JP3235211B2 - 高感度感熱孔版印刷原紙用フィルム - Google Patents

高感度感熱孔版印刷原紙用フィルム

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JP3235211B2
JP3235211B2 JP25126492A JP25126492A JP3235211B2 JP 3235211 B2 JP3235211 B2 JP 3235211B2 JP 25126492 A JP25126492 A JP 25126492A JP 25126492 A JP25126492 A JP 25126492A JP 3235211 B2 JP3235211 B2 JP 3235211B2
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嘉記 佐藤
恵 小見山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱孔版印刷原紙用ポ
リエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明
は穿孔感度に優れ、印刷時の画像の解像度、濃度に優れ
た高感度感熱孔版印刷原紙用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、感熱孔版印刷用原紙としては、ポリエステル等の熱
可塑性樹脂フィルムに多孔性薄葉紙をラミネートしたも
のが知られており、かかる用途に用いられるフィルムに
は、以下のような特性が要求される。 (1)熱穿孔感度が良いこと。すなわち、少量の熱量で
溶融し、かつ、印刷時の画像が鮮明になるような適度な
大きさの穿孔が得られるような十分な熱収縮率を有する
こと。 (2)多孔性薄葉紙とのラミネートおよび印刷時の作業
に十分耐え得る強度、弾性率を有すること。また、かか
る作業において、加熱工程があっても、その影響で原紙
の著しいカール等の問題が生じないこと。 (3)熱穿孔の階調性が良いこと。原紙として使用する
際、穿孔されるべき部分以外が周囲の穿孔の影響で溶融
してしまうと、印刷画像の階調性が劣るようになり、好
ましくない。すなわち、穿孔される部分と穿孔されない
部分とがはっきり区別できるような熱穿孔特性を有する
こと。
【0003】また、これらの要件に加え、フィルム製造
時及び原紙作成時の取扱い性、生産性にも優れているこ
とが求められる。具体的には、フィルム製造時には、延
伸性が良好で、破断等のトラブルを起こさず、また、巻
取性、スリット性も良好で、巻取時にシワが入ったり、
巻きずれを起こしたりしないことが必要である。原紙作
成時においても、フィルムの巻出しや、工程内でのフィ
ルム走行等でのトラブルが発生しないことが必要であ
る。
【0004】従来、かかる用途に用いるフィルムとして
熱可塑性樹脂を対象とした二軸延伸フィルムであって、
その熱的特性を規定することにより印刷特性を改善した
フィルム(特開昭62−149496号公報)、表面の
粗度及び突起個数を規定したフィルム(特開昭63−2
27634号公報)、あるいは熱収縮特性を規定したフ
ィルム(特開昭62−282983号公報、特開昭63
−160895号公報、特開昭63−312192号公
報、特開平3−30996号公報)等が提案されている
が、上記した課題をすべて解決できるものではなかっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み、鋭意検討した結果、特定の組成のポリエステル
からなり、融点、熱収縮率及び加熱収縮応力が特定の条
件を満足する二軸配向フィルムが、感熱孔版印刷原紙用
として好適であることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0006】すなわち本発明の要旨は、酸成分の50〜
80モル%がテレフタル酸、20〜50モル%がイソフ
タル酸、グリコール成分の40モル%以上が1,4−ブ
タンジオールであるポリエステル共重合体からなる厚み
0.5〜4.0μmの二軸配向フィルムであって、該フ
ィルムの融点が140〜190℃、温度60〜140℃
の範囲での加熱収縮応力の最大値が500g/mm2
超え、100℃での熱収縮率が20%以上であることを
特徴とする高感度感熱孔版印刷原紙用フィルムに存す
る。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いうポリエステルとは、上記したジカルボン酸成分、及
びグリコール成分からなるポリエステルを指すが、それ
以外の成分を含む共重合体であってもよい。かかる共重
合可能な成分としては、フタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、セバシン酸、アジピン酸等のジカルボン
酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、等のグリコール成分、
及びp−ヒドロキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等が
挙げられる。
【0008】かかるポリエステルを得る方法としては、
重合時に所定量のジカルボン酸成分とグリコール成分と
を仕込み、共重合により目的のポリエステルを得る方
法、あるいは異なる成分比の共重合ポリエステルの2種
