JP5242923B2 - 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム - Google Patents

感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

本発明は、感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、独立穿孔性および耐印刷性に優れた、感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムに関する。
従来、感熱孔版印刷用原紙としては、ポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルムにインキ透過性多孔性薄葉紙を熱または接着剤によりラミネートしたもの、最近では多孔性樹脂膜と多孔性薄葉紙を併用した高画質な印刷物が知られており、孔版印刷物の品質に対しては、使用されるフィルム特性の寄与が大きくなっている。
印刷特性を改良するため、感熱孔版印刷用原紙の構成を配慮した幾つかの提案がなされている。例えば特許文献1には多孔性支持体として、繊度1デニール以下の合成繊維からなる薄葉紙を用いること、また特許文献2および3には熱可塑性フィルムの片面に多孔性樹脂膜を設けた感熱孔版印刷用原紙が提案されている。特許文献4および5には、インキ通過を阻害しない多孔性支持体を用いない実質的に熱可塑性フィルムからなる感熱孔版印刷用原紙が提案されている。
一方、感熱孔版印刷用原紙を構成するフィルムの穿孔特性の改良、製膜時および孔版原紙作成時の取扱い性を改良した提案もされている。
従来、かかる用途に用いるフィルムとして熱可塑性樹脂を対象とした二軸延伸フィルムであって、その熱的特性を規定することにより印刷特性を改善したフィルム(特許文献6)、平均粒子径とフィルム厚みを規定したフィルム(特許文献7)、表面の粗度および突起個数を規定したフィルム(特許文献8)、あるいは熱収縮特性を規定したフィルム(特許文献9)等が提案されている。
ところが、近年、高解像度を得るために、個々のサーマルヘッドは小さく、単位面積当たりの穿孔数を増し、個々のヘッドに供給するエネルギーは低減させる方向にある。また、設定した印刷画像を得るため、画像信号に応じたエネルギーを供給し、穿孔サイズを調整している。従来のフィルムを用いた感熱孔版印刷用原紙では低いエネルギーでの穿孔には、フィルムの穿孔特性不足のため穿孔が十分でなく、また高エネルギーで穿孔した場合には穿孔サイズが大きく隣の穿孔が連なる連孔が発生する。そのため、文字印刷、ベタ印刷で印刷裏移りなどの印刷品質が低下する問題が生じる。また、作成された感熱孔版印刷用原紙において多部数の印刷ができる印刷耐久性が要求されている。具体的には、印刷紙エッジと感熱孔版印刷用原紙との繰り返し圧着、磨耗によってフィルムが損傷、破れが発生しないことが望ましい。
すなわち、幅広い画像信号に応じたサーマルヘッドからのエネルギーに対して目的の穿孔が確実に起こり、かつエネルギーに応じて穿孔サイズが変化し、特にエネルギーが高い領域では個々の穿孔が連なることなく独立穿孔を維持しながら、印刷紙エッジと感熱孔版印刷用原紙との繰り返し圧着、磨耗によるフィルムの損傷を防止し、優れた印刷耐久性を実現する感熱孔版印刷原紙用フィルムが望まれるようになっている。
特開平3−193445公報 特開平8-332785公報 特開2003−276355号公報 特開昭54-33117公報 特開2001−212925公報 特開昭62−149496号公報 特開昭63−286396号公報 特開昭63−227634号公報 特開平5−116215号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、幅広い画像信号に応じたサーマルヘッドからのエネルギーに対して目的の穿孔が確実に起こり、かつエネルギーに応じて穿孔サイズが変化し、特にエネルギーが高い領域では個々の穿孔が連なることなく独立穿孔を維持しながら、印刷紙エッジと感熱孔版印刷用原紙との繰り返し圧着、摩耗によるフィルムの損傷を防止し、優れた印刷耐久性を実現する感熱孔版印刷原紙用フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定のポリエステルフィルムにエポキシを有する不飽和単量体と当該単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体を特定量含有させることによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、エポキシを有する不飽和単量体と当該単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体(ただし、架橋高分子粒子である共重合体を除く)をポリエステル100重量部に対して0.1〜2.0重量部含有するポリエステル組成物からなるポリエステルフィルムであって、このポリエステルフィルムの融点が148℃〜254℃であることを特徴とする感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルの二官能性酸成分は芳香族ジカルボン酸もしくは、そのエステル形成性誘導体を主とするものであり、具体的にはテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、そのエステル形成性誘導体としてはテレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル等が挙げられる。