JP3361152B2 - 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム - Google Patents

高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、感熱孔版印刷原紙用ポ
リエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明
は特定の融点および収縮特性を有することにより穿孔感
度および耐カール性に優れ、印刷時の画像の解像度、濃
度に優れた高感度感熱孔版印刷原紙用フィルムに関す
る。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、感熱孔版印刷用原紙としては、ポリエステル等の熱
可塑性樹脂フィルムに多孔性薄葉紙をラミネートしたも
のが知られており、かかる用途に用いられるフィルムに
は、以下のような特性が要求される。 (1)フィルム製造時および原紙作成時の取扱い性およ
び生産性にも優れていること。具体的には、フィルム製
造時には、延伸性が良好で、破断等のトラブルを起こさ
ず、また巻取性、スリット性も良好で、巻取時にシワが
入ったり、巻きずれを起こしたりしないことが必要であ
る。原紙作成時においても、フィルムの巻出しや、工程
内でのフィルム走行等でのトラブルが発生しないことが
必要である。 (2)多孔性薄葉紙とのラミネートおよび印刷時の作業
に十分耐え得る強度、弾性率を有すること。また、かか
るラミネート条件あるいは保存中の温湿度変化によりカ
ールが生じないこと。カールが大きくなると、取り扱い
および孔版印刷機内で原紙の搬送性が不良となり、原紙
詰り等のトラブルが生じ大きな問題となる。 【0003】(3)熱穿孔感度が良いこと。すなわち、
少量の熱量で溶融し、かつ、印刷時の画像が鮮明になる
ような適度な大きさの穿孔が得られるよう十分な熱収縮
特性を有すること。 (4)多数回製版時においても熱穿孔感度が低下しない
こと。すなわち、離形層の界面活性剤やシリコンオイ
ル、フィルムの溶融カス等が感熱ヘッドの汚れとして付
着しないことが必要である。 (5)熱穿孔の階調性が良いこと。原紙として使用する
際、穿孔されるべき部分以外が周囲の穿孔の影響で溶融
してしまうと、印刷画像の階調性が劣るようになり、好
ましくない。すなわち、穿孔される部分と穿孔されない
部分とがはっきり区別できるような熱穿孔特性を有する
こと。 【0004】従来、かかる用途に用いるフィルムとして
熱可塑性樹脂を対象とした二軸延伸フィルムであって、
その熱的特性を規定することにより印刷特性を改善した
フィルム(特開昭62−149496号公報)、表面の
粗度および突起個数を規定したフィルム(特開昭63−
227634号公報)、あるいは熱収縮特性を規定した
フィルム(特開昭62−282983号公報、特開昭6
3−160895号公報、特開昭63−312192号
公報、特開平3−30996号公報)等が提案されてい
るが、上記した課題をすべて解決できるものではなかっ
た。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、特定の特性を有するポリエス
テルフィルムが、感熱孔版印刷原紙用として好適である
ことを見いだし本発明を完成するに至った。 【0006】すなわち、本発明の要旨は、融点が150
〜240℃、厚みが0.5〜3μmの二軸延伸ポリエス
テルフィルムであって、下記式(1)〜(5)を同時に
満足することを特徴とする高感度感熱孔版印刷原紙用フ
ィルムに存する。 1.570≦nAVE ≦1.578 ………(1) 150≦F≦500 ………(2) 5≦S≦50 ………(3) St≦15 ………(4) 0.02≦Ra≦0.3 ………(5) [上記式中、nAVE は平均屈折率、Fは80℃で10秒
間処理後の加熱収縮応力(g/mm2 )、Sは80℃で
60分間処理後の加熱収縮率(%)、Stは25℃のト
ルエン中で10分間処理後の収縮率(%)、Raは中心
線平均粗さ(μm)を表す] 【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いうポリエステルの二官能性酸成分は芳香族ジカルボン
