JPH07276844A - 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム - Google Patents

高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム

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JPH07276844A
JPH07276844A JP7578194A JP7578194A JPH07276844A JP H07276844 A JPH07276844 A JP H07276844A JP 7578194 A JP7578194 A JP 7578194A JP 7578194 A JP7578194 A JP 7578194A JP H07276844 A JPH07276844 A JP H07276844A
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JP
Japan
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film
heat
printing
base paper
polyester
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JP7578194A
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English (en)
Inventor
Kazuo Endo
一夫 遠藤
Megumi Komiyama
恵 小見山
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Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
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Publication date
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 穿孔感度および耐カール性に優れ、印刷時の
画像の解像度、濃度に優れた高感度感熱孔版印刷原紙用
フィルムを提供する。 【構成】 融点が150〜240℃のポリエステル樹脂
からなる、厚み0.5〜5μmの二軸延伸フィルムであ
って、式(1)〜(6)を同時に満足することを特徴と
する。0.01≦Ra≦0.3 ……(1)0.2≦R
t≦3 ……(2)11000≦NA ≦2000
00 ……(3)NB ≦10 ……(4)150≦F≦
700 ……(5)5≦S≦50 ……(6)[上記式
中、Raはフィルム表面の中心線平均粗さ(μm)、R
tは最大粗さ(μm)、NA はフィルム表面における円
相当径が1μm以上の、NBは5μm以上の突起個数
(個/mm2 )、Fは100℃で5秒間処理後のフィル
ムの加熱収縮応力(g/mm2 )、Sは100℃で10
分間処理後のフィルムの加熱収縮率(%)を表す]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱孔版印刷原紙用ポ
リエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明
は穿孔感度および耐カール性に優れ、印刷時の画像の解
像度、濃度に優れた高感度感熱孔版印刷原紙用フィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、感熱孔版印刷用原紙としては、ポリエステル等の熱
可塑性樹脂フィルムに多孔性薄葉紙をラミネートしたも
のが知られており、かかる用途に用いられるフィルムに
は、以下のような特性が要求される。 (1)フィルム製造時および原紙作成時の取扱い性およ
び生産性にも優れていること。具体的には、フィルム製
造時には、延伸性が良好で、破断等のトラブルを起こさ
ず、また巻取性、スリット性も良好で、巻取時にシワが
入ったり、巻きずれを起こしたりしないことが必要であ
る。原紙作成時においても、フィルムの巻出しや、工程
内でのフィルム走行等でのトラブルが発生しないことが
必要である。 (2)多孔性薄葉紙とのラミネートおよび印刷時の作業
に十分耐え得る強度、弾性率を有すること、また、かか
るラミネート条件あるいは保存中の温湿度変化によりカ
ールが生じないこと。カールが大きくなると、取り扱い
および孔版印刷機内で原紙の搬送性が不良となり、原紙
詰り等のトラブルが生じ大きな問題となる。
【0003】(3)熱穿孔感度が良いこと。すなわち、
少量の熱量で溶融し、かつ、印刷時の画像が鮮明になる