またグリコール成分としては、エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
かかるポリエステルは1種の芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体と、1種のアルキレングリコールとを出発原料とするポリエステルでもよいが、2種以上の成分を含む共重合体であることが好ましい。共重合する成分として、上記のほかに例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。またそれぞれ単一成分で構成されるホモポリマー同士、ホモポリマーと2種以上の成分を含む共重合体および該共重合体同士のブレンドポリエステルが好ましい。
本発明のポリエステルに配合されるエポキシ基を有する不飽和単量体とからなる共重合体としては、側鎖にエポキシ基を有する官能性のアクリル系共重合体が挙げられ、例えばグリシジルメタクリレートと他のビニル単量体とを共重合することによって得られる。
グリシジルメタクリレートと共重合体させる他のビニル単量体としては、スチレン、ビニルトルエンなどのスチレン誘導体、メチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、アクリロニトリル、エチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデンなどが、東亜合成社製「ARUFON」を挙げることができる。
前記グリシジルメタクリレート共重合体の配合量は、ポリエステル100重量部に対して、0.1〜2.0重量部であり、穿孔特性を高度に満足させるために配合量は0.2〜1.0重量部が好ましく、さらに好ましくは0.3〜0.6重量部である。配合量が2.0重量部を超えると、フィルムの粘度が増し穿孔特性を阻害することがある。配合量が0.1部未満であると穿孔温度域でのフィルム粘弾性特性変化がほとんど生じないことがあり、画像信号に応じたエネルギーを供給した場合に、目的の穿孔が確実に起こり、かつ目的の穿孔サイズを調整することができない場合がある。
本発明のポリエステルフィルムの融点は、通常140℃〜240℃、好ましくは150℃〜230℃の範囲である。融点が240℃より高い場合には、穿孔特性、感度が低下し、融点140℃未満では、フィルムの耐熱寸法安定性が悪いため、原紙を製造する工程や、原紙の保存中に発生するカール、印刷画像の階調性のレベルが悪くなる傾向がある。
本発明のフィルムは、140℃−3分間の熱収縮率が、30〜70%、さらには40〜70%、特に50〜70%の範囲が好ましい。140℃での熱収縮率が30%未満では、低エネルギーでの穿孔性の点から十分な穿孔径、穿孔確率を確保することができないことがあり、70%より大きいと原紙の保存中に発生するカール、印刷画像の階調性のレベルが悪くなる場合がある。
本発明のフィルムのガラス転移温度[Tg]は60℃以上が好ましい。Tgが60℃未満の場合は、サーマルヘッドの発熱によりベタ印刷周辺でのフィルム収縮などが原因となって製版歪が発生し印刷品質を悪化させることがある。また、マスターカールは60℃での長時間収縮率が寄与するが、Tgが60℃未満では、フィルム製膜時の張力変動が、残留歪として残存しやすく、マスター保存中に残存した歪の回復、寸法変化から高温、高湿下でカールが発生しやすくなる。カールが大きいと製版印刷機での通紙性および搬送性が悪化する。また、ラミ加工温度はフィルムのTgより低い温度でのラミ加工が好ましく、生産性面で不利になることもある。また、フィルムのTgが85℃を超える場合は低エネルギーでの穿孔が難しくなる傾向がある。
穿孔径の独立穿孔性および穿孔径に寄与するフィルム特性として、フィルムの固有粘度〔η〕は0.55dl/g以上、好ましくは0.60dl/g以上が良い。フィルム固有粘度〔η〕が0.55未満では、サーマルヘッド印字の温度で溶融粘度が低く、穿孔径の独立性が維持できず連孔を生じることがある。一方、0.80dl/g以上の場合は穿孔時の変形抵抗が大きく、穿孔径の不揃いが発生しやすく、未穿孔が発生しやすくなる傾向がある。
