ロキタマイシン30重量部と結晶セルロース70重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。以降の被覆の方法は比較例1と同様に行い、500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とした後、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クエン酸三ナトリウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し25重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下1%,平均粒子径=210μm)
【0040】
【比較例11】
ロキタマイシン30重量部と結晶セルロース70重量部を混合し、乾式造粒機にて造粒後整粒し粒子径200μm程度の造粒物とした。以降の被覆の方法は比較例4と同様に行い、500μmの目開きのメッシュで整粒し粒状製剤とした後、アスパルテーム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クエン酸三ナトリウムを適量加えた。(造粒物100重量部に対し25重量部の被覆量、粒子径 850μm以上0%,500μm以上0%,75μm以下5%,平均粒子径=210μm)
【0041】
【試験例1】
実施例1〜11及び比較例1〜11で製造した粒状製剤0.5gを健康成人5名に口(舌の上)に含んでもらい、20〜30秒後の官能評価を行った。評価の方法として味に対しては無味(0)、わずかに苦みを感じる(1)、不快と感じない程度の苦味を感じる(2)、不快と感じる程度の苦味を感じる(3)、とても苦いと感じる(4)の5段階に分け、ざらつきに対しては滑らか(0)、ざらつく(1)の2段階に分け、5人の評価の合計で比較した。
【0042】
【表1】
Figure 0003797605
【表1のつづき】
Figure 0003797605
【0043】
この結果、次のことが判明した。
1)実施例1〜7と比較例1〜7比較より、実施例1〜7のほうが明らかに味のマスキング効果が高い。
2)実施例8、9と比較例8、9の比較より、実施例のほうが明らかに味のマスキング効果が高い。
3)実施例10、11と比較例10、11の比較より、実施例のほうが明らかに味のマスキング効果が高い。
4)実施例及び比較例とも、被覆量が増えるとマスキング効果が高まる傾向がある。
5)実施例1、2、4及び5は比較例7に比べて被覆量が少ないにもかかわらず、味のマスキング効果が著しく高かった。
6)実施例及び比較例とも、被覆量が増えるとざらつく傾向がある。
7)実施例1と実施例5の比較より、メッシュをかけないとざらつく傾向がある。
8)比較例4、5、6、8、11より、流動層により被覆したものはざらつく傾向がある 。
【0044】
【試験例2】
実施例1〜7及び比較例1〜7で製造した粒状製剤について日本薬局方一般試験法 溶出試験法 第2法(パドル法、パドル回転数50回転)に従い900mLの緩衝液(塩化ナトリウム2.0gに希塩酸24.0mL及び水を溶かして1000mLとした液でpH約1.2、液温度37℃)に100mg相当量の薬物を投入したときの溶出率を投入後60分まで測定した。
【0045】
この結果、図1より実施例3と比較例2以外は溶出が早く、30分で80%以上の溶出率がある。
【0046】
実験例1及び2の結果より、融点が40℃〜90℃である2種類以上の担体を、その融点が高い順に用いる事によって味のマスキング効果が高まり、その添加量を制御することによって溶出率もコントロール出来ることが推測される。
【0047】
【発明の効果】
本発明の粒状被覆製剤は、2種類以上の担体を被覆するため、少量の添加量で充分なマスキング効果が得られる。また、被覆する担体の種類、比率および被覆量を調節することにより、マスキングの程度(懸濁後何時間マスキングさせるか)及び消化管における溶出性を調節できる。従って、ドライシロップ剤、散剤、粒剤等の各種製剤に対応して最適な粒子径、被膜厚さ等を選択、制御することができる。また、有機溶媒を使用しないため、安全で環境に優しく、被覆方法も簡単であるので、工業化が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例2による薬剤の溶出率を示す。

Claims (13)

  1. 2種以上の担体を該担体の融点を高い順に、薬物を含有する造粒物を被覆してなる粒状被覆製剤の製造法であって、少なくとも以下の工程を含む粒状被覆製剤の製造法。但し、該2種以上の担体の融点が40℃〜90℃であり、且つ、各担体の融点の差が各々10℃以上である。
    a)薬物を含有する造粒物を、2種以上の担体のうち最も融点の高い担体と、該融点以上の温度で混合した後、冷却し、一重被覆製剤を得る工程。
    b)a)で得られた一重被覆製剤を、2種以上の担体のうち2番目に融点の高い担体と、2種以上の担体のうち2番目に高い融点以上、かつ最も高い融点未満の温度で混合した後、冷却し、二重被覆製剤を得る工程。
    c)更に、担体が3種類以上ある場合にはb)で得られた二重被覆製剤を次に融点の高い担体と、その担体の融点以上、かつ直前に被覆した担体の融点未満の温度で混合した後、冷却し、被覆する工程、以下この工程を必要に応じて順次繰り返して行う工程。
  2. 2種以上の担体が水不溶性である請求項に記載の製造方法。
  3. 2種以上の担体が油脂である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 2種以上の担体のうち最も融点の高い担体がヒマシ硬化油であり、2種以上の担体のうち2番目に融点の高い担体がナタネ硬化油である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 担体被覆後の粒子の粒子径が、全て850μm以下であり、500μm以上のものが全重量の5%以下、かつ75μm以下のものが10%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 薬物を含有する造粒物100重量部に対して、担体の総被覆量が10〜110重量部である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 薬物が、不快な味を呈する薬物である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 不快な味が苦味である請求項に記載の製造方法。
  9. 薬物が、ロキタマイシン、塩酸ミルナシプラン、塩酸セフチゾキシムアラピボキシルから選択されてなる請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  10. 2種以上の担体のうち最も融点の高い担体がヒマシ硬化油であり、2種以上の担体のうち2番目に融点の高い担体がナタネ硬化油であり、薬物が塩酸セフチゾキシムアラピボキシルであり、日本薬局方一般試験法 溶出試験法 第2法において30分で薬物の含有率の75%以上が溶出することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  11. 2種以上の担体を該担体の融点が高い順に、薬物を含有する造粒物を被覆してなる粒状被覆製剤であって、少なくとも以下の工程を経て製造することのできる粒状被覆製剤。但し、該2種以上の担体の融点が40℃〜90℃であり、且つ、各担体の融点の差が各々10℃以上である。
    a)薬物を含有する造粒物を、2種以上の担体のうち最も融点の高い担体と、該融点以上の温度で混合した後、冷却し、一重被覆製剤を得る工程。
    b)a)で得られた一重被覆製剤を、2種以上の担体のうち2番目に融点の高い担体と、2種以上の担体のうち2番目に高い融点以上、かつ最も高い融点未満の温度で混合した後、冷却し、二重被覆製剤を得る工程。
    c)更に、担体が3種類以上ある場合にはb)で得られた二重被覆製剤を次に融点の高い担体と、その担体の融点以上、かつ直前に被覆した担体の融点未満の温度で混合した後、冷却し、被覆する工程、以下この工程を必要に応じて順次繰り返して行う工程。
  12. 2種以上の担体のうち最も融点の高い担体がヒマシ硬化油であり、2種以上の担体のうち2番目に融点の高い担体がナタネ硬化油である請求項11に記載の粒状被覆製剤。
  13. 薬剤が、ロキタマイシン、塩酸ミルナシプラン、塩酸セフチゾキシムアラピボキシルから選択されてなる請求項11または12のいずれかに記載の粒状被覆製剤。
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