ような適度な大きさの穿孔が得られるよう十分な熱収縮
特性を有することが求められる。 (4)多数回製版時においても熱穿孔感度が低下しない
こと。すなわち、離形層の界面活性剤やシリコンオイ
ル、フィルムの溶融カス等が感熱ヘッドの汚れとして付
着しないことが必要である。 (5)熱穿孔の階調性が良いこと。原紙として使用する
際、穿孔されるべき部分以外が周囲の穿孔の影響で溶融
してしまうと、印刷画像の階調性が劣るようになり、好
ましくない。すなわち、穿孔される部分と穿孔されない
部分とがはっきり区別できるような熱穿孔特性を有する
ことが求められる。従来、かかる用途に用いるフィルム
として熱可塑性樹脂を対象とした二軸延伸フィルムであ
って、その熱的特性を規定することにより印刷特性を改
善したフィルム(特開昭62−149496号公報)、
表面の粗度および突起個数を規定したフィルム(特開昭
63−227634号公報)、あるいは熱収縮特性を規
定したフィルム(特開昭62−282983号公報、特
開昭63−160895号公報、特開昭63−3121
92号公報、特開平3−30996号公報)等が提案さ
れているが、上記した課題をすべて解決できるものでは
なかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、特定の収縮特性を有する特定
のポリエステルからなる二軸配向フィルムが、感熱孔版
印刷原紙用として好適であることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、融点が150
〜240℃のポリエステル樹脂からなる、厚み0.5〜
5μmの二軸延伸フィルムであって、下記式(1)〜
(6)を同時に満足することを特徴とする高感度感熱孔
版印刷原紙用フィルムに存する。
【数2】 0.01≦Ra≦0.3 ……(1) 0.2≦Rt≦3 ……(2) 11000≦NA ≦200000 ……(3) NB ≦10 ……(4) 150≦F≦700 ……(5) 5≦S≦50 ……(6) [上記式中、Raはフィルム表面の中心線平均粗さ(μ
m)、Rtはフィルム表面の最大粗さ(μm)、NA
フィルム表面における円相当径が1μm以上の突起個数
(個/mm2 )、NB はフィルム表面における円相当径
が5μm以上の突起個数(個/mm2 )、Fは100℃
で5秒間処理後のフィルムの加熱収縮応力(g/mm
2 )、Sは100℃で10分間処理後のフィルムの加熱
収縮率(%)を表す]
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いうポリエステルの二官能性酸成分は、芳香族ジカルボ
ン酸またはそのエステル形成性誘導体を主とするもので
あり、具体的にはテレフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、そのエステル形成誘導体としてはテレフタ
ル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチ
ルなどが挙げられ、中でもテレフタル酸、テレフタル酸
ジメチルが好ましい。またグリコール成分としてはエチ
レングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノールなどが挙げられ、これらの中でもエチ
レングリコール、ブチレングリコールが好ましい。
【0007】かかるポリエステルは、1種の芳香族ジカ
ルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体と、1種の
アルキレングリコールとを出発原料とするポリエステル
でもよいが、2種以上の成分を含む共重体であることが
好ましい。共重合する成分として、上記のほかに例え
ば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ポリアルキレングリコールなどのジオール成分、アジピ
ン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸などのジカ
ルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などが
挙げられる。また、それぞれ単一成分で構成されるホモ
ポリマー同士、ホモポリマーと2種以上の成分を含む共
重合体および当該共重合体同士のブレンドポリエステル
が好ましく、その中でもポリブチレンテレフタレートと
ポリエチレンテレフタレートまたはイソフタル酸を共重
合成分としたポリエチレンテレフタレート共重合体との
ブレンドポリエステルがさらに好ましい。
【0008】本発明のポリエステルフィルムの融点は1
50〜240℃、好ましくは160〜230℃の範囲で
ある。融点が240℃より高い場合には、本発明の目的