本発明のフィルム厚みは、通常0.7〜3.0μm、好ましくは1.0〜2.0μmの範囲である。フィルム厚みが3.0μmより厚いと熱伝導距離が長くなり、穿孔性が低下して、印刷時の解像度や印字品位性が低下する傾向がある。フィルム厚みが0.7μm未満であると、低いエネルギーの穿孔性に優れているが、製膜の安定性および印刷枚数が多い用途にはフィルム強度が不足して印刷耐久性が低下することがある。
また本発明のフィルムは、フィルム製造時の巻上げ工程、原紙作製時のコーティング、貼合せ工程および印刷時の作業性を向上させるため、あるいは、熱穿孔時のサーマルヘッドとフィルムとの融着を防止するため、表面を粗面化してフィルムに適度な滑り性が付与させることが好ましいが、そのためには微細な不活性粒子をフィルム中に添加すればよい。用いる微細な不活性粒子の平均粒径は、フィルム厚みの0.2〜1.0倍であることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜0.7倍、特に好ましくは0.3〜0.5倍である。平均粒径がフィルム厚みの1.0倍を超えると、フィルム表面の平面性が損なわれて熱伝達にムラが生じることがあり、穿孔が不均一となったり、解像度が劣ったり、印字品位性を損なったりすることがある。また、平均粒径がフィルム厚みの0.2倍未満では、フィルムの巻き特性が劣るなどフィルム製造時および原紙製造時の作業性が悪化する傾向がある。
粒子の添加量は、通常0.05〜3.0重量%、好ましくは0.1〜2.0重量%である。0.05重量%未満では巻き特性が劣る傾向がある。また3重量%を超えるとフィルム表面の粗面化の度合いが大き過ぎて熱伝達にムラが生じやすくなる傾向があり、穿孔が不均一となったり、解像度が劣ったり、印字品位性を損なったりすることがある。
本発明で用いる不活性粒子の例としては、酸化ケイ素、酸化チタン、ゼオライト、窒化ケイ素、窒化ホウ素、セライト、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシム、フッ化リチウム、カオリン、タルク、カーボンブラックおよび特公昭59−5216号公報に記載されたような架橋高分子微粉体などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。この際、配合する不活性粒子は単成分でもよく、また2成分以上を同時に用いてもよい。また、本発明においてポリエステルに不活性粒子を配合する方法としては、特に限定されないが、例えば不活性粒子をポリエステルの重合工程に添加する方法、またはフィルム化前に溶融混練りする方法が好ましく用いられる。
本発明においては上記したような方法により表面を適度に粗面化したフィルムを得るが、作業性や印刷時の解像度、印字品位性をさらに高度に満足させるためには、フィルム表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.02〜0.2μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.15μmの範囲であり、かかる範囲となるよう適宜、条件を選択することが望ましい。
次に本発明のポリエステルフィルムの製造方法について説明する。
本発明においては、ポリマーをエクストルーダーに代表される周知の押出装置に供給し、ポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをスリット状のダイから押し出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、通常、静電印加密着法を採用する。
このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは55〜95℃、さらに好ましくは60〜85℃の温度範囲で、まず一方向に3.0〜6.0倍、好ましくは3.5〜5.0倍に延伸する。次ぎに一段目と直交する方向に好ましくは70〜120℃さらに好ましくは75〜110℃の温度範囲で3.0〜6.0倍、好ましくは3.5〜5.0倍に延伸を行い、2軸に配向したフィルムを得る。
なお、一方向の延伸を2段階以上で行う方法も用いることができるが、その場合も最終的な延伸倍率が上記した範囲に入ることが望ましい。また、前記未延伸シートを面積倍率が9〜30倍になるように同時二軸延伸することも可能である。
かくして得られたフィルムを熱処理してもよく、また必要に応じ熱処理を行う前または後に再度縦または横方向に延伸してもよい。延伸後の熱処理は実質的に行わないか、行ったとしても120℃以下、さらには100℃以下とし、通常、熱処理時間は1秒〜20秒間でフィルムを弛緩状態や定長下で行う。
また、感熱孔版印刷用原紙を製造する際、40〜70℃程度の乾燥工程および夏場を経る長期保存中にフィルムの収縮に起因すると考えられるカールが発生することがある。従って本発明においてはカール防止のため、得られたフィルムを30〜60℃で5時間から3日間、好ましくは35〜50℃で1日〜3日間エージング処理すると、当該環境下での耐カール性が良好となる。