酸もしくはそのエステル形成性誘導体を主とするもので
あり、具体的にはテレフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、そのエステル形成誘導体としてはテレフタ
ル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチ
ルなどが挙げられ、これらの中でもテレフタル酸、テレ
フタル酸ジメチルが好ましい。またグリコール成分とし
てはエチレングリコール、ブチレングリコール、プロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノールなどが挙げられ、これらの中
でもエチレングリコール、ブチレングリコールが好まし
い。 【0008】かかるポリエステルは、1種の芳香族ジカ
ルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体と、1種の
アルキレングリコールとを出発原料とするポリエステル
でもよいが、2種以上の成分を含む共重体であることが
好ましい。共重合する成分として上記のほかに例えば、
ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリ
アルキレングリコールなどのジオール成分、アジピン
酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸などのジカル
ボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙
げられる。またそれぞれ単一成分で構成されるホモポリ
マー同士、ホモポリマーと2種以上の成分を含む共重合
体および該共重合体同士のブレンドポリエステルが好ま
しく、その中でもポリブチレンテレフタレートとポリエ
チレンテレフタレートまたはイソフタル酸を共重合成分
としたポリエチレンテレフタレート共重合体とのブレン
ドポリエステルがさらに好ましい。 【0009】本発明のポリエステルフィルムの融点は1
50〜240℃、好ましくは160〜230℃の範囲で
ある。融点が240℃より高い場合には、本発明の目的
とする高度な穿孔感度が得られなくなり、150℃未満
では、フィルムの耐熱寸法安定性が悪化して原紙を製造
する工程や、原紙の保存中にカールが発生したり、印刷
画像の階調性が劣ったりするようになるので好ましくな
い。また、本発明においては最も高い融点(Tm2)と最
も低い融点(Tm1)との差は50℃未満、好ましくは3
0℃未満であるがTm1 とTm2 が同一であってもよ
い。温度差が50℃以上では短時間で均一な穿孔が起こ
らず、印刷画像の階調性が劣るようになることがある。 【0010】本発明のフィルムの厚みは0.5〜3μ
m、好ましくは0.5〜2μmである。さらに好ましく
は0.5〜1.5μmである。フィルム厚みが薄くなれ
ば熱伝導距離が短縮され、穿孔時に必要な熱エネルギー
も減少するため穿孔性が向上し、印刷時の解像度や印字
品位性が向上するが、厚み0.5μm未満では印字が不
鮮明で濃淡むらが生じやすく、かつ耐刷性も著しく低下
するようになり好ましくない。また、厚みが3μmを超
えると、穿孔性が悪化するため印刷時にむらが生じるよ
うになるため好ましくない。 【0011】本発明におけるフィルムの平均屈折率(n
AVE )は1.570〜1.578である。平均屈折率が
1.570未満では穿孔むらが生じやすくなるため好ま
しくない。また、平均屈折率が1.578を超えると穿
孔感度が不足して印刷時の画像濃度が低下するようにな
るので好ましくない。本発明のフィルムは80℃で10
秒間処理後のフィルムの加熱収縮応力(F)が150〜
500g/mm2 、好ましくは280〜400g/mm
2 である。Fが100g/mm2 未満では、穿孔時に穴
が広がる力が不足して、印刷時に鮮明な画像が得られる
ほどの十分な大きさを有する穿孔が得られなくなるため
好ましくない。Fが500g/mm2 を超えると太さむ
ら、濃淡むらあるいは寸法変化が生じるので好ましくな
い。 【0012】また、80℃で60分間処理後の加熱収縮
率(S)は5〜50%、好ましくは10〜40%であ
る。Sが5%未満では、穿孔感度が不足して印刷時の画
像濃度が低下するようになるため好ましくない。また、