類以上をブレンドして溶融混練りにより所定の成分量に
なるように調節する方法が挙げられる。本発明で用いら
れるポリエステルを構成するテレフタル酸が全酸成分
中、50モル%未満、あるいはイソフタル酸が50モル
%を越える場合は、収縮応力が不足して、穿孔時に十分
な大きさの穿孔が得られず、印刷時の濃度が低下してし
まう。また、テレフタル酸が80モル%を越えると、融
点が十分に低くならないため、穿孔感度が低下する。イ
ソフタル酸が20モル%未満の場合、所定の融点とする
ためにテレフタル酸、イソフタル酸以外のジカルボン酸
成分の含有量が多くなるため収縮応力が不足し、また、
フィルムコストが高くなる等の問題が発生するイソフタ
ル酸は全酸成分中25モル%以上が好ましい。
【0009】一方、本発明で用いられるポリエステルを
構成する1,4−ブタンジオールが全グリコール成分中
40モル%未満では、ポリマーの結晶性が低下するため
適度な収縮応力が得られない。本発明のフィルムの融点
は140〜190℃であることが必要であり、好ましく
は140〜180℃、さらに好ましくは150〜175
℃の範囲である。融点が190℃より高い場合には、本
発明の目的とする高度な穿孔感度が得られなくなり、1
40℃未満では、フィルムの耐熱寸法安定性が悪化して
原紙を製造する工程や、原紙の保存中にカールが発生し
たり、印刷画像の階調性が劣るようになる。
【0010】なお、ポリマーブレンドによりDSC(差
動熱量分析)測定時の溶融吸熱ピークが2ケ所以上に得
られることがあるが、本発明においては、最も低温度の
ピーク(I)から算出されるエネルギーが溶融の全ピー
クから算出されるエネルギー合計の30%以上である場
合は、ピーク(I)の頂点の温度を融点とし、30%未
満の場合は、最も溶融エネルギーの大きいピークの頂点
の温度を融点とする。
【0011】また、本発明においては60〜140℃の
範囲でのフィルムの加熱収縮応力の最大値が500g/
mm2 を超えることが必要である。500g/mm2
下では、たとえ融点が低くて、フィルムが熱により溶融
しやすくても、穿孔時に穴が広がる力が不足して、印刷
時に鮮明な画像が得られるほどの十分な大きさを有する
穿孔が得られなくなるため好ましくない。かかる加熱収
縮応力の最大値は好ましくは550g/mm2 以上、さ
らに好ましくは600g/mm2 以上1500kg/m
2 未満である。またかかる加熱収縮応力の、フィルム
の横方向と縦方向との比(横方向/縦方向として)が
0.7〜3.0の範囲にあることが好ましく、さらに好
ましくは1.1〜2.5の範囲である。かかる比の値が
0.7未満、すなわち縦方向に著しく大きな収縮応力を
有する場合は、印刷時の耐刷性が劣る場合がある。一
方、3.0を越える場合は、穿孔形状の均一性が悪化
し、印刷時の画像濃度や解像度が劣る場合がある。
【0012】上記した融点および加熱収縮応力を有する
フィルムとするため、原料ポリマーとして、ある程度の
結晶性を有するものを用いることが好ましい。結晶性の
非常に低い、例えば共重合成分の量を多くしたポリエス
テル等を用いると、融点は低くなるが、加熱収縮応力を
大きくすることは出来なくなる。ここで言う、ある程度
の結晶性を有するとは、ポリマーを溶融後、厚み200
μmのシート状に成型、急冷して得られたアモルファス
シートを、該ポリマーの融点または軟化点以下でかつ1
00℃以上の温度に保ったオーブン中で5時間処理し、
その熱処理前、後でのヘーズ値の変化が2%以上である
ものを指す。
【0013】これらの要件に加え、本発明においてはフ
ィルムの100℃10分処理後の収縮率が20%以上で
ある必要があり、好ましくは30〜80%である。20
%未満では、穿孔感度が不足して印刷的の画像濃度が低
下するようになるため好ましくない。本発明のフィルム
は、フィルム製造時の巻上げ工程、原紙作成時のコーテ
ィング、貼合せ工程および印刷時の作業性を向上させる
ため、あるいは、熱穿孔時のサーマルヘッドとフィルム
との融着を防止するため、表面を粗面化してフィルムに
適度な滑り性が付与される。具体的には、表面を適度に
粗面化するためにフィルムに平均粒径0.05〜2.0
μmの微粒子を0.01〜2.0重量%、好ましくは
0.1〜1.5重量%含有させる。かかる微粒子の例と
しては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウ
ム、リン酸リチウム、リン酸マグネシム、フッ化リチウ
ム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、カオ
リン、タルク、カーボンブラック、窒化ケイ素、窒化ホ
ウ素および特公昭59−5216号公報に記載されたよ
うな架橋高分子微粉体を挙げることができるが、これら
に限定されるものではない。この際、配合する微粒子
は、単成分でもよく、また、2成分以上を同時に用いて
もよい。2成分以上用いる場合は、それらの全体の平均
粒径および含有量が上記した範囲内にあることが必要で
ある。平均粒径が0.05μm未満であったり、微粒子
の含有量が0.01重量%未満である場合は、フィルム
表面の粗面化が不足し十分に効果が得られない。また、
平均粒径が2.0μmを越える場合や含有量が2.0重
量%を超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合い
が大き過ぎて熱伝達にムラが生じ、穿孔が不均一とな