とする高度な穿孔感度が得られなくなり、150℃未満
では、フィルムの耐熱寸法安定性が悪化して、原紙を製
造する工程や原紙の保存中にカールが発生したり、印刷
画像の階調性が劣るようになるので好ましくない。本発
明のフィルム厚みは0.5〜5μm、好ましくは0.5
〜3μm、さらに好ましくは0.7〜2μmである。フ
ィルム厚みが薄くなれば熱伝導距離が短縮され、穿孔時
に必要な熱エネルギーも減少するため穿孔性が向上し、
印刷時の解像度や印字品位性が向上するが、厚み0.5
μm未満では、印字が不鮮明で濃淡むらが生じやすく、
かつ耐刷性も著しく低下するようになり好ましくない。
また、厚みが5μmを超えると、穿孔性が悪化するため
印刷時にむらが生じるようになり好ましくない。
【0009】本発明において、感熱孔版印刷原紙用フィ
ルムの作業性や印刷時の解像度、印字品位性を高度に満
足させるために、フィルム表面の中心線平均粗さ(R
a)を0.01〜0.3μm、好ましくは0.05〜
0.2μmとする。Raが0.01μm未満では、フィ
ルムの滑り性が不足し作業性が低下するので好ましくな
い。また、Raが0.3μmを超えると、フィルム表面
の粒子密度が多くなり過ぎ、穿孔時に熱伝達ムラが生
じ、穿孔が不均一となり、解像度が劣ったり、印字品位
性を損なったりするので好ましくない。さらに本発明の
フィルム表面の最大粗さ(Rt)は0.2〜3μm、好
ましくは0.25〜2.5μmである。Rtが0.2μ
m未満では、フィルム製造時のフィルムを巻き取る際、
随伴する空気層を素早く減少することができず、ロール
端面が不揃いとなるため好ましくない。また、Rtが3
μmを超えると、フィルム表面の粗面化の度合いが大き
くなり過ぎ、穿孔時に熱伝達ムラが生じ、穿孔が不均一
となり、解像度が劣ったり、印字品位性を損なったりす
るので好ましくない。
【0010】本発明におけるフィルムの表面には、1μ
m以上の円相当径の突起個数(NA)が11000〜2
00000個/mm2 、好ましくは11000〜150
000個/mm2 である。NA が11000個/mm2
未満では、フィルムの滑り性が不足し、作業性が低下す
るので好ましくない。また、NA が200000個/m
2 を超えると、フィルム表面の粒子密度が多くなり過
ぎ、穿孔時に熱伝達ムラが生じ、穿孔が不均一となり、
解像度が劣ったり、印字品位性を損なったりするので好
ましくない。さらに本発明のフィルムの表面における5
μm以上の円相当径の突起個数(N B )は10個/mm
2 未満、好ましくは5個/mm2 未満である。NB が1
0個/mm2 を超えると、フィルムの製膜時に破れを生
じ、生産性が低下するので好ましくない。
【0011】本発明の感熱孔版印刷原紙用フィルムは、
フィルム製造時の巻上げ工程、原紙作成時のコーティン
グ、貼合せ工程および印刷時の作業性を向上させるた
め、あるいは、熱穿孔時のサーマルヘッドとフィルムと
の融着を防止するため、表面を粗面化してフィルムに適
度な滑り性が付与させる必要があり、そのためには通
常、微細な粒子をフィルムに添加する。本発明で用いる
粒子の例としては、酸化ケイ素、ニ酸化チタン、ゼオラ
イト、窒化ケイ素、窒化ホウ素、セライト、酸化アルミ
ニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウ
ム、リン酸リチウム、リン酸マグネシム、フッ化リチウ
ム、カオリン、タルク、カーボンブラック、窒化ケイ
素、窒化ホウ素および特公昭59−5216号公報に記
載されたような架橋高分子微粉体を挙げられ、好ましく
は球状シリカ、球状架橋高分子粒子、球状炭酸カルシウ
ム等に代表される粗大粒子が極めて少ない単分散の粒子
を挙げられるが、これらに限定されるものではない。こ
の際、配合する不活性粒子は単成分でもよく、また2成
分以上を同時に用いてもよい。本発明においてポリエス
テルに不活性粒子を配合する方法としては、特に限定さ
れないが、例えば不活性粒子をポリエステルの重合工程
に添加する方法、またはフィルム化前に溶融混練りする
方法が好ましく用いられる。
【0012】本発明の感熱孔版印刷原紙用フィルムの1
00℃で5秒間処理後のフィルムの加熱収縮応力(F)
は150〜700g/mm2 、好ましくは200〜65
0g/mm2 である。Fが150g/mm2 未満では、
穿孔時に穴が広がる力が不足して、印刷時に鮮明な画像
が得られるほどの十分な大きさを有する穿孔が得られな
くなるため好ましくない。また、Fが700g/mm2
を超えると、太さむら、濃淡むらあるいは寸法変化が生
じるので好ましくない。
【0013】本発明の感熱孔版印刷原紙用フィルムの1
00℃で10分間処理後の加熱収縮率(S)は5〜50
%、好ましくは10〜40%である。Sが5%未満で
は、穿孔感度が不足して、印刷時の画像濃度が低下する
