JPH11348449A - 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム - Google Patents

感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム

Info

Publication number
JPH11348449A
JPH11348449A JP16196798A JP16196798A JPH11348449A JP H11348449 A JPH11348449 A JP H11348449A JP 16196798 A JP16196798 A JP 16196798A JP 16196798 A JP16196798 A JP 16196798A JP H11348449 A JPH11348449 A JP H11348449A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
printing
heat
stencil printing
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16196798A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Yoshida
哲男 吉田
Hirobumi Murooka
博文 室岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP16196798A priority Critical patent/JPH11348449A/ja
Publication of JPH11348449A publication Critical patent/JPH11348449A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 下記特性を有する感熱孔版印刷原紙用ポリエ
ステルフィルムを提供する。 (1) 文宇およびベタ印刷のいずれにも鮮明な製版、
印刷が可能である。 (2) 文宇およびベタ印刷で太さ斑、濃淡斑のない製
版、印刷が可能である。 (3) 感度が著るしく高い。 (4) 皺が無く、安定して高感度を得られる。 【解決手段】 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からな
る厚さ0.2〜7μmの二軸延伸フィルムであって、該
フィルムをDSC測定したとき二つ以上の融解ピーク
(ショルダーを含む)が存在し、損失弾性率(測定周波
数:11Hz)の最も高温側のピーク温度(Te)が6
0〜100℃であり、該フィルムの面配向係数が0.1
20〜0.150の範囲にあることを特徴とする感熱孔
版印刷原紙用ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱孔版印刷原紙用
ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは印刷感度が
高く、印刷文字図形の太さ斑、濃度斑がなく、鮮明な製
版、印刷が可能な感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、キセノンフラッシュランプ、サー
マルヘッド、あるいは、レーザー光線等のパルス照射な
どによる熱を受けることにより穿孔製版される原紙を用
いた感熱孔版印刷が注目されている。この製版方法の原
理は、例えば特公昭41−7623号公報、特開昭55
−103957号公報、特開昭59−143679号公
報などに記載されている。
【0003】従来、かかる感熱孔版印刷に用いる原紙と
して感熱孔版印刷原紙用フィルムに多孔性支持体を接着
剤又は熱によりラミネートしたものが使用されてきた。
例えば、感熱孔版印刷原紙用フィルムとしては塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン共重合体フィルムやポリプロピレン
フィルム、高結晶化ポリエチレンテレフタレートフィル
ムが使用され、多孔性支持体としては薄葉紙やポリエス
テル紗などが使用されてきた。
【0004】しかし、これらの感熱孔版印刷原紙用フィ
ルムには次のような欠点があった。 (1)塩化ビニルや塩化ビニリデン共重合体フィルムを
用いた場合、印刷後の文字が鮮明に出ない。 (2)ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを用いた場合、文字の鮮明なものが得られるが、
べタ印刷(黒丸や黒四角(四角で中が塗りつぶされてい
るもの))のような記号又は図形でインキの付着面積の
大きいもの(以下、ベタ印刷と称する)は鮮明なものが
得られない。 (3)文字印刷やベタ印刷で印刷部分に濃淡が出る。 (4)部分的に文字の太さのムラを生じる。 (5)感度が悪く、黒色のうすい文宇等が出ない。