り、解像度が劣ったり、印字品位性を損なったりするた
め好ましくない。
【0014】本発明においては、上記したような方法に
より、表面を適度に粗面化したフィルムを得るが、穿孔
時にフィルムの溶融した部分がサーマルヘッドに付着す
ることによる感度の低下を防止し、かつ印刷時の解像
度、印字品位性をさらに高度に満足させるため、微粒子
の粒径分布がシャープなものを用いることが好ましい。
すなわち、本発明においては、後述の方法で測定した粒
径分布のうち、d25/d 75が、好ましくは1.05〜
1.7、さらに好ましくは1.1〜1.5、特に好まし
くは1.2〜1.4である。d25/d75が1.7を越え
ると、広がりの大きな突起が増加するようになり、上記
した本発明の効果が得られなくなるため好ましくない。
また、本発明においては、フィルムに含有させる粒子と
して、球状シリカ、合成法による炭酸カルシウム、特開
平2−194049号公報に記載されたような単分散の
架橋高分子微粉体から選ばれた1種以上を用いることが
最も好ましい。
【0015】本発明においては上記したような方法によ
り表面を適度に粗面化したフィルムを得るが、作業性や
印刷時の解像度、印字品位性をさらに高度に満足させる
ためには、フィルム表面の中心線平均粗さ(Ra)が
0.01〜0.4μmであることが好ましく、さらに好
ましくは0.02〜0.3μmの範囲であり、またフィ
ルム表面の最大高さ(Rt)が0.4〜3μmであるこ
とが好ましく、さらに好ましくは0.5〜2μmの範囲
であり、かかる範囲となるよう適宜、条件を選択するこ
とが望ましい。
【0016】本発明のフィルムは、極めて薄いフィルム
であるので、フィルムの長手方向と幅方向の引張弾性率
を共に通常300kg/mm2 以上、好ましくは350
kg/mm2 以上とすることにより、取り扱い作業性や
耐刷性がより良好となる。次に本発明のポリエステルフ
ィルムの製造方法について説明する。本発明において
は、ポリマーをエクストルーダーに代表される周知の溶
融押出装置に供給し、該ポリマーの融点以上の温度に加
熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをスリット状
のダイから押し出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温
度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状
態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を
向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を
高める必要があり、本発明においては静電印加密着法お
よび/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0017】静電印加密着法とは、通常、シートの上面
側にシートの流れと直交する方向に線状電極を張り、該
電極に約5〜10kVの直流電圧を印加することにより
シートに静電荷を与え、ドラムとの密着性を向上させる
方法である。また、液体塗布密着法とは、回転冷却ドラ
ム表面の全体または一部(例えばシート両端部と接触す
る部分のみ)に液体を均一に塗布することにより、ドラ
ムとシートとの密着性を向上させる方法である。本発明
においては必要に応じ両者を併用してもよい。
【0018】本発明においてはこのようにして得られた
シートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件
について具体的に述べると、前記未延伸シートを好まし
くは40〜120℃、さらに好ましくは40〜110℃
の温度範囲で、まず一方向にロールもしくはテンター方
式の延伸機により3.0〜7倍、好ましくは3.5〜7
倍に延伸する。次に一段目と直交する方向に好ましくは
40〜125℃、さらに好ましくは40〜110℃の温
度範囲で3.0〜7倍、好ましくは3.5〜7倍、さら
に好ましくは4.0〜7倍に延伸を行い、2軸に配向し
たフィルムを得る。なお、一方向の延伸を2段階以上で
行う方法も用いることができるが、その場合も最終的な
延伸倍率が上記した範囲に入ることが望ましい。また、
前記未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるよう
に同時二軸延伸することも可能である。
【0019】かくして得られたフィルムを熱処理しても
よく、また必要に応じ熱処理を行う前または後に再度縦
および/または横方向に延伸してもよい。本発明におい
ては、上記した熱収縮特性を有するフィルムを得るため
に、延伸倍率を面積倍率として15倍以上、延伸後の熱
処理を実質的に行わないか、行ったとしても130℃以
下、さらには110℃以下とし、熱処理時間は1秒〜5
分間でフィルムを30%以内の伸長または定長下で行う
ことが好ましい。
【0020】なお、本発明においては、製膜に供するポ
リエステル全量に対し、10重量%程度以下の他のポリ
マー(例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポ
リアミド、ポリイミド等)を含有させることができる。
また、必要に応じ、酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯
電防止剤、染料、顔料等の添加剤を配合してもよい。
【0021】かくして得られた本発明のポリエステルフ
ィルムは、常法に従って所定の多孔性薄葉紙を公知の接
着剤を用いてラミネートすることにより、優れた熱穿孔
性を有し、かつ、印刷時の解像度および階調性に優れた
感熱孔版印刷用原紙とすることができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用い
た物性測定法を以下に示す。
【0023】(1)微粒子の平均粒径 (株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−
CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法に
よって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒
子の等価球形分布における積算(重量基準)50%の値
を用いて平均粒径(d50)とした。また同様に大粒子側
から25%の値をd25,75%の値をd 75とした。
【0024】(2)縦横平均熱収縮率 試料を無張力状態で100℃に保ったオーブン中、3分
間熱処理し、その前後の試料の長さを測定して次式にて
熱収縮率を算出した。
【0025】
【数1】 フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求
めた。
【0026】(3)加熱収縮応力 フィルムを幅10mmの短冊状に切り出し、一端を荷重
検出器のチャックに、もう一方を固定チャックにセット
し、チャック間は50mmとした。初期荷重をかけない
状態で、フィルムを所定温度のオイルバス中に浸漬し、
浸漬開始から5秒後の応力値を測定した。浸漬前のフィ
ルム断面積から加熱収縮応力(g/mm 2 )を算出し
た。フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値
を求めた。測定は60℃〜140℃の範囲で10℃ごと
に行い、その9点の温度での測定値の中で最大のものを
最大値とした。
【0027】(4)融点 セイコー電子工業(株)製差動熱量計SSC580DS
C20型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のと
おりである。すなわち、試料フィルム10mgをDSC
装置にセットし、10℃/minの速度で昇温し、0℃
〜300℃の範囲で測定し、融点を融解吸熱ピークの頂
点として測定した。
【0028】(5)中心線平均粗さ(Ra) (株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F)を用
いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲
線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の
部分を抜きとり、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦
倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表した
とき、次式で与えられた値を〔μm〕で表した。中心線
平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を
求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心
線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は
2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08
mmとした。
【0029】
【数2】
【0030】(6)最大高さ(Rt) 中心線平均粗さを測定した際に得られた断面曲線の抜き
取り部分(2.5mm)の中心線に平行な2直線で該抜
き取り部分を挟んだとき、この2直線の間隔を断面曲線
の縦倍率の方向に測定して、その値を抜き取り部分の最
大高さ(μm)とした。最大高さは、試料フィルム表面
から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求
めた抜き取り部分の最大高さの平均値で表した。
【0031】(7)感熱孔版印刷原紙実用特性 フィルムに和紙を貼り合わせて原紙を作製した。得られ
た原紙をサーマルヘッドにより、印加エネルギー0.0
9mJおよび0.12mJにて文字画像および16段階
の階調画像を製版した。製版された原紙のフィルム側か
ら顕微鏡で階調画像部の穿孔状態を観察し、以下の項目
について評価した。
【0032】(i)穿孔感度 ○ … 所定の穿孔が確実に行われ、穿孔の大きさも十
分であり良好。 △ … 稀に所定の穿孔が得られない部分や穿孔の大き
さが不十分な部分があるが、実用は可能。 × … 所定の穿孔が得られない部分が数多くあり、穿
孔の大きさも不十分であり、実用上支障がある。 また、製版原紙を用い、理想科学工業(株)製リソグラ
フAP7200印刷機を用いて実際に印刷し、得られた
文字、画像について、下記の特性を目視で判定した。
【0033】(ii)印字品位性 ○ … 濃度のムラ、にじみがなく、鮮明に印字でき、
良好。 △ … わずかに濃淡のムラ、にじみが認められ、やや