ようになるため好ましくない。また、Sが50%を超え
ると、穿孔むらが生じやすくなるため好ましくない。本
発明のフィルムは、極めて薄いフィルムであるので、フ
ィルムの長手方向と幅方向の引張弾性率をともに通常3
00kg/mm2 以上、好ましくは350kg/mm2
以上とすることにより、取り扱い作業性や耐刷性がより
良好となる。
【0014】次に本発明のポリエステルフィルムの製造
方法について説明する。本発明においては、ポリマーを
エクストルーダーに代表される周知の溶融押出装置に供
給し、当該ポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融す
る。次いで、溶融したポリマーをスリット状のダイから
押し出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温
度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向
シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させる
ため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めること
が好ましく、本発明においては静電印加密着法および/
または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0015】本発明においてはこのようにして得られた
シートを二軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件
について具体的に述べると、前記未延伸シートを好まし
くは20〜100℃、さらに好ましくは25〜80℃の
温度範囲で、まず一方向にロールもしくはテンター方式
の延伸機により2.5〜7倍、好ましくは3.0〜5倍
に延伸する。次に一段目と直交する方向に好ましくは2
0〜100℃、さらに好ましくは25〜90℃の温度範
囲で2.5〜7倍、好ましくは3.0〜5倍に延伸を行
い、二軸に配向したフィルムを得る。
【0016】なお、一方向の延伸を2段階以上で行う方
法も用いることができるが、その場合も最終的な延伸倍
率が上記した範囲に入ることが望ましい。また、前記未
延伸シートを面積倍率が6〜40倍になるように同時二
軸延伸することも可能である。かくして得られたフィル
ムを熱処理してもよく、また必要に応じ熱処理を行う前
または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよ
い。本発明においては、上記した熱収縮特性を有するフ
ィルムを得るために、延伸倍率を面積倍率として6倍以
上、延伸後の熱処理を実質的に行わないか、行ったとし
ても110℃以下、さらには90℃以下とし、熱処理時
間は1秒〜5分間でフィルムを30%以内の伸長または
定長下で行うことが好ましい。
【0017】また、感熱孔版印刷用原紙を製造する際、
40〜50℃程度の乾燥工程、および夏場を経る長期保
存中にフィルムの収縮に起因すると考えられるカールが
発生することがある。従って本発明においてはカール防
止のため、得られたフィルムを40〜70℃で5時間か
ら5日間、好ましくは45〜60℃で12時間〜3日間
エージング処理することにより、当該環境下での耐カー
ル性が良好となる。なお、本発明においては、製膜に供
するポリエステル全量に対し、10重量%程度以下の他
のポリマー(例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリ
カーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリアミド、ポリイミド等)を含有させることがで
きる。また、必要に応じ、酸化防止剤、熱安定剤、潤滑
剤、帯電防止剤、染料、顔料等の添加剤を配合してもよ
い。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用い
た物性測定法を以下に示す。 (1)融点 セイコー電子工業(株)製差動熱量計SSC580DS
C20型を用いて測定した。すなわち、試料フィルム1
0mgを上記装置にセットし、10℃/分の速度で昇温
し、0〜300℃の範囲で測定し、融点を融解吸熱ピー
クの頂点として測定した。
【0019】(2)円相当径と突起個数 試料フィルムに金を厚さ約500Åで蒸着し、観察試料
とし、この試料を顕微鏡(反射法)および画像処理装置
(Quantimet-500+ ライカ社製)を用いて500倍に拡
大し、かつ突起にコントラストをつけた像により、突起
の大きさ(円相当径)と個数(突起個数)を測定した。
なお、円相当径は突起の占める面積を円に換算した時の