【0005】これらの欠点を解消する為、特開昭62−
149496号公報では結晶融解エネルギーの小さいフ
ィルムの使用が、また特開昭62−282983公報で
は実質的に非晶な熱可塑性樹脂からなる高熱収縮率(1
00℃×10min、熱収縮率≧15%)フィルムの使
用が提案されている。
【0006】しかし、前者は、フィルムを製造する工程
中においてポリマーチップ乾燥時にブロッキングした
り、テンター式横延伸機のクリップに縦延伸フィルムエ
ッジが粘着したりする等の製造上の問題点があり、また
穿孔時軟化したポリマーがサーマルヘッドに付着しやす
く、連続製版した際、ポリマー付着物に起因した筋状の
白抜け斑が発生する等の印刷品質上の問題がある。
【0007】また、後者は、穿孔するために必要以上の
過大な熱エネルギーが加えられた場合、孔が過大に拡大
する傾向が大きく、ベタ印刷のような穿孔ドット密度が
高い印刷の際には穿孔された穴の囲りの熱穿孔により変
形した残存ポリマーが多孔性支持体の目につまる為、黒
く印刷されるべき個所のところどころに白抜けが生じ、
印刷濃度が低下するという問題がある。さらにフィルム
面に、スティッキング防止コーティングをする際や、多
孔性支持体とフィルムを接着剤によりラミネートする際
に、溶剤によりフィルムが収縮する等の孔版原紙の製造
上の問題がある。
【0008】これらの問題を解決するため、例えば特開
平3−39294号公報にはDSC昇温測定において二
つ以上の融解ピークを示すフィルムが提案され、実用に
供されているが、製品に皺が発生することが有り、本来
の感度が発揮できない問題が有る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
欠点を解消し、文宇の印刷やベタ印刷がともに鮮明であ
り、印刷の太さ斑がなく、さらに濃淡斑の出ない、耐久
性に優れ、かつ皺が無く感度の高い感熱孔版印刷原紙用
フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、熱可
塑性ポリエステル樹脂組成物からなる厚さ0.2〜7μ
mの二軸延伸フィルムであって、該フィルムをDSC測
定したとき二つ以上の融解ピーク(ショルダーを含む)
が存在し、損失弾性率(測定周波数:11Hz)の最も
高温側のピーク温度(Te)が60〜100℃であり、
該フィルムの面配向係数が0.120〜0.150の範
囲にあることを特徴とする感熱孔版印刷原紙用ポリエス
テルフィルムである。
【0011】本発明における感熱孔版印刷原紙とは、前
述したように、キセノンフラッシュランプ、サーマルヘ
ッド、レーザー光線などによる熱を受けることにより穿
孔製版されるもので、感熱孔版印刷原紙用フィルムに多
孔性支持体を貼り合せたものである。そして、この感熱
孔版印刷原紙用フィルム(以下、感熱フィルムと略すこ
とがある)は、閃光照射を受けた時やサーマルヘッドと
接触された時、被印刷原紙の文字等の部分が穿孔される
部分を形成する。
【0012】感熱フィルムの穿孔の過程は、下記の三段
階に分けることができる。
【0013】(1)サーマルヘッドとの接触、または電
磁波(キセノンフラッシュランプ光、レーザーパルス
等)照射により熱エネルギーが印加された部分が軟化・
溶融し、孔のきっかけが出来る。
【0014】(2)熱エネルギーが印加され、軟化した
孔のきっかけの周囲のポリマーが拡散された熱エネルギ
ーにより熱収縮・流動し、孔を広げる。
【0015】(3)軟化したポリマーが熱収縮力により
孔の周辺に引き寄せられ、自然冷却・放熱により固化
し、孔端部が形成されることにより孔の形が維持され
る。
【0016】本発明の感熱フィルムは、DSCの昇温測
定において、2つ以上の融解ピークを有し、比較的低温
域に融解ピークをもつことにより、孔のきっかけをつく
りやすくし、高温側にも融解ピークをもつことにより、
孔の拡張及び孔の形状の維持を行ないやすくし、かつ感
熱フイルムとして十分な機械的強度が得られることを特
徴とするものである。また動的粘弾性測定における損失
弾性率のピーク温度と動的弾性率をより高くすることに
より、皺の発生を防止し、安定的に高感度が得られるこ
とを特徴とするものである。
【0017】本発明において適用される熱可塑性ポリエ
ステル樹脂組成物とは、加熱によって塑性流動を示すポ
リエステルで、化字構造的には主として線状ポリマーで
あるが、これに低分子量のオリゴマーが合まれたもので
あってもよい。
【0018】代表的なものとしては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチ
ルテレ(イソ)フタレート、ポリエチレン−α,β−ビ
ス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4−ジカルボ