Sが50%を超えると穿孔むらが生じやすくなるため好
ましくない。さらに、25℃のトルエン中で10分間処
理後の溶剤収縮率(St)が15%以下、好ましくは1
0%以下である。Stが15%を超えると、原紙作成時
のフィルムと和紙とのラミネート条件あるいは保存中の
温湿度変化によりカールが生じ、取り扱いおよび孔版印
刷機内で原紙の搬送性が不良となり、原紙詰り等のトラ
ブルが生じるので好ましくない。 【0013】本発明のフィルムは、フィルム製造時の巻
上げ工程、原紙作成時のコーティング、貼合せ工程およ
び印刷時の作業性を向上させるため、あるいは、熱穿孔
時のサーマルヘッドとフィルムとの融着を防止するた
め、表面を粗面化してフィルムに適度な滑り性が付与さ
せることが好ましく、そのためには微細な不活性粒子を
フィルムに添加することが通常行われる。本発明で用い
る微細な不活性粒子としては通常、平均粒径が0.05
〜3.0μm、粒度分布値(r)が1.5以下、好まし
くは平均粒径が0.1〜2.0μm、粒度分布値(r)
が1.4以下のものである。平均粒径が0.05μm未
満では巻き特性が劣ることがある。また、平均粒径が
3.0μmを超えたり、粒度分布値(r)が1.5を超
える場合には、フィルム表面の平面性が損なわれて熱伝
達にむらが生じ、穿孔が不均一となり、解像度が劣った
り、印字品位性を損なったりする恐れがある。 【0014】さらに、上記粒子の添加量は通常、0.0
5〜3重量%、好ましくは0.1〜2重量%である。
0.05重量%未満では巻き特性が劣る傾向がある。ま
た、3重量%を超えると、フィルム表面の粗面化の度合
いが大き過ぎて熱伝達にむらが生じ、穿孔が不均一とな
り、解像度が劣ったり、印字品位性を損なったりするこ
とがある。本発明で用いる不活性粒子の例としては、酸
化ケイ素、酸化チタン、ゼオライト、窒化ケイ素、窒化
ホウ素、セライト、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、リン酸カルシウム、リン酸リチウム、リン酸マグ
ネシム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ
素、酸化チタン、カオリン、タルク、カーボンブラッ
ク、窒化ケイ素、窒化ホウ素および特公昭59−521
6号公報に記載されたような架橋高分子微粉体を挙げる
ことがでが、勿論これらに限定されるものではない。こ
の際、配合する不活性粒子は単成分でもよく、また2成
分以上を同時に用いてもよい。 【0015】本発明においてポリエステルに不活性粒子
を配合する方法としては、特に限定されないが、例えば
不活性粒子をポリエステルの重合工程に添加する方法、
またはフィルム化前に溶融混練りする方法が好ましく用
いられる。本発明においては上記したような方法により
表面を適度に粗面化したフィルムを得るが、作業性や印
刷時の解像度、印字品位性をさらに高度に満足させるた
めに、フィルム表面の中心線平均粗さ(Ra)を0.0
2〜0.3μmの範囲とする必要があり、好ましくは
0.05〜0.2μmの範囲とする。本発明のフィルム
は、極めて薄いフィルムであるので、フィルムの長手方
向と幅方向の引張弾性率をともに通常300kg/mm
2以上、好ましくは350kg/mm2以上とすることに
より、取り扱い作業性や耐刷性がより良好となる。 【0016】次に本発明のポリエステルフィルムの製造
方法について説明する。本発明においては、ポリマーを
エクストルーダーに代表される周知の溶融押出装置に供
給し、該ポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融する。
次いで、溶融したポリマーをスリット状のダイから押し
出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度に
なるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シー
トを得る。この場合、シートの平面性を向上させるた
め、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが
好ましく、本発明においては静電印加密着法および/ま