直径(μm)、突起個数は1mm2 当りの個数で表し
た。 (3)中心線平均粗さ(Ra)および最大粗さ(Rt) 日本工業規格(JIS) B0601に記載されている
方法に従い、(株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE
−3F)を用いて、中心線平均粗さ(Ra)および最大
粗さ(Rt)を求めた。なお、触針の先端半径は2μ
m、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mm
とした。
【0020】(4)加熱収縮応力(F) フィルムを幅10mmの短冊状に切り出し、一端を荷重
検出器のチャックに、もう一方を固定チャックにセット
し、チャック間は50mmとした。初期荷重をかけない
状態で、フィルムを100℃のウォーターバス中に浸漬
し、浸漬開始から5秒後の応力値を測定した。フィルム
縦方向と横方向に5点ずつ測定し、浸漬前のフィルム断
面積から加熱収縮応力(g/mm2 )を算出し、その平
均値を求めた。 (5)加熱熱収縮率(S) 試料を無張力状態で100℃に保ったオーブン中、10
分間熱処理し、その前後の試料の長さを測定して、次式
にて熱収縮率を算出した。
【数3】 フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求
めた。
【0021】(6)耐カール性 ポリエステルフィルムに支持体としてマニラ麻の繊維か
らなる和紙を用い、接着剤としてビニル系樹脂をトルエ
ンに溶解したものを用い、当該フィルムと和紙をラミネ
ートし、50℃のエアーオーブンで10秒間乾燥し、感
熱孔版原紙を得た。得られた原紙を50℃−湿度90%
の恒温恒湿中で1週間処理した後の原紙について搬送試
験を行い、下記の基準で評価した。 ○…ややカールがあるものの、良好に搬送できる ×…カールが大きく、搬送トラブルの発生頻発する (7)微粒子の平均粒径 (株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−
CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法に
よって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒
子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値
を用いて平均粒径とした。なお粒度分布値(r)は下記
式から算出した。粒度分布値(r)=d25/d75(上記
式中、d25、d75は粒子群の積算体積を大粒子側から計
測し、それぞれの総体積の25%、75%に相当する粒
径(μm)を示す)
【0022】(8)感熱孔版印刷原紙実用特性 フィルムに和紙を貼り合わせて原紙を作製した。得られ
た原紙をサーマルヘッドにより、印加エネルギー0.0
9mJおよび0.12mJにて文字画像および16段階
の階調画像を製版した。製版された原紙のフィルム側か
ら顕微鏡で階調画像部の穿孔状態を観察し、以下の項目
について評価した。
【0023】穿孔感度 ◎…所定の穿孔が確実に行われ、穿孔の大きさも十分で
あり非常に良好 ○…所定の穿孔がほぼ確実に行われ、穿孔の大きさも十
分であり良好 △…まれに所定の穿孔が得られない部分や穿孔の大きさ
が不十分な部分がある ×…所定の穿孔が得られない部分が数多くあり、穿孔の
大きさも不十分であり、実用上支障がある。
【0024】印字品位性 製版原紙を用い、理想科学工業(株)製リソグラフAP
7200印刷機を用いて実際に印刷し、得られた文字、
画像について、下記の特性を目視で判定した。 ◎…濃度のムラ、にじみが全くなく、鮮明に印字でき、
非常に良好 ○…濃度のムラ、にじみがなく、鮮明に印字でき、良好 △…わずかに濃淡のムラ、にじみが認められ、やや鮮明
さに欠ける ×…濃淡のムラ、あるいはにじみ、かすれがはっきり出
ている
【0025】実施例1 テレフタル酸ジメチル78重量部とイソフタル酸ジメチ
ル22重量部とエチレングリコール60部とを出発原料
とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重
量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メ
タノールの留去と共に徐々に反応温度を上昇させ、3時
間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交
換反応の終了したこの反応混合物に平均粒径が1.1μ
m、粒度分布値(r)が1.2の球状架橋高分子粒子
1.0重量部を含有するエチレングリコールスラリー1
0重量部を添加し、エチルアシッドフォスフェート0.