キシレート、ポリカーボネートなどが挙げられる。
【0019】本発明の場合、これらのポリエステルのホ
モポリマーとそれらの共重合体とのブレンド組成物が好
ましい。
【0020】また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内
で、ポリエステル以外の樹脂を含んでもよい。
【0021】本発明における感熱フィルムは二軸延伸さ
れている必要があり、一軸延伸や未延伸のフィルムでは
穿孔のムラを生じ、印刷後も欠陥部分を生じるので好ま
しくない。なお、二軸延伸の方法や程度は特に限定され
ないが、面配向係数が0.120〜0.150の範囲に
あることが必要である。面配向係数が0.120未満で
あるとフィルムの厚み斑が悪くなり結果として穿孔の斑
を生じ、感度が悪いものとなる。また、0.150を超
えるフィルムは製膜が困難であり著しく生産性が悪くな
り、脆く裂けやすいフィルムとなるためハンドリングが
困難である。
【0022】本発明の感熱フィルムは、2つ以上の融解
ピークのうち最も高温側の融解ピーク温度Tmp(ma
x)が260℃以下、さらに250℃以下、特に240
℃以下であることが好ましい。この温度が260℃より
高いと、穿孔性が不十分となり、感度の悪いものとなる
ため、好ましくない。
【0023】また、2つ以上の融解ピークのうち最も低
温側の融解ピーク温度Tmp(min)が90℃以上、
さらに100℃以上、特に110℃以上であることが好
ましい。この温度が90℃より低いと、サーマルヘッド
に穿孔時軟化したポリマーが付着しやすく、印刷品質上
に問題が生じたり、閃光照射による穿孔の際、原稿に付
着を生じるので、好ましくない。
【0024】本発明の感熱フィルムは、2つ以上の融解
ピークのうち最も高温側のピーク温度Tmp(max)
と最も低温側の融解ピーク温度Tmp(min)の差△
Tmpが10℃以上、さらに20℃以上、特に30℃以
上であることが好ましい。この温度差が10℃未満であ
る場合、穿孔性が不十分となるため、好ましくない。
【0025】本発明においては、二軸延伸フィルムの厚
さは0.2〜7μmであることが必要であり、好ましく
は0.5〜5μm、さらに好ましくは0.8〜3.5μ
mである。この厚みが0.2μm未満のものでは多孔質
支持体との貼合せが困難になり、印刷画像が不鮮明で濃
淡斑が出やすく、かつ耐刷性も低下する。一方、厚みが
7μmを超えるものでは穿孔感度が低く、印刷画像に欠
落部分を生じたり、太さ斑となるため、好ましくない。
【0026】本発明の感熱フィルムは、フィルムの最も
高温側の融解ピーク温度Tmp(max)から(Tmp
(max)−20℃)の範囲内で熱収縮率が10%以
上、更に20%以上であることが好ましい。この熱収縮
率が10%未満では、製版感度が低くなるため実用上問
題を生じることがある。
【0027】さらに本発明の感熱フィルムは、引張弾性
率が長手方向および幅方向とも300kg/mm2
上、さらに320kg/mm2以上であることが、孔版
原紙の作業性、耐刷性がより良好となり好ましい。
【0028】本発明の感熱フィルムは、動的粘弾性測定
(測定周波数11Hz)において、損失弾性率の最も高
温側のピーク温度(Te)が60〜100℃であること
を必要とする。
【0029】Teが60℃未満ではフィルムの熱収縮が
比較的低温で発生し、多孔質支持体(例えば和紙)とフ
ィルムを貼り合せた製品を、比較的高温下(例えば夏季
日中の自動車内)に置くとカールが発生し、使用できな
くなる場合が有る。即ち製品の保存性が低下する。ま
た、Teが100℃を超えると、穿孔エネルギーがかか
るようになり、感度が低下するとともに、製膜工程の温
度設定を高くする必要を生じ、既存設備が対応できない
場合がある。また、このTeはポリマーに起因するとこ
ろが大きいが、フィルムの二軸配向の程度によっても影
響を受けるため、該フィルムの面配向係数が前述の範囲
であることが好ましい。
【0030】ここで、動的粘弾性の測定は、ORIEN
TEC社製RHEOVIBRONMODEL DDV−
01FPを用い、試料の大きさは5×40mm、チャッ
ク間30mm、荷重2.0gf、測定周波数11Hz、
測定温度−10〜180℃、昇温速度3℃/分の条件で
測定する。そして損失弾性率は、いずれもフィルムの縦
方向と横方向の値の平均値で表すものとする。
【0031】本発明の感熱フィルムは、面としてマクロ
レベルでの熱的性質(DSC挙動)と動力学的性質(動
的粘弾性挙動)が上述した特性を満足するものであれ
ば、ホモポリマー、交互共重合体、ランダム共重合体、
相溶系ポリマーブレンドのようなミクロレベルでも均一
組成を形成しているものは勿論のこと、ブロック共重合
体、グラフト共重合体、半相溶系・非相溶系ポリマーブ
レンドのようなミクロレベルでみた場合、不均一組成を
形成しているものから成っていてもよく、また層構成と