たは液体塗布密着法が好ましく採用される。 【0017】本発明においてはこのようにして得られた
シートを二軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件
について具体的に述べると、前記未延伸シートを好まし
くは20〜100℃、さらに好ましくは25〜80℃の
温度範囲で、まず一方向にロールもしくはテンター方式
の延伸機により2.5〜7倍、好ましくは3.0〜5倍
に延伸する。次に一段目と直交する方向に好ましくは2
0〜100℃、さらに好ましくは25〜90℃の温度範
囲で2.5〜7倍、好ましくは3.0〜5倍に延伸を行
い、二軸に配向したフィルムを得る。 【0018】なお、一方向の延伸を2段階以上で行う方
法も用いることができるが、その場合も最終的な延伸倍
率が上記した範囲に入ることが望ましい。また、前記未
延伸シートを面積倍率が6〜40倍になるように同時二
軸延伸することも可能である。 かくして得られたフィ
ルムを熱処理してもよく、また必要に応じ熱処理を行う
前または後に再度縦および/または横方向に延伸しても
よい。本発明においては、上記した熱収縮特性を有する
フィルムを得るために、延伸倍率を面積倍率として6倍
以上、延伸後の熱処理を実質的に行わないか、行ったと
しても110℃以下、さらには90℃以下とし、熱処理
時間は1秒〜5分間でフィルムを30%以内の伸長また
は定長下で行うことが好ましい。 【0019】また、感熱孔版印刷用原紙を製造する際の
40〜50℃程度の乾燥工程および夏場を経る長期保存
中にフィルムの収縮に起因すると考えられるカールが発
生することがある。従って本発明においてはカール防止
のため、得られたフィルムを40〜70℃で5時間から
5日間、好ましくは45〜60℃で12時間〜3日間エ
ージング処理すると耐カール性が良好となる。なお、本
発明においては、製膜に供するポリエステル全量に対
し、10重量%程度以下の他のポリマー(例えばポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホ
ン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリイミ
ド等)を含有させることができる。また、必要に応じ、
酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、染料、顔
料等の添加剤を配合してもよい。 【0020】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用い
た物性測定法は以下に示すとおりである。 (1)融点 セイコー電子工業(株)製差動熱量計SSC580DS
C20型を用いて測定した。測定条件は以下のとおりで
ある。すなわち、試料フィルム10mgをDSC装置に
セットし、10℃/minの速度で昇温し、0℃〜30
0℃の範囲で測定し、融点を融解吸熱ピークの頂点とし
て測定した。 【0021】(2)平均屈折率(nAVE ) アタゴ光学社製アッベ屈折計を用い、フィルム面内の最
大値(nγ)、それに直角の方向の屈折率(nβ)およ
びフィルムの厚さ方向の屈折率(nα)を測定し、次式
より算出した。なお屈折率の測定はナトリウムD線を用
い、23℃で行った。 nAVE =1/3(nα+nβ+nγ) (3)加熱収縮応力(F) フィルムを幅10mmの短冊状に切り出し、一端を荷重
検出器のチャックに、もう一方を固定チャックにセット
し、チャック間は50mmとした。初期荷重をかけない
状態で、フィルムを80℃のウォーターバス中に浸漬
し、浸漬開始から10秒後の応力値を測定した。フィル
ム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、浸漬前のフィルム
断面積から加熱収縮応力(g/mm2 )を算出し、その
平均値を求めた。 【0022】(4)加熱熱収縮率(S) 試料を無張力状態で80℃に保ったオーブン中、60分
間熱処理し、その前後の試料の長さを測定して次式にて
熱収縮率を算出した。 【数1】S(%)=(熱処理前のサンプル長−熱処理後
のサンプル長)×100/(熱処理前のサンプル長) フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求