04部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間
重縮合反応を行った。
【0026】すなわち、温度を230℃から徐々に昇温
し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、
最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間
を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出
させた。得られたポリエステルの極限粘度は0.75で
あった。得られたポリエステルを265℃にて押出機よ
りシート状に押出し、表面温度を30℃に設定した回転
冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、
厚み16μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られ
たシートを縦方向に65℃で3.7倍、横方向に70℃
で4.2倍に延伸し、さらに90℃で6秒間熱処理を施
し、厚み1.0μmの二軸配向フィルムを製造した。次
いで得られたフィルムを常法に従い、多孔性薄葉紙に貼
り合わせ、50℃で24時間エージング処理を行い、感
熱孔版印刷用原紙を作成し、謄写印刷を行った。
【0027】実施例2 実施例1において、平均粒径が1.1μmの架橋高分子
粒子1.0重量部を、平均粒径が0.6μmの架橋高分
子粒子を0.5重量部とする以外は実施例1と同様の方
法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、謄写印刷を行った。 実施例3 実施例1において、平均粒径が1.1μmの架橋高分子
粒子1.0重量部を、平均粒径が1.2μmの球状シリ
カ粒子を0.4重量部と平均粒径が0.6μmの架橋高
分子粒子を0.3重量部とする以外は実施例1と同様の
方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、謄写印刷を行っ
た。
【0028】実施例4 実施例1において、平均粒径が1.1μmの架橋高分子
粒子1.0重量部を含有する共重合ポリエステル100
重量部を、平均粒径が1.2μmの球状シリカ粒子を
0.8重量部と平均粒径が0.6μmの架橋高分子粒子
を0.6重量部とする以外は実施例1と同様の方法で得
た共重合ポリエステル50重量部と、下記の方法により
得たポリブチレンテレフタレート50重量部とからなる
混合ポリエステルとし、厚み13μmの実質的に非晶質
のシートを得、縦方向に65℃で3.5倍、横方向に7
0℃で3.7倍に延伸する以外は実施例1と同様の方法
で感熱孔版印刷用原紙を作成し、謄写印刷を行った。
【0029】[ポリブチレンテレフタレートの製造]テ
レフタル酸ジメチル100重量部、1,4−ブタンジオ
ール56重量部、テトラブチルチタネート0.005重
量部を反応機にとり、反応開始温度を150℃とし、メ
タノールの留去とともに反応温度を徐々に上昇させ、3
時間後に210℃とした。4時間後、実質的にエステル
交換反応が終了したこの反応混合物にテトラブチルチタ
ネート0.005重量部を加えて、4時間重縮合反応を
行い、極限粘度が0.90のポリブチレンテレフタレー
トを得た。
【0030】比較例1 実施例1において、テレフタル酸ジメチル78重量部と
イソフタル酸ジメチル22重量部を、テレフタル酸ジメ
チル100重量部とし、押出機の温度を280℃、得ら
れたシートを縦方向に80℃で3.7倍、横方向に90
℃で4.2倍に延伸する以外は実施例1と同様の方法で
感熱孔版印刷用原紙を作成し、謄写印刷を行った。 比較例2 実施例1において、平均粒径が1.1μmの架橋高分子
粒子1.0重量部を、平均粒径が1.1μmの架橋高分
子粒子0.2重量部とする以外は実施例1と同様の方法
で感熱孔版印刷用原紙を作成し、謄写印刷を行った。
【0031】比較例3 実施例1において、平均粒径が1.1μmの架橋高分子
粒子1.0重量部を、平均粒径が1.2μmの炭酸カル
シウム粒子1.0重量部とする以外は実施例1と同様の
方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、謄写印刷を行っ
た。以上、得られたフィルムの特性および原紙実用特性
をまとめて下記表1および2に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、穿孔感度および耐カー
ル性に優れ、印刷時の画像の解像度、濃度に優れた高感
度感熱孔版印刷原紙用フィルムを提供することができ、
本発明の工業的価値は高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が150〜240℃のポリエステル
    樹脂からなる、厚み0.5〜5μmの二軸延伸フィルム
    であって、下記式(1)〜(6)を同時に満足すること
    を特徴とする高感度感熱孔版印刷原紙用フィルム。 【数1】 0.01≦Ra≦0.3 ……(1) 0.2≦Rt≦3 ……(2) 11000≦NA ≦200000 ……(3) NB ≦10 ……(4) 150≦F≦700 ……(5) 5≦S≦50 ……(6) [上記式中、Raはフィルム表面の中心線平均粗さ(μ
    m)、Rtはフィルム表面の最大粗さ(μm)、NA
    フィルム表面における円相当径が1μm以上の突起個数
    (個/mm2 )、NB はフィルム表面における円相当径
    が5μm以上の突起個数(個/mm2 )、Fは100℃
    で5秒間処理後のフィルムの加熱収縮応力(g/mm
    2 )、Sは100℃で10分間処理後のフィルムの加熱
    収縮率(%)を表す]
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008207442A (ja) * 2007-02-26 2008-09-11 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ペーパーレス感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム

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