しては単層は勿論のこと、多層状(2層以上)のもので
もよい。面としてのマクロレベルでの熱的性質の均一性
は、少なくとも50μm四方以下、好ましくは30μm
四方以下、さらに好ましくは10μm四方以下の面積の
範囲で熱的性質が均一であることが望ましい。50μm
四方を超える範囲でしか熱的性質が均一とならない場
合、サーマルヘッドのドット毎に穿孔性が異なり、濃淡
斑が出やすくなる。
【0032】本発明の感熱フィルムには、閃光照射する
波長域に吸収ピークをもつ添加剤等を添加しても良い。
【0033】多孔性支持体との接着性を向上させるた
め、感熱フィルムの表面を、空気、炭酸ガス又は窒素ガ
ス中で、コロナ放電処理をしたものでも良い。
【0034】また、本発明の感熱フィルムに、潤滑剤、
界面活性剤を塗布又は練り込んだ場合、原紙との離形性
が改されるため、好適である。
【0035】さらに、感熱フィルムの滑り性を改良する
ため有機、無機の添加剤を含有させてもよい。
【0036】本発明の感熱フィルムと貼り合せる多孔質
支持体としては、特に限定されないが、和紙、天具帖、
合成繊維抄造紙、各種織布、不織布などをその代表例と
して挙げることができる。また、使用する多孔質支持体
の坪量は、特に限定されないが、通常は2〜20g/m
2、好ましくは5〜15g/m2程度のものが使用され
る。また、メッシュ状シートを用いる場合は、20〜6
0μmの太さの繊維を織ったものを使用するのが好まし
く、また格子間隔が20〜250μmのものを使用する
のが好ましい。
【0037】本発明の感熱フィルムと多孔質支持体を貼
り合せるのに使用される接着剤としては、特に限定され
ないが、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン
系樹脂、ポリエステル系樹脂をその代表例として挙げる
ことができる。
【0038】次に本発明の感熱フィルムの製造方法につ
いて説明する。
【0039】本発明の感熱フィルムは、例えばより高温
域に融解ピークをもつ熱可塑性ポリエステル樹脂成分
に、より低温域に融解ピークをもつ熱可塑性ポリエステ
ル樹脂成分を共重合したり、ブレンドしたり、多層積層
することによって得られた樹脂原料を所定の条件で十分
乾燥した後、押出機に供給し、スリット状ダイ(例えば
T−ダイ、I−ダイ)より、又はインフレーションキャ
スト法などにより溶融製膜した後、二軸延伸することに
より得られる。
【0040】二軸延伸の方法は、特に限定されるもので
はないが、逐次二軸延伸や同時二軸延伸(ステンター
法、チューブ法)を用いることができる。
【0041】また、このようにして得られた二軸延伸フ
イルムは適宜熱処理を施してもよい。熱処理条件は特に
限定されないが、80〜250℃で弛緩率20%以下の
範囲で行なうのが通常である。
【0042】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、本発明における
種々の物性値および特性は以下の如く測定されたもので
あり、また定義される。
【0043】(1)融解ピーク温度Tmp(℃) (T
mp(min)、Tmp(max)) フィルム10mgをTA Instruments T
hermal Analyst 2100型にセット
し、N2気流中で20℃/minの昇温速度で加熱し、
該フィルムの融解にともなう吸熱挙動を1次微分、2次
微分で解析し、ピークまたはショルダーを示す温度を決
定し、これを融解ピーク温度とした。
【0044】(2)フィルム厚さ(t) フィルムの厚さt(μm)は該フィルムの幅をW(c
m)、長さをL(cm)にサンプリングした時の重さを
G(g)、密度をd(g/cm3)としたとき、次式で
計算して求めた。 t=10000G/(W・L・d)
【0045】(3)固有粘度([η]) o−クロロフェノールを溶媒として用い、25℃で測定
した値であり、単位は100cc/gである。
【0046】(4)面配向係数 フィルムの縦方向の屈折率(NMD)と横方向の屈折率
(NTD)、また厚み方向の屈折率(Nz)を求め下記式
により求めた。 面配向係数=(NMD+NTD)/2−Nz なお、屈折率の測定は、アッベの屈折計を用いた。
【0047】(5)引張弾性率(ヤング率)(kg/m
2) フィルムを試科巾10mm、長さ15cmに切り、チャ
ック間100mmにして引張速度10mm/分、チャー
ト速度100mm/分でインストロンタイプの万能引張
試験装置にて引張り、得られた荷重−伸び曲線の立上り
部の接線より引張弾性率(ヤング率)を計算して求め
た。
【0048】(6)文字印刷の評価 (6−1)文宇の鮮明さの評価 JIS第1水準の文字を、文字サイズ3.0mm□の原
稿とし、ポリエステル紗でできた多孔性支持体と感熱フ
ィルム(実施例、比較例も同様にして)とを貼り合せた
ものを、閃光照射方式として「RISO名刺ごっこ”製