鮮明さに欠ける。 × … 濃淡のムラ、あるいはにじみ、かすれがはっき
り出ている。
【0034】実施例1 テレフタル酸ジメチル70部、イソフタル酸ジメチル3
0部、1,4−ブタンジオール56部、およびテトラブ
チルチタネート0.0075部を反応器にとり、反応開
始温度を150℃とし、メタノールの留去と共に徐々に
反応温度を上昇させ、3時間後に210℃まで昇温し
た。さらに、1時間反応を行った後、平均粒径1.1μ
mの球状シリカ粒子0.2部を添加し、常法により重縮
合反応を行った。この反応は、温度を徐々に高めると共
に圧力を常圧より徐々に減じ、2時間後、温度を260
℃、圧力を0.3mmHgとした。反応開始後、4時間
を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出
させた。得られた共重合ポリエステル(A)の極限粘度
は、0.70であった。
【0035】得られた共重合ポリエステル(A)を原料
として、260℃にて押出機よりシート状に押出し、表
面温度を25℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷
却法を利用して急冷固化させ、厚み35μmの実質的に
非晶質のシートを得た。次いで得られたシートを縦方向
に60℃で4.0倍、横方向に70℃で4.4倍に延伸
し、さらに90℃で6秒間熱処理を施し、厚み1.8μ
mの二軸配向フィルムを製造した。
【0036】実施例2 また、酸成分の80モル%がテレフタル酸、20モル%
がイソフタル酸、グリコール成分がエチレングリコール
である。極限粘度が0.68のポリエチレンテレフタレ
ート・イソフタレート共重合体(B)を製造した。該共
重合体(B)には、平均粒径0.6μの単分散架橋高分
子粒子(主成分スチレン、ジビニルベンゼン)0.5重
量%とを含有していた。
【0037】実施例1で製造した共重合体(A)と共重
合体(B)とを重量比50/50で混合したものを原料
として実施例1と同様にして、厚み40μmの実質的に
非晶質のシートを得た。得られたシートを70℃で4.
2倍×4.2倍に同時二軸延伸し、100℃にて30秒
間定長下で熱処理を行って、厚み2.0μmの二軸配向
フィルムを得た。
【0038】比較例1 熱処理温度を140℃とし、熱処理時に幅方向に10%
の弛緩を行った以外は、実施例1と同様にして、厚み
1.8μmの二軸配向フィルムを得た。
【0039】比較例2 ポリマー押出量を調節して、厚み5.0μmとした以外
は実施例1と同様にして、二軸配向フィルムを得た。
【0040】比較例3 酸成分の85モル%がテレフタル酸、15モル%がイソ
フタル酸であるポリエチレンテレフタレート・イソフタ
レート共重合体(C)を原料として、厚み40μmの実
質的に非晶質のシートを得た。得られたシートを、実施
例1と同様にして二軸延伸、熱処理し、厚み2.0μm
の二軸配向フィルムを得た。
【0041】比較例4 酸成分がテレフタル酸、グリコール成分の67モル%が
エチレングリコール、33モル%が1,4−シクロヘキ
サンジメタノールである共重合ポリエステル(D)を原
料として、厚み45μmの非晶質シートを製造した。得
られたシートを縦方向に85℃で2.9倍、さらに80
℃で1.3倍、2段階で延伸し、次いで横方向に90℃
で4.5倍延伸した後、130℃で6秒間熱処理し、厚
み2.4μmの二軸配向フィルムを得た。
【0042】以上、得られたフィルムを常法に従い、多
孔性薄葉紙に貼り合わせて感熱孔版印刷用原紙を作成
し、謄写印刷を行った。フィルムの物性および謄写印刷
特性を下記表1にまとめて示す。
【0043】
【表1】
【0044】実施例1,2のフィルムは、フィルム製造
時、原紙作成時の取り扱い性に優れ、これらを用いて作
成した原紙は、熱穿孔感度に優れているため、良好な謄
写印刷特性を示すものであった。これらに対し、比較例
1および4は、収縮応力が不足するため、比較例2は厚
みが厚過ぎるため、比較例3は、融点が高いため、いず
れも熱穿孔感度が劣るものであった。
【0045】
【発明の効果】本発明の感熱孔版印刷原紙用フィルム
は、取り扱い性が良好で、かつ熱穿孔性、印刷時の解像
度、印字品位性の優れたものであり、その工業的価値は
高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−307790(JP,A) 特開 平2−307789(JP,A) 特開 平2−307788(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 1/24 102

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸成分の50〜80モル%がテレフタル
    酸、20〜50モル%がイソフタル酸、グリコール成分
    の40モル%以上が1,4−ブタンジオールであるポリ
    エステル共重合体からなる厚み0.5〜4.0μmの二
    軸配向フィルムであって、該フィルムの融点が140〜
    190℃、温度60〜140℃の範囲での加熱収縮応力
    の最大値が500g/mm2 を超え、100℃での熱収
    縮率が20%以上であることを特徴とする高感度感熱孔
    版印刷原紙用フィルム。
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