めた。 (5)トルエン中の収縮率(St) 10cm角に切り出したフィルムを25℃のトルエン中
に10分間浸積し、その前後の試料の長さを測定して次
式にて収縮率(St)を算出した。 【数2】St(%)=(浸積前のサンプル長−浸積後の
サンプル長)×100/(浸積前のサンプル長) フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求
めた。 【0023】(6)耐カール性 1.5μmのポリエステルフィルムに支持体としてマニ
ラ麻の繊維からなる和紙を用い、接着剤としてビニル系
樹脂をトルエンに溶解したものを用い、該フィルムと和
紙をラミネートし、50℃のエアーオーブンで10秒間
乾燥し、感熱孔版原紙を得た。得られた原紙を50℃−
湿度90%の恒温恒湿中で1週間処理した後、原紙の搬
送試験を行い下記の基準で評価した。 ○ … ややカールがあるものの、良好に搬送できる × … カールが大きく、搬送トラブルの発生頻発する (7)粒子の平均粒径 (株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−
CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法に
よって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒
子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値
を用いて平均粒径とした。なお粒度分布値(r)は下記
式から算出した。 粒度分布値(r)=d25/d75 (上記式中、d25、d75は粒子群の積算体積を大粒子側
から計測し、それぞれの総体積の25%、75%に相当
する粒径(μm)を示す) 【0024】(8)中心線平均粗さ(Ra) 基材ポリエステルフィルムの表面粗度を、JIS B0
601−1976記載の方法に従って行った。測定には
小坂研究所(株)製表面粗さ計SE−3Fを用いた。触
針径2μm、触針加重30mg、カットオフ値0.08
mm、測定長2.5mmの条件で、中心線平均粗さを求
め、これを12か所の測定点で行い、このうち最大値と
最小値をそれぞれカットし、10点の平均値を求めてR
aとした。 【0025】(9)感熱孔版印刷原紙実用特性 フィルムに和紙を貼り合わせて原紙を作製した。得られ
た原紙をサーマルヘッドにより、印加エネルギー0.0
9mJおよび0.12mJにて文字画像および16段階
の階調画像を製版した。製版された原紙のフィルム側か
ら顕微鏡で階調画像部の穿孔状態を観察し、以下の項目
について評価した。 穿孔感度 ◎ … 所定の穿孔が確実に行われ、穿孔の大きさも十
分であり非常に良好 ○ … 所定の穿孔がほぼ確実に行われ、穿孔の大きさ
も十分であり良好 △ … 稀に所定の穿孔が得られない部分や穿孔の大き
さが不十分な部分がある。 × … 所定の穿孔が得られない部分が数多くあり、穿
孔の大きさも不十分であり、実用上支障がある また、製版原紙を用い、理想科学工業(株)製リソグラ
フAP7200印刷機を用いて実際に印刷し、得られた
文字、画像について、下記の特性を目視で判定した。 印字品位性 ◎ … 濃度のムラ、にじみが全くなく、鮮明に印字で
き、非常に良好 ○ … 濃度のムラ、にじみがなく、鮮明に印字でき、
良好 △ … わずかに濃淡のムラ、にじみが認められ、やや
鮮明さに欠ける × … 濃淡のムラ、あるいはにじみ、かすれがはっき
り出ている 【0026】実施例1 ポリエステル−Aの製造 テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコー
ル60部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウ
ム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温
度を150℃とし、メタノールの留去と共に徐々に反応
温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間
後、実質的にエステル交換反応の終了したこの反応混合
物に平均粒径が0.70μm、粒度分布値(r)が1.