版・印刷機(理想科字工業(株)製)」を用いて、サー
マルヘッド穿孔方式として「デジタル印刷機PRIPO
RT SS950(リコー(株)製)」を用いて製版
し、印刷したものを、肉眼観察し下記の基準で評価し
た。尚、最終的評価は、各実施例・比較例とも、閃光照
射穿孔方式とサーマルヘッド穿孔方式のうちの評価結果
の悪い方を示した。 A:原稿と同様に見えるもの B:原稿と異なり線が部分的に切れたりくっついたりし
ているが判読は可能なもの C:ほとんど判読が出来ない状態まで切れたり、ついた
りしているもの (6−2)文字の欠落の評価 (6−1)と同様の製版、印励を行い、文宇の欠け方を
評価し、下記の基準で評価した。 ○:欠落のないもの △:完全な欠落状態ではないが、わずかに(判読可能な
範囲で)欠落が認められるもの ×:明らかに欠けた部分のあるもので使用不能なもの (6−3)文字の太さ斑の評価 (6−1)と同様の製版、印刷機を用いて、文字サイズ
4.0mm□の文字を印刷し、その印刷状態を内眼観察
し、下記の基準で評価した。 ○:太さ斑がなく外観が良いもので使用可能なもの ×:原稿の文宇に比べ、明らかに文字の太さ斑があり外
観が悪く使えないもの (6−4)文宇の太さの評価 (6−3)と同じ方法で製版、印刷し、文字の太さの変
化について、肉眼観察し、下記の基準で評価した。 ○:太さの変化のないもの △:わずかに太くなったり、細くなったりしているが使
用可能なもの ×:原稿の文字の太さと比較し、明らかに太くなった
り、細くなったりしていて使用できないもの
【0049】(7)ベタ印刷の評価 (7−1)ベタ印刷の鮮明さの評価 1〜5mmφの黒丸(丸で中が黒くぬりつぶされたも
の)を原稿として用いて、前述の(6−1)と同様の製
版、印刷したものを下記の基準で評価した。
【0050】原稿のサイズを基準として、その輪郭の部
分的な凹凸で判定した結果、 ○:70μm以下の凹凸のものを鮮明なもの △:○と×の中間のもので方法によっては使用可能なも
の ×:原稿のサイズより250μm以上凹凸ができ、外観
が悪く不鮮明なもの (7−2)ベタ印刷の原稿サイズとの対応性 (7−1)と同様に印刷し、全方向(0°と180°、
45°と225°、90°と270°、135°と31
5°の位置で)のサイズを測定し、原稿のサイズと差の
絶対値を求めて下記の基準で評価した。 ○:70μm以下 △:70μmを超えて550μm未満(用途によっては
使用可能なもの) ×:550μm以上 (7−3)ベタ印刷の濃淡斑の評価 (7−1)と同様に印刷し、ベタ印刷の濃淡の斑がある
か、ないかを肉眼観察し、下記の基準で評価した。 ○:濃淡斑のないもの ×:濃淡斑のあるもの
【0051】(8)感度の評価 鉛筆硬度が5H、4H、3H、2H及びHの5種類を用
意し、押付け圧170gで文字を書いたものを原稿と
し、この原稿を用いて、その文字が判読できる最も硬度
の高い鉛筆硬度で評価した。5Hで書いた最も淡色の字
が判読できるものが最も高感度であり、より濃色の鉛筆
で書いた文字しか判読できないもの程低感度であると判
定する。
【0052】(9)耐久性の評価 前述の印刷機で感熱フィルムが破損するまでに刷れる枚
数(以下、耐刷枚教という。)で表した。
【0053】(10)損失弾性率のピーク温度 ORIENTEC社製RHEOVIBRON MODE
L DDV−01FPを用い、試料の大きさは5×40
mm、チャック間30mm、荷重2.0gf、測定周波
数11Hz、測定温度−10〜180℃、昇温速度3℃
/分の条件で測定した。そして損失弾性率は、いずれも
フィルムの縦方向と横方向の値の平均値で表すものとす
る。
【0054】(11)皺の評価 試料を二つに分け、一つは通常の方法でポリエステル紗
と貼り合せ、他の一つはA4版が採れる程度の狭幅にス
リットし、両端を幅出しローラーでニップするなどして
皺を極力入らないように入念にポリエステル紗と貼り合
せた。両者の感度評価を比較し、下記の基準で評価し
た。 ◎:差が無いもの ○:差が1H以下 △:差が2H ×:差が3H以上
【0055】(12)カール評価 試料をA4版が採れる程度の狭幅にスリットし、両端を
幅出しローラーでニップするなどして皺を極力入らない
ように入念にポリエステル紗と貼り合せる。その後サン
プルを、60℃×50%RH×3日径時後、サンプルの
カール径を実測した。
【0056】[実施例1〜7、比較例1〜11] 熱可塑性ポリエステル樹脂原料として下記ポリマーを表
1に示すように混合して用いた。 (a) ポリエチレンテレフタレート(固有粘度;0.6
5、PETと略記する) (b) ポリブチレンテレフタレート(固有粘度;1.1
0、PBTと略記する) (c) ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ート(固有粘度;0.65、PENと略記する) (d) 2,6−ナフタレンジカルボン酸が6、12、1