本発明の感熱孔版用原紙フィルムは、印刷耐久性に優れ、広範囲の穿孔エネルギーで目的サイズの穿孔径が確実に穿孔することが可能となり、サーマルヘッドの寿命延長や高速製版に寄与する。その工業的価値は高い。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用いた物性測定法は以下に示すとおりである。
(1)試料成分含有量の測定
ポリマー試料を重水素トルフルオロ酢酸溶媒に濃度3重量%となるように溶解させた溶液を調整した。核磁気共鳴装置(ブルカ−バイオスピン製DRX−500)を用い、この溶液の1H−NMRスペクトルを得、各ピークを帰属し、ピークの積分値から各成分の含有量を算出した。
(2)熱収縮率(%)
所定の温度(140℃)に保ったオーブン中、試料を無張力状態で3分間熱処理しその前後の試料長さを測定し次式にて熱収縮率を算出した。
フィルムの縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求めた。
熱収縮率=(熱処理前サンプル長−熱処理後サンプル長)÷熱処理前サンプル長×100
(3)固有粘度の測定
試料1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解し、30℃で測定した。
(4)融点およびガラス転移温度
示差走査熱量計(DSC)を用いる方法で、具体的にはテイー・エイ・インスルメント社製DSC−2920を使用して測定した。試料を温度0℃から昇温速度10℃/分で300℃まで昇温し結晶融解吸熱ピーク温度を融点[Tm]とした。ガラス転移温度[Tg]は300℃に加熱した試料を急冷した後、昇温速度10℃/分で昇温した時、比熱の変化によりDSC曲線が屈曲する温度範囲の中心値とした。
(5)感熱孔版印刷原紙実用特性
フィルムに和紙を貼り合わせて原紙を作製した。得られた原紙をプリポートVT3950により、印刷した。印字エネルギーは通電コントロール調整−17%(標準)、−35%(エコノミ)、−50% にて文字画像および16段階の階調画像を製版した。製版された原紙のフィルム側から顕微鏡で階調画像部の穿孔状態を観察し、以下の項目について評価した。
(a)穿孔感度
◎…所定の穿孔が確実に行われ、穿孔の大きさも十分である
○…所定の穿孔がほぼ確実に行われる、穿孔の大きさも十分である
△…所定の穿孔がほぼ確実に行われるが、穿孔の大きさに不十分なものがある
×…所定の穿孔が得られない部分が数多くあり、穿孔の大きさも不揃があり、実用上支障がある
(b)穿孔サイズ
印字エネルギー(−35%)でのベタ印刷部の穿孔サイズを写真観察で比較した。
◎…目標サイズの穿孔が確実に穿孔されている
○…目標サイズより若干小さいが穿孔は確実に穿孔されている
△…目標サイズより若干小さく、完全に穿孔されない不十分部分がある
×…目標サイズより小さく、穿孔されない部分がある
また、製版原紙を用い、リコー(株)製プリポートVT3950印刷機を用いて実際に印刷し、得られた文字、画像について、下記の特性を目視で判定した。
(c)印字品位性
◎…濃度のムラ、にじみが全くなく、鮮明に印字できる
○…濃度のムラ、にじみが殆どなく、鮮明に印字できる
△…濃度のムラ、にじみは殆どないが、わずかに鮮明さに欠ける
×…濃淡のムラ、にじみが認められ、鮮明さに欠ける
(d)印刷耐久性
25mm直径の金属ドラムに180度接触させ10mm/秒の速度で繰り返し摩耗させた。磨耗長さは75mm、2時間繰り返し摩耗した時のフィルム表面変化、あるいはフイルムダメージレベルを三段階で以下の基準で評価した。
○…フィルム表面変化が少なくダメージが少ない
△…フィルム表面に薄い引掻きキズは観察されるが、著しいフィルム摩耗は観察されない
×…フィルム表面が穿孔された部分から一部破壊されている
実施例1:
テレフタル酸ジメチル80重量部、イソフタル酸ジメチル20重量部、エチレングリコール60重量部を出発原料とし、触媒として、酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器に取り、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェ−ト0.04部を添加した後、平均粒子1.1μmの球状シリカ1.0部および三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により固有粘度0.70dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル−Aの固有粘度は0.70dl/gであった。ポリエステル−A原料100重量部に東亞合成(株)社製商品名ARUFONUG−4030(カタログ値:Mw=11000、Tg52℃エポキシ価:1.8meq/g、組成 アクリル系)(以下エポキシ変性改質剤と略称する)を0.6重量部を加え、二軸押出機を用いて280℃で混練りし、シート状に押出し、表面温度40℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を使用して急冷固化させ厚み25μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られたシートを縦方向に70℃で4.0倍、横方向に97℃で4.0倍に延伸し90℃のテンター内で熱処理を施し、厚み1.5μmの二軸配向フィルムを製造した。 次いで得られたフィルムを多孔性薄葉紙に貼り合わせ、感熱孔版印刷用原紙を作製し謄写印刷および穿孔評価を行った。