2の球状シリカ粒子を1.0重量部を含有するエチレン
グリコールスラリー10重量部を添加し、エチルアシッ
ドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.0
4部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、
温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一
方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mm
Hgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停
止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリ
エステルの極限粘度は0.75であった。 【0027】ポリエステル−Bの製造 テレフタル酸ジメチル100重量部、1,4−ブタンジ
オール56重量部、テトラブチルチタネート0.005
重量部を反応機にとり、反応開始温度を150℃とし、
メタノールの留去と共に反応温度を徐々に上昇させ、3
時間後に210℃とした。4時間後実質的にエステル交
換反応が終了したこの反応混合物にテトラブチルチタネ
ート0.005重量部を加えて、4時間重縮合反応を行
った。すなわち、温度を210℃から徐々に昇温し26
0℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的
には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た
時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ
た。得られたポリエステルの極限粘度は0.90であっ
た。 ポリエステル−Cの製造 ポリエステルの製造−Aにおいてテレフタル酸ジメチル
100重量部の替わりにテレフタル酸ジメチル80重量
部、イソフタル酸ジメチル20重量部とする以外はポリ
エステルの製造−Aと同様の方法でポリエステル−Bを
得た。得られたポリエステルの極限粘度は0.76であ
った。 【0028】ポリエステル−A 50重量部とポリエス
テル−B 50重量部とを均一にブレンドし、265℃
にて押出機よりシート状に押出し、表面温度を30℃に
設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急
冷固化させ、厚み15μmの実質的に非晶質のシートを
得た。得られたシートを縦方向に65℃で3.5倍、横
方向に70℃で3.7倍に延伸し、さらに90℃で6秒
間熱処理を施し、厚み1.5μmの二軸配向フィルムを
製造した。次いで得られたフィルムを常法に従い、多孔
性薄葉紙に貼り合わせ、50℃で24時間エージング処
理を行い感熱孔版印刷用原紙を作成し、謄写印刷を行っ
た。 【0029】実施例2 実施例1において、ポリエステル−A 50重量部の代
わりにポリエステル−Cを50重量部用いた以外は実施
例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、謄写
印刷を行った。 実施例3 ポリエステル−A 30重量部、ポリエステル−B 3
0重量部とさらに実施例1のポリエステルフィルム製造
時に発生した耳部およびフィルム端部からの再生品を4
0重量部とする以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版
印刷用原紙を作成し、謄写印刷を行った。 【0030】比較例1 ポリエステル−Cを100重量部、押出機の温度を28
0℃、得られたシートを縦方向に80℃で3.5倍、横
方向に90℃で3.7倍に延伸する以外は実施例1と同
様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、謄写印刷を行
った。 比較例2 実施例1において、33μmの未延伸シートを作成し、
縦方向の延伸倍率を4.7倍、横方向の延伸倍率を4.
7倍とする以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷
用原紙を作成し、謄写印刷を行った。 比較例3 実施例1において140℃で6秒間熱処理した以外は実
施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、謄
写印刷を行った。以上、得られたフィルムの物性および
原紙実用特性をまとめて下記表1および2に示す。 【0031】 【表1】 【0032】 【表2】 【0033】 【発明の効果】本発明のフィルムによれば、穿孔感度、
印字解像度及び耐カール性に優れた高感度感熱孔版印刷
原紙用フィルムが提供でき、その工業的価値は高い。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−307790(JP,A) 特開 平3−151284(JP,A) 特開 平2−158391(JP,A) 特開 平5−116215(JP,A) 特開 平5−169874(JP,A) 特開 平5−77572(JP,A) 特開 平4−125190(JP,A) 特開 平3−39294(JP,A) 特開 昭62−282983(JP,A) 特開 昭60−178093(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 1/24 102

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 融点が150〜240℃、厚みが0.5
    〜3μmの二軸延伸ポリエステルフィルムであって、下
    記式(1)〜(5)を同時に満足することを特徴とする
    高感度感熱孔版印刷原紙用フィルム。 1.570≦nAVE ≦1.578 ………(1) 150≦F≦500 ………(2) 5≦S≦50 ………(3) St≦15 ………(4) 0.02≦Ra≦0.3 ………(5) [上記式中、nAVE は平均屈折率、Fは80℃で10秒
    間処理後の加熱収縮応力(g/mm2 )、Sは80℃で
    60分間処理後の加熱収縮率(%)、Stは25℃のト
    ルエン中で10分間処理後の収縮率(%)、Raは中心
    線平均粗さ(μm)を表す]
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