8、24mol%の割合で共重合されたポリエチレンテ
レフタレート共重合体(固有粘度;それぞれ0.65、
PET/NDC6、PET/NDC12、PET/ND
C18、PET/NDC24とそれぞれ略記する) (e) イソフタル酸が12、18、24mol%の割合で
それぞれ共重合されたポリエチレンテレフタレート共重
合体(固有粘度;それぞれ0.65、PET/I12、
PET/I18、PET/I24とそれぞれ略記する) (f) イソフタル酸が10mol%の割合で共重合された
ポリヘキサメチレンテレフタレート共重合体(固有粘
度;1.30、PHMT/I10と略記する) (g) イソフタル酸が5mol%の割合で共重合されたポ
リブチレンテレフタレート共重合体(固有粘度;1.1
0、PBT/I5と略記する) (h) ポリヘキサメチレンテレフタレート(固有粘度;
1.30、PHMTと略記する)
【0057】上記原料を十分乾燥した後、押出機に供給
し、使用した樹脂組成に適した温度を245〜310℃
から選択して溶融押出し、静電印加キャスト法を用いて
表面温度20℃のキャスティングドラムにて冷却固化
し、未延伸フィルムを作った。なお、比較例7は実施例
1の押出温度より20℃高い温度でかつ押出系での滞留
時間が5倍になる条件で押出した。
【0058】この未延伸フィルムを、使用した樹脂組成
に適した延伸温度を50〜130℃から選択して縦方向
に3.2〜4.0倍、横方向に3.5〜4.5倍の倍率
で逐次二軸延伸を施した後、一旦冷却した後100〜1
50℃で2%弛緩しつつ熱処理を施した。
【0059】このようにして得られた厚さ1.8μmの
二軸延伸フィルムをポリエステル紗(ポリエチレンテレ
フタレート繊維よりなる)と貼り合わせ、製版・印刷機
にかけ評価した。その結果を表2、表3に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】表2、表3から明らかなように、2つ以上
の融解ピークを有し、該ピークの大きさ、温度が特定範
囲にあり、且つ損失弾性率ピークが特定範囲にあり、面
配向係数が特定の範囲にある場合のみ良好な印刷性を得
ることができる。
【0064】
【発明の効果】本発明の感熱孔版印刷原紙用ポリエステ
ルフィルムは、次のような優れた作用効果を発現する。
【0065】すなわち、該フィルムを用いた原紙は、 (1) 文宇およびベタ印刷のいずれにも鮮明な製版、
印刷が可能である。 (2) 文宇およびベタ印刷で太さ斑、濃淡斑のない製
版、印刷が可能である。 (3) 感度が著るしく高い。 (4) 皺が無く、安定して高感度を得られる。 等の特徴を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からな
    る厚さ0.2〜7μmの二軸延伸フィルムであって、該
    フィルムをDSC測定したとき二つ以上の融解ピーク
    (ショルダーを含む)が存在し、損失弾性率(測定周波
    数:11Hz)の最も高温側のピーク温度(Te)が6
    0〜100℃であり、該フィルムの面配向係数が0.1
    20〜0.150の範囲にあることを特徴とする感熱孔
    版印刷原紙用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルムの引張弾性率が、長手方向およ
    び幅方向とも300kg/mm2以上である請求項1記
    載の感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム。
JP16196798A 1998-06-10 1998-06-10 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム Pending JPH11348449A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16196798A JPH11348449A (ja) 1998-06-10 1998-06-10 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16196798A JPH11348449A (ja) 1998-06-10 1998-06-10 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11348449A true JPH11348449A (ja) 1999-12-21

Family