実施例2〜4:
実施例1において、エポキシ変性改質剤を下記表1に示すとおり変更、実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作製し、謄写印刷と穿孔評価を行った。
比較例1:
実施例1において、エポキシ変性改質剤を配合しないポリエステル−Aを100重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、謄写印刷を行った。
比較例2:
実施例1において、エポキシ変性改質剤を2.5重量部配合した以外は同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、謄写印刷および穿孔評価を行った。
実施例5:
テレフタル酸ジメチル70重量部、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル30重量部、エチレングリコール58重量部、1,4−ブタンジール42重量部、テトラブチルチタネート0.005重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留出とともに反応温度を除々に昇温させ、3時間後に210℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了したこの反応混合物に平均粒径が1.2μmの球状シリカ粒子を分散させてエチレングリコールスラリとして0.5%重量部添加し、テトラブチルチタネート0.005重量%を加えて、4時間後重縮合反応を行った。この時、温度は220℃から徐々に昇温して280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、5時間を得た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吹出させ共重合ポリエステル−Bを得た。得られたポリエステル−Bの固有粘度は0.64dl/gであった。実施例1と同様にポリエステル−Bにエポキシ変性改質剤を表−2に示す通り配合、二軸押出機を280℃から255℃に変更、回転冷却温度を40℃から30℃に変更して実質的に非晶質のシートを得た。得られたシートは縦方向に83℃で4.0倍に、横方向は84℃で4.0倍に延伸し、90℃のテンター内で熱処理を施し厚み1.5μmの二軸配向フィルムを製造した。実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作製し、謄写印刷および穿孔評価を行った。
実施例6:
ポリエステル−Aの製造において、出発原料テレフタル酸ジメチル100重量としたこと以外はポリエステル−Aの製造方法と同様の方法を用いてポリエステル−Cを得た。得られたポリエステル−Cの固有粘度は0.60dl/gであった。ポリエステル−Cを用い、表1に示すとおり原料を配合して、実施例1における製膜条件をフィルムの縦方向の延伸温度を83℃、横方向を103℃に変更し、テンターでの熱処理温度を100℃とし、厚み1.5μmの二軸延伸フィルムフイルムを製造した。次いで、実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作製し謄写印刷および穿孔評価を行った。
比較例3:
実施例6において、エポキシ変性改質剤を配合しないポリエステル−Cを用いた以外は実施例6と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、謄写印刷および穿孔評価を行った。
以上得られたフィルムの物性および孔版原紙実用特性を下記表1および2に示す。
Figure 0005242923
Figure 0005242923
本発明のフィルムは、感熱孔版印刷原紙用として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. エポキシを有する不飽和単量体と当該単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体(ただし、架橋高分子粒子である共重合体を除く)をポリエステル100重量部に対して0.1〜2.0重量部含有するポリエステル組成物からなるポリエステルフィルムであって、このポリエステルフィルムの融点が148℃〜254℃であることを特徴とする感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム。
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