ID=15745492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16196798A Pending JPH11348449A (ja) 1998-06-10 1998-06-10 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11348449A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004060691A1 (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Mitsubishi Polyester Film Corporation 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JP2006181747A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Mitsubishi Polyester Film Copp 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004060691A1 (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Mitsubishi Polyester Film Corporation 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
CN100358730C (zh) * 2002-12-26 2008-01-02 三菱聚酯薄膜公司 高敏感度热敏孔版印刷原纸用聚酯膜
JP2006181747A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Mitsubishi Polyester Film Copp 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JP4587805B2 (ja) * 2004-12-27 2010-11-24 三菱樹脂株式会社 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2507612B2 (ja) 感熱孔版印刷原紙用フィルム
US20060009617A1 (en) Polyester film for high sensitive thermal mimeorgraph stencil paper
US6316096B1 (en) Biaxially oriented polyester film for use in thermosensitive stencil printing base sheet
US6025286A (en) Heat-sensitive stencil sheet
JPH02185492A (ja) 高感度感熱性多層フイルム及びそれを用いた製版用原紙の製造方法
JPH11348449A (ja) 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JP3581617B2 (ja) 感熱孔版印刷原紙用フィルム
JP3830791B2 (ja) 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JP2007168340A (ja) 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JP3830792B2 (ja) 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JP2001121836A (ja) 感熱孔版印刷原紙用フィルム
JP4242545B2 (ja) 感熱孔版印刷原紙用フィルム
JP2015208944A (ja) 感熱孔版印刷原紙用フィルム
JPH08332786A (ja) 感熱孔版印刷用原紙
JP2507612C (ja)
JP2001213947A (ja) 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JPH11147381A (ja) 感熱孔版印刷用原紙
JPH1158651A (ja) 感熱孔版印刷用原紙およびその製造方法
JP2002219883A (ja) 感熱孔版印刷原紙用フィルムおよびその製造方法
JPH06135173A (ja) 高感度感熱孔版印刷原紙用フィルム
JPH10287063A (ja) 感熱孔版印刷用原紙
JPH07276844A (ja) 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JPS63173694A (ja) 高感度・感熱穿孔性原紙の製造方法
JPH0577572A (ja) 感熱孔版印刷原紙用フイルム
JP2000177264A (ja) 感熱孔版印刷用原紙

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040224